JP4441610B2 - 核酸の単離方法 - Google Patents

核酸の単離方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4441610B2
JP4441610B2 JP2004160470A JP2004160470A JP4441610B2 JP 4441610 B2 JP4441610 B2 JP 4441610B2 JP 2004160470 A JP2004160470 A JP 2004160470A JP 2004160470 A JP2004160470 A JP 2004160470A JP 4441610 B2 JP4441610 B2 JP 4441610B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nucleic acid
silica
mesoporous silica
pore diameter
dna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004160470A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005333936A (ja
Inventor
正浩 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2004160470A priority Critical patent/JP4441610B2/ja
Publication of JP2005333936A publication Critical patent/JP2005333936A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4441610B2 publication Critical patent/JP4441610B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Description

本発明は、核酸を単離する方法に関する。
ライフサイエンス分野に限らず、生体物質、特にDNA等の核酸の吸着・分離技術は重要
である。従って、核酸を固体材料に吸着させて、分離する技術は実用性が高い。
固体材料を用いる方法としては、核酸をシリカやガラスに吸着させて分離する方法が考案されており、多くの実用化例が報告されている。しかしながら、そのほとんどは、核酸を特異的にガラスやシリカに吸着させるために、濃厚なチオシアン酸イオンやヨウ素イオン等のカオトロピックイオン(イオン半径の大きな陰イオン)を含む溶液中で(カオトロピックな条件下で)行われている(例えば、非特許文献1、特許文献1〜14参照)。
このようなカオトロピックという特殊な条件下で行う必要のない核酸のシリカへの吸着法としては、核酸と結合できるような置換基で修飾したシリカを用いる方法がある。例えば、シリカをポリアクリルアミドで修飾したもの(例えば、特許文献15参照)、シリカを1本鎖核酸で修飾し、それに相補的な別の1本鎖核酸を吸着させるもの(例えば、特許文献16参照)、シリカを核酸と静電気的に結合するアミノ基で修飾したもの(例えば、非特許文献2参照)等が報告されている。
しかしながら、今後、核酸の分離精製技術あるいは遺伝子治療に関連した遺伝子運搬技術の発展のためには、上記のような特殊な濃厚溶液や、複雑な有機基により修飾されたシリカを用いることなく、核酸を優先的、選択的に吸着し、分離できる技術が必要となる。
一方、MCM-41の登場以来、ヘキサゴナル状に並んだメソ細孔(細孔の直径が2nm以上)
を持つシリカ材料が活発に研究され、多くの応用例が報告されている。特に、ナノサイズの細孔空間の利用は、分離、吸着への可能性が高く、活発に研究開発されている(例えば、非特許文献3参照)。
例えば、非修飾のメソポーラスシリカは、ポリスチレンの分子量によるクロマトグラフィー分離等に有効であることが報告されている(例えば、非特許文献4参照)。
また、より化合物選択的な吸着・分離を行うために、メソポーラスシリカの表面に有機基を修飾して機能化することが多い。例えば、メソポーラスシリカの細孔内にメルカプト基(-SH)を並べることによって、メルカプト基との親和性の高い重金属である水銀等を
効率よく分離、吸着できることが報告されている(例えば、非特許文献5参照)。オクタ
デシル基を修飾したメソポーラスシリカ(SBA-15)によるポリペプチド、タンパク質の分離も報告されている(例えば、非特許文献6参照)。
このように、メソポーラスシリカは、無機イオン、有機分子、生体分子・材料の濃厚なカオトロピック溶液のような特殊な条件を必要としない、有効な分離・吸着剤となることが期待される。最近では、メソポーラスシリカの細孔内にリパーゼ等の酵素を内包させ、それにより高い酵素活性を保持する技術も報告されている(例えば、特許文献17、18参照)。
しかしながら、メソポーラスシリカを用いてDNAを単離しようとしても、DNA及びシリカは共に負電荷を有するアニオン性物質であるため、静電的反発により通常の(カオトロピ
ックでない)条件下では両者は結合せず、カオトロピックイオンの濃厚溶液等の特殊な条件が必須となる。
J. Clin. Microbiol. Vol-28,495 (1990)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol-76,615(1979) Mater. Sci. Eng. C, Vol-23, 93 (2003) A. Stein, Adv. Mater., Vol-15, 763 (2003) T. Nassiveraら, J. Chromat. A, Vol-973, 97 (2002) X. Fengら, Science, Vol-276, 923 (1997) J. Zhaoら, Chem. Commun., 752 (2002) 特開2004-031792公報 特開2004-000922公報 特開2003-230380公報 特開2003-169661公報 特開2003-104996公報 特開2003-102473公報 特開2001-224370公報 特開2001-078761公報 特開2000-256388公報 特開平11-262387号公報 特開平11-236506号公報 特開平10-316696号公報 特開平10-075784号公報 特開平09-019292号公報 特開平11-313670号公報 特開平07-070172号公報 特開2002-095471公報 特開2001-128672公報
本発明の主な目的は、カオトロピックな条件下でなくても、効率良く核酸を単離する方法を提供することである。
本発明者は、上記の如き従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねてきた。その結果、特定の細孔径を有するメソポーラスシリカを用いることにより、核酸がメソポーラスシリカの細孔中に吸着されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の通りである。
1.主要細孔径が3〜6nmである筒状のメソ細孔を有するシリカを含む核酸の吸着剤。
2.主要細孔径が3〜6nmである筒状のメソ細孔を有するシリカと、前記メソ細孔中に吸
着された核酸とを含む複合体。
3.主要細孔径が3〜6nmである筒状のメソ細孔を有するシリカと核酸含有試料とを混合することにより、核酸をシリカの細孔中に吸着させる工程を含む、核酸の単離方法。
核酸を含有する試料
本発明において単離される核酸の種類は限定されない。DNAであってもよく、RNAであっ
てもよい。また、DNAとRNAとがハイブリダイズしたものであってもよい。
本発明で単離する核酸は二本鎖のものがより好ましいが、一本鎖のものでも折り畳まれた部分を有する場合には、シリカの細孔中に吸着されると考えられるので、本発明の核酸に含むものとする。
核酸の由来も限定されない。例えば、生体由来の核酸であっても、合成によって得られた核酸であってもよい。また、生体由来の核酸も由来は限定されず、あらゆる種類の核酸を使用することができる。例えば、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類等の脊椎動物;棘皮動物;節足動物等の動物由来であってもよいし、植物由来であってもよい。また、培養細胞由来の核酸を使用することもできるし、細菌(菌類)、ウイルス等由来の核酸も使用することができる。
また、例えば、核酸が由来する部位も限定されず、あらゆる部位から得られた核酸を使用することができる。例えば、動物由来の場合、血清、血液、髄液、組織、尿、糞便、唾液、精液、血液等から得られた核酸を使用することができる。
本発明において、核酸を含有する試料(核酸含有試料)としては、上記のような核酸が含まれていれば限定されない。例えば、組織、細胞を機械を用いて破壊(ホモジェネート)したもの、組織、細胞を超音波で破壊したもの、組織、細胞を界面活性剤で溶解させたもの等のように、シリカに核酸を吸着させることができる状態のものが好ましい。
メソポーラスシリカ
本発明において、核酸の単離に用いるシリカは、主要細孔径が3〜6nm程度、好ましくは3〜5nm 程度、特に好ましくは3.5〜4.4nm程度の筒状のメソ細孔を有することが必要であ
る。
ここで、主要細孔径とは、用いるシリカのうちの約80%以上が上記の範囲内に入ってい
ることをいう。また、本明細書中では、メソ細孔を有するシリカをメソポーラスシリカということがある。
メソ細孔の形状はまっすぐな筒状が好ましいが、核酸が吸着させる(細孔の中に入る)ことができれば、曲がった部分を有していてもよい。
このようなシリカを使用することにより、核酸がシリカのメソ細孔内に入ることができ、また、出願人は限定されることを望むわけではないが、核酸が細孔表面に存在する水の層と化学的に作用(水素結合)できるからであると考えることができる。
本発明で使用するメソポーラスシリカにおける細孔の長さは、所望の長さの核酸を吸着することができれば限定されないが、例えば、50nm〜5μm程度、好ましくは100nm〜1μm
程度とすればよい。
本発明で使用する上記のようなメソポーラスシリカは、公知のものが使用できる。また、当該シリカは公知の方法、例えば、J. Am. Chem. Soc. Vol-114,10834(1992)に記載
されているような方法、MCM-41(Mobil社)、FSM-16等の製造方法のような公知の方法を
利用(参考に)して製造することができる。
本発明で使用するシリカの好ましい製造方法の一つとして、以下の方法が例示できる。例えば、界面活性剤のミセル(棒状ミセル)溶液を塩基性(pH=8〜12程度)にし、そこにシリカを添加して混合することにより(例えば、20〜35℃程度で、10〜30分程度)、棒状
ミセルがシリカで覆われた六方晶系の(ヘキサゴナル)構造のものが得られる。
界面活性剤としては、n-ヘキサデシルトリメチルアンモニウム・ハロゲン化物、n-ステアリルトリメチルアンモニウム・ハロゲン化物、n-オクタデシルトリメチルアンモニウム・ハロゲン化物等のカチオン性界面活性剤(ハロゲン化物としては、塩化物、臭化物等を使用することができるが、臭化物が好ましい。);ドデシル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤;Brij類(Brij56、Brij76、Brij98等)、Triton類(TritonX-100、TritonN-101、TritonX-114等)、種々のポリエチレングリコール−ブロックポリプロピレングリ
コール−ポリエチレングリコール等の中性界面活性剤を使用することができる。
ヘキサゴナル構造のメソポーラスシリカを得るためには、用いる界面活性剤の水溶液の濃度を0.02〜0.8M程度、好ましくは0.1〜0.4M程度とすればよい。
シリカとしては、ケイ素アルコキシド(テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン等)、ケイ酸塩(ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等)等を使用することができる。
用いるシリカの水溶液は限定されないが、例えば、0.1〜1M程度、好ましくは0.4〜0.7M程度とすればよい。
また、界面活性剤の水溶液とシリカの水溶液の混合比は、ヘキサゴナル構造のメソポーラスシリカが得られれば限定されないが、例えば、シリカの水溶液(vol):界面活性剤
の水溶液(vol)=1:0.1〜0.8程度とするのが好ましい。
このような混合液を例えば、昇温速度0.5〜2℃/分程度で100〜125℃程度で加熱することにより、ヘキサゴナル構造を均一に成長させることができる。
その後、界面活性剤を除去することにより、棒状ミセルが抜けたヘキサゴナル構造のシリカを得ることができる。本発明で使用するメソポーラスシリカは、溶媒処理により界面活性剤を除去したものが特に好ましい。
当該溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール等のアルコール類;アセトン等を使用することができる。
細孔径やメソポーラスシリカの長さ(細孔の長さ)は、使用する界面活性剤の種類や濃度により調整することができる。例えば、Brij56、78等を用いると細孔径が3.5〜4.5nmのメソポーラスシリカを得ることができる。また、必要に応じて、メシチレン、ベンゼン、エチルベンゼン等の界面活性剤を膨潤させるための試薬を添加することにより、得られるシリカの細孔径を調節することも可能である。
次いで、界面活性剤を除去して細孔を形成することができる。その際、焼成により除去するのではなく、エタノール等のアルコールを含む溶液で溶出させることにより除去することが好ましい。界面活性剤をアルコールを含む溶液で除去したメソポーラスシリカは、核酸を効率良く吸着することができるからである。
このようにして得られたメソポーラスシリカは、必要に応じて水等で洗浄し、乾燥することができる。また、得られたメソポーラスシリカの細孔径は、例えば、ガス吸着法、X線回折法、X線小角散乱法等の公知の方法で測定することができる。
核酸の単離
(1)核酸とメソポーラスシリカとの複合体の形成
本発明において、核酸を単離するためには、必要に応じて、水、緩衝液等の溶媒中で、上記の核酸含有試料と上記メソポーラスシリカとを混合すればよい。混合時間は核酸がメソポーラスシリカの細孔内に十分に入ることができれば限定されない。例えば、1〜40時
間程度、好ましくは2〜20時間程度とすればよい。また、混合は撹拌下に行うのが好まし
い。撹拌速度も限定されず、適宜選択することができる。例えば、1000〜10000rpm程度、好ましくは2000〜5000rpm程度とすればよい。
混合する際の温度も限定されず、例えば、15〜40℃程度、好ましくは室温付近で行うことができる。核酸とメソポーラスシリカとを含む混合物のpHは、5〜9程度、好ましくは6
〜8程度に調整すればよい。この範囲のpHにおいて、効率良くメソポーラスシリカ中に核
酸を吸着させることができるからである。また、pHを8以上に調整することにより、いっ
たん吸着させた核酸を、メソポーラスシリカから遊離(脱離)させることができる。
核酸とメソポーラスシリカとを混合する際の両者の割合も、メソポーラスシリカに核酸が十分に吸着されれば限定されない。例えば、核酸1mgあたり、シリカを10〜1000mg程度
、好ましくは50〜500mg程度とすればよい。
このようにして、核酸含有試料とメソポーラスシリカとを混合することにより、メソポーラスシリカの細孔内に核酸を入れる(核酸をメソポーラスシリカに吸着させる)ことができる。
(2)核酸の溶出又は単離
上記のようにして得られた核酸含有メソポーラスシリカは、濾過、遠心分離等の公知の方法で回収することができる。
回収されたメソポーラスシリカから核酸を溶出又は遊離させるのは、公知の方法で行うことができる。核酸を溶出又は遊離させた後のメソポーラスシリカは、再利用することができる。
メソポーラスシリカから核酸を遊離させる方法としても限定されず、公知の方法を利用することができる。本発明においては、pHが8以上の溶媒中に核酸含有メソポーラスシリ
カを添加することにより、核酸をメソポーラスシリカから遊離させることができる。
このようにして、核酸とメソポーラスシリカとを分離させた後、遠心、ろ過等により、メソポーラスシリカを回収し、溶液中に核酸を得ることができる。
本発明の方法によれば、カチオトロピックな条件を使用しなくても、生体等由来の複雑な混合物系から核酸を簡便に分離することができる。例えば、この方法によれば、遺伝子診断等の検査のための核酸の分離、精製を容易に行うことができる。
また、本発明における核酸含有メソポーラスシリカは、例えば、遺伝子治療のためのジーンデリバリーシステム(シリカが非ウィルスベクターとして使用できる)等、多くのライフサイエンス分野への応用が想定される。
さらに、核酸、特にDNAは電子材料、ナノ材料ともなると期待されており、DNAを電線とした場合の配線用素材やDNAコンピューティング用の基板等への応用も考えることが出来
る。
以下、実施例を示し、本発明の特徴を一層明確にする。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
合成例1
平均細孔径2.3nmのメソポーラスシリカ(メソポーラスシリカ1)の調製
本明細書における実施例で使用するメソポーラスシリカは、米国特許公報第5,143,879
号に記載の方法に基いて得ることができる。
水酸化ナトリウム(2.580 g、64.50 mmol)にイオン交換水(93 ml、5.167 mmol)を加えて、均一溶液とした。その水酸化ナトリウム水溶液を、n-ドデシルトリメチルアンモニウム・ブロミド(7.953 g、25.79 mmol)に加え、室温で30分間撹拌した。
その後、十分に乾燥させたシリカゲル(Merck Silica gel 60)(15.50 g、258.0 mmol)を加え、さらに24時間撹拌し、オートクレーブ中で恒温槽に入れて、水熱合成(115 ℃、20時間)を行った。
得られたメソポーラスシリカをろ別後、ロート上で洗浄(イオン交換水800 ml)し、120℃で一晩乾燥させ、界面活性剤入りサンプルを得た(17.715 g)。このうち17.005 gを
塩酸−エタノール溶液(1 M)400 mlで加熱還流し(2時間)、ろ別までの操作を2度行い
、ロート上で洗浄(イオン交換水300 ml)し、120 ℃で一晩乾燥させた(収量11.765 g、収率79.1 %)。得られたメソポーラスシリカの細孔径を、窒素吸着等温線を用いてDH法で測定したところ、2.3nmであった。
合成例2
細孔径3.0nmのメソポーラスシリカ(メソポーラスシリカ2)の調製
水酸化ナトリウム(2.704 g、67.60 mmol)にイオン交換水(97 ml、5.389 mmol)を加えて、均一溶液とした。その水酸化ナトリウム水溶液をn-ヘキサデシルトリメチルアンモニウム・ブロミド(9.853 g、27.04 mmol)に加え、室温で30分間撹拌した。
その後、十分に乾燥させたシリカゲル(Merck Silica gel 60)(16.237 g、270.2 mmol)を加え、さらに30分間撹拌し、オートクレーブ中で恒温槽に入れて、水熱合成(115
℃、20時間)を行った。
ろ別、ロート上で洗浄(イオン交換水800 ml)、120 ℃で一晩の乾燥を行い、界面活性剤入りサンプルを得た(20.806 g)。このうち20.04 gを塩酸−エタノール溶液(1 M)400 mlで加熱還流(2時間)、ろ別までの操作を2度行い、ロート上で洗浄(イオン交換水300 ml)、120 ℃で一晩乾燥させた(収量12.417 g、収率83.9 %)。得られたメソポーラスシリカの細孔径を、窒素吸着等温線を用いてDH法で測定したところ、3.0nmであった。
合成例3
細孔径3.5nmのメソポーラスシリカ(メソポーラスシリカ3)の調製
水酸化ナトリウム(2.528 g、64.55 mmol)にイオン交換水(93 ml、5.167 mol)を加
えて、均一溶液とした。その水酸化ナトリウム水溶液をn-オクタデシルトリメチルアンモニウム・ブロミド(10.133 g、25.82 mmol)に加え、室温で30分間撹拌した。
その後、十分に乾燥させたシリカゲル(Merck Silica gel 60)(15.165 g、252.4 mmol)を加え、さらに30分間撹拌し、オートクレーブ中で恒温槽に入れて、水熱合成(115
℃、20時間)を行った。
ろ別後、ロート上で洗浄(イオン交換水1000 ml)、120 ℃で一晩乾燥させた(20.281 g)。このうち20.00 gを塩酸−エタノール溶液(1 M)400 mlで加熱還流(2時間)、ろ別までの操作を2度行い、ロート上で洗浄(イオン交換水300 ml)、120 ℃で一晩乾燥させ
た(収量11.841 g、収率79.2 %)。得られたメソポーラスシリカの細孔径を、窒素吸着等温線を用いてDH法で測定したところ、3.5nmであった。
合成例4
細孔径3.5nmのメソポーラスシリカ(メソポーラスシリカ4)の調製(別の方法)
水酸化ナトリウム(2.604 g、65.10 mmol)にイオン交換水(94 ml、5.222 mol)を加
えて、均一溶液とした。その水酸化ナトリウム水溶液をn-ヘキサデシルトリメチルアンモニウム・ブロミド(9.487 g、26.03 mmol)に加え、室温で30分間撹拌させた。その後、
界面活性剤の膨潤剤としてメシチレン(1.572 g、13.14 mmol)を滴下し、10分間、室温
で撹拌した。
次に、十分に乾燥させたシリカゲル(Merck Silica gel 60)(15.654 g、260.5 mmol
)を加え、30分間撹拌させたものをオートクレーブ中で恒温槽に入れて、水熱合成(115 ℃,20時間)を行った。
ろ別後、ロート上で洗浄(イオン交換水1200 ml)、120 ℃で一晩乾燥した(19.412 g
)。このうち19.00 gを塩酸−エタノール溶液(1 M)400 mlで加熱還流(2時間)、ろ別
までの操作を2度行い、ロート上での洗浄(イオン交換水300 ml)、120 ℃で一晩乾燥さ
せた(収量12.26 g、収率79.8 %)。得られたメソポーラスシリカの細孔径を、窒素吸着
等温線を用いてDH法で測定したところ、3.5nmであった。
合成例5
細孔径4.4nmのメソポーラスシリカ(メソポーラスシリカ5)の調製
加えるメシチレンを3.144 g(26.28 mmol)とした以外は、合成例4と同様にして実験
を行った。最終サンプルの収量は11.95 g(収率77.8 %)であった。得られたメソポーラ
スシリカの細孔径を、窒素吸着等温線を用いてDH法で測定したところ、4.4nmであった。
合成例6
細孔径5.3nmのメソポーラスシリカ(メソポーラスシリカ6)の調製
加えるメシチレンを4.716 g(39.42 mmol)とした以外は、合成例4と同様にして実験
を行った。最終サンプルの収量は11.45 g(収率74.5 %)であった。得られたメソポーラ
スシリカの細孔径を、窒素吸着等温線を用いてDH法で測定したところ、5.3nmであった。
合成例7
細孔径5.6nmのメソポーラスシリカ(メソポーラスシリカ7)の調製
加えるメシチレンを6.288 g(52.56 mmol)とした以外は、合成例4と同様にして実験
を行った。最終サンプルの収量は12.15 g(収率79.1 %)であった。得られたメソポーラ
スシリカの細孔径を、窒素吸着等温線を用いてDH法で測定したところ、5.6nmであった。
実施例1
100 mlのメスフラスコにサケの二本鎖DNAを5 mg取り、100mlのイオン交換水に溶解させ、そこから10mlずつ採取してDNAの水溶液を準備した。そこに、上記合成例1〜7で得られ
たメソポーラスシリカをそれぞれ50mgずつ添加し、室温で20時間撹拌した。
その後、遠心分離でシリカを沈降させた後、上澄み液を紫外線スペクトルで定量した。定量方法は、DNAの塩基(プリン、ピリミジン)の紫外線吸収を利用し、260 nmにおける
吸光度を測定し、強度を比較することによって吸着率、吸着量を得た。
表1には、イオン交換水に溶解している(すなわち、カオトロピックではない条件下で
の)シャケの二本鎖DNAの吸着率の結果を示す。プロトン型のDNAは、メソポーラスシリカ3、4、5に特異的に吸着することがわかる。また、不定形のアモルファスシリカ(シリカ
ゲル、Merck Silica gel 60)にはDNAが全く吸着しないこともわかる。さらに、ナトリウム型のDNAは、どのメソポーラスシリカにおいても吸着されないことがわかる。
Figure 0004441610
実施例2
DNAの水溶液中に種々の濃度の塩化ナトリウムを添加した以外は、実施例1と同様にして実験を行った。結果を表2に示す。
低濃度の塩化ナトリウム水溶液中では、塩化ナトリウムが存在しない場合と同様に、メソポーラスシリカ3、4、5が特異的にDNAを吸着することがわかる。また、塩化ナトリウムの濃度を上げると全体的にDNAの吸着率が上昇し、濃厚な塩化ナトリウム溶液(1M)では
、アモルファスシリカ(シリカゲル)もDNAを吸着することがわかる。
Figure 0004441610
比較例1
合成例2、4及び5(メソポーラスシリカ2、4及び5)において、塩酸−エタノール溶液で加熱還流する代わりに、550℃で12時間の焼成を行ってメソポーラスシリカを得た。この
焼成により得られたメソポーラスシリカを用いて、実施例1と同様にDNAの吸着実験を行った。結果を表3に示す。
これらの結果から、実施例1(合成例1〜7)で得られたアルコール処理により得られた
メソポーラスシリカは、焼成により得られたメソポーラスシリカに比して、DNAの吸着率
が非常に高いことが分かる。
Figure 0004441610

Claims (3)

  1. ピーク細孔径が3.5〜4.4nmである筒状のメソ細孔を有するシリカを含む核酸の吸着剤。
  2. ピーク細孔径が3.5〜4.4nmである筒状のメソ細孔を有するシリカと、前記メソ細孔中に吸着された核酸とを含む複合体。
  3. ピーク細孔径が3.5〜4.4nmである筒状のメソ細孔を有するシリカと核酸含有試料とを混合することにより、核酸をシリカの細孔中に吸着させる工程を含む、核酸の単離方法。
JP2004160470A 2004-05-31 2004-05-31 核酸の単離方法 Expired - Fee Related JP4441610B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004160470A JP4441610B2 (ja) 2004-05-31 2004-05-31 核酸の単離方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004160470A JP4441610B2 (ja) 2004-05-31 2004-05-31 核酸の単離方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005333936A JP2005333936A (ja) 2005-12-08
JP4441610B2 true JP4441610B2 (ja) 2010-03-31

Family

ID=35488164

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004160470A Expired - Fee Related JP4441610B2 (ja) 2004-05-31 2004-05-31 核酸の単離方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4441610B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4297148B2 (ja) 2006-09-22 2009-07-15 ソニー株式会社 核酸回収装置及び核酸回収方法
JP6152554B2 (ja) * 2012-11-28 2017-06-28 国立研究開発法人産業技術総合研究所 Dna合成酵素−シリカ系ナノ空孔材料複合体、その製造方法及び用途
JP6667896B2 (ja) * 2015-11-06 2020-03-18 国立研究開発法人産業技術総合研究所 リボ核酸固定化担体及びそれを用いたリボ核酸の分離回収方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005333936A (ja) 2005-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6310199B1 (en) pH dependent ion exchange matrix and method of use in the isolation of nucleic acids
Naghash et al. Comparison of the efficiency of modified clinoptilolite with HDTMA and HDP surfactants for the removal of phosphate in aqueous solutions
Lei et al. Immobilization of enzymes in mesoporous materials: controlling the entrance to nanospace
JP5095386B2 (ja) プラスミド精製
Fujiwara et al. Adsorption of duplex DNA on mesoporous silicas: possibility of inclusion of DNA into their mesopores
JP2009118858A (ja) 常磁性粒子を用いた集細胞及びライセート清澄化
CN106397552A (zh) 一种去除重组蛋白a溶液中内毒素的方法
JP2005525819A (ja) 核酸抽出および核酸精製のための方法
JP2001514192A (ja) カチオンナノ粒子を使用した、水性系からのアニオン有機物質の単離方法
ES2347533T3 (es) Aislamiento de moleculas de adn usando ligando mercapto-arilo.
Bag et al. DNA binding to the silica: cooperative adsorption in action
ES2356324T3 (es) Procedimiento y formulación para la extracción de ácidos nucleicos a partir de cualquier material de partida complejo.
ES2904624T3 (es) Método para aislar ácido nucleico altamente puro con partículas magnéticas
JP4441610B2 (ja) 核酸の単離方法
Maity et al. Dendritic fibrous nanosilica (DFNS) for RNA extraction from cells
WO2005121791A1 (de) Sorptionsmittel für nukleinsäuren, enthaltend säureaktiviertes schichtsilicat
EP1341910B1 (en) Lysate clearance and nucleic acid isolation using silanized silica matrices
AU2002225942A1 (en) Lysate clearance and nucleic acid isolation using silanized silica matrices
Ciesielczyk et al. Magnesium silicates–adsorbents of organic compounds
Zhang et al. Synthesis of an affinity adsorbent based on silica gel and its application in endotoxin removal
Zhang et al. Design and assembly of solid-phases for the effective recovery of nanoparticulate bioproducts in fluidised bed contactors
CN104513819B (zh) 一种选择性提取dna的方法
JP2003514655A (ja) 核酸構造を有する化合物を含むサンプル由来の物質の選択的除去方法
AU2003206358A1 (en) Method of separation using aromatic thioether ligands
JP2009042074A (ja) 吸着担体及び吸着担体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090901

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091201

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130122

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130122

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130122

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130122

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140122

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees