JP4444549B2 - 注射器 - Google Patents

注射器 Download PDF

Info

Publication number
JP4444549B2
JP4444549B2 JP2002089085A JP2002089085A JP4444549B2 JP 4444549 B2 JP4444549 B2 JP 4444549B2 JP 2002089085 A JP2002089085 A JP 2002089085A JP 2002089085 A JP2002089085 A JP 2002089085A JP 4444549 B2 JP4444549 B2 JP 4444549B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slider
injection needle
syringe
arm
base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002089085A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003284779A (ja
Inventor
茂雄 飯塚
辰男 椿
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yoshino Kogyosho Co Ltd
Original Assignee
Yoshino Kogyosho Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yoshino Kogyosho Co Ltd filed Critical Yoshino Kogyosho Co Ltd
Priority to JP2002089085A priority Critical patent/JP4444549B2/ja
Publication of JP2003284779A publication Critical patent/JP2003284779A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4444549B2 publication Critical patent/JP4444549B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、注射針に設けた連結部材と、この連結部材を介して注射針が取り付けられる外筒と、この外筒内にプランジャを備える注射器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
こうした注射器は、注射針に設けた連結部材であるロック用チップと、このロック用チップを介して注射針が取り付けられる外筒と、この外筒内にプランジャを備えることを基本構成とし、例えば、採血や投薬などに用いられている。このため、注射器の注射針、特に使用後の注射針による事故を防ぐための技術として従来から、注射針をカバーするキャップが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうしたキャップは単に針先に被せるものであるため、キャップの取り付け作業を慎重に行わなくてならない。このため、従来技術では、注射器の廃棄が繁雑になるという不都合があった。
【0004】
本発明は、上述した事実に鑑みてなされたものであり、注射針を安全かつ簡単に廃棄できる注射器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明に係る注射器は、注射針に設けた連結部材と、この連結部材を介して前記注射針が取り付けられる外筒と、この外筒内にプランジャを備える注射器において、前記注射器は、注射針用カバーを備え、この注射針用カバーは、前記連結部材または前記外筒に取り付け可能な基部と、この基部に一端が連結され前記注射針に沿って引き伸ばし可能な折畳式の腕部と、この腕部の他端に連結され該腕部と共に前記注射針に沿ってスライドして該注射針の先端部を格納するスライダとを有し、前記スライダを前記連結部材または前記基部の少なくとも一方に着座させて前記腕部を折り畳んだ状態で前記スライダおよび前記腕部を固定する第1の固定手段と、前記スライダをスライドさせて前記腕部を引き伸ばした状態で前記スライダおよび前記腕部を固定する第2の固定手段を設け、この第2の固定手段が、前記腕部を引き伸ばした状態で前記注射針を乗り越えて当該注射針に引っ掛けるフック部であることを特徴とするものである。
【0009】
発明に係る注射器は、上記第発明において、上記スライダは、注射器を使用するまで注射針を格納し該注射器の使用に際して分離される使い捨てキャップを一体に備えるものであることが好ましい。
【0010】
発明に係る注射器は、上記第1又は2発明のいずれか一発明において、スライダは、このスライダをスライドさせるための把手を有するものであることが好ましい。
【0011】
発明に係る注射器は、上記第1乃至第発明のいずれか一発明において、腕部は、基部に着座したとき、その曲げ部分が外向きに張り出してスライダをスライドさせるための把持部を構成するものであることが好ましい。
【0012】
発明に係る注射器は、上記第1乃至第発明のいずれか一発明において、第1の固定手段は、スライダおよび基部間のアンダカット嵌合若しくは圧入嵌合によってスライダのスライドおよび腕部の引き伸ばしを規制するものであることが好ましい。
【0013】
発明に係る注射器は、上記第1乃至第発明のいずれか一発明において、第1の固定手段は、スライダおよび基部を切り離し可能な薄肉片によって連結することにより、前記スライダのスライドおよび腕部の引き伸ばしを規制するものであることが好ましい。
【0014】
第7発明に係る注射器は、上記第1乃至第発明のいずれか一発明において、連結部材は、外筒に対してねじ嵌合されるものであることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を詳細に説明する。
【0016】
図1(a),(b)はそれぞれ、本発明の第1の参考技術である注射器100を使用する前の状態を示す断面図および、使用後の状態を示す一部断面図である。また、図2は、注射器100を使用する前の後述する注射針用カバー150を示す斜視図である。
【0017】
注射器100は、図1(a)に示す如く、注射針110に設けた連結部材であるロック用チップ120と、このロック用チップ120を介して注射針110が取り付けられる外筒130と、この外筒130の内室130Rを摺動するプランジャ140とを備える。
【0018】
参考技術では、ロック用チップ120は、図1(a)に示す如く、その底部にフランジ121を有する。また外筒130は、その流通路r130周りに環状溝131を有し、この環状溝131の側面には外筒130の軸線方向に沿って3つの凸部132が形成されている。これにより、ロック用チップ120と外筒130とは、フランジ121および凸部132の相互間でなされるアンダカット嵌合によって一体に固定される。
【0019】
プランジャ140は、図1(a)に示す如く、その先端に密閉用ゴム141を有し、この密閉用ゴム141によって外筒130の内室130Rの気密性を保持したまま摺動することができる。
【0020】
注射器100は、合成樹脂から一体に形成された注射針用カバー150を備える。この注射針用カバー150は、ロック用チップ120に取り付け可能な基部151と、この基部151に一端を連結し注射針110に沿って引き伸ばし可能な折畳式の腕部152と、この腕部152の他端に連結され該腕部152と共に注射針110に沿ってスライドして該注射針110の先端部111を格納するスライダ153と、スライダ153を基部151に着座させて腕部152を折り畳んだ状態でスライダ153および腕部152を固定する第1の固定手段154と、スライダ153をスライドさせて腕部152を引き伸ばした状態でスライダ153および腕部152を固定する第2の固定手段155とを有する。
【0021】
参考技術では、ロック用チップ120は、その上部にもフランジ122を有する。また基部151は、図1(b)に示す如く、ロック用チップ120の上部が貫通する貫通穴151hを有し、この貫通穴151hの側面には環状溝151n1が形成されている。これにより、ロック用チップ120と基部151とは、フランジ122および環状溝151n1の相互間でなされるアンダカット嵌合によって一体に固定される。
【0022】
腕部152は、基部151およびスライダ153と一体に成形されたものであって、図1(b)に示す如く、基部151との連結部分を薄肉にしてヒンジH1を形成する一方、スライダ153との連結部分を薄肉にしてヒンジH2を形成すると共に、ヒンジH1およびヒンジH2の間を一部薄肉にしてヒンジH3を形成している。つまり、腕部152は、ヒンジH3を介して回動自在に連結した第1腕部152aおよび第2腕部152bを有し、その一端(第1腕部152aの一端)を基部151に対しヒンジH1を介して回動自在に連結すると共に、その他端(第2腕部152bの一端)をスライダ153に対しヒンジH2を介して回動自在に連結することによって折り畳み可能となる。
【0023】
スライダ153は、注射針110が貫通する穴153hを有し、図1(a)に示す如く、腕部152を折り畳んだ状態では基部151に着座している。第1の固定手段154は、図1(b)に示す如く、スライダ153に設けた突条(または突起)153fと、基部151の貫通穴151hに設けた環状溝151n2との相互間でなされるアンダカット嵌合によってスライダ153および腕部152を固定するものである。この場合、注射器100の使用中または後述する使い捨てキャップC1の取り外し時において、スライダ153が誤って基部151から離脱してしまうことがない。
【0024】
また本参考技術では、スライダ153の一部が基部151内に収納されるため、注射針用カバー150全体の長さ寸法が短く済むという利点が得られるが、勿論、本実施形態の如く、スライダ153が基部151の内部に嵌合するものに限らず、基部151に突条(または突起)を設けると共に、スライダ153の貫通穴153hに環状溝を設けることによって、スライダ153が基部151の外部に嵌合するものであっても同様な効果が得られる。さらに、スライダ153は、アンダカット嵌合させることなく、基部151に対して圧入嵌合させてもよい。
【0025】
またスライダ153は、図1(a)に示す如く、その上端部分に、注射針110を格納する使い捨てキャップC1を一体に備える。この使い捨てキャップC1は、スライダ153との結合部分を薄肉とすることによってスライダ153から引きちぎることができる。これにより、使い捨てキャップC1は、注射器100を使用するまで注射針110を格納し該注射器100の使用に際して引きちぎって分離することができる。この場合、使用者が使用前の注射針110に直接接触することなく、キャップを取り外すことができる。また、使い捨てキャップC1を一体に成形しているので、部品点数を削減することができるという利点が得られる。但し、使い捨てキャップC1とスライダ153との結合部は、第1の固定手段154のアンダカット嵌合を解除する力よりも小さい力で分離できるように設定する。
【0026】
さらにスライダ153は、腕部152をヒンジ結合する部分がスライダ153をスライドさせるための把手153Gをなしている。この把手153Gは、図2に示す如く、その一部が切り欠かれたフランジ形状であって、この切り欠き部分には、第2の固定手段155であるストッパSを取り付けるための環状溝153nが形成されている。この場合、スライダ153が把手153Gを有するから、把手153Gを引き上げるだけでスライダ153を簡単にスライドさせることができると共に、注射器100の持ち運びが容易である。
【0027】
ストッパSは、環状溝153nに嵌り合ってスライダ153からずれることなく固定されるC字断面の円筒形本体S1と、この本体S1と一体に形成された弾性変形可能な舌片S2とからなる。このストッパSの舌片S2は、図1(a)に示す如く、スライダ153が基部151に着座している状態では注射針110の側面に接しているが、図1(b)に示す如く、スライダ153が注射針110の先端部分を格納する状態になると、注射針110の側面との接触が解除されてスライダ153の貫通穴153hを封鎖する。この場合、腕部152が誤って折り畳まれる向きに戻ろうとしても、舌片S2が注射針110の先端部分111と接触するため、注射針110をカバー150内に収納した後も、カバー150が再び折り畳まれて注射針110を露出させてしまうことがない。なお、ストッパSは、円筒形本体S1を有するため、予めスライダ153に取り付けても、スライダ153をスライドさせた後に取り付けてもよい。また本実施形態のストッパSは、スライダ153と別体に取り付けたものであるが、ストッパSをスライダ153と一体に成形してもよい。
【0028】
ここで、本参考技術の作用を説明する。
使用前の注射器100は、図1(a)に示す如く、スライダ153を基部151に着座させて腕部152を折り畳んだ状態でスライダ153および基部151が固定され注射針110が使い捨てキャップC1内に格納されている。注射器100を使用するときは、キャップC1を矢印の向きに回してスライダ153からちぎり取り、注射針110を露出させる。これにより、採血や投薬が可能となる。
【0029】
注射器100を使用した後は、図1(b)に示す如く、把手153Gを指に引っ掛けるなどしてスライダ153を引っ張って第1の固定手段154による基部151およびスライダ153間のアンダカット嵌合を解除すると共にスライダ153をスライドさせて折り畳まれた腕部152を引き伸ばす。そしてスライダ153が注射針110の先端部分111を貫通穴153h内に格納する位置までスライドすると、ストッパSの舌片S2は、注射針110の側面との接触が解除されてスライダ153の貫通穴153hを封鎖する。これにより、腕部152およびスライダ153は、舌片S2が注射針110の先端部111に接触する位置、即ち、第2の固定手段155によってスライダ153が注射針110の先端部111を貫通穴153h内に格納する位置で固定され、注射器110は、基部151、腕部152およびスライダ153とで形成された収納空間R1に収納される。
【0030】
従って本参考技術によれば、人が使用後の注射針110に直接接触することなく、この注射針110を安全かつ簡単にカバーすることができるため、使用済みの注射器100の廃棄も安全かつ簡単にできる。
【0031】
図3(a),(b)はそれぞれ、本発明の実施形態である注射器200を使用する前の状態を示す断面図および、使用後の状態を示す断面図である。また、図4(a),(b)はそれぞれ、後述する注射針用カバー250に設けたフック部の作用を説明する斜視図である。
【0032】
注射器200は、注射針210に設けた連結部材であるロック用チップ220と、このロック用チップ220を介して注射針210が取り付けられる外筒230と、この外筒230の内室230Rを摺動するプランジャ240とを備える。
【0033】
本実施形態では、ロック用チップ220は、その底部付近におねじ部221を有し、また外筒230は、その流通路r230周りにおねじ部221がねじ止めされるめねじ部231を有する。これにより、ロック用チップ220と外筒230とは、おねじ部221およびめねじ部231の相互間でなされるねじ嵌合によって一体に固定される。この場合、ロック用チップ220は、外筒230に対してねじ嵌合されるため、使用者が注射針210に直接接触することなく、外筒230と分別廃棄することができる。
【0034】
プランジャ240は、その先端に密閉用ゴム241を有し、この密閉用ゴム241によって外筒230の内室230Rの気密性を保持したまま摺動することができる。
【0035】
注射器200は、合成樹脂から一体に形成された注射針用カバー250を備える。この注射針用カバー250は、ロック用チップ220に取り付け可能な基部251と、この基部151に一端を連結し注射針210に沿って引き伸ばし可能な折畳式の腕部252と、この腕部252の他端に連結され該腕部252と共に注射針210に沿ってスライドして該注射針210の先端部211を格納するスライダ253と、スライダ253を基部251に着座させて腕部252を折り畳んだ状態でスライダ253および腕部252を固定する第1の固定手段254と、スライダ253をスライドさせて腕部252を引き伸ばした状態でスライダ253および腕部252を固定する第2の固定手段255とを有する。
【0036】
本実施形態では、ロック用チップ220は、図3(b)に示す如く、その上部に軸線方向に沿って末広がりの拡張部222を有する。また基部251は、図3(b)に示す如く、ロック用チップ220の上部が貫通する貫通穴251hを有し、この貫通穴251hの底面付近には貫通穴251hの内側に環状溝251nが形成されている。これにより、ロック用チップ220と基部251とは、拡張部222および環状溝251nの相互間でなされるアンダカット嵌合によって一体に固定される。
【0037】
腕部252は、基部251およびスライダ253と一体に成形されたものであって、図3(b)に示す如く、基部251との連結部分を薄肉にしてヒンジH1を形成する一方、スライダ253との連結部分を薄肉にしてヒンジH2を形成すると共に、ヒンジH1およびヒンジH2の間を一部薄肉にしてヒンジH3を形成している。つまり、腕部152は、ヒンジH3を介して回動自在に連結した第1腕部252aおよび第2腕部252bを有し、その一端(第1腕部252aの一端)を基部251に対しヒンジH1を介して回動自在に連結すると共に、その他端(第2腕部252bの一端)をスライダ253に対しヒンジH2を介して回動自在に連結することによって折り畳み可能となる。
【0038】
また腕部252は、図3(a)の領域Xに示す如く、基部251に着座したとき、第1腕部252aおよび第2腕部252bがヒンジH3を介して外向きに張り出すように設定されている。これにより、張り出し部分Xは、スライダ253をスライドさせるための把持部をなしている。この場合、張り出し部Xを指で挟んで押すだけでスライダ253を簡単にスライドさせることができる。また、張り出し部Xを把持部として用いるため、腕部252やスライダ253に把手などを設ける必要がないので、注射針用カバー250の減量化を図ることができる。
【0039】
スライダ253は、図3(b)に示す如く、注射針210が貫通する貫通穴253hを有し、図3(a)に示す如く、腕部252を折り畳んだ状態では基部251に着座している。第1の固定手段254は、図3(b)に示す如く、スライダ253の貫通穴253hに環状溝253nと、基部251に設けた突条(または突起)251fとの相互間でなされるアンダカット嵌合によってスライダ253および腕部252を固定するものである。この場合も、注射器200の使用中または後述の使い捨てキャップC2の取り外し時において、スライダ253が誤って基部251から離脱してしまうことがない。
【0040】
また本実施形態でも、基部251の一部がスライダ253内に収納されるため、カバー250全体の長さ寸法が短く済むという利点が得られるが、勿論、スライダ253が基部251の外部に嵌合するものに限らず、第1実施形態の如く、スライダ253に突条(または突起)を設けると共に、基部251の貫通穴251hに環状溝を設けることによって、スライダ253が基部251の内部に嵌合するものであっても同様な効果が得られる。さらに、スライダ253は、第1実施形態と同様、アンダカット嵌合させることによって基部251に対して圧入嵌合させてもよい。
【0041】
またスライダ253も、第1の参考技術と同様、図3(a)に示す如く、その上端部分に、注射針210を格納する使い捨てキャップC2を一体に備える。この使い捨てキャップC2は、第1の参考技術の使い捨てキャップC1と同じものであって、スライダ253との結合部分を薄肉とすることによって、注射器100を使用するまで注射針210を格納し該注射器200の使用に際して引きちぎって分離することができる。
【0042】
第2の固定手段255は、腕部252に一体に設けたフック部からなる。このフック部255は、図3(a)に示す如く、スライダ253が基部251に着座している状態では注射針210に関連付けられることなく腕部252と共に折り畳まれているが、図3(b)に示す如く、スライダ253が注射針210の先端部分を格納する状態になると、図4(a),(b)に示す如く、フック部255が注射針210を乗り越えたのちに注射針210に引っ掛かる。この場合、腕部252が誤って折り畳まれる向きに戻ろうとしても、フック255が注射針210に引っ掛ってヒンジH1〜H3の回動を規制するため、注射針210をカバー250内に収納した後も、カバー250が再び折り畳まれて注射針210を露出させてしまうことがない。なお、フック部225は、第2腕部252bではなく第1腕部252aに設けてもよい。
【0043】
ここで、本実施形態の作用を説明する。
使用前の注射器200は、図3(a)に示す如く、スライダ253を基部251に着座させて腕部252を折り畳んだ状態でスライダ253および基部251が固定され注射針210が使い捨てキャップC2内に格納されている。注射器200を使用するときは、キャップC2を回してスライダ253からちぎり取り、注射針210を露出させる。これにより、採血や投薬が可能となる。
【0044】
注射器200を使用した後は、図3(b)に示す如く、保持部Xを指で注射針側に押してスライダ253を押し上げて第1の固定手段254による基部251およびスライダ253間のアンダカット嵌合を解除すると共にスライダ253をスライドさせて折り畳まれた腕部252を引き伸ばす。そしてスライダ253が注射針210の先端部分211を貫通穴253h内に格納する位置までスライドすると、腕部252に設けたフック部255は、注射針210を乗り越えて注射針210に引っ掛る。これにより、腕部252およびスライダ253は、第2の固定手段255によってスライダ253が注射針210の先端部を格納する位置で固定され、注射針210は、基部251、腕部252およびスライダ253とで形成された収納空間R2に収納される。
【0045】
従って本実施形態によれば、人が使用後の注射針210に直接接触することなく、この注射針210を安全かつ簡単にカバーすることができるため、使用済みの注射器200の廃棄も安全かつ簡単にできる。
【0046】
図5(a),(b)はそれぞれ、本発明の第2の参考技術である後述のロック用チップ320および注射針用カバー350を示す分解斜視図および、注射器を使用後の注射針用カバー350を示す斜視図である。
【0047】
上記注射器は、注射針310に設けたロック用チップ320と、このロック用チップ320を介して注射針310が取り付けられる既存の外筒と、この外筒内を摺動する同じく既存のプランジャ(図示せず)とを備える。このため、ロック用チップ320は、既存の方法によって前記外筒と一体に固定されるものである。
【0048】
注射器に設けた注射針用カバー350は、合成樹脂を一体に形成したものであって、ロック用チップ320に取り付け可能な基部351と、この基部351に一端を連結し注射針310に沿って引き伸ばし可能な折畳式の腕部352と、この腕部352の他端に連結され該腕部352と共に注射針310に沿ってスライドして該注射針310の先端部311を格納するスライダ353と、スライダ353を基部351に着座させて腕部352を折り畳んだ状態でスライダ353および腕部352を固定する第1の固定手段354と、スライダ353をスライドさせて腕部352を引き伸ばした状態でスライダ353および腕部352を固定する第2の固定手段355とを有する。
【0049】
参考技術では、ロック用チップ320は、図5(a)に示す如く、その胴体付近に3つのフランジ321を有する。また基部351は、ロック用チップ320の上部が貫通するC字断面を形成する開放部351hを有し、この開放穴351hの側面にはフランジ321が個々に嵌合する3つの環状溝351nが形成されている。これにより、ロック用チップ320と基部351とは、フランジ321および環状溝351nの相互間でなされるアンダカット嵌合によって一体に固定される。
【0050】
腕部352は、基部351およびスライダ353と一体に成形されたものであって、図5(b)に示す如く、基部351との連結部分を薄肉にしてヒンジH1を形成する一方、スライダ353との連結部分を薄肉にしてヒンジH2を形成すると共に、ヒンジH1およびヒンジH2の間を一部薄肉にして隣接する2つのヒンジH3,H4を形成している。つまり、腕部352は、ヒンジH3,H4を介して回動自在に連結した第1腕部352a、第2腕部352bおよび第3腕部352cを有し、その一端(第1腕部352aの一端)を基部351に対しヒンジH1を介して回動自在に連結すると共に、その他端(第3腕部352cの一端)をスライダ353に対しヒンジH2を介して回動自在に連結することによって折り畳み可能となる。
【0051】
スライダ353は、注射針310が貫通する開放部353hを有し、腕部352を折り畳んだ状態ではロック用チップ320および基部351に着座している。第1の固定手段354は、図5(a)に示す如く、スライダ開放部353hの下端部353fと基部351の上端部とをつなぐ、切り離し可能な薄肉片Pを設けて連結することによってスライダ153および腕部152を固定するものである。この場合、注射器の使用中または後述の使い捨てキャップC3の取り外し時において、薄肉片Pが切り離され、スライダ353が誤って基部351から離脱してしまうことがない。
【0052】
またスライダ353は、第1の参考技術および本発明の一実施形態と同様、その上端部分に、スライダ353との結合部分を薄肉としてスライダ353から引きちぎれる注射針310を格納する使い捨てキャップC3(図示せず)を一体に備える。さらにスライダ353は、第1の参考技術と同様、腕部352をヒンジ結合する部分が把手353Gをなしており、この把手353Gも、図6に示す如く、その一部が切り欠かれたフランジ形状である。
【0053】
第2の固定手段355は、スライダ353に設けたリベット形状部353pおよび腕部352に形成した穴部352hからなり、リベット形状部353pは、シャフト部と該シャフト部よりも大径のヘッド部とで構成される。
【0054】
これにより、腕部352に形成した穴部352hは、スライダ353が基部351に着座している状態では注射針310に関連付けられることなく腕部352と共に折り畳まれているが、スライダ353が注射針310の先端部分311を格納する状態になると、スライダ353に設けたリベット形状部353pが腕部352に形成した穴部352hにアンダカット嵌合する。この場合、腕部352が誤って折り畳まれる向きに戻ろうとしても、スライダ353に設けたリベット形状部353pが腕部352に形成した穴部352hに引っ掛ってヒンジH1〜H4の回動を規制するため、注射針310をカバー350内に収納した後も、カバー350が再び折り畳まれて注射針310を露出させてしまうことがない。なお、第2の固定手段355は、スライダ353に穴部を形成すると共に腕部352にリベット形状部を設けて、スライダ353を腕部352にアンダカット嵌合させてもよい。
【0055】
ここで、本参考技術の作用を説明する。
使用前の注射器は、スライダ353を基部351に着座させて腕部352を折り畳んだ状態でスライダ153およびロック用チップ320が固定され注射針310が使い捨てキャップC3内に格納されている。注射器を使用するときは、キャップC3を回してスライダ353からちぎり取り、注射針310を露出させる。これにより、採血や投薬が可能となる。
【0056】
注射器を使用した後は、把手353Gを指に引っ掛けるなどしてスライダ353を引っ張って第1の固定手段354であるスライダ353と基部351とを連結する薄肉片Pを切り離すと共にスライダ353をスライドさせて折り畳まれた腕部352を引き伸ばす。そしてスライダ353が注射針310の先端部分311を開放部353h内に格納する位置までスライドすると、腕部352に形成した穴部352hがスライダ353に設けたリベット形状部353pにアンダカット嵌合する。これにより、腕部352およびスライダ353は、第2の固定手段355によってスライダ353が注射針310の先端部311を開放部353h内に格納する位置で固定され、注射針310は、基部351、腕部352およびスライダ353とで形成された収納空間R3に収納される。
【0057】
従って本参考技術によれば、人が使用後の注射針310に直接接触することなく、この注射針310を安全かつ簡単にカバーすることができるため、使用済みの注射器の廃棄も安全かつ簡単にできる。
【0058】
上述したところは、本発明の好適な実施形態を示したにすぎず、当業者によれば、請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。例えば、第1〜第2の参考技術及び本発明の一実施形態に開示した腕部は、部品点数の削減などの見地から基部とスライダとに一体に成形されたものが好ましいが、複数の腕部をピンによって回動自在に連結したものであってもよい。さらに、腕部は、本実施形態の如く、板や棒状のものに限らず、注射針全体を覆う蛇腹状のものであってもよい。また第1〜第2の参考技術及び本発明の一実施形態は、それぞれの要素を組み合わせてもよい。さらに、第1〜第2の参考技術及び本発明の一実施形態は、使い捨てキャップC1〜C3を一体に備えた注射針用カバーとして説明したが、使い捨てキャップCを用いることなく、予め注射針用カバーを引き上げて注射器を運搬してもよい。
【0059】
【発明の効果】
本発明に係る注射器によれば、スライダを連結部材または基部の少なくとも一方に着座させて腕部を折り畳んだ状態からスライダをスライドさせて折り畳まれた腕部を引き伸ばすことにより、スライダで注射針の先端部を格納すると共に、基部、腕部およびスライダとで形成した空間に注射針を収納することができる。従って本発明によれば、人が使用後の注射針に直接接触することなく、この注射針を安全かつ簡単にカバーすることができるため、使用済みの注射器の廃棄も安全かつ簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a),(b)はそれぞれ、本発明の第1の参考技術である注射器を使用する前の状態を示す断面図および、使用後の状態を示す断面図である。
【図2】 同実施形態における注射器を使用する前の後述する注射針用カバーを示す斜視図である。
【図3】 (a),(b)はそれぞれ、本発明の実施形態である注射器を使用する前の状態を示す断面図および、使用後の状態を示す断面図である。
【図4】 (a),(b)はそれぞれ、同実施形態における注射針用カバーに設けたフック部の作用を説明する斜視図である。
【図5】 (a),(b)はそれぞれ、第2の参考技術におけるロック用チップおよび注射針用カバーを示す分解斜視図および、注射器を使用後の注射針用カバーを示す斜視図である。

Claims (7)

  1. 注射針に設けた連結部材と、この連結部材を介して前記注射針が取り付けられる外筒と、この外筒内にプランジャを備える注射器において、
    前記注射器は、注射針用カバーを備え、
    この注射針用カバーは、前記連結部材または前記外筒に取り付け可能な基部と、この基部に一端が連結され前記注射針に沿って引き伸ばし可能な折畳式の腕部と、この腕部の他端に連結され該腕部と共に前記注射針に沿ってスライドして該注射針の先端部を格納するスライダとを有し、
    前記スライダを前記連結部材または前記基部の少なくとも一方に着座させて前記腕部を折り畳んだ状態で前記スライダおよび前記腕部を固定する第1の固定手段と、
    前記スライダをスライドさせて前記腕部を引き伸ばした状態で前記スライダおよび前記腕部を固定する第2の固定手段とを設け、
    この第2の固定手段が、前記腕部を引き伸ばした状態で前記注射針を乗り越えて当該注射針に引っ掛けるフック部であることを特徴とする注射器。
  2. 前記スライダは、前記注射器を使用するまで前記注射針を格納し該注射器の使用に際して分離される使い捨てキャップを一体に備えるものである、請求項に記載の注射器。
  3. 前記スライダは、このスライダをスライドさせるための把手を有するものである、請求項1又は2に記載の注射器。
  4. 前記腕部は、前記基部に着座したとき、その曲げ部分が外向きに張り出して前記スライダをスライドさせるための把持部を構成するものである、請求項1乃至のいずれか一項に記載の注射器。
  5. 前記第1の固定手段は、前記スライダおよび前記基部間のアンダカット嵌合若しくは圧入嵌合によって前記スライダのスライドおよび前記腕部の引き伸ばしを規制するものである、請求項1乃至のいずれか一項に記載の注射器。
  6. 前記第1の固定手段は、前記スライダおよび前記基部とを切り離し可能な薄肉片によって連結することにより、前記スライダのスライドおよび前記腕部の引き伸ばしを規制するものである、請求項1乃至のいずれか一項に記載の注射器。
  7. 前記連結部材は、前記外筒に対してねじ嵌合されるものである、請求項1乃至のいずれか一項に記載の注射器。
JP2002089085A 2002-03-27 2002-03-27 注射器 Expired - Fee Related JP4444549B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002089085A JP4444549B2 (ja) 2002-03-27 2002-03-27 注射器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002089085A JP4444549B2 (ja) 2002-03-27 2002-03-27 注射器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003284779A JP2003284779A (ja) 2003-10-07
JP4444549B2 true JP4444549B2 (ja) 2010-03-31

Family

ID=29234768

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002089085A Expired - Fee Related JP4444549B2 (ja) 2002-03-27 2002-03-27 注射器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4444549B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101749651B1 (ko) * 2015-04-02 2017-06-21 고려대학교 산학협력단 주사기용 니들

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101749651B1 (ko) * 2015-04-02 2017-06-21 고려대학교 산학협력단 주사기용 니들

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003284779A (ja) 2003-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10154833B2 (en) Specimen retrieval device with pouch stop
CN1636607B (zh) 用于血液采集装置之针头的被动式安全装置
US5707384A (en) Lancet device for obtaining blood samples
US20180256825A1 (en) Safety needle device with snap feature and method of making same
JP4874267B2 (ja) 注射針アセンブリ
CN104276338B (zh) 饮料用容器的栓体
CN102934996B (zh) 刺血针装置
US5700249A (en) Needle point protector
JP2004525741A (ja) ヒンジのある針シールドを有する針シールド組み立て品
JPH02104369A (ja) 複合シリンジ−針シールド装置
US8641679B2 (en) Tamper evident vacuum tube holder assembly and needle hub assembly therefor
AU2017288641A1 (en) Intraocular lens insertion tool
JP2008513101A (ja) 注射針ハブアセンブリ用アダプタ
JP4444549B2 (ja) 注射器
JP7415180B2 (ja) 採血管ホルダー及び採血キット
US7670319B1 (en) Safety device for use with a vial
JP2002362603A (ja) 目薬用容器
JP4522038B2 (ja) 注射器用針カバー
US8172808B2 (en) Tamper evident vacuum tube holder assembly and needle hub assembly therefor
JPH11342200A (ja) 使い捨て式注射器
JP2974954B2 (ja) 傘のロクロ
AU781725B2 (en) Needle holder positioning structure for a safety syringe
JP3051209U (ja) 携帯用灰皿
JPH0715553Y2 (ja) 注射針用キャップ
JPH0176707U (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050131

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070424

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070622

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20070622

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070814

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071009

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20071022

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20071109

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20090618

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100114

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130122

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140122

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees