JP4443922B2 - モラクセラ・カタラーリス由来の新規な表面露出免疫グロブリンd結合タンパク質 - Google Patents

モラクセラ・カタラーリス由来の新規な表面露出免疫グロブリンd結合タンパク質 Download PDF

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Description

本発明は、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)中で検出され得、配列番号1に記載されているアミノ酸配列、200kDaの見かけ分子量且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する表面露出タンパク質、前記表面露出タンパク質の免疫原性またはIgD結合断片、及び前記表面露出タンパク質の免疫原性接着性断片に関する。
モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)は、長年気道において比較的無害な片利共生生物と見做されてきたグラム陰性双球菌である。現在、モラクセラ・カタラーリスは中耳炎の原因の中で3番目に多く、肺疾患を患っている成人における副鼻腔炎及び下気道感染の重大な原因菌でもある。モラクセラ・カタラーリスは健康な小児の咽頭の最も一般的な常住菌の1つでもある。
20年前、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)及びモラクセラ・カタラーリスは可溶性及び表面結合ヒトIgDに対して強いアフィニティーを示すことが判明した(1)。IgD−結合は、インフルエンザ菌及びモラクセラ・カタラーリスによるヒトリンパ球に対する強い分裂促進効果を説明する現象である表面結合IgDとの類似相互作用に細胞レベルで類似しているようである(2−4)。インフルエンザ菌からのIgD結合外膜タンパク質(タンパク質D)を分離し、クローン化し、重要な病原性因子であることが分かった(5)。しかしながら、タンパク質Dは試験したIgDミエローマの大部分に結合せず、血清型bのカプセル化インフルエンザ菌は別のIgD受容体を発現することが示唆された(6)。
初期の研究では、多種多様なモラクセラ単離物コレクション由来の外膜タンパク質(OMP)が高度の類似性を示すことが立証された(7)。研究者たちの研究の主眼は特定群のタンパク質に向けられていた。最近の研究では、UspAまたはHMW−OMPと称される高分子量表面抗原が実際には2種のタンパク質から構成されていることが立証された。これらのタンパク質はUspA1及びUspA2と名付けられている(8,9,10)。上記OMPの見かけ分子量はSDS−PAGE分析で測定して250kDa以上である。ギ酸で還元すると、約120〜140kDaのバンドが生じたことから、UspAタンパク質が数個のモノマーサブユニットから構成されるオリゴマー複合体を形成していることが示唆された(11)。クローン化遺伝子から推定して各タンパク質の推定分子量はUspA1及びUspA2のそれぞれについて88kDa及び62kDaである。推定分子量及びSDS−PAGEを用いて測定した分子量の違いは予想される渦巻状コイル構造に起因すると考えられる(9)。
最近の特許文献では、約200kDaの分子量を有するモラクセラ・カタラーリスの外膜タンパク質が単離された(12)。約200kDaのタンパク質をコードする配列も提供された。前記タンパク質は免疫原性であることが分かったが、それ以上の生物学的機能は記載されていなかった。更に、200kDaのタンパク質は赤血球凝集モラクセラ・カタラーリスと関連している(13,14)。
CopBは、中程度の抗原保存を示す80kDa表面露出主要OMPである。更に、OMP CDは多数の表面露出エピトープを有する46kDa高保存タンパク質であり、OMP Eは各種の異種株で検出される47kDaタンパク質である。ラクトフェリン結合(LbpA及びB)及びトランスフェリン結合(TbpA及びB)タンパク質はそれぞれ99〜111kDa及び74〜105kDaの分子サイズを有する。
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のある株は、いずれも食中毒及びトキシンショック症候群(TSS)に関連するトキシンショック症候群トキシン−1(TSST−1)、ブドウ球菌エンテロトキシンA(SEA)、SEB及びSECのような免疫刺激エキソトキシンを生ずる。これらのエキソトキシンはTリンパ球を高頻度で活性化する能力を有するためにスーパー抗原(SAg)と呼ばれてきた。SAgは未プロセスタンパク質としてAPC上のHLAクラスII分子に結合し、特定のTCr Vβ鎖を発現するT細胞をオリゴクローン的に活性化する。過剰量のSAgをインビボで接触させると、強いサイトカインが産生し、トキシックショック様症候群に関連するIL−2、TNF−α及びINF−γが含まれる。
1966年に免疫グロブリン結合細菌タンパク質の黄色ブドウ球菌タンパク質A(SpA)が初めて発見されて以来、このタンパク質の性質が徹底的に調べられた。SpAがIgGのFc部分に結合する能力は公知であるが、SpAは特定重鎖の可変領域との相互作用を表す所謂“選択的”結合のためにすべてのクラスのIgG分子のフラクションにも結合する。黄色ブドウ球菌のすべてのIgG結合能力はSpAにより媒介されると考えられてきた。しかしながら、黄色ブドウ球菌中にIg結合タンパク質をコードする第2遺伝子の存在も報告された。
化膿連鎖球菌(Streptococcus pyrogenes)及びペプトストレプトコッカス・マグヌス(Peptostreptococcus magnus)はIg結合細菌の他の例である。化膿連鎖球菌はタンパク質のMファミリーに属するタンパク質Hを産生し、IgGのFc領域に対して強いアフィニティーを有する。幾つかの株が発現するタンパク質はIgGではなくIgAに結合するかまたはIgGとIgAの両方に結合する。タンパク質BacまたはB−抗原はグループBストレプトコッカスのある株が発現するIgA結合タンパク質である。最後に、ペプトストレプトコッカス・マグヌスはIg軽鎖、特にκ軽鎖に対して高くて特異的なアフィニティーを示し、よってすべてのクラスのIgと相互作用するタンパク質Lを発現する。
IgDは可溶性形態及び免疫結合形態の両方で存在するユニークな免疫グロブリンである。いずれの形態も同一遺伝子によりコードされ、スプライシング産物である。すべての成熟Bリンパ球は膜結合IgD及びIgMから構成されるB細胞受容体(BCR)を有する。可溶性IgDは血清Igの全量の約0.25%を占める。IgDの主要な機能は、B細胞漸増及び急速アフィニティー成熟を最適化するためにB細胞上に抗原受容体として存在すると見られる。抗原はエンドサイトーシスによりIgDを介して吸収された後細胞内劣化及びT細胞に対するMHCクラスIIでの提示が生じ、よって活性化され、サイトカインを産生する。多数のサイトカイン(例えば、インターロイキン−4)及び同時刺激分子(例えば、CD28)を含めたT細胞ヘルプが得られる。
マクロファージ、樹枝細胞及びB細胞はすべてTリンパ球に対する抗原を提示し得るが、B細胞は表面上の抗原提示免疫グロブリンの重要性のために100倍以上有効である。免疫化を増強するための魅力的な方法はB細胞受容体に対して抗原を直接標的することである。抗−IgDモノクローナル抗体にコンジュゲートさせたウシ血清アルブミン(BSA)に対するマウス抗体応答は抗体なしにBSAを投与したときに比して100倍強いことは以前判明している。同時に、マウスミエローマ抗原を表面結合IgDに標的させた抗−IgD抗体の定常領域に導入すると、MHCクラスII上での抗原提示は最高100倍有効となる(15)。
追加のT細胞ヘルプなしにIgD BCRによりB細胞を活性化することにより、実験的に耐性を誘導し得る。B細胞アネルギーを誘導することにより自己免疫疾患を治療すること、よって自己抗体の産生を抑制することも可能であろう。実際、デキストラン結合抗−IgD抗体を投与したSLE傾向マウスは自己免疫の遅い発現を示す。別の研究で、IgDを介するB細胞活性化はTヘルパー2誘導IgE応答を低下させることが判明し、このことから重篤なアレルギー患者における抗体応答をTh2応答からTh1応答へ変更することによりIgE産生を低下させる治療が示唆された。B細胞受容体IgDに対して抗原を標的することにより、刺激、トレランス及びIgE産生からの切り替えが達成され得る。加えて、ポリクローナル活性化が報告された。結果は使用する実験モデルに依存する。各種反復IgD−結合セグメントを含めた各種構築物により、応答を調節することができる。
腫瘍特異性抗原を認識するので、T細胞は抗腫瘍応答において重大な役割を果たす。しかしながら、全身免疫抑制のためにガン患者では重要なT細胞は通常弱い活性を示す。従って、Tヘルパー細胞のトリガーは非常に有効であろう。抗原提示細胞(APC)を用いる腫瘍に対するワクチン接種が最近認められている(17)。エキソビボで腫瘍抗原(ペプチド)をパルスしたAPCを用いる免疫化プロトコルが細胞毒性T細胞に対する有効なMHCクラスI提示を誘導することが判明している。また、EBV形質転換したB細胞は腫瘍浸潤リンパ球(TLC)に対するメラノーマ抗原を提示し得ることも立証された。実験モデルでは、B細胞上に豊富にある受容体のMHCクラスII及びB7表面分子をトランスフェクトした腫瘍細胞は腫瘍ワクチン接種のための実行可能なアプローチであろうことも分かった。驚くことに、対応細胞株からの腫瘍ライゼートをパルスしたB細胞を注射したB16メラノーマ担持マウスはIFN−γ産生T細胞が増加するために長い生存を示した。誘導したTヘルパー細胞は充実性腫瘍に対してより強い細胞毒性応答を示したことも立証された。IgDに標的したミエローマ抗原はT細胞応答を誘発するので、特定腫瘍抗原にコンジュゲートしたIgD結合細菌タンパク質を用いる示唆されているアプローチは実行可能であろう。
体液及び細胞免疫応答をトリガーすべく抗原(例えば、微生物または特定腫瘍から誘導したペプチド)をIgD担持B細胞に標的するためには、IgD結合タンパク質またはより短いIgD結合ペプチドが非常に有用なベクターであろう。同様のアプローチ手段を有する有効な戦略の例は幾つか存在する。抗−IgDモノクローナル抗体にコンジュゲートしたウシ血清アルブミン(BSA)に対するマウスの体液性免疫応答は、BSAを単独で投与したときに比較して100倍強い。最近のLundeらの文献(15)には、ミエローマ誘導ペプチドを抗−IgD Fab’断片の定常領域に取り込み、マウスに注入したとき問題の抗原に対する抗原提示は1,000倍以上効率的であることが記載されている(15)。また、コレラ毒素に融合した黄色ブドウ球菌タンパク質AのIg結合断片はコレラ毒素に対する全身及び粘膜免疫応答を10〜100倍増加させる(16)。最後に、実験的に十分に規定されたB16メラノーマからなるマウス腫瘍モデルでは、エキソビボで腫瘍組織から誘導したペプチドをパルスした活性化Bリンパ球はインビボでより強い抗腫瘍応答を惹起し得、その結果生存を延長させ得る(17)。
1つの態様で、本発明は、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)中で検出され得、配列番号1に記載されているアミノ酸配列、200kDaの見かけ分子量且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する表面露出タンパク質、その天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体、前記タンパク質または変異体の免疫原性またはIgD結合断片、または前記表面露出タンパク質の免疫原性接着性断片に関する。
別の態様で、本発明は、モラクセラ・カタラーリス中で検出され得、膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する上記表面露出タンパク質の免疫原性またはIgD結合断片、またはその天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体に関する。
更なる態様で、本発明は、配列番号10に記載されているアミノ酸配列を有する上記免疫原性またはIgD結合断片に関する。
更なる態様で、本発明は、モラクセラ・カタラーリス中で検出され得、赤血球及び上皮細胞に結合する能力を有する上記表面露出タンパク質の免疫原性接着性断片に関する。
更なる態様で、本発明は、配列番号8に記載されているアミノ酸配列を有する上記免疫原性接着性断片に関する。
1つの態様で、本発明は、配列番号2に記載されており、上記のモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質をコードするDNA配列、または前記DNA配列の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体を含むDNAセグメントに関する。
別の態様で、本発明は、上記免疫原性またはIgD結合断片をコードするDNA配列を含むDNAセグメントに関する。
更なる態様で、本発明は、配列番号11に記載されており、上記免疫原性またはIgD結合断片をコードするDNA配列を含むDNAセグメントに関する。
更なる態様で、本発明は、上記表面露出タンパク質の免疫原性接着性断片をコードするDNA配列を含むDNAセグメントに関する。
更なる態様で、本発明は、配列番号9に記載されており、上記免疫原性接着性断片をコードするDNA配列を含むDNAセグメントに関する。
更なる態様で、本発明は、配列番号1に記載されているアミノ酸配列、200kDaの見かけ分子量且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質、前記タンパク質の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体、前記タンパク質または変異体の免疫原性またはIgD結合断片、または前記表面露出タンパク質の免疫原性接着性断片を含むワクチンに関する。
更なる態様で、本発明は、膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質の免疫原性またはIgD結合断片、または前記断片の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体を含むワクチン、好ましくは配列番号10に記載されているアミノ酸配列を有する免疫原性またはIgD結合断片を含むワクチンに関する。
更に別の態様で、本発明は、上記モラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質の免疫原性接着性断片を含むワクチン、好ましくは配列番号8に記載されているアミノ酸配列を有する免疫原性接着性断片を含むワクチンに関する。
1つの好ましい実施態様では上記ワクチンは別のワクチンと組み合わされ、別の好ましい実施態様では上記ワクチンは別の分子の免疫原性部分と組み合わされる。
1つの態様で、本発明は、配列番号1に記載されているアミノ酸配列、200kDaの見かけ分子量且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質、その天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体、または前記タンパク質または変異体の免疫原性またはIgD結合断片をコードするDNA配列を含むプラスミドまたはファージに関する。
別の態様で、本発明は、モラクセラ・カタラーリス中で検出され得且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する上記表面露出タンパク質の免疫原性またはIgD結合断片、または前記断片の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体をコードするDNA配列を含むプラスミドまたはファージ、好ましくは配列番号10に記載されているアミノ酸配列を有する免疫原性またはIgD結合断片をコードするDNA配列を含むプラスミドまたはファージに関する。
更に別の態様で、本発明は、モラクセラ・カタラーリス中で検出され得且つ赤血球及び上皮細胞に選択的に結合する能力を有する上記表面露出タンパク質の免疫原性接着性断片、または前記断片の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体をコードするDNA配列を含むプラスミドまたはファージ、好ましくは配列番号8に記載されているアミノ酸配列を有する免疫原性接着性断片をコードするDNA配列を含むプラスミドまたはファージに関する。
更に別の態様で、本発明は、上記したプラスミドまたはファージの少なくとも1つを含み、前記タンパク質または変異体、前記タンパク質または変異体の免疫原性またはIgD結合断片、または前記タンパク質の免疫原性接着性断片を産生し得る細菌、酵母及び植物から選択される非ヒト宿主に関する。1つの実施態様で、宿主は大腸菌である。
1つの態様で、本発明は、配列番号1に記載されているアミノ酸配列、200kDaの見かけ分子量且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質、その天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体、前記タンパク質または変異体の免疫原性またはIgD結合断片をコードするDNA配列を別の遺伝子に融合して含む組換えDNA分子に関する。
別の態様で、本発明は、モラクセラ・カタラーリス中で検出され得且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する上記表面露出タンパク質の免疫原性またはIgD結合断片、またはその天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体をコードするDNA配列を別の遺伝子に融合して含む組換えDNA分子、好ましくは配列番号10に記載されているアミノ酸配列を有する免疫原性またはIgD結合断片をコードするDNA配列を含む組換えDNA分子に関する。
更に別の態様で、本発明は、本発明は、モラクセラ・カタラーリス中で検出され得且つ赤血球及び上皮細胞に選択的に結合する能力を有する上記表面露出タンパク質の免疫原性接着性断片、または前記断片の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体をコードするDNA配列を別の遺伝子に融合して含む組換えDNA分子、好ましくは配列番号8に記載されているアミノ酸配列を有する免疫原性接着性断片をコードするDNA配列を含む組換えDNA分子に関する。
更に別の態様で、本発明は上記融合DNA配列を含むプラスミドまたはファージに関する。
更なる態様で、本発明は、上記プラスミドまたはファージの少なくとも1つを含み、細菌、酵母及び植物から選択される非ヒト宿主に関する。1つの実施態様で、宿主は大腸菌である。
1つの態様で、本発明は、配列番号1に記載されているアミノ酸配列、200kDaの見かけ分子量且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質、その天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体、または前記タンパク質または変異体の免疫原性またはIgD結合断片が上記した組換えDNA分子を用いて別のタンパク質と組み合わされている融合タンパク質またはポリペプチドに関する。
更なる態様で、本発明は、モラクセラ・カタラーリス中で検出され得、膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する表面露出タンパク質の免疫原性またはIgD結合断片、またはその天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体が上記組換えDNA分子を用いて別のタンパク質と組み合わされている融合タンパク質またはポリペプチドに関する。
更に別の態様で、本発明は、モラクセラ・カタラーリス中で検出され得且つ赤血球及び上皮細胞に選択的に結合する能力を有する上記表面露出タンパク質の免疫原性接着性断片、または前記断片の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体を上記組換えDNA分子を用いて別のタンパク質と組み合わされている融合タンパク質またはポリペプチドに関する。
更に別の態様で、本発明は、配列番号1に記載されているアミノ酸配列、200kDaの見かけ分子量且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質、前記タンパク質の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体、または前記タンパク質または変異体の免疫原性またはIgD結合断片が共有結合によるかまたは他の手段によりタンパク質、炭水化物またはマトリックスに結合している融合産物に関する。
更なる態様で、本発明は、モラクセラ・カタラーリス中で検出され得且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する表面露出タンパク質の免疫原性またはIgD結合断片、または前記断片の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体が共有結合によるかまたは他の手段によりタンパク質、炭水化物またはマトリックスに結合している融合産物に関する。
更に別の態様で、本発明は、モラクセラ・カタラーリス中で検出され得且つ赤血球及び上皮細胞に選択的に結合する能力を有する上記表面露出タンパク質の免疫原性接着性断片、または前記断片の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体が共有結合によるかまたは他の手段によりタンパク質、炭水化物またはマトリックスに結合している融合産物に関する。好ましい融合産物では、配列番号10に記載されているアミノ酸配列を有する免疫原性またはIgD結合断片が共有結合によるかまたは他の手段によりタンパク質、炭水化物またはマトリックスに結合している。好ましい融合産物では、配列番号8に記載されているアミノ酸配列を有する免疫原性接着性断片が共有結合によるかまたは他の手段によりタンパク質、炭水化物またはマトリックスに結合している。
1つの態様で、本発明は、場合により標識されている及び/またはマトリックスに結合していてもよい、配列番号1に記載されているアミノ酸配列、200kDaの見かけ分子量且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質、前記タンパク質の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体、または前記タンパク質または変異体の免疫原性またはIgD結合断片を用いてIgDを検出する方法に関する。
更なる態様で、本発明は、場合により標識されている及び/またはマトリックスに結合していてもよい、モラクセラ・カタラーリス中で検出され得且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する表面露出タンパク質の免疫原性またはIgD結合断片、前記断片の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体を用いてIgDを検出する方法に関する。
別の態様で、本発明は、場合により標識されている及び/またはマトリックスに結合していてもよい、配列番号10に記載されているアミノ酸配列及び膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質の免疫原性またはIgD結合断片、または前記断片の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体を用いてIgDを検出する方法に関する。
更なる態様で、本発明は、場合によりマトリックスに結合していてもよい、配列番号1に記載されているアミノ酸配列、200kDaの見かけ分子量且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質、前記タンパク質の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体、または前記タンパク質または変異体の免疫原性またはIgD結合断片を用いてIgDを分離する方法に関する。
更に別の態様で、本発明は、場合によりマトリックスに結合していてもよい、モラクセラ・カタラーリス中で検出され得且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する表面露出タンパク質の免疫原性またはIgD結合断片、または前記断片の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体を用いてIgDを分離する方法に関する。
別の態様で、本発明は、場合により標識されているか及び/またはマトリックスに結合していてもよい、配列番号10に記載されているアミノ酸配列且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質の免疫原性またはIgD結合断片、または前記断片の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体を用いてIgDを分離する方法に関する。
1つの態様で、本発明は、配列番号1に記載されているアミノ酸配列、200kDaの見かけ分子量且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質、前記タンパク質の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体、または前記タンパク質または変異体の免疫原性またはIgD結合断片の単離方法に関する。前記方法は、
a)任意にEDTAの存在下で双イオン性またはノニオン性界面活性剤を添加することによりモラクセラ・カタラーリスの懸濁液を抽出するステップ、
b)ステップa)からのモラクセラ・カタラーリスのIgD結合タンパク質を含む抽出物を吸着カラムにかけるステップ、
c)IgD結合タンパク質を溶離させるステップ、及び
d)IgD結合タンパク質を分離させるステップ
を含む。
別の実施態様で、ステップa)における界面活性剤の濃度が0.1〜5%、好ましくは3%である。
更に別の態様で、本発明は、血液からIgDを除去するために前記血液を上記表面露出タンパク質またはその上記断片を含む材料中に体外循環させることを含む自己免疫疾患の治療方法に関する。
1つの態様で、本発明は、配列番号1に記載されているアミノ酸配列、200kDaの見かけ分子量且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質、その天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体、または前記タンパク質または変異体の免疫原性またはIgD結合断片の免疫原性断片に特異的な精製抗体に関する。
別の態様で、本発明は、膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する上記免疫原性またはIgD結合断片、または前記断片の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体に特異的である上記精製抗体に関する。
更に別の態様で、本発明は、上記免疫原性または接着性断片に対して特異的であり、赤血球及び上皮細胞に結合する能力を有する上記精製抗体に関する。
MIDは、既に十分に特性づけられているモラクセラ・カタラーリスの外膜タンパク質とは同一でない。MIDはUspAまたはCopB外膜抗原に対するモノクローナル抗体により認識されない。MIDはまた、SDS−PAGEにおいて異なる移動パターンを有し、アミノ酸及びDNA配列分析により示すように異なる組成を有している。MIDは推定アミノ酸配列からのMwに相当する200kDaバンドとして現れるが、1,000kDa以上の推定分子量を有するエキストラバンドとしても現れる。エキストラバンドは、天然MIDがUspAと同様にオリゴマー複合体であることを示している(11)。このことは、Sephacryl S−400カラムからのボイド容量の直後にMIDが最高8,000kDaの分画範囲で溶離されるという事実によっても更に裏付けられる。MIDのアミノ酸配列はモラクセラ・カタラーリス由来のUSPA1及びUSPA2外膜タンパク質とそれぞれ11.1%、6.7%との同一性を示す(図7)。
最近の特許文献で、約200kDaの分子量を有するモラクセラ・カタラーリスの外膜タンパク質が単離された(12)。約200kDaのタンパク質をコードする配列も提供された。しかしながら、前記タンパク質配列は本出願人が提示した配列とは同一でなく、MIDとの同一性は45.9〜54.4%でしかなかった(図7)。タンパク質が免疫原性であることは分かったが、更なる生物学的機能は明らかにされていない。更に、200kDaのタンパク質は赤血球凝集モラクセラ・カタラーリスに関連している(13,14)。
ヒトIgDに対してアフィニテイーを有するモラクセラ・カタラーリスのMIDと呼ばれる新規なIgD結合タンパク質、前記表面露出タンパク質の免疫原性またはIgD結合断片、及び前記表面露出タンパク質の免疫原性接着性断片の単離、精製、性質決定、クローニング及び発現について調べる。
(材料及び方法)
細菌及びプラスミド
モラクセラ・カタラーリス菌株Bc5は本発明者らの部門の鼻咽頭スワブ培養物からの臨床単離物である。血液、鼻咽喉及び痰から単離した118個の株をスウェーデン国、デンマーク国、フィンランド国、ハンガリー国、日本国及び米国から入手した。発現のために使用した配列決定した株及びプラスミドを表Iに示す。
Figure 0004443922
細菌を栄養ブイヨン(英国ベーシングストーク−ハンプシャーに所在のOxoid)において一晩増殖させ、収集し、リン酸緩衝食塩液(PBS,pH7.2)において遠心することにより洗浄した。
免疫グロブリン、血清及び他のタンパク質
Ig調製物のIgG1(κ)、IgG1(λ)、IgG2(κ)、IgG2(λ)、IgG3(κ)、IgG3(λ)、IgG4(κ)、IgG4(λ)、IgA1(κ)、IgA1(λ)、IgA2(κ)、IgA2(λ)、IgM(κ)、IgM(λ)、IgD(κ)、IgD(λ)及びIgE(κ)はすべてヒト起源であり、英国バーミンガムに所在のThe Binding Siteから購入した。IgDミエローマ血清IgD(κ)及びIgD(λ)は同一会社から購入し、IgD標準血清OTRD 02/03はドイツ国マールブルクに所在のBohringwerke AGから購入した。ミエローマ血清IgD(λ)A、IgD(λ)B、IgG A、IgG B、IgG C、IgM、IgA A及びIgA Bはスウェーデン国マルメに所在のDepartment of Clinical Chemistryから入手した。各免疫グロブリンの濃度は製造業者に従った。
抗体
ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)結合ヤギ抗−ヒトIgDはカリフォルニア州カマリロに所在のBiosourceから入手した。フルオレセインイソチオシアネート(FITC)結合マウス抗−ヒトIgD、非標識家兎抗−ヒトIgD及びHRP標識家兎抗−マウスIgはデンマーク国ゲントフテに所在のDakopattsから購入した。ヤギ抗−ヒトIgD及びHRP結合家兎抗−ヒト多価免疫グロブリンはミズーリ州セントルイトに所在のSigmaから入手した。フィコエリトリン(RPE)結合マウス抗−ヒトCD3及びCD19はカリフォルニア州サンノゼに所在のBecton Dickinsonから入手した。マウスモノクローナル抗体17C7(UspA)及び10F3(CopB)はテキサス州ダラスに所在のテキサス大学の微生物部門のEric J.Hansen博士から好意により提供された。
抗血清
フロイント完全アジュバンド(Difco,ドイツ国ハイデルベルクに所在のBecton Dickinson)中に乳化させた200μgの精製MID(Forsgrenら,2001)、組換えMID断片または組換えUspA1を家兎に筋肉注射して免疫化した後18日目と36日目にフロイント不完全アジュバンド中の同一用量のタンパク質を用いて追加免疫した。2〜3週後に採血した。ウェスタンブロット検査から、抗−UspA1ポリクローナル抗体は組換えUspA1及びUspA2の両方と反応した。
SDS−PAGE及び膜でのタンパク質の検出(ウェスタンブロット)
SDS−PAGEを、10% Bis−Trisゲル、ランニング(MES)、サンプル(LDS)及び移動緩衝液からなる市販の電気泳動システムを用い、ブロッティング装置(カリフォルニア州サンジェゴに所在のNovex)を用いて実施した。簡単に説明すると、サンプルを10分間煮沸した後、室温においてタンパク質II垂直スラブ電気泳動セル(Novex)を用いて150定電圧下で電気泳動した。ゲルをクーマシーブリリアントブルーR−250(スウェーデン国スンドビーベリーに所在のBio−Rad)で染色した。更に、タンパク質バンドのゲルからImmobilon−P膜(マサチューセッツ州ベッドフォードに所在のMillipore)への電気泳動移動を30Vで2〜3時間実施した。移動後、Immobilon−P膜を5% 粉ミルク含有0.05% ツイーン20を添加したPBS(PBS−ツイーン)でブロックした。PBS−ツイーンで数回洗浄した後、膜を室温において2% 粉ミルク含有PBS−ツイーン中で精製IgDミエローマタンパク質(0.5μg/ml,hu IgD(κ)ミエローマ;英国バーミングガムに所在のThe Bindingsite)とインキュベートした。PBS−ツイーンで数回洗浄後同一緩衝液で1/1000希釈したHRP結合ヤギ抗−ヒトIgDを添加した。幾つかの実験では、IgDミエローマタンパク質の代わりに他の免疫グロブリンクラスのミエローマタンパク質を用い、第2層としてHRP標識抗−ヒト多価免疫グロブリン(Sigma)を用いた。モラクセラ外膜タンパク質UspA1、2及びCop Bを検出するためにそれぞれマウスmAb 17C7及び10F3を用いた(7,8)。これらの実験では、第2層としてHRP標識家兎抗−マウス免疫グロブリンを用いた。室温で40分間インキュベートし、PBS−ツイーンを用いて更に数回洗浄した後、ECLウェスタンブロッティング検出試薬(スウェーデン国ウプサラに所在のAmersham Pharmacia Biotech)を用いて展開した。ウェスタンブロットをPersonal Molecular Imager FX(Bio−Rad)を用いて分析した。
酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)
ELISAを用いて免疫グロブリンD−結合タンパク質を定量した。0.1M トリスHCl(pH9.0)で5倍数希釈したモラクセラ・カタラーリス抽出物を100μl容量で微量滴定プレート(F96 Maxisorb,デンマーク国ロスキレに所在のNunc−Immuno module)に添加した。このプレートを密封し、4℃で一晩インキュベートした。プレートをPBS−ツイーンで4回洗浄した後、ブロッキング緩衝液として1.5%オボアルブミン含有PBS−ツイーンを添加した。プレートを室温で1時間インキュベートし、更にPBS−ツイーンで4回洗浄した。各ウェルに1.5%オボアルブミン含有PBS−ツイーン100μl中に0.05μgのIgD(κ)ミエローマタンパク質を添加し、室温で1時間インキュベートした後プレートをPBS−ツイーンで4回洗浄した。同一緩衝液で1/1000希釈したHRP結合ヤギ抗−ヒトIgDと1時間インキュベートし、その後PBS−ツイーンで洗浄した後、過酸化水素(最終濃度0.002%)と混合した0.1M クエン酸カリウム溶液(pH4.25)中テトラメチルベンジジン(20mM)を添加した。30分後、2M 硫酸を添加して酵素反応を停止した。次いで、光学密度(OD)を自動ELISAリーダー(Multiskan Plus,フィンランド国に所在のLabsystems)を用いて450nmで測定した。
ドットブロットアッセイ
0.1M トリス−HCl(pH9.0)中の精製MID(0.0005〜0.2μg)を100μlの容量でドットブロット装置(ドイツ国デセルに所在のSchleicher & Schuell)を用いてニトロセルロース膜(Schleicher & Schuell)に手で加えた。飽和後、膜を室温において1% オボアルブミン及び5% 粉ミルク含有PBS−ツイーン中で2時間インキュベートし、PBS−ツイーンで4回洗浄した。PBS−ツイーン(100μl)中のヒトミエローマタンパク質(0.5μg)を添加し、2時間インキュベートし、PBS−ツイーンで数回洗浄した後、1/200希釈したHRP標識抗−ヒト軽鎖(κ及びλ)(Dakopatts)を第2抗体として使用した。ウェスタンブロットについて上記したように展開した。別の実験では、まず0.1M トリス−HCl(pH9.0)中のヒトミオローマ血清の希釈物を100μlの容量で膜に適用した。飽和後、インキュベーションステップ、ブロッキングステップ及び洗浄ステップを上記したように実施した。その後、PBS−ツイーン中の[125I]標識タンパク質MIDプローブ(5〜10×10cpm/ml)を添加した。一晩インキュベートした後、膜をPBS−ツイーンで4回洗浄し、風乾し、−70℃においてコダックX−Omatレギュラー増感スクリーン(ニューヨーク州ロチェスターに所在のEastman Kodak)を用いてコダックCEA.C X線フィルムに露出させた。
IgD結合タンパク質の抽出
モラクセラ・カタラーリス(1〜5×1011コロニー形成単位(cfu)/ml)を0.1〜5% Empigen(マサチューセッツ州ベッドフォードに所在のCalbiochem Novabiochem)含有0.05M トリス−HCl緩衝液(pH8.8)に懸濁させた。幾つかの実験では、Empigenの代わりにCHAPS(Sigma)、n−オクチル−p−D−グルコシド(スイス国ブーベンドルフに所在のBachem)またはトリトン X−100(Sigma)を用いた。いずれの界面活性剤も0.1〜5%で場合により0.01M EDTAと共に試験した。細菌懸濁液を37℃において2時間磁気撹拌して混合した。4℃において8000×gで20分間遠心後、上清を滅菌フィルター(0.45μm;MilliporeのSterivex−HV)を用いて濾過した。
IgD結合タンパク質の精製
3% Empigen(登録商標)中のモラクセラ・カタラーリス抽出物を、0.1% Empigen(登録商標)含有0.05M トリス−HCl(pH8.8)で平衡化したQ−セファロースカラム(Amersham Pharmacia Biotech)に適用した。カラムを同一緩衝液中0→1M NaClの直線勾配を用いて溶離させた。ELISA及びウェスタンブロットで検出して多くのIgD結合活性を示すフラクションをプールし、Spectraphor膜チューブ(分子量カットオフ25,000;カリフォルニア州ラグーナヒルズに所在のSpectrum)を用いて0.05M トリス−HCl(pH8.8)に対して透析し、YM100ディスク膜(分子量カットオフ100,000;マサチューセッツ州ビバリーに所在のAmicon)上で濃縮した後ゲルクロマトグラフィーにかけた。IgD結合タンパク質のゲル濾過を、0.1% Emphigen(登録商標)含有0.05M トリス−HCl(pH8.8)で平衡化したSephacry S−400高解像カラム(20×900mm;Amersham Pharmacia Biotech)を用いて実施した。最高のIgD結合活性を含むフラクションを上記したように濃縮し、再度クロマトグラフィーにかけた。
ペプチド開裂及びアミノ酸配列分析
0.1% Emphigen(登録商標)含有0.05M トリス−HCl(pH8.8)中の精製MIDを37℃において1:10の酵素/タンパク質比でトリプシンまたはキモトリプシンで一晩処理した。開裂混合物をSDS−PAGEにかけ、Immobilon膜に移したペプチドバンドを自動的に配列決定したり、上記したウェスタンブロット分析にかけた。タンパク質のN末端配列を得るために、無傷のMIDを存在し得るピログルタメート基から脱ブロックするように試みた。2つの異なるプロトコルを使用して可溶性タンパク質及び膜結合タンパク質の両方を脱ブロックした。Applied Biosystems(カリフォルニア州フォスターシティー)470A気液固相シーケンサーを用いて自動化アミノ酸配列分析を実施し、遊離したアミノ酸フェニルチオヒダントイン誘導体をApplied Biosystemsモデル120A PTHアナライザを用いてオンライン検出した。
タンパク質MIDの標識
精製MIDをラクトペルオキシダーゼを用いて高比活性まで放射性ヨウ素化した([125I];英国バッキンガムシャーに所在のAmersham)。調製物はタンパク質1モルあたり約0.05モルのヨウ素を含んでいた。標準プロトコルを用いて精製MIDにFITC(Sigm)をコンジュゲートさせた。簡単に説明すると、0.1M 炭酸緩衝液(pH9.5)中のMID(2mg/ml)をDMSO中で可溶化した0.15μg/mlのFITCとインキュベートした。室温で45分間一定撹拌した後、サンプルを希釈し、PBS(pH7.4)で予め平衡したpD10カラム(Pharmacia Biotech)にかけた。生じたMID−FITCを結合研究のために使用した。
DNA単離及び配列決定
ゲノムDNAを表Iに示す5つのモラクセラ・カタラーリス株からゲノムDNA作成キット(ドイツ国ヒルデンに所在のQiagen)を用いて抽出した後、PCRによるMID遺伝子の増幅のための鋳型として使用した。4つのペプチド断片のアミノ末端配列に従って縮重プライマーを合成した(表II)。
Figure 0004443922
幾つかのPCR反応(高適合度PCRシステム;スウェーデン国ブロンマに所在のRoche)では、特定プライマーを上記した縮重プライマーと一緒に使用した。ペプチド断片の起源である遺伝子の中心領域に隣接するDNA配列を逆PCR(IPCT)を用いて単離した。簡単に説明すると、ゲノムDNAを以下の制限酵素を別々に用いて開裂した。スタートコドンを単離するためにEcoRV、SphI及びPstI、ストップコドン配列を単離するためにAccI、AsuI、最後にHincII。生じた断片をそれ自体に再結紮し(Rocheの迅速DNA結紮キット)、DNAをIPCRに用いた。遺伝子のスタート及びストップコドン領域を増幅させるために、特定プライマーを設計し、長鋳型PCR(LTPCR)(Rocheの拡張長鋳型PCRシステム)で使用した。すべてのPCR産物をpPCR−Script−Amp(カリフォルニア州ラホヤに所在のStratagene)にクローン化し、Big Dye Cycle Sequencing Ready Reactionキット(英国ウォリントンに所在のApplied Biosystems)を用いて再度配列決定した。ゲノムDNAを増幅させるためのプライマーをオリゴプライマー分析ソフトウェア(Molecular Biology Insights,Cascade,Co)を用いて設計した。シグナルペプチドを、生物学的配列分析のためのシグナルP V1.1ワールドワイドウェブ予測サーバーセンター(SignalP V1.1 World Wide Web Prediction Server Center for Biological Sequence Analysis)(http://www.cbs.dtu.dk/services/SignalP/)を用いて推定した。
mid遺伝子のPCR増幅
mid遺伝子の完全6.4kbオープンリーディングフレームを鋳型としてモラクセラ・カタラーリスBc5株ゲノムDNAを用いてPCRにより増幅させた。BamHI制限酵素認識配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーは5’−cgggatccgatggccgtggcggaatatgcc−3’(プライマーA,配列番号3)及び5’−cgcggatccgaaaagtgaaaacctgcaccaactgctgc−3’(プライマーB,配列番号4)であり、6391塩基対のPCR産物を得た。BamHI消化インサートをpET16(b)に結紮し、生じたプラスミドpET16−MIDをDH5αに形質転換した。クローン化PCR産物の両方の鎖を配列決定した。
他のモラクセラ・カタラーリス株中の完全長mid遺伝子を試験するために、プライマーA及びBを用いた。更に、シグナルペプチドをコードする配列を狭めるために使用したプライマーはプライマーAまたは5’−tgtcagcatgtatcatttttttaaggtaaaccaccatg−3’(プライマーC;上部スタートコドンを検出する,配列番号5)を5’−catcaattgcgatatgtctgggatcttg−3’(プライマーD;シグナルペプチドの丁度外側の保存領域に位置する,配列番号6)であり、それぞれ192塩基対及び266塩基対の長さのPCR産物(鋳型としてBc5ゲノムDNAを用いる)を得た。更に、mid遺伝子の存在を確認するために、プライマーAまたはCを5’−cttcaccccatcagtgccatagacc−3’(プライマーE,配列番号7)を用い、それぞれ1355塩基対及び1429塩基対の長さの断片を得た。すべての反応で延長長鋳型PCRシステムを用い、条件は製造業者(スウェーデン国ブロンマに所在のRoche)が推奨する通りであった。
大腸菌におけるmid遺伝子産物の発現及び細胞フラクション
mid遺伝子産物を発現させるために、pET16−MIDをlacUV5コントロール下でT7 RNAポリメラーゼ遺伝子の染色体コピーを含む発現宿主BL21DE3に形質転換した。2%グルコース及びアンピシリンを補充したLB培地において組換え細菌を増殖させた。0.6のOD600で対数成長相まで細胞を増殖させた後1mM IPIGを添加することにより過剰発現させた。4時間の誘導後、細菌を標準プロトコルに従って音波処理し、生じたタンパク質をSDS−PAGEにより分析した。
pET16−MID由来の組換えタンパク質の局在化を公知の浸透圧ショックにより実施した。簡単に説明すると、誘導細胞及び非誘導細胞のブロス培養物を収集し、20%スクロース含有30mM トリス−HCl(pH8)中に再懸濁した。1mMの最終濃度となるようにEDTAを添加し、溶液を室温においてゆっくり10分間撹拌した。4℃において10,000gで10分間遠心した後、細胞を氷冷5mM MgSO中に再懸濁し、氷上で10分間撹拌した。このステップ中にペリプラズムタンパク質が緩衝液中に遊離した。ペリプラズムフラクションを含む上清を遠心により回収した。細菌を100mg/mlの最終濃度でリゾチームにより完全に溶解させた後音波処理した。最後に、可溶性細胞質フラクション及び不溶性膜フラクションを回収した。
切端MID誘導組換えタンパク質
タンパク質を作製させるための異なるサイズ及びプライマーを有する各種切端部MID断片(A〜Iと称される)を図10に示す。(pET26−MID中の)モラクセラ・カタラーリスBc5由来のmid遺伝子のオープンリーディングフレーム(Forsgeneら,2001)を鋳型として使用した。MID367−590(C)を除くすべてのMID構築物を、BamHI及びHindIII制限酵素部位を導入する特定プライマーを用いてPCRにより増殖した。断片C中の内部HindIII制限酵素部位のために、3’末端にHindIIIの代わりにXhoIを用いた。MID1616−2139(I)を除くすべてのPCR産物をpET26(ウィスコンシン州マディソンに所在のNovagen)にクローン化した。断片IをコードするPCR産物をpMAL−c2(マサチューセッツ州ビバリーに所在のNew England Biolabs)にクローン化した。推定毒性を避けるために、生じたプラスミドをまず非発現宿主の大腸菌DH5αに形質転換した。その後、断片A〜D、G及びHをコードするプラスミドを大腸菌BL21(DE3)に形質転換し、宿主BL21(DE3)−pLysSは断片E及びFを含むベクターのために使用した。いずれの大腸菌菌株もカナマイシンの存在下でインキュベートしたのに対して、BL21(DE3)−pLysS形質転換体を使用したときにはクロラムフェニコールをも補充した。断片IはDHαにおいて発現させた。細菌を中間log相まで増殖させた後1mM イソプロピル−1−チオ−β−D−ガラクトシド(IPTG)を導入した。3.5時間後、形質転換体を音波処理し、過剰発現タンパク質を製造業者の指示に従って精製した。ヒスチジンタグを有するかまたはマルトース結合タンパク質に融合させた、得られた組換えタンパク質をそれぞれニッケルまたはアミロースを含有する樹脂を用いて精製した。溶離タンパク質の濃度をBCAタンパク質アッセイキット(Pierce)を用いて測定した。その後、組換えタンパク質をSDS−PAGE及びウェスタンブロットにより分析した。
赤血球凝集
ヒト赤血球を採血したばかりのヘパリン処理ヒト血液から得た。赤血球をPBS(pH7.2)で2回洗浄し、最終濃度が1%となるようにPBS中に懸濁させた。栄養ブイヨクにおいて培養した細菌を遠心により収集し、洗浄し、1〜2×10/mlまでPBS中に懸濁させた。細菌及び赤血球懸濁液(それぞれ50μl)を丸底微量滴定プレート(ノースカロライナ州ニュートンに所在のSarstedt)において混合した。幾つかの実験では、赤血球をPBS(150μl)中でMID−セファロースまたはBSA−セファロースと混合した。凝集を肉眼で観察した。
細胞株及び接着アッセイ
肺癌細胞株A549(II型肺胞上皮細胞;CCL−185)はATCCから入手した。細胞を、10% ウシ胎仔血清、2mM L−グルタミン及び12μg/ml ゲンタマイシンを補充したRPMI 1640培地(英国スコットランドのペーズリーに所在のGibco BRL,Life Technologies)(“培地”と呼ぶ)において培養した。接着実験の前日に、細胞を収集し、ゲンタマイシン非含有RPMI 1640で2回洗浄し、ゲンタマイシン非含有培地(2.0ml)中に1×10細胞/ウェルの濃度で12ウェル組織培養プレート(デンマーク国ロスキレに所在のNunc)に添加した。その後、細胞を37℃、5% COにおいて一晩インキュベートした。実験日に、0.15% ゼラチン(Sigma)含有PBS中のモラクセラ・カタラーリス(約2×10)を単層上に接種した。特定抗血清を用いる中和実験では、細菌を予めポリクローナル抗体(1/250希釈)とインキュベートした。4℃において1時間後、細菌を上皮細胞に添加した。すべての実験で、組織培養プレートを3,000gで5分間遠心し、37℃、5% COにおいてインキュベートした。30分後、感染させた単層をゆっくり振盪させながら0.15% ゼラチン含有PBSで2回洗浄して非接着細菌を除去し、トリプシン−EDTA(0.05% トリプシン,0.5mM EDTA)で処理して単層をプラスチック支持体から遊離させた。その後、生じた細胞/細菌懸濁液を1.1% イソビタレックス、7.8% ヒト血液及び0.9% プロテオースペプトンを含有する寒天プレートに接種した。2つの培地からデータを計算した。
フローサイトメトリー分析
健康なドナーから採取したヘパリン処理血液をFicoll−Isopaque(Lymphoprep,スウェーデン国ウプサラに所在のPharmacia)の段階勾配で遠心することによりヒト末梢血リンパ球(PBL)を単離した。フローサイトメトリー分析のために、一般的な染色プロトコルをPBS緩衝液中0.5% BSA(w/v)と一緒に用いた。PBL(100μl中2.5×10)を製造業者の指示に従って抗−CD3または抗−CD19 mAbを場合によりFITC結合抗−IgD mAbと併用して氷上で30分間標識した。ブロッキング実験では、リンパ球を予め抗−IgD免疫グロブリンと30分間インキュベートした。2回洗浄後、10μg/mlの精製FITC結合MIDを細胞に補充し、氷上で45分間インキュベートした。過剰の0.5% BSA含有PBSで4回洗浄後、各サンプルにつき10細胞をEPICS(登録商標)XL−MCLフローサイトメトリー(フロリダ州ハイアリーアに所在のCouleter)で分析した。適当ならば、家兎及びヤギ前免疫血清並びにマウスIgG1及びIgG2a(Dakopatts)をネガティブコントロールとして含めた。
(結果)
MIDの抽出及び精製
MIDの可溶化は精製プロセスにおける大きな障害であった。ELISA及びウェスタンブロットで推定して、試験した数種の界面活性剤の中で3%の最終濃度のEmpigen(登録商標)及びn−オクチル−b−D−グルコシドのみがモラクセラ・カタラーリス懸濁液からMIDを効率的に可溶化した。2つの界面活性剤は同等に有効であった。トリトンX−100のみではMIDを可溶化しなかったが、トリトンX−100と0.01M EDTAはMIDを効率的に可溶化した。CHAPS単独、CHAPSとEDTAの組合せまたはEDTAのみではMIDを可溶化しなかった。以下の実験では、MIDの可溶化及びその後の精製のためにEmpigen(登録商標)抽出を使用した。モラクセラ・カタラーリスのEmpigen(登録商標)抽出物をQ−セファロースカラムに適用したとき、すべてのIgD結合物質が0.05M トリス−HCl(pH8.8)中0.1% Empigen(登録商標)でカラムから溶離した。同一カラムに対して1MまでのNaCl勾配を適用してもIgD結合物質を更に溶離させることはできなかった。Q−セファロースでの分離後得られたIgD結合物質を濃縮した後、Sephacryl S−400カラムを用いて0.1% Empigen(登録商標)の存在下でゲル濾過すると抽出物が分画化した(図1)。殆どのIgD結合物質がボイド容量直後の第1ピーク中に溶離された。同一条件下で第1ピークを再クロマトグラフィーにかけることによりMIDを更に精製した。
図2は、精製後MIDが2つのバンドとして現れたことを示している。第1は200kDAのバンドであり、第2は1,000kDa以上の見かけ分子量を有していた。MIDが従来公知の見かけ分子量が350〜720kDの外膜タンパク質UspA1及び2(8−10)または80kDaの分子量を有するCopBと同一でないことを確認するためにウェスタンブロット実験を実施した。モラクセラ・カタラーリスの粗なEmpigen(登録商標)抽出物またはMIDの部分精製調製物をSDS−PAGEにかけ、Immobilonフィルターに移し、モラクセラタンパク質に対する抗体及びヒトIgDを用いてブロットした。図2に示すように、MID(IgD結合により示されるように)は外膜タンパク質UspA及びCopBと同一ではない。
精製MIDのアミノ末端アミノ酸配列を調べるために3つの試みを実施した。それぞれ約1000ピコモルのMIDを自動アミノ酸シーケンサーに適用した。アミノ酸フェニルチオヒダントイン誘導体が得られない限り、好ましくはシグナルMIDポリペプチド鎖のアミノ末端をブロックした。最近、エドマン分解に対する耐性をも有するモラクセラUspA1及び2がピログルタミル残基を含んでおり、これらの残基はピログルタメートアミノペプチダーゼで処理することにより除去されたことが判明した。しかしながら、モラクセラ・カタラーリスから精製したMIDまたは組換えMIDを2つの異なるプロトコル(各方法につき2回)に従ってこの酵素で処理し、エドマン分解にかけたときには、N末端アミノ酸配列は得られなかった。
MIDのIgD結合性
モラクセラ・カタラーリスの粗なEmpigen(登録商標)抽出物及びSDS−PAGEにかけ、フィルターに移した高精製MIDをすべてのヒトIgクラス及びサブクラスの十分に精製した市販Ig調製物に接触させた(表III)。
Figure 0004443922
2つのIgD調製物のみが図2にIgDについて示したと同様に200kDa位置でMIDバンドと相互作用した。ドットブロット実験を実施し、異なる希釈度の精製MIDを膜に添加し、その後精製ヒトミエローマタンパク質及び第2抗体を適用したとき、2つのIgDミエローマのみがMIDと相互作用した。2つのミエローマの1つが膜上でMIDの0.001μgほどの微量で検出された。更に、MIDとIgDの相互作用の特異性を他のドットブロット実験で放射性標識MIDを用いて確認した。図3では、MIDが4つのIgDミエローマ血清に効果的に結合することが示されている。0.03〜4μgのIgDで明らかな反応が検出され得た。IgD標準血清(B.W.)の場合、かなりの低濃度でも反応性が見られた(示さず)。対照的に、IgG、IgA及びIgMの6種のIgミエローマ血清は4μgでもMIDと目に見える反応を示さなかった。
ドット及びウェスタンブロットで明らかなように精製MIDはヒト可溶性IgDを特異的に誘引した(図2及び3、表III)。MIDが表面発現B細胞受容体(BCR)IgDに結合するかを調べるために、ヒト末梢血リンパ球(PBL)を単離した。FITCをMIDにコンジュゲートした後氷上でPBLと45分間インキュベートした。PBLをT細胞マーカーCD3またはB細胞特異的表面抗原CD19に対するRPE結合mAbで標識し、その後フローサイトメトリーにより分析した(図4)。驚くことに、大部分のCD19リンパ球は大量のMID−FITCに結合した(図4A)のに対して、T細胞(CD3リンパ球)は非特異的バックグラウンド結合しか示さなかった(図4D)。MID−FITCシグナルはIgD−ポジティブB細胞を示す抗−IgD mAbとインキュベートしたCD19細胞とうまく対応していた(図4B)。IgD担持CD19リンパ球に対するMID−FITC結合の特異性を更に解明するために、PBLを家兎抗−ヒトIgD免疫グロブリンフラクションと前沈殿させた。インキュベートし、洗浄した後、MID−FITC結合を標準プロトコルに従ってフローサイトメトリーにより分析した。前免疫した血清とインキュベートした細胞と比較して、前記抗血清はIgD BCRへの特異的MID−FITC結合をほぼ完全に抑制した。平均蛍光強度は79.2任意単位から14.6任意単位に低下した。IgDに対するヤギ免疫グロブリンでも同様の結果が得られた(データ示さず)。よって、IgD−発現B細胞は表面発現BCR IgDに対する特異的MID−FITC結合を促進した。
MIDをコードする遺伝子のクローニング及びDNA配列分析
MIDを起源とする4つのペプチド断片の得られたアミノ末端配列(表II)に従って縮重プライマーを設計し、可能性あるすべての組合せでPCRにおいて使用した。縮重プライマー対2629+/3693−で作成した特徴的なPCR産物の推定配列を用いて特定プライマー2982+及び3692−(図5)を合成した。特定プライマーと縮重プライマー(718+及び5772−)を併用したPCR反応により、全部でMIDをコードする遺伝子の5054bpが生じた。mid遺伝子のコアを取り巻く隣接配列を逆PCR(IPCR)により得た。EcoRV−及びAsuI/AccI−消化モラクセラ・カタラーリスゲノムDNAをそれぞれプライマー対2982+/945−及び3668+/120−を用いてIPCRすると、スタートコドン領域の配列が得られた。更に、HincII消化モラクセラゲノムDNAをプライマー対5898+/5511−を用いてIPCRすると、ストップコドンを含む3’配列が得られた。モラクセラ・カタラーリスBc5中のMIDをコードする遺伝子の完全ヌクレオチド配列を配列番号2に示し、生じたアミノ酸配列を配列番号1に示す。2つの選択的オープンリーディングフレームが明らかとなり、アミノ酸No.1及び17に示す(図6参照)。その結果、mid遺伝子産物の長さは2123または2139アミノ酸であった。推定リボソーム結合部位(AAAG)、−10(TAATTA)及び−35(TTGAAT)に加えて、コンセンサス配列ボックスを同定した。更に、TAAストップコドン下流の62塩基に転写停止のために必要なステム−ループ形成の可能性がある逆方向反復配列が見られた。異なるmid遺伝子間の類似性及び同一性を調べるために、5つのORF MIDタンパク質の配列を分析した。4つの株で、同一性及び類似性はそれぞれ≧75.8%及び≧78.3%であった(図7)。対照的に、第5単離物(RH4)では、僅かに低い値≧65.3%及び≧71.2%が得られた。UspA1との同一性及び類似性はそれぞれ5.5〜11.1%及び8.3〜17.9%であり、UspA2との同一性及び類似性はそれぞれ6.5〜7.5%及び11.1〜12.4%であった。
mid遺伝子はすべてのモラクセラ・カタラーリス株中で検出され得る
PCR分析により、118個のモラクセラ・カタラーリス株中でmid−1遺伝子が検出されたのに対して、モラクセラ(nesceria)関連コントロールはネガティブであった。加えて、mid−1遺伝子のサイズをスタートコドン及びストップコドンを含めた遺伝子全体に及ぶプライマーを用いて確認した。
MIDの推定アミノ酸配列の分析はUspA1、UspA2及び米国特許第5,808,024号明細書に記載されているタンパク質と異なる
オープンリーディングフレームは、SDS−PAGEにより判明した約200kDaの実験値に容易に対応する丁度220kDa以下の分子量計算値を有するタンパク質を規定した。N末端アミノ酸配列は、アミノ酸66と67の間に潜在的な開裂部位を有するシグナルペプチドの典型的な特徴を示した。シグナルペプチダーゼ開裂部位の後の第1アミノ酸が恐らくグルタミン残基であるにも関わらず、エドマン分解により配列は決定できなかった。更に、ピログルタメートアミノペプチダーゼ処理後アミノ酸配列は得られなかった。推定されるアミノ酸配列もKyte及びDoolittleの方法による疎水性プロフィール分析にかけたところ、強疎水性である推定シグナルペプチドを除いて主に親水性を示した。MIDの推定アミノ酸配列は米国特許第5,808,024号明細書に記載されているタンパク質ともUspA−タンパク質のアミノ酸配列とも有意に異なっている(図7及び8)。
mid遺伝子はすべてのモラクセラ・カタラーリス株に分布している。mid遺伝子がすべてのモラクセラ・カタラーリス株中に存在しているか否かを調べるために、オープンリーディングフレーム(ORF)の上流の保存領域及びストップコドン配列を含めた下流の保存領域(Forsgrenら,2001)に基づいてプライマーを選択した。mid遺伝子は86臨床単離物のすべてにおいて検出され、7タイプの株を分析したところ、ゲノムmid DNAの長さは約6,000塩基対であった。遺伝子の3’末端から選択した配列を含むプローブを用いるサザンブロットにより、その存在が更に確認された。サザンブロット実験は、モラクセラ株は1つのmid遺伝子のみを含んでいることを示した。
大腸菌における組換えMIDの発現
クローン化mid遺伝子が精製IgD結合タンパク質に相当することを確認するために、予想シグナル配列及びスタートコドンを含む遺伝子を発現ベクターpET16(b)にT7プロモーターのコントロール下でサブクローン化した。その後、生じたpET16−MIDを大腸菌BL21DE3に形質転換し、IPTGを用いて誘導した。細菌細胞を溶解し、細分画化し、組換えMIDをプローブとしてヒトIgDを用いるウェスタンブロットにより局在化させた。MIDの重要な特徴は発現実験から明らかとなった(図9)。第1に、誘導後PET16−MIDを含む細胞は組換えMIDを産生することができ、遺伝子の正しいリーディングフレームを確認した。第2に、(SDS−PAGEにより示すように)組換えMIDは約200kDAの分子量を示し、これはアミノ酸配列から計算した217kDaという値に対応していた。第3に、IgD結合表現型がウェスタンブロット分析により確認されたので、組換えタンパク質は実際大腸菌におけるmid遺伝子産物であった。インサートなしの誘導pET16(b)ベクターを含む大腸菌からの総タンパク質はIgD結合能力を示さなかった(データ示さず)。第4に、組換えタンパク質の細胞下局在化は、MIDが細胞質及び膜フラクション中に均等に見られるがペリプラズモスペースには見られなかったことを示した。膜フラクションにおけるMIDの局在化はモラクセラ・カタラーリスにおける公知の外膜局在化に非常にうまく相関していた。
IgD結合はMIDの238アミノ酸中に保存される
MID IgD結合領域を詳細に調べるために、完全長MIDから誘導した9個の配列をpET26b(+)にクローン化し、大腸菌において発現させた。組換えタンパク質は全MID配列をカバーしており、それぞれの長さ及び位置は図10に示した通りであった。MIDのアミノ酸残基69−1111または1011−2139を含む組換えタンパク質はウェスタン及びドットブロットで明らかなようにIgDに結合しなかった。対照的に、タンパク質MID902−1200(タンパク質断片F1)はIgDを誘引し、このことからMIDの1つのIgD結合領域が特定配列内にあったことが強く示唆された。
IgD結合に関与する配列を正確に特定するために、切端MID902−1200をN末端及びC末端で対称的に短くした(図11)。等モル濃度の各種組換えタンパク質をモラクセラ・カタラーリスから単離した天然の完全長MID1−2139と比較した。各種組換えタンパク質を4倍数希釈し、膜に添加し、ヒトIgDとインキュベートした。モル基準で、本質的に保存されるIgD結合能力がアミノ酸残基962〜1200の切端MIDタンパク質で検出された。IgDと相互作用する最短の切端タンパク質はMID985とMID1142の間に局在化していた(断片F6)。N末端をMID1000残基に短縮したとき(断片F4)、C末端をMID1130に短縮したとき(断片F7)にはIgD結合能力はなくなった。最後に、(MID985−1200;F3と比較して)より長いN末端及びより短いC末端を有する断片(MID902−1130;F8)も製造し、分析した。しかしながら、この切端MIDはIgDと相互作用せず、結合能力はより長いC末端に依存することが示唆された。
特異的MID依存性IgD結合を更に特徴づけるために、IgD ELISAをベートとしてヒトIgDを用いて構築した。組換え切端MID断片のすべてをELISAにかけた後、MID902−1200に対する特異的家兎抗血清とインキュベートした。ELISAをHRP−結合ヤギ抗−家兎ポリクローナル抗体を用いて展開した。ドットプロット(図11)と同一のパターンが観察された。すなわち、断片F4、F7及びF8は固相IgDに誘引しなかったのに対して、他の断片は完全長MIDとは異なる程度で結合した(データ示さず)。
最適なMID962−1200とIgDの相互作用はテトラマー構造に依存する
最適なIgD結合を得るためのテトラマー構造の必要性を解明するために、MID962−1200(F2,配列番号10)を60または100℃でインキュベートした後SDS−PAGE及びウェスタンブロットにより分析した。60℃で予備処理後MID962−1200はモノマー及びテトラマーを形成した(図12A)。しかしながら、テトラマー構造は100℃で分裂し、モノマー形態となった。ウェスタンブロットで調べたときこのモノマー形態のIgDに対する結合はかなり弱かった(図12A及びB)。モノマー形態と比較したテトラマーのIgD結合能力を調べるために、MID962−1200断片(配列番号10)を60℃において6種の実験で分析した。熱処理したタンパク質をSDS−PAGEにかけ、IgD結合活性をウェスタンブロットにより分析した。生じたゲル及びフィルターをデンシトメトリーにより分析し、モノマーのタンパク質濃度(密度)を対応のテトラマー濃度で割った。得られた値(%)はゲルに充填した総タンパク質の濃度(μg)に関連する。驚くことに、テトラマー形態に対するIgD結合をモノマー形態と比較したところ、テトラマーMID962−1200では23倍高いIgD結合が見られた(図12C)。
モラクセラ・カタラーリスIgD結合タンパク質(MID)はヒト赤血球を凝集する
MIDの赤血球凝集における予想される関与を調べるために、MIDを発現するかまたは相変異によりmid遺伝子を切り離した一連の臨床単離物を選択した。驚くことに、MIDを発現した21単離物のすべてがヒト赤血球を凝集したのに対して、MID−ネガティブ株(n=21)のうち4つしか赤血球細胞を凝集しなかった。赤血球凝集能力とMID発現との間にほぼ完全な相関関係が認められた。USPA1/2発現は同様であり、MID発現と無関係であった。
この初期実験に続けて、モデル菌株モラクセラ・カタラーリスBc5(Forsgrenら,2001)由来の精製MIDタンパク質が赤血球を凝集するか否かを調べた。細菌表面を模擬するために、MIDをセファロースビーズにコンジュゲートし、ヒト赤血球とインキュベートした。セファロースに結合したウシ血清アルブミン(BSA)をネガティブコントロールとして含めた。驚くことに、ヒト赤血球はMID−セファロースの存在下で凝集したのに対して、BSA−セファロースは赤血球と干渉しなかった(データ示さず)。
MIDの赤血球凝集ドメインはアミノ酸残基アラニン764とセリン913の間に位置する
分子を精査し、赤血球凝集に関与した分子の特定部位を正確に定めるために、一連のmid遺伝子の切端DNA断片をクローン化し、大腸菌において組換え発現させた(図10)。家兎において切端MIDタンパク質に対するポリクローナル抗体を作成し、ELISAで使用した。予備実験で、MID及びMID誘導タンパク質に対する抗体を滴定して、各抗原についてELISAで試験したときと同じ値を得た。次いで、切端MIDタンパク質の溶解赤血球への結合能力を特定抗体を適当な濃度で用いてELISAで測定した。MIDまたはMID764−913(断片E)は他の切端MIDタンパク質に比較してより高い(4〜16倍)ELISA値を示した。よって、MIDの赤血球凝集構造はMIDアミノ酸残基764−913内にあるようである(配列番号8)。
MID764−913(断片E,配列番号8)は直接赤血球及びII型肺胞上皮細胞に結合する
接着としてのMID764−913の重要性を更に確認するために、MID及び特定の切端MID誘導タンパク質を放射性標識し、ヒト赤血球及び肺胞上皮細胞との直接結合実験で試験した(図13)。[125I]−MID及び[125I]−MID764−913はいずれも赤血球に強く結合したのに対して、切端MID断片のMID367−590(断片C)、MID902−1200(断片F)、MID1011−1446(断片G)及びMID1616−2139(断片I)はバッグラウンドレベル以上で結合しなかった(図13A)。同時に、肺胞上皮細胞A549も完全長[125I]−標識MID及び切端MID764−913の両方を誘引した(図13B)。他の断片はすべて上皮細胞に結合しなかった。これらを勘案すると、断片MID764−913(配列番号8)が哺乳動物細胞への接着を媒介する接着MIDの重要な部分であった。
完全長MID1−2139及びMID764−913に対する抗体はモラクセラ・カタラーリスのII型肺胞上皮細胞への接着を阻害する
II型肺胞上皮細胞へのモラクセラ・カタラーリス接着に対する完全長MID及びMID764−963の影響を更に分析するために、MID発現及びMID欠乏モラクセラ・カタラーリス株を予めMIDに対する抗体とインキュベートした後、接着のために肺胞上皮細胞に添加した。図14に示すように、MID発現単離物の場合完全長MID1−2139及びMID763−913(断片E,配列番号8)に対するポリクローナル抗体は接着を効果的に阻害した。対照的に、前免疫血清及びMID1011−1466(断片G)に対するpAbは殆ど接着と干渉しなかった。
Figure 0004443922
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イオン交換クロマトグラフィー後のモラクセラ・カタラーリスからのEmpigen(登録商標)可溶性抽出物のSephacryl S−400カラムでのクロマトグラフィー及び再クロマトグラフィー。実線は第1クロマトグラフィーのタンパク質含量を示し、破線は第1ピークの再クロマトグラフィーを示す。Voはボイド容量である。 MIDの各種精製ステップを表すフラクションのSDS−PAGE分析。Q−セファロースカラムでのイオン交換クロマトグラフィー後、Sephacryl S−400カラムでの第1回及び第2回ゲル濾過後の3% Empigen(登録商標)中の粗抽出物についてのフラクションを示す。2つのゲルを同時に流し、1つはクーマシーブルー(染色剤)で染色し、1つはImmobilon−P膜にブロットし、ヒトIgD(κ)ミエローマタンパク質(IgD)、抗−UspA(αUsp)または抗−CopB(αB)モノクローナル抗体を用いてプローブし、その後適当なホースラディッシュペルオキシダーゼ結合第2抗体とインキュベートした。マーカータンパク質の分子量を左側に表示する。 各種免疫グロブリンクラスを表すヒトミエローマ血清に対するMIDの結合。すべての血清を倍数希釈(4〜0.3μg)し、ニトロセルロース膜に適用した。飽和、洗浄及びブロッキング後、[125I]−MID標識プローブを添加した。一晩インキュベートし、更に洗浄した後、特異的MID−IgD結合をオートラジオグラフィーにより可視化した。 FITC結合MIDに特異的に結合したIgD担持B細胞。CD19+(A)またはCD3+(D)に対するRPE結合mAbで染色した後MID−FITCとインキュベーションしたPBLを抗−IgD−mAb(B)及び抗−CD19 mAbとインキュベートしたPBLと比較した。CD3+及び抗−IgD−mAbを用いる2重染色を(E)に示す。(C)では、予めヒトIgDに対する家兎免疫グロブリンフラクションとインキュベートした後抗−CD19 mAb及びMID−FITCを添加したPBLのパネルを示す。抗体もMID−FITCも含まないコントロールサンプルも含める(F)。PBLをヘパリン処理したヒト血液からLymphoprep1ステップ勾配を用いて単離した。リンパ球(2.5×10)を適当な抗体とインキュベートし、洗浄し、更にMID−FITC(10μg/ml)とインキュベートした。インキュベーションはすべて氷上で実施し、最終洗浄後PBLをフローサイトメトリーにより分析した。この特別実験では、総リンパ球集団の68%をゲーティングし、分析した。ネガティブコントロールとしてイソマッチmAbを含めたときには細胞の2%未満が標識された。前免疫した家兎血清はIgD BCRに対するMID−FITCの結合を殆ど阻止しなかった(示さず)。分析した3つの別々のドナーの内の典型的なドナーについての実験を示す。 クローニング戦略を示すmid遺伝子の概略マップ。DNA増幅のために使用したオリゴヌクレオチドプライマーを関連配列の上(PCR)及び下(逆PCR[IPCR])の矢印で示す。表IIに概説したアミノ酸配列に基づく縮重プライマー及び特定プライマーをそれぞれ破線及び実線で示す。 モラクセラ・カタラーリスBc5由来のmid遺伝子のヌクレオチド配列及び推定アミノ酸配列。推定−35,−10領域、考えられるリボソソーム結合部位(RBS)、逆方向反復配列、予測シグナルペプチド、及びアミノ酸No.1及び17の2つの選択的スタートコドンを示す。ストップコドン及び逆方向反復配列も示す。 モラクセラ・カタラーリスBc5由来のmid遺伝子のヌクレオチド配列及び推定アミノ酸配列。推定−35,−10領域、考えられるリボソソーム結合部位(RBS)、逆方向反復配列、予測シグナルペプチド、及びアミノ酸No.1及び17の2つの選択的スタートコドンを示す。ストップコドン及び逆方向反復配列も示す。 モラクセラ・カタラーリスBc5由来のmid遺伝子のヌクレオチド配列及び推定アミノ酸配列。推定−35,−10領域、考えられるリボソソーム結合部位(RBS)、逆方向反復配列、予測シグナルペプチド、及びアミノ酸No.1及び17の2つの選択的スタートコドンを示す。ストップコドン及び逆方向反復配列も示す。 モラクセラ・カタラーリスBc5由来のmid遺伝子のヌクレオチド配列及び推定アミノ酸配列。推定−35,−10領域、考えられるリボソソーム結合部位(RBS)、逆方向反復配列、予測シグナルペプチド、及びアミノ酸No.1及び17の2つの選択的スタートコドンを示す。ストップコドン及び逆方向反復配列も示す。 モラクセラ・カタラーリスBc5由来のmid遺伝子のヌクレオチド配列及び推定アミノ酸配列。推定−35,−10領域、考えられるリボソソーム結合部位(RBS)、逆方向反復配列、予測シグナルペプチド、及びアミノ酸No.1及び17の2つの選択的スタートコドンを示す。ストップコドン及び逆方向反復配列も示す。 モラクセラ・カタラーリスBc5由来のmid遺伝子のヌクレオチド配列及び推定アミノ酸配列。推定−35,−10領域、考えられるリボソソーム結合部位(RBS)、逆方向反復配列、予測シグナルペプチド、及びアミノ酸No.1及び17の2つの選択的スタートコドンを示す。ストップコドン及び逆方向反復配列も示す。 モラクセラ・カタラーリスBc5由来のmid遺伝子のヌクレオチド配列及び推定アミノ酸配列。推定−35,−10領域、考えられるリボソソーム結合部位(RBS)、逆方向反復配列、予測シグナルペプチド、及びアミノ酸No.1及び17の2つの選択的スタートコドンを示す。ストップコドン及び逆方向反復配列も示す。 モラクセラ・カタラーリスBc5由来のmid遺伝子のヌクレオチド配列及び推定アミノ酸配列。推定−35,−10領域、考えられるリボソソーム結合部位(RBS)、逆方向反復配列、予測シグナルペプチド、及びアミノ酸No.1及び17の2つの選択的スタートコドンを示す。ストップコドン及び逆方向反復配列も示す。 モラクセラ・カタラーリスBc5由来のmid遺伝子のヌクレオチド配列及び推定アミノ酸配列。推定−35,−10領域、考えられるリボソソーム結合部位(RBS)、逆方向反復配列、予測シグナルペプチド、及びアミノ酸No.1及び17の2つの選択的スタートコドンを示す。ストップコドン及び逆方向反復配列も示す。 モラクセラ・カタラーリスBc5由来のmid遺伝子のヌクレオチド配列及び推定アミノ酸配列。推定−35,−10領域、考えられるリボソソーム結合部位(RBS)、逆方向反復配列、予測シグナルペプチド、及びアミノ酸No.1及び17の2つの選択的スタートコドンを示す。ストップコドン及び逆方向反復配列も示す。 モラクセラ・カタラーリスBc5由来のmid遺伝子のヌクレオチド配列及び推定アミノ酸配列。推定−35,−10領域、考えられるリボソソーム結合部位(RBS)、逆方向反復配列、予測シグナルペプチド、及びアミノ酸No.1及び17の2つの選択的スタートコドンを示す。ストップコドン及び逆方向反復配列も示す。 モラクセラ・カタラーリス菌株から単離したMIDとATCC 25238由来のUspA1及びA2との間の同一度及び類似度。同一性及び類似性はソフトウェアNeedleを用いて計算した。 MIDのアミノ酸配列と米国特許第5,808,024号明細書に記載されているタンパク質との比較。 MIDのアミノ酸配列と米国特許第5,808,024号明細書に記載されているタンパク質との比較。 MIDのアミノ酸配列と米国特許第5,808,024号明細書に記載されているタンパク質との比較。 MIDのアミノ酸配列と米国特許第5,808,024号明細書に記載されているタンパク質との比較。 MIDのアミノ酸配列と米国特許第5,808,024号明細書に記載されているタンパク質との比較。 組換え発現させたMIDはそのIgD結合能力を保持していた。左図はクーマシーブリリアントブルー染色したゲル、右図はヒトIgDでプローブしたウェスタンブロットを示す。天然MIDタンパク質(MID)を流し、細胞質フラクション(C)、ペリプラズマフラクション(P)及び膜フラクション(M)と比較した。左側の数字は分子量標準を指す。pET16−MIDを含む大腸菌BL21DE3をIPTGにより4時間誘導した。細胞フラクションを集め、タンパク質を平行に並べた2つのSDS−PAGEにより分離し、それぞれクーマシーブリリアントブルーで染色するかまたはImmobilon−P膜にブロットした。膜をヒトIgDでプローブした後ホースラディッシュペルオキシダーゼ結合第2抗体とインキュベートした。 MID764−913(断片E)及びMID902−1200(断片F)はそれぞれ赤血球凝集及びIgD結合に関わる。一連の切端MIDタンパク質(A〜Iと称する)を製造した。C末端にヒスチジンタグを含む組換えタンパク質(A〜H)またはマルトース結合タンパク質に融合した組換えタンパク質(I)を大腸菌において産生し、それぞれニッケル及びアミロース樹脂カラムを用いて精製した。 MID962−1200(断片F2)は完全長MID1−2139に比較して保存IgD結合能力を有している。等モル濃度(240〜0.06ナノモル)の精製完全長MID1−2139及び8個の切端MID断片(F1〜F8)をドットプロットによりIgD結合について分析した。タンパク質MID902−1130(F8)、MID985−1130(F7)及びMID1000−1200(F4)はIgDを誘引しなかったが、他の断片はすべてIgDに結合した。複数の切端MIDタンパク質をコードするDNAを発現ベクターpET26b(+)にクローン化し、大腸菌において産生した。Hisタグを含む組換えタンパク質を精製し、ニトロセルロース膜にドットブロットした。この膜をヒトIgDでプローブした後、検出のために使用した第2HRP結合ポリクローナル抗体でプローブした。 MID962−1200(F2)のテトラマー構造は最適IgD結合のために必須である。(A):60℃で処理後MID962−1200のSDS−PAGEによりモノマー及びテトラマーを分離した。100℃で熱処理後モノマーのみが検出され得る。(B):プローブとしてIgDを用いる対応のウェスタンブロットはモノマーに対する弱いIgD結合を示す。(C):6種の実験でのテトラマー及びモノマーに対する平均IgD結合。IgD結合はタンパク質1μg当たりの任意単位で示す。MID962−1200をSDS−サンプル緩衝液において60℃または100℃で10分間処理し、SDS−PAGE及びウェスタンブロット分析にかけた。生じたクーマシー染色ゲル及びウェスタンブロットをデンシトメトリーにより分析した。テトラマーまたはモノマーとして移動するタンパク質の%を計算し、IgD結合能力を比較した。 125I]標識組換えMID764−913(断片E)は赤血球及び上皮細胞に特異的に誘引される。[125I]標識MID及び一連の切端[125I]−MID断片(C、E、F、G及びI)をヒト赤血球に添加した(A)。組換え[125I]標識MID断片を上皮細胞にも添加した(B)。(断片Iを除く)すべての切端MIDタンパク質を大腸菌において産生し、ニッケル樹脂を用いて精製した。断片IはMBPとの融合タンパク質であり、よってアミロース樹脂を用いて精製した。組換えタンパク質を[125I]で標識し、赤血球または上皮細胞株A549に添加した。数回洗浄後、結合放射能をガンマカウンターで測定した。データを2回ずつ実施した2つの実験の平均値として示す。誤差バーはSDを指す。 MID発現モラクセラ・カタラーリスの上皮細胞への接着はアミノ酸残基MID764−913(断片E)に依存する。家兎抗−MID1−2139または抗−MID764−913ポリクローナル抗体をコートしたMID発現細菌で、上皮細胞への接着が前免疫血清または抗−MID1011−1466(断片G)pAbと比較して低下していた。細菌を前免疫血清または特定の抗血清と4℃で1時間インキュベートした。上皮細胞に細菌を添加した後遠心し、37℃において30分間インキュベートした。洗浄後、細胞をトリプシン−EDTAで処理し、懸濁液を血液寒天プレートにおいて平板培養した。一晩インキュベートした後コロニー形成単位をカウントした。接着率(添加したcfu/接着したcfu)を計算した。2回ずつ実施した4つの別個の実験の平均値として示す。誤差バーはSDを指す。***P≦0.001、**P≦0.01、及びP≦0.05。
配列表
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Claims (53)

  1. 配列番号1に記載されているアミノ酸配列を有し、200kDaの見かけ分子量を有し且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)中で検出され得ることを特徴とする表面露出タンパク質、配列番号1のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸置換、欠失、挿入または付加を有し、膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有することを特徴とするその天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体、配列番号10に記載のアミノ酸配列を有する前記タンパク質または変異体の免疫原性のIgD結合断片、または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する前記表面露出タンパク質の免疫原性の赤血球もしくは上皮細胞接着性断片。
  2. モラクセラ・カタラーリス中で検出され得、膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有し、配列番号10に記載のアミノ酸配列を有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の表面露出タンパク質の免疫原性のIgD結合断片、または配列番号10に記載のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸配列の置換、欠失、挿入または付加を有し、膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するその天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体。
  3. 配列番号10に記載されているアミノ酸配列を有することを特徴とする請求の範囲第2項に記載の免疫原性のIgD結合断片。
  4. モラクセラ・カタラーリス中で検出され得且つ赤血球及び上皮細胞に結合する能力を有し、配列番号8に記載のアミノ酸配列を有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の表面露出タンパク質の免疫原性の赤血球もしくは上皮細胞接着性断片。
  5. 配列番号8に記載されているアミノ酸配列を有することを特徴とする請求の範囲第4項に記載の免疫原性の赤血球もしくは上皮細胞接着性断片。
  6. 配列番号2に記載の塩基配列を有し、請求の範囲第1項に記載のモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質をコードするDNA配列、または、配列番号10に記載のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸置換、欠失、挿入または付加を有し、膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するタンパク質をコードする前記DNA配列の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体を含むことを特徴とするDNAセグメント。
  7. 請求の範囲第2項に記載の免疫原性のIgD結合断片をコードするDNA配列を含むことを特徴とするDNAセグメント。
  8. 配列番号11に記載されており、請求の範囲第3項に記載の免疫原性のIgD結合断片をコードするDNA配列を含むことを特徴とする請求の範囲第7項に記載のDNAセグメント。
  9. 請求の範囲第4項に記載の表面露出タンパク質の免疫原性の赤血球もしくは上皮細胞接着性断片をコードするDNA配列を含むことを特徴とするDNAセグメント。
  10. 配列番号9に記載されており、請求の範囲第5項に記載の免疫原性の赤血球もしくは上皮細胞接着性断片をコードするDNA配列を含むことを特徴とする請求の範囲第9項に記載のDNAセグメント。
  11. 配列番号1に記載されているアミノ酸配列を有し、200kDaの見かけ分子量を有し且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質、配列番号1のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸置換、欠失、挿入または付加を有し、膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有することを特徴とするその天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体、配列番号10に記載のアミノ酸配列を有する前記タンパク質または変異体の免疫原性のIgD結合断片をコードするDNA配列を含むことを特徴とするプラスミドまたはファージ。
  12. モラクセラ・カタラーリス中で検出され得且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有し配列番号10に記載のアミノ酸配列を有する請求の範囲第1項に記載の表面露出タンパク質の免疫原性のIgD結合断片、または配列番号10において1または数個のアミノ酸置換、欠失、挿入または付加を有し膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する前記断片の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体をコードするDNA配列を含むことを特徴とするプラスミドまたはファージ。
  13. 請求の範囲第3項に記載の免疫原性のIgD結合断片をコードするDNA配列を含むことを特徴とする請求の範囲第12項に記載のプラスミドまたはファージ。
  14. モラクセラ・カタラーリス中で検出され得且つ赤血球及び上皮細胞に選択的に結合する能力を有し、配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する請求の範囲第1項に記載の表面露出タンパク質の免疫原性の赤血球もしくは上皮細胞接着性断片、または配列番号8のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸置換、欠失、挿入または付加を有し赤血球および上皮細胞に選択的に結合する能力を有する前記断片の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体をコードするDNA配列を含むことを特徴とするプラスミドまたはファージ。
  15. 請求の範囲第5項に記載の表面露出タンパク質の免疫原性の赤血球もしくは上皮細胞接着性断片をコードするDNA配列を含むことを特徴とする請求の範囲第14項に記載のプラスミドまたはファージ。
  16. 請求の範囲第11項〜第15項のいずれか1項に記載のプラスミドまたはファージの少なくとも1つを含み、前記タンパク質または変異体、前記タンパク質または変異体の免疫原性IgD結合断片、または前記タンパク質の免疫原性の赤血球もしくは上皮細胞接着性断片を産生し得る細菌、酵母及び植物から選択されることを特徴とする非ヒト宿主。
  17. 大腸菌であることを特徴とする請求の範囲第16項に記載の宿主。
  18. 配列番号1に記載されているアミノ酸配列を有し、200kDaの見かけ分子量を有し且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質、配列番号1において1または数個のアミノ酸置換、欠失、挿入または付加を有し膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するその天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体、または配列番号10に記載のアミノ酸配列を有する前記タンパク質または変異体の免疫原性のIgD結合断片をコードするDNA配列を含み、該DNA配列が別の遺伝子に融合していることを特徴とする組換えDNA分子。
  19. モラクセラ・カタラーリス中で検出され得、且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有し配列番号10に記載のアミノ酸配列を有する請求の範囲第1項に記載の表面露出タンパク質の免疫原性のIgD結合断片、または配列番号10において1または数個のアミノ酸置換、欠失、挿入または付加を有し膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するその天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体をコードするDNA配列を含み、該DNA配列が別の遺伝子に融合していることを特徴とする組換えDNA分子。
  20. 請求の範囲第3項に記載の免疫原性のIgD結合断片をコードするDNA配列を含み、該DNA配列が別の遺伝子に融合していることを特徴とする請求の範囲第19項に記載の組換えDNA分子。
  21. モラクセラ・カタラーリス中で検出され得且つ赤血球及び上皮細胞に選択的に結合する能力を有し配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する請求の範囲第1項に記載の表面露出タンパク質の免疫原性の赤血球または上皮細胞接着性断片、または配列番号8に記載のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸置換、欠失、挿入または付加を有し赤血球もしくは上皮細胞に結合する能力を有する前記断片の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体をコードするDNA配列を含み、該DNA配列が別の遺伝子に融合していることを特徴とする組換えDNA分子。
  22. 請求の範囲第5項に記載の表面露出タンパク質の免疫原性の赤血球もしくは上皮細胞接着性断片をコードするDNA配列を含み、該DNA配列が別の遺伝子に融合していることを特徴とする請求の範囲第21項に記載の組換えDNA分子。
  23. 請求の範囲第18項〜第22項のいずれか1項に定義の組換えDNA分子を含むことを特徴とするプラスミドまたはファージ。
  24. 請求の範囲第23項に定義のプラスミドまたはファージの少なくとも1つを含み、細菌、酵母及び植物から選択されることを特徴とする非ヒト宿主。
  25. 大腸菌であることを特徴とする請求の範囲第24項に記載の宿主。
  26. 配列番号1に記載されているアミノ酸配列を有し、200kDaの見かけ分子量を有し且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質、配列番号1に記載のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸置換、欠失、挿入または付加を有し膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するその天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体、または配列番号10に記載のアミノ酸配列を有する前記タンパク質または変異体の免疫原性のIgD結合断片が請求の範囲第18項に記載の組換えDNA分子を用いて別のタンパク質と組み合わされていることを特徴とする融合タンパク質またはポリペプチド。
  27. モラクセラ・カタラーリス中で検出され得、膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有し配列番号10に記載のアミノ酸配列を有する請求の範囲第1項に記載の表面露出タンパク質の免疫原性のIgD結合断片、または配列番号10に記載のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸置換、欠失、挿入または付加を有し膜結合または可溶性IgDに結合する能力を有するその天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体が請求の範囲第19項に記載の組換えDNA分子を用いて別のタンパク質と組み合わされていることを特徴とする融合タンパク質またはポリペプチド。
  28. 請求の範囲第3項に記載の免疫原性のIgD結合断片が請求の範囲第20項に記載の組換えDNA分子を用いて別のタンパク質と組み合わされていることを特徴とする請求の範囲第27項に記載の融合タンパク質またはポリペプチド。
  29. モラクセラ・カタラーリス中で検出され得且つ赤血球及び上皮細胞に選択的に結合する能力を有し配列番号8に記載されるアミノ酸配列を有する請求の範囲第1項に記載の表面露出タンパク質の免疫原性の赤血球もしくは上皮細胞接着性断片、または配列番号8に記載のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸置換、欠失、挿入または付加を有し赤血球もしくは上皮細胞に選択的に結合する能力を有する前記断片の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体が請求の範囲第21項に記載の組換えDNA分子を用いて別のタンパク質と組み合わされていることを特徴とする融合タンパク質またはポリペプチド。
  30. 請求の範囲第5項に記載の免疫原性の赤血球もしくは上皮細胞接着性断片が請求の範囲第22項に記載の組換えDNA分子を用いて別のタンパク質と組み合わされていることを特徴とする請求の範囲第29項に記載の融合タンパク質またはポリペプチド。
  31. 配列番号1に記載されているアミノ酸配列を有し、200kDaの見かけ分子量を有し且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質、配列番号1に記載のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸置換、欠失、挿入または付加を有し膜結合もしくは可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する前記タンパク質の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体、または配列番号10に記載のアミノ酸配列を有する前記タンパク質または変異体の免疫原性のIgD結合断片が共有結合によるかまたは他の手段によりタンパク質、炭水化物またはマトリックスに結合していることを特徴とする融合産物。
  32. モラクセラ・カタラーリス中で検出され得且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する請求の範囲第2項に記載の表面露出タンパク質の免疫原性のIgD結合断片、または前記断片の天然に存在するかまたは人工的に修飾した請求の範囲第2項に記載の変異体が共有結合によるかまたは他の手段によりタンパク質、炭水化物またはマトリックスに結合していることを特徴とする融合産物。
  33. 請求の範囲第3項に記載の免疫原性のIgD結合断片が共有結合によるかまたは他の手段によりタンパク質、炭水化物またはマトリックスに結合していることを特徴とする請求の範囲第32項に記載の融合産物。
  34. モラクセラ・カタラーリス中で検出され得且つ赤血球及び上皮細胞に選択的に結合する能力を有する請求の範囲第2項に記載の表面露出タンパク質の免疫原性の赤血球もしくは上皮細胞接着性断片、または請求の範囲第2項に記載の前記断片の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体が共有結合によるかまたは他の手段によりタンパク質、炭水化物またはマトリックスに結合していることを特徴とする融合産物。
  35. 請求の範囲第5項に記載の免疫原性の赤血球もしくは上皮細胞接着性断片が共有結合によるかまたは他の手段によりタンパク質、炭水化物またはマトリックスに結合していることを特徴とする請求の範囲第34項に記載の融合産物。
  36. 配列番号1に記載されているアミノ酸配列を有し、200kDaの見かけ分子量を有し且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質、配列番号1に記載のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸置換、欠失、挿入または付加を有し膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する前記タンパク質の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体、または配列番号10に記載のアミノ酸配列を有する前記タンパク質または変異体の免疫原性のIgD結合断片を用いてIgDを検出する方法。
  37. 前記表面露出タンパク質、当該タンパク質の変異体または当該タンパク質または変異体の断片が標識されていたり及び/またはマトリックスに結合している請求の範囲第36項に記載のIgDを検出する方法。
  38. モラクセラ・カタラーリス中で検出され得且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する請求の範囲第2項に記載の表面露出タンパク質の免疫原性のIgD結合断片、または請求の範囲第2項に記載の前記断片の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体を用いてIgDを検出する方法。
  39. 表面露出タンパク質の免疫原性のIgD結合断片またはその変異体が標識されていたり及び/またはマトリックスに結合している請求の範囲第38項に記載のIgDを検出する方法。
  40. 膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する請求の範囲第3項のモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質、または配列番号10に記載のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸置換、欠失、挿入または付加を有し膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する前記タンパク質の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体の免疫原性のIgD結合断片を用いてIgDを検出する請求の範囲第38項に記載の方法。
  41. 表面露出タンパク質の免疫原性のIgD結合断片またはその変異体が標識されていたり及び/またはマトリックスに結合している請求の範囲第39項に記載のIgDを検出する方法。
  42. 配列番号1に記載されているアミノ酸配列を有し、200kDaの見かけ分子量を有し且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質、配列番号1の記載のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸置換、欠失、挿入または付加を有し膜結合もしくは可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する前記タンパク質の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体、または配列番号10に記載のアミノ酸配列を有する前記タンパク質または変異体の免疫原性のIgD結合断片を用いてIgDを分離する方法。
  43. 表面露出タンパク質、当該タンパク質の変異体または当該タンパク質もしくは変異体の断片が標識されていたり及び/またはマトリックスに結合している請求の範囲第42項に記載のIgDを分離する方法。
  44. モラクセラ・カタラーリス中で検出され得且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する請求の範囲第2項の表面露出タンパク質の免疫原性のIgD結合断片、または請求の範囲第2項に記載の前記断片の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体を用いてIgDを分離する方法。
  45. 表面露出タンパク質の免疫原性のIgD結合断片またはその変異体がマトリックスに結合している請求の範囲第44に記載のIgDを分離する方法。
  46. 膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する請求の範囲第3項に記載のモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質、または配列番号10に記載のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸置換、欠失、挿入または付加を有し膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する前記タンパク質の天然に存在するかまたは人工的に修飾変異体の免疫原性のIgD結合断片を用いてIgDを分離する請求の範囲第44項に記載の方法。
  47. モラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質またはその変異体の免疫原性のIgD結合断片が標識されていたり及び/またはマトリックスに結合している請求の範囲46項に記載の方法。
  48. 配列番号1に記載されているアミノ酸配列を有し、200kDaの見かけ分子量を有し且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質、配列番号1に記載のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸置換、欠失、挿入または付加を有し膜結合もしくは可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する前記タンパク質の天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体、または配列番号10に記載のアミノ酸配列を有する前記タンパク質または変異体の免疫原性のIgD結合断片の単離方法であって、
    a)任意にEDTAの存在下で双イオン性またはノニオン性界面活性剤を添加することによりモラクセラ・カタラーリスの懸濁液を抽出するステップ、
    b)ステップa)からのモラクセラ・カタラーリスのIgD結合タンパク質を含む抽出物を吸着カラムにかけるステップ、
    c)IgD結合タンパク質を溶離するステップ、及び
    d)IgD結合タンパク質を分離するステップ
    を含むことを特徴する前記方法。
  49. 界面活性剤がエンピゲン(登録商標)、n−オクチル−β−D−グルコシド及びトリトンX−100+0.01M EDTAからなる群から選択されることを特徴とする請求の範囲第48項に記載の方法。
  50. ステップa)における界面活性剤の濃度が0.1〜5%、好ましくは約3%であることを特徴とする請求の範囲第48項または第49項に記載の方法。
  51. 配列番号1に記載されているアミノ酸配列を有し、200kDaの見かけ分子量を有し且つ膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するモラクセラ・カタラーリスの表面露出タンパク質、配列番号1に記載のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸置換、欠失、挿入または付加を有し膜結合もしくは可溶性IgDに選択的に結合する能力を有するその天然に存在するかまたは人工的に修飾した変異体、または配列番号10に記載のアミノ酸配列を有する前記タンパク質または変異体の免疫原性のIgD結合断片の免疫原性部分に特異的であることを特徴とする精製抗体。
  52. 膜結合または可溶性IgDに選択的に結合する能力を有する請求の範囲第3項に記載の免疫原性のIgD結合断片に特異的であることを特徴とする請求の範囲第51項に記載の精製抗体。
  53. 赤血球及び上皮細胞に結合する能力を有している請求の範囲第5項に記載の免疫原性または赤血球もしくは上皮細胞接着性断片に特異的であることを特徴とする請求の範囲第51項に記載の精製抗体。
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