JP4447646B1 - バイオリン族の弦楽器の指板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 バイオリン族の弦楽器について、観客等には音程を示す印であるとは認識されず、演奏者は一瞥により所定の音程に対応する印であることを識別でき、弦楽器の演奏に支障が生じず、正式のバイオリン族の弦楽器と認められる態様の、音程を示す印を付した指板を提供する。
【解決手段】 バイオリンの指板であって、開放弦の音高から上向きに8個音程対が音程セットとして選択され、選択された各音程に対応するバイオリン50の指板10の押さえ位置に、バイオリン50の弦の方向に直交する帯状の音程表示領域20A〜20Hが形成されている。そして、音程表示領域20A〜20Hは指板10とは色彩が異なる構成とされ、目視により識別することができ、音程表示領域20A〜20Hの表面は指板10の表面に対して面一の構成とされている。
【選択図】図1

Description

この発明はバイオリン族の弦楽器の指板に関する。さらに詳しくは、バイオリン族の弦楽器の指板であって、所定の数の音程に対応する指板の押さえ位置を目視により識別できる音程表示領域が形成された指板に関する。
本明細書では、「音程」の語は、「開放弦の音を5線上に記譜した時の音符からの隔たりを示すため、その音符から上方に向かって数えた到達点の音符までの音程」すなわち、開放弦の音高と所定の音高の、音の高さの間隔の意で用いる。よって、ある音程を特定すれば、開放弦の音高を基準として、その音程に対応する音高が決まる関係にある。そして、微分音分の音程差を有し、いずれか一方が選択される2つの音程を音程対と呼ぶ。
バイオリン、ビオラ等の弦楽器は、滑らかでフレットのない指板を備えている。これらのフレットのない弦楽器の演奏を習得する場合の本質的な困難さとして、所望の音程の音を出すために、指板のどの位置で弦を押さえれば良いかを示す印がないことが挙げられる。そのため、弦を指で正しく押さえて所望の音程の音を正確に出すことができるようになるためには相当の練習を重ねることが必要となる場合がある。
ところで、ギターやマンドリン等のフレット付きの弦楽器では、弦がフレットの縁部に接触するように弦を指板に押さえ付けることで所望の音程の音を正確に出すことができる。そのため所望の音程の音を正確に出すことに特別の困難さはない。そこで、ギター等に用いられるフレットと同様のフレットをバイオリン等のフレットのない弦楽器の指板に指板の押さえ位置の印として付加すれば、弦を指で押さえる位置の把握が容易となる。
しかし、ギター等に用いられるフレットは、弦をフレットの縁部に接触するように押さえ付けて振動する弦の端点をフレットが形成された固定位置とする方式で使用されるため、フレットが指板から突起した構造となっている。一方、バイオリン等のフレットのない弦楽器は、通常は、指先を弦の上で滑らせて指板に対して指先を素早く動かす形態で演奏されるため、指板から突起したフレットは演奏の障害となってしまう。
そこで、ギター等に用いられるフレットとは異なる構成によって、バイオリンに対する指板の押さえ位置を識別させる方法が提案されている。
例えば、特開平7−5871号公報(特許文献1)には、バイオリンの指板の指押さえ点に対応して指板に配置された複数の立ち上がり演奏領域を備えたバイオリンの指板が記載されている。特許文献1に記載の立ち上がり演奏領域は弦の下に位置する指板の表面から0.5ミリ程度の高さとされ、弦の方向の幅が数ミリ程度とされている。そのため、立ち上がり演奏領域の指への引っかかりが少ない。そこで、演奏者は、バイオリンの滑らかな指板上で従来弦を指で押さえていたのと実質上同じ態様で、立ち上がり演奏領域の頂部を指で押さえることができる。そして、指を立ち上がり演奏領域に交差して指板上で動かすことができるので、演奏者はビブラートを従来と同様の態様で演奏することができるというものである。
また、米国特許第1,126,957号(特許文献2)には、バイオリンの指板の表面と面一を成し、視覚及び触覚により識別が可能な指位置指示器が記載されている。特許文献2に記載の指位置指示器は、骨材で構成された細長い部材が、表面が指板と面一になるように指板に埋め込まれたものであって、指板と色彩が異なるために視覚による識別が可能とされている。また、指位置指示器は指板と材質が異なるため触感が異なるので触覚によっても識別が可能とされている。そして、特許文献2の指位置指示器は指板と面一の構成であるため、指先を弦の上で滑らせて指板に対して指先を素早く動かす演奏形態に対して支障がないものと考えられる。
特開平7−5871号公報 米国特許第1,126,957号
しかしながら、特許文献1に記載の立ち上がり演奏領域は、指板上に突起が形成されていることには変わりがなく、指先を指板上で素早く動かす演奏形態に支障となると考えられる。よって、立ち上がり演奏領域を指板に備えたバイオリンは、もはや正式のバイオリンとは言えないであろう。そのため、練習用に使用することはできるとしても、コンクールや実技試験で使用することは認められないであろう。
そして、特許文献1に記載の立ち上がり演奏領域は2オクターブにわたって半音音階の24音に対応した指板の押さえ位置に設けられており、立ち上がり演奏領域の距離間隔が駒側に向かって徐々に狭くなるという規則性が認められる。そのため、観客等に、立ち上がり演奏領域が音程を示す印であることが判ってしまう。また、特許文献2に記載の指位置指示器についても、指位置指示器の距離間隔が駒側に向かって徐々に狭くなるという規則性から、指位置指示器が音程を示す印であることが判ってしまう。そして、特許文献2の指位置指示器は視覚により指板との識別が可能な態様であるため目立ちやすい。そのため、従来技術では、演奏者に、音程を示す印は使いたいが、観客等には音程を示す印を使っていることは知られたくないというジレンマが生じる。
また、特許文献1の立ち上がり演奏領域も、特許文献2の指位置指示器も、音程を示す印の数が20個以上と多く、距離間隔に規則性があり、印間の幅は規則的に狭くなるかまたは同一と見えてしまうような幅とされている。そのため、どの印がどの音程に対応するものであるかを一瞥で識別することが困難なこともある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、バイオリン族の弦楽器について、観客等には音程を示す印であるとは認識されず、演奏者は一瞥により所定の音程に対応する印であることを識別でき、バイオリン族の弦楽器の演奏に支障が生じず、正式のバイオリン族の弦楽器と認められる態様の、音程を示す印を付した指板を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明に係るバイオリン族の弦楽器の指板は次の手段をとる。
まず、本発明の第1の発明は、バイオリン族の弦楽器の指板であって、
開放弦の音高から上向きに9個音程対が音程セットとして選択され、
前記音程対は微分音分の音程差を有し、いずれか一方が選択される2つの音程から構成されており、
前記音程セットを構成する音程対は開放弦の音高からそれぞれ、
長2度上もしくは減3度上の音程、長3度上もしくは減4度上の音程、完全5度上もしくは減6度上の音程、長6度上もしくは減7度上の音程、増7度上もしくは完全8度上の音程、(完全8度+長2度)上もしくは(完全8度+減3度)上の音程、(完全8度+増3度)上もしくは(完全8度+完全4度)上の音程、(完全8度+完全5度)上もしくは(完全8度+減6度)上の音程、及び(完全8度+増7度)上もしくは2オクターブ上の音程であり、
前記音程セットの各音程対に対応させて、各音程対を構成する2つの音程のそれぞれに対応する指板の押さえ位置の双方を含んだ幅で、バイオリン族の弦楽器の弦の方向に直交する向きに、帯状の音程表示領域が形成されており、
前記音程表示領域は指板とは色彩が異なる構成とされ、該音程表示領域を目視により識別することができ、該音程表示領域の表面は指板の表面に対して面一の構成とされており、
開放弦の音高から増7度上もしくは完全8度上、及び、(完全8度+増7度)上もしくは2オクターブ上となる音程対に対応する音程表示領域は、他の音程表示領域よりも幅広に形成されている。
この発明によれば、開放弦の音高から上向きに9個音程対が音程セットとして選択され、音程対は微分音分の音程差を有し、いずれか一方が選択される2つの音程から構成されており、各音程対間の間隔は一定ではなく、選択された各音程対に対応する指板の押さえ位置に、バイオリン族の弦楽器の弦の方向に直交する帯状の音程表示領域が形成されているため、音程表示領域の距離間隔に音階を想起させる規則性が認められない。そして、音程表示領域は指板とは色彩が異なる構成とされているので、音程表示領域を目視により識別することができる。
ここで、音程表示領域の距離間隔に音階を想起させる規則性が無いため、音程表示領域は観客等には指板に施された装飾的な縞模様と映り、音程を示す印であるとは認識されない。一方、音程表示領域の距離間隔に音階を想起させる規則性が無いため、演奏者には個々の音程表示領域の識別が可能となり、演奏者は一瞥により所定の音程に対応した指板の押さえ位置を確認することができる。
そして、音程表示領域の表面は指板の表面に対して面一の構成とされているので、音程表示領域に指が引っかかることがない。そのため、指先を弦の上で滑らせて指板に対して指先を素早く動かすことが必要とされるバイオリン族の弦楽器の演奏に支障が生じないので、音程表示領域が形成された指板を備えるバイオリン族の弦楽器は、正式のバイオリン族の弦楽器として認められる。
そして、開放弦の音高から増7度上もしくは完全8度上、及び、(完全8度+増7度)上もしくは2オクターブ上となる音程対に対応する指板の押さえ位置には他の音程表示領域よりも幅広の音程表示領域が形成されている。よって、開放弦の音高からオクターブ単位で上の指板の押さえ位置が容易に把握できるため、これを目印として、他の音程表示領域の音程の把握も容易となる。
そして、これら9個の音程対からなる音程セットは、発明者がバイオリン族の弦楽器の特性に鑑みて厳選して選択したものであって、演奏者は、指板を一瞥するだけで、9個の音程対に対応する指板の押さえ位置を確認することができ、バイオリン族の楽器の演奏において、正確な音程を取れるようになる。そして、演奏者はいつでも9個の音程対に対応する指押さえ位置を目視により確認できるため心理的に安心感をもつことができる。
上述の本発明によれば、バイオリン族の弦楽器について、観客等には音程を示す印であるとは認識されず、演奏者は一瞥により所定の複数の音程に対応する印であることを識別でき、バイオリン族の弦楽器の演奏に支障が生じず、正式のバイオリン族の弦楽器と認められる態様の、音程を示す印を付した指板を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例にしたがって説明する。
図1に本発明の一実施例における指板10を備えたバイオリン50の平面図を示す。図1に示すとおり、指板10には音程表示領域20A、20B、20C、20D、20E、20F、20G、20Hが形成されている。これら8個の音程表示領域は、音程の間隔が一定でない8個の音程対から成る音程セットとして発明者が選択した各音程対に対応する指板10の指押さえ位置に形成されたものである。表1に音程セットとして選択した音程対の個々について指板10のどの指押さえ位置に該当するかの対応関係を示す。例えば、長6度上なら20Dの内部に、減7度上でも同じく20Dの内部に、という具合に対応する。もちろんこの両者は全く同じ点を押さえるわけではない。なお、表1の各音程の欄には音程の名前が2つ書いてあるが、この2つの音程の間には、一般に「微分音」分の音程差がある。この微小音程は、どの調律を選択するかにより変動する。
Figure 0004447646
図2(A)〜図2(H)に、上記8個の音程対から成る音程セットを「Laの弦」について記譜したものを示す。図2(A)〜図2(H)には各々2つの音符が記譜されているが、これらの2つの音符は、表1の2つの音程表記分をLaに加算したものに対応し、これら2つの音符の間には、上述の「微分音」分の音程差がある。そして、表1において並記された音程は実際の楽譜を見ることによって、どちらが該当しているのかがわかる。
図2(A)に記譜された2つの音符の音程に対応する指板10の押さえ位置が音程表示領域20Aであり、符号のA〜Hにより図面の記譜と音程表示領域がそれぞれ対応する。音程セットで選択した表1の各行の音程は上述のとおり「微分音」分の音程差がある2つの音程が対応しているので、音程表示領域20A〜20Hは、2つの音程に対応する指板10の押さえ位置を領域内部に含むように指板10上の配置位置が決定される。
図3に、音程表示領域20A〜20Hの指板10上の図2に記載の全ての音符が対応する位置を示す。そして、音程表示領域は原則として弦に直交する方向に2mmの幅を有している。但し、開放弦の音高から増7度上もしくは完全8度上音程対に対応する音程表示領域20Eの幅は4mmとされている。開放弦の音高から増7度上もしくは完全8度上音程対に対応する音程表示領域20Eの幅を他の2倍としているため、目視による一瞥で各音程表示領域がどの音程に対応するかの把握がしやすくなっている。
なお、音程表示領域20A〜20Hの位置は、選択した音程対に対応する指板の押さえ位置を聴覚または音の周波数を表示できる機器により決める性質のものである。演奏者の好みの調律によっては、2つの音程に対応する指板10の押さえ位置が、すなわち、微分音程差が2mmの幅に収まらない場合もある。そのときは、2mmとした音程表示領域の幅を広げ、これらとの幅の違いが一瞥してわかる程度に4mmとした音程表示領域の幅を広げても良い。
指板10は茶褐色の木材で形成されている。そして、音程表示領域20A〜20Hは、指板10と材質および触感が同一で色彩が指板10よりも明るい木製の板材を指板10にはめ込んだはめ木細工により形成されている。そして、指板10は、音程表示領域20A〜20Hの表面が指板10の表面に対して面一の構成に仕上げられている。なお、音程表示領域のはめ込みの深さは一実施例では2mmとしている。
この一実施例によれば、各音程対間の間隔が一定でない、8個の音程対が音程セットとして選択され、選択された各音程対に対応する指板10の押さえ位置に、バイオリン50の弦の方向に直交する帯状の音程表示領域20A〜20Hが形成されている。そして、図1に示すとおり、音程表示領域の距離間隔に音階を想起させる規則性が認められない。そして、音程表示領域20A〜20Hは指板10とは色彩が異なる構成とされており、音程表示領域20A〜20Hを目視により識別することができる。そのため、音程表示領域20A〜20Hは観客等には指板10に施された装飾的な縞模様と映り、音程を示す印であるとは認識されない。一方、演奏者は、音程表示領域20A〜20Hを所定の音程に対応した指板10の押さえ位置の目印として利用することができる。
そのため、演奏者が演奏中に何らかのアクシデントで音をはずした場合、一瞬目を指板10にやるだけで、直ちにまた正確な音がとれるようになる。そして、それ故に指板10に音程表示領域20A〜20Hが形成されたバイオリン50を弾いているというだけで、心理的な安心感を持つことができる。また、音程表示領域20A〜20Hは、観客等には指板10の風変わりな模様としか映らないため、心理的な抵抗感は生じない。
そして、音程表示領域20A〜20Hの表面は指板の表面に対して面一の構成とされているので、音程表示領域20A〜20Hに指が引っかかることがない。そのため、指先を弦の上で滑らせて指板10に対して指先を素早く動かすことが必要とされるバイオリン50の演奏に支障を生じない。
そして、音程表示領域20A〜20Hの表面は指板の表面に対して面一の構成とされ、音程表示領域20A〜20Hは指板と同質で色が異なる素材で形成されている。そのため、音程表示領域20A〜20Hが形成された指板10は通常の指板に比べて音程表示領域20A〜20Hにより模様が形成さているに過ぎない。よって、音程表示領域20A〜20Hが形成された指板10を備えるバイオリン50は、正式のバイオリンと認めることができるものである。
そして、音程表示領域20A〜20Hは指板10と同質の素材で形成されているので、音程表示領域20A〜20Hは指板上で触感によっては識別されず、指板10に対して指先をすばやく動かす時に異物感がない。
一実施例では、8個の音程対を音程セットとして選択して、指板10に音程表示領域20A〜20Hを形成したが、さらに、開放弦の音高から(完全8度+増7度)上または2オクターブ上の音程対を追加選択してもよい。図4に、この追加選択した音程対に対応する指板の押さえ位置に音程表示領域20Iを追加形成した指板10Aを備えるバイオリン50Aの平面図を示す。そして、図5に開放弦の音高から(完全8度+増7度)上または2オクターブ上の音程に対応する音符を「Laの弦」について記譜したものを示す。
音程表示領域20Iの弦方向の幅は4mmとされている。このように、開放弦の音高から(完全8度+増7度)上もしくは2オクターブ上の音程対に対応する音程表示領域を他の音程表示領域よりも幅広にすることにより、指板の押さえ位置の把握が一層容易となる。
上述の一実施例では、指板10と触感が同一で色彩が異なる音程表示領域20A〜20Hを寄せ木細工により形成したが、音程表示領域20A〜20Hの形成方法は寄せ木細工に限られない。通常の指板について、音程表示領域に相当する範囲のみを露出して紫外線等の照射により音程表示領域を脱色することで指板と異なる色彩の音程表示領域を形成することもできる。また、通常の指板の音程表示領域に相当する範囲を覆って指板全体に紫外線等を照射して、指板と色彩の異なる音程表示領域を形成することもできる。また、水性又は油性のマジックペン等で指板の音程表示領域に相当する範囲を着色しても良いし、指板の音程表示領域に相当する範囲以外を着色しても良い。
上述の一実施例では音程表示領域に指板と同質の素材を用いて触感まで同一としている。しかし、触感まで同一でなくても、音程表示領域の表面が指板の表面に対して面一の構成であれば、バイオリンの演奏には支障がないので、正式のバイオリンとして認められる。そこで、指板と色彩の異なる材料を埋め込んで音程表示領域を形成する場合は、埋め込む材料は指板と同質でなくても良い。指板が木材の場合にはめ込む材料としては、木材の他に、牛の骨、貝殻、石、プラスチック等を用いることができる。
また、指板の音程表示領域に相当する範囲に極細の径のドリルで多数の微小な孔を空けて、その孔にチョーク等の粉を詰め込んで音程表示領域を形成することもできる。
上述の一実施例では、バイオリンの指板に対して選択する8個の音程対を示したが、これらの8個の音程対は、バイオリン族の弦楽器である、バイオリン、ビオラ、チェロについて共通して選択される音程対である。なお、弦楽器の種類によって指板のサイズがある定数倍になるので、選択された音程対に対応する音程表示領域が形成される位置の間隔は異なってくる。また、音程表示領域の幅は弦楽器の大きさに対応させて広くしてもよい。
発明者は、一実施例で示した8個の音程対に対応させて形成した音程表示領域を、尾形ダイアグラムと名付けている。そして、指板に尾形ダイアグラムが付されたバイオリン族の弦楽器を、尾形ダイアグラム付バイオリン、尾形ダイアグラム付ビオラ、尾形ダイアグラム付チェロと呼んでいる。
尾形ダイアグラムは、上述のとおり、観客等には風変わりな模様に見え、演奏者には所定の音程に対する指板の押さえ位置を的確に示すものである。そして、指板と面一のため演奏に支障が生じることが無く、バイオリン族の弦楽器の演奏を習得する人や、バイオリン族の弦楽器を演奏する人の助けとなるものである。
その他、本発明に係るバイオリン族の弦楽器の指板はその発明の思想の範囲で、各種の形態で実施できるものである。
一実施例における指板を備えたバイオリンの平面図である。 一実施例における指板について選択された音程を「Laの弦」について記譜した図である。 一実施例における指板の音程表示領域での図2の音符の分布を示す図である。 変形実施例における指板を備えたバイオリンの平面図である。 変形実施例で追加した音程を「Laの弦」について記譜した図である。
10、10A 指板
12 上駒
20A、20B、20C、20D 音程表示領域
20E、20F、20G、20H 音程表示領域
20I 音程表示領域
50、50A バイオリン

Claims (1)

  1. バイオリン族の弦楽器の指板であって、
    開放弦の音高から上向きに9個音程対が音程セットとして選択され、
    前記音程対は微分音分の音程差を有し、いずれか一方が選択される2つの音程から構成されており、
    前記音程セットを構成する音程対は開放弦の音高からそれぞれ、
    長2度上もしくは減3度上の音程、長3度上もしくは減4度上の音程、完全5度上もしくは減6度上の音程、長6度上もしくは減7度上の音程、増7度上もしくは完全8度上の音程、(完全8度+長2度)上もしくは(完全8度+減3度)上の音程、(完全8度+増3度)上もしくは(完全8度+完全4度)上の音程、(完全8度+完全5度)上もしくは(完全8度+減6度)上の音程、及び(完全8度+増7度)上もしくは2オクターブ上の音程であり、
    前記音程セットの各音程対に対応させて、各音程対を構成する2つの音程のそれぞれに対応する指板の押さえ位置の双方を含んだ幅で、バイオリン族の弦楽器の弦の方向に直交する向きに、帯状の音程表示領域が形成されており、
    前記音程表示領域は指板とは色彩が異なる構成とされ、該音程表示領域を目視により識別することができ、該音程表示領域の表面は指板の表面に対して面一の構成とされており、
    開放弦の音高から増7度上もしくは完全8度上、及び、(完全8度+増7度)上もしくは2オクターブ上となる音程対に対応する音程表示領域は、他の音程表示領域よりも幅広に形成されているバイオリン族の弦楽器の指板。
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