JP4445008B2 - 内燃機関の燃焼状態検出方法及び装置 - Google Patents

内燃機関の燃焼状態検出方法及び装置 Download PDF

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この発明は、内燃機関の燃焼状態、特にプレイグニッションの発生状態を検出するようにした内燃機関の燃焼状態検出方法及び装置に関するものである。
内燃機関に於いては、シリンダ内で混合気燃料の不完全燃焼が発生するとカーボンデポジットが発生し、このカーボンデポジットが点火プラグの電極間の碍子の表面に付着して点火プラグの電極間の絶縁抵抗が低下し、場合によっては失火に至ることがある。この現象を、通常、くすぶりと称するが、くすぶりが発生すると内燃機関の動作が不調となる。又、カーボンデポジットの残留熱によるホットスポット等がシリンダ内に発生し、点火プラグの放電による混合気の点火時点より前に自然発火を引き起こす、所謂、プレイグニッションを誘発することがある。プレイグニッションが発生すると、内燃機関の動作が不調となると共に、場合によっては内燃機関にダメージを与えることがある。
くすぶりは、内燃機関の低速回転領域で発生することが多く、くすぶりを検出したときには、内燃機関の制御装置により自動的に内燃機関を所定期間高速回転させ、点火プラグに付着したカーボンデポジットを焼き切る等の制御を行なう場合がある。又、プレイグニッションの発生を検出したときには、空燃比を燃料リッチ側に制御してシリンダ内の燃焼温度を低下させ、点火プラグの発火部位やホットスポットの温度を低下させるようにプレイグニッション抑制制御を行なうこと等が知られている。
周知のように、混合気燃料が燃焼するとシリンダ内にイオンが発生するが、従来、この発生したイオンをイオン電流として検出し、検出したイオン電流の状態に基づいて内燃機関のプレイグニッションを検出するようにしたプレイグニッション検出方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に示された従来のプレイグニッション検出方法は、イグニッションコイルの1次コイルへの通電期間中(点火信号発生期間中)の前半部分に於いて点火プラグの漏洩電流に基づいてくすぶりを検出し、通電期間中の後半部分に於いてイオン電流に基づいてプレイグニッションを検出するものであるが、くすぶりの検出区間に於いてくすぶりが検出されたときはプレイグニッションの検出を禁止するようにしている。これは、くすぶりの程度が酷くなると、くすぶりによる漏洩電流の発生期間が長くなってプレイグニッションの検出区間に重なることがあり、プレイグニッションが発生していないにも拘らずプレイグニッションが発生したと誤検出してしまうことを避けるためである。
特開平9−317620号公報
前述の従来の装置の場合、くすぶりの検出段階に於いてくすぶりの発生を検出したときにはプレイグニッションの検出を禁止するようにしているので、そのときプレイグニッションが実際に発生していてもその発生を検出することができず、従って、前述のようなプレイグニッション抑制制御をとることができない。従って、プレイグニッションの発生により内燃機関の動作が不調となり、又、場合によってはシリンダ内が高温高圧状態となって点火プラグの溶損やピストンの破損等の損傷を受けることとなる。
この発明は、従来の装置に於ける前述の課題を解決するもので、くすぶりが発生していても確実にプレイグニッションの発生を検出することができる内燃機関の燃焼状態検出方法を得ることを目的としたものである。
又、この発明は、くすぶりが発生していても確実にプレイグニッションの発生を検出することができる内燃機関の燃焼状態検出装置を得ることを目的としたものである。
この発明に係る内燃機関の燃焼状態検出方法は、内燃機関の燃焼室に設置され点火電圧が印加されることにより前記燃焼室内で飛火放電を発生して混合気燃料に点火しこれを燃焼させる電極を備えた点火プラグと、点火信号の発生に基づいて前記点火電圧を誘起する点火コイルとを備えた内燃機関に於ける燃焼状態を検出する方法であって、前記燃焼により生ずるイオンによるイオン電流を発生させる電圧を前記点火プラグの電極に印加し、前記電圧の印加により前記電極を介して流れる電流のうち前記内燃機関の動作行程の所定期間に設定した第1の検出区間に流れる前記電流の平均値に基づいて比較しきい値を設定し、前記電極を介して流れる電流のうち前記内燃機関の動作行程の前記点火信号が発生している期間を含む所定期間に設定した第2の検出区間に流れる電流と前記比較しきい値との比較に基づいて前記内燃機関のプレイグニッションの発生の有無を検出するようにした方法である。
又、この発明に係る内燃機関の燃焼状態検出方法は、内燃機関の燃焼室に設置され点火電圧が印加されることにより前記燃焼室内で飛火放電を発生して混合気燃料に点火しこれを燃焼させる電極を備えた点火プラグと、点火信号の発生に基づいて前記点火電圧を誘起する点火コイルとを備えた内燃機関に於ける燃焼状態を検出する方法であって、前記燃焼により生ずるイオンによるイオン電流を発生させる電圧を前記点火プラグの電極に印加する第1のステップと、前記電圧の印加により前記電極を介して流れる電流のうち前記内燃機関の動作行程の所定期間に設定した第1の検出区間に流れる前記電流の平均値に基づいて比較しきい値を設定する第2のステップと、前記内燃機関の前記点火信号が発生している期間を含む動作行程の所定期間に第2の検出区間を設定する第3のステップと、前記設定された第2の検出区間に前記点火プラグを介して流れる電流と前記比較しきい値との比較に基づいて前記内燃機関のプレイグニッションの発生に基づくイオン電流の発生位置を示すパラメータを抽出する第4のステップと、前記第2の検出区間内の所定位置に位置比較しきい値を設定する第5のステップと、前記抽出したパラメータと前記位置比較しきい値とを比較し前記パラメータが前記位置比較しきい値より早い時点に存在するか否かを判定して前記プレイグニッションの発生を検出する第6のステップとを備えたことを特徴とする方法である。
この発明による内燃機関の燃焼状態検出装置は、内燃機関の燃焼室に設置され点火電圧が印加されることにより前記燃焼室内で飛火放電を発生して混合気燃料に点火しこれを燃焼させる電極を備えた点火プラグと、点火信号の発生に基づいて前記点火電圧を誘起する点火コイルとを備えた内燃機関に於ける燃焼状態を検出する装置であって、前記燃焼により生ずるイオンによるイオン電流を発生させる電圧を前記点火プラグの電極に印加する電圧印加装置と、前記電圧印加手段により印可された電圧により前記電極を介して流れる電流を検出する電流検出装置と、前記電流検出装置により検出された電流のうち前記内燃機関の動作行程の所定期間に設定した第1の検出区間に流れる前記電流に基づいて比較しきい値を設定する比較しきい値設定装置と、前記電極を介して流れる電流のうち前記内燃機関の動作行程の前記点火信号が発生している期間を含む所定期間に設定した第2の検出区間に流れる電流と前記設定した比較しきい値との比較に基づいて前記内燃機関のプレイグニッションの発生の有無を判定するプレイグニッション発生判断装置とを備えたことを特徴とするものである。
又、この発明による内燃機関の燃焼状態検出装置は、内燃機関の燃焼室に設置され点火電圧が印加されることにより前記燃焼室内で飛火放電を発生して混合気燃料に点火しこれを燃焼させる電極を備えた点火プラグと、点火信号の発生に基づいて前記点火電圧を誘起する点火コイルとを備えた内燃機関に於ける燃焼状態を検出する装置であって、前記燃焼により生ずるイオンによるイオン電流を発生させる電圧を前記点火プラグの電極に印加する電圧印加装置と、前記電圧印加装置により印可された電圧により前記電極を介して流れる電流を検出してその検出値を出力するする電流検出装置と、前記内燃機関の動作行程の所定期間に第1の検出区間を設定する第1の検出区間設定装置と、前記第1の検出区間に流れる前記電流の検出値の平均値を算出する平均レベル算出装置と、前記算出した平均値と前記電圧印加手段により印可した電圧とからくすぶり抵抗値を算出するくすぶり抵抗値を算出するくすぶりレベル算出装置と、前記算出したくすぶり抵抗値に基づいて比較しきい値を設定する比較しきい値設定装置と、前記内燃機関の動作行程に前記点火信号が発生している期間を含む第2の検出区間を設定する第2の検出区間設定装置と、前記第2の検出区間に流れる電流の検出値と前記設定した比較しきい値との比較に基づいて前記内燃機関のプレイグニッションに基づくイオン電流を抽出するプレイグニッション信号抽出装置と、前記第2の検出区間の所定位置に位置比較しきい値を設定する位置比較しきい値設定装置と、前記抽出したイオン電流の位置と前記設定した位置比較しきい値との比較に基づいて前記プレイグニッションの発生の有無を判定するプレイグニッション発生判断装置とを備えたことを特徴とするものである。
この発明による内燃機関の燃焼状態検出方法によれば、燃焼により生ずるイオンによるイオン電流を発生させる電圧を点火プラグの電極に印加し、前記電圧の印加により前記電極を介して流れる電流のうち内燃機関の動作行程の所定期間に設定した第1の検出区間に流れる前記電流の平均値に基づいて比較しきい値を設定し、前記電極を介して流れる電流のうち前記内燃機関の動作行程の前記点火信号が発生している期間を含む所定期間に設定した第2の検出区間に流れる電流と前記比較しきい値との比較に基づいて前記内燃機関のプレイグニッションの発生の有無を検出するようにしているので、くすぶりが発生していてもプレイグニッションの発生を確実に検出することができ、この検出に基いてプレイグニッションの発生を抑制する等の内燃機関の適正な制御を行なうことができる。
又、この発明による内燃機関の燃焼状態検出方法によれば、燃焼により生ずるイオンによるイオン電流を発生させる電圧を点火プラグの電極に印加する第1のステップと、前記電圧の印加により前記電極を介して流れる電流のうち内燃機関の動作行程の所定期間に設定した第1の検出区間に流れる前記電流の平均値に基づいて比較しきい値を設定する第2のステップと、前記内燃機関の前記点火信号が発生している期間を含む動作行程の所定期間に第2の検出区間を設定する第3のステップと、前記設定された第2の検出区間に前記点火プラグを介して流れる電流と前記比較しきい値との比較に基づいて前記内燃機関のプレイグニッションの発生に基づくイオン電流の発生位置を示すパラメータを抽出する第4のステップと、前記第2の検出区間内の所定位置に位置比較しきい値を設定する第5のステップと、前記抽出したパラメータと前記位置比較しきい値とを比較し前記パラメータが前記位置比較しきい値より早い時点に存在するか否かを判定して前記プレイグニッションの発生を検出する第6のステップとを備えているので、くすぶりが発生していてもプレイグニッションの発生を確実に検出することができ、更に、多重点火装置を備えた内燃機関等に於いても位置比較しきい値をそれに対応して設定することでプレイグニッションの発生を確実に検出することができ、この検出に基いてプレイグニッションの発生を抑制する等の内燃機関の適正な制御を行なうことができる。
又、この発明による内燃機関の燃焼状態検出装置によれば、燃焼により生ずるイオンによるイオン電流を発生させる電圧を点火プラグの電極に印加する電圧印加装置と、前記電圧印加手段により印可された電圧により前記電極を介して流れる電流を検出する電流検出装置と、前記電流検出装置により検出された電流のうち内燃機関の動作行程の所定期間に設定した第1の検出区間に流れる前記電流に基づいて比較しきい値を設定する比較しきい値設定装置と、前記電極を介して流れる電流のうち前記内燃機関の動作行程の前記点火信号が発生している期間を含む所定期間に設定した第2の検出区間に流れる電流と前記設定した比較しきい値との比較に基づいて前記内燃機関のプレイグニッションの発生の有無を判定するプレイグニッション発生判断装置とを備えているので、内燃機関のプレイグニッションの発生を確実に検出することができ、この検出に基いてプレイグニッションの発生を抑制する等の内燃機関の適正な制御を行なうことができる。
更に、この発明による内燃機関の燃焼状態検出装置によれば、燃焼により生ずるイオンによるイオン電流を発生させる電圧を前記点火プラグの電極に印加する電圧印加装置と、前記電圧印加装置により印可された電圧により前記電極を介して流れる電流を検出してその検出値を出力するする電流検出装置と、内燃機関の動作行程の所定期間に第1の検出区間を設定する第1の検出区間設定装置と、前記第1の検出区間に流れる前記電流の検出値の平均値を算出する平均レベル算出装置と、前記算出した平均値と前記電圧印加手段により印可した電圧とからくすぶり抵抗値を算出するくすぶり抵抗値を算出するくすぶりレベル算出装置と、前記算出したくすぶり抵抗値に基づいて比較しきい値を設定する比較しきい値設定装置と、前記内燃機関の動作行程に前記点火信号が発生している期間を含む第2の検出区間を設定する第2の検出区間設定装置と、前記第2の検出区間に流れる電流の検出値と前記設定した比較しきい値との比較に基づいて前記内燃機関のプレイグニッションに基づくイオン電流を抽出するプレイグニッション信号抽出装置と、前記第2の検出区間の所定位置に位置比較しきい値を設定する位置比較しきい値設定装置と、前記抽出したイオン電流の位置と前記設定した位置比較しきい値との比較に基づいて前記プレイグニッションの発生の有無を判定するプレイグニッション発生判断装置とを備えているので、くすぶりが発生していてもプレイグニッションの発生を確実に検出することができ、更に、位置比較しきい値を多重点火装置を備えた内燃機関に対応して設定することで確実にプレイグニッションの発生を検出することができ、より汎用性の高い燃焼状態検出装置とすることができ、プレイグニッションの発生を抑制する等の内燃機関の適正な制御を行なうことができる。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出方法及び装置について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置の一部の回路構成を示す回路図である。
図1に於いて、内燃機関の燃焼室(図示せず)に設置された点火プラグ5は、間隙を介して対向する一対の電極を備え、これらの電極が燃焼室内に露出しており、その電極間に点火電圧が印可されることにより飛火放電を発生し燃焼室内の混合気燃料に点火しこれを燃焼させる。点火コイル1は、バッテリー(図示せず)からの電源VBに接続された一次コイル2と、この一次コイル2に磁気鉄心を介して結合された二次コイル3とを備えている。
1次コイル2は、トランジスタ4に直列接続されており、トランジスタ4が車両に設けられた演算処理装置(以下、CPUと称する)を含むエンジン制御ユニット(以下、ECUと称する)12からの後述する点火信号を受けて導通することにより、電源VBから1次電流が供給されて付勢される。点火コイル2は、一次コイル2への一次電流の通電が停止されたとき、二次コイル3に点火電圧としての負の高電圧を誘起し、この点火電圧を点火プラグ5の電極に印加する。
バイアス回路7は、二次コイル2と車両の接地電位部との間に挿入されており、コンデンサ9と、このコンデンサに並列接続されたツェナーダイオード8と、これらの並列回路に直列接続されたダイオード10とを備えている。バイアス回路7は、後述するイオン電流及び内燃機関のくすぶりによる点火プラグ5の漏洩電流を検出するために、点火プラグ5の電極に正の電圧を印加する。
点火プラグ5は、混合気燃料を点火させるための飛火放電を発生する機能の外に、イオン電流及び点火プラグの漏洩電流を検出するためのプローブとしての機能を備える。電流検出手段としてのイオン電流検出回路11は、ダイオード10の陰極側に接続され、点火プラグ5の電極を介して流れる前述のイオン電流及び漏洩電流を検出し、その検出した電流値をECU12に入力する。一次コイル2、二次コイル3、トランジスタ4、バイアス回路7、及びイオン電流検出回路11は、点火コイル1として一体に構成され、内燃機関に搭載されている。
図2は、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出方法及び装置の動作を説明する説明図である。図2に於いて、内燃機関の動作は、周知のように、燃焼室内の混合気燃料を圧縮する圧縮工程C1と、圧縮された混合気燃料を燃焼させる燃焼行程C2と、燃焼したガスを排気する排気行程C3と、混合気燃料を吸入する吸入行程C4とからなる。夫々の工程C1〜C4は、燃焼室内を往復運動するピストンに連結されたクランク軸の回転角度(以下、クランク角と称する)0°CA〜720°CA内での所定の角度範囲に対応している。
圧縮工程C1に於いて(A)に示す点火信号が時点t1でオンになると、図1に示すトランジスタ4が導通し、一次コイル2に電源VBから1次電流が供給される。これにより、図2の(B)に示すように例えば1[KV]程度のピーク値を有する二次電圧V2が2次コイル3に誘起される。この2次電圧V2により、点火系にその静電容量に起因するノイズ電流Inが瞬時に流れる。時点t2に於いて点火信号がオフになるとトランジスタ4が非導通となり一次コイル2への1次電流が遮断される。
1次電流の遮断により、二次コイル3に、例えば20[KV]程度の負の高電圧である点火電圧V2iが誘起される。点火電圧V2iは、例えば、クランク角−10°CA前後の時点で発生し、点火プラグ5の電極間に印加され、その電極間に飛火放電を発生させる。この飛火放電による放電電流は、点火プラグ5の接地側の電極から2次コイル3に接続されている電極へと流れ、二次コイル3を介してコンデンサ9を充電する。コンデンサ9が所定の充電電圧に達するとツェナーダイオード8がブレークダウンし、ダイオード10を介して放電電流は接地側へ流れる。
燃焼室内の混合気燃料は、点火プラグ5の飛火放電によりピストンの上死点であるクランク角0°CAの直前で点火されて燃焼し、内燃機関は燃焼行程C2に移行する。混合気燃料が燃焼すると、燃焼室内にイオンが発生するが、点火プラグ5の電極間にはコンデンサ9の充電電圧に基づく例えば100[V]程度のバイアス電圧VLが印加されるので、ノイズ電流Inに続いてイオン電流Idが図2の(C)に示すように流れる。このイオン電流Idは次第に減衰し、燃焼行程C2の終了時点から排気行程C3に至る段階ではほぼ0となる。以上の図2の(A)、(B)、(C)に基づく動作は、内燃機関にプレイグニッション、及び点火プラグ5にくすぶりが発生していない、所謂、正常時に於ける動作である。
図15は、点火プラグの重度のくすぶりと、強いプレイグニッションが発生した場合に於ける電流波形を示すもので、(A)、(B)は、夫々前述の図2に於ける(A)、(B)に対応する点火信号と二次電圧V2を示す。点火プラグ5に重度のくすぶりが発生すると、時点t1に於いて二次コイル3に誘起された二次電圧V2が電極間に印加されることにより、ノイズ電流Inに続いて、点火プラグ5の碍子等の絶縁物の表面に付着したカーボンデポジットを通して電極間に漏洩電流Ikが流れる。
くすぶりが軽度の場合には、二次電圧V2が、例えば800[V]の場合でも数10[μA]程度であり、二次電圧V2が図15の(B)に示すように減少するに従って殆ど流れなくなる。しかし、くすぶりが重度になると、例えば800[V]の二次電圧が点火プラグ5の電極間に印加された場合、(C)に示すようにピーク時には400[μA]程度の漏洩電流が流れ、以降、次第に減少するが点火信号が印可されているt1〜t2の期間中流れ続ける。そして、点火後の燃焼行程C2に於いて点火プラグ5の電極間に印加されるバイアス電圧により、ノイズ電流Inに続いてくすぶりにより漏洩電流Ikが点火プラグ5を介して流れることとなる。この場合の漏洩電流Ikは、バイアス電圧が100[V]であるとすれば、50[μA]程度となる。
又、燃焼室内に強いプレイグニッションが発生すると、図15の(D)に示すように、ノイズ電流Inに続いてプレイグニッションに基づくイオン電流Ipが流れる。このプレイグニッションによるイオン電流Ipは、点火電圧V2が例えば500[V]のときでも500[μA]程度の値となり、以降、次第に減衰して点火信号の終了時点t2ではほぼ0となる。そして、点火後の燃焼行程C2に於いて点火プラグ5の電極間に印加されるバイアス電圧により、点火プラグ5の飛火放電により生じてイオンに基づくイオン電流Idが点火プラグ5を介して流れることとなる。この場合のイオン電流Idは、バイアス電圧が100[V]であるとすれば、100[μA]程度となる。図2の(D)、(E)、(F)に示す波形は、図15に於ける(A)、(B)、(C)の波形に夫々対応し、重度のくすぶりが発生した場合を示している。
くすぶりとプレイグニッションが同時に発生すれば、前述のくすぶりによる漏洩電流Ikとプレイグニッションによるイオン電流Ipが重畳して点火プラグ5を介して点火コイル1から接地電位部に流れることになる。
図1に示すイオン電流検出回路11は、前述のくすぶりによる漏洩電流Ik、プレイグニッションによるイオン電流Ip、点火プラグ5の飛火放電によるイオン電流Idの、何れをも検出することができる。しかし、くすぶりによる漏洩電流Ikとプレイグニッションによるイオン電流Ipが重畳して流れた場合、イオン電流検出回路11の検出した電流値が、くすぶりによる漏洩電流Ikとプレイグニッションによるイオン電流Ipとの何れであるかの区別はつかないことになる。
以下述べるこの発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出方法は、くすぶりによる漏洩電流Ikとプレイグニッションによるイオン電流Ipが重畳して流れた場合でも、プレイグニッションによるイオン電流Ipの検出を確実に行い得るようにした方法である。
この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出方法は、図2に示すように、内燃機関の排気行程C3内に、第1の検出区間Z1を設定し、この第1の検出区間Z1の間に点火プラグ5に流れる漏洩電流の平均値ILを求める。この第1の検出区間Z1は、既に点火プラグ5の飛火放電によるイオン電流Idは消滅している排気行程C3内の所定のクランク角に対応して設定されており、例えば、1[μsec]の期間である。この区間内に流れる電流はくすぶりに基づく漏洩電流であるから、くすぶりに基づく漏洩電流の平均値ILを求めることになる。尚、第1の検出区間Z1内に流れる漏洩電流が所定値以下の場合は、くすぶりが発生していないと判定するようにしてもよい。尚、図2の(C)、(F)ではイオン電流と漏洩電流とを総称して「イオン電流」と表示している。
くすぶりによる漏洩電流Ikの平均値ILを求めることにより、例えば100[V]の一定値であるバイアス回路7によるバイアス電圧VLから、オームの法則によりくすぶり抵抗値RLを算出する。次に、算出したくすぶり抵抗値RLに基づいて、比較しきい値Thを設定する。この比較しきい値Th1の大きさは、くすぶり抵抗値RLの大きさに応じて設定される。比較しきい値Th1は、後述する第2の検出区間Z2内に流れる電流の検出値と比較するために用いる。第2の検出区間Z2は、ほぼ内燃機関の圧縮工程C1全体に亘るクランク角に対応して例えば10[msec]に設定され、点火信号がオンである時点t1〜t2の間の期間を含む。
くすぶりの発生が無いか、若しくは軽度であればくすぶり抵抗値RLは無限大、若しくはきわめて大きくなる。このくすぶり抵抗値RLに対応して設定される比較しきい値Thは、図2の(C)に鎖線で示すように小さな値となるが、ノイズ電流Inは別として、くすぶりの発生を無視し得る程度の漏洩電流より大きな値とされる。くすぶりの発生が重度の場合は、くすぶり抵抗値RLは小さくなる。従ってそのくすぶり抵抗値RLに対応して設定される比較しきい値Th1は、図2の(E)に鎖線で示すように大きな値となり、くすぶりによる漏洩電流Ikを常に超える値に設定される。尚、図2の(C)、(E)に示すように、比較しきい値Th1は、点火信号がオンとなる時点t1以前では所定値で時点t1にて最高値をとり、以降次第に低下して所定値に戻るパターンを有している。
次に、第2の検出区間Z2では、この区間に流れる電流の検出値と設定した比較しきい値Thとを比較し、この比較に基づいてプレイグニッションの発生の有無を検出する。即ち、強いプレイグニッションが発生した場合、前述したように図15の(D)に示すイオン電流Ipが流れ、このイオン電流Ipは図2の(C)又は(F)に示す比較しきい値Thを超えることとなる。ここで、強いプレイグニッション、つまり点火信号がオンとなってから早い段階でプレイグニッションが発生した場合、イオン電流Ipは、例えば図15の(D)に示すように時点t1に近い時点でピーク値を有するパターンを備える。そして、弱いプレイグニッション、つまり強いプレイグニッションの発生時点に比べて時点t1から離れた時点でプレイグニッションが発生すると、その度合いに応じてイオン電流Ipのピーク値の位置は時点t1から遠ざかり時点t2に近づくこととなり、場合によってはプレイグニッションとして検出する必要のないものとなる。
そこで、位置比較しきい値ThPreを所定のクランク角に対応した時点に設定し、イオン電流Ipのピーク値の時点が、位置比較しきい値ThPreの設定時点よりも前の時点であるX側にあればプレイグニッションが発生したと判定し、位置比較しきい値ThPreの設定時点よりも後の時点であるY側にあればプレイグニッションが発生したとは判定しないようにする。この位置比較しきい値ThPreの設定は、特に複数の点火プラグを備えた多点点火システムを採用している場合に、点火プラグの飛火放電によるイグニッションとプレイグニッションとを区別する上で有効である。
比較しきい値Thの値は、前述したように発生したくすぶりの度合いに基づいて設定され、如何なるくすぶり度合いであっても、比較しきい値Th1はくすぶりによる漏洩電流Ikより大きく設定されるが、しかし大き過ぎない適度の値に設定される。それは、第2の検出区間Z2に於いて、くすぶりによる漏洩電流は検出しないがプレイグニッションによるイオン電流Ipを確実に検出するためである。
以上で、この発明の実施の形態1に基づく内燃機関の燃焼状態検出方法について説明した。次に、その内燃機関の燃焼状態検出方法を用いてプレイグニッションの発生を検出するようにしたこの発明の実施の形態1に基づく内燃機関の燃焼状態検出装置について説明する。図3は、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置の全体構成を示すブロック図である。
図3に於いて、点火コイル1は、点火プラグ5に点火電圧を供給するコイル部分13とイオン電流検出装置14とを含む。コイル部分13は、図1に示す一次コイル2と二次コイル3とトランジスタ4とから構成されている。イオン電流検出装置14は、図1に示すバイアス回路7とイオン電流検出回路11とから構成されている。A/D変換装置17は、イオン電流検出回路11が検出したアナログ電流値をデジタル電流値に変換する。プレイグニッション検出装置18は、図1に示すECU12に設けられており、A/D変換装置17からのデジタル電流値を受けてプレイグニッションの発生の有無を検出する。このプレイグニッション検出装置18は、後述するくすぶりレベル判定装置19と、パラメータ抽出装置20と、プレイグニッション判定装置21とから構成されている。尚、電流検出装置14は、検出した前記電流に重畳するインパルス成分と高周波成分の少なくとも何れかを除去するフィルタ手段を備えていてもよい。
点火制御装置15は、点火コイル1の一次コイル2に接続されているトランジスタ4に点火信号を与えてこれを導通させ、点火プラグ5に印加する点火電圧の発生時期を制御する。クランク角センサ16は、クランク軸の回転角であるクランク角を検出し、点火制御装置15及びプレイグニッション検出装置18に入力する。
図4は、前述のくすぶりレベル判定装置19の構成を示すブロック図である。図4に於いて、くすぶりレベル判定装置19は、第1の検出区間設定装置22と、平均レベル算出装置23と、くすぶりレベル算出装置24とにより構成されている。第1の検出区間設定装置22は、クランク角センサ16が検出したクランク角に基いて前述の図2に示す第1の検出区間Z1を設定する。第1の検出区間Z1の幅は、ノイズの影響を無視し得るように約1[msec]程度とする。平均レベル算出装置23は、イオン電流検出回路11が検出した電流値をデジタル変換したA/D変換装置17からのデジタル電流値に基いて、第1の検出区間設定装置22により設定された第1の検出区間Z1内に流れる電流の平均値を算出する。くすぶりレベル算出装置24は、平均レベル算出装置23により算出された電流の平均値に基づいて、点火プラグ5に発生しているくすぶりのレベルを算出する。即ち、くすぶりのレベルの算出は、前述したように、バイアス電圧VLを算出した電流の平均値で除してくすぶり抵抗値RLを算出することにより行なう。
図5は、前述のパラメータ抽出装置20の構成を示すブロック図である。パラメータ抽出装置20は、プレイグニッションの発生に起因するパラメータとしてのプレイグニッション信号を抽出するものである。図5に於いて、パラメータ抽出装置20は、第2の検出区間設定装置25と、第1の比較装置26と、比較しきい値設定装置27とプレイグニッション信号抽出装置28とにより構成されている。第2の検出区間設定装置25は、クランク角センサ16が検出したクランク角に基いて前述の図2に示す第2の検出区間Z2を設定する。第2の検出区間Z2のはばや、約10[μsec]とする。比較しきい値設定装置27は、くすぶりレベル算出装置24により算出されたくすぶりレベル、即ち、くすぶり抵抗値RLに基づいて、図2に示す前述の比較しきい値Th1を設定する。比較しきい値Th1は、マップとして記憶しており、くすぶり抵抗値に基づいてマップから読み出すことにより設定する。
図7は、くすぶり抵抗値RLのレベルに対応して設定する比較しきい値Th1を示す説明図である。図7に於いて、(A)は点火信号を示す。(B)はくすぶり抵抗値RLが無限大、つまり、くすぶりが発生していないか、若しくは発生していても無視し得る程度である場合の比較しきい値で、点火信号のオン期間中、一定値となる。(C)はくすぶり抵抗値RLが30[MΩ]である場合の比較しきい値、(D)はくすぶり抵抗値RLが10[MΩ]である場合の比較しきい値、(E)はくすぶり抵抗値RLが5[MΩ]である場合の比較しきい値を夫々示す。(C)、(D)、(E)に示す比較しきい値は、点火信号の立ち上がり時点でピーク値を持ち、以降、時間の経過と共に減少するパターンを備える。これは、前述のようにくすぶりによる漏洩電流Ikのパターンに沿わせたものである。比較しきい値Th1は、くすぶり抵抗値RLに対応してマップに記憶されている。
図5に於いて、第1の比較装置26は、A/D変換装置17からのデジタル電流値と比較しきい値設定装置27により設定された比較しきい値Th1とを比較する。プレイグニッション信号抽出装置28は、第1の比較装置26による比較により比較しきい値Thを超えたデジタル電流値をプレイグニッション信号として抽出する。
図6は、前述のプレイグニッション判定装置21の構成を示すブロック図である。図6に於いて、位置比較しきい値設定装置32は、第2の検出区間設定装置25により設定された第2の検出区間Z2内に、前述の図2に示す位置比較しきい値ThPreを設定する。この位置比較しきい値ThPreは、クランク角センサ16からのクランク角に基づき所定のクランク角の位置に対応して設定されるものであり、前述したように点火プラグ5の飛火放電によるイグニッションに基づくイオン電流とプレイグニッションに基づくイオン電流との区別を明確にするためのものである。
第2の比較装置30は、プレイグニッション信号抽出装置28により抽出されたプレイグニッション信号の発生位置と、位置比較しきい値設定装置322より設定された位置比較しきい値の位置とを比較する。プレイグニッション発生判断装置31は、第2の比較装置30による比較の結果、プレイグニッション信号の発生位置が位置比較しきい値ThPreの設定された位置より前にある、即ち、前述の図2に示すX側にあるときにプレイグニッションが発生したと判断する。プレイグニッション信号の発生位置は、プレイグニッション信号、つまり比較しきい値を最初に越えたイオン電流の位置としてもよく、或いはそのイオン電流のピーク位置をその発生位置としてもよく、更にはプレイグニッション信号、つまり比較しきい値を超えたイオン電流のパターンの重心位置をその発生位置としても良い。
次に、以上のように構成されたこの発明の実施の形態1に基づく内燃機関の燃焼状態検出装置の動作について説明する。図8乃至図12はこの発明の実施の形態1に基づく内燃機関の燃焼状態検出装置の動作を説明するフローチャートを示し、図8はメイン処理、図9はくすぶりレベル判定処理、図10はイオン電流発生を判定するための比較しきい値設定処理、図11はパラメータ抽出処理、図12はプレイグニッション判定処理を夫々示す。
先ず、燃焼により生ずるイオンによるイオン電流を発生させる電圧を点火プラグ5の電極に印加するこの発明に於ける第1のステップを経て、メイン処理のルーチンを示す図8に進む。図8に於いて、ステップS1に於いて、くすぶりレベル判定装置19により、くすぶりレベル判定処理を行ない、前述のくすぶり抵抗値RLを算出する。次にステップS2に進み、くすぶり抵抗値RLに基づいて前述の比較しきい値Th1を設定する。ステップS1とステップS2とは、この発明に於ける第2のステップに相当する。ステップS3では、パラメータ抽出装置20により、比較しきい値Th1と検出したイオン電流のデジタル値と比較に基づいてプレイグニッション信号を抽出する。ステップS3は、この発明に於ける第4のステップに相当する。次に、ステップS4に進むと、プレイグニッション判定装置21により、位置比較しきい値ThPreを第2の検出区間Z2内に設定し、この位置比較しきい値に基づいてプレイグニッション信号の発生位置を判定してプレイグニッションの発生の有無を検出して動作を終了する。ステップS4は、この発明に於ける第3のステップと第5のステップと第6のステップに相当する。以上の図8に示すメイン処理は、内燃機関の点火サイクル毎に行なう。
次に、メイン処理ルーチンのステップS1に於ける「くすぶりレベル判定処理」について、その詳細を図9に基づいて説明する。くすぶりレベル判定装置19では、先ずクランク角センサ16からのクランク角に基づいて図2に示す排気行程C2内に第1の検出区間Z1を設定し、図9に示すステップS101に進む。ステップS101では、第1の検出区間Z1の期間中であるか否かを判定し、その期間中であれば、ステップS102に進んでフラグFLGを「1」に設定する。次に、ステップS103に於いて、バッファーION1に第1の検出区間Z1の期間中に検出したくすぶりによる漏洩電流のデジタル値を蓄積してリターンする。
ステップS101に戻り、第2の検出区間Z1であるか否かの判定を行い、第1の検出区間Z1でないと判定すると、ステップS104に進みフラグFLGが「1」であるか否かを判定し、FLG=1であればステップS105に進む。ステップS105に進むと、バッファーION1に蓄積した第1の検出区間Z1内の漏洩電流の値から、平均レベル算出装置23により平均電流値ILを算出する。尚、図9のステップS105では、漏洩電流を「イオン電流」と総称して表示している。次に、ステップS106に進み、くすぶりレベル算出装置24によりくすぶりレベルとしてのくすぶり抵抗値RLを算出する。くすぶり抵抗値RLは、IL/RLとして算出し、もの値をメモリに記憶させる。次にステップS107に進み、フラグFLGを「0」にリセットする。以降、内燃機関の点火サイクル毎に図9に示す「くすぶりレベル判定処理」のルーチンを繰り返す。
次に、メイン処理ルーチンのステップS2に於ける「イオン電流発生判定しきい値設定処理」について、その詳細を図10に基づいて説明する。図10に於いて、比較しきい値設定装置27により、ステップS201ではメモリに記憶しているくすぶり抵抗値RLを読み出し、ステップS202に於いてその読み出したくすぶり抵抗値RLに基づいて、マップに記憶している比較しきい値Th1を読み出す。以降、内燃機関の点火サイクル毎に図10に示す「イオン電流発生判定しきい値設定処理」のルーチンを繰り返す。
次に、メイン処理ルーチンのステップS3に於ける「パラメータ抽出処理」について、その詳細を図11に基づいて説明する。パラメータ抽出装置20に於ける第2の区間設定装置25では、前述したように図2に示す圧縮工程C3に亘って第2の検出区間Z2を設定しており、この第2の検出区間Z2には点火信号のオン期間が含まれている。図11に於いて、ステップS301では、第2の検出区間Z2の期間中であるか否かを判定し、その期間中であればステップS302に進む。ステップS302では、第2の検出区間Z2に流れるイオン電流の検出値をA/D変換装置17からのデジタルデータION2として読み込む。このとき読み込まれるデータION2は、くすぶりによる漏洩電流Ikとプレイグニッションに基づくイオン電流Ipとの合計値であるが、図9にはイオン電流と総称して表示している。
次にステップS303に進み、設定した前述の比較しきい値Th1を読み出し、ステップS304に進む。ステップS304では、ステップS303にて読み出した電流値のデータION2と設定されている比較しきい値Th1とを第1の比較装置26により比較し、電流のデータION2が比較設定値Th1より大きければステップS305に進む。ステップS305では、カウンタのカウント値CNT1を「1」だけカウントアップし「CNT1+1」とする。ステップS304での判定の結果、電流のデータION2が比較しきい値Th1以下であれば、ステップS308に進んでカウンタのカウント値CNT1から[1]を減じ「CNT1−1」とする。但し、カウント値CNT1は「0」でクリップする。
ステップS306に進むと、カウンタのカウント値CNT1が所定値以上、即ち電流のデータION2が比較設定値Th1より大きい回数が所定回数以上であるか否かを判定する。ステップS306での判定の結果、カウンタのカウント値CNT1が所定回数以上であればステップS307に進み、カウントアップの開始位置をプレイグニッション発生のパラメータIPとして記憶する。ステップS306での判定に於いて、カウンタのカウント値CNT1が所定回数、即ち所定値以上か否かを判定するための所定回数は、読み込んだ電流のデータがノイズ波形に基づくものではないと判断し得る回数である。ステップS306での判定の結果、カウンタのカウント値CNT1が所定回数に達していない場合はステップS301ヘリターンし、以降、「パラメータ抽出処理」の動作を繰り返す。その繰り返し周期は、例えば、10[μsec]とする。
尚、ステップS307に於いてカウントアップ開始位置、即ち電流のデータION2が比較設定値Th1より最初に超過した位置をプレイグニッション発生のパラメータIPとして記憶する代わりに、カウンタのカウンタ値CNT1が所定回数に達した時点をプレイグニッション発生のパラメータIPとして記憶してもよい。又、前述したようにプレイグニッション信号、つまり比較しきい値Th1を最初に越えたイオン電流の位置をプレイグニッション発生のパラメータIPとしてもよく、或いはそのイオン電流のピーク位置をプレイグニッション発生のパラメータIPとしてもよく、更には比較しきい値Th1を超えたイオン電流のパターンの重心位置をプレイグニッション発生のパラメータIPとしても良い。
ステップS301での判定の結果、第2に検出区間Z2の期間中ではないと判定した場合には、ステップS309に進んでカウンタを初期化、つまりカウント値CNT1を「0」として、ステップ301へリターンし、以降、以降、「パラメータ抽出処理」の動作を、例えば、10[μsec]毎に繰り返す。
次に、メイン処理ルーチンのステップS4に於ける「プレイグニッション判定処理」について、その詳細を図12に基づいて説明する。ステップS401では、位置比較しきい値設定装置32により位置比較しきい値ThPreをクランク角センサ16からのクランク角に基づいて設定する。位置比較しきい値ThPreの設定は、前述したように点火プラグ5の飛火放電によるイグニッションに基づくイオン電流とプレイグニッションに基づくイオン電流との区別を明確にするためのものであり、複数の点火プラグを備えた多重点火システムの場合では通常の場合より早い時点に設定される。
次に、ステップS402に進み、前述の「パラメータ抽出処理」に於いて抽出したパラメータIPが位置比較しきい値ThPreの設定時点より早いか否かを判定する。即ち、パラメータIPが図2に示す前述の位置比較しきい値ThPreの設定時点より早い時点であるX側に存在するか遅い時期であるY側にあるかを判定する。ステップS402での判定の結果、パラメータIPが位置比較しきい値ThPreの設定時点より早い時点であるX側にあると判定したときは、ステップS403に於いて、プレイグニッションが発生していると判定する。
一方、ステップS402での判定の結果、パラメータIPが位置比較しきい値ThPreの設定時点より遅い時点であるY側にあると判定したときは、ステップS404に於いて、プレイグニッションが発生していないと判定する。以降、この「プレイグニッション判定処理」のルーチンを内燃機関の点火サイクル毎に繰り返す。
以上の動作により、プレイグニッションの発生を検出したときは、ECU12は点火制御装置15を制御して点火時期を早める等のプレイグニッションを抑制する動作を行なうものである。
以上述べたこの発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出方法及び装置によれば、くすぶりが発生していてもプレイグニッションの発生を確実に検出することができ、この検出に基づいてプレイグニッションの発生を抑制する等の内燃機関の適正な制御を行なうことができる。又、多重点火装置を備えた内燃機関等に於いても位置比較しきい値をそれに対応して設定することでプレイグニッションの発生を確実に検出することができ、この検出に基づいてプレイグニッションの発生を抑制する等の内燃機関の適正な制御を行なうことができ、極めて汎用性の高い内燃機関の燃焼状態検出方法及び装置とすることができる。更に、比較しきい値を、点火信号の立ち上がり時点でピーク値を持ち、以降、時間の経過と共に減少するパターンとしているので、くすぶりによる漏洩電流とプレイグニッションによるイオン電流を確実に区別することができ、プレイグニッションの検出精度を高めることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、比較しきい値Th1を、点火信号の立ち上がり時点でピーク値を持ち、以降、時間の経過と共に減少するパターンとし、これをマップに記憶させ、くすぶり抵抗値RLに対応した比較しきい値を読み出して設定していたが、実施の形態2では、比較しきい値Th1を点火電圧が印可される期間に亘って一定値とし、くすぶり抵抗値とのテーブルとして記憶しておき、算出したくすぶり抵抗値に基づいて比較しきい値を読み出して設定するものである。
図13は、この発明の実施の形態2に係る内燃機関の制御方法及び装置に用いる比較しきい値Thを示す説明図である。図13に於いて、(A)は点火信号を示す。(B)はくすぶり抵抗値RLが無限大、つまり、くすぶりが発生していないか、若しくは発生していても無視し得る程度である場合の比較しきい値で、点火信号のオン期間中、一定値となる。(C)はくすぶり抵抗値RLが30[MΩ]である場合の比較しきい値、(D)はくすぶり抵抗値RLが10[MΩ]である場合の比較しきい値、(E)はくすぶり抵抗値RLが5[MΩ]である場合の比較しきい値を夫々示す。(B)、(C)、(D)、(E)に示す比較しきい値は、何れも点火信号の存在する期間、つまり点火電圧が点火プラグに印加されている期間中に亘って夫々の値で一定値を保つように設定されている。この比較しきい値Thは、くすぶり抵抗値RLに対応したテーブルとして記憶されている。
図14は、メイン処理ルーチンのステップS2に於ける「イオン電流発生判定しきい値設定処理」の詳細を示すフローチャートである。図14に於いて、ステップS211ではメモリに記憶しているくすぶり抵抗値RLを読み出し、ステップS212に於いてその読み出したくすぶり抵抗値RLに基づいて、テーブルに記憶している比較しきい値Th1を読み出す。以降、内燃機関の点火サイクル毎に図14に示す「イオン電流発生判定しきい値設定処理」のルーチンを繰り返す。その他については実施の形態1の内燃機関の燃焼状態検出方法及び装置と同様である。
この実施の形態2に係る内燃機関の燃焼状態検出方法及び装置によれば、実施の形態1の場合と同様に、くすぶりが発生していてもプレイグニッションの発生を確実に検出することができ、この検出に基づいてプレイグニッションの発生を抑制する等の内燃機関の適正な制御を行なうことができる。又、多点点火装置を備えた内燃機関等に於いても位置比較しきい値をそれに対応して設定することでプレイグニッションの発生を確実に検出することができ、この検出に基づいてプレイグニッションの発生を抑制する等の内燃機関の適正な制御を行なうことができ、極めて汎用性の高い内燃機関の燃焼状態検出方法及び装置とすることができる。
更に、比較しきい値をくすぶり抵抗値に対応して夫々一定値としているので、比較しきい値の設定が容易であり且つそれを記憶するメモリの容量を少なくすることができる。
この発明の実施の形態1による内燃機関の燃焼状態検出装置の一部の回路構成を示す回路図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出方法及び装置の動作を説明する説明図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置の全体構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置に於けるくすぶりレベル判定装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置に於けるパラメータ抽出装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置に於けるプレイグニッション判定装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出方法及び装置に於ける比較しきい値を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出方法及び装置に於けるメイン処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出方法及び装置に於けるくすぶりレベル判定処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出方法及び装置に於けるイオン電流発生を判定するための比較しきい値設定処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出方法及び装置に於けるパラメータ抽出処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出方法及び装置に於けるプレイグニッション判定処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る内燃機関の燃焼状態検出方法及び装置に於ける比較しきい値を示す説明図である。 この発明の実施の形態2に係る内燃機関の燃焼状態検出方法及び装置に於けるイオン電流発生を判定するための比較しきい値設定処理を示すフローチャートである。 くすぶりの発生とプレイグニッションが発生した場合に於ける電流波形を示す説明図である。
符号の説明
1 点火コイル
2 一次コイル
3 二次コイル
4 トランジスタ
5 点火プラグ
7 バイアス回路
8 ツェナーダイオード
9 コンデンサ
10 ダイオード
11 イオン電流検出回路
12 ECU
13 コイル部分13
14 イオン電流検出装置
15 点火制御装置
16 クランク角センサ
17 A/D変換装置
18 プレイグニッション検出装置
19 くすぶりレベル判定装置
20 パラメータ抽出装置
21 プレイグニッション判定装置
22 第1の検出区間設定装置
23 平均レベル算出装置
24 くすぶりレベル算出装置
25 第2の検出区間設定装置
26 第1の比較装置
27 比較しきい値設定装置
28 プレイグニッション信号抽出装置
30 第2の比較装置
31 プレイグニッション発生判断装置
32 位置比較しきい値設定装置
Z1 第1の検出区間
Z2 第2の検出区間
In ノイズ電流
Ik くすぶりに基づく漏洩電流
Id プレイグニッションに基づくイオン電流
VB 電源
V2 バイアス電圧
V2i 点火電圧
VL バイアス電圧
Th1 比較しきい値
ThPre 位置比較しきい値

Claims (16)

  1. 内燃機関の燃焼室に設置され点火電圧が印加されることにより前記燃焼室内で飛火放電を発生して混合気燃料に点火しこれを燃焼させる電極を備えた点火プラグと、点火信号の発生に基づいて前記点火電圧を誘起する点火コイルとを備えた内燃機関に於ける燃焼状態を検出する方法であって、前記燃焼により生ずるイオンによるイオン電流を発生させる電圧を前記点火プラグの電極に印加し、前記電圧の印加により前記電極を介して流れる電流のうち前記内燃機関の動作行程の所定期間に設定した第1の検出区間に流れる前記電流の平均値に基づいて比較しきい値を設定し、前記電極を介して流れる電流のうち前記内燃機関の動作行程の前記点火信号が発生している期間を含む所定期間に設定した第2の検出区間に流れる電流と前記比較しきい値との比較に基づいて前記内燃機関のプレイグニッションの発生の有無を検出することを特徴とする内燃機関の燃焼状態検出方法。
  2. 内燃機関の燃焼室に設置され点火電圧が印加されることにより前記燃焼室内で飛火放電を発生して混合気燃料に点火しこれを燃焼させる電極を備えた点火プラグと、点火信号の発生に基づいて前記点火電圧を誘起する点火コイルとを備えた内燃機関に於ける燃焼状態を検出する方法であって、前記燃焼により生ずるイオンによるイオン電流を発生させる電圧を前記点火プラグの電極に印加する第1のステップと、前記電圧の印加により前記電極を介して流れる電流のうち前記内燃機関の動作行程の所定期間に設定した第1の検出区間に流れる前記電流の平均値に基づいて比較しきい値を設定する第2のステップと、前記内燃機関の前記点火信号が発生している期間を含む動作行程の所定期間に第2の検出区間を設定する第3のステップと、前記設定された第2の検出区間に前記点火プラグを介して流れる電流と前記比較しきい値との比較に基づいて前記内燃機関のプレイグニッションの発生に基づくイオン電流の発生位置を示すパラメータを抽出する第4のステップと、前記第2の検出区間内の所定位置に位置比較しきい値を設定する第5のステップと、前記抽出したパラメータと前記位置比較しきい値とを比較し前記パラメータが前記位置比較しきい値より早い時点に存在するか否かを判定して前記プレイグニッションの発生を検出する第6のステップとを備えたことを特徴とする内燃機関の燃焼状態検出方法。
  3. 前記比較しきい値の設定は、前記第1の検出区間に流れる前記電流の平均値に基づいて前記点火プラグのくすぶりのレベルを算出し、この算出したくすぶりのレベルに応じて設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃焼状態検出方法。
  4. 前記算出されるくすぶりのレベルは、前記電流の平均値と前記点火プラグに印加される電圧とから算出するくすぶり抵抗値であることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の燃焼状態検出方法。
  5. 前記第1の検出区間は、前記内燃機関の燃焼行程以外の、1つの工程内若しくは複数の工程に跨って設定されることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の内燃機関の燃焼状態検出方法。
  6. 前記第2の検出区間は、前記内燃機関の圧縮行程と燃焼行程のうち少なくとも一方に設定されることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の内燃機関の燃焼状態検出方法。
  7. 内燃機関の燃焼室に設置され点火電圧が印加されることにより前記燃焼室内で飛火放電を発生して混合気燃料に点火しこれを燃焼させる電極を備えた点火プラグと、点火信号の発生に基づいて前記点火電圧を誘起する点火コイルとを備えた内燃機関に於ける燃焼状態を検出する装置であって、前記燃焼により生ずるイオンによるイオン電流を発生させる電圧を前記点火プラグの電極に印加する電圧印加装置と、前記電圧印加手段により印可された電圧により前記電極を介して流れる電流を検出する電流検出装置と、前記電流検出装置により検出された電流のうち前記内燃機関の動作行程の所定期間に設定した第1の検出区間に流れる前記電流に基づいて比較しきい値を設定する比較しきい値設定装置と、前記電極を介して流れる電流のうち前記内燃機関の動作行程の前記点火信号が発生している期間を含む所定期間に設定した第2の検出区間に流れる電流と前記設定した比較しきい値との比較に基づいて前記内燃機関のプレイグニッションの発生の有無を判定するプレイグニッション発生判断装置とを備えたことを特徴とする内燃機関の燃焼状態検出装置。
  8. 内燃機関の燃焼室に設置され点火電圧が印加されることにより前記燃焼室内で飛火放電を発生して混合気燃料に点火しこれを燃焼させる電極を備えた点火プラグと、点火信号の発生に基づいて前記点火電圧を誘起する点火コイルとを備えた内燃機関に於ける燃焼状態を検出する装置であって、前記燃焼により生ずるイオンによるイオン電流を発生させる電圧を前記点火プラグの電極に印加する電圧印加装置と、前記電圧印加装置により印可された電圧により前記電極を介して流れる電流を検出してその検出値を出力するする電流検出装置と、前記内燃機関の動作行程の所定期間に第1の検出区間を設定する第1の検出区間設定装置と、前記第1の検出区間に流れる前記電流の検出値の平均値を算出する平均レベル算出装置と、前記算出した平均値と前記電圧印加手段により印可した電圧とからくすぶり抵抗値を算出するくすぶり抵抗値を算出するくすぶりレベル算出装置と、前記算出したくすぶり抵抗値に基づいて比較しきい値を設定する比較しきい値設定装置と、前記内燃機関の動作行程に前記点火信号が発生している期間を含む第2の検出区間を設定する第2の検出区間設定装置と、前記第2の検出区間に流れる電流の検出値と前記設定した比較しきい値との比較に基づいて前記内燃機関のプレイグニッションに基づくイオン電流を抽出するプレイグニッション信号抽出装置と、前記第2の検出区間の所定位置に位置比較しきい値を設定する位置比較しきい値設定装置と、前記抽出したイオン電流の位置と前記設定した位置比較しきい値との比較に基づいて前記プレイグニッションの発生の有無を判定するプレイグニッション発生判断装置とを備えたことを特徴とする内燃機関の燃焼状態検出装置。
  9. 前記比較しきい値設定装置は、前記点火信号が存在する期間では前記点火信号が存在しない期間よりも前記しきい値を高く設定することを特徴とする請求項7又は8に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  10. 前記設定される比較しきい値は、前記点火電圧が印可される期間に亘って一定値であることを特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  11. 前記比較しきい値設定装置は、前記算出したくすぶり抵抗値に対応した比較しきい値をテーブルから読み出すことにより前記比較しきい値を設定ことを特徴とする請求項10に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  12. 前記設定される比較しきい値は、少なくとも一部に時間の経過と共に減少するパターンを有することを特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  13. 前記比較しきい値設定装置は、前記算出したくすぶり抵抗値に対応した比較しきい値をマップから読み出すことにより前記比較しきい値を設定ことを特徴とする請求項12に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  14. 前記プレイグニッション判断装置は、前記比較しきい値を越えた前記第2の検出区間に流れる電流のピーク位置を前記内燃機関にプレイグニッションが発生した時点であると判定することを特徴とする請求項7乃至13の何れかに記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  15. 前記プレイグニッション判断装置は、前記比較しきい値を越えた前記第2の検出区間に流れる電流のパターンに於ける重心位置を前記内燃機関にプレイグニッションが発生した時点であると判定することを特徴とする請求項7乃至13の何れかに記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  16. 前記電流検出装置は、前記電流に重畳するインパルス成分と高周波成分の少なくとも何れかを除去するフィルタ手段を備えたことを特徴とする請求項7乃至15の何れかに記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
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