JP4446747B2 - ポリアミド66フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、耐熱性に優れ、かつ色調、ゲル及び強度に優れるポリアミド66フィルムに関する。
ポリアミドフィルム、特にポリアミド6フィルムは食品等の包装に用いられる他のフィルム、例えばポリプロピレンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム等に比べて、a)引張り強度が強く、かつ柔軟性に富む、b)突刺しピンホール強度が強い、c)屈曲疲労耐性に優れる、d)耐摩耗特性に優れる、e)低温から高温まで使用可能な温度範囲が広い等々の多くの優れた特徴を有する。 これらの特徴を生かしてポリアミド6フィルムは食品包装の分野を中心に広く利用されてきた。しかしながら、その耐熱性にも限界があり、従来のポリアミド6フィルムは熱あるいは熱水に晒されると、引張り強度等の機械的強度が低下したり、白化したりするというフィルム劣化の問題があった。これらの問題を解決するために、特許文献1は分子鎖の繰り返し最小単位あたりのメチレン鎖数6個以上でありかつ融点160℃以上のポリアミド系樹脂を主成分とし、140℃の熱水処理で破断伸度保持率が70%以上であるポリアミドフィルムを開示している。該ポリアミドの具体例としては、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド612などが例示されている。また酸化防止剤であるヒンダードフェノール、リン系、ラクトン系、ベンゾトリアゾール等を添加することにより、改良効果が更に高まることも開示されている。特許文献2はポリアミド系樹脂、酸化防止剤及び脂肪族アミドよりなる二軸延伸フィルムであり、該フィルムの130℃熱水処理後の引張強度保持率が80%以上でありかつ動摩擦係数が0.5以下であることを特徴とする耐熱水性ポリアミド系フィルムを開示している。該ポリアミドの具体例として、ポリアミド66が例示されている。これら文献からわかるように、耐熱性向上のためポリアミド6より融点の高いポリアミド66に着目することは従来から検討されている。しかしながら該文献等の従来技術をもって、例えば当業界で周知の添加剤である酸化防止剤等を配合したポリアミド66でフィルムを成形したとしても、得られるフィルムは黄色に着色したり、ゲルが多く発生したり、あるいは厚みむらを生じるため、商品価値が非常に乏しいフィルムしか得られない。従って、従来からポリアミド6フィルムの耐熱性向上の方法としては、表面層となっているポリアミド6フィルムにポリエチレンテレフタレートよりなる保護層を設け、ポリエチレンテレフタレート層/ポリアミド6層/ポリプロピレン層とした層構成の多層フィルムが提案されている。しかしながらかかるフィルムの使用は、保護層の効果により耐熱性を幾分かは改善できるものの耐熱性向上の本質的な解決とはならず、高温での使用あるいは処理に耐えることのできるポリアミド66フィルムの開発が強く望まれていた。
特開2003−105107号公報 特開2002−313321号公報
本発明は、耐熱性に優れ、かつ色調、ゲル、強度等に優れるポリアミド66フィルムを提供するものである。
本発明者らは、上記本発明の課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のリン化合物、アルミン酸ナトリウム、ヒンダードフェノール酸化防止剤、高級脂肪酸アミド、更には必要に応じてシリカからなり、かつナトリウム金属元素の濃度を特定量以下としたポリアミド66フィルムによって上記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は、
(1)(A)ポリアミド66、(B)リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウムあるいは次亜リン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一つのリン化合物、(C)下記一般式で示されるアルミン酸ナトリウム、(D)ヒンダードフェノール酸化防止剤、(E)高級脂肪酸アミドからなり、かつナトリウム金属元素の濃度が40ppm以下であることを特徴とするポリアミド66フィルム、
(Na 2 O) X (Al 2 3 Y (但しX+Y=1であり、1.50≦モル比X/Y≦1.90)
(2)(A)ポリアミド66、(B)リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウムあるいは次亜リン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一つのリン化合物、(C)下記一般式で示されるアルミン酸ナトリウム、(D) ヒンダードフェノール酸化防止剤、(E)高級脂肪酸アミド、(F)シリカからなり、かつナトリウム金属元素の濃度が40ppm以下であることを特徴とするポリアミド66フィルム、
(Na 2 O) X (Al 2 3 Y (但しX+Y=1であり、1.50≦モル比X/Y≦1.90)
(3)(A)100重量部に対して、(B)0.0001〜0.0050重量部、(C)0.0001〜0.010重量部、(D)0.05〜0.20重量部、(E)0.03〜0.15重量部であることを特徴とする上記(1)に記載のポリアミド66フィルム、
(4)(A)100重量部に対して、(B)0.0001〜0.0050重量部、(C)0.0001〜0.010重量部、(D)0.05〜0.20重量部、(E)0.03〜0.15重量部、(F)0.05〜0.5重量部であることを特徴とする上記(2)に記載のポリアミド66フィルム、
(5)(A)ポリアミド66の相対粘度(RV)が60〜150、(D)ヒンダードフェノール系酸化防止剤がN,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、(E)高級脂肪酸アミドがN,N’−エチレンビスステアリルアミドであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のポリアミド66フィルム、
)フィルムが二軸延伸フィルムであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のポリアミド66フィルム、である。
本発明の(A)成分であるポリアミド66は主鎖中にアミド結合(−NHCO−)を有するヘキサメチレン単位とアジピン酸単位からなる重合体であり、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との塩あるいはその混合物を原料として得られる重合体である。該ポリアミド66の重合方法は、周知の方法を用いることができる。例えば熱溶融重合法を用いることができる。また、ポリアミド66の融点以下の温度で行う固相重合法も用いることができる。これらの方法は必要に応じて組み合わせてもかまわない。重合形態としては、バッチ式でも連続式でもかまわない。本発明では、目的を損なわない程度でポリアミド66(ヘキサメチレン単位、アジピン酸単位)以外の重合可能なポリアミド原料を加えて重合した共重合ポリアミド66であってもかまわない。また、ポリアミド66以外のポリアミドを配合したブレンド品であってもかまわない。
本発明のポリアミド66の分子量は、本発明の課題を達成するという観点から、ASTM D789に準じて求まる相対粘度(RV)が60〜150となる分子量であり、好ましくは該相対粘度(RV)が70〜140となる分子量である。分子量(RV)の測定は、溶媒として90%ギ酸を用いて、3gサンプル/30mlギ酸の濃度で、25℃の温度条件下で行う。
本発明の(B)成分であるリン化合物は、リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウムあるいは次亜リン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一種のものである。 好ましいリン化合物は亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウムあるいはその混合物であり、最も好ましくは次亜リン酸ナトリウムである。リン化合物の含有量は、本発明の目的をより顕著に達成するという観点から、100重量部の(A)ポリアミド66に対して、好ましくは0.0001〜0.0050重量部、より好ましくは0.0025〜0.0045重量部である。
本発明の(C)成分であるアルミン酸ナトリウムは、下記一般式で示される。
(Na2 O)X (Al2 3 Y
但しX+Y=1である。本発明の好ましいアルミン酸ナトリウムは、上記一般式中のナトリウム(Na)とアルミニウム(Al)とのモル比X/Yの値は、好ましくは1.50≦X/Y≦1.90であり、より好ましくは1.60≦X/Y≦1.80である。アルミン酸ナトリウムの含有量は、本発明の目的をより顕著に達成するという観点から、100重量部の(A)ポリアミド66に対して、好ましくは0.0001〜0.010重量部、より好ましくは0.0050〜0.0090重量部である。
本発明の(D)成分であるヒンダードフェノール酸化防止剤は、周知のものであれば特に制限されないが、例えばN,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、トリエチレングリコール−ビス{3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、3,5−ジ−t −ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどあるいはこれらの混合物を用いることができる。中でもN,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミドを用いるのが好ましい。ヒンダードフェノール酸化防止剤の含有量は本発明の目的をより顕著に達成するという観点から、100重量部の(A)ポリアミド66に対して、好ましくは0.05〜0.20重量部、より好ましくは0.05〜0.15重量部である。
本発明の(E)成分である高級脂肪酸アミドは、周知のものであれば特に限定されないが、例えばラウリル酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エイコセン酸アミドなどのモノアミド、N,N’−メチレンビスステアリルアミド、N,N’−エチレンビスステアリルアミド(EBS)などのビスアミドあるいはこれらの混合物を用いることができる。中でもN,N’−エチレンビスステアリルアミド(EBS)を用いるのが好ましい。高級脂肪酸アミドの含有量は、本発明の目的をより顕著に達成するという観点から、100重量部の(A)ポリアミド66に対して、好ましくは0.03〜0.15重量部、より好ましくは0.05〜0.125重量部である。
本発明の(F)成分であるシリカは周知のものであれば特に限定されないが、当業界ではよく知られている平均粒径が約1〜15μmのシリカを用いる。更に、シラン処理剤、チタニウム系処理剤などの周知の表面処理剤で表面処理したものを用いても良い。シリカの製造方法は、大別して湿式法シリカと乾式法シリカの二つがあるが、本発明に用いるシリカとしては、そのいずれも用いることができる。シリカの含有量は、本発明の目的をより顕著に達成するという観点から、100重量部の(A)ポリアミド66に対して、好ましくは0.05〜0.5重量部、より好ましくは0.10〜0.30重量部である。
本発明のポリアミド66フィルム中のナトリウム金属元素の濃度は40ppm以下である。好ましくは1〜35ppmである。ナトリウム金属元素の含有量が40ppmを越えた場合には、破断しやすくなる傾向にあるため注意を要する。
本発明のポリアミド66フィルムは、その色調がb値にして4.0以下、好ましくは3.0以下、直径8μm以上のゲルが25個/mm2 以下、好ましくは14個/mm2 以下、強度が25kg/mm2 以上、好ましくは26kg/mm2 以上であることが好ましい。この範囲を外れた場合には、印刷適正の低下や破袋が起こりやすくなる傾向にある。
本発明のポリアミド66フィルムは、無延伸フィルム、一軸延伸フィルムあるいは二軸延伸フィルムのいずれであってもかまわないが、中でも二軸延伸フィルムとして好ましく用いられる。これら各種フィルムは単層で用いることもできるし、他樹脂フィルムとの積層した多層フィルムとして用いることもできる。他樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリアミド6やポリアミドMXD6等の他のポリアミドフィルム等を挙げることができる。
本発明のポリアミド66フィルムの製造方法は、前記リン化合物、アルミン酸ナトリウム、ヒンダードフェノール酸化防止剤、高級脂肪酸アミド、更には必要に応じてシリカを含有するポリアミド66樹脂組成物をフィルム原料として用い、従来公知の各種の方法によって製造することができる。二軸延伸フィルムを例にとると、逐次二軸延伸法の場合には、上記フィルム原料を押出機で加熱溶融し、T−ダイからフィルム状に押出し、これを静電ピニング等の公知のキャスティング法を用いてキャスティングロールの表面にて急冷して、実質的に無定形で無配向のポリアミドフィルムが得られる。また、この未延伸フィルム、更にロール式縦延伸機により2〜4倍延伸したフィルム、次いでテンター式横延伸機により3〜5倍延伸し、所望により熱処理した後、このフィルムを徐冷しつつ、連続的に巻き取ることによってニ軸延伸ポリアミド66フィルムを製造することができる。また、前記例示のテンター式逐次二軸延伸法によるほか、テンター式同時二軸延伸法、チューブラー法等の他の方法でも製造できる。
本発明のポリアミド66フィルムには、印刷インクの乗りや他のフィルム(例えば、シーラントフィルム)との接着性を向上させるため、コロナ処理等の表面処理を施すこともできる。
前記ポリアミド66樹脂組成物(フィルム原料)は、周知の方法により製造することができる。例えば、ポリアミド66に他の成分をブレンドする方法、溶融混練する方法あるいはポリアミド66原料に他の成分を配合してポリアミド66を重合する方法などが挙げられる。
本発明のポリアミド66フィルムは、高温暴露または高温保管用途としてレトルト食品包装用途、例えば味噌、漬け物、惣菜、ベビーフード、佃煮、こんにゃく、ちくわ、蒲鉾、水産加工品、ミートボール、ハンバーグ、ジンギスカン、ハム、ソーセージ、その他の畜産加工品に使用することができる。また、練り歯磨き、ペットフード、農薬、肥料、輸液パックさらには半導体包装、精密材料包装など医療、電子、化学、機械などの産業材料包装用途にも使用することができる。その形態は、袋、フタ材、カップ、チューブ、スタンディングパックなど様々である。
本発明によれば、耐熱性に優れ、かつ色調、ゲル、強度等に優れるポリアミド66フィルムが提供される。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例、比較例において記載したポリアミド66樹脂、ポリアミド66フィルムの物性評価は、以下のように行った。
1.特性
(1)金属分析(ppm)
ナトリウムの定量は、試料0.5gを秤量し濃硫酸を20ml加え、ヒーター上で湿式分解した。冷却後、過酸化水素5mlを加え、ヒーター上で加熱し、全量が2〜3mlになるまで濃縮した。再び冷却し、純水で500mlとした。装置はThermoJarrellAsh製IRIS/IPを用いて、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析により、波長588.995(nm)にて定量した。その他の金属元素も同様にして、それぞれの特性波長で定量した。
(2)相対粘度(RV)
溶媒として90%蟻酸を用いて、3g試料/30ml蟻酸の濃度で、25℃の温度条件下で行った。
(3)黄色度
測色器としてミノルタ製色彩色差計CR−200を用い、反射測定でロール状のフィルム表面のb値を測定し、黄色度を評価した。b値が大きいほど黄色度が大きいことを示す。
(4)ゲル数(個/mm2
フィルム試料のゲル数を測定した。Nikon社製光学顕微鏡ECLIPSE ME600及びDONPISHA社製CCDカメラMODEL XC−003を用いて、100倍の画像を取り込みニコレ社製画像解析装置LUZEX SEにより、直径8μm以上のゲル数を測定した。測定視野は0.44mm2 の領域で少なくとも10視野を任意に選択し、その平均値を1mm2 に換算した。なお、画像処理においては、白黒の濃さに閾値を127として解析を実施した。
(5)強度(kg/mm2
ポリアミドフィルムを23℃、相対湿度50%の条件下で2日間のコンディショニングを行った後、これらのフィルムより、10mm幅×50mm長さの長方形の測定用サンプルを切り取り、このサンプルについて、上記の温度・湿度条件下で、(株)島津製作所製のオートグラフDS−100型を用い、50mm/minの速度で横延伸方向への引張り試験を行い、フィルムが破断した時点での引張り強度を、そのフィルムの破断強度(kg/mm2 )とした。
[実施例1]
ポリアミド66原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)1600kgを用いた。該原料を50重量%含有する水溶液に、アルミン酸ナトリウム((Na2 O)X (Al2 3 Y (X+Y=1かつX/Y=1.70))97g、次亜リン酸ナトリウム(NaH2 PO2 )48gを配合し濃縮槽に仕込み、加熱して約70%に濃縮後、圧力をゲージ圧にして約1.77MPaまで上昇させ、その後圧力を約1.77MPaで保ちつつ温度を210℃から280℃に約3時間で上昇させた。その後約1時間で圧力を大気圧まで戻しポリマーをペレット状で排出した。得られたペレットを固相重合装置へ投入し、窒素置換を十分に行った。ジャケット温度を220℃に設定し、窒素を流しながら約10時間固相重合を行った。得られたポリアミド66の相対粘度(RV)は130であった。カールフィッシャー法で測定した水分率は0.03重量%であった。得られたペレット100重量部に対して、ヒンダードフェノール酸化防止剤として、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製TMIrganox1098)0.1重量部、高級脂肪酸アミドとしてN,N’−エチレンビスステアリルアミド(EBS)0.075重量部、ポリエチレングリコール0.03重量部ならびにポリアミド66ベースで平均粒径3μmのシリカを5重量%含有したシリカマスターバッチ4重量部とを配合しタンブラーにて均一になるよう混合した。得られたポリアミド66樹脂を65mmφの押出機に260℃の条件で加熱溶融し、T−ダイより連続的にシート状に押出し、表面温度が25℃の冷却回転ドラムの表面に静電ピニング法にて密着急冷し、厚み140μmの実質的無定形で無配向のシートを得た。このシートをロール式縦延伸機にて、縦方向に3倍延伸し、この縦延伸フィルムを直ちにテンター式横延伸機に導き、横方向に3倍延伸し、これに続き熱固定処理を施して、厚み15μmの二軸延伸ポリアミド66フィルムを得た。生産は問題なく実施された。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
固相重合時のジャケット温度を200℃に設定する以外は、実施例1と同様にして実施した。固相重合後の得られたポリアミド66の相対粘度(RV)は80であった。カールフィッシャー法で測定した水分率は0.05重量%であった。なお、フィルム生産は問題なく実施された。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
ポリアミド66原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)1600kgを用いた。該原料を含有する50重量%水溶液のみを重合槽に仕込んだ。以後の操作は実施例1と同様にして実施した。固相重合後の得られたポリアミド66の相対粘度(RV)は130であった。カールフィッシャー法で測定した水分率は0.03重量%であった。なお、フィルム生産は問題なく実施された。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
ポリアミド66原料(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩)1600kgを用いた。該原料を50重量%含有する水溶液に、アルミン酸ナトリウム((Na2 O)X (Al2 3 Y (X+Y=1かつX/Y=1.70))277g、次亜リン酸ナトリウム(NaH2 PO2 )137gを配合し重合槽に仕込んだ。以後の操作は実施例1と同様にして実施した。固相重合後の得られたポリアミド66の相対粘度(RV)は130であった。カールフィッシャー法で測定した水分率は0.03重量%であった。なお、延伸中の破断が多くなり安定な生産ができなかった。評価結果を表1に示す。
Figure 0004446747
本発明のポリアミド66フィルムは、耐熱性に優れ、かつ色調、ゲル、強度等に優れるため、高温暴露または高温保管用途としての利用が期待される。

Claims (6)

  1. (A)ポリアミド66、(B)リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウムあるいは次亜リン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一つのリン化合物、(C)下記一般式で示されるアルミン酸ナトリウム、(D)ヒンダードフェノール酸化防止剤、(E)高級脂肪酸アミドからなり、かつナトリウム金属元素の濃度が40ppm以下であることを特徴とするポリアミド66フィルム。
    (Na 2 O) X (Al 2 3 Y (但しX+Y=1であり、1.50≦モル比X/Y≦1.90)
  2. (A)ポリアミド66、(B)リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウムあるいは次亜リン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一つのリン化合物、(C)下記一般式で示されるアルミン酸ナトリウム、(D) ヒンダードフェノール酸化防止剤、(E)高級脂肪酸アミド、(F)シリカからなり、かつナトリウム金属元素の濃度が40ppm以下であることを特徴とするポリアミド66フィルム。
    (Na 2 O) X (Al 2 3 Y (但しX+Y=1であり、1.50≦モル比X/Y≦1.90)
  3. (A)100重量部に対して、(B)0.0001〜0.0050重量部、(C)0.0001〜0.010重量部、(D)0.05〜0.20重量部、(E)0.03〜0.15重量部であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド66フィルム。
  4. (A)100重量部に対して、(B)0.0001〜0.0050重量部、(C)0.0001〜0.010重量部、(D)0.05〜0.20重量部、(E)0.03〜0.15重量部、(F)0.05〜0.5重量部であることを特徴とする請求項2に記載のポリアミド66フィルム。
  5. (A)ポリアミド66の相対粘度(RV)が60〜150、(D)ヒンダードフェノール系酸化防止剤がN,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、(E)高級脂肪酸アミドがN,N’−エチレンビスステアリ
    ルアミドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアミド66フィルム。
  6. フィルムが二軸延伸フィルムであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリアミド66フィルム。
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