JP4447735B2 - ジャカード型の製織機構およびそのような機構を備えた織機 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、織機でヒ口を形成するために用いられる機械に関し、特にジャカード型の製織機構に関する。本発明はまたそのような機構を備えた織機にも関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の構造では、ジャカード機構は、織機より上に配置されたヘッド作用装置と、このヘッドを織機上で引っ張られたタテ糸にに連結するハーネスとを有する。このハーネス自体は、垂直な変位運動がヘッドにより直接かつ個々に制御される一連の通糸を有する。各通糸は一つ以上のヘルド上にカラーにより組み立てられ、各ヘルドはタテ糸が通るメールを担持している。
【０００３】
周知の装置は、非常にしばしば、通糸に運動学的に連接されたタテ針を上昇させるかまたはさせないように意図されたグリッフまたはナイフを支承するグリッフフレームを有する。これらのグリッフフレームを垂直な往復運動で駆動することは、織機の中心軸から、精巧な機械的な変速歯車装置の使用を必要とするとともに、得られるヒ口の精度はこの運動学的な組立体の機械的な隙間に依存している。周知の機械的な装置は複雑でかつ容易にはアクセスできず、そのためその組立や保守には不利益である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、コンパクトで、経済的なかつ容易にアクセスでき、したがって使用しやすい製織機構および織機を提案することにより上記の限界を克服することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
その目的のために、織機でヒ口を形成するためのジャッカード型の製織機構であって、この機構が、織機のタテ糸と関連したヘルドと固着した通糸を有するハーネスと関連している製織機構において、本発明により、前記通糸は、織機より上に配置された２つのパネルを形成する、列をなしておよびまたは柱をなして配置された電気的アクチュエータにより制御され、これらのアクチュエータに電気を供給するためのユニットがアクチュエータと関連した電子制御手段に接続されかつこれらのパネルの間に区画された区画室に収容されており、前記パネルは互いに傾斜しており、パネルの間隔を置いた関係は上方に向かって増加しており、前記区画室にアクセスするための開口は前記パネルの上縁の高さに設けられていることを特徴とする。
【０００６】
本発明のおかげで、これらのアクチュエータにより形成されたパネルおよびこれらのアクチュエータに電気を供給しかつアクチュエータの温度を監視するためのユニットが、織機の組立および保守の作業のためにアクセスしやすいコンパクトで経済的な組立体で存在することができる。このように形成された区画室は供給および監視ユニットをその環境から、特に機械的な衝撃や埃または周囲の綿毛から能率的に保護する。
【０００７】
本発明の有利な、しかし任意の面により、その機構には一つ以上の次の特徴が組み込まれている。
【０００８】
−パネルの端部に配置された２つの板が区画室に面しており、これらの板の一方はこの区画室およびまたはアクチュエータの温度を監視する手段を支持している。その場合に、温度監視手段は、有利には、供給およびまたは監視ユニットの方へおよびまたはアクチュエータの方へ冷却空気の流れを向けるようになっている通気ユニットを有する。本発明のこの面により、監視ユニットおよびアクチュエータは同じ装置で冷却することができるが、これは本発明の機構の信頼性と価格の観点から有利である。また、パネルがアクチュエータを通気するために空気の循環用の通路を形成するかまたは支持するようにすることができ、これらのパネルは通気ユニットから実質的に板の間を延びている。
【０００９】
−本機構は、通気ユニットから過剰圧力下で冷却空気を入れるための室を有し、この室は板に作られたオリフィスを介して、パネルにより形成されるかまたは支持された区画室および通路と連通している。その場合に、対向する板に、区画室または通路から来る冷却空気を抜くためのオリフィスが設けられているのが有利である。
【００１０】
−パネルは互いに傾斜しており、パネルの間隔を置いて離れた関係は上方に向かって増加しており、区画室へアクセスするための開口がこれらのパネルの上縁の高さに設けられている。その場合に、この開口を閉鎖するための取り外し可能なカバーを設けるのが有利である。この開口にアクセスする歩道を織機の構造に一体化することもできる。
【００１１】
−パネルはアクチュエータを収容する箱により形成され、これらの箱は列をなしておよびまたは柱をなして互いに組み立てられている。
【００１２】
本発明は、また前述した製織機構を備えた織機にも関する。この織機は従来の織機より使用および保守がいっそう簡単である。その出力は周知の技術に対して実質的に改良され、かつ一本ずつ糸を制御することができるかまたはジャカードハーネスの数本の糸の群を制御することもできる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態により詳細に説明する。
【００１４】
図面を参照すると、図１〜４に概略的に示した機構が多数の箱１の相互の組立体により形成されており、それぞれの箱１は複数の回転アクチュエータ２を含み、その被駆動軸は、織機のタテ糸６を制御するように意図されたヘルド５に連結された通糸４を巻くためのプーリー３を支持している。各ヘルドは弾性的な戻りシステム７により織機のフレームに連結されている。
【００１５】
種々の箱１は図１の平面に対し垂直に列をなしてかつこの平面に平行に柱をなして組み立てられており、その結果それらの箱は製織領域より上に、すなわち織機自体より上に配置された２つのパネルＡとＢを形成している。パネルＡとＢは上方に開放したＶ構造を形成しかつ通糸４の間の干渉を避けるように通糸４を案内するための板８を支持しているとともに、ハーネス板９がヘルド５より上に設けられている。
【００１６】
下部構造１０が前述した配置で織機より上にパネルＡとＢを支持している。この下部構造は階段１２によりアクセス可能な歩道１１を有する。
【００１７】
パネルＡとＢの間に空間が区画されており、図１の平面におけるその空間の横断面は実質的に三角形でありかつその内側にアクチュエータ２への電気供給のためのおよびアクチュエータ２の温度を監視するためのユニット２０が収容されている。
【００１８】
ユニット２０は、特に、変圧器と、動力を供給するためのおよびアクチュエータ２を制御する一つ以上の電子紋紙を供給するための整流器−調整器ユニットとを有する。またユニット２０は、種々の可能な電圧源の間を切り換えるシステムだけではなく、電池および非常用電池も含む。ユニット２０は導電線のウエブまたは導電ロッドにより各パネルＡとＢのアクチュエータ２に接続されている。実際に、導電ウエブまたは導電ロッドは箱１のそれぞれにおいてモータ２と関連した電子制御紋紙２′に接続され、そのような紋紙は図４にのみ示してある。
【００１９】
カバー２１がユニット２０およびパネルＡとＢを覆っている。
【００２０】
このようにして、上記の空間はユニット２０を収容して保護するための区画室２２を形成する。
【００２１】
カバー２１は区画室２２の上側開口２２ａを密閉するためにパネルＡとＢにぴったりと取り付けられるのが有利であり、それによってユニット２０を周囲の大気の綿毛から有効に保護することができる。
【００２２】
２つの板２３と２４が区画室２２の端部に設けられかつパネルＡとＢに対しほぼ垂直な平面内を延びている。
【００２３】
ユニット２０は、板２３と２４上にそれぞれ固定された２つのブラケット２５のおかげで区画室２２に支持されている。
【００２４】
ブラケット２６のおかげで、板２３はまた通気ユニット２７を支持しており、この通気ユニットは板２３に取り付けられたカバー２９により形成された室２８内に配置され、カバー２９にはフィルタ３０を備えた空気入口オリフィス２９ａが設けられている。ユニット２７により、室２８内に過剰圧力をつくることができるが、その際この過剰圧力は図２と３に矢印Ｆにより示された空気の流れの形で区画室２２の内部に向かって分配される。空気のこの流れは、電流の消費により熱くなる傾向があるユニット２０を冷却する効果を有する。この目的のために、複数のオリフィス２３ａが冷却空気を通すために板２３に設けられているとともに、対応するオリフィス２４ａが冷却空気が抜けるように板２４に設けられている。
【００２５】
アクチュエータ２を冷却するための通路３１もパネルＡとＢにアクチュエータ２の後部に対して設けられており、これらの通路３１は特定のオリフィス２３ｂのおかげで室２８と連通しており、これらのオリフィスは板２４に設けられた空気抜きオリフィス２４ｂと整合されている。
【００２６】
室２８から来る空気の流れＦにより、過剰圧力が区画室２２内におよび通路３１内に発生し、それによってこれらの容積内の綿毛の蓄積が避けられる。熱伝達を改善するために、通路３１には箱１を冷却するための内側フィンを設けることができる。
ユニット２０へのアクセスは、カバー２１がパネルＡとＢの上縁の高さで密閉する開口２２ａからカバー２１を取り除くことにより可能である。そのとき、歩道１１に立っている作業者が組立作業、ユニット２０を構成する要素の監視または保守、人間工学の観点から満足のゆく位置での操作をこれらの要素への優れたアクセスの可能性をもって容易に進めることができる。歩道１１により、アクチュエータ２におよびまたは通糸４にその組立と保守のためにアクセスすることもできる。
【００２７】
それ故、本発明により、作業者の介在の信頼性を増大させかつ織機の組立と保守の間その原理にしたがって時間を節約することができる。要するに、織機が使用される現場へ送られる前に配線と電気的接続の大部分を工場でして試験をすることができるとともに、得られた組立体はコンパクトで、丈夫でありかつ経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明による織機の概略垂直断面図である。
【図２】 図１の線II-IIに沿って切断した拡大部分断面図である。
【図３】 図1 の線III-IIIに沿って切断した拡大部分断面図である。
【図４】 図１に見られる箱の詳細図である。
【符号の説明】
２ アクチュエータ
４ 通糸
５ ヘルド
６ タテ糸
２０ 供給および監視ユニット
２２ 区画室
２２ａ 開口
２３，２４ ２つの板
２３ａ，２３ｂ オリフィス
２４ａ，２４ｂ オリフィス
２７ 通気ユニット
２７〜３０ アクチュエータを監視する手段
２８ 冷却空気を入れるための室
３１ 空気循環用通路
Ａ，Ｂ ２つのパネル
Ｆ 冷却空気

Claims (9)

1. 織機でヒ口を形成するためのジャッカード型の製織機構であって、この機構が、織機のタテ糸（６）と関連したヘルド（５）と固着した通糸（４）を有するハーネスと関連している製織機構において、
   前記通糸は、織機より上に配置された２つのパネル（Ａ，Ｂ）を形成する、列をなしておよびまたは柱をなして配置された電気的アクチュエータ（２）により制御され、
   これらのアクチュエータに電気を供給するためのユニット（２０）がアクチュエータと関連した電子制御手段（２’）に接続されかつこれらのパネルの間に区画された区画室（２２）に収容されており、
   前記パネルは互いに傾斜しており、パネルの間隔を置いた関係は上方に向かって増加しており、前記区画室（２２）にアクセスするための開口（２２ａ）が前記パネルの上縁の高さに設けられていることを特徴とする製織機構。
2. 前記パネル（Ａ，Ｂ）の端部に配置されかつ前記区画室（２２）に面する２つの板（２３，２４）を有し、前記板の一方は、前記区画室のおよびまたは前記アクチュエータ（２）の温度を監視するための手段（２７〜３０）を支持していることを特徴とする請求項１に記載の製織機構。
3. 前記温度監視手段は、前記供給ユニット（２０）およびまたは監視ユニットの方へおよびまたは前記アクチュエータ（２）の方へ冷却空気（Ｆ）の流れを向けるようになっている通気ユニット（２７）を有することを特徴とする請求項２に記載の製織機構。
4. 前記通気ユニット（２７）は周囲の大気に対して前記区画室（２２）内に過剰圧力を発生するようになっていることを特徴とする請求項３に記載の製織機構。
5. 前記パネルは前記アクチュエータ（２）を通気するための空気循環用通路（３１）を形成するかまたは支持しており、前記通路は前記通気ユニット（２７）により冷却空気が供給されかつ前記板（２３，２４）の間を延びていることを特徴とする請求項３または４に記載の製織機構。
6. 前記通気ユニットから過剰圧力下で冷却空気を入れるための室（２８）を有し、前記室は、前記板（２３）に作られたオリフィス（２３ａ，２３ｂ）を介して前記パネル（Ａ，Ｂ）により形成されるかまたは支持された前記区画室（２２）およびまたは通路（３１）と連通していることを特徴とする請求項３から５までのうちのいずれか一つに記載の製織機構。
7. 第一の板（２３）に対向する板（２４）には、前記区画室（２２）およびまたは前記通路（３１）から来る冷却空気を抜くためのオリフィス（２４ａ, ２４ｂ) が設けられていることを特徴とする請求項６に記載の製織機構。
8. 前記パネル（Ａ，Ｂ）は前記アクチュエータ（２）を収容するための箱（１）により形成されており、前記箱は互いに列をなしておよびまたは柱をなして組み立てられていることを特徴とする請求項１から７までのうちのいずれか一つに記載の製織機構。
9. 請求項１から８までのうちのいずれか一つに記載の製織機構（１〜２８) を有する織機。

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