JP4448298B2 - スパイラルインダクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は種々の電子回路ユニットや電子回路モジュール等に使用して好適なスパイラルインダクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスパイラルインダクタの図面を説明すると、図2は従来のスパイラルインダクタの平面図である。
【0003】
次に、従来のスパイラルインダクタの構成を図2に基づいて説明すると、平板状の絶縁基板51の一面側には、互いに隣り合う間の間隔53が保持された角形状の渦巻き状をなし、導電パターンによって形成された導体52が設けられている。
【0004】
この導体52は、全体が一定の幅(同じ幅)で形成されると共に、渦巻き状の外側から内側の全体における間隔53は、同じ寸法を有した状態で、導体52が配置されている。
【0005】
また、絶縁基板51の他面側には、配線パターン54が設けられて、配線パターン54の一端には、渦巻き状の内端に位置する導体52がスルーホール(接続導体)によって接続されている。
このような構成によって、従来のスパイラルインダクタが形成されている。(例えば、特許文献1参照)
【0006】
このような構成を有する従来のスパイラルインダクタは、導体52が絶縁基板51上の一定の面積内に、一定の幅で形成され、Q(Qualityfactor)を高めるために、間隔53を狭くすることが知られている。
しかし、間隔53を狭くすると、隣り合う導体52間に発生する容量が増加し、自己共振周波数が著しく低下して、高周波インダクタとして使用できない場合がある。
【0007】
このため、間隔53を若干広めた状態で導体52が形成されるが、渦巻き状全体における間隔53が広いため、隣り合う導体52間の結合が粗になってインダクタンスが減少し、Q(Qualityfactor)が低下する。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−125860号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスパイラルインダクタは、一定の幅を有する導体52が同じ間隔53で渦巻き状に形成されているため、隣り合う導体52間の容量と結合との関係で、Qを高めようとすると、自己共振周波数が低下し、自己共振周波数を高めようとすると、Qが低下するという問題がある。。
【0010】
そこで、本発明は自己共振周波数の低下を極力抑えて、Qを高くできるスパイラルインダクタを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の解決手段として、平板状の絶縁基板と、この絶縁基板の少なくとも一面側に導電パターンで形成され、互いに隣り合う間に間隔を保持して渦巻き状に配置された一定幅を有した導体とを備え、前記渦巻き状の内側の前記間隔は、前記渦巻き状の外側の前記間隔よりも狭く形成され、前記間隔は、前記渦巻き状の外側から内側に向かうに従って、前記渦巻き状の巻き数毎に狭くした構成とした。
【0012】
また、第2の解決手段として、前記渦巻き状が角形状をなした構成とした。
また、第3の解決手段として、前記渦巻き状が円形状をなした構成とした。
【0013】
た、第の解決手段として、平板状の絶縁基板と、この絶縁基板の少なくとも一面側に導電パターンで形成され、互いに隣り合う間に間隔を保持して渦巻き状に配置された一定幅を有した導体とを備え、前記渦巻き状の内側の前記間隔は、前記渦巻き状の外側の前記間隔よりも狭く形成され、前記渦巻き状が角形状をなし、前記導体は、直線部と曲がり部が交互に配置されて形成され、前記渦巻き状の外側から内側に向かうに従って、前記曲がり部毎の前記直線部における前記間隔を狭くした構成とした。
【0014】
また、第5の解決手段として、平板状の絶縁基板と、この絶縁基板の少なくとも一面側に導電パターンで形成され、互いに隣り合う間に間隔を保持して渦巻き状に配置された一定幅を有した導体とを備え、前記渦巻き状の内側の前記間隔は、前記渦巻き状の外側の前記間隔よりも狭く形成され、前記渦巻き状が円形状をなし、前記間隔は、前記渦巻き状の外側から内側に向かうに従って、漸次狭くした構成とした。
また、第6の解決手段として、前記絶縁基板はアルミナで構成されると共に、前記導体は薄膜によって形成された構成とした
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のスパイラルインダクタの図面を説明すると、図1は本発明のスパイラルインダクタの平面図である。
【0016】
次に、本発明のスパイラルインダクタの構成を図1に基づいて説明すると、アルミナ等の平板状の絶縁基板1の一面側には、互いに隣り合う間の間隔Dが保持された角形状(四角形状)の渦巻き状をなし、薄膜等からなる導電パターンによって形成された導体2が設けられている。
【0017】
なお、絶縁基板1は、アルミナ以外の絶縁基板を使用しても良く、また、導体2は、薄膜以外の印刷等の方法によって形成しても良い。
【0018】
この導体2は、全体が一定の幅(同じ幅)で形成されると共に、間隔Dは、渦巻き状の外側から内側に向かうに従って狭くなるように形成されている。
なお、渦巻き状の内側の間隔Dは、渦巻き状の外側の間隔Dよりも狭くしても良い。
【0019】
また、渦巻き状の導体2は、直線部2aと、曲がり部2bが交互に配置されて形成されると共に、渦巻き状の外側から内側に向かうに従って、曲がり部2b毎の直線部2aにおける間隔Dを狭くしている。
【0020】
即ち、図1に示すように、最外側に位置する直線部2aにおける間隔d1よりも、第1の曲がり部2bを介して延びる第2の直線部2aにおける間隔d2は、狭く、また、第2の直線部2aにおける間隔d2よりも、第2の曲がり部2bを介して延びる第3の直線部2aにおける間隔d3は、狭くなっている。
【0021】
このように、直線部2aが渦巻き状の外側から内側に行くに従って、直線部2aにおける間隔d1〜d5が順次狭くなっている。
【0022】
また、絶縁基板1の他面側には、配線パターン3が設けられて、配線パターン3の一端には、渦巻き状の内端に位置する導体2がスルーホール(接続導体)によって接続されている。
このような構成によって、本発明のスパイラルインダクタが形成されている。
【0023】
このような構成を有する本発明のスパイラルインダクタは、導体2が絶縁基板1上の一定の面積内に、一定の幅で形成され、渦巻き状の内側の間隔d5は、渦巻き状の外側の間隔d1よりも狭く形成されているため、導体2間の結合が密になると共に、渦巻き状の内側に位置する導体2は、巻き径が従来に比して大きくなる。
その結果、導体2間の結合が密になると、巻き径が大きくなることの理由によって、内側部分のインダクタンスが相乗的に大きくなり、これによって、Q(Qualityfactor)を高めることができる。
【0024】
また、本発明のスパイラルインダクタにおいて、渦巻き状の内側の間隔d5は、渦巻き状の外側の間隔d1よりも狭くなっており、その結果、渦巻き状の内側に位置する導体2の間の容量が増加するが、渦巻き状の外側に位置する導体2の長さより十分短いため、全体の導体2間に発生する容量の増加を少なくできて、自己共振周波数の低下を少なくできる。
【0025】
また、導体2の幅が一定であることから、スパイラルインダクタのインピーダンスが入力側と出力側で同じに出来て、フイルタ回路に使用した場合、接続する回路とのインピーダンス整合が不要となる。
【0026】
なお、上記実施例では、四角形からなる角形状の渦巻き状で説明したが、三角形や五角形以上からなる角形状の渦巻き状を用いても良い。
また、上記実施例では、角形状の渦巻き状で説明したが、円形状の渦巻き状を用いても良く、この場合、渦巻き状の内側の間隔は、渦巻き状の外側の間隔よりも狭く形成したり、或いは、間隔は、渦巻き状の外側から内側に向かうに従って、漸次狭くなるように形成しても良い。
【0027】
また、角形状、或いは円形状の渦巻き状の間隔は、渦巻き状の外側から内側に向かうに従って、渦巻き状の巻き数毎に狭くしても良い。
また、渦巻き状の内側に位置する導体2からの引出は、導体2上に絶縁層を設け、この絶縁層上に引出導体を形成するようにしても良い。
【0028】
【発明の効果】
本発明のスパイラルインダクタは、平板状の絶縁基板と、この絶縁基板の少なくとも一面側に導電パターンで形成され、互いに隣り合う間に間隔を保持して渦巻き状に配置された一定幅を有した導体とを備え、渦巻き状の内側の間隔は、渦巻き状の外側の間隔よりも狭く形成されたため、渦巻き状の内側に位置する導体は、巻き径が大きくなると共に、導体間の結合が密になってインダクタンスが大きくなり、その結果、Q(Qualityfactor)を高めることができる。
また、渦巻き状の内側の間隔は、渦巻き状の外側の間隔よりも狭くなっているため、導体間の容量が増加するが、渦巻き状の内側に位置する導体の長さが渦巻き状の外側に位置する導体の長さより短く、このため、導体間に発生する容量の増加を少なくできて、自己共振周波数の低下を少なくできる。
また、間隔は、渦巻き状の外側から内側に向かうに従って、渦巻き状の巻き数毎に狭くしたため、渦巻き状の内側に位置する導体は、巻き径を一層大きくできて、Qを一層高めることができる。
【0029】
また、渦巻き状が角形状をなしたため、導体の長さと間隔の精度を上げることが出来て、インピーダンスの精度の良いものが得られる。
【0030】
また、渦巻き状が円形状をなしたため、占有面積が小さくなって、小型のものが得られる。
【0032】
また、導体は、直線部と曲がり部が交互に配置されて形成され、渦巻き状の外側から内側に向かうに従って、曲がり部毎の直線部における間隔を狭くしたため、渦巻き状の内側に位置する導体は、巻き径を一層大きくできて、Qを一層高めることができる。
【0033】
また、間隔は、渦巻き状の外側から内側に向かうに従って、漸次狭くしたため、渦巻き状の内側に位置する導体は、巻き径を一層大きくできて、Qを一層高めることができる。
【0034】
また、絶縁基板はアルミナで構成されると共に、導体は薄膜によって形成されたため、小型で、精度の良いスパイラルインダクタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパイラルインダクタの平面図。
【図2】従来のスパイラルインダクタの平面図。
【符号の説明】
1 絶縁基板
2 導体
2a 直線部
2b 曲がり部
3 配線パターン
D 間隔
d1〜d5 間隔

Claims (6)

  1. 平板状の絶縁基板と、この絶縁基板の少なくとも一面側に導電パターンで形成され、互いに隣り合う間に間隔を保持して渦巻き状に配置された一定幅を有した導体とを備え、前記渦巻き状の内側の前記間隔は、前記渦巻き状の外側の前記間隔よりも狭く形成され、前記間隔は、前記渦巻き状の外側から内側に向かうに従って、前記渦巻き状の巻き数毎に狭くしたことを特徴とするスパイラルインダクタ。
  2. 前記渦巻き状が角形状をなしたことを特徴とする請求項1記載のスパイラルインダクタ。
  3. 前記渦巻き状が円形状をなしたことを特徴とする請求項1記載のスパイラルインダクタ。
  4. 平板状の絶縁基板と、この絶縁基板の少なくとも一面側に導電パターンで形成され、互いに隣り合う間に間隔を保持して渦巻き状に配置された一定幅を有した導体とを備え、前記渦巻き状の内側の前記間隔は、前記渦巻き状の外側の前記間隔よりも狭く形成され、前記渦巻き状が角形状をなし、前記導体は、直線部と曲がり部が交互に配置されて形成され、前記渦巻き状の外側から内側に向かうに従って、前記曲がり部毎の前記直線部における前記間隔を狭くしたことを特徴とするスパイラルインダクタ。
  5. 平板状の絶縁基板と、この絶縁基板の少なくとも一面側に導電パターンで形成され、互いに隣り合う間に間隔を保持して渦巻き状に配置された一定幅を有した導体とを備え、前記渦巻き状の内側の前記間隔は、前記渦巻き状の外側の前記間隔よりも狭く形成され、前記渦巻き状が円形状をなし、前記間隔は、前記渦巻き状の外側から内側に向かうに従って、漸次狭くしたことを特徴とするスパイラルインダクタ。
  6. 前記絶縁基板はアルミナで構成されると共に、前記導体は薄膜によって形成されたことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のスパイラルインダクタ。
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