JP4445377B2 - エンジン回転数制御装置、それを備えたエンジンシステム、車両およびエンジン発電機、ならびにエンジン回転数制御方法 - Google Patents
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Description
制御方法に関する。さらに、この発明は、前記エンジン回転数制御装置を備えたエンジン、システムならびにこのようなエンジンシステムを備えた車両およびエンジン発電機に関する。
ISC制御のための1つの従来技術は、特許文献1に示されている。この従来技術では、エンジンのメイン吸気通路に配置されたスロットルバルブの開度(スロットル開度)を検出するスロットルセンサが用いられる。このスロットルセンサによって検出されるスロットル開度を目標開度に制御することで、アイドル回転数が制御される。
たとえば、スロットルセンサは、スロットル開度0度で出力値0V、スロットル開度90度で出力値5Vの直線特性を有する。ところが、このようなスロットルセンサの出力信号をアナログ/ディジタル変換して用いる場合、たとえば、8ビットのA/D変換器を用いるとすると、1ビット当たりのスロットル開度は0.35度であり、十分な分解能を得ることができない。
そこで、この発明の目的は、簡単で且つ低廉な構造で、エンジン回転数を精度よく制御できるエンジン回転数制御装置およびエンジン回転数制御方法を提供することを目的とする。
この発明のさらに他の目的は、前記エンジンシステムを備えた車両を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、前記エンジンシステムを備えたエンジン発電機を提供することである。
この構成によれば、PWM制御パラメータの初期値をそのまま用いてPWM信号を出力することにより、スロットルバルブの変位を引き起こすことができる。これにより、目標通りに、実エンジン回転数を目標エンジン回転数に近づけることができ、特に、アイドル回転数制御時においても、スロットルバルブを目標通りに静止状態から開閉動作させることができる。
前記PWMパルス生成部は、前記目標回転数変化量算出部によって算出される目標エンジン回転数変化量および前記実回転数検出部によって検出される実エンジン回転数に応じて、前記PWM制御パラメータを算出し、算出したPWM制御パラメータに基づいて、前記駆動部をPWM制御するための第1制御信号を算出する第1制御信号算出部と、前記駆動部に送出する前記PWM信号を生成する信号生成部とを備えていてもよい。そして、前記エンジン回転数制御装置は、さらに、前記スロットルバルブの開度であるスロットル開度を検出するスロットル開度検出部と、前記目標回転数変化量算出部により算出された前記目標エンジン回転数変化量から目標スロットル開度変化量を算出する目標スロットル開度変化量算出部と、前記目標スロットル開度変化量と前記スロットル開度検出部により検出された実スロットル開度とを用いて目標スロットル開度を算出する目標スロットル開度算出部と、前記スロットル開度検出部により検出された前記実スロットル開度を前記目標スロットル開度算出部によって算出された目標スロットル開度に近づけるべく前記駆動部をPWM制御するための第2制御信号を算出する第2制御信号算出部と、前記目標スロットル開度変化量算出部によって算出された前記目標スロットル開度変化量に基づいて、前記第1制御信号および前記第2制御信号のうちの一方を選択して、前記信号生成部に出力する選択部とをさらに含むものであってもよい。この場合に、前記信号生成部は、前記選択部から与えられる制御信号に基づいて前記PWM信号を生成するものであってもよい。
たとえば、選択判定値をスロットル開度検出部の入力分解能にほぼ等しく定めておくと、選択部は、目標スロットル開度変化量がスロットル開度検出部の入力分解能より小さい場合には、第1制御信号算出部からの第1制御信号を選択し、信号生成部を介して、駆動部を駆動する。また、目標スロットル開度変化量がスロットル開度検出部の入力分解能より大きい場合には、前記第2制御信号を選択し、信号生成部を介して、駆動部を駆動する。このため、状況に応じて好適なエンジン回転数制御を行うことができる。
なお、前記選択部は、前記目標スロットル開度変化量に加えて、前記スロットル開度検出部によって検出された実スロットル開度に基づいて、前記第1制御信号または第2制御信号を選択して出力するものであってもよい。これにより、第1制御信号または第2制御信号の選択がより適切に行われる。
前記PWMパルス生成部は、前記PWM制御パラメータに対応したPWM信号を前記駆動部に送出するPWM補正制御を時間間隔を開けて繰り返し実行するものであってもよい。この場合に、前記エンジン回転数制御装置は、或るPWM補正制御の前に前記実回転数検出部によって検出された実エンジン回転数と、当該PWM補正制御の後に前記実回転数検出部によって検出された実エンジン回転数とを用いて、実エンジン回転数変化量を算出する実回転数変化量算出部と、前記目標回転数変化量算出部によって算出された前記目標エンジン回転数変化量および前記実回転数変化量算出部によって算出された前記実エンジン回転数変化量を用いて、前記目標エンジン回転数変化量および実エンジン回転数と次回以降のPWM補正制御のための前記PWM制御パラメータとの関係を変更する変更部とをさらに備えることが好ましい。
例えば、駆動部により駆動されるスロットルバルブにかかるトルクは、スロットルバルブ軸のフリクションや、スロットルバルブの伝動機構のギアバックラッシュ、リターンスプリングなどの影響などにより一定でない場合が多い。よって、PWM制御パラメータの初期値のままでは、スロットルバルブの十分な変位を引き起こすことができず、エンジン回転数を精度良く制御できない場合がある。この場合、上記構成によれば、実際のエンジン回転数変化量をフィードバックして、変更部によりPWM制御パラメータと目標エンジン回転数変化量および実エンジン回転数との関係を修正することにより、目標通りにスロットルバルブの開度を制御できるようになる。
また、前記PWMパルス生成部は、所定の制御周期ごとに、前記PWM補正制御を実行するものであってもよい。
この構成によれば、変更部は、実エンジン回転数変化量に実質的な変化がない場合、目標エンジン回転数変化量および実エンジン回転数に対する前記PWMデューティ補正値の関係を変更する。これにより、確実にスロットルバルブの変位を引き起こすことができ、エンジン回転数を確実に制御することができる。実エンジン回転数変化量に変化が無い場合は、スロットルバルブが実質的に変位しなかった場合である。つまり、静止摩擦トルクがスロットルバルブを駆動させる際の駆動部の駆動力、例えば、モータ発生トルクよりも大きくなっている場合である。このような場合には、PWMデューティ補正回数やPWMデューティ補正値維持時間を変化させても駆動部が発生する駆動力は変わらないため、効果的ではない。そこで、PWMデューティ補正値と目標エンジン回転数変化量および実エンジン回転数との関係を修正することで、確実にスロットルバルブを駆動できる。
この発明のエンジンシステムは、エンジンと、前述のような特徴を有するエンジン回転数制御装置とを備えている。
この発明のエンジン発電機は、前記のエンジンシステムと、前記エンジンを駆動源として作動する発電ユニットとを含む。この構成により、エンジン回転数を高精度に安定させることが可能であるので、廉価な構成で、出力の安定したエンジン発電機を実現できる。
前記制御信号選択ステップは、前記目標エンジン回転数変化量に対応する目標スロットル開度変化量が前記スロットル開度検出部の入力分解能に基づいて予め定めた選択判定値以下の場合に、前記第1制御信号を選択するステップと、前記目標スロットル開度変化量が前記選択判定値より大きい場合に、前記第2制御信号を選択するステップとを含むことが好ましい。
前記方法は、さらに、前記PWM制御パラメータに対応したPWM信号を前記駆動部に送出するPWM補正制御の前と、その後とにおける実エンジン回転数の検出結果を用いて、実エンジン回転数変化量を算出する実回転数変化量算出ステップと、前記目標エンジン回転数変化量および前記実エンジン回転数変化量を用いて、前記目標エンジン回転数変化量および実エンジン回転数と次回以降のPWM補正制御のための前記PWM制御パラメータとの関係を変更するステップとを含んでいてもよい。
前記変更ステップは、前記実エンジン回転数変化量の絶対値が実質的に零の場合に、前記目標エンジン回転数変化量および実エンジン回転数に対する前記PWMデューティ補正値の関係を変更するステップを含むことが好ましい。
また、前記変更ステップは、前記実エンジン回転数変化量の絶対値が、実質的に零ではないが、前記目標エンジン回転数変化量の絶対値との差が所定のしきい値を超える場合に、前記目標エンジン回転数変化量および実エンジン回転数に対する前記PWMデューティ補正値維持時間または前記PWMデューティ補正回数の関係を変更するステップを含むことが好ましい。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るエンジンシステムの構成を示すブロック図である。
このエンジンシステムは、エンジン(内燃機関)120と、エンジン回転数制御装置100とを有する。このエンジンシステムは、例えば、エンジンへの吸気量を電子制御スロットルバルブの開閉で調節することによりエンジン回転数を制御する車両に搭載されるものである。この電子制御スロットルバルブは、PWM(Pulse Width Modulation )制御される。この実施形態におけるエンジン回転数制御装置100は、エンジン120の回転数、特に、車両におけるアイドル状態のエンジン120の回転数を制御するものとして説明する。
クランク角センサ110は、エンジン120のクランク軸の回転角度を検出し、検出した信号を実エンジン回転数算出部210に出力する。
また、水温センサ130は、エンジン120を冷却する冷却水の水温を検出し、目標回転数設定部200aに出力する。目標回転数設定部200aは、水温算出部140と、目標エンジン回転数算出部260とを有している。
目標エンジン回転数算出部260は、水温算出部140から入力される水温Twatに基づいて、目標とする目標エンジン回転数N*を算出し、目標エンジン回転数変化量算出部220に出力する。
図2に、目標エンジン回転数算出部260の記憶部260mに格納された関数テーブルの一例を示す。
目標エンジン回転数変化量算出部220は、目標エンジン回転数算出部260により算出された目標エンジン回転数N*と、実エンジン回転数算出部210により算出された実エンジン回転数Nとの偏差(エンジン回転数偏差)を演算する減算器からなる。この実施形態では、目標エンジン回転数変化量算出部220は、算出されたエンジン回転数偏差をそのまま目標エンジン回転数変化量ΔN*(=N*−N)として出力する。ただし、目標エンジン回転数変化量算出部220は、エンジン回転数偏差に対してさらに所定の演算を行って、目標エンジン回転数変化量ΔN*を求めるものであってもよい。
PWMパルス生成部200bは、PWM微少パルス算出部240と、PWM信号生成部280とを有している。このPWM信号生成部280は、スロットルバルブ170を開く方向(開方向)にモータ160を駆動するPWM信号と、スロットルバルブ170を閉じる方向(閉方向)にモータ160を駆動するPWM信号と、スロットルバルブ170の位置を保持するPWM信号とを生成することができる。より具体的には、たとえば、所定の保持デューティ比のPWMパルスをモータ160に与えることによってスロットルバルブ170の位置を保持でき、したがって、スロットル開度を保持できる。また、たとえば、前記保持デューティ比よりも大きなデューティ比のPWMパルスをモータ160に与えることによって、このモータ160を開方向に駆動でき、スロットル開度を大きくすることができる。さらに、たとえば、前記保持デューティ比よりも小さなデューティ比のPWMパルスをモータ160に与えることによって、このモータ160を閉方向に駆動でき、スロットル開度を小さくすることができる。むろん、PWM信号によるモータ160の制御方法には、公知の様々な方法を適用することができる。
PWM微少パルス算出部240は、PWM制御パラメータを定めるための関数テーブルh1,h2,h3を有する。この実施形態では、目標エンジン回転数変化量ΔN*および実エンジン回転数Nに応じて算出されるPWM制御パラメータは、PWMデューティ補正回数npwm、PWMデューティ補正値Δduty、およびPWMデューティ補正値維持時間tpwmを含む。したがって、関数テーブルh1,h2,h3は、それぞれ、入力される目標エンジン回転数変化量ΔN*および実エンジン回転数Nに応じて、PWMデューティ補正回数npwm、PWMデューティ補正値ΔdutyおよびPWMデューティ補正値維持時間tpwmを生成するものである。
図3は、PWM微少パルス制御の際のパラメータを説明する図である。この図3では、PWMディーティ補正回数を2回とした場合の例が示されており、さらに、PWM制御パラメータと、それに対応するPWM信号(電圧)が示されている。
たとえば、PWMデューティDaは、スロットル開度を現状維持するための保持デューティ比(一定値)であり、PWMデューティDbは、スロットルバルブ170を開方向に駆動するためのデューティ比の一例であり、PWMデューティDcは、スロットルバルブ170を閉方向に駆動するためのデューティ比の一例である。この場合、PWMデューティDaに対するPWMデューティDb,Dcの偏差がPWMデューティ補正値Δdutyである。このPWMデューティ補正値Δdutyは、PWMデューティDaよりも大きなPWMデューティDbを設定するときは正の値であり、PWMデューティDaよりも小さなPWMデューティDcを設定するときには負の値となる。
図4(b)に示す関数h2は、Δduty=h2a(ΔN*)+ h2b(ΔN>0のとき。ただし、h2a、h2bは係数)、Δduty=0(ΔN=0のとき)、Δduty=h2a(ΔN*)−h2b(ΔN<0のとき)であり、PWMデューティ補正値Δdutyは、目標エンジン回転数変化量ΔN*に対して、連続的に設定されるようになっている。また、実エンジン回転数Nの値に応じて、係数h2a,h2bの少なくとも一方(図4(b)の例ではh2b)が異なる値に定められている。
図4(c)に示す関数h3は、tpwm=h3a|ΔN*|+h3b(ただし、h3a、h3bは係数)であり、PWMデューティ補正値維持時間tpwmは、目標エンジン回転数変化量ΔN*に対して連続的に設定されるようになっている。また、実エンジン回転数Nの値に応じて、係数h3a,h3bの少なくとも一方(図4(c)の例ではh3b)が異なる値に定められている。
関数テーブルh1,h2,h3には、たとえば、所定の複数のエンジン回転数N(図4(a)〜図4(c)の例ではN=1000,1200,1400)についての関数値のみが格納されている。これら以外のエンジン回転数Nのときには、関数テーブルh1,h2,h3に格納されている関数値の補間演算を行って各PWM制御パラメータを定めてもよいし、実エンジン回転数に近似したエンジン回転数の関数値をPWM制御パラメータとして用いてもよい。
ここで、PWM制御パラメータnpwm、Δdutyおよびtpwmの初期値(具体的には、関数h1,h2,h3の係数h1b,h2b,h3bの初期値)の設定について、図5(a)および図5(b)ならびに図6(a)〜図6(d)を参照して説明する。
モータ160には、スロットルバルブ170の軸着部分(図5(a)のf1部分)と、モータ160内部の機構とから、摩擦トルクがかかっている。
E(V)=(Da+Δdutyi)(%)×Ein(V) / 100 ・・・(式1)
ただし、Einはモータ160の端子間電圧、Daはスロットル開度保持時のPWMデューティ、EはPWM制御によってモータ160に実質的に印加される電圧とする。
ただし、Iはモータ電機子電流、Rはモータ電機子抵抗とする。
I(A)×KT >Tm ・・・(式3)
ただし、KTはモータトルク定数、Tmは静止時にモータ160にかかる摩擦トルクとする。
モータ電流Iの応答遅れは、下記(式4)で示す電気的時定数Te(最終値の63.2%に到達する時間)で表すことができる。
ただし、Lはモータインダクタンスとする。
PWMデューティ補正値Δdutyが継続して適用されるPWMデューティ補正値維持時間tpwmは短くすることが望ましく、また、PWMデューティ補正回数npwmはなるべく少なくすることが好ましい。このため、PWM制御パラメータの初期値(係数h1b,h2b,h3bの初期値)を設定する際には、(式1)〜(式4)を用いて、且つ、モータ電流Iの挙動の遅れを考えたうえで、PWM制御パラメータのうち、PWMデューティ補正値維持時間tpwmおよびPWMデューティ補正回数npwmについては、その初期値をなるべく小さく設定する。
PWM微少パルス制御テーブル更新部250には、目標エンジン回転数変化量算出部220により算出された目標エンジン回転数変化量ΔN*と、実エンジン回転数算出部210により算出された実エンジン回転数Nとが入力される。
PWM信号生成部280は、PWM微少パルス算出部240から入力されるPWMデューティを記憶部(レジスタ)280mに格納するとともに、この記憶部280mに格納したPWMデューティ(制御信号)に基づいてPWM信号を生成し、モータ160に出力する。
図7は、この実施形態に係るエンジン回転数制御装置の動作を示すフローチャートである。この図7に示す処理が、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
ステップS2において、目標エンジン回転数変化量算出部220は、目標エンジン回転数N*から実エンジン回転数Nを減算して、目標エンジン回転数変化量ΔN*(=N*−N)を算出する。また、PWM微少パルス制御テーブル更新部250は、実エンジン回転数算出部210によって算出された実エンジン回転数Nを、実エンジン回転数記録値Noldとして、記憶部250mに記憶させる。実エンジン回転数記録値Noldは、PWM微少パルス制御によるスロットル開度調整前の実エンジン回転数として、後述するステップS9での処理に用いられる。この実エンジン回転数記録値Noldは、前制御周期でのPWM微少パルス制御の結果に対応する。
ステップS5では、PWM微少パルス算出部240は、ステップS3で算出されたPWMデューティ補正値維持時間tpwmの間、ステップS3で算出されたPWMディーティ補正値Δdutyだけ、前記保持デューティ比(図3のDa)から、PWMデューティを増減補正する。
PWMデューティ補正回数npwmだけPWMデューティの補正を行っていれば(i≧npwm)、処理はステップS9に移行し、PWMデューティ補正回数npwm分の補正が未完了であれば(i<npwm)、処理はステップS8に移行する。
次いで、ステップS10では、PWM微少パルス制御テーブル更新部250は、目標エンジン回転数変化量ΔN*と、実エンジン回転数変化量ΔNとに基づいて、PWM微少パルス制御パラメータ関数h1〜h3を更新するための関数更新処理を実行する。この関数更新処理には、さらに、目標エンジン回転数N*が加味されてもよい。
以上の処理が制御周期毎に繰り返し実行される。
図8は、図7のステップS10において行うPWM微少パルス制御パラメータ関数の更新処理を示すフローチャートである。
実エンジン回転数変化量|ΔN|が目標エンジン回転数変化量|ΔN*|より小さい場合(|ΔN*|−|ΔN|>Nβ)の処理タイミングを図9、図10(a)、図10(b)および図11に示す。
図10(a)および図10(b)は、図9に示すように水温Twatが上昇中の処理タイミングにおいて、エンジン回転数の実回転数変化が目標より小さい場合(|ΔN*|−|ΔN|>Nβ)のエンジン回転数の制御のタイミングを示す図である。図10(a)はエンジン回転数の変移を示し、図10(b)は、図10(a)のエンジン回転数の変移に対応するPWMデューティを示す。また、図11は、図10(a)の制御周期PCにおける目標エンジン回転数N*と実エンジン回転数Nとの関係を示す。なお、図9、図10(a)、図10(b)および図11には、図7のフローチャートの主要なステップの実行タイミングが併せて示されている。
すなわち、制御周期PCにおいて、は、ステップS3〜S8の処理によって、PWMデューティが3回に渡って減少補正されている。これにより、モータ160によってスロットルバルブ170が閉方向に駆動され、スロットル開度が減少させられ、その結果、実エンジン回転数Nが減少している。しかし、実エンジン回転数変化量|ΔN|が少なく、実エンジン回転数Nと目標エンジン回転数N*との差が大きな状態となっている。そこで、当該制御周期PC内のステップS10において、関数h2の更新が行われているのである。
一方、図8のステップS10−3では、PWM微少パルス制御テーブル更新部250は、ステップS10−1で算出したエンジン回転数変化量偏差Nhが、予め設定された判定値「−Nβ」(負の一定値)より小さいか否かを判定する。エンジン回転数変化量偏差Nhが判定値「−Nβ」以上であれば、関数更新処理を終了する。つまり、目標エンジン回転数変化量(ΔN*)と実エンジン回転数変化量(ΔN)とがほぼ同じである場合は、関数の更新は行わない。
より詳細に説明すると、制御周期PC1では、図12(b)に示すように、PWMデューティが3回に渡って減少補正されている。これにより、モータ160は、スロットルバルブ170を閉方向に駆動し、その結果、スロットル開度が減少して、実エンジン回転数Nが目標エンジン回転数N*の近くまで減少している。したがって、制御周期PC1内のステップS10では、パラメータ関数の更新が行われていない。
図8のステップS10−3において、エンジン回転数変化量偏差Nhが、判定値「−Nβ」より小さければ、処理は、ステップS10−5に移行する。
詳細に説明すると、制御周期PC2において、PWMデューティの減少補正が3回に渡って行われている。これにより、実エンジン回転数Nが過剰に変動して、実エンジン回転数変化量|ΔN|が目標エンジン回転数変化量|ΔN*|よりもはるかに大きくなっている。そこで、制御周期PC2中のステップS10の処理によって、パラメータ関数h2が更新されている。
なお、図8に示すフローチャートでは、パラメータ関数を更新する処理として、デューティ補正値Δdutyの関数h2を更新する場合について説明したが、関数h1、h3も同様にして更新してもよい。
前述の図8のステップS10−4において、PWMデューティを補正値Δdutyだけを増加させるケースの例として、実エンジン回転数変化が全くない場合、つまり、実エンジン回転数変化量|ΔN|=|N−Nold|=0の場合がある。実エンジン回転数変化量ΔNが0である場合は、モータ160により駆動されるスロットルバルブ170が無動作であり、モータ発生トルクが静止時摩擦トルクより小さい(図5(b)参照)と考えられる。よって、PWMデューティ補正回数npwmやPWMデューティ補正値維持時間tpwmを変化させても発生トルクは変わらない。すなわち、モータ発生トルクを上げてスロットルバルブ170を動かすためには、PWMデューティ補正値Δdutyを変化させる必要がある。
さらに、PWMデューティ補正値Δdutyの初期値は、上述したように、スロットルバルブ170が動き出すのに最低限必要な発生トルクがモータ160から発生されるように設定されている。このため、実エンジン回転数変化量|ΔN|が0でないのであれば、PWMデューティ補正値Δdutyの初期値は、そのまま維持し、PWMデューティ補正回数npwmまたはPWMデューティ補正値維持時間tpwmを変化させた方が、スロットルバルブ170駆動量の微調整がしやすい。
PWMデューティ補正回数npwmが2以上の場合、デューティ補正された微少パルス列同士の時間間隔をある程度あけることが好ましい。これにより、PWMデューティ補正回数npwmと実エンジン回転数変化量ΔN(=N−Nold)との関係は、ほぼ比例となる。
また、PWMデューティ補正回数npwm、PWMデューティ補正値ΔdutyおよびPWMデューティ補正値維持時間tpwmの各PWM制御パラメータの初期値(関数h1,h2,h3の初期関数値。とくに係数h1b,h2b,h3b)は、スロットルバルブ170の変位を妨げる静止摩擦力を上回る必要最低限度のトルクがモータ160から発生するように設定されている。このため、これらPWM制御パラメータの初期関数値をそのまま用いてPWMデューティを補正しても、ほぼ目標通りに、実エンジン回転数を目標エンジン回転数に近づけることができる。特に、アイドル回転数制御時においても、スロットルバルブ170を、静止状態から、確実に目標開度位置まで開閉作動させることができる。
また、図16に示す処理において、PWM微少パルス制御テーブル更新部250は、PWMデューティの補正によって実エンジン回転数Nに変化が見られるものの、実エンジン回転数変化量|ΔN|が目標エンジン回転数変化量|ΔN*|よりもはるかに小さい場合には、PWMデューティ補正回数npwmの関数h1またはPWMデューティ補正値維持時間tpwmの関数h3を変更する。これにより、PWMデューティの補正によってスロットルバルブ170が微動する状態を保持しつつ、効率よく、確実に、エンジン回転数を精度よく制御することができる。
図17は、本発明の第2の実施形態に係るエンジンシステムの構成を示すブロック図である。このエンジンシステムは、エンジン120と、このエンジン120の回転数を制御するエンジン回転数制御装置100aとを有している。このエンジン回転数制御装置100aは、図1に示す第1の実施形態のエンジン回転数制御装置100と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
実スロットル開度算出部320は、TPS310から入力されるTPS信号に基づいて実スロットル開度θを算出し、PWM微少パルス制御テーブル更新部(更新部)250a、PWM微少パルス算出部(第1制御信号算出部)240a、PWMデューティ選択部390、ISC位置フィードバック制御部(第2制御信号算出部)330および通常時位置フィードバック制御部340に出力する。
エンジン120の出力を制御するためのアクセル(例えば、四輪車両のアクセルペダル、二輪車両のアクセルグリップまたはエンジン発電機のアクセルレバー)350の近傍には、アクセルポジションセンサ(Accelerator Position Sensor:APS)360が設けられている。このAPS360は、アクセル350の開度(操作量)を検出し、その信号(以下、「APS信号」という。)をアクセル開度算出部370に出力する。
目標スロットル開度算出部380は、アクセル開度算出部370から入力されるアクセル開度信号に基づいて、目標スロットル開度θ*を生成するアクセル追従目標スロットル開度算出部である。この目標スロットル開度算出部380は、生成した目標スロットル開度θ*を通常時位置フィードバック制御部340に出力する。
目標スロットル開度変化量算出部400は、目標エンジン回転数変化量ΔN*の種々の値に対応する目標スロットル開度変化量Δθ*を定めたテーブルを有する。目標スロットル開度変化量算出部400は、そのテーブルと、目標エンジン回転数変化量算出部220aから入力された目標エンジン回転数変化量ΔN*とに基づいて、目標スロットル開度変化量Δθ*を算出する。
目標スロットル開度算出部325は、入力される実スロットル開度θと目標スロットル開度変化量Δθ*とに基づいて、目標スロットル開度θ*(=θ+Δθ*)を算出し、ISC位置フィードバック制御部330に出力する。
これにより、PWM微少パルス制御により駆動制御されるスロットルバルブ170の実際の開度θに応じて、各PWM制御パラメータを変更することができる。すなわち、PWM制御パラメータを、目標エンジン回転数変化量ΔN*、実エンジン回転数Nおよび実スロットル開度θの関数によって定めることができる。
実際には、スロットルバルブ170は、すべての開度域で静止摩擦トルクが一定であるわけではない。したがって、実スロットル開度θを加味してPWM制御パラメータを定めるようにすれば、スロットルバルブ170を、より適切に開閉作動させることができる。
PWMデューティ選択部390は、実スロットル開度θおよび目標スロットル開度変化量Δθ*に基づいて、PWM微少パルス算出部240a、ISC位置フィードバック制御部330および通常時位置フィードバック制御部340からの信号のうちのいずれかを選択して、PWM信号生成部280に出力する。
第2判定値θb2は、この実施形態では、TPS信号の入力分解能に等しく設定されている。そのため、|Δθ*|≦θb1の場合には、目標スロットル開度変化量絶対値|Δθ*|がTPS信号の入力分解能よりも大きければISC位置フィードバック制御が行われ、当該入力分解能以下であればPWM微少パルス制御が行われることになる。
このエンジン回転数制御装置100aを用いてエンジン回転数制御を行う際の一例を以下に示す。
実スロットル開度が大きいときには、通常時位置フィードバック制御が行われ、PWMデューティは大きく変動する。これに対して、実スロットル開度が小さく、目標スロットル開度にも大きな変動がないときには、PWM微少パルス制御が行われる。この期間には、PWMデューティはパルス的に変動することになる。
メインフレーム7aには、スイングアーム9の前端部が回動自在に支持されている。このスイングアーム9には、その後端部に後輪10が支持されている。
エンジン120の回転力は、チェーン11などを介して後輪10へと伝達され、これによって、後輪10が回転する。こうして、二輪車両1を走行させることができる。
エンジン回転数制御装置100または100aは、たとえば、メインフレーム7aに取り付けられている(図21では図示を省略)。エンジン120の回転数の制御をエンジン回転数制御装置100,100aによって行えば、とくにアイドル回転時において、エンジン回転速度を精密に制御して、安定した回転数が得られる。
エンジン120を制御するためのエンジン回転数制御装置100または100aは、例えば、発電機のフレーム24に取り付けられている(図22では図示を省略)。このエンジン回転数制御装置100,100aによってエンジン120の回転数を制御することにより、安価な構成でエンジン回転数を確実に所望の値に制御することができる。これにより、安定した電力を供給することができる。
2 ヘッドパイプ
3 ハンドル
5 フロントフォーク
6 前輪
7 フレーム
7a メインフレーム
7b リアフレーム
7c ダウンチューブ
8 燃料タンク
9 スイングアーム
10 後輪
11 チェーン
21 エンジン発電機
22 燃料タンク
23 把手
24 フレーム
25 コンセント
26 エンジンスイッチ
30 発電ユニット
h1〜h3 関数テーブル
Δduty PWMデューティ補正値
npwm デューティ補正回数
tpwm デューティ補正値維持時間
100 エンジン回転数制御装置
100a エンジン回転数制御装置
110 クランク角センサ
120 エンジン
130 水温センサ
140 水温算出部
160 モータ
161 スロットルボディ
161a 吸気通路
162 伝動機構
163 軸部
170 スロットルバルブ
180 制御部
200a 目標回転数設定部
200b パルス生成部
210 実エンジン回転数算出部
220 目標エンジン回転数変化量算出部
220a 目標エンジン回転数変化量算出部
240 PWM微少パルス算出部
240a PWM微少パルス算出部
250 PWM微少パルス制御テーブル更新部
250m 記憶部
250a PWM微少パルス制御テーブル更新部
260 目標エンジン回転数算出部
260m 記憶部
280 PWM信号生成部
280m 記憶部
320 実スロットル開度算出部
325 目標スロットル開度算出部
330 ISC位置フィードバック制御部
340 通常時位置フィードバック制御部
350 アクセル
370 アクセル開度算出部
380 目標スロットル開度算出部
390 デューティ選択部
400 目標スロットル開度変化量算出部
Claims (20)
- エンジンに吸入される吸入空気量を調整するスロットルバルブと、
前記スロットルバルブを駆動する駆動部と、
前記駆動部を駆動するためのPWM信号を生成する制御部とを含み、
前記制御部は、
実際のエンジン回転数を検出する実回転数検出部と、
目標エンジン回転数を設定する目標回転数設定部と、
前記実回転数検出部によって検出された実エンジン回転数と、前記目標回転数設定部によって設定された前記目標エンジン回転数とを用いて、目標エンジン回転数変化量を算出する目標回転数変化量算出部と、
前記PWM信号のデューティ比を補正するためのPWMデューティ補正値、このPWMデューティ補正値を継続して適用すべきPWMデューティ補正値維持時間、および前記PWMデューティ補正値を適用すべきPWMデューティ補正回数を含むPWM制御パラメータを、前記目標回転数変化量算出部によって算出された前記目標エンジン回転数変化量および前記実回転数検出部によって検出される実エンジン回転数に応じて算出し、その算出されたPWM制御パラメータに基づいてPWM信号を生成して前記駆動部に送出するPWMパルス生成部とを有し、
前記PWMパルス生成部は、目標エンジン回転数に対する実エンジン回転数の偏差が所定のエンジン回転数偏差許容値未満かどうかを判定し、PWM信号のデューティ比の補正を前記PWMデューティ補正回数だけ行ったか、または目標エンジン回転数に対する実エンジン回転数の偏差が前記エンジン回転数偏差許容値未満になったかのいずれかの条件が満たされるまで、PWM信号のデューティ比の補正を繰り返し行うものであることを特徴とするエンジン回転数制御装置。 - 前記PWMパルス生成部には、前記PWM制御パラメータの初期値が設定されており、
前記初期値は、前記スロットルバルブの変位を妨げる静止摩擦力を上回る必要最低限度の駆動力が前記駆動部から前記スロットルバルブに与えられるように設定されていることを特徴とする請求項1記載のエンジン回転数制御装置。 - 前記PWMパルス生成部は、前記PWM制御パラメータを、前記目標回転数変化量算出部によって算出される前記目標エンジン回転数変化量および前記実回転数検出部によって検出される実エンジン回転数の関数により算出するものであることを特徴とする請求項1または2記載のエンジン回転数制御装置。
- 前記PWMパルス生成部は、前記目標回転数変化量算出部によって算出される目標エンジン回転数変化量および前記実回転数検出部によって検出される実エンジン回転数に応じて、前記PWM制御パラメータを算出し、算出したPWM制御パラメータに基づいて、前記駆動部をPWM制御するための第1制御信号を算出する第1制御信号算出部と、前記駆動部に送出する前記PWM信号を生成する信号生成部とを備えており、
前記エンジン回転数制御装置は、さらに
前記スロットルバルブの開度であるスロットル開度を検出するスロットル開度検出部と、
前記目標回転数変化量算出部により算出された前記目標エンジン回転数変化量から目標スロットル開度変化量を算出する目標スロットル開度変化量算出部と、
前記目標スロットル開度変化量と前記スロットル開度検出部により検出された実スロットル開度とを用いて目標スロットル開度を算出する目標スロットル開度算出部と、
前記スロットル開度検出部により検出された前記実スロットル開度を前記目標スロットル開度算出部によって算出された目標スロットル開度に近づけるべく前記駆動部をPWM制御するための第2制御信号を算出する第2制御信号算出部と、
前記目標スロットル開度変化量算出部によって算出された前記目標スロットル開度変化量に基づいて、前記第1制御信号および前記第2制御信号のうちの一方を選択して、前記信号生成部に出力する選択部とをさらに含み、
前記信号生成部は、前記選択部から与えられる制御信号に基づいて前記PWM信号を生成するものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のエンジン回転数制御装置。 - 前記選択部は、前記目標スロットル開度変化量算出部によって算出された前記目標スロットル開度変化量が前記スロットル開度検出部の入力分解能に基づいて予め定めた選択判定値以下の場合に、前記第1制御信号を選択して前記信号生成部に出力し、前記目標スロットル開度変化量算出部によって算出された前記目標スロットル開度変化量が前記選択判定値より大きい場合に、前記第2制御信号を選択して前記信号生成部に出力するものであることを特徴とする請求項4記載のエンジン回転数制御装置。
- アクセル開度に基づいて目標スロットル開度を算出するアクセル追従目標スロットル開度算出部と、
前記スロットル開度検出部によって検出される実スロットル開度を、前記アクセル追従目標スロットル開度算出部によって算出された目標スロットル開度に近づけるべく前記駆動部をPWM制御するための第3制御信号を算出する第3制御信号算出部とをさらに含み、
前記選択部は、前記スロットル開度検出部によって検出される実スロットル開度と、前記目標スロットル開度変化量算出部によって算出される目標スロットル開度変化量とに基づいて、前記第1制御信号、第2制御信号および第3制御信号のいずれかを選択して前記信号生成部に出力するものであることを特徴とする請求項4または5記載のエンジン回転数制御装置。 - 前記選択部は、前記スロットル開度検出部によって検出される実スロットル開度が、所定のしきい値を超えている場合には前記第3制御信号を選択して出力し、前記実スロットル開度が前記しきい値以下の場合には、前記目標スロットル開度変化量算出部によって算出された目標スロットル開度変化量に応じて前記第1制御信号、第2制御信号または第3制御信号のいずれかを選択して出力するものであることを特徴とする請求項6記載のエンジン回転数制御装置。
- 前記PWMパルス生成部は、前記PWM制御パラメータに対応したPWM信号を前記駆動部に送出するPWM補正制御を時間間隔を開けて繰り返し実行するものであり、
前記エンジン回転数制御装置は、
或るPWM補正制御の前に前記実回転数検出部によって検出された実エンジン回転数と、当該PWM補正制御の後に前記実回転数検出部によって検出された実エンジン回転数とを用いて、実エンジン回転数変化量を算出する実回転数変化量算出部と、
前記目標回転数変化量算出部によって算出された前記目標エンジン回転数変化量および前記実回転数変化量算出部によって算出された前記実エンジン回転数変化量を用いて、前記目標エンジン回転数変化量および実エンジン回転数と次回以降のPWM補正制御のための前記PWM制御パラメータとの関係を変更する変更部とをさらに備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のエンジン回転数制御装置。 - 前記変更部は、前記実回転数変化量算出部によって算出された前記実エンジン回転数変化量の絶対値が実質的に零の場合に、前記目標エンジン回転数変化量および実エンジン回転数に対する前記PWMデューティ補正値の関係を変更するものであることを特徴とする請求項8記載のエンジン回転数制御装置。
- 前記変更部は、前記実回転数変化量算出部によって算出された前記実エンジン回転数変化量の絶対値が、実質的に零ではないが、前記目標回転数変化量算出部によって算出された前記目標エンジン回転数変化量の絶対値との差が所定のしきい値を超える場合に、前記目標エンジン回転数変化量および実エンジン回転数に対する前記PWMデューティ補正値維持時間または前記PWMデューティ補正回数の関係を変更するものであることを特徴とする請求項8または9記載のエンジン回転数制御装置。
- エンジンと、
請求項1ないし10のいずれかに記載のエンジン回転数制御装置とを備えたことを特徴とするエンジンシステム。 - 請求項11記載のエンジンシステムと、
前記エンジンが発生する駆動力によって回転駆動される走行車輪とを含むことを特徴とする車両。 - 請求項11記載のエンジンシステムと、
前記エンジンを駆動源として作動する発電ユニットとを含むことを特徴とするエンジン発電機。 - PWM信号によって駆動される駆動部によりスロットルバルブを駆動してエンジンの回転数を制御するエンジン回転数制御方法であって、
実際のエンジン回転数を検出する実回転数検出ステップと、
目標エンジン回転数を設定する目標回転数設定ステップと、
前記検出された実エンジン回転数と、前記設定された前記目標エンジン回転数とを用いて、目標エンジン回転数変化量を算出する目標回転数変化量算出ステップと、
前記PWM信号のデューティ比を補正するためのPWMデューティ補正値、このPWMデューティ補正値を継続して適用すべきPWMデューティ補正値維持時間、および前記PWMデューティ補正値を適用すべきPWMデューティ補正回数を含むPWM制御パラメータを、前記算出された前記目標エンジン回転数変化量および前記実回転数検出ステップにおいて検出される実エンジン回転数に応じて算出するPWM制御パラメータ算出ステップと、
前記算出されたPWM制御パラメータに基づいてPWM信号を生成して前記駆動部に送出するPWM信号送出ステップと、
を含み、
前記PWM信号送出ステップは、目標エンジン回転数に対する実エンジン回転数の偏差が所定のエンジン回転数偏差許容値未満かどうかを判定し、PWM信号のデューティ比の補正を前記PWMデューティ補正回数だけ行ったか、または目標エンジン回転数に対する実エンジン回転数の偏差が前記エンジン回転数偏差許容値未満になったかのいずれかの条件が満たされるまで、PWM信号のデューティ比の補正を繰り返し行うステップを含む
ことを特徴とするエンジン回転数制御方法。 - 前記PWM制御パラメータの初期値を、前記スロットルバルブの変位を妨げる静止摩擦力を上回る必要最低限度の駆動力が前記駆動部から前記スロットルバルブに与えられるように設定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項14記載のエンジン回転数制御方法。
- 前記算出されたPWM制御パラメータに基づいて第1制御信号を生成するステップと、
前記スロットルバルブの開度である実スロットル開度をスロットル開度検出部によって検出するスロットル開度検出ステップと、
前記目標エンジン回転数変化量と前記検出された実スロットル開度を用いて目標スロットル開度を算出する目標スロットル開度算出ステップと、
前記実スロットル開度を前記目標スロットル開度に近づけるべく前記駆動部をPWM制御するための第2制御信号を算出するステップとをさらに含み、
前記PWM信号送出ステップは、前記第1制御信号および前記第2制御信号のうちの一方を選択する制御信号選択ステップと、
選択された制御信号に基づいてPWM信号を生成し、前記駆動部に送出するステップとを含むことを特徴とする請求項14または15記載のエンジン回転数制御方法。 - 前記制御信号選択ステップは、
前記目標エンジン回転数変化量に対応する目標スロットル開度変化量が前記スロットル開度検出部の入力分解能に基づいて予め定めた選択判定値以下の場合に、前記第1制御信号を選択するステップと、
前記目標スロットル開度変化量が前記選択判定値より大きい場合に、前記第2制御信号を選択するステップとを含むことを特徴とする請求項16記載のエンジン回転数制御方法。 - 前記PWM制御パラメータに対応したPWM信号を前記駆動部に送出するPWM補正制御の前と、その後とにおける実エンジン回転数の検出結果を用いて、実エンジン回転数変化量を算出する実回転数変化量算出ステップと、
前記目標エンジン回転数変化量および前記実エンジン回転数変化量を用いて、前記目標エンジン回転数変化量および実エンジン回転数と次回以降のPWM補正制御のための前記PWM制御パラメータとの関係を変更する変更ステップとをさらに含むことを特徴とする請求項14ないし17のいずれかに記載のエンジン回転数制御方法。 - 前記変更ステップは、前記実エンジン回転数変化量の絶対値が実質的に零の場合に、前記目標エンジン回転数変化量および実エンジン回転数に対する前記PWMデューティ補正値の関係を変更するステップを含むことを特徴とする請求項18記載のエンジン回転数制御方法。
- 前記変更ステップは、前記実エンジン回転数変化量の絶対値が、実質的に零ではないが、前記目標エンジン回転数変化量の絶対値との差が所定のしきい値を超える場合に、前記目標エンジン回転数変化量および実エンジン回転数に対する前記PWMデューティ補正値維持時間または前記PWMデューティ補正回数の関係を変更するステップを含むことを特徴とする請求項18または19記載のエンジン回転数制御方法。
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