以下では、本発明の動作指示信号変換装置及び動作指示信号変換システムの実施形態について図面を参照して詳説する。
(A)第1の実施形態
本実施形態は、開閉体の開動作、停動作及び停動作を指示する従来の固定式開閉体操作装置及び開閉体制御回路を用いた、動作指示信号変換装置及び動作指示信号変換システムについて説明する。
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、従来の開閉体操作装置を使用した開閉体の動作指示信号変換システムの全体構成を示す。
図1に示すように、本実施形態に係る動作指示信号変換システム1は、固定式開閉体操作装置2、動作指示信号変換装置3、開閉体制御回路4を備える。
開閉体操作装置2は、関係者の操作により開閉体に動作指示信号を与える操作スイッチを有しており、開閉体の近傍に設置され得るものである。また、開閉体操作装置2は既設されている開閉体操作装置についても適用できる。
開閉体操作装置2が有する操作スイッチは、例えば、図2に示すように、開動作を指示する開スイッチ21、停動作を指示する停スイッチ22、閉動作を指示する閉スイッチ23の3点式の押しボタンスイッチ(PBS)を例として説明するが、3点式に限ることなく、1点式や2点式等他の操作スイッチにも適用できる。
各操作スイッチ21〜23は、関係者に操作されることで、電気信号を動作指示信号変換装置3に与えるものである。また、各操作スイッチ21〜23は、後述する動作指示信号変換装置3と接続することで、開閉体操作装置2が操作される際に、暗証番号を入力するための操作部としても使用されるものである。これにより、テンキー等を開閉体操作装置に備えることなく、従来又は既設の操作スイッチを用いることで暗証番号入力を可能とすることができる。
動作指示信号変換装置3は、開閉体操作装置2が操作される際に、開閉体操作装置2の各操作スイッチ21〜23から電気信号を受け取り、各操作スイッチ21〜23からの電気信号の到来パターンを検出し、その検出結果に基づいて変換した動作指示信号を開閉体制御回路4に与えるものである。
動作指示信号変換装置3は、操作スイッチ21〜23からの電気信号の到来パターンからなる暗証番号を予め登録しておき、開閉体操作装置2が操作される際に、操作スイッチ21〜23からの電気信号の到来パターンと暗証番号とが一致するか否かを判定し、その判定結果が正当である場合に関係者による操作スイッチ21〜23の操作を許可するものである。そして、その後、関係者の操作による所望の動作指示信号の到来に基づいて、開閉体制御回路4にその所望の動作指示信号を与える。
ここで、暗証番号を形成する電気信号の到来パターンは、関係者により自由に決定されるものである。
例えば、関係者の操作により、開スイッチ21が何回か押下されることにより、動作指示信号変換装置3に到来する電気信号の到来パターンや、開スイッチ21をある時間だけ押下し続けることで、その時間だけ動作指示信号変換装置3に到来する電気信号の到来パターンや、開スイッチ21と閉スイッチ23とを交互に何回か押下されること及び又はある時間だけ押下し続けることで、動作指示信号変換装置3に到来する電気信号の到来パターンや、複数のスイッチ21〜23が同時に何回か及び又はある時間だけ押下されることで、複数の電気信号が同時に動作指示信号変換装置3に到来した到来パターンや、これらを組み合わせた電気信号の到来パターンなどにより暗証番号を決定することができる。
勿論、操作される操作スイッチ21〜23の種別や、押下回数、押下時間、押下順序などは、特に限定されず広く適用することができ、種々の組み合せからなる電気信号の到来パターンを暗証番号とすることができる。
これにより、従来又は既設の開閉体操作装置2の操作スイッチを用いて、暗証番号入力を行なうことができる。
また、動作指示信号変換装置3は、図1に示すように、各操作スイッチ21〜23と接続するための開入力端子38a、停入力端子38b、閉入力端子38c及び共通線入力端子38dと、開閉体制御回路4と接続するための開出力端子39a、停出力端子39b、閉出力端子39c及び共通線出力端子39dを備える。
従って、動作指示信号変換装置3は、開閉体操作装置2及び開閉体制御回路4と端子38a〜38d及び39a〜39dで接続することができるので、従来又は既設されている開閉体操作装置2及び開閉体制御回路4にも比較的簡単な配線工事により接続することができる。
また、動作指示信号変換装置3の設置位置は、開閉体操作装置2と開閉体制御回路4との間に設置することができればどの位置であっても構わないが、悪意ある第三者による各操作スイッチ21〜23の配線の断線及び短絡作業がなされないように、例えば、制御盤内(一般的に開閉体制御回路4を収納するボックス)や人の手の届かない位置などに設置することが好ましい。
また、動作指示信号変換装置3の内部構成は、図1に示すように、制御回路部31、暗証番号を記憶する記憶部(例えば、EEPROM)32、暗証番号の登録時に使用する記憶スイッチ33、開動作用リレー回路(RU)34、停動作用リレー回路(RS)35、閉動作用リレー回路(RD)36、確認表示部37を有する。
記憶部32は、各操作スイッチ21〜23からの電気信号の到来パターンから形成される暗証番号を記憶するものであり、例えば、EEPROM等の不揮発性メモリであることが好ましい。
また、記憶スイッチ33は、暗証番号を記憶部32に登録(記憶)するための操作スイッチであり、記憶スイッチ33が接続している間、記憶部32への書き込みを可能にするものである。
ここで、暗証番号を記憶部32に登録する方法について説明する。
例えば、関係者が各操作スイッチ21〜23の押下回数とその押下順序の組み合せにより暗証番号を登録する場合について説明する。
関係者は、暗証番号を記憶部32に登録の際、記憶スイッチ33を接続した後、例えば、開スイッチ21を「3回」押下し、その後閉スイッチ23を「4回」押下し、開スイッチ21を「5回」押下し、最後に閉スイッチ23を「6回」押下する。
この関係者による各操作スイッチ21〜23の操作に応じて、記憶部32は、開スイッチ21と閉スイッチ23とから交互に受け取った「3個の開信号」、「4個の閉信号」、「5個の開信号」、「6個の閉信号」の電気信号の到来パターンを暗証番号として記憶する。
これにより、関係者は、開スイッチ21及び閉スイッチ23の押下回数と押下順序の操作により、暗証番号(「3456」)を登録することができる。
また例えば、関係者が各操作スイッチ21〜23の押下時間とその押下順序との組み合せによる暗証番号を記憶部32に登録する場合について説明する。
関係者は、記憶スイッチ33を接続した後、例えば、開スイッチ21を「3秒間」押下し、次に閉スイッチを「4秒間」押下し、その後開スイッチを「5秒間」押下し、最後に閉スイッチ「6秒間」押下する。
記憶部32は、開スイッチ21と閉スイッチ23とから交互に受け取った「3秒間の開信号」、「4秒間の閉信号」、「5秒間の開信号」、「6秒間の閉信号」の電気信号パターンを暗証番号として記憶する。
これにより、関係者は、開スイッチ21及び閉スイッチ23の押下回数と押下順序の操作により、暗証番号(「3456」)を登録することができる。
制御回路部31は、例えば、マイクロコンピュータ等が該当し、動作指示信号変換装置3の機能を制御する制御部である。制御回路部31は、少なくとも、暗証番号照合機能31a、操作制御機能31b、タイマー機能32c、確認表示制御機能31d等を備える。
暗証番号照合機能31aは、開閉体操作装置2が操作される際に、各操作スイッチ21〜23から到来した電気信号の到来パターンと、記憶部32に記憶されている暗証番号との一致・不一致を判定するものである。
また、暗証番号照合機能31aは、開閉体操作装置2による操作開始時には入力暗証番号を受け付ける状態であり、また入力暗証番号を照合し開閉体への動作指示後、すぐに入力暗証番号を受け付ける状態になる。
ここで、暗証番号が各操作スイッチ21〜23からの電気信号パターンであるから、各操作スイッチ21〜23からの電気信号のうち、どこまでが暗証番号入力に相当する電気信号パターンと判断することが判らないため、本実施形態では、停スイッチ22からの電気信号をキー信号とし、キー信号が与えられるまでの電気信号パターンを入力暗証番号とする。
従って、暗証番号照合機能31aは、停スイッチ22から電気信号を受け取るまでの、開スイッチ21及び閉スイッチ23の電気信号の到来パターンと暗証番号とを比較して判定する。
勿論、キー信号は、操作スイッチ21〜23からの電気信号のパターンが特定されるのであれば、特に限定されない。例えば、複数の操作スイッチ21〜23が同時に押下されることにより、制御回路部31に到来する電気信号をキー信号等としてもよい。
また、電気信号の到来パターンが特定できるのであれば、キー信号を備える必要はない。例えば、制御回路部31は、所定時間経過しても操作スイッチ21〜23からの電気信号が到来しない場合に、それまでに到来した電気信号の到来パターンとして暗証番号の照合を行なうようにしてもよい。
操作制御機能31bは、暗証番号照合機能31aによる判定結果が正当である場合、各操作スイッチ21〜23から受け取った電気信号(動作指示信号)に基づいて、開動作用リレー回路34、停動作用リレー回路35及び閉動作用リレー回路36の動作を制御するものである。操作制御機能31bは、入力暗証番号が正当である場合に、その後に操作スイッチ21〜23から入力した動作指示信号(電気信号)を、その動作指示信号に対応する各リレー回路34〜36に与える。これにより、関係者の所望動作を指示する動作指示信号を開閉体制御回路4に与えることができる。
タイマー機能31cは、各操作スイッチ21〜23からの暗証番号入力に係る受け付け時間を管理するものである。タイマー機能31cは、各操作スイッチ21〜23から最初の電気信号の受け取りによりタイマー計時を開始し、所定期間内に次の電気信号の入力がない場合には、その後の電気信号の到来を受け付けないようにするようにさせるものである。タイマー機能31cに設定する制限時間は、関係者が自由に設定することができる。
確認表示制御機能31dは、暗証番号照合機能31aによる暗証番号の照合結果に応じて、確認表示部37の動作を制御するものである。
確認表示部37は、例えば、警告ブザーや警告照明ランプや発光素子等が該当し、確認表示制御機能31dからの制御により、警告ブザーを鳴動させたり、警告照明ランプを照射・点灯したり、制御回路部31の動作に応じて発光素子を発光したりするものである。
確認表示部37は、同一又は異なる機能を有するものを複数個備える場合(例えば2個の警告ブザー、警告ブザーと警告照明ランプ等)も含む。
また、確認表示部37は、制御回路部31と配線接続されていれば、動作指示信号変換装置3内になくてもよく、例えば、配線長を長くし、開閉体操作装置2近傍に取り付け可能なものであってもよい。そして、確認表示部37は、例えば、暗証番号入力を必要とする場合には「赤色」発光させ、動作指示信号入力を許容する場合には「青色」発光させるなど、動作指示信号変換装置3の動作に応じて発光色を変えるようにするものである。
開動作用リレー回路34、停動作用リレー回路35及び閉動作用リレー回路36は、制御回路部31の制御により、各操作スイッチ21〜23からの電気信号(動作指示信号)により励磁し、開閉体制御回路4に動作指示信号を与えるものである。開動作用リレー回路34、停動作用リレー回路35及び閉動作用リレー回路36は、従来のリレーを適用することができる。
開閉体制御回路4は、動作指示信号変換装置3からの動作指示信号を受け取り、その受け取った動作指示信号に基づいて開閉体の動作を制御するものである。開閉体制御回路4は、例えば制御盤内に収納され得るものであり、動作指示信号に基づいて、モータ(図示しない)に対して所望の動作(正回転、逆回転、回転停止など)を実行させ、シャッターを開動作、閉動作、停止動作させる。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、既設の開閉体操作装置を使用した開閉体の動作指示信号変換システム1の動作について説明する。以下では、まず暗証番号登録の動作について説明し、その後、暗証番号照合動作を含む開閉体への操作指示動作について説明する。
(A−2−1)暗証番号登録動作
図3は、動作指示信号変換装置3に暗証番号を登録する動作のフローチャートである。以下では、関係者が各操作スイッチ21〜23の押下回数とその押下順序の組み合せからなる暗証番号を登録する場合について説明する。
暗証番号を登録する際、動作指示信号変換装置3の記憶スイッチ33が関係者により操作され、記憶部32への書き込みを許可する(S1)。
記憶スイッチ33が接続している間、各操作スイッチ21〜23は、関係者により決定された暗証番号に応じた順序や回数に応じて、関係者により操作される(S2)。
関係者の操作により、各操作スイッチ21〜23の電気信号が動作指示信号変換装置3の記憶部32に与えられ、各操作スイッチ21〜23の電気信号の組み合せからなるパターンが記憶部32に記憶される(S3)。
例えば、関係者が、開スイッチ21及び閉スイッチ23の押下順序及び押下回数からなる暗証番号を「3456」とする場合、関係者は、開スイッチ21を3回押下し、その後、閉スイッチ23を4回押下し、開スイッチ21を5回押下し、最後に閉スイッチ23を6回押下する。
関係者の操作により、開スイッチ21及び閉スイッチ23から、3個の開信号、4個の閉信号、5個の開信号及び6個の閉信号が、記憶部32に与えられ、これらの電気信号パターンが暗証番号として記憶部32に記憶される。
なお、本実施形態では、暗証番号の最初の値(上記の例では「3」に相当する値)を開信号の個数としたが、閉信号の個数から始めるようにしてもよく、いずれにするかは関係者の意思により決定できる。
例えば、暗証番号の最初の値の入力を、開閉体の動作を伴わない信号(例えば停信号)によるものとしたり、不正を意図する第三者が操作する可能性が少ない信号(例えば、開閉体が閉じている場合に、侵入防止を目的とするときには閉信号)によるものとしたりしてもよい。これにより、暗証入力が必要であることを知らない第三者は、開閉体を直接動作させる操作スイッチを操作する可能性が大きくなるため、その時点で不正を検知することができる。
各操作スイッチ21〜23の電気信号パターンが記憶部32に記憶されると、動作指示信号変換装置3の記憶スイッチ33は、関係者により切り離され、暗証番号登録が終了する(S4)。
(A−2−2)暗証番号照合動作を含む開閉体への操作指示動作
図4は、暗証番号照合動作を含む開閉体への操作指示動作を示すフローチャートである。
関係者が開閉体操作装置2を操作して、開閉体(図示しない)の動作を指示する際に、関係者は、各操作スイッチ21〜23を利用して、予め登録した暗証番号入力が必要となる。
登録暗証番号に応じて、関係者の操作により各操作スイッチ21〜23が操作され、各操作スイッチ21〜23から電気信号が動作指示信号変換装置3の制御回路部31に与えられる(S10)。
各操作スイッチ21〜23から最初の電気信号が制御回路部31に与えられると、制御回路部31におけるタイマー機能31Cが起動し、タイマー計時が開始される(S11)。
タイマー機能31cのタイマー計時が開始すると、各操作スイッチ21〜23から続いて与えられる電気信号が入力するまでの時間が管理され、次の電気信号が所定時間内に入力されないと、それ以後に到来する電気信号を受け付けないようにする。そして、タイムアップになると、確認表示制御機能31dの制御により、確認表示部37が警告ブザーの鳴動や、警告照明ランプの点灯や照射を行なう(S12及びS13)
これにより、開閉体操作装置2を使用して暗証番号入力を行なうことを知らない第三者が、当該開閉体操作装置2を勝手に操作した場合を検知することができ、第三者による開閉体操作装置2の操作を防止することができる。
また、所定時間内に各操作スイッチ21〜23から電気信号が入力すると、更に各操作スイッチ21〜23からの電気信号の入力を受け付ける(S12及びS14)。
関係者の操作により暗証番号入力が終了すると、その終了を知らせるキー信号が動作指示信号変換装置3に与えられる(S15)。
制御回路部31において、キー信号が入力され、暗証番号入力が終了した場合(S16)、そのキー信号までの電気信号パターンと、記憶部32に記憶されている暗証番号との照合が行なわれる(S17)。
また、制御回路部31において、キー信号が入力されず、暗証番号入力が終了していない場合(S16)、S12に戻り、暗証番号入力が終了するまで繰り返される。
入力暗証番号と記憶部32に記憶されている暗証番号との照合結果が不当である場合、確認表示制御機能31dの制御により、確認表示部37が警告ブザーの鳴動や、警告照明ランプの点灯や照射を行なう(S17及びS18)。
なお、暗証番号照合結果が不当である場合、所定回数の暗証番号入力の再入力処理を行うようにし、所定回数の再入力がなされてもなお照合結果が不当である場合に確認表示部37が動作するようにしてもよい。
また、入力暗証番号と記憶部32に記憶されている暗証番号との照合結果が正当である場合、動作指示信号を受け付ける(S18及びS19)。
関係者の操作により所望の操作スイッチ21〜23が操作され、動作指示信号が動作指示信号変換装置3に与えられると(S20及びS21)、動作指示信号は、制御回路部31の制御により、動作指示信号に対応する各リレー回路34〜36に与えられ、各リレー回路34〜36は動作指示信号により励磁し、動作指示信号が開閉体制御回路4に与えられる(S23)。
そして、開閉体制御回路4によりモータに対する駆動制御がなされて、関係者の所望の開閉体動作が実現される。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、従来又は既設の開閉体操作装置2と開閉体制御回路4との間に、簡単な配線工事により動作指示信号変換装置3を備えることで、従来又は既設の各操作スイッチ21〜23をそのまま利用して開閉体操作に暗証入力化を行うことができるので、開閉体操作装置2の悪意ある第三者の操作を防止することができる。
また、本実施形態によれば、各操作スイッチ21〜23をそのまま利用することができるので、新たにテンキーなどの暗証番号入力手段を必要とせず、テンキー等の番号の擦り減り等による暗証番号の解読を防ぐことができるため、開閉体操作装置2に対するセキュリティーを高めることができる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明の動作指示信号変換装置及び動作指示信号変換システムの第2の実施形態について図面を参照して説明する。
第2の実施形態は、各操作スイッチからの信号による暗証番号の照合動作を行なわせるか否かを、関係者により設定できる動作指示信号変換装置について説明する。
図5は、第2の実施形態の動作指示信号変換装置の内部構成を示す構成図である。
図5において、動作指示信号変換装置30は、第1の実施形態と同様に、開閉体操作装置2の各操作スイッチ21〜23と接続するための開入力端子38a、停入力端子38b、閉入力端子38c及び共通線入力端子38dと、開閉体制御回路4と接続するための開出力端子39a、停出力端子39b、閉出力端子39c及び共通線出力端子39dを備え、また、制御回路部31、記憶部32、記憶スイッチ33、開動作用リレー回路(RU)34、停動作用リレー回路(RS)35、閉動作用リレー回路(RD)36、確認表示部37を有する。
なお、図5において、図1の動作指示信号変換装置3と同一・対応する構成については対応する符号を付した。
第2の実施形態の動作指示信号変換装置30が、第1の実施形態の動作指示信号変換装置3と異なる点は、制御回路部31が動作モード設定部31eを備える点である。
従って、以下では、制御回路部31の構成について詳細に説明し、既に説明した構成についての詳細な説明については省略する。
図5において、制御回路部31は、暗証番号照合機能31a、操作制御機能31b、タイマー機能31c、確認表示制御機能31dの他に、新たに動作モード設定部31eを有する。
動作モード設定部31eは、関係者の操作により、入力暗証番号の照合動作を必要とする動作モードと、入力暗証番号の照合動作を必要としない動作モードとを切換える設定部である。
動作モード設定部31eは、制御回路部31により実行され得る1又は複数の動作モードである。
例えば、動作モード設定部31eは、時計機能を有しており、関係者の操作により時間・期間が設定され、その設定された時間・期間に応じて、入力暗証番号照合動作をする動作モードと入力暗証番号照合動作をしない動作モードとを自動的に切り替えるようにしてもよい。
この場合、動作モード設定部31eは、設定時間・期間にのみ入力暗証番号照合動作をするようにしてもよいし、又は設定時間・期間には入力暗証番号照合動作をせず、設定時間・期間以外に入力暗証番号照合を動作するようにしてもよい。
この動作モードの設定は、関係者のシャッターの使用態様に応じて設定することができる。動作モードの例として、例えば、平日モード、昼間モード、休日モード、夜間モード等がある。
例えば、平日モードは例えば月曜日〜金曜日に暗証番号照合動作しないモードとし、昼間モードは例えば勤務時間(例えば9時〜17時)には暗証番号照合動作しないモードとし、休日モードは例えば土・日曜日・祝日等に暗証番号照合動作するモードとし、夜間モードは例えば勤務時間外(例えば17時〜翌日9時)に暗証番号照合動作するモードとする。
また、例えば、上記の例の動作モードの設定においては、関係者は、複数の動作モードを選択できるようにしてもよい。
なお、動作モード設定部31eの変形例として、例えば、動作指示信号変換装置30の動作モードを切り替える機構的スイッチ等を適用してもよい。この場合、制御回路部31は、入力暗証番号の照合動作を行なう信号経路と、入力暗証番号の照合動作を行なわない信号経路とを有し、動作モード設定部31eがこれら2個の信号経路を切り替えるものとする。動作モード設定部31eが、操作スイッチ部が動作指示信号変換装置30上に露出しており、関係者が操作スイッチ部を切り替えることで動作モードを切り替えることができる。
動作モード設定部31eを例えば機構的なスイッチとする場合、関係者の開閉体の使用態様に応じて、開閉体操作を多く行なう時間帯や例えば平日・昼間などのように第三者による勝手な操作が行われにくい時期に、暗証番号照合動作をしない信号経路に切り替えておく。これにより、関係者による暗証番号入力の操作を行なわずに開閉体に対する操作を従来どおり操作することができる。
また、関係者が比較的開閉体操作を行なわない時間帯や例えば休日・夜間等のように第三者による操作が行われやすい時期に暗証番号照合動作をする信号経路に切り替えておく。
なお、動作モード設定部31eを例えば機構的スイッチとする場合、この機構的スイッチが第三者により操作されない位置(例えば、制御盤内の設置等)のようにすることが好ましい。
このように、第2の実施形態によれば、動作指示信号変換装置30の動作モードの設定をすることができることにより、関係者の開閉体の使用態様に応じて従来どおりの利便性を確保しつつ、悪意ある第三者により狙われやすい時間帯にのみ暗証番号照合をさせることができ、開閉体操作装置2に対するセキュリティを高めることができる。
(C)第3の実施形態
次に、本発明の動作指示信号変換装置及び動作指示信号変換システムの第3の実施形態について図面を参照して説明する。
第3の実施形態は、開閉体操作装置を、開閉装置用リモコン送信機(開閉指示入力装置)から受信した開閉装置用リモコン受信機とし、そのリモコン送信機及び受信機を用いて開閉体の開閉制御をする場合の無線指示型の動作指示信号変換システムに適用について説明する。
図6は、第3の実施形態の動作指示信号変換装置を含む動作指示信号変換システムの全体構成を示す。図6において、本実施形態の動作指示信号変換システム10は、リモコン送信機6、リモコン受信機5、動作指示信号変換装置3又は30、開閉体制御回路4を有する。
リモコン受信機5は、無線指示型の開閉システムに使用されるリモコン受信機であり、動作指示信号変換装置3又は30は、第1の実施形態又は第2の実施形態で説明した動作指示信号変換装置であって、リモコン受信機5及び開閉体制御回路4の間に備えることが可能である。
リモコン送信機6は、従来又は既設の無線指示型の開閉システムのリモコン送信機であり、リモコン送信機6の機能を制御する制御部62、関係者の操作により開閉体の開動作スイッチ、閉動作スイッチ、停動作スイッチを有する操作部63、操作部63の操作信号に基づいて原送信信号を形成する送信部61、送信信号を無線送信信号に変換して放射する送信アンテナ64を備えるものである。リモコン送信機6は、関係者の操作により操作された開閉体に対する開動作、閉動作、停動作の指示情報を含む無線電波を放射する。
また、リモコン送信機64は、操作指示時に、関係者により操作部63が操作されて、暗証番号入力されて、入力された暗証番号が放射電波として放射するものである。
原送信信号は、原送信信号の先頭を示すフラグシーケンスと、送信元であるリモコン送信機6の識別情報と、関係者の操作により送信に係る情報(開動作指示、閉動作指示、停動作指示など)を含む情報部とでなる。
リモコン送信機6の制御部62は、関係者の操作による操作信号に基づいて原送信信号を形成し、その原送信信号を所定回数だけ繰り返して送信部61に与える。
送信部61は、制御部62からの原送信信号を所定時間以内に所定個繰り返して電波として放射する。
リモコン受信機5は、既設する開閉システムのリモコン受信機であり、復調部51、受信制御部52、受信アンテナ53などを有するものである。
受信アンテナ53は、リモコン送信機6からの放射電波を捕捉し、電気信号(無線受信信号)に変換するものである。この受信アンテナ53は、リモコン送信機6からの放射電波の受信感度を考慮し、例えば、外部に突出する形式で設けられていることが望ましい。また、受信アンテナ53として、リモコン送信機6が種々の位置を取り得ることから、例えば、無指向性又は指向範囲が広いものを適用する。
復調部51は、受信アンテナ51から与えられた無線受信信号に対して復調処理を行ない、リモコン送信機6が送信しようとした原送信信号を得るものである。このリモコン送信機6から送信される原送信信号は、開閉体に対する開動作指示、閉動作指示、停動作指示等を示す情報を含むものである。復調部51は、復調した原送信信号(復調信号)を受信制御部52に与える。
受信制御部52は、復調部51からの復調信号を解読して、復調信号に含まれているリモコン送信機6の識別情報を認識し、リモコン送信機6からの操作指示を確認し、動作指示信号(開動作指示、閉動作指示、停動作指示)を形成して操作制御回路3又は30に与えるものである。
リモコン送信機6の識別情報の認識は、例えば、受信制御部52がIDメモリ(図示しない)を有しており、IDメモリとの照合により認識する。
また、操作信号の確認は、例えば、リモコン送信機6からの繰り替え放射される原送信信号について、所定時間内に同一内容の信号が所定個得られたときに、その復調信号を有効とする。
動作指示信号変換装置3又は30は、上述したように、第1及び第2の実施形態で説明したものに対応するものであり、リモコン受信機5の受信制御部52から操作信号を受け取り、その操作信号のパターンに基づいて暗証番号照合を行ない、正当な照合結果が得られた場合に、開閉体に対する動作指示信号を開閉体制御回路4に与えるものである。
以上、本実施形態によれば、動作指示信号変換装置3又は30を既設のリモコン受信機5に接続することで、リモコン操作により開閉体の動作指示するシステムにも適用することができるため、例えば、開閉体近傍にリモコン送信機を収納するリモコン送信機収納ボックスが、悪意ある第三者に破壊され、リモコン送信機を用いて開閉体を動作させるような場合に第三者によるリモコン送信機の操作を防止することができる。
(D)第4の実施形態
次に、本発明の動作指示信号変換装置及び動作指示信号変換システムの第4の実施形態について図面を参照して説明する。
第4の実施形態は、固定式開閉体操作装置と、無線指示型開閉システムにおけるリモコン受信機とに共用できる動作指示信号変換装置に関する。
図7は、本実施形態の動作指示信号変換装置を含む動作指示信号変換システムの全体構成図である。
図7において、動作指示信号変換装置300は、固定式開閉体操作装置2及びリモコン受信機5と、開閉体制御回路4との間に設けられ、固定式開閉体操作装置2の各操作スイッチ21〜23と接続する接続端子38a〜38dと、リモコン受信機5の受信制御部52と接続する接続端子38A〜38Dを有し、開閉体操作装置2とリモコン受信機52との両方から電気信号を入力することができる2個の経路系統を有するものである。
制御回路部31は、第1の実施形態で説明した制御回路部31と同様に、暗証番号照合機能31a、操作制御機能31b、タイマー機能31c、確認表示制御機能31dを少なくとも有する。また、第2の実施形態で説明した動作モード設定部31eを備えるようにしてもよい。
制御回路部31は、開閉体操作装置2及び又はリモコン受信機5の電気信号を受け付け、その電気信号の到来パターンに基づいて動作指示信号を開閉体制御回路4に与えるものである。
また、制御回路部31は、開閉体操作装置2又はリモコン受信機5のいずれかの電気信号を受け付けることができる系統切替スイッチ(図示しない)を備えるようにしてもよい。これにより、いずれかの装置(開閉体操作装置2又はリモコン受信機5)からの電気信号のみを有意に判断することができる。
以上のように、本実施形態によれば、第1〜第3の実施形態と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態によれば、開閉体動作を操作する装置として、固定の開閉体操作装置2及びリモコン受信機5とを共用できるタイプにも適用することができる。
(E)他の実施形態
(E−1)上述した第1〜第4の実施形態では、操作制御回路が、暗証番号の照合後に、入力した動作指示信号に基づいて開閉体を動作させる動作指示信号を与えることとして説明したが、記憶部(EEPROM)33が、開動作、閉動作、停動作の各動作を示す暗証番号を記憶し、動作指示信号変換装置が、入力暗証番号が一致した時点で、その暗証番号に対応する動作指示信号に変換して、その動作指示信号を開閉体制御回路4に与えるようにしてもよい。
つまり、各動作の動作指示信号自体を暗証入力とし、動作指示信号変換装置が、その暗証入力に対応する動作指示信号に変換した動作指示信号を開閉体制御回路に与えるようにしてもよい。
(E−2)上述した第1〜第4の実施形態では、開閉体操作装置及びリモコン受信機が動作指示信号変換装置と別構成として説明したが、開閉体操作装置及びリモコン受信機が、動作指示信号変換装置を内蔵し一体とした装置としてもよい。
また、開閉体制御回路が、動作指示変換装置を内蔵し一体として装置としてもよい。
(E−3)また、上述した第1〜第4の実施形態では、開閉体の開動作指示、閉動作指示及び停動作指示の全ての動作を指示する場合に、暗証番号入力を必要とすることとして説明したが、例えば、開動作指示の場合にのみ、閉動作指示の場合のみ、停動作指示の場合にのみ、又は、開動作指示と閉動作指示の場合にのみ等に暗証番号入力を必要としてもよい。
この場合、例えば、第2の実施形態で説明した動作モード設定部31eに上記のような暗証番号入力を必要とする動作モードを設けるようにすればよい。
(E−5)上述した第1〜第4の実施形態において、回路制御部31(暗証番号照合機能31a)は、すべての開閉体への動作指示に対して暗証番号入力を受け付けるものとして説明した。
しかし、回路制御部31は、開閉体が所定の状態や所定の条件を満たしている場合には、暗証番号入力による動作指示を受け付けず、操作スイッチからの動作指示信号をそのまま受け付けて、開閉体制御回路4に動作指示するようにしてもよい。
例えば、開閉体が動作(開動作又は閉動作)し、その動作が終了(全開状態又は全閉状態)するまでの間に、回路制御部31が操作スイッチから受け付けた停信号や、又は動作に対する反対の動作指示信号(例えば、開動作中における閉信号又は閉動作中における開信号)を、そのまま動作指示するようにしてもよい。
また例えば、動作指示信号変換装置3が、開閉体の開状態を管理する状態管理手段を有し、開状態で停止している開閉体の開き具合が所定の範囲内である場合、制御回路部31は、開閉体を全閉又は全開にするための操作スイッチからの閉信号又は開信号はそのまま動作指示できるようにしてもよい。
つまり、開閉体がほとんど全閉状態で停止している場合や、逆に開閉体がほとんど全開状態で停止している場合には、開閉体を全閉又は全開にするための閉信号又は開信号を受け付けてそのまま動作指示するようにしてもよい。
なお、この場合、回路制御部31は、開閉体がほとんど全閉状態である場合の開信号、又はほとんど全開状態である場合の閉信号は受け付けないものとする。
また例えば、制御回路部31は、開閉体の閉動作中における停信号や、又開閉体が障害物を検知して停止した場合に所定時間内に受信した動作指示信号(開信号又は閉信号)をそのまま動作指示できるようにしてもよい。