JP4449926B2 - 接合基板及び接合方法 - Google Patents
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Description
一方、金属薄膜の表面の金属は、陽極接合するまで際に、界面のSiO2の酸素原子と結合するため、ガラス基板の製造工程で酸化されないように耐酸化性が高いことが好ましい。
H2+CO2→H2O+CO …(2)
2CO+O2→2CO2 …(3)
2H++2e-+1/2O2→H2O …(5)
低温ヒーター16は、起動時に低温反応部12を200℃未満、例えば約110〜190℃に加熱する。
溝21,31内には、化学反応式(1)、(2)の改質反応を促進させる改質触媒23,33が設けられている。また、溝22,32内には、化学反応式(3)のCO選択酸化反応を促進させるCO選択酸化触媒24,34が設けられている。
なお、高温ヒーター17は後述するように燃焼器15内に配置されることになるが、絶縁保護膜18により被覆されているので、オフガスに含まれる水素の影響を受けることはない。
発熱抵抗層17a,16aは、抵抗率が低くかつ温度係数が大きい材料、例えばAuからなり、高温ヒーター17、低温ヒーター16の導電性を向上させる。
密着層兼拡散防止層17b,16bは発熱抵抗層17a,16aとガラス基板30との間の密着性を向上させる密着性に優れた材料、例えば、W等からなる。なお、密着層兼拡散防止層17b,16bは、ガラス基板30に形成した、後述する陽極接合用の金属薄膜36の上に設けてもよい。
密着層兼拡散防止層17cは、発熱抵抗層17aと絶縁保護膜18との間の密着性を向上させる密着性に優れた材料、例えば、W等からなる。(なお、高温ヒーター17、低温ヒーター16は温度計としても利用することができる。)
溝41内には燃料を燃焼させる燃焼用触媒43が設けられている。この溝41内が中央ガラス基板30に蓋をされることで燃焼器15となる。
なお、低温反応部12側にも燃焼器を設けてもよい。
一方、金属薄膜35,36の表面の金属は、上部ガラス基板20、下部ガラス基板40と陽極接合する際に、界面のSiO2の酸素原子と結合するため、金属薄膜35,36は中央ガラス基板30の製造工程で酸化されないように耐酸化性が高いことが好ましい。
次に、SOGを焼成したSiO2層をパターニングし、絶縁保護膜18を形成する。その後、サンドブラストにより溝31,32を形成し、切断(ダイシング)することで中央ガラス基板30が製造される。
まず、上部ガラス基板20及び中央ガラス基板30を高温雰囲気に曝露することによりこれらを加熱する。そして金属薄膜35と上部ガラス基板20とを接触させた状態で、金属薄膜35側に陽極を接触させるとともに上部ガラス基板20の上面(中央ガラス基板30との接合面と反対側の面)に陰極を接触させ、金属薄膜35と上部ガラス基板20との間に高電圧を印加する。すると、金属薄膜35側の正電荷を帯びた金属元素と、上部ガラス基板20側のSiO2の負電荷を帯びた酸素原子とが共有結合する。以上により、上部ガラス基板20と中央ガラス基板30とが接合される。
なお、中央ガラス基板30と下部ガラス基板40との接合を先に行い、その後、中央ガラス基板30と上部ガラス基板20との接合を行ってもよい。
以下に示す組成のターゲットを用いてそれぞれ金属薄膜を形成した。
(1)(0)Ta単体
(2)Ta−Si系
(i)TaとSiとをモル比50:50のストライプ組成にしたもの(Si:50mol%)
(ii)TaとSiとをモル比70:30のストライプ組成にしたもの(Si:30mol%)
(iii)TaとSiとをモル比90:10のストライプ組成にしたもの(Si:10mol%)
(iv)TaとSiとをモル比95:5のストライプ組成にしたもの(Si:5mol%)
(v)TaにSiを3mol%混合したもの(Si:3mol%)
(vi)TaにSiを1mol%混合したもの(Si:1mol%)
(3)Ta−Ge系
(vii)TaにGeを3mol%混合したもの(Ge:3mol%)
(viii)TaにGeを1mol%混合したもの(Ge:1mol%)
(4)Ta−Al系
(ix)TaにAlを3mol%混合したもの(Al:3mol%)
(x)TaにAlを1mol%混合したもの(Al:1mol%)
例えば、(i)モル比50:50のストライプ組成は、円板状のターゲットの中心を通る線でターゲットを偶数個に分割し、Ta領域とSi領域とを交互に配置することで実現する。
同様に、(ii)モル比70:30のストライプ組成、(iii)モル比90:10のストライプ組成、(iv)モル比95:5のストライプ組成は、例えば円板状のターゲットの中心を通る線でターゲットを9°毎に分割し、それぞれ(ii)7個(63°)のTa領域と3個(27°)のSi領域とを交互に配置、(iii)9個(81°)のTa領域と1個(9°)のSi領域とを交互に配置、(iv)19個(171°)のTa領域と1個(9°)のSi領域とを交互に配置することで実現する。
また、混合とは、面積比率を調整するのではなく、固溶元素として、所望のモル比で混合したものをターゲットとして一様に配置することで実現する。
到達真空度を5×10-4Pa、スパッタリング圧力を0.7Paとし、15nm/minの成膜速度で200nmの金属薄膜を作成した。
X線回折により金属薄膜表面の結晶構造を解析した。
〔4〕耐酸化性の調査
金属薄膜を形成したガラス基板を400℃で30分加熱した後、ラザフォード後方散乱分析(RBS分析)により金属薄膜の組成・密度を分析し、酸素の侵入程度により耐酸化性を調査した。
〔5〕剥離の有無の調査
金属薄膜を形成したガラス基板に対し、サンドブラストにて溝を形成した後、ダイシングした。その後の金属薄膜のガラス基板からの剥離があるかどうかを観察した。
Ta単体をターゲットに用いて作成した金属薄膜のX線回折スペクトルを図4に、400℃に加熱後のRBS分析の結果を図5に示す。金属薄膜表面は多結晶であり、結晶系は正方晶(tetragonal)であった。バルクの結晶系が立方晶(cubic)であるのに対し、異なる結晶系となった。また、RBS分析により酸化の程度を調査したところ、酸素は73nm程度まで侵入していた(図5)。
正方晶(tetragonal)であることは、膜が準安定状態にあることを示し、立方晶(cubic)に比べて酸化しやすいと考えられる。
しかし、加熱後にサンドブラスト、ダイシングを施す過程で金属薄膜の剥離が生じた。また、目視でも表面の色に変化が認められた。
(i)〜(v)(Si:50〜3mol%)のターゲットを用いて作成した金属薄膜の結晶構造は、アモルファスと判断された。その例として、(ii)(Si:30mol%)のターゲットを用いて作成した金属薄膜のX線回折スペクトルを図6に示す。また、RBS分析により金属薄膜の組成を分析すると(v)(Si:3mol%)のターゲットを用いて作成した金属薄膜の組成はSiが2.4mol%になっていることが確認された。
(vii)(Ge:3mol%)のターゲットを用いて作成した金属薄膜の結晶構造は、アモルファスと判断された。
一方、(viii)(Ge:1mol%)のターゲットを用いて作成した金属薄膜の結晶構造は、微結晶構造になっていると判断された。その金属薄膜のX線回折スペクトルを図9に示す。ピークに対して(110)と(211)のミラー指数が指数付けされ、結晶系が立方晶(cubic)となっていることがわかる。また、RBS分析により金属薄膜の組成を分析すると、この金属薄膜の組成はGeが0.5mol%になっていることが確認された。
(4)Ta−Al系
(ix)(Al:3mol%)のターゲットを用いて作成した金属薄膜の結晶構造は、アモルファスと判断された。そのターゲットを用いて作成した金属薄膜のX線回折スペクトルを図10に示す。また、RBS分析により金属薄膜の組成を分析すると、この金属薄膜の組成はAlが1.3mol%になっていることが確認された。
一方、(x)(Al:1mol%)のターゲットを用いて作成した金属薄膜の結晶構造は、微結晶構造になっていると判断された。その金属薄膜のX線回折スペクトルを図11に示す。ピークに対して(110)と(211)のミラー指数が指数付けされ、結晶系が立方晶(cubic)となっていることがわかる。そして、微結晶の結晶子サイズは回折ピークの半値幅から計算され、120〜150Åになっていることがわかる。
したがって、Ta単体の金属薄膜と比較して耐酸化性が改善されていた。
(vi)(Si:1mol%)、(viii)(Ge:1mol%)、(x)(Al:1mol%)のいずれについても、結晶構造はともに微結晶であるにもかかわらず、金属薄膜の剥離が見られなかったのは(x)(Al:1mol%)のみであった。そこで、これらの金属薄膜の差の原因を探るために格子定数の計算をした。
結晶構造が微結晶であり、また、配向性もあることから、(211)の結晶格子面から格子定数の計算をした。
(vi)Ta−Si(Si:1mol%):3.39Å
(viii)Ta−Ge(Ge:1mol%):3.37Å
(x)Ta−Al(Al:1mol%):3.36Å
(x)Ta−Al(Al:1mol%)のターゲットを用いて陽極接合用の金属薄膜をガラス基板に作成し、その後SOGの塗布、焼成、サンドブラスト、ダイシングのプロセスを経て所望の性能を満たす反応装置を作成することができた。
20,30,40 ガラス基板
35,36 金属薄膜
Claims (4)
- 一方の面に金属薄膜が形成された第1のガラス基板と、
前記金属薄膜によって陽極接合された第2のガラス基板と、を備え、
前記金属薄膜は、主組成がTaであり、Alを1mol%以下含有してなるものであり、
前記金属薄膜の陽極接合によって酸化されていない部分は、前記金属薄膜の前記主組成の体心立方格子構造の微結晶を含み、前記微結晶の格子定数が前記主組成のバルクの格子定数より小さいことを特徴とする接合基板。 - 前記主組成のバルクの体心立方格子の格子定数は3.37Åであることを特徴とする請求項1に記載の接合基板。
- 前記接合基板はマイクロリアクタの一部を構成することを特徴とする請求項1又は2に記載の接合基板。
- 一方の面に金属薄膜が形成された第1のガラス基板と、第2のガラス基板とを互いに当接させ、前記第1のガラス基板と前記第2のガラス基板とを陽極接合する接合方法において、
前記金属薄膜を、Taを主組成としAlを1mol%以下含有するターゲットを用いてスパッタリングにより形成することを特徴とする接合方法。
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