JP4443884B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばモータをインバータ制御する場合等に用いられる半導体装置に関し、特に、高いオフ耐圧特性と高いオン耐圧特性を兼ね備えた半導体装置に関する。
高いオフ耐圧特性を実現することに主眼をおいた半導体装置が数多く提案されており、その一つにいわゆるリサーフ(Reduced Surface Field: RESURF:表面電界緩和)構造を備えた半導体装置が提案されている。
図12はその一例を示し、p型半導体基板10と、そのp型半導体基板10上に積層されたn型のエピタキシャル層20と、そのエピタキシャル層20内に形成されたp型のボディ領域50と、そのボディ領域50内に形成されたn型のソース領域60と、n型のエピタキシャル層20内においてボディ領域50から離反した位置に形成されているn型のドレイン領域40とを備えている。ボディ領域50内にはp型のボディコンタクト領域90が形成されている。
ソース領域60とボディコンタクト領域90にソース電極Sが接触している。エピタキシャル層20とソース領域60の間に介在するボディ領域50には、ゲート絶縁膜71を介してゲート電極70が対向している。ドレイン領域40にドレイン電極Dが接触している。なお図示30は絶縁膜である。
この半導体装置1は、ゲート電極70にオン電圧が印加されると、エピタキシャル層20とソース領域60の間に介在するボディ領域50のゲート電極70に対向する部分がn型に反転し、そのn型反転層とn型エピタキシャル層20を介して、n型ソース領域60とn型ドレイン領域40が導通する。
図12に示す半導体装置1は、ダブルリサーフ構造を備えており、エピタキシャル層20の下層に存在する半導体基板10は、ボディ領域50と同電位に維持される。さらに、エピタキシャル層20の表面に沿ってp型のトップ層80が形成されている。トップ層80は、ボディ領域50からドレイン領域40に至るまで伸びている。トップ層80の不純物濃度と層厚は、ボディ領域50からドレイン領域40に亘るまで均質化されている。
半導体装置1に逆バイアス電圧が印加されると、n型のエピタキシャル層20とp型の半導体基板10のpn接合面と、n型のエピタキシャル層20とp型のトップ層80のpn接合面と、n型のエピタキシャル層20とp型のボディ領域50のpn接合面のそれぞれからエピタキシャル層20に向けて空乏層が伸びる。このとき、エピタキシャル層20の層厚(De)と不純物濃度(Ne)の積(De×Ne)が、所謂リサーフ条件を満たすように設定されていれば、エピタキシャル層20は、ボディ領域50からドレイン領域40に亘って、広く空乏化される。ダブルリサーフ構造を備える半導体装置1は、オフ耐圧特性が高い。
図13に、半導体装置1のエピタキシャル層20の層厚と不純物濃度が、リサーフ条件に従って最適化された場合に得られる等電位線分布(A参照)と、エピタキシャル層20の表面に沿った電界強度分布を概念的に示す(B参照)。エピタキシャル層20が完全空乏化されると、エピタキシャル層20の表面に沿った電界強度分布は均一化される。図13(B)に示すように、エピタキシャル層20の表面に沿って電界強度を測定すると、ドレイン領域40との近傍とボディ領域50との近傍にわずかな電界集中が観測されるが、全体としては均一化される。電界強度分布が均一化されると、局所的な電界集中によって半導体装置がブレークダウンすることが抑制され、半導体装置のオフ耐圧特性は向上する。
特許文献1には、トップ層80の不純物濃度をドレイン領域40側に向けて段階的に低くする構成を採用すると、半導体装置の表面に沿った電界強度分布をさらに均一にでき、オフ耐圧が向上する旨が記載されている。
特開2001−274390号公報(その公報の図1参照)。
図14に、特許文献1の半導体装置の要部拡大図(A参照)と、エピタキシャル層20の表面に沿った電界強度分布を概念的に示す(B参照)。破線で示す電界強度分布は、図13に例示した半導体装置1の電界強度分布である。
特許文献1の半導体装置のトップ層80は、ボディ領域50からドレイン領域40に向けて段階的に不純物濃度が低くなっている。その結果、特許文献1の半導体装置のエピタキシャル層20の表面の電界強度分布は、全領域に亘ってさらに均一化される。
特許文献1の半導体装置は、エピタキシャル層20の表面に沿った電界強度分布をさらに均一化にすることで更なるオフ耐圧特性の向上を図ろうとする技術である。
例えば半導体装置がハイブリッド型自動車のモータ制御に用いられる場合、車載用の半導体装置の使用環境は苛酷であり、高レベルノイズなどの電気的過渡現象に晒される。そのような状況においても半導体装置が破壊されないだけの高耐圧特性が求められる。この種の高耐圧半導体装置には、オフ状態での高耐圧特性とオン状態での高耐圧特性がともに要求される。
ここでいうオフ状態での耐圧特性とは、ゲート電極にオフ電圧を印加した状態でソース・ドレイン間に印加する電圧を増大させていったときに、ソース・ドレイン間の絶縁性が失われるときのソース・ドレイン間の電圧をいう。また、オン状態での耐圧特性とは、ゲート電極にオン電圧を印加した状態でソース・ドレイン間に印加する電圧を増大させていったときに、ソース・ドレイン間に流れる電流が急激に増大するときのソース・ドレイン間の電圧をいう。ソース・ドレイン間に流れる電流が急激に増大する範囲では、半導体装置を安心して使用することができない。このために、この種の半導体装置では、オフ状態での耐圧特性のみならず、オン状態での耐圧特性も重要である。
例えば、図12に示す従来の半導体装置1のオン状態では、ドレイン・ソース間を流れるキャリアによって、エピタキシャル層20内のキャリアバランスが崩れる。キャリアバランスが崩れると等電位線分布がドレイン領域40側に偏り、ドレイン領域40の近傍において電界強度が高くなる。その結果、ドレイン領域40近傍でインパクトイオンが発生し、アバランシェ降伏が生じ、半導体装置のオン耐圧は低くなることがわかってきた。
従来の半導体装置の開発は、専らオフ耐圧を向上させることに主眼をおいており、オフ耐圧のみならずオン耐圧をも向上させることを意図した開発は行われていない。
本発明の目的は、半導体装置の寸法を大きくすることなく、従来のこの種の半導体装置と同等のオフ耐圧特性を維持しながら、オン耐圧特性をも向上した半導体装置を提供することである。本発明では、等電位線分布を敢えて偏在させることで、高いオフ耐圧特性と高いオン耐圧特性の両方を具備する半導体装置を実現する。
従来の半導体装置では、ドレイン・ソース間の等電位線分布を均一化し、最大電界強度を低下させることを重視していた。本発明の基本思想は、従来のものと全く異なる。本発明ではドレイン・ソース間の等電位線分布を均一化しない。逆に、敢えて偏在させる点に特徴がある。
本発明の第1の半導体装置は、第1導電型半導体層と、その第1導電型半導体層上に積層された第2導電型半導体層と、その第2導電型半導体層内に形成された第1導電型のボディ領域と、そのボディ領域内に形成された第2導電型のソース領域と、第2導電型半導体層内においてボディ領域から離反した位置に形成された第2導電型のドレイン領域と、ソース領域に接触するソース電極と、第2導電型半導体層とソース領域の間に介在するボディ領域にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極と、ドレイン領域に接触するドレイン電極とを有している。
本発明の半導体装置は、耐圧を高めるために、ボディ領域からドレイン領域に向けて第2導電型半導体層の表面に沿って伸びる第1導電型のトップ層を有している。そのトップ層はボディ領域には接してドレイン領域からは離反しており、ソース電極とドレイン電極間に電圧が印加されてゲート電極にオフ電圧が印加されたときに第2導電型半導体層内に形成される等電位線分布が、表面にトップ層が形成されている第2導電型半導体層内に偏在していることを特徴としている。
第1導電型半導体層は半導体基板で構成されることが多いが、半導体基板上に結晶成長した層で構成してもよい。第2導電型半導体層はエキタピシャル層で構成されることが多いが、その他手法(例えばイオン注入)で形成された半導体層で構成してもよい。第2導電型半導体層は、ボディ領域を完全に取囲む必要はなく、ボディ領域と第1導電型半導体層が接触していることが好ましい。ボディ領域は、ソース領域と第2導電型半導体層が直接接触することを禁止することが重要であり、ソース領域と第2導電型半導体層の間に介在している。
本発明の半導体装置の一つの特徴は、リサーフ効果を実現するトップ層がドレイン領域にまでは達せず、ドレイン領域から所定の間隔をあけて離反していることである。トップ層がドレイン領域から離反しているために、半導体装置をオフした状態でソース電極とドレイン電極間に電圧を印加したときに形成させる等電位線分布が、表面にトップ層が形成されている第2導電型半導体層内に偏在する。
なお、前記した所定間隔は、第2導電型半導体層やトップ層の不純物濃度や層厚などによってその最適値が変わるために、第2導電型半導体層やトップ層の構成に合わして適宜調整するのが好ましい。
上記の半導体装置のオフ状態では、表面にトップ層が形成されている第2導電型半導体層内に等電位線分布が偏在する。等電位線分布が偏在しても、第2導電型半導体層表面の最大電界強度が、半導体装置の許容値を超えるまで上昇することはない。最大電界強度は増大せず、表面にトップ層が形成されている範囲の電界強度分布が一様に大きくなるために、トップ層の長さが短くされたにもかかわらず、従来の半導体装置と同等のオフ耐圧を維持することができる。
一方、トップ層が形成されていないドレイン領域側では、等電位線分布が疎になっており電界強度が小さい。この場合、半導体装置がオンされてドレイン・ソース間に電流が流れ、そのキャリアによって第2導電型半導体層内のキャリアバランスが崩れても、ドレイン領域近傍に等電位線が集中して過度に大きな電界強度が現われることがない。半導体装置のオン状態において、オンアバランシェ降伏がおきることが防止され、オン耐圧を向上することができる。
このことより、上記の半導体装置では、寸法を大きくすることなく、所望のオフ耐圧特性とオン耐圧特性の両方を具備した半導体装置を実現することができる。
本発明の半導体装置の特徴は、ゲート電極にオフ電圧が印加された状態でソース・ドレイン間に電圧が印加したときに形成される等電位線分布が、表面にトップ層が形成されている第2導電型半導体層内に偏在することであるが、表面にトップ層が形成されている範囲内では等電位線分布が均質化されていることが好ましい。
このためには、表面にトップ層が形成されている第2導電型半導体層のリサーフ条件が最適化されるように、トップ層の不純物濃度及び/又は層厚が設定されていることが好ましい。
リサーフ条件には、トップ層の不純物濃度と層厚と第2導電型半導体層の不純物濃度と層厚の相対的関係が関係する。したがって、トップ層と第2導電型半導体層のいずれか一方の不純物濃度と層厚を他方に合わして適値に設定することによってリサーフ条件に調整することができる。
トップ層の長さは、ボディ領域とドレイン領域の間隔の長さの0.7倍以下であることが好ましい。
第2導電型半導体層の表面に形成されるトップ層が上記の範囲で形成されていると、オン状態において過渡的に大きな電流が流れた場合でも、インパクトイオンの発生する箇所をドレイン領域から十分に偏移させることが可能になり、効果的にオン耐圧特性を向上させることができる。
また、トップ層の長さは、ボディ領域とドレイン領域の間隔の長さの0.5以上あることが好ましい。この場合、従来の半導体装置と同等のオフ耐圧を確保しながらオン耐圧を向上させることができる。
トップ層をキャリアの経路に利用することもできる。
本発明の第2の半導体装置は、この形式のものであり、第1導電型半導体層と、その第1導電型半導体層上に積層された第2導電型半導体層と、その第2導電型半導体層内に形成された第2導電型のボディ領域と、そのボディ領域内に形成された第1導電型のソース領域と、第2導電型半導体層内においてボディ領域から離反した位置に形成された第1導電型のドレイン領域と、ドレイン領域からボディ領域に向けて前記第2導電型半導体層の表面に沿って伸びている第1導電型のトップ層を備えている。トップ層は、ドレイン領域に接している。
ソース領域にはソース電極が接触しており、トップ層とソース領域の間に介在するボディ領域と第2導電型半導体層にはゲート絶縁膜を介してゲート電極が対向しており、ドレイン領域にドレイン電極が接触している。
トップ層は、ドレイン領域に接してボディ領域に向けて伸びる第1トップ層と、その第1トップ層のボディ側端部からボディ領域に向けてさらに伸びる第2トップ層を備えている。第2トップ層の不純物濃度は第1トップ層の不純物濃度よりも低く形成されている。
ソース電極とドレイン電極間に電圧が印加されてゲート電極にオフ電圧が印加されたときに第2導電型半導体層内に形成される等電位線分布は、表面に第1トップ層が形成されている第2導電型半導体層内に偏在していることを特徴とする。
上記の半導体装置では、ソース電極に高電位を印加し、ドレイン電極に低電位を印加すし、トップ層がキャリアの流れるドリフト領域となる。この結果、本発明の第2の半導体装置の電界強度分布は、本発明の第1の半導体装置の場合と実質的に同一の分布となる。本発明の第2の半導体装置は、高いオフ耐圧特性と高いオン耐圧特性の両方を具備する。
本発明の第1の半導体装置と第2の半導体装置は、同一導電型の半導体基板上に形成することができる。すなわち、同一半導体基板上にn型チャネルの半導体装置とp型チャネルの半導体装置を容易に形成することができる。同一半導体基板上にn型チャネルの半導体装置とp型チャネルの半導体装置を形成することができれば、高電圧側回路と低電圧回路の間で用いられるレベルシフト用のICを生産することが可能となる。
本発明は、電界効果トランジスタのみならず、ダイオードにも利用できる。本発明の半導体装置は、一般的に、第1導電型半導体層と、その第1導電型半導体層上に積層された第2導電型半導体層と、その第2導電型半導体層内に形成された第1導電型の局所領域と、その第2導電型半導体層内において第1導電型局所領域から離反した位置に形成された第2導電型の局所領域と、その第2導電型半導体層の表面に沿って第1導電型局所領域から第2導電型局所領域に向けて伸びる第1導電型のトップ層を有している。
トップ層は第1導電型局所領域に接して第2導電型局所領域から離反しており、第1導電型局所領域と第2導電型局所領域間に逆バイアス電圧が印加されたときに第2導電型半導体層内に形成される等電位線分布が、表面にトップ層が形成されている第2導電型半導体層内に偏在していることを特徴とする。
第1導電型の局所領域は、ボディ領域であったりドレイン領域であったりアノード領域であったりする。第2導電型の局所領域は、ドレイン領域であったりボディ領域であったりカソード領域であったりする。
いずれの場合でも、第1導電型局所領域と第2導電型局所領域の間に逆バイアス電圧が印加されると、第2導電型半導体層の表面側の電界強度分布は、表面にトップ層が形成されている箇所に偏在することになる。このことが、高いオン耐圧特性を実現する。
トップ層の長さは、第1導電型局所領域と第2導電型局所領域の間隔の長さの0.7倍以下であることが好ましい。
実験によって、第2導電型半導体層の表面側と裏面側の電界強度分布がバランスよく緩和され、高い耐圧が得られることが検証されている。
本発明の半導体装置によれば、半導体装置の寸法を大きくすることなく、従来のこの種の半導体装置と同等のオフ耐圧特性を維持しつつ、オン耐圧特性を向上させる。
最初に実施例の主要な特徴を列記する。
(実施形態1) 第1導電型半導体層は半導体基板で構成され、第2導電型半導体層はエピタキシャル層で構成され、エピタキシャル層がキャリアの流れるドリフト領域として機能する。そのエピタキシャル層の表面にトップ層が形成されている。
(実施形態2) 第1導電型半導体層は半導体基板で構成され、第2導電型半導体層はエピタキシャル層で構成され、エピタキシャル層の表面にトップ層が形成されている。トップ層がキャリアの流れるドリフト領域として機能する。
(実施形態3) トップ層の不純物濃度は、ボディ領域からドレイン領域に向けて一様である。
(実施形態4) トップ層の層厚は、ボディ領域からドレイン領域に向けて一様である。
(実施形態5) ボディ領域とドレイン領域の間隙の一部にトップ層が形成され、そのトップ層と表面に露出する第2導電型半導体層の表面は、絶縁層で被覆されている。
(実施形態6) ソース電極は、その絶縁層上まで伸びている。
(実施形態7) トップ層にキャリアが流れない半導体装置と、トップ層にキャリアが流れる半導体装置が同一の半導体基板に形成され、レベルシフト回路を構成する。
以下に本発明を具現化した半導体装置の実施例を、図面を参照して説明する。なお導電型のp型とn型は特に限定するものではなく、逆の導電型の構成であっても実施可能である。
(第1実施例) 図1には、本発明の第1実施例の半導体装置2の要部断面図が示されている。第1実施例の半導体装置2は、p型(第1導電型)の半導体基板110と、その上にエピタキシャル成長して積層されたn型(第2導電型)の単結晶シリコンからなるエピタキシャル層120と、そのエピタキシャル層120内に形成されたp型(第1導電型)のボディ領域150と、ボディ領域150内に形成されたn型(第2導電型)のソース領域160と、ボディ領域150内に形成されたp型(第1導電型)のボディコンタクト領域190と、エピタキシャル層120内においてボディ領域150から離反した位置に形成されているn型(第2導電型)のドレイン領域140を備えている。
ソース領域160とボディコンタクト領域190にソース電極Sが接触している。エピタキシャル層120とソース領域160の間に介在するボディ領域150には、ゲート絶縁膜171を介してゲート電極170が向い合っている。ドレイン領域140にはドレイン電極Dが接触している。
ボディ領域150からドレイン領域140に向けて、エピタキシャル層120の表面に沿って、p型(第1導電型)のトップ層180が伸びている。トップ層180は、ボディ領域150に接してドレイン領域140からは所定の間隔をあけて離反している。
ボディ領域150とドレイン領域140間のエピタキシャル層120とトップ層180の表面にLOCOS酸化膜131が形成されており、さらにそのLOCOS酸化膜131上に絶縁層130が形成されている。LOCOS酸化膜131と絶縁膜130を合わせた層厚は数μmになる。
半導体基板110の比抵抗と不純物濃度は半導体装置の耐圧に影響し、比抵抗が大きく不純物濃度が小さいほど半導体装置の耐圧は大きくなる。例えば、所望する半導体装置2の耐圧が約1200Vである場合、基板110の比抵抗は約150Ωcmに設定するのが好適である。
エピタキシャル層120はドリフト領域となり、キャリアが流れる経路となる。エピタキシャル層120の不純物濃度は約1〜30×1014cm−3であり、好ましくは7×1014cm−3であり、その層厚は約10〜30μmであり、好ましくは28μmである。エピタキシャル層120の不純物濃度と層厚の積は、表面にトップ層180が形成されている領域において空乏化して所謂リサーフ効果が得られる値に設定されている。なお、トップ層180がドレイン領域140に接して形成されている場合(従来の半導体装置1)の所謂リサーフ効果が得られる値と比較すると、本実施例の半導体装置2のリサーフ効果が得られる値は異なっている。
エピタキシャル層120に代えて、半導体基板110の上部にn型の不純物をドープして、第2導電型の半導体層を形成してもよい。n型の半導体結晶層であればよい。
本実施例では、ボディ領域150がゲート電極170の下方において2分されており、ドレイン領域140から遠い側のボディ領域150は半導体基板110と電気的に接続している。ソース領域160と、ボディコンタクト領域190と、ボディ領域150と、半導体基板110と、トップ層180は、ソース電極Sに接触している。
ボディ領域150は、エピタキシャル層120に、例えばボロンをイオン注入して形成され、そのドーズ量は1×1013cm−2のオーダーであり、その接合深さは数μmである。
ドレイン領域140は、エピタキシャル層120に、例えばリンをイオン注入されて形成されており、その表面の不純物濃度は約1×1020cm−3であり、その接合深さは1μm程度である。
ソース領域160は、ボディ領域150に、リンをイオン注入することよって形成され、表面の不純物濃度が約1×1020cm−3である。
ボディコンタクト領域190は、ボディ領域150に、ボロンをイオン注入することよって形成され、表面の不純物濃度が約1×1020cm−3である。
p型のトップ層180は、エピタキシャル層120に、例えばボロンをイオン注入することによって形成され、そのドーズ量は約1×1012cm−2であり、その接合深さは数μmである。
トップ層180は、ドレイン領域140とボディ領域150の間隙に選択的に形成されている。トップ層180は、ボディ領域150に接しており、ドレイン領域140からは離反している。トップ層180がドレイン領域140から離反する長さは、半導体装置2の耐圧に影響するので、適宜調節する必要がある。トップ層180はボディ領域150に直接接触していてもよいし、間接的に接触していてもよいが、トップ層180がフローティング状態にならないように、ボディ領域150に接触している。
エピタキシャル層120とソース領域160の間に介在するボディ領域150の表面はゲート絶縁膜171に覆われ、ゲート絶縁膜171上にポリシリコンからなるゲート電極170が形成されている。ゲート絶縁膜171の層厚は、数十nm〜数百nmの厚みで形成されている。ゲート電極170にオン電圧が印加されると、ゲート電極170に対向するボディ領域150はn型に反転してn型チャネルが形成され、n型ソース領域160とn型ドレイン領域140が、n型チャネルとn型ドリフト領域(n型エピタキシャル層120)を介して導通する。
ソース電極Sは、例えばアルミで形成され、n型ソース領域160とp型のボディコンタクト領域190に接触している。ボディコンタクト領域190がソース電位に固定されるために、ボディ領域150、半導体基板110、トップ層180がソース電極に接続される。ソース電極Sのアルミ配線は、ドレイン領域140に向けて約15μmの長さで絶縁膜130上に伸びている。絶縁膜130上の一部を覆うように伸びるソース電極Sは、フィールドプレートとして機能し、LOCOS酸化膜131のバーズピーク(ボディ領域150に向けて厚みが減少している領域)直下における半導体層に電界が集中するのを緩和する。
図2には、第1実施例の半導体装置2のゲート電極170にオフ電位(0V)を印加し、ソース電極Sを接地し、ドレイン電極Dに正電圧が印加された場合に、半導体装置2がブレークダウンしたときの等電位線分布が模式的に示されている。なお、ボディ領域150からドレイン領域140までの横方向の長さは125μmであり、トップ層180の長さはボディ領域160から横方向へ85μmの長さで形成されている。
図13で例示した従来の半導体装置1と比較すれば、等電位線分布が明白に異なることが分かる。従来の半導体装置1では、エピタキシャル層の表面側における等電位線が等間隔で形成されて電界強度が均一化されるのに対し、第1実施例の半導体装置2では、エピタキシャル層120の表面側における等電位線が等間隔では形成されず、電界強度が均一化されない。
図3(a)には、図2のA−A’線に沿った電界強度分布(エピタキシャル層の表面側における電界強度分布にほぼ等しい)が概念的に示されている。図3(a)に示す破線は、図14に例示した従来の半導体装置1において得られる、図2のA−A’線に沿った電界強度分布である。図の縦軸が電界強度の大きさを示している。
第1実施例の半導体装置2では、従来の半導体装置1に比して、ボディ領域150側に電界強度が高くなっており、とくにトップ層180に対応する領域では広い範囲において電界強度が高くなっている。広い範囲で電界強度が高くなっているが、電界強度の最大値はあまり増大しない。
一方、ドレイン領域140側では電界強度はほとんど無い状態である。この領域はアバランシェ降伏の発生が生じ易いが、半導体装置2では電界強度の無い状態なのでブレークダウンの発生を効果的に抑制することができる。第1実施例の半導体装置2では、従来の半導体装置1のように、半導体装置の表面に沿った全領域に亘って電界強度の分布を均一にするのではなく、ドレイン領域140側では低くし、ソース領域160側では高くする。
この結果、本実施例の半導体装置2は、従来の半導体装置1と同等の電界を保持するためオフ耐圧は維持されている。
図3(b)には、図2のB−B’線に沿った電界強度分布(エピタキシャル層の裏面側における電界強度分布にほぼ等しい)が示されている。図3に示す破線は、図14に例示した従来の半導体装置1において得られる、図2のB−B’線に沿った電界強度分布を示す。
第1実施例の半導体装置2は、従来の半導体装置1に比して、半導体基板110とエピタキシャル層120のpn接合面の広い範囲に亘って比較的大きな電界強度が分布していることが分かる。とくにトップ層180を形成していない領域の下方の広い範囲に亘って電界強度が分散している。
従来の半導体装置1によると、図3(b)の破線に示すように、ドレイン領域下層のpn接合面に電界が集中するのに対し、第1実施例の半導体装置2によると、図3(b)の実線に示すように、pn接合面の広い範囲に亘って電界強度が均一化される。本実施例ではエピタキシャル層120の裏面側のpn接合面において電界集中を緩和するという効果を有する。
図4には、トップ層の長さと不純物濃度に対するブレークダウン電圧の関係が示されている。なお、トップ層以外の半導体装置の基本的な構成は図1に示す半導体装置2と同一である。図中のgの表面不純物濃度は3.0×1015cm-3であり、図中のhは4.0×1015cm-3であり、図中のiは5.0×1015cm-3である。図中のgのトップ層180の不純物濃度は、トップ層180がドレイン領域140に接している場合に、エピタキシャル層120においてリサーフ効果が得られる場合の不純物濃度に設定されている。したがって、図中のgの右端は従来の半導体装置に対応しており、その設定値においてトップ層180を短くしていった結果である。
図4のgの結果から、トップ層180がドレイン領域140に接している状態のリサーフ条件を維持しながら、トップ層180を短くしていくとオフ耐圧は劣化することが分かる。つまり、従来の半導体装置1では、トップ層の長さが短くなるほどオフ耐圧が低下する。
一方、図中のhとiの結果から、トップ層180をドレイン領域140から離反させた場合には、トップ層180の不純物濃度を高く設定することで従来の半導体装置1(図中gの右端に対応)と同等のオフ耐圧を維持できることが分かる。
トップ層180がドレイン領域140から離反している場合では、トップ層180の不純物濃度を高くすることが好ましい。トップ層180の不純物濃度を高く設定することで、エピタキシャル層120の表面にトップ層180が形成されている領域でリサーフ効果が得られる条件に調整することができる。このように、エピタキシャル層120の表面にトップ層180が形成されている領域でリサーフ効果が得られる条件で設定されていると、その領域で電界強度が均一化され、従来と同等のオフ耐圧を実現する(図3で説明されている)。なお、離反するトップ層180の領域において、リサーフ効果を得られるように調整するには、トップ層180の不純物濃度を高くする以外に、トップ層180の層厚を調整したり、またエピタキシャル層120の不純物濃度や層厚を調整したりして対処してもよい。またトップ層180とエピタキシャル層120の両方を調整して対処してもよい。
なお、トップ層180の長さが短すぎてもオフ耐圧は低下する。実験によって、トップ層180の長さが、ボディ領域150とドレイン領域140の間隔の長さのおよそ55〜70%のときに、従来と同等のオフ耐圧が得られることが判明している。
なお、トップ層180がドレイン領域140から離反した場合において、トップ層180やエピタキシャル層120などの不純物濃度や層厚などを最適化した場合には、オフ耐圧が従来の半導体装置1に比して向上し得ることも実験的に検証されている。
図5には、従来の半導体装置1と第1実施例の半導体装置2のゲート電極にオン電位(15V)を印加し、ソース電極を接地し、ドレイン電極D1000Vの正電圧を印加されたときのブレークダウンの発生指標であるインパクトイオン化率の分布が模式的に示されている。図5(a)は従来の半導体装置1の要部拡大断面図であり、図5(b)は第1実施例の半導体装置2の要部拡大断面図である。なお、図中の破線で囲まれた領域でインパクトイオン化率は高くなっている。
従来の半導体装置1のインパクトイオン化率分布は、電界強度の高い領域に対応して、ドレイン領域40近傍で高くなっている。一方、図5(b)に示す第1実施例の半導体装置2では、図5(a)に示す従来の半導体装置1に比して、インパクトイオン化率の高い領域がドレイン領域140側から離れて偏移していることが分かる。これは電界集中がドレイン領域140側で緩和されたことによる影響と考えられる。ブレークダウンの発生する箇所がドレイン領域140側から離れた位置に偏移するため、オン耐圧は向上する。なお、ゲート電極170に印加するオン電圧の大きさに関係なく、インパクトイオン化率の分布は、従来の半導体装置に比してドレイン領域側から離れた位置に偏移することになる。
図6の縦軸には、従来の半導体装置1と第1実施例の半導体装置2を流れるドレイン電流(Id)の大きさが示されており、横軸にはドレイン・ソース間の電圧(Vd)の大きさが示されている。
図6には、ゲート電圧を変化させたときの複数のグラフが示されている。図6中のグラフa、b、cが、第1実施例の半導体装置2の場合のグラフであり、ゲート電圧が5、10、15Vに対応している。図6中のグラフd、e、fが、従来の半導体装置1の場合のグラフであり、ゲート電圧が5、10、15Vに対応している。
図6において、急激に電流が増大するドレイン・ソース間の電圧(Vd)で半導体装置にブレークダウンが発生しており、この場合、そのドレイン・ソース間の電圧がオン耐圧となる。
図6から、ゲート・ソース間の電圧が、5、10、15Vのいずれの場合においても、第1実施例の半導体装置2の方が従来の半導体装置1のオン耐圧よりも高い値になっている。ゲート電圧が15Vのときを比較すると、従来の半導体装置1のオン耐圧は1065Vであるのに対し、第1実施例の半導体装置2のオン耐圧は1420Vであった。第1実施例の半導体装置2は従来の半導体装置1に比してオン耐圧が大幅に向上できる。
従来の半導体装置1でオフ耐圧やオン耐圧の向上を図ろうとすると、ボディ領域とドレイン領域の間隔を長くする必要があった。その結果、半導体装置は大型化し、オン抵抗が増大する。第1実施例の半導体装置2では、ボディ領域150とドレイン領域140の間隔を長くしないでもオフ耐圧を維持しながら、オン耐圧を向上することができる。半導体装置を大型化する必要がなく、オン抵抗の増大も抑制できる。
半導体装置2のトップ層180は、ドレイン領域140と離反して形成されている。トップ層180が形成されていない領域では、従来の半導体装置に比してエピタキシャル層120が広く形成されている。エピタキシャル層120はキャリアの流れる領域であり、電流経路が広く確保されることになる。半導体装置2はオン抵抗が低く、大電流動作に適している。
第1実施例の半導体装置2では、トップ層180に水平方向の濃度勾配を形成する必要がなく、ボディ領域150側からドレイン領域140側まで一様な濃度で伸びていればよい。トップ層180を形成するためのイオン注入は1回の工程ですむ。
第1実施例の半導体装置2によれば、ボディ領域150からドレイン領域140に向けて伸びるトップ層180に不純物濃度の勾配を形成したり、トップ層180の層厚に段差を設ける等の煩雑な工程を必要とせず、シンプルな構造で所望のオフ耐圧を維持しながら、オン耐圧を向上させることができる。
(第2実施例) 図7には、第2実施例の半導体装置3の要部断面図が示されている。第2実施例の半導体装置3は、p型(第1導電型)の半導体基板115と、その上にエピタキシャル成長して積層されたn型(第2導電型)のエピタキシャル層125と、エピタキシャル層125内に形成されたn型(第2導電型)のボディ領域155と、ボディ領域155内に形成されたp型(第1導電型)のソース領域165と、ボディ領域155内に形成されたn型(第2導電型)のボディコンタクト領域195と、エピタキシャル層125内においてボディ領域155から離反した位置に形成されているp型(第1導電型)のドレイン領域145を備えている。なお、ボディ領域155は、エピタキシャル層125と同一の導電型で不純物濃度が高い領域をいう。したがって、ボディ領域155とエピタキシャル層125の境界は不明確であり、図中ではボディ領域155を破線で示されている。
ドレイン領域145からボディ領域155に向けて、エピタキシャル層125の表面に沿って、p型(第1導電型)の第1トップ層185と第2トップ層186が伸びている。トップ層185,186は、ドレイン領域145に接している。ボディ領域155とエピタキシャル層125の境界が不明確なので、そのトップ層185、186がボディ層155に接しているとも言えるし、また離反しているとも言える。
ソース領域165とボディコンタクト領域195にソース電極Sが接触している。ソース領域165と第2トップ層186の間に介在するボディ領域155とエピタキシャル層125には、ゲート絶縁膜176を介してゲート電極175が向い合っている。ドレイン領域145にはドレイン電極Dが接触している。エピタキシャル層125の不純物濃度は約1〜30×1014cm−3であり、その層厚は約10〜30μmである。
第2実施例の半導体装置3の半導体基板115とエピタキシャル層125は、第1実施例の半導体装置2の半導体基板110とエピタキシャル層120と同一のものを用いることができる。
ボディ領域155は、エピタキシャル層125に、例えばリンをイオン注入して形成され、そのドーズ量は1×1013cm−2のオーダーであり、その接合深さは数μmである。
ドレイン領域145は、エピタキシャル層125に、例えばボロンをイオン注入されて形成されており、その表面の不純物濃度は約1×1020cm−3であり、その接合深さは数μmである。
ソース領域165は、ボディ領域155に、ボロンをイオン注入することよって形成され、表面の不純物濃度が約1×1020cm−3である。
ボディコンタクト領域195は、ボディ領域155に、リンをイオン注入することよって形成され、表面の不純物濃度が約1×1020cm−3である。
型の第1トップ層185がエピタキシャル層125の表面に形成されている。第1トップ層185は、エピタキシャル層120に、例えばボロンをイオン注入することによって形成され、そのドーズ量は約1×1012cm−2であり、その接合深さは数μmである。
第1トップ層185は、ドレイン領域145とボディ領域155の間隙に選択的に形成されている。第1トップ層185は、ドレイン領域145に接しており、ボディ領域155からは離反している。
第1トップ層185のボディ領域155側の端部から、ボディ領域155に向けて第2トップ層186が形成されている。第2トップ層186は、ボディ領域155から所定の間隔で離反している。
第2トップ層185は、エピタキシャル層120に、例えばボロンをイオン注入することによって形成され、その不純物濃度は第1トップ層185よりも低く、その接合深さは第1トップ層185よりも浅い。
トップ層185、186は、直接又は間接的にドレイン領域145に接触し、ドレイン電位に固定される。半導体基板115もドレイン電位に維持される。
ソース領域165と第2トップ層186の間に介在するボディ領域155の表面とエピタキシャル層125の表面はゲート絶縁膜176に覆われ、ゲート絶縁膜176上にポリシリコンからなるゲート電極175が形成されている。ゲート絶縁膜176の層厚は、数十nm〜数百nmの厚みで形成されている。
ゲート電極175にオン電位が印加されると、ゲート電極175に対向するボディ領域155とエピタキシャル層125はp型に反転してp型チャネルが形成され、p型ソース領域165とp型ドレイン領域145が、p型チャネルと第2トップ層186と第1トップ層185を介して導通する。
図8にブレークダウンの指標であるインパクトイオン化率の分布を示す。(a)(b)ともに、ドレイン領域145からボディ領域155までの横方向の間隔の長さは140μmであり、(a)では一様な厚さと不純物濃度を持つトップ層185がドレイン領域145からボディ領域155に向けて125μmの長さに亘って形成されており、(b)では(a)と同一の厚さと不純物濃度を持つ第1トップ層185がドレイン領域145からボディ領域155に向けて85μmの長さに亘って形成されており、さらに第2トップ層186がボディ領域155に向けて40μmの長さに亘って形成されている。
この実験例では、ゲート電極に−15Vのオン電位が印加され(オン状態)、ドレイン−ソース間に−1000Vの電圧が印加されている。図中の破線で囲まれた領域がインパクトイオン化率の高い領域である。
図8(a)の場合、インパクトイオン化率の高い領域は、トップ層185のうちドレイン領域145の近傍の位置に形成されている。一方、図8(b)に示す半導体装置では、第2トップ層186を設けることでインパクトイオン化率の高い領域がドレイン領域145近傍から離れた位置に偏移している。これは電界強度の分布が偏移した影響であると考えられる。インパクトイオン化率の高い領域がドレイン領域145から離れた位置に偏移したことで半導体装置のオン耐圧は向上する。なお、ゲート電極175に印加するオン電圧の大きさに関係なく、インパクトイオン化率の分布は、第2トップ層186を形成することによって、第2トップ層186が形成されていない場合に比して、ドレイン領域145側から離れた位置に偏移することになる。
図9には、縦軸にドレイン電流(Id)の大きさが示されており、横軸にドレイン・ソース間の電圧(Vd)の大きさが示されている。ドレイン電流(Id)の絶対値は、図面下方に向かうほど大きく、ドレイン・ソース間の電圧(Vd)の絶対値は、図面左方に向かうほど大きい。
図9(a)は図8(a)の構造による場合を示し、図9(b)は図8(b)の構造による場合を示す。図9(b)には第2トップ層の不純物濃度が1.5×1015cm−3の場合と2.0×1015cm−3の場合が示されている。複数のグラフは、オン電位を変えた場合の特性を示している。
図9(a)中のj、k、lは、それぞれオン電位が−5、−10、−15Vの場合に対応している。図9(b)中のm、n、oは、第2トップ層186の不純物濃度が1.5×1015cm−3であって、ゲート電圧が−5、−10、−15Vの場合に対応している。図9(b)中のp、q、rは、第2トップ層186の不純物濃度が2.0×1015cm−3であって、ゲート電圧が−5、−10、−15Vの場合に対応している。
図9において急激に電流が増大する点で、半導体装置にブレークダウンが発生しており、この場合、そのドレイン−ソース間の電圧がオン耐圧となる。
図9(a)に示すように、第2トップ層186を設けない場合は、ゲート電極に印加するオン電圧が小さくなるに伴い、オン耐圧は小さくなっており、とくにゲート電圧が−10と−15Vでは、著しくオン耐圧は小さい。一方、第2トップ層を設けた場合、ゲート電極に印加するオン電圧が小さい場合でも、高いオン耐圧を維持してことが分かる。また第2トップ層の不純物濃度は低い方がオン耐圧は向上する。これは、第1実施例の半導体装置2のトップ層180の場合に対応させれば理解できる。つまり、第2実施例の半導体装置3のオン耐圧が向上する事象が、第1実施例の半導体装置2と同様であると考えられる。なお、第2トップ層186を形成しない場合と、第2トップ層の不純物濃度が1.5×1015cm−3の場合で、オン電圧が−15Vのときのオン耐圧を比較すると、第2トップ層186を設けない場合のオン耐圧は−500Vであるのに対し、第2トップ層186を設けた場合のオン耐圧は−1200Vであった。
(第3実施例) 図10には、第3実施例の半導体装置4(ダイオード)の要部断面図が示されている。半導体装置4は、p型(第1導電型)の半導体基板210と、その半導体基板210に積層されたn型(第2導電型)のエピタキシャル層220と、そのエピタキシャル層220内に形成されたp型のアノード領域250と、そのエピタキシャル層220内においてp型のアノード領域250から離反した位置に形成されたn型のカソード領域240と、そのエピタキシャル層220の表面に沿って、前記アノード領域250から前記カソード領域240に向けて伸びるトップ層280を有している。
カソード領域240とアノード領域250間の半導体層の表面は、絶縁層230で被覆されている。
カソード領域240にはカソード電極が接続され、アノード領域250にはアノード電極が接続されている。p型の半導体基板210と、p型(第1導電型)のトップ層280は、アノード領域250と同電位に維持されている。
トップ層280はアノード領域250に接触してカソード領域240からは所定の間隔をあけて離反している。
アノード電極を接地し、カソード電極に正電圧を印加すると(逆バイアス状態)、アノード領域250とエピタキシャル層220のpn接合と、トップ層280とエピタキシャル層220のpn接合と、基板210とエピタキシャル層220のpn接合からエピタキシャル層220に空乏層が広がる。
図11には、第3実施例のダイオードに逆バイアス電圧が印加されたときの等電位線分布が模式的に示されている。エピタキシャル層220の表面側では、アノード領域250側に等電位線分布が密になり、カソード領域240側の等電位線分布は疎になっていることがわかる。また、エピタキシャル層220の裏面側では半導体基板210とのpn接合面の広い範囲に亘って電界強度が分布していることがわかる。第1実施例の半導体装置2の等電位線分布と実質同様な結果が得られている。
第3実施例のダイオードは、第1実施例の半導体装置2と比較すると、ゲート電極やゲート絶縁膜等を備えていない。しかしながら、ダイオードにおいても、アノード領域250側に偏在するトップ層280を利用することによって等電位線分布の偏移が生じ、エピタキシャル層220の裏面側の電界強度が緩和される事象は同様に生じる。第3実施例のダイオードにおいても、アノード領域250側に偏在するトップ層280を利用することによって、耐圧が向上する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
第1実施例の半導体装置2の要部断面図を示す。 第1実施例の半導体装置2の等電位線分布を示す。 (a)第1実施例の半導体装置2の半導体装置表面部における電界強度を示す。(b)第1実施例の半導体装置2の基板とエピタキシャル層の界面近傍における電界強度を示す。 第1実施例のトップ層の長さと耐圧の関係を示す。 (a)従来の半導体装置1のインパクトイオン化率の高い領域を示す。(b)第1実施例の半導体装置2のインパクトイオン化率の高い領域を示す。 従来の半導体装置1と第1実施例の半導体装置2のドレイン・ソース間電圧とドレイン電流の関係を示す。 第2実施例の半導体装置3の要部断面図を示す。 (a)第2トップ層を設けない場合のインパクトイオン化率の高い領域を示す。(b)第2実施例の半導体装置3のインパクトイオン化率の高い領域を示す。 (a)第2実施例の第2トップ層を設けない場合のドレイン・ソース間電圧とドレイン電流の関係を示す。(b)第2実施例の半導体装置3のドレイン・ソース間電圧とドレイン電流の関係を示す。 第3実施例のダイオードの要部断面図を示す。 第3実施例の等電位線分布を示す。 従来の半導体装置1の要部断面図を示す。 (A)従来の半導体装置1の等電位線分布を示す。(B)従来の半導体装置1の半導体装置表面部での電界強度を示す。 特許文献1の半導体装置のトップ層と半導体装置表面部での電界強度を示す。
符号の説明
110:半導体基板
120:エピタキシャル層
130:絶縁層
140:ドレイン領域
150:ボディ領域
160:ソース領域
170:ゲート電極
171:ゲート絶縁膜
180:トップ層
190:ボディコンタクト領域

Claims (7)

  1. 第1導電型半導体層と、
    その第1導電型半導体層上に積層された第2導電型半導体層と、
    その第2導電型半導体層内に形成された第1導電型のボディ領域と、
    そのボディ領域内に形成された第2導電型のソース領域と、
    前記第2導電型半導体層内において前記ボディ領域から離反した位置に形成された第2導電型のドレイン領域と、
    前記ソース領域に接触するソース電極と、
    前記第2導電型半導体層と前記ソース領域の間に介在する前記ボディ領域にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極と、
    前記ドレイン領域に接触するドレイン電極と、
    前記ボディ領域から前記ドレイン領域に向けて前記第2導電型半導体層の表面に沿って伸びる第1導電型のトップ層を有している半導体装置において、
    そのトップ層は前記ボディ領域に接して前記ドレイン領域から離反しており、
    前記ソース電極と前記ドレイン電極間に電圧が印加されて前記ゲート電極にオフ電圧が印加されたときに前記第2導電型半導体層内に形成される等電位線分布が、表面に前記トップ層が形成されている前記第2導電型半導体層内に偏在していることを特徴とする半導体装置。
  2. 表面に前記トップ層が形成されている前記第2導電型半導体層のリサーフ条件が最適化されるように、前記トップ層の不純物濃度及び/又は層厚が設定されていることを特徴とする請求項1の半導体装置。
  3. 前記トップ層の長さは、前記ボディ領域と前記ドレイン領域の間隔の長さの0.7倍以下であることを特徴とする請求項1又は2の半導体装置。
  4. 第1導電型半導体層と、
    その第1導電型半導体層上に積層された第2導電型半導体層と、
    その第2導電型半導体層内に形成された第2導電型のボディ領域と、
    そのボディ領域内に形成された第1導電型のソース領域と、
    前記第2導電型半導体層内において前記ボディ領域から離反した位置に形成された第1導電型のドレイン領域と、
    前記ドレイン領域から前記ボディ領域に向けて前記第2導電型半導体層の表面に沿って伸び、前記ドレイン領域に接している第1導電型のトップ層と、
    前記ソース領域に接触するソース電極と、
    前記トップ層と前記ソース領域の間に介在する前記ボディ領域と前記第2導電型半導体層にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極と、
    前記ドレイン領域に接触するドレイン電極とを有している半導体装置において、
    前記トップ層は、前記ドレイン領域に接して前記ボディ領域に向けて伸びる第1トップ層と、前記第1トップ層の前記ボディ側端部から前記ボディ領域に向けて伸びる第2トップ層を備え、
    その第2トップ層の不純物濃度は前記第1トップ層の不純物濃度よりも低く形成されており、
    前記ソース電極と前記ドレイン電極間に電圧が印加されて前記ゲート電極にオフ電圧が印加されたときに前記第2導電型半導体層内に形成される等電位線分布が、表面に前記第1トップ層が形成されている前記第2導電型半導体層内に偏在していることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1〜3のいずれかの半導体装置と請求項4の半導体装置が同一半導体基板に形成されていことを特徴とする半導体装置。
  6. 第1導電型半導体層と、
    その第1導電型半導体層上に積層された第2導電型半導体層と、
    その第2導電型半導体層内に形成された第1導電型の局所領域と、
    その第2導電型半導体層内において前記第1導電型局所領域から離反した位置に形成された第2導電型の局所領域と、
    その第2導電型半導体層の表面に沿って、前記第1導電型局所領域から前記第2導電型局所領域に向けて伸びる第1導電型のトップ層を有している半導体装置において、
    そのトップ層は前記第1導電型局所領域に接して前記第2導電型局所領域から離反しており、
    前記第1導電型局所領域と前記第2導電型局所領域間に逆バイアス電圧が印加されたときに前記第2導電型半導体層内に形成される等電位線分布が、表面に前記トップ層が形成されている前記第2導電型半導体層内に偏在していることを特徴とする半導体装置。
  7. 前記トップ層の長さは、前記第1導電型局所領域と前記第2導電型局所領域の間隔の長さの0.7倍以下であることを特徴とする請求項6の半導体装置。
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