JP4445760B2 - スラグ搬送用コンベヤのレール支持装置 - Google Patents

スラグ搬送用コンベヤのレール支持装置 Download PDF

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本発明は、ごみ焼却飛灰や炉下灰を溶融固化する灰処理プラントより排出されるスラグを搬送できるようにしてあるスラグ搬送用コンベヤにおいて、コンベヤチェーンに取り付けてある車輪を受けるためのレールを支持させるために用いるスラグ搬送用コンベヤのレール支持装置に関するものである。
近年、都市ごみ等の一般廃棄物や、下水汚泥、建築廃材、シュレッダーダスト、各種スラッジ等の産業廃棄物の処理方法としては、焼却炉にて廃棄物を焼却処理するようにした焼却処理方法が多く採用されている。この焼却処理により発生する飛灰や炉下灰等からなる焼却残渣は、灰処理プラントへ送って高温で溶融処理することによりスラグ化され、減容化、無害化が図られるようになってきている。この種の灰処理プラントにて焼却残渣の溶融処理に用いられる灰溶融炉としては、たとえば、バーナ式溶融炉、回転式表面溶融炉、コークスベッド式灰溶融炉、直流電気抵抗式灰溶融炉等の形式のものがある。
これらの灰処理プラントの灰溶融炉にて上記焼却残渣を溶融処理することにより生じる溶融スラグは、多数のモールドを循環移動できるよう備えてなるモールドコンベヤに受けて、移送させながら空冷することによりモールドと対応した所定形状の空冷もしくは散水による水冷スラグとするか、あるいは、溶融スラグを下流側の水砕化装置へ導き、冷却水を用いて急冷することにより水砕スラグとして回収するようにしてある。その後、回収されたスラグはエプロン式、バケット式、スクレーパ式等のコンベヤを用いて、下流側の所要個所へ搬送させるようにしてある。
ところで、上記エプロン式、バケット式、スクレーパ式のコンベヤは、それぞれエプロン、バケット、スクレーパといった異なる形式の異なる荷運搬部材を備えたものであるが、一般に、これらの荷運搬部材は、いずれも、被搬送物の投入部と排出部との間にて循環移動できるようにしてある左右一対の無端状のコンベヤチェーンの各周方向所要間隔位置同士の間に取り付けることにより、上記各コンベヤチェーンの循環移動に伴って循環移動させるようにしてある。
たとえば、荷運搬部材としてエプロンを用いたエプロンコンベヤは、図5(イ)(ロ)に示す如き構成としてある。すなわち、一端側上部に投入口2を備え、且つ他端側下部に排出口3を備えてなるケーシング1内における上記排出口3側の左右両側位置に、左右一対の駆動スプロケットホイール5を配置して、該両スプロケットホイール5に取り付けた上記動力伝達軸4の両端部を、ケーシング1の左右の両側壁を貫通させて図示しない軸受に回転自在に支持させると共に、該動力伝達軸4の一端部を、図示しない電動機の如き回転駆動装置に連結して、該回転駆動装置により動力伝達軸4を介し左右のスプロケットホイール5が回転させられるようにしてある。一方、ケーシング1内における上記投入口2側の左右両側位置には、左右一対の従動スプロケットホイール7を配置して、該両スプロケットホイール7に取り付けた回転軸6の両端部を、ケーシング1の左右の両側壁を貫通させて図示しない軸受に回転自在に支持させてあり、上記左右一対の駆動スプロケットホイール5と左右一対の従動スプロケットホイール7の間に、無端状のコンベヤチェーン8をそれぞれ掛けまわしてある。更に、該左右の各コンベヤチェーン8の周方向所要間隔位置ごとに、荷運搬部材としてのエプロン9の両端部を取り付ける構成としてある。これにより、回転駆動装置により動力伝達軸4とともに左右の駆動スプロケットホイール5を図5(イ)で矢印方向へ回転駆動させることにより、エプロン9を循環移動させることができるようにしてあり、上記投入口2を通して投入される搬送対象となる灰処理プラントより排出されるスラグ10を、上記循環移動しているエプロン9上に受けることによって排出口3側へ搬送させ、しかる後、排出口3側まで移動されたエプロン9が、各コンベヤチェーン8と一体に駆動スプロケットホイール5に沿って上下方向に反転されるときに、上記エプロン9上に載置されていたスラグ10を落下させ、排出口3を通して下流側へ排出させるようにしてある。
更に、上記のように左右のコンベヤチェーン8と一体にエプロン9を循環移動させる際、送り側では、重量物であるスラグ10がエプロン9上に載置されても、送り側のコンベヤチェーン8がたるまないようにする必要があると共に、戻り側のコンベヤチェーン8のたるみも防止できるようにする必要がある。そのために、上記各コンベヤチェーン8には、周方向に所要間隔で多数の車輪11が取り付けてある。すなわち、たとえば、各コンベヤチェーン8を構成している個々のリンク部材8a同士を回動自在に連結する連結ピン8bを中心に回転できるよう各車輪11が取り付けてある。一方、ケーシング1の左右両側壁の上部と下部の内側近傍位置には、送り側と戻り側の各コンベヤチェーン8の移動経路の下側に沿うよう左右一対のレール12がそれぞれ配置されていると共に、該各レール12はそれぞれレール受けとしての支持部材13を介しケーシング1の側壁内面に取り付けるようにしてある。これにより、上記各レール12上に、上記各コンベヤチェーン8に取り付けてある車輪11が走行自在に載置させられて、上記送り側の各コンベヤチェーン8とエプロン9の自重、及び、その上側に載置されるスラグ10の重量を、車輪11及び上部のレール12を介してケーシング1の左右の側壁に支持させ、又、戻り側のコンベヤチェーン8とエプロン9の自重が、車輪11及び下部のレール12を介してケーシング1の側壁に支持させることができるようにしてある。
ところで、上記各レール12とケーシング1の側壁との間に介在させる支持部材13としては、従来、レール12とほぼ対応した長さ寸法としてある長尺のアングル材が多用されている。すなわち、該アングル材としてある支持部材13を、その直角に屈曲する断面形状の一辺部13aが水平状態にケーシング1の内方へ突出し、且つ他辺部13bがケーシング1の側壁の内面に接するような姿勢となるようにケーシング1の左右両側壁の内側における所要高さ位置に配置して、該各支持部材(アングル材)13の他辺部13bの長手方向所要間隔個所を、ケーシング1の側壁にボルト14にて取り付けて位置固定を行うようにし、更に、該各支持部材13のケーシング1内方へ突出する一辺部13aの上側に、それぞれ対応するレール12を載せて設置するようにしてある(たとえば、特許文献1参照)。
なお、バケット式或いはスクレーパ式のコンベヤは、それぞれ上記エプロンコンベヤと同様の構成において、左右のコンベヤチェーン8の間に、荷運搬部材としてエプロン9に代えてバケット或いはスクレーパを取り付けることにより構成されている。
特開平11−90407号公報
ところが、灰処理プラントより排出されるスラグ10の搬送を上記構成としてあるエプロンコンベヤで行なわせると、該スラグ10の投入口2を通しての投入時等に、搬送対象物であるスラグ10が送り側のエプロン9の上側より幅方向の両側ヘこぼれることがある。この際、エプロン9の幅方向の両側へこぼれたスラグ10は、上部のレール12の支持を行う支持部材13の水平に張り出す一辺部13aの上面で受けられるようになるため、該スラグ10は、上記支持部材13の一辺部13aの上側に堆積するようになる。特に、水砕スラグの場合は、冷却水が混じっているため付着性が高く、安息角も大きくなっているものであるため堆積し易い。そのために、図5(ロ)に二点鎖線で示す如く、この支持部材13上におけるスラグ10の堆積が成長すると、該堆積したスラグ10がレール12上にまで到達することがあり、この場合、上記スラグ10はガラス状で硬度が高く、しかも粒度が20〜50mmと大きいものであるため、レール12上におけるコンベヤチェーン8の車輪11の円滑な走行を阻害し、振動発生や、上記コンベヤチェーン8を回転駆動させるための回転駆動装置の過負荷に繋がるといった不安定な運転状態が引き起こされる虞がある。更には、レール12上に堆積したスラグ10に車輪11が乗り上げて脱線するといった支障が生じる虞も懸念される。
したがって、上記支持部材13の上側に堆積されるスラグ10の清掃を行なわなければならず、この清掃作業に手間を要するという問題が生じているのが実状である。
更に、上記レール12の支持を行なう各支持部材13は、アングル材としての屈曲部分の強度によってのみ、コンベヤチェーン8とエプロン9の自重を支える必要があり、更に、上部のレール12を支持する支持部材13では送り側のエプロン9上に載置されるスラグ10の重量をも支える必要がある。しかも、上記灰処理プラントより排出されるスラグ10は、400〜500℃の高温を有しているものであるため、上記支持部材13には、上記スラグ10の保有する熱も作用することとなる。そのために、上記のような荷重と熱が長期間に亘って作用することにより、図5(ロ)に二点鎖線で示す如く、上記各支持部材13の屈曲部分における一辺部13aと他辺部13bのなす角度が、直角より次第に変形され、この変形に伴って該各支持部材13の一辺部13a上に設置されているレール12が内側に傾いたり、撓んだりする虞も懸念される。
そこで、本発明は、スラグ搬送用コンベヤにおけるコンベヤチェーンの車輪を走行させるためのレールを支持することができると同時に、構成部材の上側に、荷運搬部材上よりこぼれるスラグが堆積する虞を未然に防止できて、堆積するスラグの清掃作業に要する手間を省くことができ、更に、レールが傾いたり撓んだりする虞を抑制できるスラグ搬送用コンベヤのレール支持装置を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、コンベヤチェーンに多数の荷運搬部材を取り付けてケーシング内を循環移動できるようにし、ケーシングの一端側上部の投入口より投入されるスラグを、上記荷運搬部材で受けて他端部の排出口へ搬送できるように、上記コンベヤチェーンに設けてある車輪を受けるレールを、上記ケーシングの側壁内面に支持させるようにするスラグ搬送用コンベヤのレール支持装置において、該ケーシングの側壁内面に沿わせて取り付けるための板状の取付座と、該取付座の表面側に取り付けて所要寸法突出させるようにするリブ部材とからなるレール支持体を、上記ケーシングの側壁内面の所要高さ位置に、上記リブ部材が内側へ突出するような姿勢で配置して、取付座をケーシングの側壁内面に取り付け、且つ該レール支持体のリブ部材の上側に、対応するレールを設置するようにした構成とする。
又、上記構成におけるレール支持体の取付座を大きくして、ケーシングの側壁の広範囲に取り付けるようにした構成とする。
同じく、レール支持体の取付座を、上下方向に長くして、該取付座の上部と下部にそれぞれリブ部材を突設し、該上部と下部のリブ部材の上側に、上部と下部のレールを設置するようにした構成とする。
同じく、レール支持体の取付座を、横方向に長くして、該取付座の長手方向所要間隔位置に、上側に同じレールを設置するための複数のリブ部材を突設するようにした構成とする。
更に、レール支持体の取付座を、ケーシングの側壁に、断熱材を介在させて取り付けるようにした構成とする。
本発明のスラグ搬送用コンベヤのレール支持装置によれば、以下の如き優れた効果を発揮する。
(1)コンベヤチェーンに多数の荷運搬部材を取り付けてケーシング内を循環移動できるようにし、ケーシングの一端側上部の投入口より投入されるスラグを、上記荷運搬部材で受けて他端部の排出口へ搬送できるように、上記コンベヤチェーンに設けてある車輪を受けるレールを、上記ケーシングの側壁内面に支持させるようにするスラグ搬送用コンベヤのレール支持装置において、該ケーシングの側壁内面に沿わせて取り付けるための板状の取付座と、該取付座の表面側に取り付けて所要寸法突出させるようにするリブ部材とからなるレール支持体を、上記ケーシングの側壁内面の所要高さ位置に、上記リブ部材が内側へ突出するような姿勢で配置して、取付座をケーシングの側壁内面に取り付け、且つ該レール支持体のリブ部材の上側に、対応するレールを設置するようにした構成としてあるので、レールとケーシングの側壁内面との間に介在させてあるリブ部材及び取付座の水平面を小さなものとすることができ、このため、荷運搬部材上よりスラグがこぼれ落ちたとしても上記リブ部材及び取付座の上側にスラグが堆積する虞を未然に防止できる。したがって、堆積したスラグが成長してレール上におけるコンベヤチェーンの車輪の走行に支障を来たす虞を防止できて、運転状態が不安定になる虞を回避できると共に、コンベヤチェーンの車輪がレールより脱線する虞を回避できる。
(2)荷運搬部材より落下したスラグの清掃作業の頻度を低減させることができて、清掃作業の省力化を図ることができる。
(3)レール支持体のリブ部材及び取付座を、垂直方向の荷重に対して有利な断面配置とすることができるため、垂直荷重による変形が生じる虞を抑えることができて、レールが内側に傾いたり撓みを生じる虞を長期間防止することが可能になる。
(4)レール支持体の取付座を大きくして、ケーシングの側壁の広範囲に取り付けるようにした構成とすることにより、レール支持体のケーシングの側壁内面への取り付けに伴い、該ケーシングの側壁の補強を図ることができる。
(5)レール支持体の取付座を、上下方向に長くして、該取付座の上部と下部にそれぞれリブ部材を突設し、該上部と下部のリブ部材の上側に、上部と下部のレールを設置するようにした構成とすることにより、レール支持体のケーシングの側壁内面への取り付けに要する手間を半減させることが可能になる。又、レール支持体のケーシングの側壁内面への取り付けに伴い、該ケーシングの側壁の縦方向の強度をより補強することが可能になる。
(6)レール支持体の取付座を、横方向に長くして、該取付座の長手方向所要間隔位置に、上側に同じレールを設置するための複数のリブ部材を突設するようにした構成とすることにより、レール支持体のケーシングの側壁内面への取り付けに要する手間を低減させることができる。又、レール支持体のケーシング側壁への取り付けに伴い、ケーシングの側壁の長手方向の強度の補強を図ることが可能になる。
(7)レール支持体の取付座を、ケーシングの側壁に、断熱材を介在させて取り付けるようにした構成とすることにより、スラグに残留する熱が、熱伝導によりケーシングへ伝熱されることを抑制することができて、ケーシングの温度上昇を抑制することが可能になる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1(イ)(ロ)は本発明のスラグ搬送用コンベヤのレール支持装置の実施の一形態を示すもので、以下のような構成としてある。すなわち、コンベヤのケーシング1の側壁の内面に対し、たとえば、幅方向の2個所をボルト14を用いて取り付けることができるようにしてある垂直な平板状の取付座16の表面側の中央部に、上端部を水平とした垂直な平板状のリブ部材17を、直角方向(ほぼ直角方向を含む)に当接させて、当接部を溶接等により接合させて一体化させてなるレール支持体15を多数形成する。上記各レール支持体15を、ケーシング1の左右両側壁の内側に、レール12を設置すべき位置に沿わせて該レール12の長手方向へ所要間隔で多数配置して、該各レール支持体15の取付座16を、ケーシング1の側壁内面にボルト14によりそれぞれ取り付けて位置固定し、該位置固定された各レール支持体15のリブ部材17の上端面に、各々対応するレール12を載置して、該レール12と各リブ部材17とを溶接等により固定する。これにより、各レール12を、各レール支持体15を介してケーシング1の左右両側壁で支持させるようにしてある。
なお、上記各レール支持体15における取付座16は、各レール支持体15をボルト14を介してケーシング1の側壁内面へ取り付ける場合に必要な最低限のサイズよりも所要寸法大きな平板状となるようにして、該各取付座16のケーシング1の側壁内面への取り付けにより、上記レール支持体15の取付個所におけるケーシング1の側壁を補強することができるようにしてある。
その他、図5(イ)(ロ)に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
上記本発明のスラグ搬送用コンベヤのレール支持装置を採用したエプロンコンベヤを用いてスラグ10の搬送を行わせる場合は、回転駆動装置によりコンベヤチェーン8を循環駆動させて荷運搬部材としてのエプロン9を循環移動させることにより、従来と同様に、投入口2を通してケーシング1内へ投入されるスラグ10を、上記エプロン9の循環移動により排出口3へ搬送させて下流側へ排出させることができる。この際、送り側では、上記コンベヤチェーン8とエプロン9の自重、及び、エプロン9上に載置されるスラグ10の重量により、コンベヤチェーン8の車輪11を介して上部のレール12に作用することとなる荷重は、レール支持体15のリブ部材17と取付座16を介してケーシング1の側壁に支持されるようになる。
又、上記エプロン9の循環移動によりスラグ10を搬送している状態において、投入口2からの投入時等にスラグ10が送り側のエプロン9の幅方向両端部よりこぼれるようになると、該こぼれたスラグ10は上記各レール支持体15上へ落下するようになるが、上記各レール支持体15は垂直な板状のリブ部材17と取付座16とからなる構成としてあって、水平面が少ないものとしてあるため、上記エプロン9上よりこぼれ落ちるスラグ10が上記各レール支持体15のリブ部材17や取付座16の上側に堆積する虞は未然に防止され、上記エプロン9上よりこぼれ落ちたスラグ10は、図1(イ)に二点鎖線で示す如く、各レール支持体15のリブ部材17や取付座16の側方を通過して下方へ落下させられる。この際、下部のレール12の支持も上記上部のレール12と同様に所要間隔で配列した多数のレール支持体15により行わせるようにしてあることから、上記上部のレール12を支持する各レール支持体15を通過して落下するスラグ10は、下部のレール12を支持する各レール支持体15の上側に堆積することなくケーシング1の内底部へ落下させられるようになる。よって、該ケーシング1の内底部に溜まるスラグ10は、上記戻り側の荷運搬部材としてのエプロン9の循環移動に干渉して支障を来たさないように、適宜所要の頻度で清掃するようにすればよい。
このように、上記本発明のスラグ搬送用コンベヤのレール支持装置によれば、構成部材である各レール支持体15のリブ部材17や取付座16の上側に、エプロン9よりこぼれ落ちるスラグ10が堆積する虞を未然に防止できる。このために、従来、レール12の支持に用いていたアングル材による支持部材13のように、堆積するスラグ10がレール12の上方まで成長してコンベヤチェーン8の車輪11がレール12上にて走行する際に支障を来たす虞を防止できて、運転状態が不安定になる虞を回避できると共に、コンベヤチェーン8の車輪11がレール12より脱線する虞を回避できる。
又、落下したスラグ10の清掃作業の頻度を低減させることができるようになるため、清掃作業の省力化を図ることができる。
更に、各レール支持体15のリブ部材17及び取付座16は、垂直方向に配置してあって、垂直方向の荷重に対して有利な断面配置としてあるために、レール12を直接支持しているリブ部材17に垂直荷重による変形が生じる虞を抑えることができることから、従来、アングル材による支持部材13を用いてレール12を支持していた場合に懸念されているようなレール12が内側に傾いたり撓みを生じる虞を長期間防止することが可能になる。
次に、図2は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1に示したと同様の構成において、各レール支持体15の取付座16をケーシング1の側壁に固定する際、該取付座16とケーシング1の側壁との間に、断熱材18を介在させるようにしたものである。
その他の構成は図1(イ)(ロ)に示したものと同様であり、同一のものには同一符号が付してある。
本実施の形態によれば、灰処理プラントより排出されるスラグ10に残留する熱が、エプロン9、コンベヤチェーン8、車輪11、レール12を介し各レール支持体15に熱伝導により伝えられたとしても、該各レール支持体15よりケーシング1に伝熱されることを抑制することができて、ケーシング1の温度上昇を抑制することが可能になる。
次いで、図3は本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図1(イ)(ロ)に示したと同様の構成において、レール支持体15を、1つの取付座16に一つのリブ部材17を取り付けてなる構成とすることに代えて、取付座16を上下方向に大きな所要寸法を有する取付座16aとすると共に、該取付座16aの表面側となる中央部分で且つ上下方向に所要間隔を隔てた上部と下部の2個所に、図1(イ)(ロ)に示したリブ部材17と同様のリブ部材17をそれぞれ直角方向に配置して、各々一体に取り付けてなるレール支持体15aとしたものである。更に、該レール支持体15aを、ケーシング1の両側壁の内側における所要高さ位置に、設置すべきレール12の長手方向の所要間隔位置に配列して、上記取付座16aの少なくとも所要の2個所を、ケーシング1の側壁内面における対応する個所に、ボルト14により取り付けるようにし、各レール支持体15aの上部のリブ部材17の上側に、送り側のコンベヤチェーン8の車輪11を走行させる上部のレール12を設置し、且つ各レール支持体15aの下部のリブ部材17の上側に、戻り側のコンベヤチェーン8の車輪11を走行させる下部のレール12を設置するようにしたものである。
その他、図1(イ)(ロ)に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
本実施の形態によっても、図1(イ)(ロ)に示したと同様の効果を得ることができ、更に、上部と下部のレール12を支持するためのリブ部材17を、一つの取付座16aに一体化してレール支持体15aを形成してあるため、上部と下部の各レール12を設置すべく配列させる各レール支持体15aのケーシング1の側壁内面への取り付けに要する手間を半減させることが可能になる。
更に、上記取付座16aは、上下方向に大きな寸法を有するものとしてあるため、各レール支持体15aのケーシング1の側壁内面への取り付けに伴い、該ケーシング1の側壁の縦方向の強度をより補強することが可能になる。
図4(イ)(ロ)はいずれも本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図1(イ)(ロ)に示したと同様の構成において、レール支持体15を、1つの取付座16に一つのリブ部材17を取り付けてなる構成とすることに代えて、取付座16を横方向に所要寸法延びる取付座16b又は16cとして、該取付座16b又は16cの表面側における長手方向(横方向)所要間隔位置に、同じレール12を支持するためのリブ部材17を、図4(イ)では2枚、図4(ロ)では更に多くの枚数を一体に取り付けてそれぞれレール支持体15b,15cとしたものである。なお、該各レール支持体15b,15cは、1つのレール12ごとに、該レール12の長手方向に配置すべきリブ部材17の枚数をそれぞれのレール支持体15b,15cに設けてあるリブ部材17の枚数で除した個数となるよう製作すればよい。
上記レール支持体15b,15cは、ケーシング1の両側壁の内側に、該各レール支持体15b,15cの各リブ部材17が支持すべき上部又は下部のレール12の下側にそれぞれ配列されるように該レール12の長手方向に所要数配置すると共に、取付座16b,16cの少なくとも所要の2個所を、ケーシング1の側壁内面における対応する個所に、ボルト14により取り付けるようにし、各レール支持体15b,15cのリブ部材17の上側に、上部又は下部のレール12を設置するようにしてある。
その他、図1(イ)(ロ)に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
本実施の形態によっても、図1(イ)(ロ)に示したと同様の効果を得ることができ、更に、一つの取付座16b,16cに複数のリブ部材17を一体化してレール支持体15b,15cを形成してあるため、各レール12を設置する際に要するレール支持体15b、15cのケーシング1の側壁内面への取り付けの手間を、該各レール支持体15b,15cに取り付けてあるリブ部材17の枚数に応じて、より低減させることが可能になる。
更に、ケーシング1の側壁の長手方向の強度の補強を図ることが可能になる。
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、垂直な板状として上端部にレール12を取り付けるための水平部を有し、且つ作用する荷重に耐え得るようにしてあれば、レール支持体15,15a,15b,15cのリブ部材17の形状は図示した形状に限定されず、自在に設定してよい。同様に、取付座16,16a,16b,16cの形状は図示した矩形以外の形状としてもよい。図3に示した実施の形態、及び、図4(イ)(ロ)に示した実施の形態におけるレール支持体15a,15b,15cのケーシング1の側壁内面への取り付けを行うときに、取付座16a,16b,16cとケーシング1の側壁との間に、図2の実施の形態に示したような断熱材18を介在させるようにしてもよい。上記実施の形態では、いずれも荷運搬部材としてエプロンを備えたエプロンコンベヤについて説明したが、循環移動するコンベヤチェーン8を備え、且つ送り側と戻り側では該コンベヤチェーン8に取り付けた車輪11をレール12上にて支持させる形式としてあるスラグ搬送用のコンベヤであれば、荷運搬部材としてバケットやスクレーパを備えてなるスラグ搬送用コンベヤにも適用できる。コンベヤチェーン8の車輪11は、送り側と戻り側のコンベヤチェーン8に作用する荷重を上部と下部のレール12にて支承させることができるようにしてあれば、該コンベヤチェーン8のリンク部材8aの連結ピン8b以外のいかなる個所に取り付けた形式としてあってもよい。その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明のスラグ搬送用コンベヤのレール支持装置の実施の一形態を示すもので、(イ)は上記レール支持装置を採用したエプロンコンベヤの概略切断正面図、(ロ)は(イ)のA−A方向矢視図である。 本発明の実施の他の形態を示すもので、図1(イ)に対応する図である。 本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図1(イ)に対応する図である。 (イ)(ロ)はいずれも本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図1(ロ)に対応する図である。 従来用いられているスラグ搬送用コンベヤを示すもので、(イ)は概略切断側面図、(ロ)は(イ)のB−B方向矢視拡大図である。
符号の説明
1 ケーシング
2 投入口
3 排出口
8 コンベヤチェーン
9 エプロン(荷運搬部材)
10 スラグ
11 車輪
12 レール
15,15a,15b,15c レール支持体
16,16a,16b,16c 取付座
17 リブ部材
18 断熱材

Claims (5)

  1. コンベヤチェーンに多数の荷運搬部材を取り付けてケーシング内を循環移動できるようにし、ケーシングの一端側上部の投入口より投入されるスラグを、上記荷運搬部材で受けて他端部の排出口へ搬送できるように、上記コンベヤチェーンに設けてある車輪を受けるレールを、上記ケーシングの側壁内面に支持させるようにするスラグ搬送用コンベヤのレール支持装置において、該ケーシングの側壁内面に沿わせて取り付けるための板状の取付座と、該取付座の表面側に取り付けて所要寸法突出させるようにするリブ部材とからなるレール支持体を、上記ケーシングの側壁内面の所要高さ位置に、上記リブ部材が内側へ突出するような姿勢で配置して、取付座をケーシングの側壁内面に取り付け、且つ該レール支持体のリブ部材の上側に、対応するレールを設置するようにした構成を有することを特徴とするスラグ搬送用コンベヤのレール支持装置。
  2. レール支持体の取付座を大きくして、ケーシングの側壁の広範囲に取り付けるようにした請求項1記載のスラグ搬送用コンベヤのレール支持装置。
  3. レール支持体の取付座を、上下方向に長くして、該取付座の上部と下部にそれぞれリブ部材を突設し、該上部と下部のリブ部材の上側に、上部と下部のレールを設置するようにした請求項2記載のスラグ搬送コンベヤのレール支持装置。
  4. レール支持体の取付座を、横方向に長くして、該取付座の長手方向所要間隔位置に、上側に同じレールを設置するための複数のリブ部材を突設するようにした請求項2記載のスラグ搬送用コンベヤのレール支持装置。
  5. レール支持体の取付座を、ケーシングの側壁に、断熱材を介在させて取り付けるようにした請求項1、2、3又は4記載のスラグ搬送用コンベヤのレール支持装置。
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