JP4449104B2 - 糖衣固形組成物 - Google Patents
糖衣固形組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4449104B2 JP4449104B2 JP19609899A JP19609899A JP4449104B2 JP 4449104 B2 JP4449104 B2 JP 4449104B2 JP 19609899 A JP19609899 A JP 19609899A JP 19609899 A JP19609899 A JP 19609899A JP 4449104 B2 JP4449104 B2 JP 4449104B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sugar
- pullulan
- weight
- coated
- hpmc
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は糖衣錠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
糖衣錠は、外観の美しさ、飲み易さ、酸素や水分の透過性が少ないなどの理由で現在でもビタミン主薬製剤を中心として幅広く用いられている剤形である。
【0003】
糖衣錠は、素錠の表面を被覆する保護膜層、エッジ部を被覆するための中掛け層、美観を与えるための上掛け層の3層から構成されるのが一般的である。この中で中掛け層は主に内核錠のエッジを埋め丸みを持たせることから糖衣層全体の40〜80重量%を占めるのが一般的である。
【0004】
糖衣錠に求められる性質として、均一な皮膜形成が可能なこと、形状が美しく滑らかであること、物理的衝撃に対する十分な強度を有すること、経時的な物性変化を起こさないこと、服用後に速やかに崩壊することなどがあげられる。
【0005】
従来、その様な性質を得るため中掛け層に種々の成分を配合する技術が開示されている。
【0006】
公知技術である、糖衣液にポリビニルピロリドンを配合する技術は、ショ糖水溶液に対する溶解度は高く展延性には優れるものの乾燥速度が速いため糖衣錠の表面がでこぼこになる欠点を有している。
【0007】
特開昭62−5910号では結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を配合する技術が開示されているが、吸湿性およびショ糖水溶液に対する溶解性が低いため、経時的な物性変化は小さいものの糖衣液の展延性に乏しく均一な被膜を施すには難があり、また形状も良くなかった。
【0008】
特開昭59−219220号では結合剤としてプルランを配合する技術が開示されているが、プルランは糖衣液の展延力に優れているが添加量を増やすと粘度が高くなり均一な糖衣層の形成が困難となるため、その添加量を制限せざるをえず、十分な効果が得られていなかった。
【0009】
特開昭62−178525号では、ポリビニルピロリドンとプルランを同時配合する技術が開示されているが、重量ばらつきが小さく、かつ、形状の美しい糖衣錠を得ることはできなかった。
【0010】
特開昭63−126821号では、プルランとゼラチンを同時配合する技術が開示されているが、経時的に崩壊時間が延長してしまうという欠点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、糖衣錠に要求される性質の全てを満足するものは得られていなかった。
【0012】
本発明の目的は均一な皮膜形成がなされ、形状が美しく滑らかであり、物理的衝撃に対する十分な強度を有し、経時的な物性変化を起こさず、かつ、服用後に速やかに崩壊する糖衣錠を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々検討を行った結果、中掛け層にプルランとHPMCを特定の割合で同時に糖衣液に添加することで目的が達成された糖衣錠を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
【0014】
すなわち本発明は、中掛け層を有する糖衣錠において、中掛け層の成分としてショ糖、プルランおよびHPMCを配合し、中掛け層中のHPMC1重量部に対するプルランの配合量が1〜3重量部であることを特徴とする糖衣錠である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明においてプルランはマルトトリオースがα−1,6結合した水溶性の多糖類であり本発明ではプルランエステル、プルランエーテルも使用することができる。プルランの分子量は1万〜500万のものが使用でき、20万程度の物が好ましい。
【0016】
HPMCはフィルムコーティング基剤や造粒用の結合剤として主に使用されおり、日本薬局方ではブドウ糖残基の置換率によってHPMC2208、HPMC2906、HPMC2910に分類されている。本発明で使用するHPMCはショ糖水溶液への溶解性の点からHPMC2208が最も好ましい。また、分子量は操作性の面から20℃、2.0%水溶液のB型回転粘度計で測定した粘度が5mpa・s程度のグレードのものが好ましい。
【0017】
本発明でHPMC1重量部に対するプルランの配合量は1〜3重量部である必要があり、特にHPMCの配合量はプルラン配合量の60重量%以下が好ましい。
【0018】
HPMCの配合量がプルランより多くなると重量ばらつきが大きくなる傾向があるためである。
【0019】
本発明に用いる糖衣液のショ糖、プルラン、HPMCの濃度はショ糖水溶液50〜90重量%、プルランはショ糖に対して0.4〜3重量%が好ましい。
【0020】
本発明の糖衣液は通常使用されるコーティング機を使って、常法により糖衣液の注加および展延、乾燥を繰り返して糖衣層を形成させる。その後、必要が有ればシロップ層(上掛け層)による仕上げ、ワックスによる艶出しを行って糖衣錠とすることができる。
【0021】
本発明では、糖衣液に通常使用される添加成分、例えばタルク、沈降炭酸カルシウム、燐酸水素カルシウム、燐酸カルシウム、硫酸カルシウムなどの増量剤、ポリエチレングリコ−ル、プルロニックなどの界面活性剤、カルメロ−スカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロ−スなどの崩壊剤、軽質無水ケイ酸、ノイシリンなどの分散剤、色素、酸化チタンなどの着色剤などを添加することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明により均一な皮膜形成がなされ、形状が美しく滑らかであり、物理的衝撃に対する十分な強度を有し、経時的な物性変化を起こさず、かつ、服用後に速やかに崩壊する糖衣錠を得ることが可能になった。
【0023】
本発明によって製造される糖衣錠は、糖衣層が均一で、かつ、平滑な特徴を有する。それにより少ない量でエッジ部を被覆することができるため、コスト削減や品質改善が可能となり、また、中掛けが平滑であることから上掛けに要するコーティング量を減らすことも可能になった。
【0024】
【実施例】
以下、実施例を上げて本発明を具体的に説明する。
【0025】
参考例
表1に示した処方を直打して得た錠剤(1錠235mg、9mm糖衣面)に保護膜としてHPMC(TC−5R)をスプレーコーティングし、フィルム錠とした。
【0026】
【表1】
【0027】
実施例
参考例で得た錠剤14000錠を通気式コーティング装置(パウレック社製:DRC−500)に仕込み、表2に示した組成の糖衣液を用いて給気温度70℃、給気風量1.5m3/min、液添加量92g/回の条件で1錠345mgになるまで添加、展延、乾燥を繰り返して糖衣コーティングを行い糖衣錠剤を得た。
【0028】
得られた錠剤について形状の評価と重量偏差試験を行った。糖衣錠の形状は5名の専門パネラーで5段階評価(5:非常に平滑である、4:平滑である、3:ふつう、2:表面がでこぼこしている、1:表面が非常にでこぼこしている)した。また、50錠について重量偏差試験を行い変動係数(CV%)を求めた。結果を表2に示した。
【0029】
【表2】
【0030】
試験結果から明らかなように本発明の糖衣錠はいずれも重量偏差が小さく均一な被膜形成ができており、形状の評価点も高く平滑な糖衣錠が製造できた。
【0031】
一方、比較例に示した糖衣錠の場合、形状と重量偏差の両方に優れているものはなかった。
Claims (4)
- 中掛け層を有する糖衣錠において、中掛け層の成分としてショ糖、プルランおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを配合し、中掛け層中のヒドロキシプロピルメチルセルロース1重量部に対するプルランの配合量が1〜3重量部であることを特徴とする糖衣錠。
- ヒドロキシプロピルメチルセルロースがHPMC2208である請求項1記載の糖衣錠。
- プルランの配合量がショ糖の0.5〜3重量%の範囲であることを特徴とする請求項1記載の糖衣錠。
- ショ糖、プルランおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有することを特徴とする糖衣液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19609899A JP4449104B2 (ja) | 1999-07-09 | 1999-07-09 | 糖衣固形組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19609899A JP4449104B2 (ja) | 1999-07-09 | 1999-07-09 | 糖衣固形組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001026534A JP2001026534A (ja) | 2001-01-30 |
JP4449104B2 true JP4449104B2 (ja) | 2010-04-14 |
Family
ID=16352196
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19609899A Expired - Fee Related JP4449104B2 (ja) | 1999-07-09 | 1999-07-09 | 糖衣固形組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4449104B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4856323B2 (ja) * | 2001-06-15 | 2012-01-18 | エスエス製薬株式会社 | 安定な腸溶性糖衣錠の製造法 |
JP5442267B2 (ja) * | 2009-01-27 | 2014-03-12 | 信越化学工業株式会社 | 糖衣液及び糖衣液を用いた糖衣錠のコーティング方法 |
-
1999
- 1999-07-09 JP JP19609899A patent/JP4449104B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001026534A (ja) | 2001-01-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6183808B1 (en) | Film coatings and film coating compositions based on dextrin | |
JP5627854B2 (ja) | 胃の逆流抵抗性投薬形態 | |
CA2272237C (en) | Film coatings and film coating compositions based on dextrin | |
TW200845972A (en) | Pharmaceutical composition | |
WO1998030341A9 (en) | Film coatings and film coating compositions based on dextrin | |
JP2003514778A (ja) | 食用mcc/pga被覆組成物 | |
JP2008513584A (ja) | 被覆組成物 | |
JP4449104B2 (ja) | 糖衣固形組成物 | |
JP5132677B2 (ja) | 錠剤の製造方法 | |
JPS625910A (ja) | 薄層糖衣錠の製造方法 | |
JPS60116630A (ja) | 口腔内製剤 | |
JP2014221847A (ja) | 糖衣製剤およびその製造方法 | |
JPH115736A (ja) | イブプロフェン含有錠剤 | |
JP2002534373A (ja) | ヒドロキシプロピルセルロースとアニオンポリマーを含有する組成物、および医薬フィルムコーティングとしてのその使用 | |
JP3883505B2 (ja) | 経口粒製剤 | |
JPH05507937A (ja) | ゼラチンコーティング薬剤を製造する方法 | |
CN116270515B (zh) | 一种提高贝前列素钠片产品质量的制备方法 | |
JP2000086503A (ja) | 錠剤医薬組成物 | |
JP5608626B2 (ja) | フィルムコーティング組成物及び経口固形製剤 | |
JP2001192344A (ja) | フィルムコーティング剤及び経口固形製剤 | |
JP5442267B2 (ja) | 糖衣液及び糖衣液を用いた糖衣錠のコーティング方法 | |
JP2024520160A (ja) | 感湿性の医薬組成物のための保護コーティング | |
RU2609198C1 (ru) | Твердая лекарственная форма имипрамина немедленного высвобождения и способ ее получения | |
JP2000169365A (ja) | 糖衣錠 | |
JPH01135716A (ja) | ショ糖糖衣層およびその形成法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060705 |
|
RD07 | Notification of extinguishment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7427 Effective date: 20090605 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090924 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091006 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100105 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100118 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4449104 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130205 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130205 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130205 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140205 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |