JP6358801B2 - 弦楽器用指板音階表 - Google Patents
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Description
この発明は、弦楽器の弦および指板を模して、鮮明な色で音の位置を示した基板一枚と、この基板の上において取り外しができる複数のテンプレートから成り、一枚のテンプレートは最低一つの調に対応し、その調で使う音の位置に穴が開いていて、基板上に示された全72音のうち、その調で押さえる音だけが見えるようになっている。
(1)正しい音程の指板上の指位置は、上駒からその指位置迄の間隔(例、ミリメートル)を明示し、印刷媒体に実寸大または縮小拡大して表示する。
(物理的に正しい間隔は、弦の振動の物理、フックの法則等に基づき、簡単なコンピュータープログラムを作れば計算できる。)
(2)音階表を表示する音律は、1オクターヴ12音の基音からの周波数比を明示する。
(例えばピタゴラス律でも純正律でも、1オクターヴ12音の基音からの周波数比の選び方は種々存在する。従って指板上の指位置は、基音からの周波数比とどの様に1対1で対応しているのか明示しないと意味がない。)
(3)弦楽器の各弦の指板上の音律別主音別の指位置は、(1)と(2)を基に、開放弦からの周波数比と上駒からの間隔を明示して、印刷媒体に実寸大または縮小拡大して表示する。またこれらの表示は、12平均律の指板上の指位置の格子状配置を、テンプレートとして使用する。
(音律別主音別の各弦の指位置がどの様に違うのか、12平均律の指板上の指位置の格子状模様を、テンプレートとして使用することで、音律別主音別の各弦の指位置のパターンを、容易に理解することができる。)
(4)12平均律以外の音律の音階の、正しい音程による指板上の正しい指位置をチェックするため、12平均律の音程の正しい音高を基準に、12平均律以外の音律の音階の正しい音高が、平均律のチューナーの指示でどの様な差セント値となるかを明示する。
(この弦楽器用指板音階表は、演奏練習時にこの印刷媒体を見て使用するものなので、正しい音高の指位置を確認するためには、12平均律のチューナーが一番普及していて、しかも精度の良い製品が出回っているので、正しい差セント値を指板音階表に表示すれば、正しい指位置が習得し易い。)
本発明は以上の課題を解決するためになされたものである。
この後で、本発明の弦楽器用指板音階表の、バイオリン用を例にした形体について説明する。
12平均律の音階は1オクターヴの12の音が、隣り合う音同士(半音)では、その周波数比が
:1(=1.059)と等しくした表1の音階である。
ところが、ピタゴラス律と純正律の音階では、EADG各弦上でも、また12の主音(ハ、ト、ニ、イ、…、ヘ、変ロ、変ホ、…)が変わっても、隣接する2音の周波数比が変わるので、EADGそれぞれの弦で音律別また主音別に計算する必要がある。
例えば主音がニの場合、各音律のEADG各弦の開放弦の周波数を1としたときの、開放弦から1オクターヴの12音の周波数比を示すと表4のようになる。
他の主音については、オクターヴ4のラ(A)が440Hzとして国際標準高度が定められているので、弦Aの開放弦の音高がピタゴラス律や純正律の主音(ハ、ト、ニ、イ、…、ヘ、変ロ、変ホ、…)別の音階で、1オクターヴの12音の中で適正な順番となるように、表4の数値を作り変えれば良い。
このように、本発明の弦楽器用指板音階表では、段落番号12の(2)の課題の対策として、音律毎の各弦の音階を、1オクターヴ12音の開放弦からの周波数比として表4のように明示する
は、弦の長さ
張力T 、弦の線密度
とすれば、弦の固有振動数
は次のように表される。
また弦の固有振動数
を、弦の断面積
、歪み
で書き直すと弦の固有振動数
は次のように表される。
バイオリンの演奏で正しい音程で弦を押さえたときの、指板上の指位置の上駒からその位置までの指板上で測った間隔は、バイオリンの指板上のある位置で弦を押さえ擦弦したときに発音する周波数と、その弦の開放弦で擦弦したときに発音する周波数との比が、段落番号19の弦の振動の物理の公式から、弦の長さと弦の張力および弦の線密度からなる3つの変数の関数として表される。
これを更に詳しく説明すると、この関数は弦周りの弦・上駒・指板(指板の駒よりの終端から駒に伸びる延長線を含む)・駒の四辺からなる四辺形の形状や寸法と、バイオリンに張ってある弦が単線弦であればその径と弦の弾性係数(ヤング率)、コア巻線弦であればそのコア径とコア弦の弾性係数(ヤング率)、および張ってある弦の長さ・弦の断面積・弦の歪み・弦の線密度等の変数の関数で表すことができる。
ところが、バイオリン弦の応力の変化(弦を指板に指で押せば応力が増加する)の計算に必要な弦のコア径とその弾性係数(ヤング率)等の数値は、Webサイト上では製造者側から公開されていない。しかしバイオリンの使用者側からすると、バイオリンの弦を指で押さえたときの弦の応力の変化は、弦の歪みの変化として捉えることができる。
従ってこの周波数比を表す関数を展開すると、段落番号20で説明したようにこの関数は、弦周りの弦・上駒・指板・駒の四辺からなる四辺形の形状や寸法に連動する指で押さえられた弦の長さの変化と、開放弦での弦の歪みの変数の関数で表すことができる。
結局、弦の振動の物理、フックの法則、ピタゴラスの定理、三角関数等の公式から、開放弦からの或る音程で弦を指板上で押さえたときに、その指位置の上駒から指板上のその位置までの指板上で測った間隔は、弦周りの弦・上駒・指板・駒の四辺からなる四辺形の形状や寸法と開放弦での弦の歪み等の変数の関数としてコンピュータプログラムに作成でき、この指板上で測った間隔を算出することができる。
このプログラムの作成に必要な弦の開放弦での歪みの値は、個々のバイオリンにおいて弦を擦弦したときの、その指位置の上駒から指板上のその位置までの指板上で測った間隔と、そのとき発音する弦の周波数の弦楽器用チューナーの指示を突き合わせることにより、上記の数式化されたコンピュータプログラムを使うと容易に算定できる。
即ち、バイオリン弦のコア径や弾性係数(ヤング率)の数値を入手できなくても、12平均律およびピタゴラス律と純正律の12の主音(ハ、ト、ニ、イ、…、ヘ、変ロ、変ホ、…)別の音階の、指位置を計算するプログラムは、個々のバイオリンの弦周りの形状と寸法を測定して、これ等の測定値を取り込んだコンピュータプログラムを作り、このバイオリンに張ってある弦の歪みを弦楽器用チューナーとこの数式化されたコンピュータプログラムを使って算定すれば、個々のバイオリン毎に指板上の指位置の上駒からその位置までの間隔を計算するコンピュータプログラムとして完成させることができる。
(指板上のある位置で弦を押さえ擦弦したときに発音する周波数と、その弦の開放弦で擦弦したときに発音する周波数との比)と
(
で弦を押さえたときの、上駒から指板上のその位置までの、指板上で測った間隔)の関係について述べる。
バイオリンを側面から見て、弦周りの弦・上駒・指板・駒の形状を模式的に描くと図1のようになる。
この図1で示されているバイオリンの弦周りの実寸法の形状は、適当な大きさのスケール、ノギスおよびマイクロメータ、それに適当な薄さの例えば付箋のような紙の束(弦と指板の間の間隔、つまり指板からの弦の高さを測るために使用する)を用意すれば、誰でもその個人が所有しているバイオリンの弦周りの実寸法の形状を測定することができる。
この弦周りの四辺形の寸法の測定はG弦が一番測り易い。G弦は指板の端に位置していることと、弦と指板の間がEADG4弦の中で一番開いているからである。
バイオリンはフレットが無い弦楽器なので、指板上の任意の位置で開放弦からの音程を自由に作ることができる。図1の模式図において、ピタゴラスの定理と三角関数を適当に適用して三角形を積み重ねていけば、数3の
は、指板上のどの様な周波数比でも、バイオリンの指板上の
の関数として数4のように表すことができる。
では、G#の周波数とG弦の開放弦の周波数との比が
:1(=1.059)なので、次の等式が成り立つ。
パーソナルコンピュータで動く適当なプログラム言語を選び、音階が12平均律の場合は図2のフローチャート図の処理手順により、また音階がピタゴラス律および純正律の場合は図3のフローチャート図(A弦の1オクターヴ12音の差セント値の計算処理を除いた部分)の処理手順により計算プログラムを作成する。
この図3のピタゴラス律および純正律のフローチャート図の場合は、バイオリンの音域はG弦の開放弦から4オクターヴと言われているので、12の主音(ハ、ト、ニ、イ、…、ヘ、変ロ、変ホ、…)別に、各弦の開放弦から27半音分の周波数比の表を、平行調短音階の周波数比を加えて表4の様式で作っておく必要がある。
G弦の開放弦からE弦の27番目の半音迄の音域が丁度4オクターブとなる。
G弦が一番算定し易いので、G弦の12平均律の適当な音高を数点選ぶ。その数点の音高を発音するG弦の直下の点の指板上に、前後6mmか7mmの幅だけ上駒からの指板上の長さを1mm単位で印を付ける。この1mm単位で印を付けたそれぞれの位置で擦弦し音を出し、12平均律のクロマチックチューナで指針の振れを読む。こうすれば一つの選んだ音高の、弦を正しい音高で指板上に押さえたときの、上駒から指板上のその位置までの指板上で測った間隔は、指板上の前後6mmか7mmの間で、クロマチックチューナで指針の振れが、必ずマイナスからプラスに変わるので、この選んだ音高の上駒から指板上のその位置までの、指板上で測った間隔を推定できる。
勿論この一つの選んだ音階の音高を、正しい音程で弦を指板上で押さえれば、一回で上駒から指板上のその位置までの、指板上で測った間隔が測定できる道理だが、この方法では誤差が大きい。
一方、段落番号22で説明した方法でバイオリンの弦周りの形状と寸法を測定し、その数値を使った段落番号23の方法で作成したコンピュータプログラムの、弦の歪み
の値を適当に変化させると、上記の選んだ適当な音高の数点毎に、上記の方法で推定した上駒から指板上のその位置までの間隔と、コンピュータプログラムで再現した指板上のその音高の指位置に相当する計算値が一致する
が求められる。この音高の数点毎に求めた
の平均値を求めれば、この値がこのバイオリンのG弦の歪みの算定値として扱えることになる。
もとより、バイオリンの弦の歪みはEADGの弦毎に異なると考えられるし、また例え工場生産のバイオリンで有っても、バイオリンが自然の恵みである木材から出来ている以上、例え上駒から駒までの弦長が同一で有っても、指板上のEADG各弦の正しい音程の指位置(バイオリンの弦を指板上で押さえる位置)は厳密には1台として同じバイオリンは無いと考えられる。
しかし一方、演奏者の指の太さは個人毎に違うし、同じ音高の指位置でも、弦を人差し指・中指・薬指・小指の何の指で押さえるか、また弦をどの位の強さで押さえるかにより、同じ音程の音高の音を弾くにしても、人それぞれ指先の肉のついた中央部分が弦を上から指板に押さえ込む点は同じではないと考えられる。
従って、弦・上駒・指板・駒を4辺とする四辺形の形状寸法がバイオリン毎に例え少しずつ違っても、また弦EADG4本の弦の歪みが例え少しずつ違っても、指板の表面が完全な円筒面ではなく僅かなシャクレが有っても、弦長が同じならば弦の歪みはG弦で代表させ、どのバイオリンにも実用上使用できる、ビブラート奏法に支障がない機能を備えた、バイオリン用の着脱式演奏用補助具を作ることが期待できる。
このように、本発明の弦楽器用指板音階表では、段落番号12の(1)の課題の対策として、正しい音程の指板上の指位置を、音律毎の各弦の音階で、1オクターヴ12音の上駒からの物理量の隔たりとして、例えば主音ニの各音律の音階では1オクターヴ12音の指位置(上駒からその位置までの間隔)を、表5のように明示する
この指位置の計算結果が正しいか否かは、市販のチューナーを使って12平均律では1オクターブの12半音、ピタゴラス律および純正律ではドレミファソラシの7音だけだが、このバイオリンをその指位置で擦弦すれば、コンマ1mmの精度では無理だが簡単に検査できる。
計算上の指位置は、弦と指板の頂面が接する点であるが、理解し易いように適当な大きさの●で示している。
この●の弦に沿った開放弦からの間隔は実寸法で示しているが、EADG各弦の間隔は、分かり易いようにまた12平均律、ピタゴラス律および純正律の比較ができるように、この三つの音律を同時に表示するため、実寸法より拡大してある。
この図4で、純正律の平行調短音階のE弦の開放弦を○で示した意味は、弦AE間がピタゴラス律の通常の音高の周波数比2:3の関係(完全5度)ではないからである。
この図4で分かるように、オクターヴ4のラ(A)は440Hzとして国際標準高度が定められているので、12平均律、ピタゴラス律、純正律で皆同じ周波数であるが、オクターヴ4のラ(A)相当以外の同じ階名の音高では、音律が異なるとオクターヴ4のラ(A)の開放弦の振動周波数を1としたときの指位置の周波数比が変わる。
さらに、ピタゴラス律および純正律の12の主音(ハ、ト、ニ、イ、…、ヘ、変ロ、変ホ、…)毎に、異なる指板音階指位置図が作成される。
このように、バイオリンはニ調という調性の楽器と言われているとはいえ、12平均律、ピタゴラス律および純正律等で演奏するには、楽音を聴き分ける鋭い音高識別力が求められることになる。まして弾き分けるとなれば、12平均律、ピタゴラス律、純正律の順に開放弦同士がより強く共振して楽器がより大きく共鳴する道理が有っても、至難の技と想像できる。
従って、音階がピタゴラス律および純正律の場合は、図3のフローチャート図の右下部分で、オクターヴ4のラ(A)が440Hzとして国際標準高度が定められているので、A弦の1オクターヴ12音の差セント値の計算処理を行う。
差セント値の計算結果を表5に加えて、表6のよう表示する。
この表で明らかなように、弦長が変わると上駒側に近い程指位置の変化は小さく、駒側に近い程指位置の変化は大きくなる。
本発明の弦楽器用指板音階表は、弦楽器の演奏を学習するための、教育用及び演奏補助用に使用する紙等の印刷物で、弦楽器の指板に直に装着するものではないので、弦楽器の弦長を特定する必要がない。従って段落番号31以降で説明する、バイオリン用を例とした形体の説明は、段落番号25で述べた弦長329mm、弦の歪み0.0121のバイオリンを基にする。
バイオリンはニ調という調性の楽器と言われているので、指板音階表の主音はニで説明する。
先ず、段落番号12の(1)と(2)の課題で述べた、音律別主音別の各弦の指位置がどの様に違うのか、段落番号18の表4の1オクターヴ12音の周波数比と、段落番号25の表5の指位置の計算例の二つの表を並べて表示し、図5のバイオリン用の3音律の指板音階表の基本図 2/2(主音ニの周波数比と指位置の計算例、平行調短音階の併記あり)として作る。
段落番号26で説明した図4と、この段落で説明した図5を、印刷しようとする紙等の印刷媒体の大きさに応じて、図4の8、9および10の、12平均律、ピタゴラス律および純正律の指板音階指位置は、実寸大または縮小拡大し、図5の11と12の表4と表5は適当な大きさにして、一枚の印刷媒体にそれぞれを表示すれば、本発明のバイオリン用の3音律の指板音階表の基本図(1/2および2/2)が完成する。
図4の指板音階指位置図(3音律、主音ニ、平行調短音階を併記)の中から、12平均律の指位置図を抜き出し、指位置の●は適当な大きさ(例えば直径5mmか3mmとする)で示して、図6の13の12平均律の各弦の1オクターヴの指板上の指位置の、格子状模様に重ねた指位置図(図7の16)を作る。
図6の14の1オクターヴの周波数比の表10と、図6の15の1オクターヴの指板上の指位置の表11をそのまま残せば、バイオリン用の12平均律の指板音階表、図7が出来上がる。
ここで、印刷しようとする紙等の印刷媒体の大きさに応じて、図7の16の指板上の指位置図は、実寸大または縮小拡大し、表10と表11を適当な大きさにして、一枚の印刷媒体にそれぞれ表示すれば、本発明のバイオリン用の12平均律の指板音階表図7が完成する。
図4の指板音階指位置図(3音律、主音ニ、平行調短音階を併記)の中から、ピタゴラス律の平行調短音階の指位置を除いた指位置図を抜き出し、指位置の●は適当な大きさ(例えば直径5mmか3mmとする)で示して、図6の13の12平均律の各弦の1オクターヴの指板上の指位置の、格子状模様に重ねる(図8の17)。
また表4から一部を抜き出して、図8の18で1オクターヴの周波数比を、表6から一部を抜き出して図8の19で1オクターヴの指板上の指位置とA弦の差セント値を、それぞれ表12および表13で表示すれば、バイオリン用のピタゴラス律の指板音階表、図8(主音ニ、平行調短音階の併記なし)が出来上がる。
ここで、印刷しようとする紙等の印刷媒体の大きさに応じて、図8の17の指板上の指位置図は、実寸大または縮小拡大し、表12と表13を適当な大きさにして、一枚の印刷媒体にそれぞれ表示すれば、本発明のバイオリン用のピタゴラス律の指板音階表(主音ニ、平行調短音階の併記なし)図8が完成する。
図4の指板音階指位置図(3音律、主音ニ、平行調短音階を併記)の中から、ピタゴラス律の平行調短音階の指位置を含む指位置図を抜き出し、指位置の●は適当な大きさ(例えば直径5mmか3mmとする)で示して、図6の13の12平均律の各弦の1オクターヴの指板上の指位置の、格子状模様に重ねる(図9の20)。
また表4から一部を抜き出して、図9の21で1オクターヴの周波数比を、表6から一部を抜き出して図9の22で1オクターヴの指板上の指位置とA弦の差セント値を、それぞれ表14および表15で表示すれば、バイオリン用のピタゴラス律の指板音階表、図9(主音ニ、平行調短音階の併記あり)が出来上がる。
ここで、印刷しようとする紙等の印刷媒体の大きさに応じて、図9の20の指板上の指位置図は、実寸大または縮小拡大し、表14と表15を適当な大きさにして、一枚の印刷媒体にそれぞれ表示すれば、本発明のバイオリン用のピタゴラス律の指板音階表(主音ニ、平行調短音階の併記あり)図9が完成する。
図4の指板音階指位置図(3音律、主音ニ、平行調短音階を併記)の中から、純正律の平行調短音階の指位置を除いた指位置図を抜き出し、指位置の●は適当な大きさ(例えば直径5mmか3mmとする)で示して、図6の13の12平均律の各弦の1オクターヴの指板上の指位置の、格子状模様に重ねる(図10の23)。
また表4から一部を抜き出して、図10の24で1オクターヴの周波数比を、表6から一部を抜き出して図10の25で1オクターヴの指板上の指位置とA弦の差セント値を、それぞれ表16および表17で表示すれば、バイオリン用の純正律の指板音階表、図10(主音ニ、平行調短音階の併記なし)が出来上がる。
ここで、印刷しようとする紙等の印刷媒体の大きさに応じて、図10の23の指板上の指位置図は、実寸大または縮小拡大し、表16と表17を適当な大きさにして、一枚の印刷媒体にそれぞれ表示すれば、本発明のバイオリン用の純正律の指板音階表(主音ニ、平行調短音階の併記なし)図10が完成する。
図4の指板音階指位置図(3音律、主音ニ、平行調短音階を併記)の中から、純正律の平行調短音階の指位置を含む指位置図を抜き出し、指位置の●は適当な大きさ(例えば直径5mmか3mmとする)で示して、図6の13の12平均律の各弦の1オクターヴの指板上の指位置の、格子状模様に重ねる(図11の26)。
また表4から一部を抜き出して、図11の27で1オクターヴの周波数比を、表6から一部を抜き出して図11の28で1オクターヴの指板上の指位置とA弦の差セント値を、それぞれ表18および表19で表示すれば、バイオリン用の純正律の指板音階表、図11(主音ニ、平行調短音階の併記あり)が出来上がる。
ここで、印刷しようとする紙等の印刷媒体の大きさに応じて、図11の26の指板上の指位置図は、実寸大または縮小拡大し、表18と表19を適当な大きさにして、一枚の印刷媒体にそれぞれ表示すれば、本発明のバイオリン用の純正律の指板音階表(主音ニ、平行調短音階の併記あり)図11が完成する。
図4の指板音階指位置図(3音律、主音ニ、平行調短音階を併記)の中から、12平均律とピタゴラス律および純正律の平行調短音階の指位置を除いた指位置図を抜き出し、指位置の●は適当な大きさ(例えば直径5mmか3mmとする)で示して、図6の13の12平均律の各弦の1オクターヴの指板上の指位置の、格子状模様に重ねる(図12の29)。
また表4から一部を抜き出して、図12の30で1オクターヴの周波数比を、表6から一部を抜き出して図12の31で1オクターヴの指板上の指位置とA弦の差セント値を、それぞれ表20および表21で表示すれば、バイオリン用の3音律の指板音階表、図12(主音ニ、平行調短音階の併記なし)が出来上がる。
ここで、印刷しようとする紙等の印刷媒体の大きさに応じて、図12の29の指板上の指位置図は、実寸大または縮小拡大し、表20と表21を適当な大きさにして、一枚の印刷媒体にそれぞれ表示すれば、本発明のバイオリン用の3音律の指板音階表(主音ニ、平行調短音階の併記なし)図12が完成する。
図4の指板音階指位置図(3音律、主音ニ、平行調短音階を併記)をそのまま使い、指位置の●は適当な大きさ(例えば直径5mmか3mmとする)で示して、図6の13の12平均律の各弦の1オクターヴの指板上の指位置の、格子状模様に重ねる(図13の32)。
また表4はそのまま図13の33で1オクターヴの周波数比を、表6はそのまま図13の34で1オクターヴの指板上の指位置とA弦の差セント値をそれぞれ表示させれば、バイオリン用の3音律の指板音階表、図13(主音ニ、平行調短音階の併記あり)が出来上がる。
ここで、印刷しようとする紙等の印刷媒体の大きさに応じて、図13の32の指板上の指位置図は、実寸大または縮小拡大し、表4と表6を適当な大きさにして、一枚の印刷媒体にそれぞれ表示すれば、本発明のバイオリン用の3音律の指板音階表(主音ニ、平行調短音階の併記あり)図13が完成する。
そこで例示として図8の17のピタゴラス律の指板上の指位置図(主音ニ、平行調短音階の併記なし)に階名を記入すると、図14の35の指板上の指位置図(主音ニ、階名表示あり、平行調短音階の併記なし)となり、バイオリン用のピタゴラス律の指板音階表、図14(主音ニ、階名表示あり、平行調短音階の併記なし)が出来上がる。
ここで、印刷しようとする紙等の印刷媒体の大きさに応じて、図14の35の指板上の指位置図は、実寸大または縮小拡大し、図8の18の表12と図8の19の表13を適当な大きさにして、一枚の印刷媒体にそれぞれ表示すれば、本発明のバイオリン用のピタゴラス律の指板音階表(主音ニ、階名表示あり、平行調短音階の併記なし)図14が完成する。
ここで、印刷しようとする紙等の印刷媒体の大きさに応じて、図15の36の指板上の指位置図は、実寸大または縮小拡大し、図10の24の表16と図10の25の表17を適当な大きさにして、一枚の印刷媒体にそれぞれ表示すれば、本発明のバイオリン用の純正律の指板音階表(主音ニ、英語音名表示あり、平行調短音階の併記なし)図15が完成する。
ここで、指板上の音階指位置図を3音律で、または平行調短音階を併記している、図4、図9、図11、図12および図13では、その指位置図を12平均律では黒の●、ピタゴラス律では青の●、純正律では緑の●、平行調短音階を併記している指位置図では黄の●の様に色分けして印刷し、視覚で理解し易いようにする。
分数サイズの弦楽器についても、弦長をその分数サイズの弦楽器に合わせて、段落番号13から段落番号41迄の手順を踏めば、その分数サイズの弦楽器用の指板音階表が、12の主音(ハ、ト、ニ、イ、…、ヘ、変ロ、変ホ、…)毎に、段落番号42の表22と同様の様式で作成できる。
バイオリンの演奏技術の習得には早期教育が必要と言われているが、大人になって初めてバイオリンを手にとり練習を始めるような音感に自信が持てない人では、バイオリン用の指板音階表(段落番号42の表22の、図番8または14)のように、ピタゴラス律の音階の正しい音程の指板上の指位置を、上駒からの物理量の隔たりとして、格子状模様の12平均律の音階とどの様に少しずつ違うのか頭で理解してもらった方が、指板上の音階の正しい指位置を、より容易に習得できると期待できる。
バイオリンは開放弦同士の調弦により、12平均律、ピタゴラス律、純正律の順により強く共振してより大きく共鳴する楽器であり、ピアノの12平均律とは異なり、ピタゴラス律または純正律がバイオリンを本来演奏する音律となるので、先ずピタゴラス律の正しい音程の指板上の指位置を、練習開始時より成るべく早い段階で、習得する必要があると考えられる。
本発明の弦楽器用指板音階表は、
(1)弦楽器の各弦の指板上の、音律別主音別の正しい指位置を表示するため、12の主音(ハ、ト、ニ、イ、…、ヘ、変ロ、変ホ、…)別の音律別に、それぞれ1枚の印刷媒体に、各弦の1オクターヴ12音の周波数比の表と、同じく12音の指位置の計算例の表、およびその指位置を実寸大または拡大縮小した指位置図の三つの要素を画像として、印刷表示している。
以上の(1)、(2)、(3)で説明した構成で、本発明の弦楽器用指板音階表は作成されている。
この表23で記載の、図番の番号は「図面の簡単な説明」にでてくる図面番号であり、周波数比、指位置の計算例および指板音階上の指位置図の()内の数字は、「符号の説明」にでてくる番号である。
また印刷媒体のサイズがA4なので、指板上音階の指位置図は指板の長手方向に、実寸大の表示となっている。
ここで、指板上の音階指位置図を3音律で、または平行調短音階を併記している、図4、図9、図11、図12および図13では、その指位置図を12平均律では黒の●、ピタゴラス律では青の●、純正律では緑の●、平行調短音階を併記している指位置図では黄の●の様に色分けして印刷し、視覚で区別し易いようにする。
(1)図4、図5
指板音階表の基本図の1/2(図4)と基本図の2/2(図5)を、一枚のA4サイズの紙の表と裏にそれぞれ印刷している。即ち3音律の指板上の各弦の1オクターヴ12音の指位置図を紙の表に、3音律の指板上の各弦の1オクターヴ12音の周波数比の表4と指位置の計算例の表5を紙の裏に、大きく見易い画像としてそれぞれ印刷している。
指板音階表の基本図の1/2(図4)と基本図の2/2(図5)を、一枚のA4サイズの紙の片面(表面)に纏め、3音律の指板上の各弦の1オクターヴ12音の指位置図と、1オクターヴ12音の周波数比の表、および指位置の計算例の表をそれぞれ印刷して、コンパクトな画像として印刷している。平行調短音階の併記の有無により、図13と図12に別れる。
12平均律でバイオリンを調弦すれば、隣り合う開放弦同士の調弦を、周波数比が
:1(=1.498)と等しくする必要があるので、本来のバイオリンの3:2の周波数比の関係にある音程(完全5度)とは異なるが、ピアノと同じ12平均律で指板音階表を作ればこの様になる。
ピタゴラス律の表14の、A弦の1オクターヴ12音の周波数比を比べてみれば、主音ニと主音ロ(主音ニの平行調短音階)では、主音ロで英語音名A♯、D♯、Fの3個所で周波数比(指位置)が変わっているのが分かる。
段落番号28の主音ハの表7を参照すれば、主音ハでは主音ニと英語音名でC♯、G♯の2個所が、主音イ(主音ハの平行調短音階)では英語音名でD♯の1個所で、周波数比(指位置)がそれぞれ変わっているのが分かる。
この様に、主音ニを基準にすると、調号が完全5度上がるまたは下がる度に、1オクターヴ12音の周波数比(指位置)が、1個所ずつ異なる個所が増えてくる。
調号による各弦の指板上の指位置の違いは、大人になって初めてバイオリンを手にとり練習を始めるような音感に自信が持てない人では、ピタゴラス律の図8、図9および図14の指板音階表は、頭で理解する参考になると考えられる。
純正律の表18の、A弦の1オクターヴ12音の周波数比を比べてみれば、純正律では主音ニと主音ロ(主音ニの平行調短音階)の間は、バイオリンでは演奏中に転調出来ないことが分かる。A弦の主音ニの7番目の半音の周波数比が開放弦から3/2であり、主音ロでは40/27となり、E弦の調弦がA弦に対し主音ニと主音ロでは、それぞれ周波数比が3/2と40/27となり差が生じるからである。
同様に、段落番号28の主音ハの表7を参照すれば、D弦とG弦の開放弦から7番目の半音の周波数比が、主音ハと主音イ(主音ハの平行調短音階)では、D弦では40/27と3/2、G弦では3/2と40/27と異なっているので、演奏中に転調出来ないことが分かる。
従って、バイオリンでは純正律で演奏中に、主音ハ、主音ニ、主音イ、主音ロの間では転調出来ないことが分かる。ただし12の主音(ハ、ト、ニ、イ、…、ヘ、変ロ、変ホ、…)について、表16の様式で各主音別の表を作り、2つの主音間で3つのA弦、D弦およびG弦の開放弦から7番目の半音の周波数比が、A弦同士、D弦同士およびG弦同士の数値が同じなら、その主音間は純正律でも演奏中に転調できる。
ただ、バイオリン入門者には段落番号54の表23の、12平均律の図7とピタゴラス律の主音ニの図8(平行調短音階の併記無)の2つの指板音階表が、初級者レベルではこの他に、ピタゴラス律の主音ハ、主音ト、主音イ、主音ホ、主音へ、主音変ロ等の図8(平行調短音階の併記無)相当の指板音階表が必要ではないかと考えられる。
アコースティックギターのようなフレットの有る弦楽器の指板から、フレットを取り除いて、ピタゴラス律、純正律、その他12平均律以外の音律で、この楽器を演奏しようとするときは、段落番号13から段落番号41迄と同様の手順を踏めば、これ等フレットを外した楽器の演奏補助用の指板音階表が作成できる。
)
2 弦(
)
3 弦(
)
4 指位置
)
5 指板
6 上駒
7 駒
8 12平均律の指板音階指位置(E、A、D、G弦)
9 ピタゴラス律の指板音階指位置(主音ニ、平行短音階の指位置を併記。E、A、D、G弦)
10 純正律の指板音階指位置(主音ニ、平行調短音階の指位置を併記。E、A、D、G弦)
11 表4(3音律の各弦の1オクターヴ12音の周波数比)(主音ニ、平行調短音階の併記あり)
12 表5(3音律の指板上の指位置の計算例)(主音ニ、平行調短音階の併記あり)
13 12平均律の各弦の1オクターヴ12音の指板上指位置の格子状模様
14 表10(12平均律の各弦の1オクターヴ12音の周波数比)
15 表11(12平均律の各弦の1オクターヴ12音の指板上の指位置の計算例)
16 12平均律の各弦の1オクターヴの指板上の指位置図
17 ピタゴラス律の各弦の1オクターヴの指板上の指位置図(主音ニ、平行調短音階の併記なし)
18 表12(ピタゴラス律の各弦の1オクターヴ12音の周波数比)(主音ニ、平行調短音階の併記なし)
19 表13(ピタゴラス律の指板上の指位置の計算例とA弦の1オクターヴ12音の差セント値)(主音ニ、平行調短音階の併記なし)
20 ピタゴラス律の各弦の1オクターヴの指板上の指位置図(主音ニ、平行調短音階の併記あり)
21 表14(ピタゴラス律の各弦の1オクターヴ12音の周波数比)(主音ニ、平行調短音階の併記あり)
22 表15(ピタゴラス律の指板上の指位置の計算例とA弦の1オクターヴ12音の差セント値)(主音ニ、平行調短音階の併記あり)
23 純正律の各弦の1オクターヴの指板上の指位置図(主音ニ、平行調短音階の併記なし)
24 表16(純正律の各弦の1オクターヴ12音の周波数比)(主音ニ、平行調短音階の併記なし)
25 表17(純正律の指板上の指位置の計算例とA弦の1オクターヴ12音の差セント値)(主音ニ、平行調短音階の併記なし)
26 純正律の各弦の1オクターヴの指板上の指位置図(主音ニ、平行調短音階の併記あり)
27 表18(純正律の各弦の1オクターヴ12音の周波数比)(主音ニ、平行調短音階の併記あり)
28 表19(純正律の指板上の指位置の計算例とA弦の1オクターヴ12音の差セント値)(主音ニ、平行調短音階の併記あり)
29 3音律の各弦の1オクターヴの指板上の指位置図(主音ニ、平行調短音階の併記なし)
30 表20(3音律の各弦の1オクターヴ12音の周波数比)(主音ニ、平行調短音階の併記なし)
31 表21(3音律の指板上の指位置の計算例とA弦の1オクターヴ12音の差セント値)(主音ニ、平行調短音階の併記なし)
32 3音律の各弦の1オクターヴの指板上の指位置図(主音ニ、平行調短音階の併記あり)
33 表4(3音律の各弦の1オクターヴ12音の周波数比)(主音ニ、平行調短音階の併記あり)
34 表6(3音律の指板上の指位置の計算例とA弦の1オクターヴ12音の差セント値)(主音ニ、平行調短音階の併記あり)
35 ピタゴラス律の各弦の1オクターヴの指板上の指位置図(主音ニ、階名表示あり、平行調短音階の併記なし)
36 純正律の各弦の1オクターヴの指板上の指位置図(主音ニ、英語音名表示あり、平行調短音階の併記なし)
Claims (3)
- 三つの画像を構成要素とする印刷物であって、フレットが無い種類の弦楽器の指板上の指位置を、12平均律、ピタゴラス律、純正律の各音律で主音別に、各弦の開放弦から1オクターヴの範囲の音程についてその指位置を計算し、一つ一つの画像の中では各音律を併せて表示し、一つ目の画像は1オクターヴ12音の周波数比の表(11)、二つ目の画像は1オクターヴ12音の指位置の計算値の表(12)、三つ目の画像は1オクターヴ12音の指板上の指位置を、指板の長手方向を実寸大または拡大縮小した指位置図(8,9及び10)とし、三つの画像を紙に印刷した、指位置の計算は弦の振動の物理、フックの法則、弦楽器の弦・上駒・指板・駒の4辺からなる四辺形の形状や寸法から導かれることを特徴とする、指位置を計算するプログラム(正しい音程で弦を指板上で押さえたとき、その指位置の上駒から指板上のその位置までの、指板上で測った間隔を計算するプログラム)から算出される、ことを特徴とする弦楽器用指板音階表。
- 請求項1記載の弦楽器用指板音階表の、指位置図の画像を重ねて表示するテンプレートとして、12平均律に基づく指板上の指位置配置の格子状模様(13)の画像を作成し、請求項1の1オクターヴ12音の指板の長手方向を実寸大または拡大縮小した指位置図(8,9及び10)を、同じ縮尺の12平均律に基づく指板上の指位置配置の格子状模様(13)に重ねた指位置図を作成して、1オクターヴ12音の周波数比の表(11)、及び1オクターヴ12音の指位置の計算値の表(12)の、三つの画像からそれぞれの画像の一部又は全部を抜き出し、12平均律以外のピタゴラス律と純正律では平行調短音階の併記の有り無しを区別して表示し、また音名Aで開放弦が調弦される弦の、12平均律以外の音律においては、1オクターヴ12音の正しい指位置での音高を、12平均律の1オクターヴ12音の音高を基準にして、クロマチックチューナーの指示値で、プラスまたはマイナスの差セント値として計算し、この計算した数値を当該弦の1オクターヴ12音の指位置の計算値の表内に併記して、各音律単独で主音別に、12平均律(16と14と15)、ピタゴラス律(17と18と19、並びに20と21と22)、及び純正律(23と24と25、並びに26と27と28)とした、また12平均律、ピタゴラス律、及び純正律の音律を併せて主音別(29と30と31、並びに32と33と34)にした、指位置図、周波数比の表、並びに指位置の計算値の表の三つの画像を構成要素とする、紙に印刷したことを特徴とする弦楽器用指板音階表。
- 請求項2記載の弦楽器用指板音階表において、1オクターヴ12音の指板上の指位置図の、弦楽器の各弦の指位置を表示する●印の上に、指板音階表のそれぞれの主音に基づいた階名(35)の文字や、日本音名、英語音名(36)、ドイツ音名の文字を記入した、指位置図、周波数比の表、並びに指位置の計算値の表の三つの画像を構成要素とする、紙に印刷したことを特徴とする弦楽器用指板音階表。
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