JPH08273654A - 電池用セパレータ、その製造方法、及びこれを用いた電池 - Google Patents

電池用セパレータ、その製造方法、及びこれを用いた電池

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JPH08273654A
JPH08273654A JP7097991A JP9799195A JPH08273654A JP H08273654 A JPH08273654 A JP H08273654A JP 7097991 A JP7097991 A JP 7097991A JP 9799195 A JP9799195 A JP 9799195A JP H08273654 A JPH08273654 A JP H08273654A
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fibers
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良直 川崎
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陸夫 東海林
Hisafumi Taki
尚史 瀧
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強度、保液性共に優れた電池用セパレータ、
その製造方法、及びこれを用いた電池を提供すること。 【構成】 本発明の電池用セパレータは、極細繊維が絡
合し、部分的に融着部を有すると共に、親水化処理され
た不織布であり、この不織布の少なくとも一方向の5%
モジュラス強度が3kg/5cm幅以上で、加圧保液率が10
%以上のものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電池用セパレータ、その
製造方法、及びこれを用いた電池に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電池の正極と負極とを分離し
て短絡を防止すると共に、電解液を保持して起電反応を
円滑に行なわせるために、セパレータが使用されてい
る。このセパレータとして、本願出願人は特願平5−3
49685号において、ポリオレフィン系分割性繊維を
含む繊維ウエブに水流を作用させ、この分割性繊維を極
細繊維に分割すると同時に、極細繊維を絡合した不織布
を親水化処理したものを提案した。しかしながら、この
不織布は強度が低いため、親水化処理工程中に伸びて、
幅が狭くなりやすいため、効率的に親水化処理できない
ものであった。また、ポリオレフィン系分割性繊維を含
む繊維ウエブに水流を作用させて、極細繊維に分割する
ためには、60g/m2程度の目付が必要であるが、電池の
極板に活物質をより多く充填して、より高容量の電池を
得るために、より低目付で薄いセパレータが待ち望まれ
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたものであり、本発明の目的
は、強度、保液性共に優れた電池用セパレータ、特に、
より薄い電池用セパレータを得ることのできる製造方
法、及びこれを用いた電池を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の電池用セパレー
タ(以下、単に「セパレータ」という)は、極細繊維が
絡合し、部分的に融着部を有すると共に、親水化処理さ
れた不織布であり、この不織布の少なくとも一方向の5
%モジュラス強度が3kg/5cm幅以上で、加圧保液率が1
0%以上のものである。
【0005】本発明のセパレータの製造方法は、分割性
繊維を含む繊維ウエブを熱処理して、この分割性繊維の
低融点成分を少なくとも融着した後、流体流を作用させ
てこの分割性繊維を極細繊維に分割及び絡合し、次い
で、親水化処理するか、又は、分割性繊維と、この分割
性繊維の低融点成分よりも10℃以上低い融点を有する
融着繊維を10重量%以上混合した繊維ウエブを熱処理
して、少なくともこの融着繊維を融着した後、流体流を
作用させてこの分割性繊維を極細繊維に分割及び絡合
し、次いで、親水化処理して、少なくとも一方向の5%
モジュラス強度が3kg/5cm幅以上で、加圧保液率が10
%以上とする方法である。
【0006】本発明の電池は上記セパレータを使用した
ものである。
【0007】
【作用】本発明のセパレータについて、製造方法をもと
に説明する。本発明においては、二種類以上のポリオレ
フィン系樹脂成分からなる分割性繊維を使用することに
より、耐電解液性及び耐酸化性に優れたものが得られ
る。
【0008】このポリオレフィン系樹脂成分としては、
例えば、エチレン、プロピレン、メチルペンテン、ブテ
ン、スチレンなどのモノマーを1種類以上重合させたポ
リマーが使用できる。より具体的には、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポ
リスチレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレ
ン−ブテン−プロピレンコポリマーなどが使用できる。
【0009】分割性繊維としては、上記のようなポリオ
レフィン系樹脂成分を2種類以上、組み合わせたものが
使用できるが、分割性繊維の中で、最も融点の低いポリ
オレフィン系樹脂成分(低融点成分)と、最も融点の高
いポリオレフィン系樹脂成分(高融点成分)との融点差
が10℃以上、より好ましくは15℃以上あるように組
み合わせると、高融点成分以外の、少なくとも一種類の
ポリオレフィン系樹脂成分を融着させることにより、セ
パレータに強度を付与できると共に、分割性繊維を分割
させやすいので、好適な組み合わせである。例えば、二
種類のポリオレフィン系樹脂成分の組み合わせとして
は、ポリエチレンとポリプロピレン、ポリエチレンとポ
リメチルペンテン、ポリプロピレンとポリメチルペンテ
ンなどがある。これらの中でもポリエチレンとポリプロ
ピレンとの組み合わせは、ポリプロピレンは耐電解液性
及び耐酸化性に優れ、しかもポリエチレンは融点が低
く、融着させやすいため、最も好適な組み合わせであ
る。
【0010】なお、ポリオレフィン系樹脂成分のみから
なる分割性繊維は分割しにくいが、ポリオレフィン系樹
脂成分中に、ポリスチレン系樹脂やポリカーボネート樹
脂などの、曲げ弾性率2×104kg/cm2以上の硬質樹脂
が混在していると、分割しやすくなるので、この分割性
繊維を好適に使用できる。特に、分割性繊維の低融点成
分中にポリスチレン系樹脂が混在していると、融着処理
温度範囲が広くなり、分割性繊維の低融点成分を均一に
融着できるため好適である。このポリスチレン系樹脂の
混在量としては、5〜70重量%であるのが好ましい。
5重量%未満では分割性が低く、70重量%を越えると
得られる極細繊維が脆くなり、繊維形状を維持しにくく
なりやすいためで、より好ましくは7〜40重量%であ
る。なお、ポリスチレン系樹脂が混在していると、極細
繊維表面の一部に露出したポリスチレン系樹脂を効率的
にスルホン化処理、グラフト重合処理、或いはフッ素化
処理などの親水化処理ができるという特長もある。ま
た、シンジオタクチック構造のポリスチレン系樹脂は繊
維形成能があり、繊維強度を低下させないので、より好
適に使用できる。
【0011】この分割性繊維の断面形状としては、例え
ば、二種類のポリオレフィン系樹脂成分からなる断面形
状を表す図1(a)〜(d)に示すように、一ポリオレ
フィン系樹脂成分1を他ポリオレフィン系樹脂成分2の
間に配した菊花状の繊維断面を有するものや、図1
(e)に示すように、一ポリオレフィン系樹脂成分1と
他ポリオレフィン系樹脂成分2とが交互に層状に積層し
た多層バイメタルの繊維断面を有するものが使用できる
が、前者の菊花状の繊維断面を有する分割性繊維は、い
ずれのポリオレフィン系樹脂成分も均一に繊維表面に露
出しており、分割性繊維の低融点成分により均一に融着
でき、しかも得られる極細繊維が異形断面形状を有して
おり、より緻密な構造を有する不織布が形成できるた
め、より好適に使用できる。この異形断面形状とは、非
円形状のものをいい、例えば、略長円形、略楕円形状、
略多角形状、楔形状をいう。なお、得られる極細繊維の
径によって、保液性に大きな影響を及ぼすため、平均繊
維径が、0.1〜6μmの極細繊維に分割できる分割性繊
維を使用するのが好ましい。0.1μm未満ではセパレー
タの剛性や強度が低下し、6μmを越えると保液性が悪
くなるためで、より好ましくは0.2〜5μmである。な
お、この平均繊維径は円形断面換算の値をいう。更に、
分割性繊維における低融点成分の繊維表面を占める面積
が狭いと、分割性繊維の低融点成分による融着を効率的
に行うことができず、強度のないセパレータとなりやす
いため、分割性繊維の低融点成分は分割性繊維表面の3
0〜90%、より好ましくは60〜80%を占めている
のが好ましい。
【0012】このような分割性繊維は50重量%以上、
好ましくは70重量%以上使用するが、この分割性繊維
以外に、耐電解液性及び耐酸化性に優れたポリオレフィ
ン系融着繊維(以下、「融着繊維」という)を使用し
て、強度を向上させることもできる。この融着繊維を構
成するポリオレフィン系樹脂成分としては、分割性繊維
を構成するポリオレフィン系樹脂成分と同様のものを使
用できるが、後述のように、少なくとも分割性繊維の低
融点成分、又は、少なくとも融着繊維を融着した後に流
体流を作用させるため、融着繊維による融着も破壊さ
れ、強度の向上が半減してしまうため、流体流を作用さ
せた後に融着繊維を融着するのが好ましい。そのため、
流体流を作用させた後に、極細繊維を融着して保液性を
低下させないように、融着繊維のみを融着できるよう
に、分割性繊維の低融点成分よりも10℃以上、より好
ましくは15℃以上低い融点を有する融着繊維を使用す
るのが好ましい。なお、融着繊維は単一の樹脂成分から
なっていても良いし、芯鞘型、サイドバイサイド型、或
いは偏芯型の複合繊維が使用できるが、複合繊維の方
が、融着成分以外の樹脂成分によって強度を維持できる
ため、より好適に使用できる。また、前述のように、分
割性繊維がポリプロピレン成分とポリエチレン成分とか
らなるのが好ましいため、分割性繊維のポリエチレン成
分が高密度ポリエチレンからなり、融着繊維の融着成分
が低密度ポリエチレンからなるのが好ましい。
【0013】なお、本発明で使用する分割性繊維や融着
繊維の平均繊維長は、繊維ウエブの形成方法によって異
なり、湿式法によって形成する場合には3〜25mmであ
るのが好ましく、乾式法によって形成する場合には、2
0〜110mmであるのが好ましい。なお、前者の湿式法
によれば、より緻密で均一な繊維ウエブ、結果としてよ
り緻密で均一なセパレータを得ることができるので、よ
り好適である。本発明の繊維ウエブは、カード法、エア
レイ法などの乾式法により得た繊維ウエブ、湿式法によ
り得た繊維ウエブ、或いはメルトブロー法やスパンボン
ド法などの直接法により得た繊維ウエブを単独で、又は
適宜複合したもので良い。なお、繊維ウエブにおける繊
維の配向が一方向であれば、得られるセパレータの少な
くとも一方向の強度が強くなるため、電池が組み立てや
すく、好適である。
【0014】次いで、この繊維ウエブを全体的又は部分
的に熱処理して、少なくとも分割性繊維の低融点成分、
又は、前述の融着繊維を含む場合には、少なくとも融着
繊維を融着する。本発明では、この融着により、セパレ
ータの強度を向上させると共に、次工程の流体流の作用
による分割性繊維の分割及び交絡を効率的に行うことが
可能となった。つまり、分割性繊維の自由度が高いと、
流体流を作用させても、分割性繊維が流体流から逃げ
て、分割性繊維の分割及び絡合が生じにくいが、融着に
より分割性繊維の自由度が低くなり、流体流が作用しや
すくなるため、分割性繊維が分割すると共に絡合しやす
くなった。特に、分割性繊維の平均繊維長が3〜25mm
と短い場合には自由度が高すぎて、分割性繊維の分割及
び絡合が困難であったが、この融着により分割性繊維の
自由度が低くなり、分割及び絡合が容易になった。この
ように、分割性繊維の自由度の低い方がより好ましいの
で、融着繊維を含む場合であっても、分割性繊維の低融
点成分を融着するのが好ましい。なお、この分割性繊維
を分割しやすいように、無加圧下で、高融点成分以外の
少なくとも一種類の樹脂成分を融着するのが好ましい。
このように、繊維ウエブ全体を固定して、分割性繊維を
分割しやすくしたため、目付が40g/m2以下という低目
付であっても不織布を形成することが可能となり、セパ
レータを薄くできるため、その分だけ、極板に活物質を
より多く充填でき、電池の高容量化が可能となる。
【0015】次いで、この融着した繊維ウエブに流体流
を作用させて分割性繊維を分割するが、分割性繊維をよ
り分割しやすいように、流体流を作用させる前に、融着
した繊維ウエブを固体押圧手段により押圧すると、分割
性繊維に歪みが生じると同時に、分割性繊維の断面形状
が変形して、長円状となり、流体流の作用する確率が高
くなるため、より分割しやすくなる。なお、この固体押
圧手段により押圧しても、融着が完全に破壊される訳で
はないので、融着による分割性繊維の自由度の低い状態
は維持されている。
【0016】この固体押圧手段として、例えば、カレン
ダーがあり、カレンダーは強い線圧による剪断力を連続
的に作用させることができるので、好適である。このカ
レンダーで押圧する場合、線圧は20〜300kg/cmで
あるのが好ましい。線圧が20kg/cm未満では、分割性
繊維の歪みが不十分であり、300kg/cmを越えると、
融着部分の破壊も生じて、分割性繊維の自由度が高くな
ってしまうためで、より好ましい線圧は50〜250kg
/cmである。なお、固体押圧手段による押圧は1度であ
る必要はなく、分割性繊維の歪み度合によって、2度以
上押圧しても良い。なお、この歪み度合は繊維ウエブの
白化によって確認できる。
【0017】次いで、流体流を作用させて、分割性繊維
を分割して、生じた極細繊維を絡合することによって得
た不織布は、極細繊維が絡合していると共に、繊維ウエ
ブの段階での融着部が残存し、部分的に融着している。
そのため、融着繊維のみによって融着した場合には、融
着繊維の融着した残存融着部を有し、分割性繊維の低融
点成分を融着した場合には、極細繊維の長さ方向に融着
部を有し、束状になっている場合がある。後者の場合、
極細繊維に分割していると共に、極細繊維束を形成して
いるため、不織布の強度と保液性に優れている。なお、
極細繊維束とは一本の分割性繊維において、分割性繊維
の長さの50%以上が分離し、かつ融着部分によって束
状になったものをいい、この分離とは隣接する樹脂成分
が剥離した状態をいう。また、極細繊維は極細繊維束か
ら完全に分離した状態にあっても良いし、極細繊維の一
部が極細繊維束に留まった状態にあっても良い。なお、
この極細繊維と極細繊維束とが混在した状態にある場
合、不織布表面の均一性の点から、極細繊維束は、主と
して不織布内部に存在しているのが好ましい。
【0018】本発明の流体流による作用は、例えば、ノ
ズル径0.05〜0.3mm、好適には0.08〜0.2mm、
ピッチ0.2〜3mm、好適には0.4〜2mmで一列以上、
配列したノズルプレートから、圧力10〜300kg/c
m2、好適には50〜250kg/cm2の流体流を噴出させる
もので、この流体流による作用は1回である必要はな
く、必要であれば、2回以上作用させれば良い。また、
流体流の作用面は繊維ウエブの片面又は両面である。な
お、本発明においては、融着した繊維ウエブに流体流を
作用させるため、孔を形成することなく、最初から10
0kg/cm2程度の高圧流体流を作用させたり、孔径0.1
5〜0.18mm程度の大きな径のノズルを使用すること
ができるので、流体流の作用回数を減らすなど、効率的
に作用させることができる。
【0019】なお、流体流を作用させる際に、繊維ウエ
ブを載置するネットや多孔板などの支持体の非開孔部が
太いと、得られる不織布も大きな孔を有するものとな
り、電極間の短絡が生じやすくなるので、例えば、線径
0.25mm以下の細いワイヤーからなる60メッシュ以
上の目の細かい平滑なネットを使用するのがより好まし
い。この流体流としては製造上取り扱い易い水流、特
に、注状流は効率的に分割性繊維を分割し、絡合できる
ので好適である。
【0020】このようにして本発明の不織布を得るが、
前述の融着繊維を繊維ウエブに混合しておき、流体流を
作用させた後に、熱処理により融着させると、より強度
の優れた不織布とすることができる。なお、前述のよう
に、この熱処理により極細繊維を融着させて保液性を低
下させないように、分割性繊維の低融点成分よりも10
℃以上低い融点を有する融着繊維を使用するのが好まし
い。この融着繊維は分割性繊維の量を減らさないよう
に、50重量%以下、より好ましくは30重量%以下と
する。なお、融着繊維のみによって、繊維ウエブを融着
する場合には、10重量%以上混合するのが好ましい。
【0021】次いで、この不織布をスルホン化処理、フ
ッ素処理、ビニルモノマーのグラフト重合処理の中から
選ばれる、少なくとも1つの親水化処理を施すことによ
って、長期間の保液性を有する本発明のセパレータとす
る。なお、界面活性剤を併用して、電解液の浸透速度を
速くしても良い。また、この不織布は強度があり、親水
化処理時に伸張して幅が狭くなったりしないので、効率
的に親水化処理ができる。
【0022】スルホン化処理としては、例えば、発煙硫
酸、硫酸などで処理すれば良い。これらの中でも、発煙
硫酸によるスルホン化処理は、反応性が高く、比較的容
易にスルホン化できるため、好適に使用できる。なお、
前述のポリスチレン系樹脂の混在した分割性繊維を分割
して得た極細繊維は、表面の一部にポリスチレン系樹脂
が露出しているので、よりスルホン化しやすいという特
長がある。
【0023】フッ素ガス処理としては、例えば、不活性
ガスで希釈したフッ素ガスに酸素ガス、二酸化炭素ガ
ス、二酸化硫黄ガスなどを添加、混合したガスによって
処理すれば良い。なお、不織布に二酸化硫黄ガスを予め
付着させた後に、フッ素ガスを接触させる方法は、より
効率的で、恒久的な親水化処理方法である。
【0024】ビニルモノマーのグラフト重合としては、
ビニルモノマーとして、例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビ
ニルピリジン、ビニルピロリドン、或いはスチレンを使
用することができる。これらの中でも、アクリル酸は電
解液との親和性に優れているため、好適に使用できる。
なお、スチレンをグラフト重合した場合には、電解液と
の親和性をもたせるために、スルホン化するのが好まし
い。
【0025】これらビニルモノマーの重合方法は、例え
ば、ビニルモノマーと重合開始剤を含む溶液中に不織布
を浸漬、加熱する方法、不織布にビニルモノマーを塗布
した後、放射線を照射する方法、不織布に放射線を照射
した後にビニルモノマーと接触させる方法、増感剤を含
むビニルモノマー溶液を不織布に含浸した後、紫外線を
照射する方法などがある。なお、ビニルモノマー溶液と
不織布とを接触させる前に、紫外線照射、コロナ放電、
プラズマ放電などにより、不織布の繊維表面を処理する
と、ビニルモノマー溶液との親和性がより高くなり、効
率的にグラフト重合できるので好適である。
【0026】このビニルモノマーをグラフト重合したセ
パレータは、スルホン化等に比べて、より保液性に優れ
ているため、好適に使用できる。なお、ビニルモノマー
のグラフト率はセパレータを構成する極細繊維の径と密
接な関係があり、本発明のように平均繊維径が0.1〜
6μmの極細繊維を構成繊維とする場合には、グラフト
率を10〜30%とするのが好ましい。グラフト率が1
0%未満では、グラフト重合したにも関わらず、保液性
があまり向上せず、30%を越えると、電池が自己放電
しやすくなるため、より好ましくはグラフト率を15〜
25%とする。なお、このグラフト率は、セパレータ重
量に対する、ビニルモノマーの重合による重量増加分の
百分率をいう。そのため、グラフト率が100%を越え
ることもある。
【0027】本発明のセパレータは、分割性繊維を十分
に分割して、極細繊維としたものであり、しかも親水化
処理したものであるため、保液性の指標である加圧保液
率が10%以上となり、保液性に優れ、しかも極細繊維
が絡合していると共に、部分的に融着部分が残存してい
るため、少なくとも一方向の5%モジュラス強度が3kg
/5cm幅以上で、電池製造を自動化できるものである。因
みに、分割性繊維を含む繊維ウエブを流体流を作用させ
て分割した後、5%モジュラス強度を向上させるため
に、分割性繊維の低融点成分を融着させたセパレータ
は、親水化処理しても加圧保液率が10%未満と保液性
が悪いものである。より好ましい加圧保液率は15%以
上で、少なくとも一方向の5%モジュラス強度が5kg/5
cm幅以上である。なお、5%モジュラス強度、加圧保液
率とも、目付50g/m2に換算した値をいう。
【0028】なお、この5%モジュラス強度は、5cm幅
のセパレータを引張強伸度試験機((株)オリエンテッ
ク製)のチャック間(10cm)に挟み、引張速度100
mm/分で0.5cm(5%)引張った時の強度をいう。な
お、目付50g/m2の引張強度(T50)に換算は、セパレ
ータの目付をW、0.5cm(5%)引張った時の強度を
Tとした場合に、T50=(50/W)×T、の式により
行う。
【0029】また、加圧保液率は次のようにして得られ
る値である。直径30mmに裁断したセパレータを、温度
20℃、相対湿度65%の状態下で、水分平衡に至らせ
た後、重量(W0)を測定する。次に、セパレータ中の
空気を水酸化カリウム溶液で置換するために、比重1.
3(20℃)の水酸化カリウム溶液中に1時間浸漬し、
水酸化カリウム溶液を保持させる。次に、このセパレー
タを上下3枚づつのろ紙(直径30mm)で挟み、加圧ポ
ンプにより、58kg/cm2の圧力を30秒間作用させた
後、セパレータの重量(W1)を測定する。そして、下
記の式から、加圧保液率を算出する。この測定は1つの
セパレータに対して4回行ない、その平均値を加圧保液
率とする。
【0030】このようにして得られるセパレータの目付
は、不織布を形成できるように、10g/m2以上で、電池
容量を落とさないように、100g/m2以下であるのが好
ましく、より好ましくは40〜80g/m2である。なお、
厚さはカレンダーなどによって調整することができる
が、500g/m2荷重時の厚さが0.07〜0.3mmである
のが好ましい。
【0031】以上のようにして得られるセパレータは、
耐電解液性、耐酸化性、及び保液性に優れているため、
電極を分離するように本発明のセパレータを使用した電
池は長期間に亘り、円滑に起電反応を行なうことのでき
るものである。また、本発明のセパレータは強度がある
ので、電池の製造工程を自動化でき、効率的に電池が製
造できる。
【0032】本発明のセパレータは一次電池、二次電池
のいずれにも使用でき、円筒形、ボタン形、扁平形、角
形などの形状は問わず、二次電池である場合には開放
形、密閉形であることも問わない。より具体的には、マ
ンガン乾電池、アルカリマンガン電池、水銀電池、酸化
銀電池、空気電池、塩化銀電池、リチウム電池などの一
次電池、鉛蓄電池、エジソン電池、ユングナー電池、ニ
ッケル−カドミウム電池、銀−亜鉛電池、銀−カドミウ
ム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池、ニ
ッケル−鉄電池などの二次電池のセパレータとして好適
に使用できるものである。
【0033】以下に、本発明のセパレータの実施例を記
載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0034】
【実施例】
(実施例1)図1(d)に示すような菊花状の断面形状
を有し、略楕円形状を有するポリプロピレン成分(融点
160℃、分割後の平均繊維径3.5μm)と、楔形状を
有する高密度ポリエチレン成分(融点138℃、分割後
の平均繊維径3.5μm)と、円形状を有するポリプロピ
レン成分(融点160℃、分割後の平均繊維径2.4μ
m)とからなり、この高密度ポリエチレン成分が繊維表
面の75%を占める、17分割可能な分割性繊維(繊度
1.3デニール、繊維長5mm)80重量%と、ポリプロ
ピレン繊維(繊度1.5デニール、繊維長10mm、融点
160℃)20重量%から、湿式法により繊維ウエブを
形成した。次いで、この繊維ウエブを140℃の熱風乾
燥機を通して、分割性繊維の高密度ポリエチレン成分の
みを融着させた。次いで、この融着した繊維ウエブを、
ショアB硬度80゜の樹脂ロールと金属ロールとからな
るカレンダーロール間を、線圧150kg/cm、20m/
分の速度で通した後、空間率28%、たて方向の線径
0.132mm、よこ方向の線径0.152mmで構成された
100メッシュのネットに載置し、このネットを6m/
分で移動させながら、直径0.13mm、ピッチ0.6mmで
配置したノズルから、順に水圧80、80、90kg/cm2
の水流で処理した後、この繊維ウエブを反転させ、同様
のノズルから、順に水圧80、90、20kg/cm2の水流
で処理して、分割性繊維を分割すると同時に絡合し、1
25℃の熱風乾燥機で乾燥して、不織布を得た。そし
て、この不織布を速度2m/分で15重量%発煙硫酸浴
に浸漬してスルホン化し、目付45g/m2、厚さ0.19m
mで、内部に極細繊維束を有するセパレータを得た。こ
のセパレータの加圧保液率は18.9%で、長さ方向の
5%モジュラス強度は5.2kg/5cm幅であった。また、
不織布の幅はスルホン化前が105cmで、スルホン化後
が102cmであったため、幅がほとんど狭くなることな
くセパレータを製造できた。
【0035】(実施例2)ポリプロピレン繊維に代え
て、芯成分がポリプロピレン(融点160℃)で、鞘成
分が低密度ポリエチレン(融点120℃)からなる芯鞘
型融着繊維(繊度2デニール、繊維長20mm)を20重
量%使用したこと、カレンダーを作用させる前の繊維ウ
エブを140℃の熱風乾燥機を通して、芯鞘型融着繊維
の低密度ポリエチレン成分と、分割性繊維の高密度ポリ
エチレン成分を融着させたこと、及び水流により分割性
繊維を分割すると同時に絡合した後に、125℃の熱風
乾燥機で乾燥して、芯鞘型融着繊維の低密度ポリエチレ
ン成分のみを再度融着させたこと以外は、実施例1と全
く同様にして、目付45g/m2、厚さ0.18mmで、内部
に極細繊維束を有するセパレータを得た。このセパレー
タの加圧保液率は19.7%で、長さ方向の5%モジュ
ラス強度は5.8kg/5cm幅であった。また、不織布の幅
はスルホン化前が105cmで、スルホン化後が104cm
であったため、幅がほとんど狭くなることなくセパレー
タを製造できた。
【0036】(実施例3)カレンダーを作用させる前の
繊維ウエブを125℃の熱風乾燥機を通して、芯鞘型融
着繊維の低密度ポリエチレン成分のみを融着させたこと
以外は、実施例2と全く同様にして、目付60g/m2、厚
さ0.25mmで、内部に極細繊維束を有するセパレータ
を得た。このセパレータの加圧保液率は20.8%で、
長さ方向の5%モジュラス強度は3.3kg/5cm幅であっ
た。また、不織布の幅はスルホン化前が105cmで、ス
ルホン化後が100cmであったため、幅がほとんど狭く
なることなくセパレータを製造できた。
【0037】(実施例4)図1(b)に示すような菊花
状の断面形状を有し、略楕円形状を有するポリプロピレ
ン成分(融点160℃、分割後の平均繊維径3.8μm)
と、楔形状を有する高密度ポリエチレン成分(融点13
8℃、分割後の平均繊維径3.7μm)とからなり、この
高密度ポリエチレン成分が繊維表面の70%を占める、
16分割可能な分割性繊維(繊度1.5デニール、繊維
長10mm)100%から、湿式法により繊維ウエブを形
成した。次いで、この繊維ウエブを140℃の熱風乾燥
機を通して、分割性繊維の高密度ポリエチレン成分のみ
を融着させた後、空間率28%、たて方向の線径0.1
32mm、よこ方向の線径0.152mmで構成された10
0メッシュのネット上に載置し、このネットを5m/分
で移動させながら、直径0.13mm、ピッチ0.6mmで配
置したノズルから、水圧82kg/cm2の水流を噴出し、次
いで、繊維ウエブを反転して、同様のノズルから水圧8
2kg/cm2の水流を噴出するというサイクルを3サイクル
行い、分割性繊維を分割すると同時に絡合し、125℃
の熱風乾燥機で乾燥して、不織布を得た。そして、実施
例1と同様にスルホン化し、目付50g/m2、厚さ0.1
8mmで、内部に極細繊維束を有するセパレータを得た。
このセパレータの加圧保液率は21.8%で、長さ方向
の5%モジュラス強度は6.5kg/5cm幅であった。ま
た、不織布の幅はスルホン化前が105cmで、スルホン
化後が103cmであったため、幅がほとんど狭くなるこ
となくセパレータを製造できた。
【0038】(実施例5)図1(b)に示すような菊花
状の断面形状を有し、略楕円形状を有するポリプロピレ
ン成分(融点160℃、分割後の平均繊維径3.8μm)
と、楔形状を有する、高密度ポリエチレン(融点138
℃)85重量%と、曲げ弾性率3.2×104kg/cm2のア
タクチック構造を有するポリスチレン(融点230℃)
15重量%とからなる混合樹脂成分(分割後の平均繊維
径3.7μm)とからなり、この混合樹脂成分が繊維表面
の70%を占める、16分割可能な分割性繊維(繊度
1.5デニール、繊維長10mm)100%から、湿式法
により繊維ウエブを形成した。次いで、この繊維ウエブ
を140℃の熱風乾燥機を通して、分割性繊維の混合樹
脂成分のみを融着させた後、実施例4と同様にして、水
流の噴出を1.5サイクル行い、分割性繊維を分割する
と同時に絡合した。次いで、125℃の熱風乾燥機で乾
燥して、不織布を得た。そして、実施例1と同様にスル
ホン化し、目付50g/m2、厚さ0.19mmで、内部に極
細繊維束を有するセパレータを得た。このセパレータの
加圧保液率は23.2%で、長さ方向の5%モジュラス
強度は4.9kg/5cm幅であった。また、不織布の幅はス
ルホン化前が105cmで、スルホン化後が101cmであ
ったため、幅がほとんど狭くなることなくセパレータを
製造できた。なお、分割性繊維が高密度ポリエチレンに
ポリスチレンを混合した、混合樹脂成分を有しているた
め、カレンダーで押圧しなくても容易に分割することが
でき、しかも水流の噴出回数を減らすことができるの
で、製造上、好適であった。
【0039】(実施例6)実施例1と同じ17分割可能
な分割性繊維50重量%と、ポリプロピレン繊維(繊度
0.7デニール、繊維長10mm、融点160℃)50重
量%から、湿式法により繊維ウエブを形成したこと以外
は、実施例1と全く同様にして、目付55g/m2の不織布
を得た。そして、この不織布を下記の配合からなるアク
リル酸モノマー水溶液を含浸した後、脱酸素条件下で、
ポリプロピレン製の袋に入れて密封し、不織布の両面に
対して、110ワットの高圧水銀灯を2個づつ使用し、
184.9nm及び253.7nm付近の低波長紫外線
を、15cmの距離から1分間照射して、アクリル酸を
グラフト重合して、親水化し、目付65g/m2、厚さ0.
26mm、グラフト率18%の、内部に極細繊維束を有す
るセパレータを得た。このセパレータの加圧保液率は2
2.2%で、長さ方向の5%モジュラス強度は8.4kg/5
cm幅であった。この不織布の幅はグラフト重合前が10
5cmで、グラフト重合後が104cmであったため、殆ど
幅が狭くなることなくセパレータを製造できた。 記 (アクリル酸モノマー水溶液の配合、重量%) アクリル酸モノマー ・・20.0 水 ・・76.7 ベンゾフェノン ・・ 0.2 ノニオン系界面活性剤 ・・ 3.0 硫酸第1鉄 ・・ 0.1
【0040】(比較例1)17分割可能な分割性繊維9
2重量%と、芯鞘型融着繊維を8重量%とを使用したこ
と以外は、実施例3と全く同様にして、目付60g/m2
セパレータを得ようとしたが、スルホン化前の不織布の
幅105cmが、スルホン化後には74cmと著しく幅が狭
くなったため、地合の悪いセパレータしか得られなかっ
た。
【0041】(比較例2)水流により分割性繊維を分割
すると同時に絡合した後に、140℃の熱風乾燥機で乾
燥して、芯鞘型融着繊維の低密度ポリエチレン成分及び
分割性繊維の高密度ポリエチレン成分を融着させたこと
以外は、実施例2と全く同様にして、目付45g/m2、厚
さ0.20mmのセパレータを得た。このセパレータの長
さ方向の5%モジュラス強度は10.8kg/5cm幅であっ
たが、加圧保液率が6.2%と保液性が悪く、セパレー
タとしては不適であった。
【0042】
【発明の効果】本発明の電池用セパレータは、ポリオレ
フィン系極細繊維が絡合していると共に、部分的に融着
部を有する、親水化処理した不織布であり、少なくとも
一方向の5%モジュラス強度が3kg/5cm幅以上で、加圧
保液率が10%以上であるため、保液性に優れ、しかも
電池製造を自動化できるものである。
【0043】本発明のセパレータの製造方法は、分割性
繊維を含む繊維ウエブを熱処理して、この分割性繊維の
低融点成分を少なくとも融着した後、流体流を作用させ
ることにより、この分割性繊維を極細繊維に分割及び絡
合し、次いで、親水化処理を施したり、分割性繊維と、
この分割性繊維の低融点成分よりも10℃以上低い融点
を有する融着繊維を10重量%以上混合した繊維ウエブ
を熱処理して、少なくともこの融着繊維を融着した後、
流体流を作用させることにより、この分割性繊維を極細
繊維に分割及び絡合し、次いで、親水化処理を施すこと
により、少なくとも一方向の5%モジュラス強度が3kg
/5cm幅以上で、加圧保液率が10%以上の不織布とする
方法であるため、容易に低目付のセパレータを形成でき
る方法である。
【0044】本発明の電池は上記セパレータを使用して
いるため、長期間に亘って、円滑に起電反応を行なうこ
とのできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 本発明の分割性繊維の模式的な断面図 (b) 本発明の他の分割性繊維の模式的な断面図 (c) 本発明の他の分割性繊維の模式的な断面図 (d) 本発明の他の分割性繊維の模式的な断面図 (e) 本発明の他の分割性繊維の模式的な断面図
【符号の説明】
1 一ポリオレフィン系樹脂成分 2 他ポリオレフィン系樹脂成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 14/10 D06M 14/10 // D06M 101:20 7/02 A

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系極細繊維(以下、「極
    細繊維」という)が絡合し、部分的に融着部を有すると
    共に、親水化処理された不織布であり、該不織布の少な
    くとも一方向の5%モジュラス強度が3kg/5cm幅以上
    で、加圧保液率が10%以上であることを特徴とする電
    池用セパレータ。
  2. 【請求項2】 極細繊維同士が融着した極細繊維束が混
    在していることを特徴とする請求項1記載の電池用セパ
    レータ。
  3. 【請求項3】 二種類以上の極細繊維からなり、最も融
    点の低い極細繊維と、最も融点の高い極細繊維との融点
    差が10℃以上あり、該最も融点の高い極細繊維以外の
    少なくとも一種類の極細繊維が融着していることを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載の電池用セパレータ。
  4. 【請求項4】 最も融点の低い極細繊維よりも10℃以
    上低い融点を有する融着繊維が混在し、融着しているこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    電池用セパレータ。
  5. 【請求項5】 極細繊維中に、曲げ弾性率2×104kg/
    cm2以上の硬質樹脂が混在していることを特徴とする請
    求項1〜請求項4のいずれかに記載の電池用セパレー
    タ。
  6. 【請求項6】 曲げ弾性率2×104kg/cm2以上の硬質
    樹脂がポリスチレン系樹脂であることを特徴とする請求
    項5記載の電池用セパレータ。
  7. 【請求項7】 親水化処理が、スルホン化処理、フッ素
    化処理、ビニルモノマーのグラフト重合処理の中から選
    ばれる、少なくとも1つであることを特徴とする請求項
    1〜請求項6のいずれかに記載の電池用セパレータ。
  8. 【請求項8】 不織布の目付が10〜100g/m2である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載
    の電池用セパレータ。
  9. 【請求項9】 極細繊維の平均繊維径が、0.1〜6μm
    であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか
    に記載の電池用セパレータ。
  10. 【請求項10】 極細繊維が異形断面状を有することを
    特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の電池
    用セパレータ。
  11. 【請求項11】 極細繊維の平均繊維長が3〜25mmで
    あることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか
    に記載の電池用セパレータ。
  12. 【請求項12】 二種類以上のポリオレフィン系樹脂成
    分からなり、極細繊維に分割可能な複合繊維(以下、
    「分割性繊維」という)を含む繊維ウエブを熱処理し
    て、該分割性繊維の最も融点の低い樹脂成分(以下、
    「低融点成分」という)を少なくとも融着した後、流体
    流を作用させて該分割性繊維を極細繊維に分割及び絡合
    し、次いで、親水化処理して、少なくとも一方向の5%
    モジュラス強度が3kg/5cm幅以上で、加圧保液率が10
    %以上とすることを特徴とする電池用セパレータの製造
    方法。
  13. 【請求項13】 分割性繊維と、該分割性繊維の低融点
    成分よりも10℃以上低い融点を有する融着繊維を10
    重量%以上混合した繊維ウエブを熱処理して、少なくと
    も該融着繊維を融着した後、流体流を作用させて該分割
    性繊維を極細繊維に分割及び絡合し、次いで、親水化処
    理して、少なくとも一方向の5%モジュラス強度が3kg
    /5cm幅以上で、加圧保液率が10%以上とすることを特
    徴とする電池用セパレータの製造方法。
  14. 【請求項14】 熱処理した繊維ウエブに流体流を作用
    させた後、熱処理し、融着繊維のみを融着することを特
    徴とする請求項13記載の電池用セパレータの製造方
    法。
  15. 【請求項15】 繊維ウエブを熱処理して融着した後、
    流体流を作用させる前に、固体押圧手段で押圧すること
    を特徴とする請求項12〜請求項14のいずれかに記載
    の電池用セパレータの製造方法。
  16. 【請求項16】 固体押圧手段がカレンダーであること
    を特徴とする請求項15に記載の電池用セパレータの製
    造方法。
  17. 【請求項17】 親水化処理がスルホン化処理、フッ素
    化処理、ビニルモノマーのグラフト重合処理の中から選
    ばれる、少なくとも1つであることを特徴とする請求項
    12〜請求項16のいずれかに記載の電池用セパレータ
    の製造方法。
  18. 【請求項18】 分割性繊維の低融点成分と、分割性繊
    維の最も融点の高い樹脂成分(以下、「高融点成分」と
    いう)との融点差が10℃以上あることを特徴とする請
    求項12〜請求項17のいずれかに記載の電池用セパレ
    ータの製造方法。
  19. 【請求項19】 分割性繊維の低融点成分が分割性繊維
    表面の30〜90%を占めていることを特徴とする請求
    項12〜請求項18のいずれかに記載の電池用セパレー
    タの製造方法。
  20. 【請求項20】 分割性繊維のポリオレフィン系樹脂成
    分中に、曲げ弾性率2×104kg/cm2以上の硬質樹脂が
    混在していることを特徴とする請求項12〜請求項19
    のいずれかに記載の電池用セパレータの製造方法。
  21. 【請求項21】 曲げ弾性率2×104kg/cm2以上の硬
    質樹脂が、ポリスチレン系樹脂であることを特徴とする
    請求項20記載の電池用セパレータの製造方法。
  22. 【請求項22】 繊維ウエブが湿式法で形成されること
    を特徴とする請求項12〜請求項21のいずれかに記載
    の電池用セパレータの製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項1〜11のいずれかに記載の電
    池用セパレータを使用したことを特徴とする電池。
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