JP4450384B2 - 腐食状態測定装置及びトロリ線の腐食状態測定装置 - Google Patents

腐食状態測定装置及びトロリ線の腐食状態測定装置 Download PDF

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Description

この発明は、測定対象物の腐食状態を測定する腐食状態測定装置、及びトロリ線の腐食状態を測定するトロリ線の腐食状態測定装置に関する。
従来の抵抗測定装置(従来技術1)は、閉回路の抵抗値を測定するテスターと、高電圧を発生して絶縁抵抗値を測定するメガオームメータ(絶縁抵抗計)と、テスター側の接続端子とメガオームメータ側の接続端子とを切り替える切替スイッチなどを備えている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術1では、抵抗値の測定と絶縁抵抗値の測定とを切替スイッチの操作によって実行することによって、テスターの測定棒とメガオームメータの測定棒とを測定者が配線にそれぞれ接触させて、この配線の通電状態を測定するような煩雑な作業を軽減させている。
また、従来の抵抗測定装置(従来技術2)は、絶縁物を介在させて導電物に巻き回された導電線の両端に電気的に接続される端子とこの導電物との間の絶縁抵抗を測定する第1の測定手段と、この導電線の抵抗を測定する第2の測定手段と、第1及び第2の測定手段の測定結果が規格値内であるか否かを判定する判定手段とを備えている(例えば、特許文献2参照)。この従来技術2では、絶縁抵抗測定時に端子に高電圧を加えてこの端子の絶縁被膜を破壊した後に抵抗値を測定し、絶縁抵抗値の測定と抵抗値の測定とを一つの工程で実施している。
特開平10-170571号公報
特開平9-171040号公報
トロリ線やき電線などには電線が使用されており、電線には銅やアルミニウムなどの金属材料が使用されている。これらの金属材料は、経年により腐食が進行し、腐食が進行すると強度が低下するとともに、導電性が低下して電気抵抗が増加する。特に、電線の表面には腐食による酸化物や化合物などが生成されるためこのような腐食生成物によって絶縁体被膜が形成される。例えば、測定対象物が銅の場合には、腐食が進行すると緑青が発生するため視覚により容易に腐食状態を確認することができるが、測定対象物がアルミニウムの場合には腐食が進行しても僅かに黒ずんだ程度であり、腐食状態を判別することができない。このため、従来、電線などの測定対象物の腐食状態を測定する場合には、この測定対象物に2本のプローブを取り付けて、絶縁抵抗計のような高圧用の抵抗器によって高電圧を加えて抵抗値を測定し、電流が流れる場合には測定対象物の状態が良好であると判断していた。しかし、このような絶縁抵抗計では、測定対象物に500〜1000Vの高電圧をかけて抵抗値を測定するため、この測定対象物の表面に僅かに腐食生成物により絶縁体皮膜が形成されていても、この絶縁体皮膜を破って電流が流れてしまうおそれがある。このため、実際には測定対象物の表面が腐食しているにもかかわらず、腐食していないものと誤った判断がされてしまう問題点があった。
従来技術1では、メガオームメータとテスターとを組み合わせて、切替スイッチの操作によって絶縁抵抗値の測定と抵抗値の測定とを切り替えるだけである。このため、測定対象物の腐食状態を測定するような場合には、絶縁抵抗値と抵抗値とを測定者が知識と経験によって判定して、電線などの腐食状態を評価する必要があり、判定が困難であり判定結果にばらつきが生じやすい問題点があった。また、従来技術2では、絶縁抵抗値と抵抗値とが規格範囲内であるか否かを判定手段によって判断するだけである。このため、測定対象物に電流がどれだけ流れるか否かを判断するだけであり、測定対象物の腐食状態を測定することができず、腐食がどの程度進行しているかを細かく判定することができない問題点があった。
この発明の課題は、腐食状態を精度よく測定することができる腐食状態測定装置及びトロリ線の腐食状態測定装置を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、測定対象物(W)の腐食状態を測定する腐食状態測定装置であって、前記測定対象物の抵抗を低電圧で測定する第1の抵抗測定部(8)と、前記測定対象物の抵抗を高電圧で測定する第2の抵抗測定部(9)と、前記第1及び前記第2の抵抗測定部の測定結果に基づいて、前記測定対象物の腐食状態を判定する腐食状態判定部(10)とを備え前記第2の抵抗測定部は、前記第1の抵抗測定部が前記測定対象物の抵抗を低電圧で測定した後に、この測定対象物の抵抗を高電圧で測定すること特徴とするトロリ線の腐食状態測定装置(1)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の腐食状態測定装置において、前記腐食状態判定部は、前記第1及び前記第2の抵抗測定部の測定結果に基づいて、前記測定対象物の腐食の程度を判定することを特徴とする腐食状態測定装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項に記載の腐食状態測定装置において、前記測定対象物に低電圧及び高電圧を加えるためにこの測定対象物と接触する接触子(2,3)を備え、前記接触子は、着脱自在に交換可能な棒状接触子又は針状接触子であることを特徴とする腐食状態測定装置である。
請求項4の発明は、トロリ線(L1)の腐食状態を測定するトロリ線の腐食状態測定装置であって、前記トロリ線と接触移動してこのトロリ線に低電圧を加える第1の接触子(18A,18B)と、前記トロリ線と接触移動してこのトロリ線に高電圧を加える第2の接触子(19A,19B)と、前記トロリ線の抵抗を低電圧で測定する第1の抵抗測定部(8)と、前記トロリ線の抵抗を高電圧で測定する第2の抵抗測定部(9)と、前記第1及び前記第2の抵抗測定部の測定結果に基づいて、前記トロリ線の腐食状態を判定する腐食状態判定部(10)とを備え前記第2の抵抗測定部は、前記第1の抵抗測定部が前記測定対象物の抵抗を低電圧で測定した後に、この測定対象物の抵抗を高電圧で測定すること特徴とするトロリ線の腐食状態測定装置(17)である。
請求項5の発明は、請求項に記載のトロリ線の腐食状態測定装置において、前記腐食状態判定部は、前記第1及び前記第2の抵抗測定部の測定結果に基づいて、前記トロリ線の腐食の程度を判定することを特徴とするトロリ線の腐食状態測定装置である。
この発明によると、腐食の程度を精度よく測定することができる。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に腐食状態測定装置の構成図である。図2は、この発明の第1実施形態に係る腐食状態測定装置の接触子を接触させた状態を模式的に示す断面図であり、図2(A)は棒状接触子を接触させた状態を示し、図2(B)は針状接触子を接触させた状態を示す。
図1に示す測定対象物Wは、導電性の被測定物である。測定対象物Wは、例えば、集電装置(パンタグラフ)のすり板がしゅう動して電気車に負荷電流を供給するためのトロリ線や、き電用変電所からトロリ線に電流を供給するためのき電線などの電線である。測定対象物Wの表面W1には、例えば、図2に示すように、金属材料が腐食反応することによって生成される腐食生成物Cによる絶縁体皮膜が形成されている。
図1に示す腐食状態測定装置1は、測定対象物Wの腐食状態を測定する装置である。腐食状態測定装置1は、測定対象物Wが腐食したときにこの測定対象物Wの電気抵抗を測定してこの測定対象物Wの腐食状態を測定する。腐食状態測定装置1は、図1に示すように、接触子2,3と、コネクタ部4,5と、電線6,7と、抵抗測定部8,9と、腐食状態判定部10と、記録部11と、動作選択部12と、入力部13と、表示部14と、印刷部15と、制御部16などを備えている。
接触子2,3は、測定対象物Wに低電圧及び高電圧を加えるためにこの測定対象物Wと接触する探深針(プローブ)であり、着脱自在に交換可能な棒状接触子又は針状接触子である。接触子2,3は、図1及び図2に示すように、所定の間隔をあけて測定対象物Wに接触させて2点間に電圧をかけて電流を流す。接触子2,3には、例えば、図2(A)に示すように、測定対象物Wと接触する先端部が半球状に形成された棒状接触子と、図2(B)に示すように測定対象物Wと接触する先端部が先鋭に形成された針状接触子との2種類が存在する。接触子2,3は、棒状接触子と針状接触子との間で交換可能なように外径が同一に形成されている。
図1及び図2に示すコネクタ部4は、接触子2を着脱自在に装着する部分であり、コネクタ部5は接触子3を着脱自在に装着する部分である。コネクタ部4,5は、図2に示すように、棒状接触子の後端部と針状接触子の後端部とを着脱自在に挿入して装着する凹状の装着部4a,5aを備えている。コネクタ部4,5には、それぞれ電線6,7が接続されている。
電線6,7は、測定対象物Wに電流を流すための部材である。電線6は、一方の端部がコネクタ部4に接続されており、他方の端部が分岐してそれぞれ抵抗測定部8,9に接続されている。電線7は、一方の端部がコネクタ部5に接続されており、他方の端部が分岐してそれぞれ抵抗測定部8,9に接続されている。
抵抗測定部8は、測定対象物Wの抵抗を低電圧で測定する装置である。抵抗測定部8は、例えば、測定対象物Wに接触する接触子2と接触子3との間に加圧電圧が1.5〜3V程度の低電圧をかけて、測定対象物Wの電気抵抗値を測定するテスターのような低圧抵抗測定器である。抵抗測定部8は、制御部16からの測定動作開始指令に基づいて測定対象物Wに低電圧を加え、この測定対象物Wの抵抗値を低電圧抵抗値情報として制御部16に出力する。
抵抗測定部9は、測定対象物Wの抵抗を高電圧で測定する装置である。抵抗測定部9は、例えば、測定対象物Wに接触する接触子2と接触子3との間に加圧電圧が500〜1000V程度の高電圧をかけて、測定対象物Wの電気抵抗値を測定するメガオームメーター(絶縁抵抗計)のような高圧抵抗測定器である。抵抗測定部9は、抵抗測定部8が測定対象物Wの抵抗を低電圧で測定した後に、この測定対象物Wの抵抗を高電圧で測定する。抵抗測定部9は、制御部16からの測定動作開始指令に基づいて測定対象物Wに高電圧を加え、この測定対象物Wの抵抗値を高電圧抵抗値情報として制御部16に出力する。
図3は、この発明の第1実施形態に係る腐食状態測定装置の腐食状態判定部の判定基準を一例として示す図である。
図1に示す腐食状態判定部10は、抵抗測定部8,9の測定結果に基づいて測定対象物Wの腐食状態を判定する。腐食状態判定部10は、例えば、抵抗測定部8,9の測定結果に基づいて測定対象物Wの腐食の程度を判定する。図3に示すように、腐食状態判定部10は、低電圧で加圧したときの抵抗値がほぼゼロであり高電圧で加圧したときの抵抗値もほぼゼロであるときには、測定対象物Wの通電状態が良好であり測定対象物Wが腐食しておらず、測定対象物Wが「良好(◎)」であると判定する。腐食状態判定部10は、低電圧で加圧したときに抵抗値がある範囲内で測定されたが、高電圧で加圧したときには抵抗値がほぼゼロであるときには、測定対象物Wに「僅かに腐食がある (△)」と判定する。腐食状態判定部10は、低電圧で加圧したときに抵抗値が無限大であると測定され、高電圧で加圧したときに抵抗値がほぼゼロであると測定されたときには、測定対象物Wの「腐食がやや大きい(×)」と判定する。腐食状態判定部10は、低電圧で加圧したときに抵抗値がある範囲内で測定されたり抵抗値が無限大であると測定されたりした場合であって、高電圧で加圧したときに抵抗値がある範囲内で測定されたときには、測定対象物Wの「腐食が大きい(××)」と判定する。腐食状態判定部10は、低電圧で加圧したときに抵抗値が無限大であると測定され、高電圧で加圧したときにも抵抗値が無限大であると測定されたときには、測定対象物Wの「腐食が極めて大きい(×××)」と判定する。腐食状態判定部10は、これらの判定結果を腐食状態判定情報として制御部16に出力する。
記録部11は、抵抗測定部8,9の測定結果を記録する装置である。記録部11は、抵抗測定部8,9が出力する低電圧抵抗値情報及び高電圧抵抗値情報を記録するとともに、腐食状態判定部10が出力する腐食状態判定情報を記録するメモリ(RAM)などである。
動作選択部12は、腐食状態測定装置1の種々の動作を選択する装置である。動作選択部12は、例えば、腐食状態測定装置1に腐食状態の測定動作を開始させたり、測定対象物Wの腐食状態の判定結果を表示させ印刷させたりするときに操作されるスイッチなどである。
入力部13は、種々の情報を入力するための装置である。入力部13は、例えば、測定対象物Wの種類、測定日時、測定箇所及び測定場所などを特定するための特定情報を測定者が入力するキーボードなどである。表示部14は、腐食状態判定部10の判定結果を表示する装置である。表示部14は、例えば、図3に示す判定結果を液晶画面などに表示する。印刷部15は、腐食状態判定部10の判定結果を印刷する装置である。
制御部16は、腐食状態測定装置1の種々の動作を制御する中央処理部(CPU)である。制御部16は、例えば、抵抗測定部8が測定対象物Wの抵抗を低電圧で測定した後に、抵抗測定部9がこの測定対象物Wの抵抗を高電圧で測定するようにこれらの抵抗測定部8,9の測定動作を切り替えたり、抵抗測定部8,9が出力する低電圧抵抗値情報及び高電圧抵抗値情報を記録部11に記録させたり、低電圧抵抗値情報及び高電圧抵抗値情報を記録部11から読み出して腐食状態判定部10に出力しこの腐食状態判定部10に測定対象物Wの腐食状態の判定をさせたり、入力部13から入力された情報を記録部11に記録させたり、腐食状態判定部10の判定結果を記録部11に記録させたり表示部14に表示させたり印刷部15に印刷させたりする。制御部16には、抵抗測定部8,9、腐食状態判定部10、記録部11、動作選択部12、入力部13、表示部14及び印刷部15が相互に情報を伝達可能なように接続されている。
次に、この発明の第1実施形態に係る腐食状態測定装置の動作を説明する。
図4は、この発明の第1実施形態に係る腐食状態測定装置の動作を説明するためのフローチャートである。
ステップ(以下、Sという)100において、測定対象物Wに接触子2,3が取り付けられる。図1及び図2に示すように、測定対象物Wに所定の間隔をあけて接触子2と接触子3とが取り付けられて測定対象物Wと接触子2,3とが接触する。このとき、図2(A)に示すように、測定対象物Wの表面W1が僅かに腐食しているときには、接触子2,3には棒状接触子が選択されてコネクタ部4,5に装着される。一方、図2(B)に示すように、測定対象物Wの表面W1の腐食が進行しているときには、接触子2,3には針状接触子が選択されてコネクタ部4,5に装着される。
S200において、測定対象物Wが低電圧で加圧される。図1に示す腐食状態測定装置1による腐食状態の測定動作の開始が動作選択部12によって選択されると、制御部16が抵抗測定部8に測定動作の開始を指令する。その結果、測定対象物Wと接触する接触子2と接触子3との間に抵抗測定部8が低電圧をかけてこれらの間の抵抗値を測定し、測定結果を低電圧抵抗値情報として制御部16に出力する。
S300において、低電圧抵抗値が記録される。抵抗測定値8から低電圧抵抗値情報が制御部16に出力されると、制御部16が記録部11にこの低電圧抵抗値情報を出力して記録部11に記録される。このとき、測定対象物Wを特定するための特定情報が入力部13によって入力されたときには、これらの特定情報を低電圧抵抗値情報とともに記録部11が記録する。
S400において、測定対象物Wが高電圧で加圧される。制御部16が抵抗測定部9に測定動作の開始を指令すると、測定対象物Wと接触する接触子2と接触子3との間に抵抗測定部9が高電圧をかけてこれらの間の抵抗値を測定し、測定結果を高電圧抵抗値情報として制御部16に出力する。
S500において、高電圧抵抗値が記録される。抵抗測定値9から高電圧抵抗値情報が制御部16に出力されると、制御部16が記録部11にこの高電圧抵抗値情報を出力して記録部11に記録される。
S600において、測定対象物Wの腐食状態を腐食状態判定部10が判定する。低電圧抵抗値情報及び高電圧抵抗値情報を記録部11から制御部16が読み出して腐食状態判定部10に出力するとともに、この腐食状態判定部10に腐食状態の判定を制御部16が指令する。その結果、図3に示す判定基準に従って腐食状態判定部10が測定対象物Wの腐食状態を判定して、この判定結果を腐食状態判定情報として制御部16に出力する。
S700において、測定対象物Wの腐食状態の判定結果を記録部11が記録する。動作選択部12によって判定結果の記録処理が選択されたときには、腐食状態判定部10が出力する腐食状態判定情報を制御部16が記録部11に出力し、設備障害の予知や作業計画の資料として活用するための評価結果として記録部11に記録させる。
S800において、測定対象物Wの腐食状態の判定結果を表示部14が表示する。動作選択部12によって判定結果の表示処理が選択されたときには、腐食状態判定部10が出力する腐食状態判定情報を制御部16が表示部14に出力し、測定結果及び評価結果などを画面上に表示させる。
S900において、測定対象物Wの腐食状態の判定結果を印刷部15が印刷する。動作選択部12によって判定結果の印刷処理が選択されたときには、腐食状態判定部10が出力する腐食状態判定情報を制御部16が印刷部15に出力し、測定結果及び評価結果などを印刷させる。
この発明の第1実施形態に係る腐食状態測定装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、測定対象物Wの抵抗を低電圧で測定する抵抗測定部8と、この測定対象物Wの抵抗を高電圧で測定する抵抗測定部9との測定結果に基づいて、この測定対象物Wの腐食状態を腐食状態判定部10が判定する。その結果、腐食状態を判定するための特別な知識や経験がなくても、測定対象物Wの腐食状態を精度よく一つの装置で簡単に測定することができる。また、低電圧による測定対象物Wの抵抗値の測定と高電圧による測定対象物Wの抵抗値の測定とを一連の処理動作で実行することができ、測定対象物Wの腐食状態を簡単な操作によって自動的に判定することができる。
(2) この第1実施形態では、抵抗測定部8,9の測定結果に基づいて測定対象物Wの腐食の程度を腐食状態判定部10が判定する。このため、例えば、測定対象物Wがトロリ線である場合には、トロリ線の腐食のレベルがどの程度であるか自動的に判定することができる。その結果、例えば、図3に示す判定結果が「良好(◎)」又は「僅かに腐食(△)」である場合には、現状のトロリ線によって使用を継続可能であると容易に判断することができる。一方、図3に示す判定結果が「腐食がやや大きい(×)」などである場合には、現状のトロリ線では使用の継続が困難であると容易に判断することができる。特に、図3に示す判定結果が「腐食が極めて大きい(×××)」である場合には、直ちにトロリ線の使用を中止して補修を行って事故の発生を未然に防止することができる。
(3) この第1実施形態では、抵抗測定部8が測定対象物Wの抵抗を低電圧で測定した後に、この測定対象物Wの抵抗を高電圧で抵抗測定部9が測定する。例えば、測定対象物Wの表面W1に比較的薄い腐食生成物Cによる絶縁体被膜が形成されている場合には、この測定対象物Wに最初に高電圧をかけるとこの絶縁体被膜が破られてしまうおそれがある。この場合には、測定対象物Wの腐食が進行しているにもかかわらずこの測定対象物Wに高電圧をかけると電流が流れて、腐食状態判定部10によって誤った判定がされてしまうおそれがある。この第1実施形態では、高電圧に先立って低電圧を測定対象物Wにかけるためこのような絶縁体被膜が破られるのを防ぎ、測定対象物Wの腐食状態を精度よく測定することができる。
(4) この第1実施形態では、測定対象物Wに低電圧及び高電圧を加えるためにこの測定対象物Wと接触する接触子2,3を棒状接触子と針状接触子とに着脱自在に交換可能である。このため、測定対象物Wの表面W1に比較的厚い腐食生成物Cが形成されている場合には、棒状接触子を針状接触子に交換することによってこの測定対象物Wの腐食の深さなどを精度よく測定することができる。
(第2実施形態)
図5は、この発明の第2実施形態にトロリ線の腐食状態測定装置の構成図である。以下では、図1及び図2に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図5に示す架線Lは、線路上空に架設される架空電車線であり、所定の間隔をあけて支持点で支持されている。トロリ線L1は、集電装置のすり板が接触する電線であり、このすり板が接触移動することによって車両Tに負荷電流を供給する。車両Tは、モータカーや気動車などの鉄道車両であり、トロリ線L1の停電時にこのトロリ線L1の状態を走行しながら測定する電気検測車などである。車両Tは、例えば、トロリ線L1の集電性能や集電装置に及ぼす影響などを測定し記録する。
腐食状態測定装置17は、トロリ線L1の腐食状態を測定する装置である。腐食状態測定装置17は、図5に示すように、抵抗測定部8,9と、腐食状態判定部10と、記録部11と、動作選択部12と、入力部13と、表示部14と、印刷部15と、制御部16と、接触子18A,18B,19A,19Bと、電線20A,20B,21A,21Bと、絶縁体22A,22Bと、支持機構部23と、枠組24と、台枠25などを備えている。
接触子18A,18Bは、トロリ線L1と接触移動してこのトロリ線L1に低電圧を加える部材であり、接触子19A,19Bはトロリ線L1と接触移動してこのトロリ線L1に高電圧を加える部材である。接触子18A,18B,19A,19Bは、例えば、集電装置のすり板と同様にトロリ線L1と交差する方向に伸びた接触式のしゅう動板である。
電線20A,20B,21A,21Bは、トロリ線L1に電流を流すための部材であり、図5に示す絶縁体22A,22B、支持機構部23及び枠組24などに沿って配線され車両T内に引き込まれている。電線20Aは、接触子18Aと抵抗測定部8とを電気的に接続し、電線20Bは接触子18Bと抵抗測定部8とを電気的に接続する。電線21Aは、接触子19Aと抵抗測定部9とを電気的に接続し、電線21Bは接触子19Bと抵抗測定部9とを電気的に接続する。
絶縁体22Aは、接触子18Aと接触子18Bとを電気的に絶縁する部材であり、絶縁体22Bは接触子19Aと接触子19Bとを電気的に絶縁する部材である。絶縁体22Aは、接触子18Aと接触子18Bとがトロリ線L1の長さ方向に所定の間隔をあけて配置された状態で、これらの接触子18A,18Bを支持している。同様に、絶縁体22Bは、接触子19Aと接触子19Bとがトロリ線L1の長さ方向に所定の間隔をあけて配置された状態で、これらの接触子19A,19Bを支持している。絶縁体22A,22Bは、例えば、集電装置のすり板を支持する集電舟(舟体)と同様の形状を有する部材である。
支持機構部23は、絶縁体22A,22Bを架線Lに対して水平に押上げるとともに、図示しないばねによる緩衝作用を与える機構部であり、図示しない押上げ用ばねによって上方に押上げられている。枠組24は、絶縁体22A,22Bを支持した状態で上下方向に動作可能なリンク機構であり、台枠25は枠組24を支持して車両Tの屋根上に設置される部分である。
次に、この発明の第2実施形態に係るトロリ線の腐食状態測定装置の動作を説明する。
図5に示すように、接触子18A,18B,19A,19Bをトロリ線L1に接触させた状態で車両Tが矢印方向に走行しながら、このトロリ線L1の腐食状態を連続して測定する。このとき、接触子18Aと接触子18Bとの間に抵抗測定部8が低電圧をかけてトロリ線L1の抵抗を低電圧で測定した後に、接触子19Aと接触子19Bとの間に抵抗測定部9が高電圧をかけてトロリ線L1の抵抗を高電圧で測定する。その結果、抵抗測定部8,9の測定結果が連続して記録部11に記録され、この測定結果に基づいてトロリ線L1の腐食状態を腐食状態判定部10が判定する。その結果、図3に示す判定基準に基づいて腐食状態判定部10がトロリ線L1の腐食の程度を判定し、車両Tの現在位置(測定位置)を特定するための現在位置情報などとともに判定結果が記録部11に記録される。
この第2実施形態に係るトロリ線の腐食状態測定装置には、第1実施形態の効果に加えて、集電装置のすり板とトロリ線L1とが接触するしゅう動面の腐食状態を連続して広範囲に測定することができる。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
例えば、この実施形態では、測定対象物Wとしてトロリ線L1などを例に挙げて説明したが、他の種類の電線や端子などの導電性部材の腐食状態の測定についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、架空式電車線路のトロリ線L1を例に挙げて説明したが、第三軌条式(サードレール式)電車線路の導電性レールの腐食状態の測定についてもこの発明を適用することができる。
この発明の第1実施形態に腐食状態測定装置の構成図である。 この発明の第1実施形態に係る腐食状態測定装置の接触子を接触させた状態を模式的に示す断面図であり、(A)は棒状接触子を接触させた状態を示し、(B)は針状接触子を接触させた状態を示す。 この発明の第1実施形態に係る腐食状態測定装置の腐食状態判定部の判定基準を一例として示す図である。 この発明の第1実施形態に係る腐食状態測定装置の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の第2実施形態にトロリ線の腐食状態測定装置の構成図である。
符号の説明
1 腐食状態測定装置
2,3 接触子
4,5 コネクタ部
4a,5a 装着部
6,7 電線
8 抵抗測定部(第1の抵抗測定部)
9 抵抗測定部(第2の抵抗測定部)
10 腐食状態判定部
11 記録部
16 制御部
17 腐食状態測定装置
18A,18B 接触子(第1の接触子)
19A,19B 接触子(第2の接触子)
20A,20B,21A,21B 電線
22A,22B 絶縁体
W 測定対象物
1 表面
C 腐食生成物
L 架線
1 トロリ線
T 車両

Claims (5)

  1. 測定対象物の腐食状態を測定する腐食状態測定装置であって、
    前記測定対象物の抵抗を低電圧で測定する第1の抵抗測定部と、
    前記測定対象物の抵抗を高電圧で測定する第2の抵抗測定部と、
    前記第1及び前記第2の抵抗測定部の測定結果に基づいて、前記測定対象物の腐食状態を判定する腐食状態判定部とを備え
    前記第2の抵抗測定部は、前記第1の抵抗測定部が前記測定対象物の抵抗を低電圧で測定した後に、この測定対象物の抵抗を高電圧で測定すること、
    特徴とする腐食状態測定装置。
  2. 請求項1に記載の腐食状態測定装置において、
    前記腐食状態判定部は、前記第1及び前記第2の抵抗測定部の測定結果に基づいて、前記測定対象物の腐食の程度を判定すること、
    を特徴とする腐食状態測定装置。
  3. 請求項1又は請求項に記載の腐食状態測定装置において、
    前記測定対象物に低電圧及び高電圧を加えるためにこの測定対象物と接触する接触子を備え、
    前記接触子は、着脱自在に交換可能な棒状接触子又は針状接触子であること、
    を特徴とする腐食状態測定装置。
  4. トロリ線の腐食状態を測定するトロリ線の腐食状態測定装置であって、
    前記トロリ線と接触移動してこのトロリ線に低電圧を加える第1の接触子と、
    前記トロリ線と接触移動してこのトロリ線に高電圧を加える第2の接触子と、
    前記トロリ線の抵抗を低電圧で測定する第1の抵抗測定部と、
    前記トロリ線の抵抗を高電圧で測定する第2の抵抗測定部と、
    前記第1及び前記第2の抵抗測定部の測定結果に基づいて、前記トロリ線の腐食状態を判定する腐食状態判定部とを備え
    前記第2の抵抗測定部は、前記第1の抵抗測定部が前記測定対象物の抵抗を低電圧で測定した後に、この測定対象物の抵抗を高電圧で測定すること、
    特徴とするトロリ線の腐食状態測定装置。
  5. 請求項に記載のトロリ線の腐食状態測定装置において、
    前記腐食状態判定部は、前記第1及び前記第2の抵抗測定部の測定結果に基づいて、前記トロリ線の腐食の程度を判定すること、
    を特徴とするトロリ線の腐食状態測定装置。
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