JP4451202B2 - 電解処理槽及びその電極板の洗浄方法 - Google Patents
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Description
これらの電解処理槽は、いずれも、槽内に設置した攪拌機又は攪拌ポンプにより、電極板間の洗浄を行っている。
また、水の電気分解により酸素や水素ガスが発生するが、汚泥の混在する溶液では清水に比べて粘度が大きいことから、発生したガスが安定化した壊れにくい気泡となって浮上し、頑強なスカムとして反応容器の水面に蓄積したり、汚泥塊として電極間に蓄積するという問題がある。
水素は引火性、爆発性があるため、大量に蓄積すると非常に危険であり、さらに、スカムが電解槽の水面に滞留すると、被処理汚泥の流動性が悪化して電極板間の水面下に汚泥塊が蓄積し、汚泥微生物と生成した次亜塩素酸や次亜塩素酸イオンとの接触効率が低下し、電解効率、すなわち殺菌効果が悪化する。
また、特に濃縮汚泥等、1%を超える汚泥濃度では、汚泥の流動性が悪く、攪拌装置や攪拌ポンプによる電極板間への汚泥塊の除去効果は低減され、さらに電極板間への汚泥塊の蓄積速度も汚泥濃度に比例し増加するため、一層除去効果は低減する。
汚水Aは、生物反応槽4で汚泥によって生物処理され、汚泥と処理液との混合液Bとなって最終沈殿池5に流入し、固液分離がなされて、処理水Cが放流される。
一方、固液分離された汚泥の大部分は、通常、返送汚泥Dとして生物反応槽4に移送され、再び生物処理に供されるが、一部の汚泥は余剰汚泥Eとして、さらに濃縮を行った後、濃縮汚泥の形でバキューム排出したり、濃縮汚泥を脱水して脱水ケーキの状態で搬出している。
そのため、多量の汚泥を最終処分しなければならないが、本発明では、余剰汚泥を電解処理槽1に送り、ここで添加した塩化ナトリウムGと電気分解の作用により汚泥微生物を殺菌した後、処理汚泥Fとして生物反応槽4に返送し、活性汚泥の作用で殺菌した汚泥を液状化し、さらに生物分解させるようにしている。
このように、電解処理槽1にて余剰汚泥の微生物を殺菌し、処理汚泥Fとして生物反応槽4に返送することにより、汚水Aや返送汚泥Dは、生物反応槽4で水、炭酸ガス、熱などに分解し、汚泥の減容化を図ることができる。
電解処理槽1には、塩化ナトリウムGを添加した余剰汚泥Eが流入し、この電解処理槽1で電解装置2により殺菌処理された処理汚泥Fは生物反応槽4へ返送される。
電解装置2は、電極板固定台22に固定された複数の電極板21と、電源装置23に接続された電源ケーブル24よりなる。
電解処理槽1の底部には、電極板21を洗浄するための洗浄装置3が配設されている。
洗浄装置3は、散気孔から電極板21の間に粗大気泡を送気する洗浄配管33を槽底部に備えるとともに、該洗浄配管33に送気するブロア31と、該ブロア31と洗浄配管33を接続する送気管32とを備えている。
図2に、汚泥減量化処理に電解処理を用いた場合の方法を示す。
余剰汚泥Eに、塩化ナトリウムGを添加し、電解処理槽1に送泥する。塩化ナトリウムGの添加及び混合は、電解処理槽1内で行ってもよいが、電解処理槽1へ流入する前に添加するのが望ましい。
電解処理槽1に流入した余剰汚泥Eには、塩化ナトリウムGが溶解して塩素イオンが含まれるため、電解装置2の電極板21に通電することにより、次亜塩素酸が発生し、余剰汚泥Eを構成する微生物が殺菌される。
電極板21間で次亜塩素酸が発生するのに併せて、水の電気分解も進行し、酸素や水素ガスを主体とした微細な気泡が発生する。
そこで、本実施例では、電極板21間に蓄積した汚泥塊や夾雑物等を、洗浄装置3により電極板21から洗浄除去する。
電極板21の下方に配設した洗浄配管33の散気孔34から粗大気泡を発生させると、この粗大気泡が、電極板21間に蓄積した汚泥塊や夾雑物等を破砕しながら上昇する。
この破砕効果は、直接粗大気泡が通過する上昇流ゾーンaの電極板間でなされる。破砕され上昇した汚泥塊は、電極板21から完全に排出され、電極板21の間には残留しない。
移送された汚泥塊は、上昇流ゾーンaの上昇流れの生じている電極板21の下に引き寄せられ、この電極板21間を上昇する。この対流により、電極板21に蓄積された気泡を含んだ汚泥塊や夾雑物等は完全に除去される。
また、散気孔34から送気される空気量は、1つの散気孔当り、1リットル/分以上で粗大気泡が発生するが、2〜5リットル/分程度が好ましい。なお、この散気孔の形状や送気する空気量は、電極板21に蓄積された汚泥塊や夾雑物等を除去できれば、特に限定するものではない。
粗大気泡による電解処理槽1の対流は、粗大気泡により生じた上昇流が電極板21の上部で反転し下降流となることにより生じる。この反転する流れが電極板21の上部で阻害されないように、図3(a)〜(c)に示すように、電極板21と水面の間に水流を通す空隙6を設けることが望ましいが、この目的が達成される形状であれば、特に限定するものではない。
B 混合液
C 処理水
D 返送汚泥
E 余剰汚泥
F 処理汚泥
G 塩化ナトリウム
1 電解処理槽
2 電解装置
21 電極板
22 電極板固定台
23 電源装置
24 電源ケーブル
3 洗浄装置
31 ブロア
32 送気管
33 洗浄配管
34 散気孔
4 生物反応槽
5 最終沈殿池
6 空隙
a 上昇流ゾーン
b 下降流ゾーン
Claims (3)
- 有機性排水を生物処理した際に発生する余剰汚泥に対し、並列した複数の電極板による電解処理により汚泥微生物を殺菌又は可溶化処理する電解処理槽において、洗浄装置として、並列した電極板の間隔よりも大きい間隔で直径2mm以上の散気孔を有する洗浄配管を電極板の下方に該電極板の並列方向に配設して備えることにより、前記散気孔から該散気孔の直上に位置する任意の電極板間に気泡を送気するようにして、前記散気孔から気泡が送気される電極板間に隣接して気泡が送気されない電極板間を形成し、前記散気孔から気泡を送気した電極板間に上昇流を発生させるとともに、電極板と水面の間に設けた水流を通す空隙を介して、前記上昇流を電極板の上方で反転させ、前記散気孔からの気泡が送気されていない隣接する電極板間に流入させて該電極板間に下降流を発生させ、該下降流を電極板の下方で反転させ、上昇流を生じている電極板間に流入させようにしたことを特徴とする電解処理槽。
- 洗浄装置が1つの散気孔から1リットル/分以上の空気を排出するものであることを特徴とする請求項1記載の電解処理槽。
- 有機性排水を生物処理した際に発生する余剰汚泥に対し、並列した複数の電極板による電解処理により汚泥微生物を殺菌又は可溶化処理する電解処理槽に設置した電極板を洗浄するに際し、任意の電極板間の下方に備えた洗浄配管の直径2mm以上の散気孔から気泡を送気して該電極板間に上昇流を発生させるとともに、該上昇流を電極板の上方で反転させ、隣接する電極板間に流入させて該電極板間に下降流を発生させ、該下降流を電極板の下方で反転させ、上昇流を生じている電極板間に流入させることを特徴とする電解処理槽の電極板の洗浄方法。
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