JP4446615B2 - 動弁装置のバルブクリアランス調整機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の動弁装置におけるバルブクリアランス調整機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の動弁装置では、高速運転時における吸気弁及び排気弁の追従性を高めて動弁性能を向上させるため、バルブクリアランス調整機構が設けられている。機械式のバルブクリアランス調整機構としては、特開平7−54617号公報に開示されているものがある。これは、ロッカーアームの揺動支点を支承するボルトタイプのピボットを、エンジンヘッドにねじ込んだ構造になり、ピボットを回転させてそのエンジンヘッドからの突出高さを変えることにより、ロッカーアームの揺動支点の高さを調整するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のバルブクリアランス調整機構では、調整済みのピボットを回転不能にロックする手段として、ピボットの外周の雄ネジ部にロックナットを螺合してそのロックナットの下面をエンジンヘッドの上面に押し付け、その押し付けに起因する軸方向の反力によってピボットの回転を規制する構造がとられている。しかし、ナット座面とナット高さ分のスペース及びナットを締め付ける工具用のスペースを確保する必要があった。
【0004】
本願発明は上記事情に鑑みて創案され、必要スペースを最小限にすることができ、動弁系のレイアウトの自由度を向上させることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、エンジンヘッドに設けた雌ネジ孔に螺合したピボットによりロッカーアームの揺動支点を支承し、カムにより前記ロッカーアームを揺動させることでバルブを駆動するようにした動弁装置において、前記ピボットを螺進させることにより前記ロッカーアームの揺動支点の高さを変えるとともに、前記ピボットを、そのピボットに対し軸線が平行となるように設けたロック用ネジ部材による軸方向の押圧力によって回転規制するようにしたバルブクリアランス調整機構において、前記ロック用ネジ部材を前記雌ネジ孔内に収容して設け、前記雌ネジ孔に、前記ピボットが螺合される調整用雌ネジ部と前記ロック用ネジ部材が螺合されるロック用雌ネジ孔とを形成し、前記調整用雌ネジ部と前記ロック用雌ネジ部材との間に前記調整用雌ネジ部及び前記ロック用雌ネジ部材の内径よりも大径の非螺合部を形成するとともに、前記調整用雌ネジ部と前記ロック用雌ネジ部とを互いに異なるピッチ寸法とし、前記ロック用ネジ部材を前記ピボットに対し軸線方向に押し付けることでそのピボットを回転規制する構成とした。尚、雌ネジ孔は、エンジンヘッドに直接形成してもよく、エンジンヘッドに圧入又は挿入した筒状のケースの内周に形成してもよい。
【0006】
請求項2の発明は、エンジンヘッドに設けた雌ネジ孔に螺合したピボットによりロッカーアームの揺動支点を支承し、カムにより前記ロッカーアームを揺動させることでバルブを駆動するようにした動弁装置において、前記ピボットを螺進させることにより前記ロッカーアームの揺動支点の高さを変えるとともに、前記ピボットを、そのピボットに対し軸線が平行となるように設けたロック用ネジ部材による軸方向の押圧力によって回転規制するようにしたバルブクリアランス調整機構において、前記ロック用ネジ部材を前記雌ネジ孔内に収容して設け、前記雌ネジ孔に、前記ピボットが螺合される調整用雌ネジ部と前記ロック用ネジ部材が螺合されるロック用雌ネジ孔とを形成し、前記調整用雌ネジ部と前記ロック用雌ネジ部材との間に前記調整用雌ネジ部及び前記ロック用雌ネジ部材の内径よりも大径の非螺合部を形成するとともに、前記調整用雌ネジ部と前記ロック用雌ネジ部とを互いに逆捻れとし、前記ロック用ネジ部材を前記ピボットに対し軸線方向に押し付けることでそのピボットを回転規制する構成とした。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記調整用雌ネジ部と前記ロック用雌ネジ部とを互いに逆捻れとする構成とした。
【0008】
【発明の作用及び効果】
[請求項1の発明]
ロック用ネジ部材を雌ネジ孔の内部に収容したので、ロック用ネジ部材に他部材が干渉することがなく、必要スペースを小さくすることができ、動弁系レイアウトの自由度が向上する。
更に、ロック状態でピボットを回転させようとすると、調整用雌ネジ部とロック用雌ネジ部のピッチの違いにより、ピボットがロック用ネジ部材に対し当接している状態から更に相対的に接近しようとすることになるので、ピボットの回転が阻止される。尚、本発明は、バルブクリアランスの調整に限らず、ロッカーアームに設けたカムローラとカムとの間(ロッカーアームとバルブステムとの間)のクリアランスを調整する際のロック手段としても適用することができる。
【0009】
[請求項2の発明]
ロック状態でピボットを回転させようとすると、調整用雌ネジ部とロック用雌ネジ部のピッチの違いにより、ピボットがロック用ネジ部材に対し当接している状態から更に相対的に接近しようとすることになるので、ピボットの回転が阻止される。尚、本発明は、バルブクリアランスの調整に限らず、ロッカーアームに設けたカムローラとカムとの間(ロッカーアームとバルブステムとの間)のクリアランスを調整する際のロック手段としても適用することができる。
[請求項3の発明]
ロック状態でピボットを回転させようとすると、調整用雌ネジ部とロック用雌ネジ部の捻れ方向の違いにより、ピボットがロック用ネジ部材に対し当接している状態から更に相対的に接近しようとすることになるので、ピボットの回転が阻止される。尚、本発明は、バルブクリアランスの調整に限らず、ロッカーアームに設けたカムローラとカムとの間(ロッカーアームとバルブステムとの間)のクリアランスを調整する際のロック手段としても適用することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図3を参照して説明する。
まず、動弁装置について説明すると、動弁装置は、エンジンヘッド10の上面からバルブクリアランス調整機構20を構成するピボット21を突出させ。そのピボット21の上端部によりロッカーアーム11の揺動支点部11Aを下から支承するとともに、そのロッカーアーム11の揺動端部11Bを上下動可能に設けられたバルブステム12の上端に上から当接させ、ロッカーアーム11の略中央部に設けたカムローラ13に対しその上方からカムシャフト14のカム15を当接させた構造になる。カムシャフト14が回転すると、ロッカーアーム11がその揺動支点部11Aを支点として上下方向に揺動し、そのロッカーアーム11の揺動にともなってバルブステム12が上下動することによりバルブ(図示せず)が開閉される。
【0012】
この動弁装置におけるバルブクリアランス調整機構20は、エンジンヘッド10からのピボット21の突出高さ、即ちロッカーアーム11の揺動支点部11Aの高さを変えることによってバルブクリアランスを調整するようになっている。以下、その構成を詳しく説明する。
エンジンヘッド10には、その上面に開口するとともに軸線を上下方向に向けた円形の雌ネジ孔22が設けられ、この雌ネジ孔22の内周における略上半分領域には、調整用雌ネジ部23が形成されている。調整用雌ネジ部23にはピボット21の外周の雄ネジ部24が螺合されている。ピボット21のエンジンヘッド10の上方へ突出した上端部には半球形部25が形成されており、この半球形部25は、ロッカーアーム11の揺動支点部11Aの下面に形成された半球面部11Cに対し相対的な摺動を可能に嵌合されている。また、ピボット21には、その上端面から下端面への貫通する円形の治具貫通孔26が同心状に形成されている。さらに、ピボット21におけるエンジンヘッド10から突出されている領域の外周には、調整用治具(図示せず)を嵌合させるための平坦面27が形成されている。
【0013】
また、雌ネジ孔22の内周における略下半分領域には、調整用雌ネジ部23と同軸のロック用雌ネジ部28が形成されており、このロック用雌ネジ部28にはロック用ネジ部材29の外周の雄ネジ部30が螺合されている。ロック用ネジ部材29の上端面には、非円形をなし、且つ上端面における開口寸法が治具貫通孔26の内径寸法よりも小さい治具嵌合孔31が凹成されている。
上記調整用雌ネジ部23とロック用雌ネジ部28のネジの螺旋の向きは双方間で同じ方向に設定されているが、調整用雌ネジ部23の軸線方向におけるネジ山のピッチは、ロック用雌ネジ部28のピッチよりも大きく設定されている。具体的なピッチ寸法の例としては、調整用雌ネジ部23のピッチを1mmとし、ロック用雌ネジ部28のピッチを0.75mmとすることができる。
【0014】
また、調整用雌ネジ部23とロック用雌ネジ部28との間には、両雌ネジ部23,28の内径よりも大径の非螺合部32が形成されており、ピボット21の下端面21Tとロック用ネジ部材29の上端面29Tとはこの非螺合部32において上下方向に当接している。つまり、上下方向(軸線方向)における非螺合部32の形成領域は、ピボット21の高さがバルブクリアランス調整範囲内である限り、そのピボット21の下端面21Tが必ず非螺合部32と対応する高さに位置するように設定されている。
【0015】
バルブクリアランスを調整する際には、ロッカーアーム11の揺動端部11Aに形成した図示しない貫通孔(必要に応じてキャップ等で塞ぐ)から治具貫通孔26にロック用治具(図示せず)を差し込んでロック用ネジ部材29の治具嵌合孔31に嵌合させ、そのロック用治具の操作によりロック用ネジ部材29をピボット21の下端面21Tから離間させるように下方へ螺進させておく。
かかる状態で、ピボット21を、その外周の平坦面27に嵌合させた調整用治具(図示せず)の操作により回転させ、上方又は下方へ螺進させる。このピボット21の上下方向への螺進により、バルブクリアランス(ロッカーアーム11の揺動支点部11Aの高さ)が調整される。
【0016】
ピボット21が所定の高さに調整されたら、再び、治具貫通孔26にロック用治具(図示せず)を差し込んで治具嵌合孔31に嵌合し、そのロック用治具の回転操作によりロック用ネジ部材29を上方(ピボット21に接近させる方向)へ螺進させ、そのロック用ネジ部材29の上端面29Tをピボット21の下端面21Tに強く押し当てるようにする。この押圧力に起因する摩擦抵抗により、ピボット21は回転不能にロックされる。
尚、ロックの方法としては、ロック用ネジ部材29を治具(図示せず)で回転規制しておき、その状態で、ピボット21を下方へ螺進させてロック用ネジ部材29の上面に押し当てるようにしてもよい。
【0017】
このロック状態においては、ピボット21に対し下方へ螺進させようとする向きの回転力が作用すると、ロック用ネジ部材29がピボット21と同じ方向へ連れ回りしようとするのであるが、調整用雌ネジ部23の軸線方向のピッチがロック用雌ネジ部28のピッチよりも大きく設定されている(即ち、単位回転角度あたりのピボット21の螺進量がロック用ネジ部材29の螺進量よりも大きく設定されている)ので、ピボット21がロック用ネジ部材29に対し相対的に接近しようとすることになる。ところが、ピボット21とロック用ネジ部材29は既に端面21T,29T同士を当接させた状態となっていて、それ以上相対的に接近することはできないので、結果的に、ピボット21は螺進不能となる。
【0018】
本実施形態においてはピボット21を回転規制するロック手段としてのロック用ネジ部材29を、エンジンヘッド10から露出させるのではなく、雌ネジ孔22の内部に収容したので、ロック用ネジ部材29に他部材(図示せず)が干渉することがなく、必要スペースを最小限にすることができ、動弁系レイアウトの自由度を向上させることができる。
また、調整用雌ネジ部23とロック用雌ネジ部28のピッチを異ならせて単位回転角度あたりの螺進量がピボット21とロック用ネジ部材29とで異なるように設定したので、ロック用ネジ部材29がピボット21と一体回転(連れ回り)することがなく、ピボット21を回転規制する機能(ロック機能)の信頼性が高い。
【0019】
[実施形態2]
次に、本発明を具体化した実施形態2を図4を参照して説明する。
本実施形態2は、バルブクリアランス調整機構40においてピボット41を回転規制するためのロック手段を上記実施形態1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
本実施形態2のバルブクリアランス調整機構40について説明すると、エンジンヘッド10に設けた雌ネジ孔42の内周における略上半分領域には調整用雌ネジ部43が形成され、この調整用雌ネジ部43にはピボット41の外周の雄ネジ部44が螺合されている。雌ネジ孔42の内周における略下半分領域には調整用雌ネジ部43と同軸のロック用雌ネジ部45が形成され、このロック用雌ネジ部45にはロック用ネジ部材46の外周の雄ネジ部47が螺合されている。
【0020】
この調整用雌ネジ部43とロック用雌ネジ部45は、その軸線方向におけるネジ山のピッチは互いに同じ寸法であるが、双方のネジ部43,45におけるネジの螺旋の向きは互いに逆捩れとなるように設定されている。
バルブクリアランスの調整作業及びピボットのロック作業の手順は実施形態1と同じである。
ロック用ネジ部材46の上端面46Tをピボット41の下端面41Tに強く押し当てたロック状態では、ピボット41に対し下方へ螺進させようとする向きの回転力が作用すると、ロック用ネジ部材46がピボット41と同じ方向へ連れ回りしようとするのであるが、調整用雌ネジ部43のネジの螺旋の向きがロック用雌ネジ部45の螺旋の向きとは逆向きに設定されている(即ち、同一方向に回転させたときのピボット41の螺進方向がロック用ネジ部材46の螺進方向とは反対向きとなるように設定されている)ので、ピボット41がロック用ネジ部材46に対し相対的に接近しようとすることになる。ところが、ピボット41とロック用ネジ部材46は既に端面41T,46T同士を当接させた状態となっていて、それ以上相対的に接近することはできないので、結果的に、ピボットは螺進不能となる。
【0021】
本実施形態においては、調整用雌ネジ部43とロック用雌ネジ部45とを互いに逆捩れに形成したので、ロック用ネジ部材46がピボット41と一体回転(連れ回り)することがなく、ピボット41を回転規制する機能(ロック機能)の信頼性が高い。
[変形例]
次に、変形例を図5を参照して説明する。
本変形例は、バルブクリアランス調整機構50においてピボット51を回転規制するためのロック手段を上記実施形態1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0022】
本変形例のバルブクリアランス調整機構50について説明すると、エンジンヘッド10には、その上面に開口するとともに軸線を上下方向に向けた円形の雌ネジ孔52が設けられ、この雌ネジ孔52の内周には調整用雌ネジ部53が形成されている。調整用雌ネジ部53にはピボット51の外周の雄ネジ部54が螺合されている。また、ピボット51に形成されている治具貫通孔55の下端部には、ロック用雌ネジ部56がピボット51と同軸状に形成されており、このロック用雌ネジ部56にはロック用ネジ部材57の外周の雄ネジ部58が螺合されている。ロック用ネジ部材57の上端面には非円形の治具嵌合孔59が凹成されている。
【0023】
また、雌ネジ孔52の底面52B(下端面)とピボット51の下端面51Tの高さについては、ピボット51の高さがバルブクリアランス調整範囲内である限り、そのピボット51の下端面51Tと雌ネジ孔52の底面52Bとの間に上下方向(軸線方向)の隙間が空くように(ピボット51の下端面51Tが雌ネジ孔52の底面52Bよりも高い位置となるように)設定されている。そして、その隙間の上下方向の最大寸法は、軸線方向におけるロック用ネジ部材57の寸法よりも小さく設定されている。これにより、ピボット51がバルブクリアランス調整範囲内にある限り、ロック用ネジ部材57の下端面57Tが雌ネジ孔52の底面52Bに当接し得るようになっている。
【0024】
バルブクリアランスを調整する際には、ロッカーアーム11の揺動端部11Aに形成した図示しない貫通孔(必要に応じてキャップ等で塞ぐ)から治具貫通孔55にロック用治具(図示せず)を差し込んでロック用ネジ部材57の治具嵌合孔59に嵌合させ、そのロック用治具の操作によりロック用ネジ部材57を雌ネジ孔52の底面52Bから離間させるようにピボット51に対して相対的に上方へ螺進させておく。
【0025】
かかる状態で、ピボット51を、その外周の平坦面27に嵌合させた調整用治具(図示せず)の操作により回転させて上下方向へ螺進させ、バルブクリアランス(ロッカーアーム11の揺動支点部11Aの高さ)を調整する。
ピボット51が所定の高さに調整されたら、再び、治具貫通孔55にロック用治具(図示せず)を差し込んで治具嵌合孔59に嵌合し、ピボット51の回転を規制した状態でロック用治具を回転操作することにより、ロック用ネジ部材57をピボット51に対して相対的に下方へ螺進させ、そのロック用ネジ部材57の下端面57Tを雌ネジ孔52の底面52Bに強く押し当てるようにする。この押圧力に起因してロック用ネジ部材57の雄ネジ部58とピボット51のロック用雌ネジ部56との間で生じる摩擦抵抗により、ピボット51は回転不能にロックされる。
【0026】
本変形例においてはピボット51を回転規制するロック手段としてのロック用ネジ部材57を、ピボット51の内周に形成したロック用雌ネジ孔56に螺合させるようにしたので、ロック用ネジ部材57の上端側部分がピボット51の内部に収容されることになる。したがって、ロック用ネジ部材をピボットの端面よりも軸線方向外方に並べて配した構造のものに比べると、ピボット51とロック用ネジ部材57のための軸方向のスペースが小さくて済んでいる。
【0027】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様(変形例を除く)も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態1及び2においてその調整用雌ネジ部とロック用雌ネジ部を互いに異なる径寸法としてもよい。
(2)上記実施形態1においてその調整用雌ネジ部とロック用雌ネジ部のネジの螺旋方向を互いに逆捩れとしてもよい。
【0028】
(3)上記実施形態2においてその調整用雌ネジ部とロック用雌ネジ部とを異なるピッチとしてもよい。
(4)上記実施形態2においてその調整用雌ネジ部とロック用雌ネジ部とを互いに異なる径寸法としてもよい。
(5)上記変形例においてその調整用雌ネジ部とロック用雌ネジ部とを異なるピッチとしてもよい。
(6)上記変形例においてその調整用雌ネジ部とロック用雌ネジ部のネジの螺旋方向を互いに逆捩れとしてもよい。
【0029】
(7)上記実施形態1,2及び変形例においては調整用雌ネジ部とロック用雌ネジ部とを同心状に(双方の軸線が一致するように)配したが、本発明によれば、調整用雌ネジ部の軸線に対してロック用雌ネジ部の軸線を平行に向け且つ偏心させて配置してもよい。
(8)上記実施形態では図面のみに示すようにエンジンヘッドに有底筒状のケースを圧入又は挿入し、そのケースの内周に雌ネジ孔を形成しているが、本発明によれば、このケースは、図示するような一体部品であってもよいが、これに限らず、互いに別体部品とされた筒体と底板とを用い、筒体の下面側の開口を底板で塞ぐような形態にしてエンジンヘッドに取り付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1における動弁装置の断面図
【図2】 バルブクリアランス調整機構をあらわす拡大断面図
【図3】 バルブクリアランス調整機構における両雌ネジ部のピッチの違いをあらわす部分拡大断面図
【図4】 実施形態2のバルブクリアランス調整機構の断面図
【図5】 変形例のバルブクリアランス調整機構の断面図
Claims (3)
- エンジンヘッドに設けた雌ネジ孔に螺合したピボットによりロッカーアームの揺動支点を支承し、カムにより前記ロッカーアームを揺動させることでバルブを駆動するようにした動弁装置において、前記ピボットを螺進させることにより前記ロッカーアームの揺動支点の高さを変えるとともに、前記ピボットを、そのピボットに対し軸線が平行となるように設けたロック用ネジ部材による軸方向の押圧力によって回転規制するようにしたバルブクリアランス調整機構において、前記ロック用ネジ部材を前記雌ネジ孔内に収容して設け、
前記雌ネジ孔に、前記ピボットが螺合される調整用雌ネジ部と前記ロック用ネジ部材が螺合されるロック用雌ネジ孔とを形成し、前記調整用雌ネジ部と前記ロック用雌ネジ部材との間に前記調整用雌ネジ部及び前記ロック用雌ネジ部材の内径よりも大径の非螺合部を形成するとともに、前記調整用雌ネジ部と前記ロック用雌ネジ部とを互いに異なるピッチ寸法とし、前記ロック用ネジ部材を前記ピボットに対し軸線方向に押し付けることでそのピボットを回転規制する構成としたことを特徴とする動弁装置のバルブクリアランス調整機構。 - エンジンヘッドに設けた雌ネジ孔に螺合したピボットによりロッカーアームの揺動支点を支承し、カムにより前記ロッカーアームを揺動させることでバルブを駆動するようにした動弁装置において、前記ピボットを螺進させることにより前記ロッカーアームの揺動支点の高さを変えるとともに、前記ピボットを、そのピボットに対し軸線が平行となるように設けたロック用ネジ部材による軸方向の押圧力によって回転規制するようにしたバルブクリアランス調整機構において、前記ロック用ネジ部材を前記雌ネジ孔内に収容して設け、
前記雌ネジ孔に、前記ピボットが螺合される調整用雌ネジ部と前記ロック用ネジ部材が螺合されるロック用雌ネジ孔とを形成し、前記調整用雌ネジ部と前記ロック用雌ネジ部材との間に前記調整用雌ネジ部及び前記ロック用雌ネジ部材の内径よりも大径の非螺合部を形成するとともに、前記調整用雌ネジ部と前記ロック用雌ネジ部とを互いに逆捻れとし、前記ロック用ネジ部材を前記ピボットに対し軸線方向に押し付けることでそのピボットを回転規制する構成としたことを特徴とする動弁装置のバルブクリアランス調整機構。 - 前記調整用雌ネジ部と前記ロック用雌ネジ部とを互いに逆捻れとする構成としたことを特徴とする請求項1記載の動弁装置のバルブクリアランス調整機構。
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