以下に、本発明を具体化した実施形態を図面(図1〜図14)に基づいて説明する。図1は可動ブース構造体の概略斜視図、図2は移動式プラットフォーム装置を構成する架台の平面図、図3のうち(a)は摺動踏み板を裏面側から見た図、(b)は(a)のIIIb−IIIb視側断面図、(c)は(a)のIIIc−IIIc視側断面図、図4は摺動踏み板が開閉摺動する態様を示す移動式プラットフォーム装置の要部側断面図、図5のうち(a)は可動踏み板を裏面側から見た図、(b)は(a)のVb−Vb視側断面図、図6は可動踏み板を開閉動させる態様を示す移動式プラットフォーム装置の要部側断面図、図7は足部材を示す要部拡大断面図、図8は図4のVIII−VIII視断面図、図9は支柱の拡大断面図、図10は回動式ディスプレイと回動アーム機構とを示す正面図、図11は回動式ディスプレイ装置の回動態様を示す平面図、図12は支軸と枢軸との関係を示す要部拡大斜視図であり、(a)は一体回動状態、(b)は単独回動状態の図、図13は摺動踏み板を開き摺動させた状態を示す移動式プラットフォーム装置の概略斜視図、図14は架台の要部拡大斜視図である。
まず、本発明に係る移動式プラットフォーム装置2を利用した可動ブース構造体1の全体構造について説明する。
この実施形態の可動ブース構造体1は、例えばオフィス、ショールーム又は展示会等での会議やプレゼンテーション等の際に用いられるものである。図1に示すように、可動ブース構造体1は、平面視略円形の移動式プラットフォーム装置2と、当該移動式プラットフォーム装置2の外周部に周方向に沿って適宜間隔で立設された複数本の支柱3とを備えている。この実施形態では、平面視略楕円形の輪郭形状を有する3本の支柱3が、平面視で各々三角形の頂点に位置するように、移動式プラットフォーム装置2における外周部の略半周部分に90度間隔で配置されている。図1及び図2から明らかなように、可動ブース構造体1の前方には支柱3がない。発表者は、移動式プラットフォーム装置2上に載った状態で、可動ブース構造体1の前方に居る聴衆に向けてプレゼンテーションを行うことになる。
3本の支柱3の上端部間は略T字型の連結ビーム4を介して連結されている。連結ビーム4のうち横桟部4aは、左右一対の支柱3に対して着脱可能に取り付けられている。当該横桟部4aから交差状に延びる延出桟部4bは、中央奥側の支柱3の上端部に着脱可能に取り付けられている。なお、支柱3の有無、位置及び設置数等は上記例に限られるものではないが、後述する摺動踏み板32のスライドや可動踏み板33の開閉動を妨げないように設定される。
連結ビーム4の横桟部4aには、移動式プラットフォーム装置2を上方から覆うルーフ体5が設けられている。連結ビーム4の延出桟部4bには、扁平板状の筆記用パネル6が延出桟部4bの長手方向に沿って摺動移動可能に吊支されている。
連結ビーム4の横桟部4aで連結された左右一対の支柱3,3の長手中途部には、回動式のディスプレイ装置7が、平面視で移動式プラットフォーム装置2の中央側(半径内側、筆記用パネル6と対峙する側)に収容されたり移動式プラットフォーム装置2の半径外側に展開されたりするように、回動アーム機構8を介して水平旋回可能に設けられている(図1及び図12参照)。
回動式ディスプレイ装置7は、表示手段としての扁平板状のスクリーンパネル9と、当該スクリーンパネル9の下方に吊り下げるようにして配置された水平トレー状の物品載置体10とにより構成されている。この物品載置体10上には、例えばスクリーンパネル9の表側の広巾表示面に画像を映写するためのプロジェクタ等の物品が載せられる。なお、表示手段は、スクリーンパネル9だけではなく、筆記用パネル6や液晶パネル、有機ELパネル等をも含む概念である。
次に、移動式プラットフォーム装置2の構造について説明する。
図1及び図2に示すように、床面上に設置された移動式プラットフォーム装置2は、平面視略矩形状の枠フレーム12及び当該枠フレーム12の相対向するコーナ部を対角線状に連結する平面視十字状のクロスフレーム13を有する架台11と、この架台11の上面を覆う踏み板31とを備えている。
架台11における枠フレーム12の4箇所のコーナ部12aのうち左右及び奥側の3箇所に、前述した各支柱3が立設支持されている。枠フレーム12の外周側には、平面視略環状の化粧枠14が枠フレーム12を外側から囲うように取り付けられている。クロスフレーム13で仕切られた枠フレーム12の内径側の4箇所には、それぞれ上向き開口状で且つ底面を有する収納部15が設けられている。
枠フレーム12の内径側の4箇所、換言すると架台11の内部空間は、底面がなく上下に連通するように(床面に臨むように)構成してもよいが、前述のように上向き開口有底状の収納部15を設ける構成にすると、当該収納部15内に例えば配電盤やコンセントボックス、配線コード類の余長部等を収容することができるので、好適である。なお、詳細は図示していないが、これら配電盤やコンセントボックス等から延びる電源側コードは、例えば架台11の下面側から外に引き出されて、室内の所定箇所にあるコンセントに接続される。
枠フレーム12における各辺部の中途部と化粧枠14の内径側とを連結する連結ブラケット16の下面には、床面に接地可能な車輪式のキャスタ17が複数個(実施形態では2個ずつ、計8個)が取り付けられている。
枠フレーム12のうち支柱3が立設されたコーナ部12aの下面には、架台11をキャスタ17で移動可能に支持した状態と、床面に移動不能に保持した状態とに切り替えるための足部材18が取り付けられている(図2、図4、図6及び図7参照)。
足部材18には、床面に接離するように昇降動可能なストッパー体19と、このストッパー体19の昇降動操作のための一対の操作ペダル20,21とを備えている。これら両操作ペダル20,21は、一方を押し下げ回動操作すると他方が上向きに復帰回動するというように、互いに逆向きに上下回動可能に関連させた構成となっている。
ロック用操作ペダル20を押し下げ回動操作した場合は、ストッパー体19が下降動してロックされ、床面に突っ張った状態となるように構成されている(図7の二点鎖線状態参照)。この場合は、架台11は床面に対して移動不能に保持される。解除用操作ペダル21を押し下げ回動操作した場合は、ロックが解除されてストッパー体19が上昇動するように構成されている(図7の実線状態参照)。この場合は、架台11はキャスタ17で移動可能に支持された状態となる。これら両操作ペダル20,21は、足で踏み込むことにより押し下げ回動操作できるので、操作が楽である。
架台11におけるクロスフレーム13と枠フレーム12との連結部近傍及びクロスフレーム13のセンター部には、上向き開口状の取付け穴23を有する円筒状のボス部材22が上向き突設されている(図2、図4、図6及び図8参照)。これら各ボス部材22の取付け穴23は、椅子やテーブル等の支持脚24又はキャップ体25(図1、図4及び図8参照)を着脱可能に差し込み装着するためのものである。
図1、図4及び図6に示すように、架台11の上面を覆う踏み板31は、互いに水平に突き合わさるように複数に分割されている。この実施形態の踏み板31は、3本の支柱3で囲まれていない側に位置する平面視略半円形状の摺動踏み板32と、3本の支柱3で囲まれた側に位置する平面視略扇型の2枚の可動踏み板33,33との合計3枚に分割されている。これら各踏み板32,33,33の表面(上面)は、アルミ製等の化粧板で覆われている。
各踏み板32,33,33が架台11の上面の対応箇所を塞ぐ閉じ位置にある状態(図1、図4及び図6の実線状態参照)では、各踏み板32,33,33の突合せ端部32a,33a,33a(図3(a)〜(c)及び図5(a)(b)参照)は、平面視でクロスフレーム13上に位置するように(クロスフレーム13の各辺部に沿って延びるように)設定されている。
また、各踏み板32,33,33は、いずれも独立的に架台11の上面に対して開閉移動可能に構成されている。すなわち、摺動踏み板32は、その直線状の突合せ端部32aと略直交する水平方向H(図2参照)にスライド可能な状態で、後述する案内支持手段を介して架台11における上面の対応箇所に載置されている。2枚の可動踏み板33,33は、手で掴んで持ち上げることにより開き動可能な状態で、架台11における上面の各対応箇所に載置されている。
摺動踏み板32を水平方向H(図2及び図4参照)にスライド可能に支持するための案内支持手段は、架台11と摺動踏み板32との間に設けられたものである。この実施形態の案内支持手段は、枠フレーム12における前方側のコーナ部12a寄りに位置するボス部材22と、枠フレーム12のうち摺動踏み板32の配置側に位置する2つの辺部にそれぞれ上向き突設された2個の案内突起34,34と、架台11における摺動踏み板32の配置側の適宜箇所に点在するように設けられた複数の支持ローラ35(実施形態では10個)と、前記水平方向Hに沿って互いに平行状に延びるように摺動踏み板32の裏面(下面)に形成された3本の下向き開口状のガイド溝36,37,37とにより構成されている。
各ガイド溝36,37,37は、前記水平方向Hの両端部が摺動踏み板32の突合せ端部32a及び円弧状周縁部32bに連通しないように形成されている(図3(a)〜(c)参照)。3本のガイド溝36,37,37のうち真ん中のガイド溝36にはボス部材22が摺動可能に嵌り、残りの両側のガイド溝37,37にはそれぞれ案内突起34が摺動可能に嵌るように構成されている。
摺動踏み板32は、架台11の上面の略半部を塞ぐ閉じ位置(図1及び図4の実線状態参照)から、一部を架台11上に載せた開き位置(図2及び図4の二点鎖線状態参照)までの範囲において、前記水平方向Hに開閉摺動するように構成されている。すなわち、摺動踏み板32の前記水平方向Hに沿っての摺動ストロークは、各ガイド溝36,37,37の長手方向の両端に前述のボス部材22や案内突起34,34が当ることによって規制されている。
各支持ローラ35は、架台11の上面よりも上方に高さ寸法hだけ高く突出するようにして設けられている(図4、図13及び図14参照)。そして、全ての支持ローラ35が摺動踏み板32の裏面に当接するように構成されている(図4参照)。各支持ローラ35は、摺動踏み板32を前記水平方向Hに沿って移動可能な状態で下方から支持している。従って、重量物である摺動踏み板32の開閉摺動は、架台11の上面に直接接触することなく、人が押し引きする程度の軽い力でスムーズに行うことができる。
なお、摺動踏み板32を摺動移動可能にするための構成は、前述の形態に限らず、例えば摺動踏み板32の各ガイド溝36,37,37内に、架台11側に設けられた転動コロを嵌め込むことにより、摺動踏み板32を架台11に摺動移動可能に支持させるというものでもよいし、架台11と摺動踏み板32との間に、リテーナで自転可能に保持された多数個のボールを一列状に介挿してなるサスペンション手段を配置するというものでもよい。
前述のように、各支持ローラ35を架台11の上面よりも高く突出した状態で摺動踏み板32の裏面に当接させることにより、架台11の上面と摺動踏み板32との間の上下隙間は、半径方向外向きに開口した配線用隙間38となる(図4参照)。従って、架台11内の4箇所の収納部15は、架台11の上面と摺動踏み板32との間の配線用隙間38を介して外部に連通している。
図3(a)(b)、図4及び図8に示すように、摺動踏み板32における真ん中のガイド溝36を挟んで両側であって突合せ端部32a寄りの箇所には、クランク状の一対の鉤状板39,39が対称状に設けられている。この場合、各鉤状板39は、真ん中のガイド溝36側の板部39aと摺動踏み板32の裏面との間に、支柱3のないコーナ部12a寄りに位置するボス部材22の外周部に半径外向きに突出形成された水平ウイング40(図4及び図8参照)を上下から挟み込む隙間が空くようにして設けられている。
摺動踏み板32を開き位置までスライドさせた状態では、枠フレーム12における前方側のコーナ部12a寄りに位置するボス部材22の水平ウイング40が各鉤状板39の板部39aと摺動踏み板32の裏面との間の隙間に嵌ることにより、摺動踏み板32の突合せ端部32a側の浮き上がりが阻止される。
また、摺動踏み板32には、真ん中のガイド溝36のうち円弧状周縁部32b寄りの箇所に、上下方向(板厚方向)に貫通する貫通穴41が形成されている。すなわち、摺動踏み板32における真ん中のガイド溝36と貫通穴41とは連通している。摺動踏み板32が閉じ位置にある状態では、貫通穴41に、対応するボス部材22を臨ませている。
摺動踏み板32が閉じ位置にある状態では、椅子やテーブル等の支持脚24や目隠し用のキャップ体25を貫通穴41を介してボス部材22の取付け穴23に上方から差し込み装着することにより、貫通穴41が塞がれる(図1及び図8参照)。この実施形態では、目隠し用のキャップ体25は、六角穴付きボルト42でボス部材22内の雌ねじ部26にねじ込み固定される(図8参照)。この場合、閉じ位置にある摺動踏み板32は、架台11に対してずれ不能に固定されることになる。
これにより、移動式プラットフォーム装置2上に人が載ったときの安全性を簡単に確保することができる。また、摺動踏み板32の貫通穴41は支持脚24やキャップ体25で塞がれるので、摺動踏み板32の表面の美感を損なうこともない。さらに、摺動踏み板32を架台11に対して摺動可能な状態とずれ不能(移動不能)な状態とに切り替えるには、支持脚24やキャップ体25を貫通穴41を介してボス部材22の取付け穴23に抜き差しするだけで済むから、手間がかからなくて利用者にとって使い勝手がよい。
一方、図2、図5及び図6に示すように、各可動踏み板33を下方から支持する支持手段は、架台11における可動踏み板33の配置側の適宜箇所に点在するように設けられた複数の受け金具43(実施形態では8個)と、枠フレーム12のうち両可動踏み板33,33の配置側に位置する2つの辺部に上向き突設された嵌合突起44(実施形態では2個ずつ、計4個)と、各可動踏み板33が閉じ位置にある状態で架台11側の嵌合突起43が嵌るように、各可動踏み板33における裏面の対応箇所に形成された下向き開口状の嵌合穴45(実施形態では2個ずつ、計4個)とにより構成されている。
各受け金具43は、架台11における可動踏み板33の配置側の適宜箇所に点在するように穿設された雌ねじ穴46にねじ込み固定されている(図7参照)。架台11の雌ねじ穴46に対する受け金具43のねじ込み量を加減することによって、受け金具43の突出高さひいては可動踏み板33の水平姿勢が調節し得るように構成されている。
この実施形態の各受け金具43は、前述した支持ローラ35と同様にして、架台11の上面よりも高さ寸法hだけ高く突き出た状態で可動踏み板33の裏面に当接するように構成されている(図6参照)。これにより、架台11の上面と各可動踏み板33との間の上下隙間も、半径方向外向きに開口した配線用隙間48となる。
従って、架台11内の4箇所の収納部15は、架台11の上面と各可動踏み板33との間の配線用隙間48からも外部に連通している。換言すると、架台11と各踏み板32,33,33との間は、半径外向きに開口する配線用隙間38,48で環状に空いていることになる。なお、この実施形態では、全ての踏み板32,33,33の表面が同一水平面状に位置するように、各配線用隙間38,48,48の上下間隔が設定されている。
各可動踏み板33が閉じ位置にある状態では、架台11側の嵌合突起44をこれに対応する可動踏み板33側の嵌合穴45に嵌め込むことにより、閉じ位置にある各可動踏み板33が架台11に対してずれ不能に固定される(図1及び図6参照)。
図2及び図6に示すように、枠フレーム12のうち中央奥側のコーナ部12aには、上向きに突出する一対の係合片49が、当該コーナ部12aから延びるクロスフレーム13の一辺部を挟んで両側に位置するように設けられている。一方、各可動踏み板33における円弧状周縁部33bの一端のコーナ部には、1つの係合片49を嵌めるための係合溝50が形成されている(図5(a)(b)及び図6参照)。
各可動踏み板33における摺動踏み板32に対する突合せ端部33a側を手で掴んで上向きに持ち上げた場合は、架台11側の1つの係合片49を可動踏み板33側の係合溝50に嵌め込んだ状態を維持することにより、各可動踏み板33における中央奥側の支柱3寄りに位置するコーナ部が横ずれ不能に保持される。これにより、図6に二点鎖線で示すように、各可動踏み板33は、適宜鋭角の傾斜状(例えば水平面に対して30〜40度程度)に開くことになる。
また、この実施形態では、クロスフレーム13のうち左右一対の支柱3,3の間に位置する一辺部に形成された差し込み穴51と、各可動踏み板33の裏面における摺動踏み板32に対する突合せ端部33a側の箇所に形成された差し込み穴52とに、棒状支持体53の各端部をそれぞれ差し込むことによって、各可動踏み板33は、図6の二点鎖線で示すような適宜鋭角の傾斜状態で、棒状支持体53により安定的に支持される。なお、棒状支持体53は架台11内の収納部15に収納しておけばよい。
図3(a)(b)及び図5(a)(b)に示すように、摺動踏み板32と2枚の可動踏み板33,33とに共通する構成として、各踏み板32,33,33の突合せ端部32a,33a,33aには、当該各踏み板32,33,33が閉じ位置にある状態で、クロスフレーム13に設けられた各ボス部材22の外周面の一部に重なる第1凹み溝54が凹み形成されている。各踏み板32,33,33が閉じ位置にある状態では、互いに突き合わされて上下に貫通する穴状になった第1凹み溝54,54の箇所に、対応するボス部材22を臨ませている。
また、各踏み板32,33,33には、その円弧状周縁部32b,33b,33bの両端のコーナ部に、各踏み板32,33,33が閉じ位置にある状態で支柱3の外周面の一部に外側から当接する第2凹み溝55が凹み形成されている。
これら各凹み溝54,55がボス部材22や支柱3の外周面に当接する(重なる)ように、各踏み板32,33,33を架台11上に配置することにより、各踏み板32,33,33は適切な閉じ位置に位置決めされるように構成されている。この場合、各踏み板32,33,33の表面(上面)からボス部材22が上向きに突出しない(はみ出さない)ように設定されている。
各踏み板32,33,33が閉じ位置にある状態では、椅子やテーブル等の支持脚24や目隠し用のキャップ体25を穴状になった第1凹み溝54の箇所を介してボス部材22の取付け穴23に上方から差し込み装着することにより、穴状になった第1凹み溝54の箇所が塞がれる(図1参照)。この場合も、図8に示す態様と同様に、目隠し用のキャップ体25は、六角穴付きボルト42でボス部材22内の雌ねじ部26にねじ込み固定される構成である。
以上のように、各踏み板32,33を架台11の上面に対してそれぞれ独立的に開閉移動可能に構成すると、少なくとも上面側が開放された架台11の内部を、配線コード類64(図9参照)や種々の物品を収納するための空間(収納部15)として利用することができる。
これにより、移動式プラットフォーム装置2に配置されたテーブルや物品載置体10等の上に、プロジェクタやパソコン用キーボード等のOA機器を載置した場合に、これらOA機器から延びる配線コード類64の余長部を外部から見えない収納空間(収納部15)にまとめて収容することができるから、配線コード類64の乱雑さを見えなくして、移動式プラットフォーム装置2の外観を体裁よくすっきりさせることができる。換言すると、配線コード類64を美麗に処理することができる。
また、架台11の内部空間(収納部15)にコンセントボックスを配置しておけば、当該コンセントボックスから延びる1本の電源側コードを室内の所定箇所にあるコンセントから外すことにより、移動式プラットフォーム装置2上の各OA機器から延びる配線コード類64を架台11内のコンセントボックスに接続したままで、移動式プラットフォーム装置2を各OA機器と一緒に任意の箇所に移動させることができる。従って、移動式プラットフォーム装置2や各OA機器の運搬・設置や配線作業の手間がかからず、取り扱いが容易である。
しかも、各OA機器の配線コード類64の余長部が移動式プラットフォーム装置2の周囲にはみ出さないので、足元の安全も確保することができるのである。
次に、図9を参照しながら、各支柱3の構造について説明する。
平面視略楕円形の輪郭形状を有する各支柱3の断面中央側には、当該支柱3の長手方向に沿って延びる中空状の芯材71が形成されている。この芯材71の半径外側には、当該芯材71の中心を挟んで相対向するように、長径側に位置する一対の第1側面板73a,73aと、短径側に位置する一対の第2側面板73b,73bとが、各々複数の連結片74a〜74cを介して一体的に連接されている。
各第1側面板73aには、巾狭の第1開口溝76aが支柱3の長手方向に沿うように形成されている。各第1側面板73a側に形成された第1作業溝75は、第1開口溝76aと、これに連通し且つ芯材71寄りの箇所で巾広となる第1挿通溝76bとで構成されている。従って、両第1作業溝75の第1開口溝76aは、長径方向において互いに反対向きに開口することになる。
各第2側面板73b側に形成された第2作業溝77は、第2側面板73b側に支柱3の長手方向に沿うように設けられた巾狭の第2開口溝78aと、これに連通し且つ芯材71寄りの部位で巾広となる第2挿通溝78bとにより構成されている。従って、両第2作業溝75の第2開口溝78aは、短径方向において互いに反対向きに開口することになる。
第1及び第2作業溝75,77は、例えば差し込みコンセント63やモジュラージャックボックス等を装着し得るように構成されている。また、各作業溝75,77,79は、移動式プラットフォーム装置2の配線用隙間38,48(図4及び図6参照)から引き出された配線コード類64を導いて、当該コード類64の余長部を収容し得るように構成されている。各作業溝75,77,79内に収められた配線コード類64は、移動式プラットフォーム装置2上や、回動式ディスプレイ装置の物品載置体10上等に引き出すことができる。
さらに、第1側面板73aと第2側面板73bとの間には、支柱3の長手方向に沿って延びる第3作業溝79が形成されている。従って、第3作業溝79は、第1作業溝75と第2作業溝77とに挟まれて4箇所に形成されることになる。
当該4箇所の第3作業溝79のうち、平面視で移動式プラットフォーム装置2の中央側に向けて開口した一対の第3作業溝79には、縦長の係止板65が支柱3の上端からそれぞれ落とし込み挿入されている。各係止板65には、上下方向に適宜間隔で係止溝穴66が穿設されている。
この実施形態では、連結ビーム4(図1及び図9参照)の各先端部に、断面コ字型の固定ブラケット67が溶接等で固定されている。この固定ブラケット67の相対向する両側板には、下向き鉤状の係止爪68が一体的に設けられている。これら各係止爪68を支柱3の上端寄りに位置する係止溝穴66に引っ掛けて係合することにより、3本の支柱3の上端部間に連結ビーム4が着脱可能に取り付けられている(図1及び図9参照)。
なお、各支柱3の上端面は、着脱可能に嵌め込まれたカバーキャップ69で覆われている(図1参照)。
次に、主として図10〜図12を参照しながら、回動アーム機構8と回動式ディスプレイ装置7との詳細構造について説明する。
回動アーム機構8は、支柱3の長手方向中途部に着脱可能に取り付けられる略コ字状の支持体81、及びこの支持体81と回動式ディスプレイ装置7とを連結する上下一対の回動アーム82,82により構成されている。
支持体81における上下長手の本体部83には、相対向する一対の突出アーム84,84と逆向きに突出させた下向き鉤状の複数の係止爪85が、上下方向に適宜間隔で設けられている。
この場合も、前述の連結ビーム4と同様にして、支持体81の各係止爪85を支柱3の中途部に位置する係止溝穴66に引っ掛けて係合することにより、支柱3に対して支持体81が着脱可能に構成されている(図9及び図10参照)。
従って、この実施形態では、回動アーム機構8を含めた回動式ディスプレイ装置7全体が支柱3に対して着脱可能となっている。また、支柱3の長手中途部に支持体81を取り付けた状態では、支持体81の上下両突出アーム84,84は、支柱3から水平外向きに(平面視で移動式プラットフォーム装置2の中央側に向けて)突出することになる。
支持体81における上下両突出アーム84,84の先端部には、互いに上下方向の同心状に貫通した筒状枢支部86,86が設けられている。
上下の各回動アーム82は、平面視で互いに同じ向きに突出するように略弓状に湾曲している。この実施形態の回動アーム82は、平面視で移動式プラットフォーム装置2の中央側に回動式ディスプレイ装置7を配置した状態で、筆記用パネル6に向けて略弓形の凸状に形成されている(図12参照)。
当該両回動アーム82の基端部には、先細段付き状の縦軸87が設けられている一方、先端部には、互いに上下方向の同心状に貫通した枢支ボス部88が設けられている。両回動アーム82における縦軸87寄りの部位の間は、上下に長い補強アーム89で連結されている。なお、下回動アーム82の凹み側面には手動操作用の把手90が取り付けられている。
上下各回動アーム82の基端側の縦軸87は、支持体81における突出アーム84の筒状枢支部86に上方から回動可能に差し込み装着されている。これにより、両回動アーム82,82は、支柱3と平行に延びる同一軸線上の縦軸87,87回りに一体的に水平回動可能に構成されている。
上下各回動アーム82の先端側の枢支ボス部88内には、スクリーンパネル9の上下両縁部材9aに同心状に位置するように外向き突設された支軸91が、回動可能に差し込み装着されている(図12(a)(b)参照)。従って、スクリーンパネル9は、上下一対の回動アーム82,82により、支柱3や縦軸87と平行に延びる同一軸線上の支軸91,91回りに表裏反転するように水平回動可能に支持されている。
この実施形態では、スクリーンパネル9の下縁部材9aに取り付けられた下支軸91は、下回動アーム82の枢支ボス部88内に嵌る軸部92と、当該軸部92よりも大径のフランジ部93とを備えている(図12(a)(b)参照)。フランジ部93の上端面に形成された溝状係合部94に対して、スクリーンパネル9の下縁部材9aが嵌め込み固定されている。この状態では、平面視でフランジ部93の一部が、スクリーンパネル9の表裏両広巾面から外向きにはみ出している。
下回動アーム82における枢支ボス部88の内径部分は、頭部96付きの枢軸95が抜け不能で且つ回動可能に装着されるように、上端側では大径で下端側では小径の段違い状に形成されている。図10及び図12(a)(b)に示すように、枢支ボス部88内には、先に枢軸95を抜け不能で且つ回動可能に差し込んだ状態で、スクリーンパネル9側の下支軸91が上方から差し込み装着されている。この実施形態では、下回動アーム82の先端側の枢支ボス部88が支軸91と枢軸95とをつなぐ連結手段に相当する。
枢軸95のうち枢支ボス部88を下方に貫通する長軸部97には、水平トレー状の物品載置体10の上面コーナ部に立設された中空筒状のパイプビーム98が上下方向に沿ってスライド可能に被嵌されている。枢軸95の長軸部97と物品載置体10のパイプビーム98とは、当該両者97,98を水平方向に貫通するねじ103で固定されている。
下回動アーム82における枢支ボス部88内の支軸91と枢軸95との関係から明らかなように、スクリーンパネル9と物品載置体10とは、それぞれ単独で支軸91又は枢軸95回りに回動可能に構成されている。
図12(a)(b)に詳細に示すように、スクリーンパネル9及び物品載置体10が一体的に回動する状態と、当該両者9,10がそれぞれ単独で回動する状態とに切り替えるための切替手段は、下支軸91におけるフランジ部93の一方のはみ出し部分(スクリーンパネル9の表側の広巾表示面に臨む側)から軸部92の下端面にまで貫通する挿通穴99と、枢軸95の頭部96に形成された上向き開口状の係合穴100と、略L字型の連結ピン101とにより構成されている。
枢軸95側の係合穴100を下支軸91側の挿通穴99に対して位相的に合致させた状態で、下支軸91側の挿通穴99を介して枢軸95側の係合穴100に嵌るまで連結ピン101の棒状部を差し込むことにより、スクリーンパネル9と物品載置体10とは、連結ピン101を介して、同心状に延びる支軸91及び枢軸95回りに一体的に回動可能に連結されることになる(図12(a)参照)。
この状態では、前面投影型のプロジェクタを使用するために、平面視で物品載置体10がスクリーンパネル9の表側の広巾表示面から水平外向きに突出するように、スクリーンパネル9と物品載置体10との位置関係に設定されている(図11の実線状態参照)。もちろん、背面投影型のプロジェクタを使用するために、平面視で物品載置体10がスクリーンパネル9の裏側の広巾面から水平外向きに突出するように設定してもよい。
このように、スクリーンパネル9と物品載置体10とを連結ピン101を介して連結することにより、スクリーンパネル9と物品載置体10とのうちいずれか一方を支軸91又は枢軸95回りに回動させるだけで、他方を確実に連れ回りさせることができる。すなわち、スクリーンパネル9の向きに合わせて、物品載置体10の向きを変更することができるので、使い勝手が向上する。
また、スクリーンパネル9の向きを変更した場合であっても、物品載置体10の向きや当該物品載置体10上に載せたプロジェクタ等の物品の向きを、スクリーンパネル9に対して一々位置合わせする必要がなくなるから、可動ブース構造体1の周囲に居る出席者が見易いように、スクリーンパネル9の向きを微調節することが簡単に実行でき、利用者(発表者)にとって非常に使い勝手のよいものとなる。
連結ピン101の棒状部を少なくとも枢軸95側の係合穴100から引き抜いた状態では、連結が外されたスクリーンパネル9と物品載置体10とは、それぞれ単独で支軸91又は枢軸95回りに回動可能となる(図12(b)参照)。これにより、平面視で移動式プラットフォーム装置2の中央側に各回動ディスプレイ装置7を収容するに際しては、他の物品載置体10や筆記用パネル6等との干渉を回避して、各回動式ディスプレイ装置7をできるだけコンパクトに収容することができる。
この実施形態では、上下一対の回動アーム82,82が、平面視で移動式プラットフォーム装置2の中央側に回動式ディスプレイ装置7を配置した状態で、筆記用パネル6に向けて略弓形の凸状に湾曲しているので、凹み面側を回動方向前方にして、両回動アーム82,82を図11の矢印T方向に回動させた場合は、両回動アーム82,82の先端側の枢支ボス部88,88は、回動中心である縦軸87,87の傍にある支柱3を迂回するようにして(支柱3を跨ぐようにして)、支柱3を挟んで支持体81の筒状枢支部86(縦軸87)と反対側の位相位置にまで回動移動することができる(図11の二点鎖線状態参照)。
すなわち、上下一対の回動アーム82,82を略弓形の凸状に湾曲させているので、両回動アーム82,82を支柱3と平行な縦軸87,87回りに水平回動させる構成としても、支柱3による干渉を回避しつつ、当該両回動アーム82,82の回動可能範囲を、支柱3を挟んで支持体81の筒状枢支部86(縦軸87)と反対側の位相位置にまで広げることができる。これにより、筆記用パネル6と2枚のスクリーンパネル9,9とを相互に平行状に並べたりすることができ、利用者にとっての使い勝手が向上するのである。
なお、両回動アーム82,82は、略弓形に湾曲させるに限らず、例えば略L字状に屈曲させたものであってもよい。また、切替手段は、前述の実施形態のものに限らず、例えば次のような構成にすることも可能である。すなわち、下支軸91の軸部92の下端面と枢軸95の頭部96の上端面とに、対称形状の係合溝を形成する一方、下回動アーム82における枢支ボス部88の側面のうち相対向する両係合溝に対応する箇所に、水平貫通状の差し込み穴を穿設する。そして、当該差し込み穴から両係合溝に対して、枢支ボス部88の内径程度の長さのロックピンを抜き差しすることにより、スクリーンパネル9及び物品載置体10が一体的に回動する状態と、当該両者9,10がそれぞれ単独で回動する状態とに切り替えるように構成してもよいのである。
以上、本発明の実施例を図面で説明したが、具体的な構成は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば移動式プラットフォーム装置の外観形状は、必ずしも平面視略円形状である必要はなく、半円形や扇形としたり多角形等の任意の平面視形状に設定することができる。
また、複数に分割された踏み板のうち少なくとも1つが、前記架台の上面に対して開閉移動可能に配置されていればよいし、その分割数も任意である。踏み板の外観形状についても、様々な平面視形状に設定することができる。