JP4451358B2 - マスフローコントローラ - Google Patents

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Description

この発明は、ガスや液体などの流体の流量を制御するマスフローコントローラに関するものである。
例えば、半導体の製造に用いられる各種ガス等を半導体製造装置に供給する場合、それらの供給流路にマスフローコントローラをそれぞれ設け、これによってガス流量をそれぞれ調節するようにしている。そして従前は、各マスフローコントローラにそれぞれ圧力レギュレータを直列付帯させ、各マスフローコントローラの流路内圧力に極端な変動が生じないようにして、流量制御を容易化している。
前記マスフローコントローラにおける流量制御方式としては、PID制御が基本であるが、例えば、特許文献1に示すように、PID制御にバリエーションを施したフィードバック制御を行うようにしたものも知られている。具体的に前記特許文献1に示すものは、偏差にPID演算を施し、その演算結果に、流量設定値が小さくなるほど値が大きくなるような関数を乗算して、フィードバック制御値を算出するようにしたものである。
ところで近時では、ボンベ等の流体供給源にのみレギュレータを設け、そこから分岐させた各供給流路には、それぞれマスフローコントローラを設けるものの、レギュレータは各個には設けないシステム構成も増加してきている。
しかしながら、このようなシステム構成の場合、例えば、ある1つの供給流路を突然閉止したり、1つのマスフローコントローラの流量を大きく変化させたりすると、それによる圧力変動が他の供給流路及びマスフローコントローラに及び(これをクロストークという)、従来のように圧力レギュレータによって圧力変動がある程度抑制されているという前提での制御方式では、十分な流量制御を行えなくなるという不具合が生じ得る。
より具体的に言えば、前記特許文献1に示すような制御方式を採用している場合に、例えば一次側の圧力(マスフローコントローラの上流側の圧力)にある一定以上の変動が生じると、それに過敏に反応して規定以上の流量変動が生じてしまう。
かといって、半導体プロセスなどでの原料ガス流量等の制御には、スピードと精度がさらに厳しく要求されてきている状況下、前記過敏反応を抑制すべく、流量設定値の変化に対する追随速度(速応性)を犠牲にすることはできない。
特開2004−280689
そこで本発明は、流量設定値の変化に対する追随速度を犠牲にすることなく、圧力変動が生じても流量変動を抑制できるようにし、クロストークが生じ得るようなシステムにも採用できるマスフローコントローラを提供することをその主たる課題としたものである。
すなわち、本発明に係るマスフローコントローラは、流路内を流れる流体の流量を測定し、その測定値を示す流量測定信号を出力する流量センサ部と、その流量センサ部の上流側または下流側に設けた流量制御バルブと、前記流量測定信号の示す流量測定値と目標値である流量設定値との偏差に少なくとも比例演算を施して流量制御バルブへのフィードバック制御値を算出する算出部と、前記フィードバック制御値に基づいて開度制御信号を生成し、流量制御バルブに出力する開度制御信号出力部と、を備えたものであって、前記比例演算における偏差に乗算するゲイン値として、前記流量設定値を所定の関数に代入して得られる値を用いるとともに、前記流量設定値を所定量以上変化させた時点からの所定期間である変化期間と、それ以外の期間である安定期間とにおいて、前記関数に互いに異なるものを用いるようにしており、前記変化期間が前記流量測定値と前記流量設定値の偏差が一定範囲に収束した時点で終了するようにしていることを特徴とする。
また、本発明にかかるマスフローコントローラは、流路内を流れる流体の流量を測定し、その測定値を示す流量測定信号を出力する流量センサ部と、その流量センサ部の上流側または下流側に設けた流量制御バルブと、前記流量測定信号の示す流量測定値と目標値である流量設定値との偏差に少なくとも比例演算を施して流量制御バルブへのフィードバック制御値を算出する算出部と、前記フィードバック制御値に基づいて開度制御信号を生成し、流量制御バルブに出力する開度制御信号出力部と、を備えたものであって、前記比例演算における偏差に乗算するゲイン値として、前記流量設定値を所定の関数に代入して得られる値を用いるとともに、前記流量設定値を所定量以上変化させた時点からの所定期間である変化期間と、それ以外の期間である安定期間とにおいて、前記関数に互いに異なるものを用いるようにしており、前記変化期間が前記流量測定値と前記流量設定値の偏差が一定範囲に収束した時点で終了するようにしていることを特徴とする。
このようなものによれば、安定期間と変化期間とで制御を切り替えているので、流量設定値が変化する変化期間では、その変化後の流量設定値に実流量を非常に速く追随させることができ、流量設定値がほとんど変化しない安定期間では、一次側の圧力(マスフローコントローラの上流側の圧力)の変動等の外乱が生じても、それに対する過敏な反応を抑えて実流量の安定化を図ることができる。
ここで変化期間は常に一定であってもよいし、制御安定性を向上させるために状況によって継続時間を変動させてもよい。その一例としては、前記変化期間を、流量測定値と流量設定値との偏差が一定の範囲内に収束した時点で終了するようにしたものが挙げられる。
また、各期間において用いられる関数は、変動しない一定のものであってもよいし、変動するものであってもよい。例えば、前記変化期間において用いられる関数を、時間経過とともに徐々に(ここでいう徐々にとは、段階的ないし連続的にという意味である)変化させて、制御係数(ゲイン値)を徐々に変えるように設定し、変化期間から安定期間に切り替わる際に前記関数がほぼ同じ内容になるようにすれば、制御係数が滑らかに変化するため、切り替わり時の制御係数の変動による不安定要素を払拭することができる。
変化期間における速応性と安定期間における安定性とを実現させる具体的な実施態様としては、前記変化期間には、代入される流量設定値が小さくなれば大きな値が算出される関数を用い、前記安定期間には、代入される流量設定値が小さくなれば小さな値が算出される関数を用いることが好ましい。
一方、マスフローコントローラから外部での利用に供するべく出力される流量表示値について言えば、従来は、一次側圧力変動に過敏に反応する流量制御バルブの制御との相互干渉によって、実際に下流側(又は上流側)で測定される流量と異なった値を示す場合がある。
これを、上述した流量制御バルブにおける弁開度制御アルゴリズムの改良と対応させて改良し、流量表示値を安定させて実際の流量値に近づけるには、前記流量測定値に所定の演算を施して流量表示値として出力する流量出力部を設け、その流量出力部が、変化期間と安定期間とにおいて、それぞれ異なる演算を流量測定値に施すように構成しておけばよい。
より具体的には、安定期間においては、前記流量測定値を時間的に鈍らせて出力し、変化期間においては、前記流量測定値をそのまま出力するようにすれば特に好ましい。
このように本発明によれば、安定期間と変化期間とで制御を切り替えているので、流量設定値の変化に対する追随速度を犠牲にすることなく、圧力変動等の外乱が生じても流量変動を抑制でき、クロストークが生じ得るようなシステムにも採用できるマスフローコントローラを提供することが可能になる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態のマスフローコントローラ100は、図1に模式図を示すように、内部流路1と、その内部流路1内を流れる流体Fの流量を測定する流量センサ部2と、その流量センサ部2の例えば下流側に設けた流量制御バルブ3と、制御部4とを備えているもので、例えば図2に示すように、半導体プロセスにおけるチャンバへのガス供給システムに用いられる。
各部を説明すると、内部流路1は、上流端を導入ポートP1、下流端を導出ポートP2としてそれぞれ開口するもので、例えば、導入ポートP1には、外部配管を介してボンベ等の流体供給源Bが接続され、導出ポートP2には、外部配管を介して、半導体製造のためのチャンバ(図示しない)が接続されている。なお、この実施形態では、同図に示すように、1つの流体供給源Bから配管を複数分岐させ、各配管にそれぞれマスフローコントローラ100を設けるようにしている。また、圧力レギュレータPRは、流体供給源Bの出口にのみ設けてあり、各配管それぞれには、マスフローコントローラ100用の圧力レギュレータは設けられていない。なお符号FVは空圧弁である
流量センサ部2は、詳細は図示しないが、例えば、流路1に設けられた一対の感熱センサ(サーマルセンサ)を備えたものであって、流体Fの瞬時流量がこの感熱センサによって電気信号として検出され、内部電気回路によってその電気信号が増幅等されて、検出流量に応じた値を有する流量測定信号として出力されるようにしたものである。
流量制御バルブ3は、やはり詳細は図示しないが、例えば、その弁開度をピエゾ素子よりなるアクチュエータによって変化させ得るように構成したものであって、外部からの電気信号である開度制御信号を与えられることによって前記アクチュエータを駆動し、その開度制御信号の値に応じた弁開度に調整して流体Fの流量を制御するものである。
制御部4は、CPUやメモリ、A/D変換器、D/A変換器等を有したデジタル乃至アナログ電気回路で構成されたもので、専用のものであってもよいし、一部又は全部にパソコン等の汎用コンピュータを利用するようにしたものであってもよい。また、CPUを用いず、アナログ回路のみで前記各部としての機能を果たすように構成してもよいし、物理的に一体である必要はなく、有線乃至無線によって互いに接続された複数の機器からなるものであってもよい。
そして前記メモリに所定のプログラムを格納し、そのプログラムにしたがってCPUやその周辺機器を協働動作させることによって、この制御部4が、図3に示すように、信号受信部5、算出部6、開度制御信号出力部7及び流量出力部8としての機能を少なくとも発揮するように構成している。
信号受信部5は、流量センサ部2から送信されてくる流量測定信号、別コンピュータ等から入力される流量設定信号等を受信し、それらの値を例えばメモリ内の所定領域に格納するものである。
算出部6は、前記流量測定信号の示す流量測定値を取得するとともに、その流量測定値と目標値、すなわち前記流量設定信号が示す流量設定値との偏差を算出する偏差算出部61と、その偏差に少なくとも比例演算を施して流量制御バルブ3へのフィードバック制御値を算出する制御値算出部62と、を備えたものである。
開度制御信号出力部7は、前記フィードバック制御値に基づく値を有する開度制御信号を生成し、その開度制御信号を流量制御バルブ3に出力するものである。
流量出力部8は、前記流量測定値に所定の演算を施して流量表示値を算出し、その流量表示値を値として有する流量表示信号(アナログ又はデジタル信号)を、外部での利用が可能なように出力するものである。
しかして、この実施形態では、制御値算出部62が、比例演算における偏差に乗算されるゲイン値として、前記流量設定値を所定の関数に代入して得られる値を用いるとともに、その関数を、前記流量設定値が所定量以上変化した時点からの一定期間である変化期間(例えば2秒程度)と、それ以外の期間である安定期間とにおいて、互いに異ならせるようにしている。
変化期間で用いられる関数(以下、区別するときは、第1の関数ともいう)は、代入される流量設定値が小さくなれば大きな値が算出されるものであり、ここでは例えば以下の式(1)で表される。
(S)=(100+K)/(K+S)・・・(1)
ここでSは流量設定値(フルスケールに対する%値)、Kは調整係数である。
安定期間で用いられる関数(以下、区別するときは、第2の関数ともいう)は、代入される流量設定値が小さくなれば小さな値が算出されるものであり、ここでは例えば以下の式(2)で表される。
(S)=S・K+D・・・(2)
ここで、Kは調整係数、Dはオフセット定数である。
また、さらにこの実施形態では、前記流量出力部8が、変化期間と安定期間とにおいて、それぞれ異なる演算を流量測定値に施して流量表示値を求め、流量表示信号として外部に出力するようにしている。具体的には、安定期間においては、前記流量測定値を時間的に鈍らせて流量表示値を求めて出力し、変化期間においては、前記流量測定値をそのまま出力するようにしている
時間的に鈍らせるには以下の式(3)を用いている。
OUT=(OUT−OUT_OLD)・Z+OUT_OLD・・・(3)
ここで、左辺のOUTは、新たに算出された最新の流量表示値、右辺のOUTはサンプリングされた最新の流量測定値、OUT_OLDは前回算出された流量表示値である。
次に上記構成のマスフローコントローラ100の作動について制御部4を中心に図4のフローチャートを参照して説明する。
信号受信部5は、流路センサ部2から常時出力されている流量測定信号と、専用の入力手段や他のコンピュータから出力されている流量設定信号とを受信し、一定間隔でサンプリングしている(ステップS1)。
そこで、もし流量設定値が所定量以上変化した場合には、その時点から一定期間(約2秒間)は変化期間と判断して、ステップS2に進み、それ以外の期間は安定期間と判断してステップS6に進む。
変化期間と判断した場合は、偏差算出部61が、信号受信部5で受信された流量測定信号の値(流量測定値)と前記流量設定信号の値である流量設定値との差、すなわち偏差εを算出する(ステップS2)。
そして制御値算出部62が、その偏差にPID演算を施して流量制御バルブ3へのフィードバック制御値を算出する。このとき、比例演算における偏差εに乗算されるゲイン値として、前記流量設定値を前記第1の関数に代入して得られる値を用いる(ステップS3)。
次に、開度制御信号出力部7が、そのフィードバック制御値に基づいて開度制御信号を生成し、その開度制御信号を流量制御バルブ3に出力し、その弁開度を変えて流量調整を行う(ステップS4)。
また、流量出力部8が、前記流量測定値をそのまま流量表示値とし、外部に出力する(ステップS5)。
一方、安定期間と判断した場合は、ステップ2同様、偏差算出部61が、信号受信部5で受信された流量測定信号の値(流量測定値)と前記流量設定信号の値である流量設定値との差、すなわち偏差εを算出する(ステップS6)。
そして制御値算出部62が、その偏差εにPID演算を施して流量制御バルブ3へのフィードバック制御値を算出するが、このとき、比例演算における偏差εに乗算されるゲイン値として、前記流量設定値を前記第2の関数に代入して得られる値を用いる(ステップS7)。
このようにしてフィードバック制御値が算出されると、ステップS4同様、開度制御信号出力部7が、そのフィードバック制御値に基づいて開度制御信号を生成し、その開度制御信号を流量制御バルブ3に出力し、その弁開度を変えて流量調整を行う(ステップS8)。
また、流量出力部8が、前記流量測定値に式(3)に示される演算を施して流量表示値を求め、その値を有する流量表示信号を、外部に出力する(ステップS9)。
したがって、このようなマスフローコントローラ100によれば、安定期間と変化期間とで制御を切り替えているので、流量設定値が変化する変化期間では、その変化後の流量設定値に実流量を非常に速く追随させることができ、流量設定値がほとんど変化しない安定期間では、一次側の圧力(マスフローコントローラ100の上流側の圧力)の変動などの外乱が生じても、それに対する過敏反応を抑えて実流量の安定化を図ることができる。
また、外部に出力される流量表示信号の値(流量表示値)も、安定期間においては、前記流量測定値を時間的に鈍らせたものを用いるようにしているため、一次側圧力等の変化に過敏に反応することなく、その流量表示値を安定させて実際の流量値に近づけることができる。
この具体的な効果を図6に、また、この効果確認試験システムの概略を図5に示す。この図5で、PCはマスフローコントローラ100に与える圧力(一次圧)を変化させる圧力変化手段、符号Rはマスフローコントローラ100の下流に設けられて実際の流量を測定する流量計である。
図6では、比較として、第1の関数のみを用いて流量制御を行い、かつ流量測定値をそのまま流量表示値として出力する従来型のマスフローコントローラでの安定期間での制御結果を例に挙げている。
一次側の圧力が変動した場合、従来のものでは、別の流量計Rで測定した実流量値が、大きくふらつくのに対し、この実施形態によるマスフローコントローラ100では実流量がほぼ安定に保たれているのがわかる(図6(c)参照)。
また、流量表示値も、従来のものであれば、一次側圧力の変動時には、制御バルブの不安定な動きとの相互干渉によって、実流量値と全く正反対の傾向で増減し、間違った値を出力するのに対し、この実施形態によるマスフローコントローラ100では実流量値とほぼ同傾向の増減を示し、それと非常に近い値を出力していることがわかる(図6(b)参照)。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば変化期間は常に一定でなくともよく、変化期間の終了を、タイマー以外の何らかトリガによって行っても良い。その一例としては、前記変化期間を、流量測定値と流量設定値との偏差が一定の範囲内に収束した時点で終了するようにしたものが挙げられる。
また各期間において用いられる関数は、前記実施形態のように、変動しない一定のものであってもよいし、変動するものであっても良い。
例えば、前記変化期間において用いられる関数(第1の関数)が、時間経過とともに、徐々に(段階的ないし連続的に)変化するように構成したものが考えられる。この場合、変化期間から安定期間に切り替わる際の、第1の関数の値と第2の関数の値とがほぼ同じとなるようにする、すなわち切り替わり時の制御係数(ゲイン値)がほぼ同じとなるように構成すれば、切り替わり時の制御係数の変動による制御不安定要素を払拭することができる。
また、制御バルブを流量センサ部2の上流側に設けてもよいし、流量センサ部2は、前記サーマルセンサに限られるものではなく、差圧式センサなど他の流量測定方式のものであってもよい。
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明によって、流量設定値の変化に対する追随速度を犠牲にすることなく、圧力変動等の外乱が生じても流量変動を抑制でき、クロストークが生じ得るようなシステムにも採用できるマスフローコントローラを提供することが可能になる。
本発明の一実施形態に係るマスフローコントローラの全体模式図。 同実施形態に係るマスフローコントローラを用いた流量制御システムの構成例。 同実施形態における制御部の機能ブロック図。 同実施形態における制御フローチャート。 同実施形態に係るマスフローコントローラの効果確認試験システムを示す全体模式図 前記効果確認試験の結果を示すグラフ。
符号の説明
100・・・マスフローコントローラ
1・・・流路(内部流路)
2・・・流量センサ部
3・・・流量制御バルブ
6・・・算出部
7・・・開度制御信号出力部
8・・・流量出力部

Claims (6)

  1. 流路内を流れる流体の流量を測定し、その測定値を示す流量測定信号を出力する流量センサ部と、その流量センサ部の上流側または下流側に設けた流量制御バルブと、前記流量測定信号の示す流量測定値と目標値である流量設定値との偏差に少なくとも比例演算を施して流量制御バルブへのフィードバック制御値を算出する算出部と、前記フィードバック制御値に基づいて開度制御信号を生成し、流量制御バルブに出力する開度制御信号出力部と、を備えたものであって、
    前記比例演算における偏差に乗算するゲイン値として、前記流量設定値を所定の関数に代入して得られる値を用いるとともに、前記流量設定値を所定量以上変化させた時点からの所定期間である変化期間と、それ以外の期間である安定期間とにおいて、前記関数に互いに異なるものを用いるようにしており、
    前記変化期間に用いられる関数が、代入される流量設定値が小さくなれば大きな値が算出されるものであり、前記安定期間に用いられる関数が、代入される流量設定値が小さくなれば小さな値が算出されるものであることを特徴とするマスフローコントローラ。
  2. 流路内を流れる流体の流量を測定し、その測定値を示す流量測定信号を出力する流量センサ部と、その流量センサ部の上流側または下流側に設けた流量制御バルブと、前記流量測定信号の示す流量測定値と目標値である流量設定値との偏差に少なくとも比例演算を施して流量制御バルブへのフィードバック制御値を算出する算出部と、前記フィードバック制御値に基づいて開度制御信号を生成し、流量制御バルブに出力する開度制御信号出力部と、を備えたものであって、
    前記比例演算における偏差に乗算するゲイン値として、前記流量設定値を所定の関数に代入して得られる値を用いるとともに、前記流量設定値を所定量以上変化させた時点からの所定期間である変化期間と、それ以外の期間である安定期間とにおいて、前記関数に互いに異なるものを用いるようにしており、
    前記変化期間が前記流量測定値と前記流量設定値の偏差が一定範囲に収束した時点で終了するようにしていることを特徴とするマスフローコントローラ。
  3. 前記流量測定値に所定の演算を施して外部へ出力する流量出力部を更に備え、その流量出力部が、変化期間と安定期間とにおいて、それぞれ異なる演算を流量測定値に施すようにしている請求項1又は2記載のマスフローコントローラ。
  4. 前記流量出力部が、安定期間においては、前記流量測定値を時間的に鈍らせて出力し、変化期間においては、前記流量測定値をそのまま出力するものである請求項3記載のマスフローコントローラ。
  5. 前記変化期間を、常に一定に設定している請求項1、2、3又は4記載のマスフローコントローラ。
  6. 前記変化期間において用いられる関数が、時間経過とともに徐々に変化するように設定している請求項1、2、3、4又は記載のマスフローコントローラ。
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