JP4456305B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関し、詳細には、複数のレーザ光源素子を用いて画像形成する際の各レーザ光源素子の個体差からくる出力パワーの違いやレーザ光源素子の組付位置精度による書込開始位置の位置ずれによる画像品質の劣化を適切に防止して画像品質の良好な画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザダイオード(LD)を用いた電子写真プロセスで画像形成するプリンタや複写機等の画像形成装置においては、従来からそのプロセスの不安定さを補うために、出力する画像データに対して中間調処理が行われてきた。
【0003】
この中間調処理には、一般的に、小値の書込系に対しては誤差拡散法が用いられ、多値の書込系に対してはディザ法が用いられている。ディザ法では、近年はスクリーン角をつけたものも用いられることがあるが、搬送方向に対して平行な万線パターンにバンディングといった異常画像が発生して画像品質が劣化することに対する余裕度の点から使用されることが多い。
【0004】
これらのディザ法にもさまざまな技術が提案されており、例えば、図22(a)〜(c)に示すように、PWM方式の書込位相を制御してドットや万線を形成する技術がある(特開平5−292301、特開平2000−188684)。この従来技術では、右位相のPWM書込と左位相のPWM書込を組み合わせてドットや万線を主走査2画素で画像形成を行うことにより、ドットの再現性を向上させている。
【0005】
一方、近年、画像形成エンジンの高速化が進み、単体のLDではスピードが間に合わず、複数のLDを同時に用いて高速化に対応している画像形成装置がある。
【0006】
すなわち、従来、画像形成装置は、単一のレーザ光源素子を用いて画像を形成しており、このような単一のレーザ光源素子を用いた画像形成装置では、感光体が回転駆動部による回転駆動で副走査方向に移動して帯電手段により一様に帯電され、単一のレーザ光源素子からの1本のレーザビームがポリゴンミラー等の走査手段で走査されて感光体の帯電された表面に照射されることにより、画像が書き込まれて静電潜像が形成される。そして、画像形成装置は、この感光体上の静電潜像を現像手段により現像してトナー像とし、この感光体上のトナー像を転写手段で給紙装置から給送されてきた記録紙、OHPシート等の転写材に転写させて排出する。
【0007】
このような単一のレーザ光源素子を用いた画像形成装置では、高性能が要求される場合には、走査手段の回転数、あるいは、画像信号の周波数を上げる必要がある。しかし、走査手段の回転数や画像信号の周波数には限界があり、必ずしも所望とする速度で画像形成動作を行うことができなかった。そこで、複数のレーザ光源素子を持つマルチレーザ方式の画像形成装置が提案されている。
【0008】
このマルチレーザ方式の画像形成装置では、複数のレーザ光源素子からの複数本のレーザビームがポリゴンミラー等の走査手段で走査されて感光体の帯電された表面に照射されることにより、複数ライン分の画像が同時に感光体に書き込まれる。ライン同期信号発生手段は走査手段からの光ビームを所定の位置で検出してライン同期信号を複数のレーザ光源素子から出射される複数の光ビームに付き1個発生し、このライン同期信号に同期して複数本のレーザビームが画像信号により変調されて複数ライン分の画像書込が同時に行われる。従って、同時に感光体に書き込む情報量が増大するので、走査手段の回転数や画像信号の周波数を低減することができ、安定した画像を高速に形成することが可能になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複数のレーザ光源素子を用いた画像形成装置にあっては、複数のレーザ光源素子、例えば、複数のレーザダイオード間の個体差からくる出力パワーの微妙な違いやレーザダイオードの組付位置精度による書込開始位置のずれ等が発生することがあり、書込開始位置のずれ等が発生すると、同じドットを再現しようとしても、レーザダイオード毎に出力パワーや組付位置が異なるため、一定した書込を行うことができない。特に、万線パターンやスクリーン角をつけたディザ法を使用している場合には、図23や図24に示すように、線分によたりが発生し、ざらつきや滑らかさといった点で劣化しして、出力画像が劣化するという問題がある。
【0010】
このような問題に対して、従来は、レーザダイオード等のレーザ光源素子の選別による特性のマッチングや組付時の位置精度を向上させるといった物理的な方法しか改善方法はなく、精度のばらつきや限界などが問題となっていた。
【0011】
そこで、本発明は、位相制御を用いるディザ処理を行った結果に対して、左右の位相制御による書き込みを利用することにより、書込レーザ光源素子間における誤差を補正し、ざらつきのない滑らかな画像形成を行う画像形成装置を提供することを目的としている。
【0012】
具体的には、請求項1記載の発明は、書込位相を左右に切換可能な書込手段の複数のレーザ光源素子から出射するレーザ光を多値の画像データでパルス幅変調して回転駆動される感光体に照射させて静電潜像を形成して画像形成するに際して、画像データにディザ処理手段を施すディザ処理手段及び書込補正手段を備え、前記書込補正手段は、書込位相が右位相から左位相に変化するかどうかを検出する位相制御パターン検出手段を備え、前記位相制御パターン検出手段により、書込位相が右位相から左位相に変化することが検出された場合に、前記ディザ処理手段によりディザ処理された画像データに対して、右位相及び左位相の一方の画像データを減じ、他方の画像データを増加するように前記画像データの補正を行う手段であり、 前記書込補正手段により補正された画像データに基づいて前記書込手段の前記各レーザ光源素子による書込位相を制御することにより、複数のLD等のレーザ光源素子を用いて高速化を図った書き込みを行う場合に、書込位相制御を利用して各レーザ光源素子の有する個体差(機差)を補正し、各レーザ光源素子の特性を見かけ上揃えて、副走査方向にドットが連続する場合に、滑らかにドットをつなげて、ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することのできる画像形成装置を提供することを目的としている。
【0014】
請求項記載の発明は、請求項1に加えて、書込補正手段で、各レーザ光源素子のレーザ光の出力パワーを補正することにより、複数のレーザ光源素子のパワー偏差を補正し、画像先頭での書き出しが複数のレーザ光源素子のうちいずれのレーザ光源素子になった場合であっても、安定した出力を得て、ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することのできる画像形成装置を提供することを目的としている。
【0016】
請求項5記載の発明は、書込補正手段で、感光体への書出位置を主走査方向に2つ以上に分割して、それぞれ任意の補正量を適用して補正を行うことにより、各レーザ光源素子の有する個体差(機差)からくる偏差が主走査方向で異なる場合にも、当該偏差をより一層正確に補正し、各レーザ光源素子の特性を見かけ上より一層揃えて、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することのできる画像形成装置を提供することを目的としている。
【0017】
請求項6記載の発明は、感光体への書出位置を主走査方向に分割する分割数を分割数設定手段で設定し、書込補正手段で、当該設定された分割数で書出位置を主走査方向に分割して、それぞれ任意の補正量を適用して補正を行うことにより、各レーザ光源素子の有する個体差(機差)からくる偏差が主走査方向で異なる場合にも、当該偏差をより一層細やかにかつ正確に補正し、各レーザ光源素子の特性を見かけ上より一層揃えて、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することのできる画像形成装置を提供することを目的としている。
【0018】
請求項7記載の発明は、感光体への書出位置を主走査方向に分割する分割位置を分割位置設定手段で設定し、書込補正手段で、当該設定された分割位置で書出位置を主走査方向に分割して、それぞれ任意の補正量を適用して補正を行うことにより、主走査方向で偏差が異なる場合にも、より正確な位置で補正量を切り換えて、各レーザ光源素子の有する個体差(機差)の主走査方向での位置補正により正確な補正量を適用し、各レーザ光源素子の特性を見かけ上より一層揃えて、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することのできる画像形成装置を提供することを目的としている。
【0019】
請求項8記載の発明は、書込補正手段が、複数のレーザ光源素子間の機差を補正する補正テーブルを備え、当該補正テーブルに基づいて補正を行うことにより、レーザ光源素子の特性が階調に対してリニアでない場合にも正確な補正を行い、各レーザ光源素子の特性を見かけ上より一層揃えて、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することのできる画像形成装置を提供することを目的としている。
【0020】
請求項9記載の発明は、書込補正手段が、補正後の画像データが予め設定された規定値以下となることを規制することにより、補正後の値が、例えば、「0」になることを防止して、一つの画素の情報が完全に欠落することを防止し、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することのできる画像形成装置を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の画像形成装置は、書込位相を左右に切換可能な書込手段の複数のレーザ光源素子から出射するレーザ光を多値の画像データでパルス幅変調して回転駆動される感光体に照射させて静電潜像を形成して画像形成する画像形成装置であって、画像データにディザ処理手段を施すディザ処理手段及び書込補正手段を備え、前記書込補正手段は、書込位相が右位相から左位相に変化するかどうかを検出する位相制御パターン検出手段を備え、前記位相制御パターン検出手段により、書込位相が右位相から左位相に変化することが検出された場合に、前記ディザ処理手段によりディザ処理された画像データに対して、右位相及び左位相の一方の画像データを減じ、他方の画像データを増加するように前記画像データの補正を行う手段であり、 前記書込補正手段により補正された画像データに基づいて前記書込手段の前記各レーザ光源素子による書込位相を制御することにより、前記複数のレーザ光源素子間の書出位置の機差を補正することにより、上記目的を達成している。
【0022】
上記構成によれば、書込位相を左右に切換可能な書込手段の複数のレーザ光源素子から出射するレーザ光を多値の画像データでパルス幅変調して回転駆動される感光体に照射させて静電潜像を形成して画像形成するに際して、画像データにディザ処理手段でディザ処理を施し、書込位相が右位相から左位相に変化することが検出された場合に、前記ディザ処理手段によりディザ処理された画像データに対して、右位相及び左位相の一方の画像データを減じ、他方の画像データを増加するように前記画像データの補正を行い、当該補正された画像データに基づいて書込位相制御手段で書込手段の各レーザ光源素子による書込位相を制御するので、複数のLD等のレーザ光源素子を用いて高速化を図った書き込みを行う場合に、書込位相制御を利用して各レーザ光源素子の有する個体差(書出位置の機差)を補正することができ、各レーザ光源素子の特性を見かけ上揃えて、ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0025】
また、例えば、請求項に記載するように、前記書込補正手段は、前記書込手段の前記各レーザ光源素子のレーザ光の出力パワーを併せて補正するものであってもよい。
【0026】
上記構成によれば、書込補正手段で、各レーザ光源素子のレーザ光の出力パワーを併せて補正するので、複数のレーザ光源素子のパワー偏差を補正することができ、画像先頭での書き出しが複数のレーザ光源素子のうちいずれのレーザ光源素子になった場合であっても、安定した出力を得て、ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0027】
さらに、例えば、請求項3に記載するように、前記ディザ処理手段は、書込位相が右から左に切り換わる際に、左位相書込画素を光出力が安定する書込値まで成長させ、光出力安定後は、右位相書込画素についても成長を開始してもよく、請求項4に記載するように、左位相書込画素及び右位相書込画素が所定の大きさになると、左位相書込画素及び右位相書込画素の値を等しいものにし、それ以降は、均等に成長させてもよい。
【0029】
また、例えば、請求項5に記載するように、前記書込補正手段は、前記感光体への前記書出位置を主走査方向に2つ以上に分割して、それぞれ任意の補正量を適用して前記補正を行うものであってもよい。
【0030】
上記構成によれば、書込補正手段で、感光体への書出位置を主走査方向に2つ以上に分割して、それぞれ任意の補正量を適用して補正を行うので、各レーザ光源素子の有する個体差(機差)からくる偏差が主走査方向で異なる場合にも、当該偏差をより一層正確に補正することができ、各レーザ光源素子の特性を見かけ上より一層揃えて、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0031】
さらに、例えば、請求項6に記載するように、前記書込補正手段は、前記感光体への前記書出位置を主走査方向に分割する分割数を設定する分割数設定手段を備え、当該分割数設定手段で設定された分割数で前記書出位置を主走査方向に分割して、それぞれ任意の補正量を適用して前記補正を行うものであってもよい。
【0032】
上記構成によれば、感光体への書出位置を主走査方向に分割する分割数を分割数設定手段で設定し、書込補正手段で、当該設定された分割数で書出位置を主走査方向に分割して、それぞれ任意の補正量を適用して補正を行うので、各レーザ光源素子の有する個体差(機差)からくる偏差が主走査方向で異なる場合にも、当該偏差をより一層細やかにかつ正確に補正することができ、各レーザ光源素子の特性を見かけ上より一層揃えて、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0033】
また、例えば、請求項7に記載するように、前記書込補正手段は、前記感光体への前記書出位置を主走査方向に分割する分割位置を設定する分割位置設定手段を備え、当該分割位置設定手段で設定された分割位置で前記書出位置を主走査方向に分割して、それぞれ任意の補正量を適用して前記補正を行うものであってもよい。
【0034】
上記構成によれば、感光体への書出位置を主走査方向に分割する分割位置を分割位置設定手段で設定し、書込補正手段で、当該設定された分割位置で書出位置を主走査方向に分割して、それぞれ任意の補正量を適用して補正を行うので、主走査方向で偏差が異なる場合にも、より正確な位置で補正量を切り換えて、各レーザ光源素子の有する個体差(機差)の主走査方向での位置補正により正確な補正量を適用することができ、各レーザ光源素子の特性を見かけ上より一層揃えて、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0035】
さらに、例えば、請求項8に記載するように、前記書込補正手段は、前記複数のレーザ光源素子間の機差を補正する補正テーブルを備え、当該補正テーブルに基づいて前記補正を行うものであってもよい。
【0036】
上記構成によれば、書込補正手段が、複数のレーザ光源素子間の機差を補正する補正テーブルを備え、当該補正テーブルに基づいて補正を行うので、レーザ光源素子の特性が階調に対してリニアでない場合にも正確な補正を行うことができ、各レーザ光源素子の特性を見かけ上より一層揃えて、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0037】
また、例えば、請求項9に記載するように、前記書込補正手段は、前記補正後の画像データが予め設定された規定値以下となることを規制するものであってもよい。
【0038】
上記構成によれば、書込補正手段が、補正後の画像データが予め設定された規定値以下となることを規制するので、補正後の値が、例えば、「0」になることを防止して、一つの画素の情報が完全に欠落することを防止することができ、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0040】
図1〜図21は、本発明の画像形成装置の一実施の形態を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置の一実施の形態を適用したデジタルカラー複写機1の概略ブロック構成図である。なお、本実施の形態では、デジタルカラー複写機1に適用した場合について説明するが、画像形成装置としては、デジタルカラー複写機1に限るものではなく、モノクロの複写機、プリンタ等のように、他の画像形成装置にも同様に適用することができる。
【0041】
デジタルカラー複写機1は、スキャナ2、像域分離回路3、平滑フィルタ回路4、スキャナγ補正回路5、エッジ強調フィルタ回路6、色補正回路7、プリンタγ補正回路8、階調処理回路9及びレーザプリンタ10等を備えている。
【0042】
スキャナ2は、原稿を主走査及び副走査し、原稿の画像を所定の解像度で読み取って、デジタル画像データに変換して、所定ビット、例えば、8ビットのRGBの色データとして平滑フィルタ回路4に出力するとともに、像域分離回路3に8ビットのRGBの画像信号を出力する。なお、本実施の形態では、入力画像信号を、8ビットの画像信号として説明するが、8ビットに限るものではない。
【0043】
像域分離回路3は、スキャナ2から入力される8ビットの画像信号に基づいて、文字領域と写真領域を判定して、判定結果を平滑フィルタ回路4に戻し、この判定結果は、以降の回路ブロックで、文字領域と写真領域とで処理方法を切り換えるために用いられる。
【0044】
平滑フィルタ回路4は、スキャナ2から入力されるRGB画像信号に、網点原稿によるモアレの抑制やスキャナ2のノイズを除去するための平滑化処理を行って、スキャナγ補正回路5に出力する。
【0045】
スキャナγ補正回路5は、スキャナ2で読み取られた反射率リニアなRGB画像信号を、濃度リニアなRGB画像信号に変換して、エッジ強調フィルタ回路6に出力する。
【0046】
エッジ強調フィルタ回路6は、文字などのエッジをシャープに見せるために、RGB画像信号でのエッジ成分の強調を行い、色補正回路7に出力する。
【0047】
色補正回路7は、濃度リニアなRGB画像信号をそれぞれの補色であるCMYK画像信号に変換して、プリンタγ補正回路8に出力する。
【0048】
プリンタγ補正回路8は、色補正回路7から入力されるCMYK画像信号を、後段のレーザプリンタ10のエンジン特性に合うようにテーブルを用いてγ特性を補正して、階調処理回路9に出力する。
【0049】
階調処理回路9は、プリンタγ補正回路8から入力される多値のCMYK画像信号にディザ処理を施し、その結果に対してレーザプリンタ10の書込機差の補正を行って、2ライン(2LD)分の16ビット多値画像信号を半分の駆動周波数でレーザプリンタ10に出力する。
【0050】
レーザプリンタ10は、階調処理回路9から入力される16ビット多値画像信号に基づいて、複数のレーザ光源素子である半導体レーザダイオード(LD)をパルス幅変調(PWM)方式により光変調して、画像形成する。
【0051】
このレーザプリンタ10におけるPWMの書込位相は、上記図1(a)、(b)に示したように、左位相書込及び右位相書込を選択可能であり、動的に切り換えることによって、図1(c)に示したように、隣接ドットを結合して、光出力の安定化を図ることができる。なお、本実施の形態のデジタルカラー複写機1では、説明を簡単にするため、二つの半導体レーザダイオード(LD)を用いているが、レーザプリンタ10としては、これに限るものではなく、回路構成の規模を変更することで、容易により多くのLDでの対応が可能である。
【0052】
上記階調処理回路9は、図2に示すように、ディザ処理回路11、位相制御信号発生回路12、書込補正回路13及びビデオインターフェイス回路14等を備えており、上記プリンタγ補正回路8からの多値のCMYK画像信号、画素クロック信号clk、水平同期信号sync及び垂直同期信号fgateがディザ処理回路11に入力され、また、画素クロック信号clk、水平同期信号sync及び垂直同期信号fgateが位相制御信号発生回路12に入力される。
【0053】
ディザ処理回路(ディザ処理手段)11は、プリンタγ補正回路8から入力される多値(8ビット)のCMYK画像信号にディザ処理を行って、ディザ信号及び画素クロック信号clk、水平同期信号sync及び垂直同期信号fgateを書込補正回路13に出力する。
【0054】
位相制御信号発生回路(書込位相制御手段)12は、画素クロック信号clk、水平同期信号sync及び垂直同期信号fgateに基づいて、書込の位相制御信号を発生して、書込補正回路13に出力する。
【0055】
書込補正回路(書込補正手段)13は、ディザ処理回路11から入力される画素クロック信号clk、水平同期信号sync及び垂直同期信号fgateと位相制御信号発生回路12から入力される位相制御信号に基づいて、ディザ処理回路11から入力されるディザ処理された画像データであるディザ信号に書込LDの機差補正を施して8ビットの補正済ディザ信号としてビデオインターフェイス回路14に出力するとともに、1ビットの位相制御信号をビデオインターフェイス回路14に出力する。
【0056】
ビデオインターフェイス回路14は、書込補正回路13で補正された8ビットのディザデータ信号と1ビットの位相制御信号を、2ライン分まとめてそれぞれ16ビットデータと2ビットデータとして、図1に示すレーザプリンタ10に出力する。
【0057】
なお、位相制御信号は、「1」のとき、右位相(図1(a)参照)、「0」のとき、左位相(図1(b)参照)と仮定する。
【0058】
そして、図2のディザ処理回路11は、図3に示すように、アドレスデコーダ21、ラッチ22、23及びSRAM(Static RAM)24を備えており、それぞれに画素クロック信号clkが入力される。
【0059】
アドレスデコーダ21には、上記画素クロック信号clkの他に、水平同期信号sync、垂直同期信号fgate及びプリンタγ補正回路8からの多値のCMYK画像信号(入力画像信号)が入力され、SRAM24は、ディザデータを格納する。アドレスデコーダ21は、8ビットの画像データを、画素クロック信号clk、水平同期信号sync及び垂直同期信号fgateを用いて、SRAM24のアドレスにデコードして、SRAM24に出力するとともに、水平同期信号syncをラッチ22に、垂直同期信号fgateをラッチ23にそれぞれ出力する。ラッチ22は、画素クロック信号clkに基づいて、水平同期信号syncをラッチして図2の書込補正回路13に出力し、ラッチ23は、画素クロック信号clkに基づいて、垂直同期信号fgateをラッチして図2の書込補正回路13に出力する。すなわち、ラッチ22及びラッチ23は、水平同期信号lsync及び垂直同期信号fgateの遅延をあわせる。
【0060】
SRAM24には、図4(a)〜(e)に示すようなディザパターンデータが格納されており、SRAM24は、アドレスデコーダ21から入力されるSRAMアドレスに基づいて、ディザデータ(ディザ信号)を書込補正回路13に出力する。
【0061】
すなわち、SRAM24は、図5に示すようにそのアドレスマップが構成されており、256階調分のアドレスが2×2=4つ順に並んで、256×4=1024=10ビットとなっている。
【0062】
そして、アドレスデコーダ21は、図6に示すように、データラッチ31、32、33、画素クロックカウンタ34及び水平同期信号カウンタ35から構成される。本実施の形態では、図5に示したように、2×2のディザパターンを使用するため、各カウンタはそれぞれ1ビットずつ持てばよいが、使用するディザのサイズ・ビット数・階調数に応じて各カウンタのビット数及びカウント数は自由に使用することができ、これらを設定するレジスタを別に持って自由に設定するようにしてもよい。そして、水平同期信号カウンタ35の出力を最上位ビットである9ビット目に、画素クロックカウンタ34の出力を8ビット目、ディザデータを[7:0]ビットに割り当てることにより、図5に示したアドレスマップを実現することができる。
【0063】
上記図2の位相制御信号発生回路12は、図7に示すように、アドレスデコーダ41と位相制御信号発生テーブル42を備えており、位相制御信号発生テーブル42には、図4に示したディザパターンを実現するため、図8に示すような2×2の位相制御テーブルが格納されている。本実施の形態のデジタルカラー複写機1で実際に使用するディザパターンは、図9に示すようなもので、書込位相を主走査方向に切り換えて使用し、2画素の間に万線を形成するものである。
【0064】
そして、位相制御信号発生回路12は、図9に示すようなディザパターンと図8の位相制御信号テーブルを組み合わせることにより、図4のパターンを実現している。なお、使用するディザパターンは、図9に示したものに限るものではなく、ビット数、成長方法及びサイズ等自由に選択することも可能であり、この場合は、SRAM24のサイズ等を含む回路構成も柔軟に変更する。また、本実施の形態のデジタルカラー複写機1では、ディザデータと位相制御信号を分けて使用しているが、例えば、ディザデータの最下位ビットを位相制御ビットとして、画像データと位相制御信号を組み合わせた形で使用してもよい。
【0065】
そして、図7の位相制御信号発生回路12のアドレスデコーダ41は、図10に示すように、画素クロックカウンタ51と水平同期信号カウンタ52で構成され、本実施の形態では、図5に示したような2×2の位相制御信号テーブルを使用するため、各カウンタ51、52は、それぞれ1ビットずつ有している。なお、当然のことながら、使用する位相制御信号テーブルのサイズに応じて各カウンタ51、52のビット数及びカウント数は、自由に変更することができ、これらを設定するレジスタを別に持って自由に設定できるようにしてもよい。また、ディザ処理回路11のアドレスデコーダ21と同様に、水平同期信号カウンタ52の出力を最上位ビットである1ビット目に、画素クロックカウンタ51の出力を0ビット目に割り当てる。
【0066】
上記図2の書込補正回路13は、図11に示すように、パワー補正演算回路60、ラインカウンタ61、ラッチ62、63、位相制御パターン検出回路64、遅延補正回路65、67、位置補正演算回路66、セレクタ68及びラッチ69等で構成されている。
【0067】
パワー補正演算回路60は、ディザ処理回路11から入力されるディザ信号data[7:0]のライン毎のLDパワーの差を補正して、LDパワー補正ディザ信号pdata1[7:0]としてラッチ63及び位置補正演算回路66に出力する。このパワー補正ディザ演算回路60へのディザ信号dataの入力と平行して位相制御信号phaseがラッチ62に入り、ラッチ62は、画素クロック信号clkに基づいて位相制御信号phaseをラッチして、1クロック遅延する位相制御信号phase1として位相制御パターン検出回路64に出力する。
【0068】
位相制御パターン検出回路64には、さらに、遅延のない位相制御信号phaseと画素クロック信号clkが入力され、位相制御パターン検出回路64は、書込の位相が図1(c)に示したような右から左に位相が切り換わるパターンを検出すると、位相制御判定信号phase_enとして、「1」を位相補正演算回路66に出力し、そうでない場合は「0」を位相補正演算回路66に出力する。位相制御パターン検出回路64は、いま、右位相の場合が「1」、左位相の場合が「0」としているので、ラッチ62の出力が「1」、位相制御信号phaseが「0」の組み合わせのときにのみ、「1」の位相制御判定信号phase_enを出力することになる。この位相制御判定信号phase_enにより、書込の位相が右から左へと変化する点のみに補正演算を行うことができる。なお、位相制御パターン検出回路64は、AND回路、インバータ及びレジスタ等で簡単に構成することができる。
【0069】
一方、パワー補正演算回路60から出力されるLDパワー補正ディザ信号pdata1[7:0]は、ラッチ63へ入力され、ラッチ63は、一つ遅延したディザ信号pdata2[7:0]を生成して、遅延補正回路65及び位置補正演算回路66に出力する。
【0070】
位置補正演算回路66には、このディザ信号pdata1[7:0]及びpdata2[7:0]と、位相制御パターン検出回路64から出力された位相制御判定信号phase_en、ラインカウンタ31から出力されるライン数データlinecountが入力され、位置補正演算回路66は、補正演算を行うもので、上記信号に基づいて、書込LD間の書出位置を補正し、書出位置補正ディザ信号lddata[7:0]と補正ディザ選択信号dithselをセレクタ68に出力する。
【0071】
遅延補正回路65及び遅延補正回路67は、位置補正演算回路66で補正にかかるクロック数分だけ、ディザ信号pdata2[7:0]と位相制御信号phase2を遅延させ、書出位置補正ディザ信号lddata[7:0]と補正ディザ選択信号dithselとの遅延量を調整して、ディザ信号pdata3[7:0]をセレクタ68に、位相制御信号phase3をラッチ69にそれぞれ出力する。
【0072】
セレクタ68には、位置補正演算回路66からの書出位置補正ディザ信号lddata[7:0]と補正ディザ選択信号dithsel、遅延補正回路65からのディザ信号pdata3[7:0]及び画素クロック信号clkが入力され、セレクタ68は、位置補正演算回路66から出力される補正ディザ選択信号dithselによって、ディザ信号pdata3[7:0]と書出位置補正ディザ信号lddata[7:0]を切り換えて、出力画像信号data_out[7:0]としてビデオインターフェイス回路14に出力する。なお、いま、位置補正演算回路66は、補正ディザ選択信号が「1」のときに、書出位置補正ディザ信号lddata[7:0]を出力画像信号data_out[7:0]として出力するものとする。
【0073】
ラッチ69には、遅延補正回路67からの位相制御信号phase3と画素クロック信号clkが入力され、ラッチ69は、遅延補正を行って位相制御判定信号phase_outとしてそのままビデオインターフェイス回路14に出力する。
【0074】
上記パワー補正演算回路60は、図12に示すように、補正量選択回路70、パワー補正量レジスタ71、72、セレクタ73及びLDパワー補正回路74等を備えている。
【0075】
補正量選択回路70には、ラインカウンタ61のカウント値であるライン数linecountと画素クロック信号clkが入力され、補正量選択回路70は、ライン数linecountの値に応じて選択信号をセレクタ73に出力し、セレクタ73は、パワー補正量レジスタ71とパワー補正量レジスタ72のいずれかに設定された値を選択して、ライン間におけるLDパワー差の補正量としてLDパワー補正回路74に出力する。本実施の形態では、2つのLDを使用しているため、パワー補正量レジスタ71とパワー補正量レジスタ72の値が交互に使われる。2つのパワー補正量レジスタ71、72には、255までの値が設定可能である。
【0076】
LDパワー補正回路74には、ディザ処理回路11からのディザ信号data1[7:0]、画素クロック信号clk及びセレクタ73からのLDパワー補正量が入力され、LDパワー補正回路74は、入力されたディザデータdata1[7:0]を、セレクタ73からのLDパワー補正量に基づいて、予め設定された補正量を加算して、LDパワーの補正を行って、LDパワー補正ディザ信号pdata1[7:0]を図11のラッチ63及び位置補正演算回路66に出力する。なお、LDパワー補正回路74は、補正した結果が予め設定された規定値としての255を超えた場合は、255に丸める。例えば、2つのLDの場合であれば、片方の補正量を「0」にし、もう一方のパワー差を補正量として設定する。
【0077】
また、パワー補正演算回路60は、テーブル方式としてもよく、この場合、図13に示すように、補正テーブル選択回路75とLDパワー補正テーブル(補正テーブル)76で構成される。LDパワー補正テーブル76には、2つのLD用にそれぞれテーブルが用意されており、ライン数に基づいて補正テーブル選択回路75からどちらのテーブルを用いるのかを示す選択信号が入力される。LDパワー補正テーブル76のテーブルは、8ビット→8ビットのテーブルであり、256階調分の補正値を設定する必要がある。また、LDパワー補正テーブル76としては、補正した結果が予め設定された規定値としての255を超えた場合を考慮して、図12の場合と同様に、片方のテーブルをリニアに設定し、もう一方のみに補正量を加えたテーブルを用意している。
【0078】
図11の位置補正演算回路66は、図14に示すように、フリップフロップ(F/F)80、81、補正量選択回路82、書出位置補正量レジスタ83、84、セレクタ85、86、LD書出位置補正回路87、遅延補正回路88、89、インバータ90、AND回路91及びOR回路92から構成されており、位相制御パターン検出回路64からの位相制御判定信号phase_enがフリップフロップ(F/F)80、81及びOR回路92に入力されている。
【0079】
位置補正演算回路66は、位相制御判定信号phase_enがアクティブになると、そのときの左右の位相のディザ信号pdata1[7:0]及びpdata2[7:0]をフリップフロップ(F/F)80、81にそれぞれ取り込み、フリップフロップ(F/F)80、81から出力するそれぞれのディザデータを、LD書出位置補正回路87で左右の位相を用いた書込を利用してLDのライン間における書出位置を補正する。この補正には、ラインカウンタからの出力linecountにより、書出位置補正量レジスタ83、84に収められた二つの異なる補正量を適用する。位置補正演算回路66は、補正量選択回路82からラインカウンタ61のカウントしたライン数linecountに基づいていずれの補正量を使用するかを示す選択信号をセレクタ85に出力し、セレクタ85は、補正量選択回路82からの選択信号に基づいて、書出位置補正量レジスタ83、84とLD書出位置補正回路87との接続を切り換える。本実施の形態のデジタルカラー複写機1では、LDが2つであるため、セレクタ85は、書出位置補正量レジスタ83と書出位置補正量レジスタ84を交互にトグルしてLD書出位置補正回路87に接続する。なお、当然のことながら、使用するLDの数が増えた場合には、それに応じて補正量のレジスタ数を増加させることにより、容易に対応することができる。
【0080】
上記書出位置補正量レジスタ83、84には、−128から+127まで設定することができ、本実施の形態で用いている8ビット256階調のデータに対して正負半分のドットまで書出位置を補正することができる。例えば、書出位置補正量レジスタ83、84の設定値として、αという値を設定したとすると、図15(a)に示すように、左右二つの位相のディザデータがそれぞれ補正される。ただし、図15(a)は、左右の位相のディザデータとも同じ入力を得た場合のものである。この場合、左位相のディザデータpdata1[7:0]から設定値αだけ値を右位相のディザデータpdata2[7:0]へと移す。ただし、左位相のディザデータpdata1[7:0]が設定値αに満たない場合には、補正量レジスタ設定値αまで書出位置を補正することはできない。また、同様の理由で、右位相のディザデータpdata2[7:0]が補正後に予め設定された規定値としての255を超えることはできない。したがって、左位相のディザデータpdata1[7:0]から減ずることができる量も常に設定値αにはならない。
【0081】
すなわち、LD書出位置補正回路87は、設定値αに対して次のような補正演算を行う。
【0082】
(1)左位相ディザデータpdata1が補正量α未満のとき
(a)pdata1+pdata2が255以下のとき
pdata1=0
pdata2=pdata2+pdata1
(b)pdata1+pdata2が255より大きいとき
pdata1=pdata1+pdata2−255
pdata2=255
(2)左位相ディザデータpdata1が補正量α以上のとき
(a)pdata2+αが255以下のとき
pdata1=pdata1−α
pdata2=pdata2+α
(b)pdata2+αが255より大きいとき
pdata1=pdata1+pdata2−255
pdata2=255
なお、書出位置の補正演算は、上記以外に、減算される側の位相のディザデータが一定の値に成長するまで補正を抑制するようにしてもよい。
【0083】
また、上記補正演算では、補正の結果、左位相のディザデータが「0」となってしまう場合があり、ある画素の情報量が全くなくなってしまいこれが好ましくない場合がある。その場合には、補正の下限値を設定し、補正の開始点にオフセットをつけることで実現できる。そのときの補正演算の入出力特性は、図15(b)のように示される。図15(b)も、図15(a)と同様に、左右の位相のディザデータとも同じ入力を得た場合のものである。このときのLD書出位置補正回路87での補正演算は、次に示すように行われる。
【0084】
(1)左位相ディザデータpdata1が補正下限値β未満のとき
pdata1=pdata1
pdata2=pdata2
(2)左位相ディザデータpdata1が補正下限値β以上α+β未満のとき
(a)pdata1−β+pdata2が255以下のとき
pdata1=β
pdata2=pdata2+pdata1−β
(b)pdata1−β+pdata2が255より大きいとき
pdata1=pdata1+pdata2−255
pdata2=255
(3)左位相ディザデータpdata1がα+β以上のとき
(a)pdata2+αが255以下のとき
pdata1=pdata1−α
pdata2=pdata2+α
(b)pdata2+αが255より大きいとき
pdata1=pdata1+pdata2−255
pdata2=255
そして、LD書出位置補正回路87は、上記補正演算して補正した左右の位相に対する二つのディザデータppdata1及びppdata2を、セレクタ86に出力する。
【0085】
セレクタ86は、遅延補正回路88で補正演算分(ここでは1クロックかかるとする)遅延された位相制御判定信号phase_enにより、位相制御判定信号phase_en=0のときには、ディザデータppdata1を、位相制御判定信号phase_en=1のときには、ディザデータppdata2を、書出位置補正ディザ信号ld_dataとして、図11のセレクタ68に出力する。すなわち、セレクタ86は、右位相のディザデータ→左位相のディザデータの順に出力を行う。
【0086】
また、この補正処理と並行して、位置補正演算回路66は、図11に示したセレクタ68で補正したディザデータを選択するための補正ディザ選択信号dithselも生成される。これは、位相制御判定信号phase_enを論理演算により、次のような信号となる。
【0087】
phase_en[t+1]OR(Not(phase_en[t+1])AND(phase_en[t]))
すなわち、位相制御判定信号phase_enが入力されたとき、2クロックにわたってアクティブになる信号となる。したがって、セレクタ68は、2クロックの間、LD書込位置補正処理の行われたディザデータを選択することができる。なお、補正ディザ選択信号dithselは、補正演算処理及びセレクタ86での遅延をあわせるため、遅延補正回路56で遅延量が補正された後、出力される。
【0088】
そして、上記図11に示した書込補正回路13での各信号のタイミングチャートは、図16のように示すことができ、また、図14の位置補正演算回路66のLD書出位置補正回路87内の各信号の詳細なタイミングチャートは、図17のように示すことができる。
【0089】
なお、位置補正演算回路66は、書出位置の補正をテーブル方式で行ってもよく、この場合、図18に示すように構成される。図18において、位置補正演算回路66は、上記図14の位置補正演算回路66と同様のフリップフロップ80、81、遅延補正回路88、89、セレクタ86、インバータ90、AND回路91及びOR回路92を備えているとともに、補正テーブル選択回路100及びLD書出位置補正テーブル(補正テーブル)101を備えている。
【0090】
LD書出位置補正テーブル101には、2つのLD用にそれぞれ補正テーブルが用意されており、ライン数に基づいて補正テーブル選択回路100からどちらの補正テーブルを用いるのかを示す選択信号が入力される。このLD書出位置補正テーブル101の各補正テーブルは、8ビット→8ビットの補正テーブルであり、256階調分補正値を設定する必要があり、図14の位置補正演算回路66の書出位置補正量レジスタ83、84での設定と同じように、片方の補正テーブルをリニアに設定し、もう片方のみに補正量を加えた補正テーブルが用意されている。
【0091】
また、書出位置の補正は、主走査方向の位置によって精度が異なる場合があるため、補正量を主走査方向で切り換えるようにしてもよく、さらに、主走査方向の分割量を自由に設定できるようにしてもよい。この場合、位置補正演算回路66は、図19に示すように、上記図14の位置補正演算回路66と同様のフリップフロップ80、81、セレクタ86、LD書出位置補正回路87、遅延補正回路88、遅延補正回路89、インバータ90、AND回路91及びOR回路92を備えているとともに、分割数設定レジスタ110、補正量選択回路111、書出位置補正量レジスタ群112及びセレクタ113等を備えている。
【0092】
書出位置補正量レジスタ群112には、図14の書出位置補正量レジスタ83、84の2LD分のレジスタペアが8ペア格納されており、これに8つの異なる補正量が設定されている。
【0093】
補正量選択回路111は、書出位置補正量レジスタ群112を主走査方向及び2つのLD間で切り換えるセレクト信号をセレクタ113に出力する。
【0094】
分割数設定レジスタ110は、主走査方向にいくつの補正量を使用するかが設定されており、この分割数は自由に設定することができる。分割数設定レジスタ110に、分割数として、「1」を設定すると、主走査方向に1つの補正パラメータによる均一な補正がかかり、「3」を設定すると、主走査先端・中央・後端と3つの部分に分けて補正を行うことができる。なお、分割数として、「3」を設定したときの分割は、主走査先端・中央・後端と均等になるように行われるが、主走査方向での分割位置を設定するレジスタを8つ用意することで、任意の位置で補正量を切り換えることができ、主走査先端・中央に1つの補正量、主走査後端部に2つの補正量と自由に適用することができる。図19の位置補正演算回路66では、最大8つまで異なる補正量を使用することができるが、これを増やすことにより、最大数をいくらでも増やすことが可能である。
【0095】
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態のデジタルカラー複写機1は、スキャナ2で、原稿を主走査及び副走査し、原稿の画像を所定の解像度で読み取って、デジタル画像データに変換して、所定ビット、例えば、8ビットのRGBの色データとして平滑フィルタ回路4に出力するとともに、像域分離回路3に8ビットのRGBの画像信号を出力する。デジタルカラー複写機1は、像域分離回路3で、スキャナ2で読み取った原稿の文字領域と写真領域を判定して、判定結果を平滑フィルタ回路4に戻し、平滑フィルタ回路4で、スキャナ2から入力されるRGB画像信号に、網点原稿によるモアレの抑制やスキャナ2のノイズを除去するための平滑化処理を行って、スキャナγ補正回路5に出力する。
【0096】
デジタルカラー複写機1は、スキャナγ補正回路5で、スキャナ2で読み取られた反射率リニアなRGB画像信号を、濃度リニアなRGB画像信号に変換して、エッジ強調フィルタ回路6に出力し、エッジ強調フィルタ回路6で、文字などのエッジをシャープに見せるために、RGB画像信号でのエッジ成分の強調を行い、色補正回路7に出力する。デジタルカラー複写機1は、色補正回路7で、濃度リニアなRGB画像信号をそれぞれの補色であるCMYK画像信号に変換して、プリンタγ補正回路8に出力し、プリンタγ補正回路8で、色補正回路7から入力されるCMYK画像信号を、後段のレーザプリンタ10のエンジン特性に合うようにテーブルを用いてγ特性を補正して、階調処理回路9に出力する。
【0097】
階調処理回路9は、プリンタγ補正回路8から入力される多値のCMYK画像信号にディザ処理を施し、その結果に対してレーザプリンタ10の書込機差の補正を行って、2ライン(2LD)分の16ビット多値画像信号を半分の駆動周波数でレーザプリンタ10に出力する。デジタルカラー複写機1は、レーザプリンタ10で、階調処理回路9から入力される16ビット多値画像信号に基づいて、複数(2つ)の半導体レーザダイオード(LD)をパルス幅変調(PWM)方式により光変調して、画像形成する。
【0098】
このレーザプリンタ10におけるPWMの書込位相は、上記図1(a)、(b)に示したように、左位相書込及び右位相書込を選択可能であり、動的に切り換えることによって、図1(c)に示したように、隣接ドットを結合して、光出力の安定化を図ることができる。
【0099】
そして、この階調処理回路9では、図2に示したように、ディザ処理回路11で、プリンタγ補正回路8から入力される多値(8ビット)のCMYK画像信号にディザ処理を行って書込補正回路13に出力するとともに、位相制御信号発生回路12で、画素クロック信号clk、水平同期信号sync及び垂直同期信号fgateに基づいて、書込の位相制御信号を発生して、書込補正回路13に出力し、書込補正回路13で、ディザ処理回路11から入力される画素クロック信号clk、水平同期信号sync及び垂直同期信号fgateと位相制御信号発生回路12から入力される位相制御信号に基づいて、ディザ処理回路11から入力されるディザ処理された画像データであるディザ信号に書込LDの機差補正を施して8ビットの補正済ディザ信号としてビデオインターフェイス回路14に出力するとともに、1ビットの位相制御信号をビデオインターフェイス回路14に出力する。このビデオインターフェイス回路14で、書込補正回路13で補正された8ビットのディザデータ信号と1ビットの位相制御信号を、2ライン分まとめてそれぞれ16ビットデータと2ビットデータとして、図1に示すレーザプリンタ10に出力する。
【0100】
そして、ディザ処理回路11では、図3に示したように、SRAM24に、ディザデータを格納し、アドレスデコーダ21で、8ビットの画像データを、画素クロック信号clk、水平同期信号sync及び垂直同期信号fgateを用いて、SRAM24のアドレスにデコードして、SRAM24に出力するとともに、水平同期信号syncをラッチ22に、垂直同期信号fgateをラッチ23にそれぞれ出力する。ラッチ22及びラッチ23で、水平同期信号lsync及び垂直同期信号fgateの遅延をあわせて、書込補正回路13に出力する。そして、SRAM24には、図4(a)〜(e)に示したようなディザパターンデータが格納されており、SRAM24は、アドレスデコーダ21から入力されるSRAMアドレスに基づいて、ディザデータ(ディザ信号)を書込補正回路13に出力する。すなわち、SRAM24は、図5に示したようにそのアドレスマップが構成されており、256階調分のアドレスが2×2=4つ順に並んで、256×4=1024=10ビットとなっている。
【0101】
そして、図2の位相制御信号発生回路12は、図7に示したように、アドレスデコーダ41と位相制御信号発生テーブル42を備えており、位相制御信号発生テーブル42には、図4に示したディザパターンを実現するため、図8に示すような2×2の位相制御テーブルが格納されている。また、デジタルカラー複写機1で実際に使用するディザパターンは、図9に示したようなもので、書込位相を主走査方向に切り換えて使用し、2画素の間に万線を形成するものである。
【0102】
まず、図9(a)、(b)に示すように、書込位相が右から左に切り換わる際の切り換わる先の画素(左位相書込)を光出力が安定する書込値まで成長させる。出力の安定する書込値は、ケースバイケースであるが、本実施の形態では、例えば、32/255まで成長させるものとする。光出力が安定してくると、図9(c)、(d)、(e)に示すように、書込位相が切り換わる前の右位相書込の画素についても成長を始める。画素の半分を埋める程度になると、図9(f)に示すように、書込の切り換わり前後の値を等しいものにする。そして、それ以降は、均等に成長させていく万線タイプのディザパターンである(図9(g)、(h))。
【0103】
上記位相制御信号発生回路12は、図9に示すようなディザパターンと図8の位相制御信号テーブルを組み合わせることにより、図4のパターンを実現している。
【0104】
そして、図2の書込補正回路13は、図11に示したように、パワー補正演算回路60で、ディザ処理回路11から入力されるディザ信号data[7:0]のライン毎のLDパワーの差を補正して、LDパワー補正ディザ信号pdata1[7:0]としてラッチ63及び位置補正演算回路66に出力し、このパワー補正ディザ演算回路60へのディザ信号dataの入力と平行して位相制御信号phaseがラッチ62に入って、ラッチ62で、画素クロック信号clkに基づいて位相制御信号phaseをラッチして、1クロック遅延するphase1として位相制御パターン検出回路64に出力する。
【0105】
そして、書込補正回路13は、位相制御パターン検出回路64で、書込の位相が図1(c)に示したような右から左に位相が切り換わるパターンを検出すると、位相制御判定信号phase_enとして、「1」を位相補正演算回路66に出力し、そうでない場合は「0」を位相補正演算回路66に出力する。そして、位相制御パターン検出回路64は、本実施の形態では、右位相の場合が「1」、左位相の場合が「0」としているので、ラッチ62の出力が「1」、位相制御信号phaseが「0」の組み合わせのときにのみ、「1」の位相制御判定信号phase_enを出力する。この位相制御判定信号phase_enにより、書込の位相が右から左へと変化する点のみに補正演算を行うことができる。
【0106】
上記パワー補正演算回路60は、図12に示したように、補正量選択回路111で、ライン数linecountの値に応じて選択信号をセレクタ73に出力し、セレクタ73で、パワー補正量レジスタ71とパワー補正量レジスタ72のいずれかに設定された値を選択して、ライン間におけるLDパワー差の補正量としてLDパワー補正回路74に出力する。パワー補正演算回路60は、LDパワー補正回路74で、ディザ処理回路11からのディザ信号data1[7:0]を、セレクタ73からのLDパワー補正量に基づいて、予め設定された補正量を加算して、LDパワーの補正を行って、LDパワー補正ディザ信号pdata1[7:0]を図11のラッチ63及び位置補正演算回路66に出力する。
【0107】
そして、書込補正回路13は、パワー補正演算回路60から出力されるLDパワー補正ディザ信号pdata1[7:0]を、ラッチ63でラッチして、一つ遅延したディザ信号pdata2[7:0]を生成して、遅延補正回路65及び位置補正演算回路66に出力し、位置補正演算回路66で、このディザ信号pdata1[7:0]及びpdata2[7:0]と、位相制御パターン検出回路64から出力された位相制御判定信号phase_en、ラインカウンタ31から出力されるライン数データlinecountに基づいて、補正演算を行って、書込LD間の書出位置を補正して、書出位置補正ディザ信号lddata[7:0]と補正ディザ選択信号dithselをセレクタ68に出力する。
【0108】
書込補正回路13は、さらに、遅延補正回路65及び遅延補正回路67で、位置補正演算回路66で補正にかかるクロック数分だけ、ディザ信号pdata2[7:0]と位相制御信号phase2を遅延させ、書出位置補正ディザ信号lddata[7:0]と補正ディザ選択信号dithselとの遅延量を調整して、ディザ信号pdata3[7:0]をセレクタ68に、位相制御信号phase3をラッチ69にそれぞれ出力する。
【0109】
書込補正回路13は、セレクタ68で、位置補正演算回路66から出力される補正ディザ選択信号dithselによって、ディザ信号pdata3[7:0]と書出位置補正ディザ信号lddata[7:0]を切り換えて、出力画像信号data_out[7:0]としてビデオインターフェイス回路14に出力し、ラッチ69で、遅延補正回路67からの位相制御信号phase3を遅延補正して、位相制御判定信号phase_outとしてそのままビデオインターフェイス回路14に出力する。
【0110】
したがって、2つのLDを用いて高速化して書き込みを行う場合に、書き込み位相制御を利用して、各LDの有する個体差を補正することができ、図20(a)、(b)及び図21(a)、(b)に示すように、従来の場合である図23(a)、(b)及び図24(a)、(b)に比較して、各LDの特性を見かけ上揃えることができる。その結果、ざらつきのない滑らかな画像形成を行うことができる。
【0111】
このように、本実施の形態のデジタルカラー複写機1は、書込位相を左右に切換可能な複数のLDから出射するレーザ光を多値の画像データでパルス幅変調して回転駆動される感光体に照射させて静電潜像を形成して画像形成するに際して、画像データに階調処理回路9のディザ処理回路11でディザ処理を施し、当該ディザ処理された画像データに書込補正回路13で複数のLD間の機差を補正し、当該補正された画像データに基づいて、各LDによる書込位相を制御している。
【0112】
したがって、複数のLDを用いて高速化を図った書き込みを行う場合に、書込位相制御を利用して各LD子の有する個体差(機差)を補正することができ、各LDの特性を見かけ上揃えて、ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0113】
また、本実施の形態のデジタルカラー複写機1は、書込補正回路13で、各LDによる感光体への書出位置を補正している。
【0114】
したがって、複数のLDの書出位置偏差を補正することができ、副走査方向にドットが連続する場合に、滑らかにドットをつなげて、ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0115】
さらに、本実施の形態のデジタルカラー複写機1は、書込補正回路13で、各LDのレーザ光の出力パワーを補正している。
【0116】
したがって、複数のLDのパワー偏差を補正することができ、画像先頭での書き出しが複数のLDのうちいずれのLDになった場合であっても、安定した出力を得て、ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0117】
また、本実施の形態のデジタルカラー複写機1は、各LDの位相制御パターンを位相制御パターン検出回路64で検出し、書込補正回路13で、位相制御時にのみ補正を行っている。
【0118】
したがって、複数のLDを用いて高速化を図った書き込みを行う場合の各LDの有する個体差(機差)をより正確に補正することができ、各LDの特性を見かけ上より一層揃えて、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0119】
さらに、本実施の形態のデジタルカラー複写機1は、書込補正回路13で、感光体への書出位置を主走査方向に2つ以上に分割して、それぞれ任意の補正量を適用して補正を行っている。
【0120】
したがって、各LDの有する個体差(機差)からくる偏差が主走査方向で異なる場合にも、当該偏差をより一層正確に補正することができ、各LDの特性を見かけ上より一層揃えて、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0121】
また、本実施の形態のデジタルカラー複写機1は、感光体への書出位置を主走査方向に分割する分割数を設定し、書込補正回路13で、当該設定された分割数で書出位置を主走査方向に分割して、それぞれ任意の補正量を適用して補正を行っている。
【0122】
したがって、各LDの有する個体差(機差)からくる偏差が主走査方向で異なる場合にも、当該偏差をより一層細やかにかつ正確に補正することができ、各LDの特性を見かけ上より一層揃えて、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0123】
さらに、本実施の形態のデジタルカラー複写機1は、感光体への書出位置を主走査方向に分割する分割位置を設定し、書込補正回路13で、当該設定された分割位置で書出位置を主走査方向に分割して、それぞれ任意の補正量を適用して補正を行っている。
【0124】
したがって、主走査方向で偏差が異なる場合にも、より正確な位置で補正量を切り換えて、各LDの有する個体差(機差)の主走査方向での位置補正により正確な補正量を適用することができ、各LDの特性を見かけ上より一層揃えて、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0125】
また、本実施の形態のデジタルカラー複写機1は、書込補正手段が、複数のLD間の機差を補正する補正テーブルを備え、当該補正テーブルに基づいて補正を行っている。
【0126】
したがって、LDの特性が階調に対してリニアでない場合にも正確な補正を行うことができ、各LDの特性を見かけ上より一層揃えて、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0127】
さらに、本実施の形態のデジタルカラー複写機1は、書込補正回路13で、補正後の画像データが予め設定された規定値以下となることを規制している。
【0128】
したがって、補正後の値が、例えば、「0」になることを防止して、一つの画素の情報が完全に欠落することを防止することができ、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0129】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0130】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の画像形成装置によれば、書込位相を左右に切換可能な書込手段の複数のレーザ光源素子から出射するレーザ光を多値の画像データでパルス幅変調して回転駆動される感光体に照射させて静電潜像を形成して画像形成するに際して、画像データにディザ処理手段でディザ処理を施し、書込位相が右位相から左位相に変化することが検出された場合に、当該ディザ処理された画像データに対して右位相及び左位相の一方の画像データを減じ、他方の画像データを増加するように前記画像データを補正し、当該補正された画像データに基づいて書込位相制御手段で書込手段の各レーザ光源素子による書込位相を制御するので、複数のLD等のレーザ光源素子を用いて高速化を図った書き込みを行う場合に、書込位相制御を利用して各レーザ光源素子の有する個体差(機差)を補正し、各レーザ光源素子の特性を見かけ上揃えて、副走査方向にドットが連続する場合に、滑らかにドットをつなげて、ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0132】
請求項記載の発明の画像形成装置によれば、書込補正手段で、各レーザ光源素子のレーザ光の出力パワーを併せて補正するので、複数のレーザ光源素子のパワー偏差を補正することができ、画像先頭での書き出しが複数のレーザ光源素子のうちいずれのレーザ光源素子になった場合であっても、安定した出力を得て、ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0134】
請求項5記載の発明の画像形成装置によれば、書込補正手段で、感光体への書出位置を主走査方向に2つ以上に分割して、それぞれ任意の補正量を適用して補正を行うので、各レーザ光源素子の有する個体差(機差)からくる偏差が主走査方向で異なる場合にも、当該偏差をより一層正確に補正することができ、各レーザ光源素子の特性を見かけ上より一層揃えて、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0135】
請求項6記載の発明の画像形成装置によれば、感光体への書出位置を主走査方向に分割する分割数を分割数設定手段で設定し、書込補正手段で、当該設定された分割数で書出位置を主走査方向に分割して、それぞれ任意の補正量を適用して補正を行うので、各レーザ光源素子の有する個体差(機差)からくる偏差が主走査方向で異なる場合にも、当該偏差をより一層細やかにかつ正確に補正することができ、各レーザ光源素子の特性を見かけ上より一層揃えて、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0136】
請求項7記載の発明の画像形成装置によれば、感光体への書出位置を主走査方向に分割する分割位置を分割位置設定手段で設定し、書込補正手段で、当該設定された分割位置で書出位置を主走査方向に分割して、それぞれ任意の補正量を適用して補正を行うので、主走査方向で偏差が異なる場合にも、より正確な位置で補正量を切り換えて、各レーザ光源素子の有する個体差(機差)の主走査方向での位置補正により正確な補正量を適用することができ、各レーザ光源素子の特性を見かけ上より一層揃えて、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0137】
請求項8記載の発明の画像形成装置によれば、書込補正手段が、複数のレーザ光源素子間の機差を補正する補正テーブルを備え、当該補正テーブルに基づいて補正を行うので、レーザ光源素子の特性が階調に対してリニアでない場合にも正確な補正を行うことができ、各レーザ光源素子の特性を見かけ上より一層揃えて、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【0138】
請求項9記載の発明の画像形成装置によれば、書込補正手段が、補正後の画像データが予め設定された規定値以下となることを規制するので、補正後の値が、例えば、「0」になることを防止して、一つの画素の情報が完全に欠落することを防止することができ、より一層ざらつきのない滑らかな出力画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施の形態を適用したデジタルカラー複写機の概略ブロック構成図。
【図2】図1のデジタルカラー複写機の階調処理回路の詳細な回路構成図。
【図3】図2の階調処理回路のディザ処理回路の詳細な回路構成図。
【図4】図3のSRAMに格納されているディザパターンデータの一例を示す図。
【図5】図3のSRAMのアドレスマップの一例を示す図。
【図6】図3のディザ処理回路のアドレスデコーダの詳細な回路構成図。
【図7】図12の位相制御信号発生回路の詳細な回路構成図。
【図8】図7の位相制御信号発生回路の位相制御信号発生テーブルに格納されている2×2の位相制御テーブルの一例を示す図。
【図9】図1のデジタルカラー複写機で実際に使用するディザパターンの一例を示す図。
【図10】図7の位相制御信号発生回路のアドレスデコーダの詳細な回路構成図。
【図11】図2の階調処理回路の書込補正回路の詳細な回路構成図。
【図12】図11の書込補正回路のパワー補正演算回路の詳細な回路構成図。
【図13】図11の書込補正回路のパワー補正演算回路のテーブル方式を使用した場合の詳細な回路構成図。
【図14】図11の書込補正回路の位置補正演算回路の詳細な回路構成図。
【図15】図14の位相制御パターン検出回路による左右の位相のディザデータとも同じ入力を得た場合の出力(a)及び補正の開始点にオフセットを設定した場合の出力(b)を示す図。
【図16】図11に示した書込制御回路での各信号のタイミングチャート。
【図17】図14の位置補正演算回路のLD書出位置補正回路内の各信号の詳細なタイミングチャート。
【図18】図11の書込補正回路の位置補正演算回路の書出位置の補正にテーブル方式を用いた場合の詳細な回路構成図。
【図19】図11の書込補正回路の位置補正演算回路の書出位置の主走査方向の分割量を自由に設定できるようにした場合の詳細な回路構成図。
【図20】図1のデジタルカラー複写機での画像形成で垂直線の線分のよたりが改善されている状態の説明図。
【図21】図1のデジタルカラー複写機での画像形成で斜線の線分のよたりが改善されている状態の説明図。
【図22】PWM方式の書込位相を制御してドットや万線を形成する場合の左右の位相の説明図。
【図23】従来の万線パターンやスクリーン角をつけたディザ法を使用している場合に垂直線の線分によたりが発生している状態の説明図。
【図24】従来の万線パターンやスクリーン角をつけたディザ法を使用している場合に斜線の線分によたりが発生している状態の説明図。
【符号の説明】
1 デジタルカラー複写機
2 スキャナ
3 像域分離回路
4 平滑フィルタ回路
5 スキャナγ補正回路
6 エッジ強調フィルタ回路
7 色補正回路
8 プリンタγ補正回路
9 階調処理回路
10 レーザプリンタ
11 ディザ処理回路
12 位相制御信号発生回路
13 書込補正回路
14 ビデオインターフェイス回路
21 アドレスデコーダ
22、23 ラッチ
24 SRAM
31、32、33 データラッチ
34 画素クロックカウンタ
35 水平同期信号カウンタ
41 アドレスデコーダ
42 位相制御信号発生テーブル
51 画素クロックカウンタ
52 水平同期信号カウンタ
60 パワー補正演算回路
61 ラインカウンタ
62、63 ラッチ
64 位相制御パターン検出回路
65、67 遅延補正回路
66 位置補正演算回路
68 セレクタ
69 ラッチ
70 補正量選択回路
71、72 パワー補正量レジスタ
73 セレクタ
74 LDパワー補正回路
75 補正テーブル選択回路
76 LDパワー補正テーブル
80、81 フリップフロップ(F/F)
82 補正量選択回路
83、84 書出位置補正量レジスタ
85、86 セレクタ
87 LD書出位置補正回路
88、89 遅延補正回路
90 インバータ
91 AND回路
92 OR回路
100 補正テーブル選択回路
101 LD書出位置補正テーブル
110 分割数設定レジスタ
111 補正量選択回路
112 書出位置補正量レジスタ群
113 セレクタ

Claims (9)

  1. 書込位相を左右に切換可能な書込手段の複数のレーザ光源素子から出射するレーザ光を多値の画像データでパルス幅変調して回転駆動される感光体に照射させて静電潜像を形成して画像形成する画像形成装置であって、
    画像データにディザ処理手段を施すディザ処理手段及び書込補正手段を備え、
    前記書込補正手段は、書込位相が右位相から左位相に変化するかどうかを検出する位相制御パターン検出手段を備え、前記位相制御パターン検出手段により、書込位相が右位相から左位相に変化することが検出された場合に、前記ディザ処理手段によりディザ処理された画像データに対して、右位相及び左位相の一方の画像データを減じ、他方の画像データを増加するように前記画像データの補正を行う手段であり、
    前記書込補正手段により補正された画像データに基づいて前記書込手段の前記各レーザ光源素子による書込位相を制御することにより、前記複数のレーザ光源素子間の書出位置の機差を補正することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記書込補正手段は、前記書込手段の前記各レーザ光源素子のレーザ光の出力パワーの機差に基づき、前記ディザ処理手段によりディザ処理された画像データに対して、前記画像データの補正を行い、その補正された画像データに対して、書込位相が右位相から左位相に変化する場合に、右位相及び左位相の一方の画像データを減ずるように前記画像データの補正を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記ディザ処理手段は、書込位相が右から左に切り換わる際の左位相書込画素を光出力が安定する書込値まで成長させ、光出力安定後は、右位相書込画素についても成長を開始させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 左位相書込画素及び右位相書込画素が所定の大きさになると、左位相書込画素及び右位相書込画素の値を等しいものにし、それ以降は、均等に成長させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 前記書込補正手段は、前記感光体への前記書出位置を主走査方向に2つ以上に分割して、それぞれ任意の補正量を適用して前記補正を行うことを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  6. 前記書込補正手段は、前記感光体への前記書出位置を主走査方向に分割する分割数を設定する分割数設定手段を備え、当該分割数設定手段で設定された分割数で前記書出位置を主走査方向に分割して、それぞれ任意の補正量を適用して前記補正を行うことを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  7. 前記書込補正手段は、前記感光体への前記書出位置を主走査方向に分割する分割位置を設定する分割位置設定手段を備え、当該分割位置設定手段で設定された分割位置で前記書出位置を主走査方向に分割して、それぞれ任意の補正量を適用して前記補正を行うことを特徴とする請求項5または請求項記載の画像形成装置。
  8. 前記書込補正手段は、前記複数のレーザ光源素子間の機差を補正する補正テーブルを備え、当該補正テーブルに基づいて前記補正を行うことを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記書込補正手段は、前記補正後の画像データが予め設定された規定値以下となることを規制することを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の画像形成装置。
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