本発明の一実施形態について図1ないし図18に基づいて説明すると以下の通りである。
(システム構成)
本実施形態に係る台間機(記録媒体処理装置)1について、図11を用いて説明する。図11は、本発明の一実施形態における台間機1、および、パチンコ台(遊技機)2の構成を示す正面概略図である。
パチンコ台2は台間機1の横に備えられ、台間機1とパチンコ台2とを合わせて、遊技機システムとする。遊技機システムは、有価価値情報が記録されている記録媒体を用いて、ユーザに対してパチンコ遊技サービスを提供するものである。
台間機1は、有価価値情報が記録されている記録媒体としてのICコイン3およびICカード4に対して、情報の読み出し処理および書き込み処理を行う機能を有するものである。パチンコ台2は、台間機1において記録媒体から読み出された有価価値情報に応じてパチンコ遊技処理が行われる装置である。このパチンコ台2は、台間機1と有線による通信が行われるようになっており、この通信によって台間機1とパチンコ台2との間で有価価値情報の変更情報が送受信される。
なお、本実施形態では、遊技機としてパチンコ台2を用いた例を示しているが、これに限定されるものではなく、有価価値情報に基づいて遊技が行われる遊技機であればどのような遊技機であってもよい。例えば、遊技機として、いわゆるパチスロ台が用いられてもよい。
図17は、複数の遊技機システムが設置されている遊技場等の装置配置例を示している。同図に示すように、パチンコ台2および台間機1からなる遊技機システムが横に複数の列にわたって並べられている。なお、図17において、丸で示す場所にユーザが着席して遊技を行うことになる。各パチンコ台2および台間機1は、通信線8を介してデータ管理端末7に通信接続されている。データ管理端末7は、管理者のいる管理室等に設けられる。このデータ管理端末は、各台間機1およびパチンコ台2を中枢的に管理している。具体的には、データ管理端末は、台間機1において処理される情報、パチンコ台2において処理される情報などを管理する機能を有する。
なお、実際には、台間機1…が接続されるデータ管理端末7と、パチンコ台2…が接続されるデータ管理端末7とを、それぞれ異なるデータ管理端末によって構成してもよい。この場合、台間機1における有価価値情報に関する処理情報を統括管理するデータ管理端末と、パチンコ台2における遊技処理状況を統括管理するデータ管理端末とがそれぞれ別に設けられることになり、データ管理端末7を機能的に分離することができる。
なお、本実施形態では、台間機1はパチンコ台2と並んで配置されている構成となっているが、ICコイン3およびICカード4の販売を行う記録媒体販売装置として構成してもよい。
(台間機の構成)
台間機1の外表面には、図11に示すように、紙幣投入口11、ICコイン投入口13、ICカード投入口14、およびICコイン返却口15が設けられている。
紙幣投入口11は、現金によって遊技が行われる場合に、ユーザによって現金としての紙幣が投入される投入口である。この紙幣投入口11は、ユーザに対して紙幣の返却が行われる際にも用いられる。
ICコイン投入口13は、ICコイン3によって遊技が行われる場合に、ユーザによってICコイン3が投入される投入口である。ICコイン返却口15は、投入されているICコイン3がユーザに対して返却される返却口である。
ICカード投入口14は、ICカード4によって遊技が行われる場合に、ユーザによってICカード4が投入される投入口である。このICカード投入口14は、ユーザに対してICカード4の返却が行われる際にも用いられる。
また、パチンコ台2における上皿部側面には、玉貸し入力ボタン12a、玉貸し表示部12b、および返却ボタン16が設けられている。
玉貸し表示部12bは、台間機1に対して投入された現金、ICコイン3、およびICカード4に基づいて、利用可能なパチンコ玉の数に関する情報等を表示するものである。この玉貸し表示部12bは、例えば7セグメントのLED表示部を3桁分並べた表示装置などによって構成される。
玉貸し入力ボタン12aは、利用パチンコ玉数(玉貸し数)の入力がユーザによって行われるボタンである。ここで利用パチンコ玉数が入力されると、その数のパチンコ玉がパチンコ台2に供給されることになる。
返却ボタン16は、ユーザからの返却指示を受け付けるスイッチである。この返却ボタン16がユーザによって押されると、投入されている残り現金、ICコイン3、またはICカード4がユーザに対して返却される。
以上のように、台間機1は、現金、ICコイン3、およびICカード4による料金徴収を行い、これに基づいてパチンコ台2に対するパチンコ玉の供給を制御するものとなっている。
なお、本実施形態では、玉貸し表示部12b、玉貸し入力ボタン12a、および返却ボタン16がパチンコ台2における上皿部側面に設けられた構成となっているが、これに限定されるものではなく、台間機1の前面にこれらの構成が設けられた構成とすることも可能である。
ここで、図19を参照しながら、台間機1の機能的な構成について説明する。同図に示すように、台間機1は、現金収受装置72、遊技玉供給制御装置71、および記録媒体処理装置20を備えている。現金収受装置72は、紙幣投入口11における紙幣の収受を行う装置である。
遊技玉供給制御装置71は、現金、ICコイン3、およびICカード4による料金収受に基づいてパチンコ玉の供給を制御する装置であり、台間機1の中枢を担う装置である。この遊技玉供給制御装置71の主たる機能は次のとおりである。(1)データ管理端末との間の通信処理を行う。(2)R/W制御部405に対して記録媒体への情報の読み書きの実体的な制御を行う。(3)通信が断線した場合、読み書き処理中のデータを退避する処理を行う。(4)遊技機2との通信(玉貸し等)処理を行う。(5)記録媒体の搬送制御のタイミングを制御する。(6)各種表示部(玉貸し表示部12b)の表示制御を行う。
記録媒体処理装置20は、ICコイン3およびICカード4との無線通信により、ICコイン3およびICカード4に対して有価価値情報の読み取りおよび書き換えを行う機能を有するものである。この記録媒体処理装置20は、ICコイン搬送用モータ301、ICコインシャッターソレノイド302、貯留センサ307、ICコイン位置センサ81、ICコインHPセンサ82、セレクタ制御部303、ICカード位置センサ404、ICカード投入センサ411、ICカードシャッターソレノイド412、ICカード搬送用モータ406、R/W制御部405、およびアンテナ414を備えている。また、セレクタ制御部303は、ICコイン搬送制御部303a、およびICカード搬送制御部303bを備えている。なお、これらの構成の詳細については後述する。
(記録媒体処理装置の構成)
記録媒体処理装置20は、上記したように、ICコイン3およびICカード4との無線通信により、ICコイン3およびICカード4に対して有価価値情報の読み取りおよび書き換えを行う機能を有する。まず、ICコイン3およびICカード4について説明する。
ICコイン3は、パチンコ台2においてユーザが遊技を行う際に必要となる有価価値情報を記録するコイン形状の記録媒体である。また、ICコイン3に既に情報として記録されている有価価値情報は、ユーザが遊技を行うために利用されるごとに消費され、全て消費された後は、ICコイン3は台間機1に回収される。ユーザはさらに遊技を続行する場合は、新たにICコイン3を購入することになる。
ICカード4は、有価価値情報以外に、ユーザID等を記録するカード形状の記録媒体である。また、カードに既に情報として記録されている有価価値情報は、ユーザの利用により消費されるが、全て消費された後でも、ユーザによって現金が投入されることによって有価価値情報を更新することができる。
なお、本実施形態では、ICコイン3は有価価値情報が使い切られる構成であり、ICカード4は有価価値情報が更新可能な構成としているが、これに限定されるものではなく、ICコイン3が、有価価値情報の更新が可能な構成であってもよいし、ICカード4が、有価価値情報が使い切られる構成であってもよい。
次に、記録媒体処理装置20について、図1〜図6を用いてさらに詳細に説明する。記録媒体処理装置20は、大きく分けて、ICコイン3の搬送処理を行うICコイン処理部30と、ICカード4の搬送処理を行うICカード処理部40とを備えている。そして、図1は、記録媒体処理装置20をICカード処理部40側から見た際の斜視図を示しており、図2は、記録媒体処理装置20をICコイン処理部30側から見た際の斜視図を示している。これらの図に示すように、ICコイン処理部30およびICカード処理部40は互いに接した状態で並んで配置された構成となっている。なお、通常の使用状態では、ICコイン処理部30とICカード処理部40とは互いに接した状態となっているが、メンテナンス時などには、両者を分離することが可能となっている。
ICカード処理部40における、ICコイン処理部30との接触面に対して垂直な1つの側面にはICカード投入口14が設けられている。以降、記録媒体処理装置20において、ICカード投入口14が設けられている面を表側面と称する。そして、この表側面において、ICコイン処理部30とICカード処理部40との接触面部分にICコイン投入口13が設けられている。また、表側面において、ICコイン投入口13の下部に、ICコイン処理部30とICカード処理部40との接触面部分にICコイン返却口15が設けられている。
(ICコイン処理部の構成)
次に、ICコイン処理部30の構成について説明する。まず図2を参照しながら、ICコイン処理部30における、ICカード処理部40との接触面とは反対側の面(以降、右側面と称する)に配置されている構成について説明する。ICコイン処理部30における右側面には、ICコイン搬送用モータ301、ICコインシャッターソレノイド302、セレクタ制御部303、第1ギア304、第2ギア305、第3ギア306、貯留センサ307、第4ギア308、貯留ピンソレノイド309、および貯留ピン310が設けられている。
ICコインシャッターソレノイド302は、ICコインシャッター311(後述)の開閉を駆動するソレノイドである。なお、ICコインシャッター311の開閉を駆動する駆動源としては、ソレノイドに限らず、モータなどであってもよい。
ICコイン搬送用モータ301は、ICコイン処理部30におけるICコイン3の搬送を行う際の駆動力を供給するモータである。第1ギア304、第2ギア305、第3ギア306は、ICコイン搬送用モータ301の駆動力を順次第4ギア308に伝達するギア群である。第1ギア304は、笠歯ギアであり、各ギアの回転方向を変える機能を有する。第2ギア305および第3ギア306は2段ギアであり、ICコイン搬送用モータ301の回転速度を減速させる機能を有する。第4ギア308は、ICコイン3を搬送させるロータ315(後述)と一体になっている。
貯留センサ307および貯留ピン310については後述する。貯留ピンソレノイド309は、貯留ピン310の移動を駆動するソレノイドである。なお、貯留ピン310の開閉を駆動する駆動源としては、ソレノイドに限らず、モータなどであってもよい。
セレクタ制御部303は、前記したように、ICコイン搬送制御部303aおよびICカード搬送制御部303bを備えた構成となっている。ICコイン搬送制御部303aは、ICコイン処理部30におけるICコイン3の搬送の制御を行うものであり、制御処理を行うIC(Integrated Circuit)が形成された基板によって構成される。具体的には、ICコイン搬送制御部303aは、ICコイン搬送用モータ301の駆動制御、ロータ315の回転位置の制御、各種センサからの検知結果の認識、ICコインシャッターソレノイド302の制御、貯留ピンソレノイド309の制御などを行う。ICカード搬送制御部303bは、ICカード処理部40におけるICカード4の搬送の制御を行うものであり、制御処理を行うIC(Integrated Circuit)が形成された基板によって構成される。具体的には、ICカード搬送制御部303bは、ICカード搬送用モータ406(後述)の駆動制御、各種センサからの検知結果の認識、ICカードシャッターソレノイド412(後述)の制御などを行う。
次に図3を参照しながら、ICコイン処理部30における、ICカード処理部40との接触面に配置されている構成について説明する。ICコイン処理部30の接触面には、貯留センサ307、貯留ピン310、ICコインシャッター311、ロータ315、投入通路316、返却通路314、貯留通路312、および回収通路313が設けられている。
ICコインシャッター311は、ICコイン投入口13からのICコイン3の投入を防止するためのシャッターである。ロータ315は、ICコイン3を載置する載置部315aを備えており、この載置部315aに載置されたICコイン3を、自身が回転することによって搬送するものである。
投入通路316は、ICコイン投入口13とロータ315が配置されている領域とを結ぶICコイン3の移動通路である。ICコイン投入口13から投入されたICコイン3は、自重によって投入通路316を移動してロータ315が配置されている領域に到達する。
返却通路314は、ICコイン返却口15とロータ315が配置されている領域とを結ぶICコイン3の移動経路である。ロータ315によって返却通路314の領域に搬送されたICコイン3は、自重によって返却通路314を移動してICコイン返却口15に到達する。
回収通路313は、ICコイン回収口17とロータ315が配置されている領域とを結ぶICコイン3の移動経路である。ロータ315によって回収通路313の領域に搬送されたICコイン3は、自重によって回収通路313を移動してICコイン回収口17に到達する。ICコイン回収口17から排出されたICコイン3は、図示しないICコイン回収箱に回収される。ICコイン回収箱は、長年の使用などにより使用不可能となったICコイン3を回収するとともに、後述する貯留通路312に貯留可能な数を超えてICコイン3が貯留された場合に、溢れたICコイン3を回収するためのものである。
貯留通路312は、ロータ315が配置されている領域から上方向に延びたICコイン3の通路であり、ICコイン3を貯留するためのものである。ロータ315によって貯留通路312の領域に搬送されたICコイン3は、貯留通路312内に下から順に貯留されていくことになる。本実施形態では、貯留通路312に貯留可能なICコイン3の数は3個となっている。貯留通路312に貯留可能な数を超えてICコイン3が貯留通路312に搬送された場合には、貯留通路312の上部からICコイン3が貯留回収通路401(後述)を通ってICコイン回収箱に回収される。なお、貯留通路312に貯留可能なICコイン3の枚数は、貯留通路312の長さにより決まり、長くすればそれだけ多数のICコイン3を貯留することができる。貯留通路312を長くする部材をつけ加えることでICコイン3を貯留できる枚数はより多くなる。
貯留センサ307は、貯留通路312にICコイン3が貯留されているか否かを検出するセンサである。この貯留センサ307は、貯留通路312における下部、すなわち、ロータ315に近い領域に設けられている。これにより、少なくとも1つのICコイン3が貯留通路312に貯留されているか否かが貯留センサ307によって検出することができる。
貯留ピン310は、ロータ315によって搬送されたICコイン3が貯留通路312側に移動させるか、回収通路313側に移動させるかを切り換えるためのピンである。この貯留ピン310は、ロータ315における載置部315aに載置されたICコイン3が移動可能な領域であるロータ周囲領域上であって、貯留通路312と回収通路313との間となる領域に設けられている。貯留ピン310が突出した状態では、ロータ315によって搬送されたICコイン3は貯留通路312に移動し、貯留ピン310が没入した状態では、ロータ315によって搬送されたICコイン3は回収通路313に移動することになる。すなわち、貯留ピン310は、ICコイン3を押し上げ、貯留場所としての貯留通路312へ誘導する機能を有する。
また、セレクタ制御部303が設けられる基板には、図19に示したように、ICコインHPセンサ82、および、ICコイン位置センサ81が設けられている(図3では図示せず)。
ICコインHPセンサ82は、ロータ315の回転位置を検知するセンサである。このICコインHPセンサ82は、ロータ315における載置部315aがHP(Home Position)、すなわち、投入通路316から投入されたICコイン3を受け止める位置となっている場合に検知がONとなるようになっている。
ICコイン位置センサ81は、ロータ315の載置部315aに載置されたICコイン3がどの位置にあるかを検知するセンサである。なお、本発明の実施の形態においては、ICコインHPセンサ82およびICコイン位置センサ81は、セレクタ制御部303が設けられる基板上に配置したが、他の場所に配置してもよい。
(ICカード処理部の構成)
次に、ICカード処理部40の構成について説明する。まず図4を参照しながら、ICカード処理部40における、ICコイン処理部30との接触面とは反対側の面(以降、左側面と称する)に配置されている構成について説明する。ICカード処理部40における左側面には、貯留回収通路401、トレイ402、テンションローラ403、ICカード位置センサ404、R/W制御部405、ICカード搬送用モータ406、ウォームギア407、中継ギア408、ゴムローラ409、搬送通路410、ICカード投入センサ411、およびICカードシャッターソレノイド412が設けられている。なお、図4では、トレイ402が開けられた状態を示しているが、実際の使用時には、トレイ402は搬送通路410を覆うように閉じられた状態となる。
貯留回収通路401は、貯留通路312に貯留可能な数を超えてICコイン3が貯留通路312に搬送された場合に、貯留通路312の上部から溢れたICコイン3をICコイン回収箱に移動させるための通路である。この貯留回収通路401におけるICコイン3の移動は、ICコイン3の自重によって行われる。
搬送通路410は、ICカード投入口14から投入されたICカード4を情報の読み書きが行われる位置、すなわちICカード通信位置まで搬送するとともに、ICカード4をICカード投入口14から排出する通路である。トレイ402は、搬送通路410の左側面側を構成しており、左側面側に対して開閉可能となっている。すなわち、メンテナンス時などに、トレイ402を開けることによって、搬送通路410を露出することが可能となるので、搬送通路410の内部の状態を容易に確認することが可能となっている。
ICカード搬送用モータ406は、ICカード処理部40におけるICカード4の搬送を行う際の駆動力を供給するモータである。ウォームギア407および中継ギア408は、ICカード搬送用モータ406の駆動力を順次ゴムローラ409に伝達するギア群である。
ゴムローラ409は、投入されたICカード4をICカード通信位置まで搬送するためのローラである。このゴムローラ409に対向する位置に、トレイ402にテンションローラ403が設けられている。すなわち、ICカード4は、ゴムローラ409とテンションローラ403とに挟まれることによって搬送される。
ICカード投入センサ411は、ICカード投入口14の近傍に設けられており、ICカード投入口14から投入されたICカード4を検知するセンサである。ICカード位置センサ404は、搬送通路410の奥側に設けられており、投入されたICカード4がゴムローラ409の位置に位置しているか否かを検出するセンサである。
ICカードシャッターソレノイド412は、ICカードシャッター415(後述)の開閉を駆動するソレノイドである。なお、ICカードシャッター415の開閉を駆動する駆動源としては、ソレノイドに限らず、モータなどであってもよい。
R/W制御部405は、アンテナ414を用いて、台間機1に投入されたICコイン3またはICカード4と無線通信を行うことにより、情報の読み出しおよび書き込みを行う制御部である。このR/W制御部405は、情報の読み出しおよび書き込み処理を行うICチップによって構成される。R/W制御部405は、前記した遊技玉供給制御装置71と通信可能に接続されており、遊技玉供給制御装置71による制御に基づいて情報の読み出しおよび書き込み処理が行われる。また、R/W制御部405は、例えばRAM等の記憶装置を備え、故障時等に記録媒体の情報を記憶装置に保存することが可能となっている。なお、本実施形態では、上記の記憶装置がR/W制御部405に設けられている構成としているが、これらの構成を別の基板上に設けた構成としてもよい。
図5は、搬送通路410における右側面を取り除いた状態を示している。同図に示すように、搬送通路410に対してICコイン処理部30側の領域には、アンテナ414、ICカードシャッター415、および位置センサ416が設けられている。
ICカードシャッター415は、ICカード投入口14からのICカード4の投入を防止するためのシャッターである。
ここで、R/W制御部405は、ICコイン3との間で行われる無線通信の形式と、ICカード4との間で行われる無線通信の形式とを互いに異なるものとしている。無線通信の形式を互いに異ならせる具体例としては、通信プロトコルや通信コマンドを両者で別のものを用いる手法が挙げられる。これにより、何らかの事情により(例えば不正が行われた場合や、エラーが発生した場合など)ICコイン3とICカード4とが同時に台間機1に投入された場合でも、誤交信が生じることなく、読み書きの対象となる記録媒体に対してのみ適切に情報の書き換えなどを行うことが可能となる。
次に図6を参照しながら、ICカード処理部40における、ICコイン処理部30との接触面について説明する。同図に示すように、ICカード処理部40の接触面には、投入通路316、返却通路314、貯留通路312、および回収通路313の左側面が設けられている。すなわち、投入通路316、返却通路314、貯留通路312、および回収通路313は、ICカード処理部40の接触面によって左側面が形成され、ICコイン処理部30の接触面によって右側面が形成されることになる。
以上のような構成の記録媒体処理装置において、ICカード処理部40におけるICカード4の移動通路としてのカード通路51、ICコイン処理部30におけるICコイン3の移動通路としてのコイン通路52、およびアンテナ414の位置関係について図18(a)を参照しながら説明する。なお、カード通路51は、搬送通路410に相当するものであり、コイン通路52は、貯留通路312、回収通路313、返却通路314、投入通路316、およびロータ315によってICコイン3が移動する領域などに相当するものである。
同図に示すように、アンテナ414と、カード通路51およびコイン通路52との距離は、それぞれほぼ等しくなっている。これは、アンテナ414の一方の片側にカード通路51が配置され、他方の片側にコイン通路52が配置されているからである。これにより、ICカード4に対する交信距離と、ICコイン3に対する交信距離とをともに短くすることができるので、アンテナ414における通信可能距離が比較的短い場合でも、適切な通信を行うことが可能となる。
また、図18(b)は、図18(a)に示した構成において、駆動源および駆動中継要素からなるICカード駆動機構(搬送駆動機構)55およびICコイン駆動機構(搬送駆動機構)56も示した図である。ここで、ICカード駆動機構55は、ICカード搬送用モータ406、ウォームギア407、中継ギア408などの構成に相当するものであり、ICコイン駆動機構56は、ICコイン搬送用モータ301、第1ギア304、第2ギア305、第3ギア306、第4ギア308などの構成に相当するものである。
同図に示すように、アンテナ414の一方の片側に、カード通路51、およびICカード駆動機構55が配置され、他方の片側に、コイン通路52、およびICコイン駆動機構56が配置されている。このような構成によれば、ICカード4の搬送処理に関する部材と、ICコイン3の搬送処理に関する部材とをそれぞれ異なる位置に配置することができるので、両者を分離可能に構成することが可能となる。よって、上記のように、ICコイン処理部30とICカード処理部40とを分離することが可能な構成とすることが可能となっている。このような構成により、メンテナンス性を向上することができる。
また、ICカード駆動機構55およびICコイン駆動機構56が、それぞれ完全に分離した状態とすることができるので、コイン通路52またはカード通路51の形状の設計もより自由に行うことが可能となる。また、各駆動中継要素の長さも必要最低限に抑えることが可能となる。
なお、本実施形態では、ICコイン搬送制御部303aおよびICカード搬送制御部303bを、1つの基板上に設けた構成となっているが、これに限定されるものではなく、ICコイン搬送制御部303aおよびICカード搬送制御部303bをそれぞれ別の基板に設けた構成としてもよい。さらに、ICコイン搬送制御部303aおよびICカード搬送制御部303bを、それぞれICコイン処理部30のユニット内、およびICカード処理部40のユニット内に別々に設けた構成としてもよい。この場合、搬送制御部に関しても、ICコイン処理部30とICカード処理部40とでそれぞれ独立して設けることができるので、制御に関するメンテナンスも行いやすくなるというメリットがある。
(ICコイン・ICカード投入時処理)
次に、図12を用いて、ICコイン3またはICカード4が投入された際の処理の手順について説明する。なお、以下の説明において、各センサがOFFしている状態とは、ICコイン3あるいはICカード4を検知していない状態であり、ONしている状態とは、ICコイン3あるいはICカード4を検知していない状態である。
まず、ステップ0(以降、S0のように称する)において、記録媒体処理装置20が待機状態となっている。待機状態とは、記録媒体処理装置20内に、情報の読み書きが行われているICコイン3またはICカード4が存在しない状態である。
待機状態において、ICコイン位置センサ81が、ICコイン投入口13から投入されたICコイン3を検知すると(S1)、この検知結果に応答して、ICコイン搬送制御部303aにより、ICコインシャッターソレノイド302に対する通電が解除され、ICコインシャッター311がICコイン投入口13を閉じる。この状態におけるICコイン処理部30の接触面における様子を図7に示す。また、同じくこの検知結果に応答して、ICカード搬送制御部303bにより、ICカードシャッターソレノイド412に対する通電が解除され、ICカードシャッター415がICカード投入口14を閉じる(S2)。
また、ICコイン搬送制御部303aは、ICコイン搬送用モータ301を駆動させる(S3)。この駆動力が、第1ギア304、第2ギア305、第3ギア306、および第4ギア308に伝達され、ロータ315が回転する。これにより、ICコイン3はロータ315の載置部315aに載置された状態で搬送され、ICコイン3に対して情報の読み書きが行われる位置、すなわちICコイン通信位置まで移動する。この状態におけるICコイン処理部30の接触面における様子を図8に示す。
次にS4において、ICコイン3がICコイン通信位置まで移動したか否かが判定される。ICコイン3がICコイン通信位置まで移動した場合には、ICコイン位置センサ81がこれを検知する(S4においてYES)。ICコイン位置センサ81が、ICコイン通信位置のICコイン3を検知しない場合(S4においてNO)には、ICコイン搬送制御部303aはこの検知結果を遊技玉供給制御装置71に通知し、遊技玉供給制御装置71がエラー処理を行う(S11)。このエラー処理とは、所有者等に対してエラーの発生していることを知らせるために、台間機1にエラーの表示を行わせたり、データ管理端末7に対してエラー発生の通知を行う等の処理のことである。以下、エラー処理とは全て同様な処理であるものとする。
ICコイン3がICコイン通信位置まで移動したことが確認されると、ICコイン搬送制御部303aはこの検知結果に応じて、ICコイン搬送用モータ301の駆動を停止させる(S5)。さらに、R/W制御部405がアンテナ414を用いてICコイン3と無線通信を行うことにより、ICコイン3に記録されている情報の読み込みを行う(S6)。
その後、R/W制御部405によって読み込まれた情報に基づいて、ICコイン3に利用可能なパチンコ玉の数が残っていることを示す情報が記録されているか(有効な情報が入っているか)どうかを、遊技玉供給制御装置71が判断する(S7)。遊技玉供給制御装置71がICコイン3に有効な情報が入っていることを確認できなければ(S7においてNO)、ICコイン搬送制御部303aが後述するICコインワーニング返却の許可処理を行う(S12)。ここで、ワーニング返却とは、ICコイン3に有効な情報が入っていないと判断された場合に、ICコイン搬送制御部303aがユーザに玉貸しすること無く、ICコイン3を返却する動作を示している。
遊技玉供給制御装置71は、ICコイン3に有効な情報が入っていることを確認できれば(S7においてYES)、さらに、R/W制御部405がICコイン3から該ICコイン3を特定する情報を読み込むとともに、遊技玉供給制御装置71が、データ管理端末7に記憶されている該ICコイン3に関する情報を通信線8を介して読み出す(S8)。そして、遊技玉供給制御装置71は、投入されているICコイン3に記録されている情報と、データ管理端末7に記憶されている該ICコイン3に関する情報とが一致しているか否かを判定する(S9)。
S9においてNO、すなわち、投入されているICコイン3に記録されている情報と、データ管理端末7に記憶されている該ICコイン3に関する情報とが一致していないと判定された場合には、S12におけるICコインワーニング返却の許可処理を行う。一方、S9においてYES、すなわち、投入されているICコイン3に記録されている情報と、データ管理端末7に記憶されている該ICコイン3に関する情報とが一致していると判定された場合には、パチンコ台2へ玉貸しあるいは返却処理を行うよう、玉貸し・返却の許可を行う(S10)。
一方、ユーザにより台間機1にICカード4が投入された場合、待機状態において(S0)、ICカード投入センサ411がONする(S21)。図10は、ICカード処理部40において、ICカード4の投入状態の推移を示している。同図において、P1で示される位置は、ICカード4の投入が開始された時点でのICカード4の位置を示している。この時点で、上記のようにICカード投入センサ411がONすることになる。
この検知結果に応答して、ICコイン搬送制御部303aにより、ICコインシャッターソレノイド302に対する通電が解除され、ICコインシャッター311がICコイン投入口13を閉じる。また、同じくこの検知結果に応答して、ICカード搬送制御部303bにより、ICカードシャッターソレノイド412に対する通電が解除され、ICカードシャッター415がICカード投入口14を閉じる(S22)。
ここで、ICカード4はゴムローラ409まで挿入され(図10におけるP2の位置)、ICカード位置センサ404がONすると(S23)、この検知結果に応じて、ICカード搬送制御部303bは、ICカード搬送用モータ406を駆動させる。ICカード搬送用モータ406の駆動に伴って、ウォームギア407、中継ギア408に駆動力が伝達され、ゴムローラ409が回転する。これにより、ICカード4は、ゴムローラ409により、搬送通路410のさらに奥に搬送される(S24)。ICカード4が搬送されている間に、ICカード投入センサ411とICカード位置センサ404との検知結果が、ICカード搬送制御部303bに伝えられる(S25)。
ここで、ICカード投入センサ411とICカード位置センサ404との両方がOFFしている状態、あるいは、ICカード投入センサ411とICカード位置センサ404との両方がONしている状態である場合(S25においてNO)、ICカード搬送制御部303bにより、カードワーニング返却の許可が行われる(S32)。
一方、ICカード投入センサ411はOFFしており、ICカード位置センサ404はONしている状態である場合には(S25においてYES)、ICカード搬送制御部303bにより、ICカード4はICカード通信位置まで搬送された(図10におけるP3の位置)と判断され、ICカード搬送用モータ406の駆動が停止される(S26)。そして、アンテナ414がICカード4と無線通信を行うことにより、ICカード4に記録されている情報の読み込みを行う(S27)。
その後、R/W制御部405によって読み込まれた情報に基づいて、ICカード4に利用可能な有価価値情報が残っていることを示す情報が記録されているか(有効な情報が入っているか)どうかを、遊技玉供給制御装置71が判断する(S28)。遊技玉供給制御装置71がICカード4に有効な有価価値情報が入っていることを確認できなければ(S28においてNO)、ICカード搬送制御部303bが後述するICカードワーニング返却の許可処理を行う(S32)。ここで、ワーニング返却とは、ICカード4に有効な情報が入っていないと判断された場合に、ICカード搬送制御部303bがユーザに玉貸しすること無く、ICカード4を返却する動作を示している。
遊技玉供給制御装置71は、ICカード4に有効な情報が入っていることを確認できれば(S28においてYES)、さらに、R/W制御部405がICカード4から該ICカード4を特定する情報を読み込むとともに、遊技玉供給制御装置71が、データ管理端末7に記憶されている該ICカード4に関する情報を通信線8を介して読み出す(S29)。そして、遊技玉供給制御装置71は、投入されているICカード4に記録されている情報と、データ管理端末7に記憶されている該ICカード4に関する情報とが一致しているか否かを判定する(S30)。
S30においてNO、すなわち、投入されているICカード4に記録されている情報と、データ管理端末7に記憶されている該ICカード4に関する情報とが一致していないと判定された場合には、S32におけるICカードワーニング返却の許可処理を行う。一方、S30においてYES、すなわち、投入されているICカード4に記録されている情報と、データ管理端末7に記憶されている該ICカード4に関する情報とが一致していると判定された場合には、パチンコ台2へ玉貸しあるいは返却処理を行うよう、玉貸し・返却の許可を行う(S31)。
(玉貸し処理)
次に、ICコイン3またはICカード4を用いて玉貸し処理が行われる手順について、図13に示すフローチャートを用いて説明する。図12に示すフローチャートのS10またはS31のステップにおいて、ICコイン3またはICカード4について、玉貸し・返却の許可がされた状態となった場合(S10・S31)、遊技玉供給制御装置71はユーザによって玉貸し入力ボタン12aから玉貸し指示の入力が行われたか否かの判断を行う(S41)。遊技玉供給制御装置71は、玉貸し指示入力が行われたことを確認できるまで、玉貸し・返却の許可のされた状態を続行する。
遊技玉供給制御装置71は、ユーザにより玉貸し指示入力が行われた場合(S41においてYES)、ユーザから玉貸し要求の指示が行われたことを確認し(S42)、パチンコ台2に対して玉貸し動作を行う(S42)。これに応じて、パチンコ台2において玉貸し動作が行われ(S43)、ユーザはパチンコ台2にて遊技が可能な状態となる。
玉貸しの動作中は、遊技玉供給制御装置71によりパチンコ台2あるいは台間機1において、パチンコ玉の詰まり、玉数の異常などの障害が発生しているか否かの確認が行われる(S44)。
遊技玉供給制御装置71により障害が発生していることが確認された場合(S44においてYES)、R/W制御部405は、その時点までに玉貸しが行われた玉数に基づいて、情報をICコイン3またはICカード4に書き込む(S55)。ここで、情報の書き込みとは、ICコイン3あるいはICカード4に既に情報として記録されている有価価値情報の値から、ユーザに対して玉貸しが行われた量を差し引き、差し引いた後の値を情報としてICコイン3あるいはICカード4に記録させることである。
さらに、R/W制御部405はICコイン3またはICカード4から情報を読み込み(S56)、これに基づいて遊技玉供給制御装置71が、S55において行われた情報の書き込みが適切に行われているか否かの確認を行う(S57)。ここで、ICコイン3またはICカード4に適切に情報の書き込みが行われていないと判断された場合には(S57においてNO)、遊技玉供給制御装置71がエラー処理を行う(S52)。
ICコイン3またはICカード4に対して適切に情報の書き込みがなされている場合には(S57においてYES)、遊技玉供給制御装置71は、データ管理端末7との通信が確立しているか否かの確認を行う(S58)。データ管理端末7との通信が確立していなければ(S58においてNO)、遊技玉供給制御装置71は情報を記憶装置に保持する(S53)。ここで記憶装置に記憶された情報は、データ管理端末7との通信が確立された時点でデータ管理端末7に対して送信される。
データ管理端末7との通信が確立していれば(S58においてYES)、ICコイン3またはICカード4の情報は、遊技玉供給制御装置71によりデータ管理端末7に送信され、データ管理端末7に保存される(S59)。その後、遊技玉供給制御装置71がエラー処理を行う(S60)。
一方、遊技玉供給制御装置71により障害が発生していることが確認されなければ(S44においてNO)、ユーザから指示された玉貸し量に基づいて、情報をICコイン3またはICカード4に書き込む(S45)。
さらに、R/W制御部405はICコイン3またはICカード4から情報を読み込み(S46)、遊技玉供給制御装置71が、S45において行われた情報の書き込みが適切に行われているか否かの確認を行う(S47)。ここで、ICコイン3またはICカード4に適切に情報の書き込みが行われていないと判断された場合には(S47においてNO)、遊技玉供給制御装置71がエラー処理を行う(S52)。
ICコイン3またはICカード4に対して適切に情報の書き込みがなされている場合には(S47においてYES)、遊技玉供給制御装置71は、データ管理端末7との通信が確立しているか否かの確認を行う(S48)。データ管理端末7との通信が確立していなければ(S48においてNO)、遊技玉供給制御装置71は情報を記憶装置に保持する(S53)。ここで記憶装置に記憶された情報は、データ管理端末7との通信が確立された時点でデータ管理端末7に対して送信される。
データ管理端末7との通信が確立していれば(S48においてYES)、ICコイン3またはICカード4の情報は、遊技玉供給制御装置71によりデータ管理端末7に送信され、データ管理端末7に保存される(S49)。
その後、遊技玉供給制御装置71は、ICコイン3またはICカード4に利用可能な有価価値情報が記録されているか否かを確認する(S50)。利用可能な有価価値情報が記録されていないと判断された場合(S50においてNO)には、ICコイン3の貯留の許可またはICカード4の返却の許可がICコイン搬送制御部303aまたはICカード搬送制御部303bによって行われる。一方、利用可能な有価価値情報が記録されていると判断された場合(S50においてYES)には、再び玉貸し・返却の許可のされた状態に移行する。
(ICコイン返却処理)
次に、ICコイン3の返却処理の手順について、図14に示すフローチャートを用いて説明する。
図12に示すフローチャートのS10またはS31のステップにおいて、ICコイン3またはICカード4について、玉貸し・返却の許可がされた状態、あるいは、図12に示すフローチャートのS12のステップにおいて、ICコインワーニング返却の許可がされた状態において、ユーザによって返却ボタン16が押されると(S71)、遊技玉供給制御装置71は、ユーザによりICコイン3の返却の要求があったと認識し(S72)、ICコイン3の返却処理を行う(S73)。
遊技玉供給制御装置71は、ICコイン搬送制御部303aによって、ICコイン3を投入するときとは逆の方向にICコイン搬送用モータ301を駆動させ(逆転動作させ)(S74)、この駆動に伴ってロータ315が回転し、ロータ315に載置されているICコイン3は、コイン通信位置から返却通路314へ向かって移動する。これにより、ICコインHPセンサ82は、ONの状態からOFFの状態へ移行する。また、ICコイン3が返却位置まで移動すると、ICコイン位置センサ81が返却位置で応答する。
ICコイン3のコイン通信位置から返却位置への移動の際、ICコイン搬送用モータ301の駆動が開始されてから、ICコインHPセンサ82がOFFするまでの時間を、遊技玉供給制御装置71は測定し、この時間が一定時間以内であるか否かを判定する(S75)。このICコインHPセンサ82がOFFするまでの時間が、所定の時間を超過した場合(S75においてNO)は、遊技玉供給制御装置71はエラー処理を行う(S83)。
ICコインHPセンサ82のOFFするまでの時間が、予め設定された時間以内であった場合(S75においてYES)、さらに、遊技玉供給制御装置71は、ICコイン搬送用モータ301の駆動が開始されてから、ICコイン位置センサ81が返却位置で応答するまでの時間を測定し、この時間が一定時間以内であるか否かを判定する(S76)。ICコイン位置センサ81が返却位置で応答するまでの時間が、予め設定された時間を超過した場合(S76においてNO)は、遊技玉供給制御装置71はエラー処理を行う(S84)。
ICコイン位置センサ81が返却位置で応答するまでの時間が、予め設定された時間以内であった場合(S76においてYES)、ICコイン搬送制御部303aはICコイン搬送用モータ301の駆動を停止させる(S77)。ここで、ICコイン搬送用モータ301の停止前に、ICコイン3は自重によってロータ315の載置部315aから返却通路314に落下し、返却通路314を通ってICコイン返却口15からユーザに対して返却される。さらに、ICコイン3の返却後、遊技玉供給制御装置71は、ICコイン搬送制御部303aによって、ICコイン3を投入する時と同じ方向にICコイン搬送用モータ301を回転させ(正転動作させ)(S78)、これに伴ってロータ315の載置部315aは返却位置から初期位置(HP)へ戻るように回転する。
ロータ315の返却位置から初期位置への回転の際、ICコイン搬送用モータ301の正転動作の開始から、ICコインHPセンサ82がONするまでの時間を、遊技玉供給制御装置71は測定し、この時間が一定時間以内であるか否かを判定する(S79)。このICコインHPセンサ82がONするまでの時間が、予め設定された時間を超過した場合(S79においてNO)は、遊技玉供給制御装置71はエラー処理を行う(S85)。
ICコインHPセンサ82のONするまでの時間が、予め設定された時間以内であった場合(S79においてYES)は、ICコイン搬送制御部303aはICコイン搬送用モータ301を停止させる(S80)。さらに、ICコイン搬送制御部303aが、ICコインシャッター311を開けるように制御を行うとともに、ICカード搬送制御部303bが、ICカードシャッター415を開けるように制御を行う。これにより、台間機1は待機状態に戻る(S0)。
(ICカード返却処理)
次に、ICカード4の返却処理の手順について、図15に示すフローチャートを用いて説明する。
図12に示すフローチャートのS10またはS31のステップにおいて、ICコイン3またはICカード4について、玉貸し・返却の許可がされた状態において、ユーザによって返却ボタン16が押されると(S91)、遊技玉供給制御装置71は、ユーザによりICカード4の返却の要求があったと認識し(S92)、ICカード4の返却処理を行う(S93)。
また、図12に示すフローチャートのS32のステップにおいて、ICカードワーニング返却の許可がされた状態、あるいは、図13に示すフローチャートのS54のステップにおいて、ICカード返却の許可がされた状態においても、遊技玉供給制御装置71は、ICカード4の返却の要求があったと認識し(S92)、ICカード4の返却処理を行う(S93)。
ICカード4の返却処理を行う場合、遊技玉供給制御装置71は、まず、ICカード搬送制御部303bによって、ICカードシャッター415を開けるように制御を行う(S94)。さらに、ICカード搬送制御部303bは、ICカード4を投入するときとは逆の方向にICカード搬送用モータ406を駆動させ(逆転動作させ)(S95)、この駆動に伴ってゴムローラ409が回転し、ICカード4はICカード投入口14の方向に移動する。
このICカード4の移動に伴って、ICカード位置センサ404はOFFすると同時に、ICカード投入センサ411はONする。この際、遊技玉供給制御装置71は、ICカード搬送用モータ406の駆動開始から、ICカード位置センサ404がOFFするまでの時間を測定し、この時間が一定時間以内であるか否かを判定する(S96)。このICカード位置センサ404がOFFするまでの時間が、予め設定された時間の範囲外であった場合(S96においてNO)、遊技玉供給制御装置71は、エラー処理を行う(S101)。例えば、この時間が短い場合は、カ−ドは小さく不正なカ−ドであることや、この時間が長い場合は、経路でのカードのひっかかりなどの、障害の発生していることが予想される。
ICカード位置センサ404がOFFするまでの時間が、予め設定された時間以内であった場合(S96においてYES)、ICカード位置センサ404がOFFした時点で、遊技玉供給制御装置71は、ICカード搬送制御部303bによって、ICカード搬送用モータ406を停止させる。(S97)。
この状態において、ユーザはICカード投入口14からICカード4を受け取ると、ICカード投入センサ411はOFFする。この検知結果に応じて、遊技玉供給制御装置71は、ICコイン搬送制御部303aに対して、新たにICコイン3を受け付けられるように、ICコインシャッター311を開けるように制御を行う(S99)。なお、ICカード投入口14はそのまま開かれている状態が維持される。これにより、待機状態に戻る(S0)。
(ICコイン貯留処理)
次に、図16に示すフローチャートを用いて、ICコイン3の貯留処理の手順について説明する。貯留処理とは、ICコイン処理部30において、利用可能な有価の情報が記録されていないICコイン3を貯留通路312に貯留することである。
外部からICコイン3を貯留するよう要求された場合(S110)、または、図13に示すフローチャートのS54のステップにおいて、ICコイン貯留の許可がされた状態において、遊技玉供給制御装置71は、貯留の要求を認識する(S111)。なお、外部からのICコイン3の貯留要求とは、例えば遊技機システムの管理者によって台間機1にICコイン3を貯留するように指示入力が行われる場合などに対応するものである。
次に、遊技玉供給制御装置71は、ICコイン搬送制御部303aによって、ICコイン搬送用モータ301を正転動作させ(S113)、この動作に伴って、ロータ315は初期位置から貯留位置に向けて回転する。ここで、貯留位置とは、ロータ315の載置部315aに載置されているICコイン3が貯留通路312の領域に位置する位置である。
そして、ロータ315が貯留位置に到達する前に、ICコイン搬送制御部303aは、貯留ピンソレノイド309を駆動し、貯留ピン310を突出させる制御を行う(S114)。ロータ315の載置部315aに載置されたICコイン3は、ロータ315の正転動作により貯留通路312の領域まで移動すると、貯留ピン310に当接し、貯留通路312の通路方向へ持ち上げられる。この状態で、貯留センサ307がONとなる。
ICコイン3のコイン通信位置から貯留位置への移動の際、ICコイン搬送用モータ301の駆動が開始されてから、貯留センサ307がONするまでの時間を、遊技玉供給制御装置71は測定し、この時間が一定時間以内であるか否かを判定する(S115)。この貯留センサ307がOFFするまでの時間が、所定の時間を超過した場合(S115においてNO)は、遊技玉供給制御装置71はエラー処理を行う(S123)。
貯留センサ307がOFFするまでの時間が、予め設定された時間以内であった場合(S75においてYES)、さらに、遊技玉供給制御装置71は、ICコイン搬送制御部303aによって、ICコイン搬送用モータ301を正転動作させ、ICコイン搬送用モータ301の駆動が開始されてから、ICコイン位置センサ81が返却位置で応答するまでの時間を測定し、この時間が一定時間以内であるか否かを判定する(S116)。ICコイン位置センサ81が返却位置で応答するまでの時間が、予め設定された時間を超過した場合(S116においてNO)は、遊技玉供給制御装置71はエラー処理を行う(S124)。
ICコイン位置センサ81が返却位置で応答するまでの時間が、予め設定された時間以内であった場合(S116においてYES)、ICコイン搬送制御部303aは貯留ピンソレノイド309をOFFし、貯留ピン310を没入させる制御を行う(S117)。
さらに、遊技玉供給制御装置71は、ICコイン搬送制御部303aによって、ICコイン搬送用モータ301を正転動作させ、ICコイン搬送用モータ301の駆動が開始されてから、ICコインHPセンサ82がONするまでの時間を測定し、この時間が一定時間以内であるか否かを判定する(S118)。このICコインHPセンサ82がONするまでの時間が、予め設定された時間を超過した場合(S118においてNO)は、遊技玉供給制御装置71はエラー処理を行う(S125)。
ICコインHPセンサ82のONするまでの時間が、予め設定された時間以内であった場合(S118においてYES)は、遊技玉供給制御装置71は、ICコイン搬送制御部303aによってICコイン搬送用モータ301を停止させる(S119)。
次に、遊技玉供給制御装置71はICコイン位置センサ81がOFFとなっているか否かを判定する(S120)。ICコイン位置センサ81がONとなっている場合(S120においてNO)、初期位置にICコイン3が存在することになるので、何らかのエラーが生じたことになり、遊技玉供給制御装置71はエラー処理を行う(S126)。
一方、ICコイン位置センサ81がOFFとなっている場合(S120においてYES)、正常に貯留処理が行われたことが確認され、ICコイン搬送制御部303aが、ICコインシャッター311を開けるように制御を行うとともに、ICカード搬送制御部303bが、ICカードシャッター415を開けるように制御を行う。これにより、台間機1は待機状態に戻る(S0)。この状態におけるICコイン処理部30の接触面における様子を図9に示す。
以上のような構成により、本発明による台間機1は、ICコイン3およびICカード4の各形状に適した通路を設けることができ、台間機1内で、ICコイン3またはカードがひっかかったり滞留したりすることを抑制することができる。よって、台間機1の故障を防止できる。
また、ICコイン3またはICカード4のひっかかりや滞留による、ICコイン3またはICカード4の配置位置が通信位置からずれることを抑制できる。よって、ICコイン3またはICカード4に対して、誤った情報が記録されたり、誤って情報が消去されたりすることを防止できる。
また、台間機1を開くことにより、ICコイン3およびICカード4の経路を作業者に見易く触れ易い状態にすることが可能である。よって、作業者は、ICコイン3およびICカード4のひっかかりや滞留などに対する修理、および、日常のメンテナンスを容易に行うことができ、作業時間の短縮および作業の安全性の向上を図ることができる。
また、同一のアンテナが、ICコイン3とICカード4とで異なる通信の形式を用いて無線通信を行うため、誤交信を防ぐことが可能である。また、台間機1はアンテナを複数設けることによる大型化を生じることが無い。
また、台間機1において、ICコイン3とICカード4とは、アンテナを挟むようなそれぞれの位置でアンテナと無線通信を行う。すなわち、ICコイン3とICカード4とは、それぞれアンテナとの距離が最小である位置で、無線通信を行うことができる。そのため、無線通信を行う距離が遠くなることによる送受信効率の低下を抑制でき、結果として、台間機1は正確な情報処理を行うことができる。
また別に、台間機1は、さらに販売する機能(供給手段)を備える構成にしてもよい。この場合、記録媒体処理装置20は、情報処理の他に、ICコイン3を販売する機能を兼ね備える。
ユーザにより台間機1へ紙幣や硬貨が投入されると、貯留場所に予め貯留されていたICコイン3は貯留通路312および返却通路314を通って、貯留場所から返却口へ移動し、ユーザに供給される。
これにより、販売手段を台間機1とは別に備える必要が無い。よって、ユーザに対して、一箇所で記録媒体の情報処理および販売する動作を行うことを可能にし、記録媒体の操作の時間を短縮することができる。
また、本発明の一実施の形態においては、台間機1は、ICコイン3とカードとの2種類の記録媒体の情報処理を行うものとしたが、これに限定されるものではなく、2種類以上の記録媒体の情報処理を行う構成としてもよい。