JP4448255B2 - アルカリ電池用セパレータの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカリ電池用セパレータ(以下、単に「セパレータ」と称することがある)の製造方法に関する。本発明の製造方法により得られるアルカリ電池用セパレータは、例えば、アルカリ一次電池(例えば、アルカリマンガン電池、水銀電池、酸化銀電池、又は空気電池)又はアルカリ二次電池(例えば、ニッケル−カドミウム電池、銀−亜鉛電池、銀−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池、又は充電式アルカリマンガン電池)に使用することができ、特にニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素電池などに好適に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来から、アルカリ電池の正極と負極とを分離して短絡を防止すると共に、電解液を保持して起電反応を円滑に行なうことができるように、セパレータが使用されている。このセパレータは水酸化カリウムなどからなる電解液を保持する必要があるため、耐アルカリ性に優れるポリオレフィン系繊維から構成される繊維シートが好ましい。しかしながら、ポリオレフィン系繊維は電解液との親和性が低く、電解液の保持性が非常に悪いため、ポリオレフィン系繊維から構成される繊維シートを様々な方法で親水化処理して、電解液の保持能を付与していた。
【0003】
この親水化処理方法の1つとして、ビニルモノマーをグラフト重合させる方法がある。例えば、特表平6−509208号公報には、ポリオレフィン系繊維からなる布帛にビニルモノマーをグラフト重合させたセパレータが開示されており、更に、前記公報には、ポリオレフィン系繊維からなる布帛にビニルモノマーの溶液を含浸する工程と、酸素にさらさない条件下で布帛に紫外線を照射する工程とからなるセパレータの製造方法が開示されている。
しかしながら、このセパレータをニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素電池などに使用すると、耐酸化性が悪いため、過充電時に発生する酸素によって、セパレータが劣化して短絡が発生したり、酸素による劣化物が極板に影響を及ぼし、電池の寿命を短くするおそれがあり、しかも、自己放電抑制作用も低いものであった。
【0004】
本発明者の一部及びその共同研究者は、これらの欠点を解消したアルカリ電池用セパレータ及びその製造方法を既に見出している(特開2000−106162号公報)。すなわち、グラフト重合可能なモノマー及び/又はポリマーを付着させた繊維シートを、酸素存在下で第1のグラフト重合処理を行なった後、繊維シートの周囲を非通気性フィルムで囲繞した状態で更に第2のグラフト重合処理を行なうことにより、耐酸化性及び自己放電抑制作用に優れたアルカリ電池用セパレータを得ることができることを見出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特表平6−509208号公報の実施例に具体的に記載されている方法では、布帛をポリエステルフィルムで挟んで空気を追い出してから、更にポリエチレンの袋に入れてシールしているため、非常に煩雑であった。また、特開2000−106162号公報に記載されている方法では、フィルムで繊維シートを囲繞する工程が、非常に煩雑である。しかも、この袋やフィルムにはグラフト重合用液が付着するため、他の用途に転用することができず、結局、廃棄しなければならず、その量は製造されるセパレータの2倍以上の長さに達するため、環境に及ぼす影響が大きいばかりでなく、コスト的にも大きな問題であった。そのため、袋やフィルムを使用する必要のないグラフト重合工程、あるいは、使用するにしてもその量を減らすことのできるグラフト重合工程が待望されていた。
従って、本発明の課題は、環境に及ぼす影響を減らすことができ、しかも、コスト的に有利な、アルカリ電池用セパレータの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、本発明による、グラフト重合可能なモノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーを含有するグラフト重合用液を付着させた繊維シートを、酸素存在下で、しかも、非通気性フィルムと非接触の開放系において、グラフト重合処理を行なって、アルカリ電池用セパレータ用のグラフト重合化繊維シートを調製することを特徴とする、アルカリ電池用セパレータの製造方法により解決することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法は、グラフト重合可能なモノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーを含有するグラフト重合用液を付着させた繊維シートを、酸素存在下で、しかも、非通気性フィルムと非接触の開放系において、グラフト重合処理を行なう工程(以下、グラフト重合処理工程と称する)を含む。
【0008】
本発明の製造方法において出発材料として用いることのできる繊維シート(すなわち、グラフト重合用液を付着させる前の繊維シート;以下、「処理前繊維シート」と称する)としては、例えば、不織布、織物、若しくは編物、又はこれらの複合体などを挙げることができる。繊維が三次元的に配置することができ、電解液の保持性に優れている点で、不織布を含むことが好ましく、不織布からなることが更に好ましい。
前記処理前繊維シートを構成する繊維としては、例えば、ポリオレフィン系繊維(例えば、ポリプロピレン繊維又はポリエチレン繊維)、ポリアミド繊維、ビニロン繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、又はポリウレタン繊維などを挙げることができる。これらの中でも、耐アルカリ性に優れている点で、ポリオレフィン系繊維を用いることが好ましい。
【0009】
前記ポリオレフィン系繊維は、例えば、プロピレン、エチレン、ブテン、又はメチルペンテンなどのモノマーの重合体、これらモノマー2種類以上の共重合体、あるいは、これらモノマーとビニルアルコール、アクリル酸、又はメタクリル酸との共重合体(例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、又はエチレン−メタクリル酸共重合体など)などの樹脂成分を含んでいることができる。なお、ポリオレフィン系繊維は、前記樹脂成分1種類のみから構成された単一繊維であることもできるし、あるいは、前記樹脂成分2種類以上から構成された複合繊維であることもできる。後者の複合繊維としては、繊維断面形状が、例えば、芯鞘型、サイドバイサイド型、偏芯型、海島型、オレンジ型、又は多重バイメタル型である複合繊維を挙げることができる。
【0010】
また、ポリエチレン系樹脂はグラフト重合されやすいため、処理前繊維シートを構成する繊維の総表面の60%を越える量が、ポリエチレン系樹脂からなるのが好ましい。また、繊維表面を構成する樹脂成分がエチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、又はエチレン−メタクリル酸共重合体などからなると、グラフト反応速度が速くなると共に、繊維自体も親水性であるため好適である。
【0011】
前記処理前繊維シートは、常法により容易に製造することができる。例えば、好適である不織布は、以下のようにして製造することができる。
すなわち、前記繊維(好ましくはポリオレフィン系繊維)を使用して、湿式法や乾式法(例えば、カード法、エアレイ法、メルトブロー法、又はスパンボンド法など)などによって、繊維ウエブを形成する。なお、繊維長は、一般に、繊維ウエブの形成方法によって異なり、例えば、湿式法により繊維ウエブを形成する場合には、繊維長が1〜25mm程度の短繊維を使用し、乾式法(例えば、カード法やエアレイ法など)により繊維ウエブを形成する場合には、繊維長が25〜110mm程度の長繊維を使用することが一般的である。この繊維ウエブは一層からなることもできるし、あるいは、湿式法による繊維ウエブと乾式法による繊維ウエブを積層したり、繊維配合の異なる繊維ウエブを積層するなど、異種の繊維ウエブを積層することもできる。特に、湿式法による繊維ウエブと乾式法による繊維ウエブを積層したものは、湿式法による繊維ウエブの均一性と、乾式法による繊維ウエブの強度とを兼ね備えている。
【0012】
次いで、この繊維ウエブを結合して不織布を製造することができる。この結合方法としては、例えば、(1)流体流(例えば、水流)によって絡合させる方法、(2)繊維ウエブを構成する繊維として融着繊維を混合しておき、この融着繊維の一部又は全部を融着させる方法、(3)バインダーによって部分的又は全面的に接着させる方法、そして、(4)これらを併用する方法などを挙げることができる。なお、先に述べたように、湿式法による繊維ウエブと乾式法による繊維ウエブとを積層した場合には、湿式法による繊維ウエブと乾式法による繊維ウエブとの区別のない、実質的に一層の不織布とすることができるように、流体流(例えば、水流)によって絡合させるのが好ましい。また、物理的作用により極細繊維に分割可能な分割性繊維を含んでいる場合には、流体流によって分割性繊維の分割も同時にできるという効果を奏する。更に、融着繊維を融着させると、セパレータの引張強さや剛軟度も向上させることができるため、好適である。
【0013】
本発明の製造方法において用いるグラフト重合用液は、少なくとも、グラフト重合可能なモノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーを含有する。
グラフト重合可能な前記モノマーとしては、例えば、ビニルモノマー(すなわち、炭素−炭素二重結合を有するモノマー)を挙げることができ、前記ビニルモノマーの具体的な化合物としては、例えば、不飽和モノカルボン酸(例えば、アクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、アリル酢酸、α−エチルクロトン酸、ケイ皮酸、10−ウンデセン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ルメクエン酸、ソルビン酸、リノール酸、エレオステアリン酸、リノレン酸、アラキドン酸、アセチレンカルボン酸、テトロル酸、ステアロル酸、ベヘノル酸、又はキシメニン酸)若しくは前記不飽和モノカルボン酸の誘導体(例えば、エステル化物)、不飽和ジカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸、メチルマレイン酸、メチルフマル酸、グルタコン酸、イタコン酸、アリルマロン酸、テラコン酸、ムコン酸、又はブチン二酸)若しくは前記不飽和ジカルボン酸の誘導体(例えば、エステル化物)、不飽和トリカルボン酸(例えば、アコニット酸)若しくは前記不飽和トリカルボン酸の誘導体(例えば、エステル化物)、複素環式ビニルモノマー(例えば、ビニルピリジン又はビニルピロリドン)、又は芳香族ビニルモノマー(例えば、スチレン)を挙げることができる。なお、グラフト重合可能なモノマーとしてスチレンを用いる場合には、グラフト重合処理工程を実施した後に、更にスルホン化するのが好ましい。
【0014】
これらのグラフト重合可能なモノマーの中でも、グラフト重合しやすい点で、二重結合を有する炭素にカルボキシル基が直接結合した不飽和モノカルボン酸又は不飽和ジカルボン酸が好ましい。更には、重合を制御しやすく、また、グラフト重合により良好な親水性を生じる点で、アクリル酸又はメタクリル酸がより好ましい。
【0015】
また、グラフト重合可能なオリゴマー又はポリマーとしては、例えば、先に例示したグラフト重合可能なモノマーの重合体であって、処理前繊維シートに対してグラフト重合可能な重合体を使用することができ、反応性の点から、ポリアクリル酸、アクリル酸のオリゴマー、ポリメタクリル酸、又はメタクリル酸のオリゴマーを使用するのが好ましい。
【0016】
本発明の製造方法において、このような重合可能なモノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーを処理前繊維シートに付着させる際には、例えば、(1)モノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーを含む溶液を、処理前繊維シートに塗布又は散布する方法、あるいは、(2)モノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーを含む溶液中に処理前繊維シートを浸漬する方法などを挙げることができる。
【0017】
本発明の製造方法において用いるグラフト重合用液は、グラフト重合可能なモノマー、オリゴマー、又はポリマーを単独で含有することもできるし、あるいは、グラフト重合可能なモノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーを2種類以上組み合わせて含有することもできる。
前記グラフト重合用液に含有されるグラフト重合可能なモノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーの濃度は、35mass%以上であれば、効率的にグラフト重合が進行し、38mass%以上であることが好ましく、40mass%以上であることがより好ましい。グラフト重合可能なモノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーの濃度が35mass%未満であると、グラフト率が低くなる傾向がある。グラフト重合可能なモノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーの濃度の上限は、グラフト重合用液として使用可能な濃度である限り、特に限定されるものではないが、グラフト重合可能なモノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーの濃度は60mass%以下であることが好ましい。グラフト重合可能なモノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーの濃度が60mass%を越えると、耐酸化性が悪くなる傾向がある。
【0018】
本発明の製造方法において用いるグラフト重合用液は、グラフト重合可能なモノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーに加え、更に、必要に応じて、例えば、連鎖移動剤、反応開始剤、及び/又は界面活性剤を含有することができる。
例えば、グラフト重合用液に連鎖移動剤を添加すると、グラフト鎖を短くすることができると考えられ、未反応のホモポリマーなどの洗浄除去性に優れているため、製造上、好ましい。また、連鎖移動剤を含有するグラフト重合用液を用いて、グラフト重合処理工程を実施すると、自己放電抑制作用に優れる傾向があるため、好ましい。このように自己放電抑制作用に優れていると、グラフト率を低くすることができ、その結果、耐酸化性が向上するという二次的な効果も奏する。
【0019】
前記連鎖移動剤としては、例えば、低級アルコール(例えば、イソプロピルアルコール)、多官能アルコール類(例えば、ポリエチレングリコール)、又はジカルボン酸類(例えば、マレイン酸)を使用することができ、電池性能への影響の点で、ポリエチレングリコールを用いることが好ましい。特には、ポリエチレングリコール(重合度=2000以下)を用いるのが好ましい。使用するポリエチレングリコールの重合度が2000を越えると、固体となり、均一に分散させることが困難になる。均一に分散させることができないと、グラフト重合が均一に行なわれず、例えば、アンモニア捕捉性が不均一になる。前記のポリエチレングリコールの重合度の下限は100程度であり、ポリエチレングリコールの重合度は200〜1000であることがより好ましい。
【0020】
本発明の製造方法において用いるグラフト重合用液に含有することのできる連鎖移動剤(特にはポリエチレングリコール)の濃度は、特に限定されるものではないが、20mass%以上であることが好ましく、25mass%以上であることがより好ましい。連鎖移動剤濃度が20mass%未満であると、アンモニア捕捉性が悪くなる傾向があり、また、ホモポリマーが発生しやすく、粘着性が生じやすいため、製造上、不都合が生じることがある。連鎖移動剤濃度の上限は、グラフト重合用液として使用可能な濃度である限り、特に限定されるものではないが、連鎖移動剤濃度は40mass%以下であることが好ましい。連鎖移動剤濃度が40mass%を越えると、グラフト率が低下し、しかも、アンモニア捕捉性が悪くなる傾向がある。
【0021】
本発明の製造方法において用いるグラフト重合用液に含有することのできる反応開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル)、又はアゾ化合物を使用することができ、電池性能への影響の点で、ベンゾフェノンを用いることが好ましい。
本発明の製造方法において用いるグラフト重合用液に含有することのできる反応開始剤(特にはベンゾフェノン)の濃度は、特に限定されるものではないが、0.05〜0.5mass%であることが好ましく、0.1〜0.2mass%であることがより好ましい。反応開始剤濃度が0.05mass%未満であると、グラフト重合が充分に進行しない傾向があり、反応開始剤濃度が0.5mass%を越えると、アンモニア捕捉性が悪くなる傾向がある。
【0022】
本発明の製造方法において用いるグラフト重合用液に含有することのできる界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、高級アルコール、又はアルキルエトキシレート)、又はアニオン系界面活性剤(例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸塩、又はスルホコハク酸エステル塩)を挙げることができる。濡れ性の付与又は電池性能の点で、ノニオン系界面活性剤を用いることが好ましく、高級アルコール又はアルキルエトキシレートを用いることがより好ましい。
【0023】
本発明の製造方法において用いるグラフト重合用液に含有される界面活性剤の濃度は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.01〜3mass%であり、より好ましくは0.03〜3mass%であり、更に好ましくは0.05〜1mass%である。界面活性剤濃度が0.01mass%未満であると、得られるグラフト重合化繊維シートのアルカリ溶液への濡れ性が悪くなる傾向がある。界面活性剤濃度が3mass%を越えると、得られるグラフト重合化繊維シートの平均アンモニア捕捉量が低下する傾向があり、また、粘着性が生じやすいため、製造上、不都合が生じることがある。
【0024】
本発明の製造方法において用いるグラフト重合用液の溶媒(分散媒)としては、特に限定されるものではないが、例えば、水、アルコール、又はアセトンを用いることができる。
前記のグラフト重合用液は、必要により、更にホモポリマー生成抑制剤(例えば、硫酸鉄)を含むこともできるし、あるいは、含まないこともできる。
【0025】
なお、処理前繊維シートにグラフト重合用液を付着させる際に余分なグラフト重合用液が含まれていると、重力によってグラフト重合用液が偏在し、結果として偏在した状態でグラフト重合することになるため、余分なグラフト重合用液を除去するのが好ましい。すなわち、処理前繊維シートにグラフト重合用液を付着させる際には、グラフト重合用液は、処理前繊維シートの面密度100g/m2に対して、40〜250g/m2であることが好ましく、50〜200g/m2であることがより好ましい。この余分なグラフト重合用液を除去する手段としては、例えば、一対のロール間を通す方法、あるいは、平板プレス間を通す方法などを挙げることができる。
【0026】
また、グラフト重合用液を処理前繊維シートに付着させる前に、グラフト重合用液と処理前繊維シートとの馴染みを良くするために、例えば、紫外線照射、コロナ放電、及び/又はプラズマ放電などにより処理前繊維シートの表面処理を実施することが好ましい。
【0027】
本発明の製造方法におけるグラフト重合処理工程では、グラフト重合用液の付着した繊維シートを、酸素存在下で、しかも、非通気性フィルム(例えば、ポリオレフィン系フィルム、例えば、ポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルム)と非接触の開放系において、グラフト重合を行なう。このように、非通気性フィルムとグラフト重合用液の付着した繊維シートとが非接触の開放系であることによって、非通気性フィルムを全く使用する必要がなかったり、グラフト重合用照射源の汚染防止用フィルムを使用する場合でも、グラフト重合用液の付着した繊維シートの搬送速度よりも非通気性フィルムの搬送速度を遅くしたり、あるいは、非通気性フィルムを固定した状態で使用することができるため、非通気性フィルムの使用量を減らしたり、交換頻度を減らしたりすることができる。この結果として、環境に及ぼす影響を減らすことができ、しかも、コスト的にも有利である。
【0028】
グラフト重合の際には、酸素存在下で、しかも、非通気性フィルムと非接触の開放系で実施することができるので、例えば、空気中で実施することもできるし、あるいは、空気又は酸素を供給しながら実施することもできるが、製造工程の簡便(酸素濃度を一定にしやすい)上、空気中で実施することが好ましい。なお、グラフト重合処理工程では、非通気性フィルム以外のもの、例えば、繊維シートの搬送手段(例えば、搬送用ネット)であれば、グラフト重合用液の付着した繊維シートと接触していることができる。
【0029】
グラフト重合処理工程におけるグラフト重合方法としては、例えば、紫外線照射、遠赤外線照射、放射線照射(X線、α線、β線、又はγ線)、又は熱重合などを挙げることができる。これらの方法の中でも、繊維表面のみでグラフト重合させることができ、しかも、反応開始剤のラジカル発生時間が短く、短時間でグラフト重合可能である点で、紫外線照射が好ましい。
【0030】
グラフト重合処理工程は、温度が好ましくは100℃以上となる条件下(より好ましくは110℃以上となる条件下)で実施する。このように高温でグラフト重合処理を実施すると、熱重合も平行して生じさせ、効率的にグラフト重合させることができる。また、このように高温とすることによって、耐酸化性に優れるセパレータを容易に製造することができる。
【0031】
グラフト重合処理工程におけるグラフト重合処理時間は、例えば、用いるグラフト重合方法の種類、グラフト重合の実施条件(例えば、照射強度)、又はグラフト率に応じて適宜決定することができる。また、グラフト重合処理は、連続して実施することもできるし、あるいは、断続的に実施することもできる。
【0032】
なお、グラフト重合処理工程では、グラフト重合用液の付着した繊維シートと非接触である限り、例えば、前記繊維シートとグラフト重合用照射源(例えば、水銀灯)との間に、前記繊維シートと離間した状態でフィルムを配置することができ、この場合、グラフト重合用液によるグラフト重合用照射源の汚染を防止することができる。
【0033】
グラフト重合処理工程を実施して得られた繊維シートは、例えば、水、温水、湯、又はアルコールなどによって充分に洗浄することが好ましい。グラフト重合処理工程を実施して得られた繊維シートは、多少の未反応物(例えば、グラフトモノマー、オリゴマー、及び/又はポリマー)を含んだ状態にあるからである。
【0034】
また、グラフト重合処理工程を実施して得られた繊維シートは、公知の親水化方法、例えば、界面活性剤処理、窒素ガスなどの不活性ガスで希釈したフッ素ガスと、酸素ガス、二酸化炭素ガス、又は二酸化イオウガスなどの中から選んだ少なくとも1種類のガスとの混合ガスによる処理、又は放電処理などの方法により更に親水化して、電解液の注液速度を速くし、電池の生産性を向上させることができる。
界面活性剤により親水化する場合には、セパレータの質量に対して界面活性剤を0.1〜3mass%の量で付着させることが好ましく、0.2〜1.5mass%の量で付着させることがより好ましく、0.3〜1.2mass%の量で付着させることが更に好ましい。
【0035】
本発明の製造方法により得られるアルカリ電池用セパレータは、酸素存在下でグラフト重合していることによって、アンモニア捕捉量、自己放電抑制作用、及び耐酸化性において優れた特性を有する。従って、本発明の製造方法により得られるアルカリ電池用セパレータは、ニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素電池などの電池に好適に使用することができる。もちろん、その他のアルカリ電池、例えば、アルカリ一次電池(例えば、アルカリマンガン電池、水銀電池、酸化銀電池、又は空気電池)又はアルカリ二次電池(例えば、銀−亜鉛電池、銀−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、又は充電式アルカリマンガン電池)のセパレータとしても好適に使用することができる。
【0036】
本明細書において「平均アンモニア捕捉量」とは、アンモニア捕捉量測定箇所10箇所以上の平均値であり、対象となるセパレータの任意の測定箇所10箇所以上について、以下の工程(A)〜(D)からなる測定方法によりアンモニア捕捉量を測定し、それらの平均値を計算することによって得ることができる。本発明の製造方法を用いると、例えば、単位質量当たりの平均アンモニア捕捉量が0.4mmol/g以上であるセパレータを得ることができる。平均アンモニア捕捉量が0.4mmol/g未満であると、自己放電抑制作用が低くなることがある。
【0037】
(A)試験片の前処理
(1)試料より試験片約2gを採取し、採取した試験片の質量(W;単位=g)を測定する(0.001gまでの精度で測定)。
(2)8mol/L−KOH水溶液120mLをメスシリンダーで量り、250mL三角フラスコ(ガラス栓付き)に注ぎ入れる。
(3)試験片を純水で充分に湿らせた後、充分に絞り、約1cm2の小片に切断し、前記(2)の三角フラスコに入れる。
(4)更に、前記三角フラスコ中に、0.3mol/L−NH3含有8mol/L−KOH水溶液(8mol/L−KOH水溶液に、NH3濃度が0.3mol/Lとなるように塩化アンモニウムを添加して調製したもの)5mLをピペットで正確に添加した後、素早くガラス栓で密封し、試験片が充分に浸漬するように振り混ぜる。
(5)試験片を入れた三角フラスコを、40℃の恒温槽中に3日間静置する。
(6)ブランクとして、前記(2)とは別の三角フラスコ2個を用意し、試験片を三角フラスコに入れないこと以外は、前記(2)〜(5)の操作を繰り返す。
【0038】
(B)残留アンモニアの蒸留[パルナス・ワグナー蒸留装置(図1参照)を用いるミクロケルダール法による蒸留]
(1)恒温槽から三角フラスコを取り出し、水道水につけて冷却しておく。
(2)一方、図1に示すパルナス・ワグナー蒸留装置1の注液管21から、水蒸気発生用の丸底フラスコ11内に純水を入れ、沸騰させる。なお、管21を使用せずに、例えば、丸底フラスコ11に純水を入れてから蒸留装置にセットすることもできる。
(3)アンモニア捕捉用フラスコとして、前記(1)の三角フラスコとは別の新しい500mL三角フラスコに、純水200mLを入れ、続いて、ビュレットを用いて0.1mol/L塩酸2.5mLを注入し、更に10滴程度のメチルレッドをいれた後、この500mL三角フラスコを、アンモニア捕捉用フラスコ16として、パルナス・ワグナー蒸留装置1にセットする。この際、蒸留装置の冷却器15から伸びる誘導管26の下端が、前記500mL三角フラスコ16の液中に位置するようにセットする。
(4)前記(1)の三角フラスコの中から、アンモニア含有溶液25mLをピペットで取り出し、パルナス・ワグナー蒸留装置1の液注入口13から注入する。注入されたアンモニア含有溶液は、誘導管24を通って、真空ビン14中に誘導される。前記液注入口13を純水で洗い流した後、液注入口13をクリップ17で止める。
【0039】
(5)前記(2)の丸底フラスコ11内の純水を沸騰させて水蒸気を発生させる。発生した水蒸気は、誘導管22、排水器12、誘導管23、及び誘導管24をこの順に通過し、前記真空ビン14に導びかれる。この水蒸気により、真空ビン中のアンモニア含有溶液に含まれるアンモニアが蒸発し、蒸発したアンモニア蒸気は、真空ビン14の上部に取り付けられている誘導管25を通って、冷却器15に送られ、凝縮される。凝縮されたアンモニアは、冷却器15から伸びる誘導管26を通り、アンモニア捕捉用の500mL三角フラスコ16に回収される。このアンモニア蒸留を10分間行なう。
(6)前記アンモニア蒸留終了後、パルナス・ワグナー蒸留装置1から、アンモニア捕捉用の500mL三角フラスコ16を取り外す。冷却器15から伸びる誘導管26の外部を蒸留水で洗浄し、この洗浄液も前記500mL三角フラスコに入れる。
【0040】
(C)滴定
(1)前記(B)(6)の500mL三角フラスコ内の溶液の色がピンク色である場合(すなわち、塩酸が残留している場合)には、このフラスコ内に、0.1mol/L水酸化カリウム水溶液を、黄変するまで、ビュレットから滴下することにより滴定する(滴下した0.1mol/L水酸化カリウム水溶液量をV1とする)。前記(B)(6)の500mL三角フラスコ内の溶液の色が黄色である場合(すなわち、塩酸が残留してしない場合)には、このフラスコ内に、0.1mol/L塩酸を、赤変するまで、ビュレットから滴下することにより滴定する(滴下した0.1mol/L塩酸量をV2とする)。
(2)ブランクとして用意した500mL三角フラスコでは、この三角フラスコ内の酸が全部消費され、黄変しているので、0.1mol/L塩酸を、赤変するまで、ビュレットから滴下することにより滴定する(滴下した0.1mol/L塩酸量をV0とする)。
【0041】
(D)アンモニア捕捉量の決定
(1)アンモニア捕捉量(Cp:単位=mmolNH3/g)は、以下の計算式(1):
Cp=(n0−np)/W (1)
[式中、n0は、下記式(1a)で算出される、ブランク試験で残存したアンモニア量(mmolNH3)であり、npは、下記式(1b)で算出される、試験片で捕捉されなかったアンモニア量n1(mmolNH3)であるか、あるいは、下記式(1c)で算出される、試験片で捕捉されなかったアンモニア量n2(mmolNH3)である]
から算出する。なお、n0は、2つのブランクの平均値である。
【0042】
計算式(1a):
n0=(125/25)×(2.5+V0)×0.1 (1a)
計算式(1b):
n1=(125/25)×(2.5−V1)×0.1 (1b)
計算式(1c):
n2=(125/25)×(2.5+V2)×0.1 (1c)
【0043】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
芯成分がポリプロピレンからなり、鞘成分が高密度ポリエチレン(融点:132℃)からなる芯鞘型融着繊維(繊度=0.8dtex,繊維長=5mm)80mass%と、高強度ポリプロピレン繊維(繊度=2.2dtex,繊維長=10mm,引張り強さ=8cN/dtex)20mass%とを分散させたスラリーから、湿式抄造法により繊維ウエブを形成した。次いで、この繊維ウエブを136℃で熱処理した後、線圧力10N/cmの(常温の)ロール間を通して、芯鞘型融着繊維の鞘成分である高密度ポリエチレンを融着させて処理前不織布を形成した。
【0044】
他方、次の配合成分(1)〜(5)から、グラフト重合用液を調製した。
(1)アクリル酸モノマー 40 mass%
(2)ベンゾフェノン 0.13mass%
(3)ノニオン系界面活性剤 1 mass%
(4)ポリエチレングリコール(重合度:400) 30 mass%
(5)水 28.87mass%
【0045】
次いで、前記処理前不織布に前記グラフト重合用液を含浸した後(処理前不織布の面密度100g/m2に対して、80g/m2の割合でグラフト重合用液を含有)、グラフト重合用液を含浸した不織布の両側に2個ずつ配置したメタルハライド水銀灯から180mW/cm2の照度で、365nm中心の紫外線を空気中で30秒間照射して、アクリル酸をグラフト重合させた。なお、グラフト重合用液を含浸した不織布とメタルハライド水銀灯との間に、ポリプロピレンフィルムを前記不織布と離間させて固定配置(両側とも)した開放状態で、グラフト重合させた。このとき、メタルハライド水銀灯で紫外線を照射した不織布の温度は110℃であった。
次いで、グラフト重合した不織布を充分に水洗いし、乾燥した後、線圧10N/cmでカレンダー処理して、本発明のセパレータ(面密度=60g/m2,厚さ=0.15mm,グラフト率=9%)を製造した。
【0046】
【物性評価】
(a)平均アンモニア捕捉量の測定
前記実施例1で製造した本発明のセパレータの平均アンモニア捕捉量を測定した。なお、測定は、セパレータにつき、10個のサンプルを用いて行なった。
結果を表1に示す。表1において、括弧内の数値は、10個のデータの最小値及び最大値を示し、その上の数値は、10個のデータの平均値を示す。単位は「mmol/g」である。表1に示すように、本発明のセパレータは、平均アンモニア捕捉量が多く、しかも、アンモニア捕捉量のばらつきが小さいものであった。
【0047】
(b)容量維持率の測定
電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペースト式ニッケル正極(33mm幅,182mm長)と、ペースト式水素吸蔵合金負極(メッシュメタル系合金,33mm幅,247mm長)とを作成した。次いで、前記実施例1で調製したセパレータを、35mm幅及び410mm長に裁断した後、それぞれ正極と負極との間に挟み、渦巻き状に巻回して、SC型対応の電極群を作成した。この電極群を外装缶に収納した後、電解液として5mol/L水酸化カリウム及び1mol/L水酸化リチウムを外装缶に注液し、封缶して円筒型ニッケル−水素電池を作成した。
【0048】
次いで、円筒型ニッケル−水素電池を、0.1Cで容量に対して150%充電した後、0.1Cで放電し、終止電圧が1.0Vでの初期容量(A)を測定した。次いで、0.1Cで容量に対して150%充電した後、温度65℃の恒温室内に5日間放置した。その後、再度、0.1Cで放電し、終止電圧が1.0Vでの容量(B)を測定した。これらの結果から、次式(2)により容量維持率(C)を算出した:
C(%)=(B/A)×100 (2)
なお、測定は、セパレータにつき、10個のサンプルを用いて行なった。
【0049】
結果を表1に示す。表1において、括弧内の数値は、10個のデータの最小値及び最大値を示し、その上の数値は、10個のデータの平均値を示す。単位は「%」である。
表1に示すように、本発明のセパレータは、容量維持率が高く、しかも、容量維持率のばらつきが小さいため、品質の安定したセパレータである。
【0050】
(c)化学的酸素要求量(COD)の測定
耐酸化性を評価する目的で、前記実施例1で製造した本発明のセパレータの化学的酸素要求量(COD)を、以下の方法により測定した。
(1)酸化剤として作用する後述の過マンガン酸カリウムの20−40%が消費されるような大きさに、セパレータを裁断する(面積Am2)。例えば、セパレータを5cm角に裁断する(面積0.0025m2)。
(2)上記のセパレータを更に1〜2cm角程度の大きさに裁断した後、300mlのフラスコに入れる。
(3)メスシリンダーにて100mlの純水をフラスコに注入する。
(4)硫酸1容量に対して蒸留水2容量からなる硫酸水(10ml)を振り混ぜながら、フラスコに注入する。
(5)5mmol/l(N/40)の過マンガン酸カリウム溶液(10ml)をピペットでフラスコに注入して振り混ぜ、直ちに80℃の湯浴中(シェーカー付)に入れ、30分間反応させる。なお、この際に、湯浴の水面がフラスコ内の水面よりも上にくるようにして、十分に反応させる。また、30分間反応させた後に、過マンガン酸カリウムの紅色が残っていることを確認する。色が消えている場合には、セパレータの量が多過ぎることを意味しているため、セパレータの量を減らして上記(1)〜(5)の操作を繰り返す。
(6)湯浴からフラスコを取り出し、12.5mmol/l(N/40)のシュウ酸ナトリウム溶液10mlをピペットでフラスコに注入し、振り混ぜてよく反応させる。この時、過マンガン酸カリウムの紅色が消えて無色になっていることを確認する。
(7)フラスコ内の溶液を60〜80℃に保ちながら、5mmol/l(N/40)の過マンガン酸カリウム溶液で滴定する。終点は微紅色を30秒間以上保つ時とする。この時に要した過マンガン酸カリウム溶液の量a(ml)を測定する。
(8)別に、純水100mlをフラスコに取り、(4)〜(7)の操作を行う(空試験)。この時に要した過マンガン酸カリウム溶液の量b(ml)を測定する。
(9)以上の結果から、次式(3)によってCODを算出する。
COD(mg・O/m2)=(a−b)×f×0.2×1/A (3)
[式中、aは滴定に要した過マンガン酸カリウムの量(ml)であり、bは空試験の滴定に要した過マンガン酸カリウムの量(ml)であり、fは5mmo1/l過マンガン酸カリウム溶液のファクターであり、そしてAはセパレータの面積(m2)である]
【0051】
結果を表1に示す。単位は「mg・O/m2」である。このCODが250mg・O/m2を越えると、酸素による劣化が著しく、このセパレータを使用した電池は寿命の短いものとなるおそれがある。本発明のセパレータは、CODが170mg・O/m2と耐酸化性に優れるものであった。
【0052】
【0053】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、コスト的に有利に、アルカリ電池用セパレータを製造することができ、しかも、環境に及ぼす影響を減らすことができる。また、アンモニア捕捉量、自己放電抑制作用、及び耐酸化性において優れたセパレータを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アンモニア捕捉量の測定に用いる装置を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・パルナス・ワグナー蒸留装置;
11・・・丸底フラスコ;12・・・排水器;
13・・・液注入口;14・・・真空ビン;15・・・冷却器;
16・・・アンモニア捕捉用フラスコ;17・・・クリップ;
21・・・注液管;22,23,24,25,26・・・誘導管。
Claims (3)
- グラフト重合可能なモノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーを含有するグラフト重合用液を付着させた繊維シートを、繊維シートの周囲を非通気性フィルムで囲繞した状態でのグラフト重合処理を実施することなく、酸素存在下で、しかも、非通気性フィルムと非接触の開放系におけるグラフト重合処理を行なって、アルカリ電池用セパレータ用のグラフト重合化繊維シートを調製し、
前記グラフト重合用液中のグラフト重合可能なモノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーの含有量が、35mass%以上であり、
前記グラフト重合用液が連鎖移動剤20mass%以上を更に含有し、
前記グラフト重合処理を、温度が100℃以上の条件下で実施することを特徴とする、アルカリ電池用セパレータの製造方法。 - 前記グラフト重合用液が反応開始剤0.05〜0.5mass%を更に含有する、請求項1に記載の製造方法。
- 前記連鎖移動剤がポリエチレングリコールである、請求項1又は2に記載の製造方法。
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