JP4451007B2 - 浚渫方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、河川や港湾などを浚渫する浚渫方法に係り、特に水中の汚濁水の拡散を防止しながら浚渫を可能にする浚渫方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、閉鎖性の高い内湾域においては、湾域の人口増加、産業活動の活性化に伴って大量の汚泥が堆積するため、大型船舶の航行に支障を来たさないように湾内を浚渫する必要がある。また、浚渫した汚泥は、陸上に運搬し産業廃棄物として処分しているものの、この処分場は環境上の規制から、その数と面積が減少する傾向にあり、処分に困窮しているのが現状である。
【0003】
ところで、従来の浚渫方法としては、例えば特開平10−121448号公報に開示されたものがある。この浚渫方法は、ケーソンを複数隣接させ、あるケーソン内の表土を掘削除去して、この表土の下の土砂を採取した後、他のケーソン内の表土を掘削してこの表土で前記あるケーソン内を埋め戻し、他のケーソン内の土砂を採取することにより、不要な表土の処理に手間を取ることのないようにしている。
【0004】
また、他の従来の浚渫方法としては、特開平7−229162号公報に開示されたものがある。この浚渫方法は、浚渫域を遮水性の汚濁防止枠で囲み、この汚濁防止枠内の汚濁水をポンプで汲み上げて濾過し、それを汚濁防止枠外に放水すると共に、この汚濁防止枠外の非汚濁水を汚濁防止枠内に導入しながら浚渫域の水底を掘削浚渫するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の従来例にあっては、仮設構造物である複数のケーソンが必要であるため、浚渫区域が航路に当たる場合には、通行船舶の航行に支障を来たすという課題がある。また、この従来例では、ケーソンの内板と刃先との間の土砂を掘削することができないため、掘削後の土砂表面に段差が生じて表面が不均一になる。そのため、土砂の上面より増深する場合には、浚渫区域を重ね合わせながら掘削する必要があり、作業効率の低下を招くと共に、ケーソンの安定性を欠き、掘削作業が困難になるという課題もある。
【0006】
他方、後者の従来例にあっては、掘削した土砂を陸上にて分級および洗浄するため、これらの作業による騒音および振動問題が発生すると共に、洗浄作業に用いた洗浄水の排水によって水質汚濁が発生しやすくなるという課題がある。また、この従来例では、コンクリートの骨材などに再利用することのできない土砂は、建設副産物として産業廃棄物処理せざるを得ず、処分地および処分費が増大するという課題もある。
【0007】
そこで、本発明は上記事情を考慮してなされたもので、通行船舶の航行に支障を来たすことなく、増深する場合の作業効率を向上させる浚渫方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明の他の目的とするところは、分級作業および洗浄作業による騒音および振動を低減することが可能となり、水質汚濁が発生しにくい浚渫方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、浚渫区域の平面四角形の上部開口部には四角枠状のフロートが固定される一方、その下端にはウェイトが固定されている汚濁防止幕と、該汚濁防止幕を固定した浚渫船とを使用し、前記汚濁防止幕内の底質を掘削除去した後、前記底質の下層の土砂を採取し、該土砂を採取した前記浚渫区域を、前記底質にて埋め戻す浚渫方法であって、前記浚渫区域を複数連設したある浚渫区域を一方の汚濁防止幕で囲み、該汚濁防止幕内の底質を掘削除去し、前記浚渫区域を他方の汚濁防止幕で囲み、該汚濁防止幕内に前記底質で埋め戻す一連の工程を前記浚渫船を移動しながら順次繰り返して浚渫を行うと共に、前記浚渫船には、前記汚濁防止幕内から掘削した前記底質を収容可能な泥倉と該泥倉の底部に開閉可能な底扉が設けられた台船が固定され、該台船の周囲には水中の汚濁拡散を防止するための汚濁防止幕が吊り下げられており、前記底扉を開くことにより前記泥倉に収容した前記底質を前記浚渫区域に排出可能としたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成に加えて、前記一方の汚濁防止幕内の底質を掘削除去した後、該底質の下層の粘土および砂礫を順に採取し、前記他方の汚濁防止幕内に前記底質および前記粘土の順で埋め戻すようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1の構成に加えて、前記浚渫船には浚渫土砂処理台船が固定されており、該浚渫土砂処理台船上で前記汚濁防止幕内から掘削した土砂を分級および洗浄し、この分級および洗浄した土砂を陸上に運搬することを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3の構成に加えて、前記浚渫土砂処理台船上で土砂を洗浄した排水を前記汚濁防止幕内に放出することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
[発明の実施の形態1]
図1〜図7は、本発明の実施の形態1を示す。
【0016】
まず、構成について説明すると、図1〜図6に示すように浚渫船1の前方には、浚渫区域A,B,Cが順に連設される一方、浚渫船1の上部前方にはグラブ2が搭載され、このグラブ2は浚渫区域A,B,Cを掘削するためのグラブバケット3を水平および上下に移動可能に制御する。
【0017】
また、浚渫船1には、浚渫区域A,B,Cのいずれか(図1〜図4では浚渫区域A)を囲み水中の汚濁拡散を防止するための遮水性の汚濁防止幕4が固定され、この汚濁防止幕4は、浚渫区域A,B,Cに設置した際に平面四角形の筒状を成し、その上部開口縁には四角枠状のフロート5が固定される一方、下端にはウエイト6が固定されている。
【0018】
さらに、浚渫船1の側面には台船7が固定され、この台船7には掘削した底質を収容可能な泥倉8が上面に開口して設けられ、この泥倉8の底部には底扉9が開閉可能に取り付けられ、この底扉9を開くことにより泥倉8に収容した底質を浚渫区域A,B,Cに排出可能となる。そして、台船7は、ワイヤー10を介して曳船11に固定されている。したがって、台船7は曳船11の移動によりX−Y方向に移動可能となると共に、台船7の移動に伴い浚渫船1も移動可能となる。
【0019】
一方、掘削した土砂を処理する場合、浚渫船1には、図7に示すように浚渫土砂処理台船15が並設され、この浚渫土砂処理台船15には、浚渫船1のグラブバケット3で掘削した浚渫区域A,B,Cの砂礫および土砂を積み込むための土砂ホッパ16と、この土砂ホッパ16に積み込まれた砂礫および土砂を搬送するレシプロフィーダ17と、このレシプロフィーダ17で搬送された砂礫および土砂の分級および洗浄を加水しながら行うトロンメル18とが搭載されている。
【0020】
このトロンメル18には、給水パイプ19の一端が接続され、この給水パイプ19の他端が浚渫土砂処理台船15の外部まで延びて揚水ポンプ20に接続されている。
【0021】
また、浚渫区域A,B,Cの砂礫および土砂は、トロンメル18により分級および洗浄されて生コンクリート用の骨材となり、この骨材はベルトコンベア21により台船8に積み込まれる一方、他の骨材はベルトコンベア22により骨材研磨機24、振動篩25およびサイクロン26に供給され、これら骨材研磨機24、振動篩25およびサイクロン26にてさらに分級および洗浄されてベルトコンベア23により台船8に積み込まれる。
【0022】
さらに、サイクロン26の下方には、砂礫および土砂の洗浄などの余水を集める余水集合槽28が設置され、この余水集合槽28内には、排水ポンプ29が設置され、この排水ポンプ29には排水パイプ30の一端が接続され、この排水パイプ30の他端における浚渫土砂処理台船15の端部近傍には、波浪による損傷を防止するためにクッションパイプ31が介挿されると共に、この他端先端が汚濁防止幕4のフロート5内まで延びている。
【0023】
なお、上記各機器の駆動源には、発電機32から電力が供給され、制御盤および配線系統は図示を省略している。
【0024】
次に、本実施の形態の浚渫方法を説明する。
【0025】
本実施の形態の浚渫方法は、「底質掘削工程」、「砂礫および土砂掘削工程」、「底質埋め戻し工程」からなり、まず、上記「底質掘削工程」について説明する。
【0026】
図1および図2に示すように、浚渫船1の前面の浚渫区域Aを汚濁防止幕4で囲み、この汚濁防止幕4を浚渫船1に固定する。そして、汚濁防止幕4を水中にて自立させ、この汚濁防止幕4により水中掘削で発生する汚濁の拡散を防止する。
【0027】
次いで、グラブバケット3により浚渫区域Aの既設底質面F1から既設土砂面F2までの底質(有機シルトなど)40を掘削し、この掘削した底質40を浚渫船1の側面に固定した台船7の泥倉8に積み込む。
【0028】
ここで、掘削した底質40を泥倉8に均等に積み込むには、曳船11をX−Y方向に移動させることで、台船7をX−Y方向に移動させることにより行う。
【0029】
さらに、浚渫区域Aの底質40を所定の深さ(本実施の形態では、既設土砂面F2)まで掘削する。
【0030】
次いで、浚渫船1をX方向に移動し、上記と同様に浚渫区域Bの既設底質面F1から既設土砂面F2までの底質40を掘削し、この掘削した底質40を浚渫船1の側面に固定した台船7の泥倉8に積み込む。以下、浚渫区域をBからCに移動し、浚渫する地域を前記と同様の方法により掘削する。
【0031】
なお、最初に掘削した底質40は陸上に輸送し、従来と同様の方法により処理するか、海上の台船に仮置きし、埋め戻しに利用する。
【0032】
以後の掘削した底質40は、後述する「埋め戻し工程」により床付面F3に埋め戻し、表土を置き換える。
【0033】
次に、「砂礫および土砂掘削工程」について説明する。
【0034】
図3および図4に示すように、底質40を掘削した浚渫区域Aに浚渫船1を配置した後、既設土砂面F2から床付面F3までの砂礫および土砂41をグラブバケット3により掘削し、浚渫船1の側面に固定した浚渫土砂処理台船15の土砂ホッパ16に掘削した砂礫および土砂41を積み込む。
【0035】
次いで、浚渫土砂処理台船15上において砂礫および土砂41を分級・洗浄し、処理した骨材を積み込み、ベルトコンベア23により台船7の泥倉8に積み込む。なお、浚渫区域Aの砂礫および土砂41を所定の深さ(本実施の形態では、床付面F3)まで掘削する。
【0036】
さらに、浚渫船1をX方向の浚渫区域Bまで移動させ、上記と同様に浚渫区域Bの既設土砂面F2から床付面F3までの砂礫および土砂41をグラブバケット3により掘削し、浚渫船1の側面に固定した浚渫土砂処理台船15の土砂ホッパ16に掘削した砂礫および土砂41を積み込み、この砂礫および土砂41を分級・洗浄し、処理した骨材を積み込み、ベルトコンベア23により台船7の泥倉8に積み込む。
【0037】
以下、浚渫船1を浚渫区域Cまで移動させ、浚渫する区域を上記と同様の方法により掘削する。なお、分級・洗浄した砂礫および土砂41は、浚渫土砂処理台船15により陸上に運搬し、生コンクリートの骨材などの有価物としてリサイクルする一方、骨材として適さない玉石などは養浜材として再利用する。
【0038】
さらに、「底質埋め戻し工程」について説明する。
【0039】
床付面F3までの掘削完了後、図5および図6に示すように浚渫区域Aに上記底質掘削工程により掘削した底質40を積載した台船7を曳船11により設置する。
【0040】
次いで、台船7の周囲には、水中の汚濁拡散を防止するために汚濁防止幕4aを吊り下げる。この汚濁防止幕4aの下端には、ウエイト6aが固定される。
【0041】
さらに、台船7の底扉9を開放し、台船7に積載していた底質40を床付面F3に順次埋め戻しを行い、底質40を底質埋め戻し面F4まで浚渫に必要な増深Hを確保しながら表土を置き換える。
【0042】
以後、台船7をX方向に移動しながら上記工程を繰り返し、底質40の浚渫および置き換えを行う。なお、このようにして底質40を浚渫および置き換えた底質埋め戻し面F4の仕上げが不陸(不均一)した場合には、図示しない長尺の鋼材を仕上面に下ろし、曳船11により上記鋼材を曳くことにより、不陸の均しを行う。
【0043】
このように本実施の形態によれば、掘削に伴う水中の汚濁防止を台船7に固定した汚濁防止幕4で行うため、汚濁防止幕4の設置および移動が短時間で行え、ケーソンのような仮設構造物が不要となり、船舶の航行に支障を来たすことがないと共に、隣接するケーソンの刃先の部分の掘削に苦慮することなく、土砂の表面より深い位置まで簡単に増深することができる。
【0044】
また、底質40の汚泥を掘削した砂礫および土砂41と置き換えて増深するため、汚泥の産業廃棄物の発生を大幅に削減することができる。そして、その置き換えを浚渫区域内で行うので、汚泥の移動距離が短く、陸上まで運搬および輸送を行ったときの汚泥の漏れが少なく、水質の汚濁を減少させることができる。
【0045】
さらに、浚渫区域A,B,Cを連続して浚渫することができるので、作業効率を向上させることができる。
【0046】
さらにまた、採取された砂礫および土砂41は、浚渫区域A,B,Cにおいて分級および洗浄されることにより、分級作業および洗浄作業による騒音および振動を低減させることができる。
【0047】
また、砂礫および土砂41を洗浄した排水は、汚濁防止幕4内に放出されることにより、洗浄による排水の水質汚濁の発生を防止することができる。そして、分級および洗浄後の骨材は、生コンクリートへの骨材や養浜材に利用することができるので、産業廃棄物を削減することができる。
【0048】
[発明の実施の形態2]
図8および図9は、本発明の実施の形態2を示す。
【0049】
なお、構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0050】
本実施の形態では、浚渫地盤が底質40である有機質シルト、粘土42および砂礫43などの互層地盤である場合について説明する。
【0051】
本実施の形態の浚渫方法を説明する。
【0052】
本実施の形態の浚渫方法は、前記実施の形態1と同様に「底質掘削工程」、「砂礫および土砂掘削工程」、「底質埋め戻し工程」からなり、まず、前記実施の形態1における「底質掘削工程」と同様に底質40を掘削する。
【0053】
その後、底質40の下層の互層地盤の粘土42および砂礫43を掘削し、前記実施の形態1における「砂礫および土砂掘削工程」と同様に掘削した互層地盤を浚渫土砂処理台船15において分級および洗浄する。ここで、骨材などは、前記実施の形態1と同様にリサイクルおよび再利用する一方、リサイクルすることのできない粘土42は台船7に積載する。
【0054】
次いで、前記実施の形態1における「底質埋め戻し工程」にて底質40の浚渫および置き換えを底質埋め戻し面F4まで埋め戻した浚渫区域Aに、粘土42を積載した台船7を曳船11により配置する。
【0055】
さらに、台船7の周囲には、水中の汚濁拡散を防止するために汚濁防止幕4aを吊り下げる。この汚濁防止幕4aの下端には、ウエイト6aが固定される。
【0056】
次に、台船7の底扉9を開放し、台船7に積載していた粘土42を底質埋め戻し面F4から覆土浚渫面F5まで順次埋め戻しを行い、底質40を粘土42で覆土し浚渫に必要な増深Hを確保する。
【0057】
以後、台船7をX方向に移動しながら前記工程を繰り返し、粘土42で覆土し浚渫を行う。なお、覆土した覆土浚渫面F5の仕上げが不均一の場合には、図示しない長尺の鋼材を仕上面に下ろし、曳船11により上記鋼材を曳くことにより、不陸の均しを行う。
【0058】
このように本実施の形態によれば、再利用できない粘土42を浚渫区域A,B,Cに埋め戻すようにしたので、廃棄物処分の費用および処分地を削減することができる。また、底質40を粘土42で覆土することにより、底質40の汚泥が拡散することがなくなり、水質汚濁の発生を防止することができる。
【0059】
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能である。例えば、上記各実施の形態では、グラブにより浚渫する例について説明したが、これに限らずポンプによる浚渫または台船7上にバックフォーなどの陸上機械を搭載した場合でも同様に施工可能である。
【0060】
また、実施の形態2では、底質40を粘土42で覆土するようにしたが、これ以外に砂礫43で覆土するようにしてもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、浚渫区域を複数連設したある浚渫区域を一方の汚濁防止幕で囲み、該汚濁防止幕内の底質を掘削除去し、浚渫区域を他方の汚濁防止幕で囲み、該汚濁防止幕内に底質で埋め戻す一連の工程を浚渫船を移動しながら順次繰り返して浚渫を行うと共に、浚渫船には、汚濁防止幕内から掘削した底質を収容可能な泥倉と該泥倉の底部に開閉可能な底扉が設けられた台船が固定され、該台船の周囲には水中の汚濁拡散を防止するための汚濁防止幕が吊り下げられており、底扉を開くことにより泥倉に収容した底質を浚渫区域に排出可能としたので、汚濁防止幕の設置および移動が短時間で行え、ケーソンのような仮設構造物が不要となり、船舶の航行に支障を来たすことがないと共に、浚渫区域を重ね合わせながら掘削する必要がなく、隣接するケーソンの刃先の部分の掘削に苦慮することなく、土砂の表面より深い位置まで簡単に増深することができる。また、底質を埋め戻すことにより、廃棄物処分の費用および処分地を削減することができる。また、掘削した底質によって効率的な埋め戻しが行える。
【0062】
請求項2に記載の発明によれば、一方の汚濁防止幕内の底質を掘削除去した後、該底質の下層の粘土および砂礫を順に採取し、他方の汚濁防止幕内に底質および粘土の順で埋め戻すようにしたので、廃棄物処分の費用および処分地を削減することができると共に、底質の下層から掘削した粘土で埋め戻した底質を覆土することになるから、底質の汚泥が拡散することがなくなり、水質汚濁の発生を防止することができる。
【0063】
請求項3に記載の発明によれば、浚渫船には浚渫土砂処理台船が固定されており、該浚渫土砂処理台船上で汚濁防止幕内から掘削した土砂を分級および洗浄し、この分級および洗浄した土砂を陸上に運搬するようにしたので、汚泥の移動距離が短く、陸上まで運搬および輸送を行ったときの汚泥の漏れが少なく、水質の汚濁を減少させることができる。
また、採取された砂礫および土砂は、浚渫区域において分級および洗浄されることにより、分級作業および洗浄作業による騒音および振動を低減させることができる。
【0064】
請求項4に記載の発明によれば、浚渫土砂処理台船上で土砂を洗浄した排水を汚濁防止幕内に放出することにより、洗浄による排水の水質汚濁の発生を防止することができる。そして、分級および洗浄後の骨材は、生コンクリートへの骨材や養浜材に利用することができるので、産業廃棄物を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における底質掘削工程を示す側面構成図である。
【図2】図1の平面構成図である。
【図3】本発明の実施の形態1における砂礫および土砂掘削工程を示す側面構成図である。
【図4】図3の平面構成図である。
【図5】本発明の実施の形態1における底質埋め戻し工程を示す側面構成図である。
【図6】図5の平面構成図である。
【図7】本発明の実施の形態1における浚渫土砂処理台船を示す平面構成図である。
【図8】本発明の実施の形態2における粘土覆土工程を示す側面構成図である。
【図9】図8のA−A線断面を示す構成図である。
【符号の説明】
1 浚渫船
2 グラブ
3 グラブバケット
4 汚濁防止幕(一方の汚濁防止幕)
4a 汚濁防止幕(他方の汚濁防止幕)
5 フロート
6 ウエイト
7 台船
8 泥倉
9 底扉
10 ワイヤー
11 曳船
15 浚渫土砂処理台船
40 底質
41 砂礫および土砂
42 粘土
43 砂礫
A,B,C 浚渫区域
F1 既設底質面
F2 既設土砂面
F3 床付面
F4 底質埋め戻し面
H 増深

Claims (4)

  1. 浚渫区域の平面四角形の上部開口部には四角枠状のフロートが固定される一方、その下端にはウェイトが固定されている汚濁防止幕と、該汚濁防止幕を固定した浚渫船とを使用し、前記汚濁防止幕内の底質を掘削除去した後、前記底質の下層の土砂を採取し、該土砂を採取した前記浚渫区域を、前記底質にて埋め戻す浚渫方法であって、前記浚渫区域を複数連設したある浚渫区域を一方の汚濁防止幕で囲み、該汚濁防止幕内の底質を掘削除去し、前記浚渫区域を他方の汚濁防止幕で囲み、該汚濁防止幕内に前記底質で埋め戻す一連の工程を前記浚渫船を移動しながら順次繰り返して浚渫を行うと共に、前記浚渫船には、前記汚濁防止幕内から掘削した前記底質を収容可能な泥倉と該泥倉の底部に開閉可能な底扉が設けられた台船が固定され、該台船の周囲には水中の汚濁拡散を防止するための汚濁防止幕が吊り下げられており、前記底扉を開くことにより前記泥倉に収容した前記底質を前記浚渫区域に排出可能としたことを特徴とする浚渫方法。
  2. 前記一方の汚濁防止幕内の底質を掘削除去した後、該底質の下層の粘土および砂礫を順に採取し、前記他方の汚濁防止幕内に前記底質および前記粘土の順で埋め戻すようにしたことを特徴とする請求項1に記載の浚渫方法。
  3. 前記浚渫船には浚渫土砂処理台船が固定されており、該浚渫土砂処理台船上で前記汚濁防止幕内から掘削した土砂を分級および洗浄し、この分級および洗浄した土砂を陸上に運搬することを特徴とする請求項1に記載の浚渫方法。
  4. 前記浚渫土砂処理台船上で土砂を洗浄した排水を前記汚濁防止幕内に放出することを特徴とする請求項3に記載の浚渫方法。
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