図1に本発明の一実施例のブロック構成図を示す。
本実施例の露光データ作成装置1は、処理の指示やデータの設定を行うためのキーボード2、処理データの表示を行うディスプレイ3、データ処理を行うCPU4、設計データをファイルする設計データファイル5、最適化データをファイルする最適化データファイル6、露光データをファイルする露光データファイル7、設計データファイル5に格納された設計データからパターンに応じて最適化した設計データを編集する編集処理を行う設計データ最適化エディタ8、設計データ最適化エディタ8で最適化され、最適化データファイル6に格納された最適化データから露光データを作成する処理を行う露光データ作成エディタ9、露光データ作成エディタ9で作成され、露光データファイル7に格納された露光データを解析する処理を行う露光データ解析エディタ10から構成される。
図2に本発明の一実施例の機能ブロック図を示す。露光データ作成装置1の処理機能としては、主に、露光データ作成機能11、及び、露光データ検証機能12がある。露光データ作成機能11は、評価用露光データを作成するとともに、設計データファイル5に予めファイルされた設計データから設計データに応じた露光データを作成する。露光データ検証機能12は、露光データ作成機能11で作成された露光データをシミュレーションして、露光データの解析を行う。このとき、露光データ作成機能11と露光データ検証機能12とは並列・分散処理手段13により並列的に処理が実行される。
露光データ作成機能11は、評価用露光データを作成する評価用露光データ作成手段14、設計データファイル5に格納された設計データを解析する設計データ解析手段15、設計データ解析手段15での解析結果に応じて設計データを露光データ作成に最適な状態に最適化する設計データ最適化手段16、設計データを分割するブロックを抽出するブロック抽出手段17、ブロック抽出手段17の抽出モードを切り替えるブロック抽出モード自動切替手段18、ブロック抽出手段17で抽出されたブロックを露光データ作成に最適な状態に最適化するブロック最適化手段19を有する。
また、露光データ検証機能12は、パターンデータを表示するためのパターンデータ表示手段20、露光データ作成機能11で作成された露光データの解析を行う露光データ解析手段21、露光データ作成機能11で作成された露光データにおけるスループットを算出する露光スループット算出手段22、露光データ作成機能11により作成された露光データに基づいて露光シミュレーションを行う露光シミュレーション手段23を有する。
まず、評価用露光データ作成手段14について説明する。図3に本発明の一実施例の評価用露光データ作成手段の処理フローチャート、図4に本発明の一実施例の評価用露光データ作成手段による評価用露光データ作成時のデータの流れを示す図を示す。
本実施例の評価用露光データ作成手段14は、主に、ライブラリ作成工程S1−1、パターン作成作業工程S1−2、露光データ出力工程S1−3の3段階の処理を実行する。ライブラリ作成工程S1−1は、ビーム変更サイズ、露光スキャン順序、最大ビームサイズ、ブロック個数など露光データ作成に必要な条件を与えることにより、図4に示す、この後のパターン作成作業工程S1−2でパターン作成する下地となるライブラリ24を作成する。作成されるライブラリのファイル構造は高圧縮な露光データを作成することが出来るように階層構造になっている。ライブラリ作成工程S1−1で作られるデータはパターンデータではなく、指定された条件による階層構造とそれぞれのサイズを表す枠のデータから構成される。
図5に本発明の一実施例の評価用露光データのライブラリ構造図、図6に本発明の一実施例の評価用露光データ作成における評価パターンデータの構成図を示す。ライブラリデータベースのファイル構成は、図5に示すように、トップ階層T下にウェハ露光データ階層Wとブロックマスク作成用階層Mがある。また、ウェハ露光階層Wの下の階層には、露光装置が備える偏向機構数分、例えば、2つの偏向機構を有する露光装置であれば、第1、第2偏向階層F、Sがある。第1偏向階層F、及び、第2偏向階層Sには、各偏向階層F、Sでの偏向状態を指示する偏向データf1〜fn、s1〜smが配置される。偏向データf1〜fn、s1〜smの下に各偏向状態で露光されるパターンのデータが格納される階層Pが配置される。パターン階層Pには、ショットの形状サイズを指定するショット形状データpや、ブロックパターンデータbが配置される。
ショット形状データpにより矩形や三角形等の図形データを配置させることにより、可変矩形露光によって露光されるパターンを定義することが出来る。また、ブロックパターンデータbによりブロック露光により露光されるパターンを定義することが出来る。
パターン作成作業工程S1−2は、図4に示すようにコンピュータのグラフィック画面からの図形作成手段25によりライブラリ作成工程S1−1で得られたライブラリファイル24を読み込ませ、そこに追加していくように評価用データを作成していく。図形作成手段25としては、例えば、CAD、すなわち、コンピュータ援用製図システムを用いることができる。
露光データ出力工程S1−3は、パターン作成作業工程S1−2で作成された評価パターンデータD1を露光スキャン順序にソートするなど露光データの書式に変換し、露光データD2を作成する。この際、露光データの規則として違反があるかのチェックを行ない違反がある場合は違反箇所をグラフィック画面で表示する。ここで得られた評価用露光データはブロック露光用検証処理、解析処理に入カ可能となる。
以上のように、本実施例の評価用露光データ作成手段14では、ビーム変更サイズ、露光スキャン順序、最大ビームサイズ、ブロック個数など露光データ作成に必要な条件を与えることにより、容易に評価用露光パターン作成に必要なライブラリ24を作成することができる。また、作成されたライブラリ24を用いてCAD等により評価用パターンを作成することができるので、評価用パターンの作成を容易に行える。
さらに、作成された評価用パターンデータD1を露光スキャン順序にソートするなどの変換処理を行って露光データD2とすることにより、自動的に露光データD2を得ることができる。次に、設計データから露光データを作成するときの露光データ作成機能11の動作について説明する。露光データ作成機能11では、ブロック露光用データを作成し、ショット数が少なくするとともに、露光データサイズを小さくすることにより、露光時間が少なくなるように露光データの作成を行う。このとき、露光データ作成機能11では、露光データ作成時間を最小にするにはどの図形群をブロック露光の対象に、露光圧縮単位に、作成処理単位にするべきか、LSIレイアウトデータ、すなわち、設計データの構成を解析し、またはその解析結果から露光データ作成に最適になるようにデータの変更を行なう。
例えば、一つの図形群が露光データ作成をする際に、処理マシンの記憶容量では不足するほどに膨大な量の場合は、その図形群をパターン存在範囲の領域で分割し、1図形群の量を処理できる程度の大きさに組み直す。その結果から露光データ作成を行なう際のブロック露光用データ群、繰り返し出翼図形群、分割処理可能図形群の情報を出力する。露光データ作成処理ではこの最適化後のデータから露光データ作成情報に従って、ブロックパターン抽出、露光データ圧縮処理、図形群単位処理、または分敵処理、並列処理を行ない露光データであるブロックマスク作成用データとウェハ露光用データを作成する。
次に、露光データ作成機能11の動作について詳細に説明する。
図7に本発明の一実施例の露光データ作成時の処理フローチャートを示す。
設計データから露光データを作成する場合の露光データ作成機能11の処理は、主に、設計データ最適化処理S2−1、露光データ作成処理S2−2、露光データ解析処理S2−3から構成される。
設計データ最適化処理S2−1では、設計データ最適化手段16により設計データファイル5に格納された設計データの階層等を最適化する処理が行われる。
ここで、設計データ最適化処理S2−1について詳細に説明する。
図8に本発明の一実施例の設計データ最適化処理の処理フローチャートを示す。
設計データ最適化処理S2−1では、まず、設計データファイル5から設計データを入力する(ステップS3−1)。次に、ステップS3−1で入力された設計データから所望のデータを抽出及びサイジングを行う(ステップS3−2)。次に、ステップS3−2でサイジングされたデータから階層構造を解析する(ステップS3−3)。
ステップS3−3の解析構造解析結果に基づいて階層データを最適化する(ステップS3−4)。次に、ステップS3−4で最適化されたデータから階層処理用有効ストラクチャリストを作成し、出力する(ステップS3−5)。次に、ステップS3−4で、最適化されたデータを最適化処理済データとして最適化データファイル6に格納する(ステップS3−6)。
ここで、ステップS3−3の階層構造解析及びステップS3−4の階層データ最適化処理について詳細に説明する。図9に本発明の一実施例の階層構造解析及び階層データ最適化処理の処理フローチャートを示す。
LSIの設計データ、例えば、メモリ等においてはある単位毎あるいは回路部分毎に、また、その特性毎にデータを固まりとして設定してある。ステップS4−1〜S4−4では、設計データのフォーマットに記述されている構造を解析し、露光データ処理にとって不必要または不都合な図形群や図形群の構成をまとめたり、分割したり、図形群同士の重なり部分を除去するなどの修正を行ない、図形群を再構成する処理を行う。
このため、まず、設計データファイル5から供給された設計データ中の図形群を探索する(ステップS4−1)。次に、ステップS4−1で探索された図形群を部分修正する(ステップS4−2)。次に、ステップS4−2で、部分修正された図形群間の重なり、接触を検出する(ステップS4−3)。
ステップS4−3で、図形群間に重なりがある場合には重なりを除去する(ステップS4−4)。次に図形群のデータ量と装置のメモリ量とを比較する(ステップS4−5)。ステップS4−5での比較結果、図形群のデータ量が装置のメモリ量より大きければ図形群を分割し、並列・分散処理手段13により並列処理で次の処理が行われ、図形群のデータ量が装置のメモリ量より小さければそのまま通常の処理状態で次の処理が行われる(ステップS4−6)。
ステップS4−4で重なりが除去された図形群は、次に、各図形群の有効性を評価するための評価点を算出するための処理が行われる。まず、図形群の繰り返し数、パターン数を算出し、各図形群の情報を格納する図形群情報テーブルに設定する(ステップS4−7、S4−8)。また、各図形群のパターン形状を解析し、形状複雑度に応じたポイントを図形群情報テーブルに設定する(ステップS4−9)。例えば、図形群の形状が多角形図形、45。角の斜辺を合む、45°以外の斜辺を含む図形ほど、露光データを得る上で有効となるので、ポイントを高くする。
さらに、各図形群のサイズを算出して、同様に図形群情報テーブルに設定する(ステップS4−10)。上記ステップS4−7〜S4−10が図形群のデータ量が装置のメモリ量より大きい場合には、並列・分散処理手段13により並列・分散処理され、高速処理を可能としている。
次にステップS4−7〜S4−10で作成された図形群情報テーブルに設定された図形群を図形群情報テーブルに設定された各設定情報に応じて評価し、評価点を算出し、評価点順にソートする(ステップS4−11)。なお、ステップS4−10で求められたパターン存在範囲の大きさの情報は、露光偏向範囲の単位でデータの圧縮を行うために有効なので、評価点が大きくなり、特に、この大きさが露光時の偏向サイズの整数倍と同程度のものには更に大きなポイントを与える。さらに、ステップS4−7で算出された繰り返し数a、ステップS4−8で算出されたパターン数bの積(a×b)が大きい図形群は出現頻度が多いため、全体のショット数を減少させるのに有効であるため、高い評価点となる。
ステップS4−11で図形群情報テーブルが評価点順にソートされると、次に評価点が高い順位に図形群に仮定的にブロックを抽出するブロック抽出仮定処理が実行され、結果が評価される(ステップS4−12、S4−13)。ステップS4−12、S4−13では、この数とポイントの大きい図形群の名前を表示し、これら評価結果の高い図形群の順に、ブロックパターン抽出の結果ショット数がどのくらい滅少するかシミュレーションを行ない、ブロック搭載個数内のブロック抽出を行なうのにはどの図形群が最も有効であるかを判断し、有効な図形群を選び出す。
ステップS4−13の評価結果により選び出された図形群名リストが図8のステップS3−5の出力結果となり、また、有効な図形群名リストが最適化処理済データとして最適化データファイル16に格納される。以上により、設計データから抽出された最適化データを保持した最適化データファイル16が作成される。
露光データ作成処理S2−2は、最適化データファイル16に保持された最適化データ16により実施される。なお、図形群の分割が明確でない、すなわち、階層が明確でない場合には、全体を一つのデータとして、上記図形群、すなわち、ブロックの抽出処理を行えばよい。
ここで、露光データ作成処理S2−2について説明する。
図10に本発明の一実施例の露光データ作成処理の処理フローチャートを示す。
露光データ作成処理S1−2では、まず、図7の設計データ最適化処理S2−1で最適化された設計データの所望の階層を展開/マージする(ステップS5−1)。
次に、各階層の最適化された設計データから後述するようにブロックパターンを抽出する(ステップS5−2)。
ステップS5−2でブロックパターンが抽出されると、次に、抽出されたブロックパターンが効率よく作成できるようにブロックパターンの最適化が行われる(ステップS5−3)。
ステップS5−3で、ブロックパターンが最適化されると、次に、最適化された各ブロックパターンを矩形に分割する(ステップS5−4)。
ステップS5−4で矩形に分割されると、次に、ステップS5−4で分割された矩形を所望の偏向領域のデータとして設定する(ステップS5−5)。上記ステップS5−1〜S5−5は、処理するデータ量が多ければ、並列・分散処理される。ステップS5−5で、ブロック及び矩形が設定されると、設定されたブロックパターン及び矩形に関するデータを露光データにフォーマッティングして、露光データファイル7に格納する(ステップS5−6)。
以上の処理により露光データが作成される。
ここで、図10のステップS5−2のブロックパターン抽出処理について詳細に説明する。図11に本発明の一実施例のブロックパターン抽出処理の処理フローチャートを示す。
ステップS5−2のブロックパターン抽出処理では、パターンに適した条件でブロックパターンを抽出できるように指定された条件により抽出モードが切り替えられる。
なお、抽出条件の指定がない場合でも既存のブロックパターンに対応するようにブロックパターンの抽出が可能である。
このため、ブロックパターン抽出処理では、まず、条件抽出指定を行うか否かの判定が行われる(ステップS6−1、S6−2)。ステップS6−1でブロックパターン抽出の条件の指定がない場合には、抽出モードを認識する処理が実行される。抽出モード認識では、まず、抽出モードの指定があるか否かが判断される(ステップS6−3)。ステップS6−3で抽出モードの指定がある場合には、指定された抽出モードによりブロック抽出が行われる(ステップS6−4〜S6−6)。
また、ステップS6−3で抽出モードが指定されていない場合には、次に、処理階層指定があるか否かが判断される(ステップS6−7)。ステップS6−7で、処理階層の指定がある場合には、指定された処理階層に対してブロック抽出が行われる(ステップ6−4〜S6−6)。なお、ステップS6−7で、処理階層の指定もない場合には、次に、パターンの形状、配置、密集度を判定して(ステップS6−8)、自動的に最適化抽出方法が判定され抽出が行われる(ステップS6−4〜S6−6)。
また、ステップS6−1で、条件抽出を行う場合には、抽出条件が既存ブロックからの抽出指示があるか、否かを判定する(ステップS6−9)。ステップS6−9で、抽出条件として既存ブロックからの抽出が指示されている場合には、次に、既存ブロックパターンデータを条件テーブルに格納する(ステップS6−10)。 また、既存ブロックパターンを新た登録するブロックパターンの形状、線幅等のブロックパターンの条件を条件テーブルに新たに登録する(ステップS6−11、S6−12)。
ステップS6−10、S6−12で条件テーブルが設定されると、次に、条件テーブルに設定されたブロックパターンに対応してブロック抽出が行われる(ステップS6−13)。次に、ステップS6−13でブロックの抽出が行われた結果、抽出ブロック数と搭載ブロック数とが比較される(ステップS6−14)。ステップS6−14で、抽出ブロック数が搭載ブロック数より小さければ、既存ブロックにより効率よくブロック抽出が行われたと判断できるので、ブロック抽出を終了する。
また、ステップS6−14で、抽出ブロック数が搭載ブロック数より大きければ、効率が低いと判断できるので、条件テーブルをクリアする(ステップS6−15)。ステップS6−15で条件テーブルをクリアすると、次に、ステップS6−2に戻って、抽出条件を指定して、手動で条件テーブルを設定して、ブロック抽出を行うか(ステップS6−16)、又は、ステップS6−8により自動的に抽出条件を設定して、ブロックパターンの抽出を行う(ステップS6−4〜S6−6)。
次に、ブロックパターン抽出処理のステップS6−6の領域抽出処理動作について説明する。図12〜図17に本発明の一実施例の領域抽出処理の動作説明図を示す。ステップS6−6の領域抽出処理動作では、例えば、ブロックパターンを抽出しようとする領域が図12に示すようなパターンであるとすると、図12に示すような領域を、例えば、図13に示すように所定のブロックサイズ(X1×Y1)及び(X1×Y2)からなる16個のブロックのブロックB1〜B16に分割する。
その領域上を通過するパターンはその領域の矩形枠上で切断し、領域上に存在するパターン群を複数のブロックのパターンに分割して抽出することにより、図14に示すような分割結果が得られる。図14に示すようなブロック抽出によれば、ブロックB5〜B7、及び、ブロックB9〜B11で同一のパターンを得ることができる。このため、抽出すべきブロック数は、10ブロックで済む。
このとき、単純に矩形領域の枠を発生させた場合、例えば、図15に示すように領域内にとびとびに同一のパターンが延在することがある。図15において、図13に示すブロックと同様に単純にブロック枠を発生させてしまうと、図16に示すようにパターン存在範囲内にブロック内のパターン数が少ない無駄なブロックB2、B3、ブロックB6、B7、ブロックB10、B11、ブロックB14、B15が発生してしまい、効率的なショットを行うことはできない。これを防止するために、図17に示すようにブロックB1、B5、B9、B13をパターン存在範囲内の端(例えば左下)から行ない、次のブロックB2'、B6'、B10'、B14'を、各ブロックの矩形領域内をパターンが通り過ぎず、かつ、出来るだけ多くのパターンが含まれる位置まで(例えば右方向や上方向に)ずらして、次の各ブロックの矩形領域を発生させていく。これをパターン存在範囲内で行い、パターン存在範囲内の全てのパターンを網羅するように各ブロックの矩形領域を発生させながら図17に示すようなブロックパターン抽出を行なう。
図17に示すようなブロック抽出方法によれば、パターンが存在しない部分にはショットが行われないので、ショット数を低減できる。
また、図17に示されるようにパターンが周期的に現れるようなパターンでは、ブロックB1、B2'、B4のパターン対応するブロックパターンP1、ブロックB5、B6'、B8、B9、B10'、B12のパターンに対応するブロックパターンP2、ブロックB13、B14'、B16のパターン対応するブロックパターンP3の3種類のブロックパターンで構成できる。
次に、ステップS6−13の条件抽出処理の処理動作について説明する。条件抽出処理では、ブロックマスク作成用露光データを入力、また、ユーザが線幅、角度、形状、パターン群を指定することにより、これらの条件のパターンを入カデータの中から見つけ出し 既存のブロックマスクで引用できるようなブロックパターンを抽出する。
図18に本発明の一実施例の条件抽出処理の処理フローチャートを示す。ステップS6−13の条件抽出処理では、最適化データファイル6から供給された最適化データを小領域に分割する(ステップS7−1、S7−2)。次にステップS7−2で、分割された小領域の図形に対応した図形を条件テーブルに設定された既存のブロックパターンデータからサーチし、抽出する(ステップS7−3)。対応する図形の抽出が終了すると(ステップS7−4)、露光データとして出力する(ステップS7−5)。
本実施例によれば、既存のブロックパターンデータを用いることにより、既に対応するブロックパターンマスクが作成されていれば、新規にブロックパターンマスクを作成する必要がないので、余分な作業を短縮できる。なお、抽出方法を選択する条件として、露光時のレイヤに応じて選択することにより、露光時のレイヤに対して最適な図形抽出を行える。
また、ブロック抽出方法をブロックの形状に応じて選択することにより、ブロック形状に対応した最適な図形抽出を行える。さらに、パターンの密集度に応じて選択することにより、有効にパターンを抽出できる。また、パターンの占有率が所定の値となるようにパターンを抽出することにより、ブロックで平均してパターンを抽出できる。
また、設定されるブロック領域の数により抽出パターンを制御することにより、ブロック内での各パターンのサイズ、数を所定のサイズ、数にすることができる。パターンの種類に応じてパターンを抽出することにより、パターンを重複することがなく抽出できる。また、露光時のビームの照射面積に応じて領域を設定することにより、ビームの照射面積が最適になるようにパターンを抽出できる。
なお、ステップS7−3、S7−4の図形のサーチはブロック数が多い場合には、後述するような構成の並列・分散処理手段13により並列・分散処理を行えば、処理時間を短縮できる。また、ブロックパターンマスクを新規に作成する時には、ブロック欠落防止処理、近接効果補正等の処理が実施される。
まず、ブロック欠落防止処理について説明する。
図19に本発明の一実施例のブロック欠落防止処理の処理フローチャート、図20〜図22に本発明の一実施例のブロック欠落防止処理の動作説明図を示す。
ブロック欠落防止処理は、ブロックの欠落が認識されると実施され、梁入れ又は微小パターン分割により対処する。例えば、図20(A)に示すようなブロックパターンでは、ビームを遮断すべきパターンの端部がブロック枠に接触しているので、パターンをマスクにしたときでもパターンが切断されることがない。
しかし、図20(B)に示すようなパターンでは、ビームを遮断すべきパターンがブロック枠の中央部分に位置するときには、そのままパターン通りマスクを形成すると、ビームを遮断すべきパターンが欠落してしまう。よって、ブロック枠中央のビームを遮断すべきパターンが欠落しないように例えば、図20(C)に示すようにビームを遮断すべきパターンからブロック枠に梁を形成したり、ビームを通過させるパターン部分に微小な格子状のパターンを形成し、ビームを遮断すべき部分をブロック枠に保持できるようにする。なお、このとき、梁や微小格子をビームの波長に比べて十分に小さく形成することにより、ビームは梁や微小格子部分を回折してウェハに到達し、ビームが梁や微小格子部分の影響を受けることはない。
欠落ブロック防止処理では、まず、マスクの材料や露光装置のビームの波長などの条件に基づいて梁幅の最小値Wmin 及び最大値Wmax を求めるとともに、ブロック内の照射面積から予め設定された規定値を減算した値αを求める(ステップS8−1)。次に、梁入れによる欠落ブロック防止処理を実施するか、微小図形構成による欠落ブロック防止処理を実施するかを判定するために、ステップS8−1で求められたαが0以上か否かを判定する(ステップS8−2)。
ステップS8−3で、αが0より小さければ、すなわち、ブロック内の照射面積が規定値より小さければ、まず、ブロックパターンで、ビーム透過パターンを「1」、ビーム遮断パターンを「0」とし、OR処理を実施する(ステップS8−3)例えば、図21(A)に斜線で示すようなビーム透過パターンのブロックの場合、斜線部分と無地の部分とでOR処理を実施することにより、図21(B)に示すように斜線部分と無地の部分との境界線が得られる。
次に境界線部分の線分化を行う(ステップS8−4)。図21(B)に示すような境界線が得られた場合、線分化を実施する(ステップS8−4)。ステップS8−4の線分化処理では、まず、図21(B)の境界線から図21(C)に示すようなベクトルからなる線分のデータを得る。次に線分化されたベクトルの方向をパターン部分の周囲の線分の始点と終点とが連続するように反転させる(ステップS8−5)。図21(C)に示すようなベクトル線分は、図21(D)に示すようなベクトル線分に変換される。
次に、線分化されたベクトルパターンをパターン化する(ステップS8−6)。図21(D)に示すようなパターンは図21(E)に示すようなパターンとされる。次にパターン化されたパターンのうちブロック枠に接触するパターンを削除し、ブロック枠に接触しないパターンを検出する(ステップS8−7)。
図21(E)に示すようなパターンからは、図21(F)に示すようなパターンが検出され、欠落パターンがあることが認識される。
ステップS8−7で、ブロック枠からの離間パターンが存在する場合には(ステップS8−8)、次に、図22(A)に示すように欠落パターンを元のブロックパターンに重ねる(ステップS8−9)。
ステップS8−9で欠落パターンに重なる辺を持つパターンのうち面積の最小のパターンを除き、それ以外のパターンを面積が大きいパターン順にソートする(ステップS8−10)。ソートされたパターンの欠落パターンに重なる辺を各パターンの内側に梁幅分シフトする(ステップS8−11)。ステップS8−11の処理を、欠落パターンp0を保持するのに充分となるように行う(ステップS8−12)。
例えば、図22(A)に示すようなパターンの場合、欠落パターンp0に重なる辺を持つパターンとしてパターンp1〜p4が検出される。次に、図22(B)に示すように、パターンp1〜p4のうち、最小面積のパターンp1を除く、パターンp2〜p4の欠落パターンp0に接触する辺を面積の大きい順に梁幅分だけ細らせる。以上により図22(C)に示すように欠落パターンp0が梁a1〜a4により周囲のビーム遮断パターンに接続される。よって、欠落パターンp0はブロック枠に保持され、ブロックマスクを作成した場合でも欠落することはない。
また、ステップS8−2で、αが0以上、すなわち、ブロック内照射面積が規定値以上の場合には、微小図形構成により欠落ブロックが防止される。ステップS8−2でαが0以上の場合、まず、図22(D)に示すようにビーム透過パターンp1〜p6を検出し、各パターンp1〜p6の幅をx、高さをyに設定する(ステップS8−13)。
次に、ステップS8−13で設定されたx、yの公約数cの大きい順にパターンp1〜p6をソートする(ステップS8−14)。このとき、公約数cは、図22(F)に示すように各パターンp1〜p6に等しいサイズの正方形を敷き詰めて構成したときの正方形の一辺に相当する。次に、公約数cの2乗であるs、すなわち、パターンp1〜p4を構成できる正方形の面積を求め、α、公約数c、及び、面積sから梁の幅2tを求める(ステップS8−15)。梁の幅2tは、2t=2×{c−√(s×(1−α))}
で求められる。このとき、tは、図22(G)に示すように1つの正方形での梁の幅となり、隣接する正方形の梁の幅と合わせて、所定の強度、及び、ビームの透過が可能な幅、すなわち、Wmin ≦2t≦Wmax が得られる。
ステップS8−15で求められた梁の幅2tから開口パターンの辺の長さ(c−2t)を求める(ステップS8−17)。上記ステップS8−13〜S8−17をパターン毎に実行し、開口パターンの辺の長さを求める。各パターンp1〜p6にステップS8−17で求めた辺の長さ(c−2t)の正方形の開口を図22(H)に斜線で示すように形成する。全体としては、図22(I)に示すようなブロックパターンとなる。
以上により、図22(I)に示すように微小な梁により欠落パターンp0がブロック枠に保持できる。開口を微小な正方形とすることによりビームの透過強度を安定化できるとともに、電子散乱を平均化できる。上記ステップS8−1〜S8−17の処理によりブロックパターンマスクを形成したときでも、欠落パターンが発生することがない。
また、ブロックパターンマスク作成時にはブロックパターン欠落だけでなく、近接効果についても考慮する必要がある。
次に、ブロックパターンマスクを形成する際の近接効果補正処理について説明する。
図23に本発明の一実施例の近接効果補正処理の処理フローチャート、図24〜図30に本発明の一実施例の近接効果補正処理の動作説明図を示す。近接効果補正処理は、主に、ブロックパターン補正処理S9−1、ブロック配置周辺解析処理S9−2、部分ブロック作成処理S9−3から構成される。ブロックパターン補正処理S9−1では、まず、ブロックデータを入力し(ステップS9−4)、図24(A)に示すように入力されたブロックデータにおける散乱飛程サイズよるブロックB0の面積密度平均Aを求める(ステップS4−5)。このとき、ビームの後方散乱飛程によりブロックB0が受ける面積密度平均値Aは、露光装置のビームの波長などの条件、図24(B)に示すようにブロックB0の周囲に配置されるブロックB1〜B8でのビーム照射量などにより算出される。
次に、ステップS9−5で求めたビームの後方散乱飛程サイズの面積密度平均Aに応じてパターン内補正又はパターン間補正を行う(ステップS9−6)。例えば、図25(A)に示すようなパターンがあったとすると、パターンp1とパターンp2〜p5とは近接しており、散乱飛程によりパターンp1とパターンp2〜p5との間隙が消滅するおそれがある。このため、図25(B)に示すようにパターンp2〜p5のブロック内側の辺をパターンの内側、すなわち、矢印方向に移動させ、図25(C)に示すようにパターンp1とパターンp2〜p5との間隙を補正する、いわゆる、パターン内補正を行うか、または、図25(D)に示すように、パターンp1のパターンp2〜p5に対向する部分を細らせ、図25(E)に示すようにパターンp1とパターンp2〜p5との間隙を補正する、いわゆる、パターン間補正を行う。
次に、ブロック配置周囲解析処理S9−2が実行される。ブロック配置周囲解析処理では、まず、露光データから照射量差許容値を読み出し、Bに設定する(ステップS9−8)。次に、ブロックB0及びブロックB0の周囲の領域のB1〜B8のパターン照射量を算出する(ステップS9−9)。ステップS9−9で算出されたブロックB0〜B8のパターン照射量に後方散乱の影響を加えて、各ブロックB0〜B8のパターン照射量を算出する(ステップS9−10)。
ステップS9−10で求められた後方散乱の影響が加わったパターン照射量からブロックショット照射量Dbを算出する(ステップS9−11)。ステップS9−11で算出されたブロックショット照射量Dbを補正する補正ポイント値pを求める(ステップS9−12)。補正ポイント値pは、図25(C)に示すような補正ポイントテーブルから求められる。ブロックショット照射量Dbが(−B/2)<(Db−2B)≦(B/2)
を満たすとき、補正ポイントpは−2ポイントとし、ブロックショット照射量Dbが(−B/2)<(Db−1B)≦(B/2)
を満たすとき、補正ポイントpは−1ポイントとし、ブロックショット照射量Dbが(−B/2)<(Db)≦(B/2)
を満たすとき、補正ポイントpは0ポイントとする。すなわち、ブロックショット照射量Dbが(−B/2)<(Db+pB)≦(B/2)
を満たすとき、補正ポイントをpポイントする。
以上のようにして、各ブロックに補正ポイントpをセットすることにより、ブロック配置周囲解析処理が終了する。次に、ステップS9−3の部分ブロック作成処理について説明する。ステップS9−3の部分ブロック作成処理では、まず、ブロックB0〜B8のうち補正ポイントpがマイナスとなるブロックに注目して、部分ブロックの作成を行う。
例えば、図26(A)に示すようなパターンがあったとすると、図26(B)に示すようなパターンPを繰り返すことにより図26(C)に示すように図26(A)に示すパターンを形成できる。このとき、図27(A)に示すように中心部分の領域Aとその周囲の領域B〜Iでは後方散乱の影響が異なる。この後方散乱の影響は、ステップS9−2で、求めた補正ポイントによって認識できる。
例えば、図27(A)に示す領域Aでは、図27(B)に×で示すように周囲からの後方散乱の影響が均等となる。また、図27(A)に示す領域Bでは、図27(B)に上方向の矢印で示すように上部からの後方散乱の影響が低くなる。図27(A)に示す領域Cでは、図27(B)に下方向の矢印で示すように上部からの後方散乱の影響が低くなる。
図27(A)に示す領域Dでは、図27(B)に左方向の矢印で示すように左方向からの後方散乱の影響が低くなる。図27(A)に示す領域Eでは、図27(B)に右方向の矢印で示すように右方向からの後方散乱の影響が低くなる。図27(A)に示す領域Fでは、図27(B)に左上方の矢印で示すように左上方からの後方散乱の影響が低くなる。図27(A)に示す領域Gでは、図27(B)に右上方の矢印で示すように右上方からの後方散乱の影響が低くなる。さらに、図27(A)に示す領域Hでは、図27(B)に右下方の矢印で示すように右下方からの後方散乱の影響が低くなる。図27(A)に示す領域Iでは、図27(B)に左下方の矢印で示すように左下方からの後方散乱の影響が低くなる。
このように、パターン周辺では、後方散乱の影響が低くなり、中心部に比べて、露光の程度が低下することになる。均一な露光を実現するため、周辺部分をべつパターンとしたり、パターン周辺部を2度打ちする方法がある。例えば、図26(A)に示すようなパターンでは、図28に示すように外周部分のビームを矢印X1、X2、Y1、Y2方向にわずかにずらせて2度打ちすることにより、パターン周辺部での露光の程度の低下を防止できる。
パターンは通常のショットのときには、図29(A)に示すようにビームBMは、第1マスクM1から平行に第2マスクM2に供給され、第2マスクM2のパターン全体に照射され、第2マスクのパターン全てウェハ上に照射する。一方、ビームBMをずらせて照射するには、図29(B)に示すようにビームBMを第2マスクM2の一部にだけ照射させる。ブロック周辺部で図28に示すようなショットを実現するには、図29(C)に示すようにビームBMを第2マスクM2に対して矢印X1、X2、Y1、Y2方向にずらして2度打ちればよい。
なお、上記のような近接効果補正は、例えば、図30(A)に示すようにブロック周辺部でパターンが細線化する場合に有効となる。
すなわち、図30(A)に示すようにブロック周辺部で細線化すると、細線が確実に得られなくなる。
しかしながら、図30(B)に示すように周囲でビームBMを第2マスクM2から矢印X1、X2、Y1、Y2方向にずらせて、2度打ちすることにより周囲の細線を確実に露光できる。
以上のように、ビームをずらせて2度打ちすることにより、マスク数を増加させることなく、周辺部分での露光を確実に行えるようになる。次に、図7のステップS2−3の露光データ解析処理について詳細に説明する。図31に本発明の一実施例の露光データ解析処理の処理フローチャートを示す。
露光データ解析処理では、上記露光データ作成処理で作成され、露光データファイル6に格納された露光データを読み出して、シミュレーションや各種解析を行い、解析結果を認識し易いように表示する処理を行う。露光データ作成処理で作成され、露光データファイル7に格納された露光データ及びブロックデータを入力する(ステップS10−1、S10−2)。
次に、ステップS10−1で入力されたブロック露光データ数をカウントすることによりブロック露光データ数を算出し、解析結果格納テーブルに格納する(ステップS10−3)。また、ステップS10−1で入力されたブロック露光データ数、及び、ステップS10−2で入力されたブロックデータ数から可変矩形露光パターン数を算出し、解析結果格納テーブルに格納する(ステップS10−4)。
次に、ブロック露光データの同一形状のパターンを1つのパターン数として形状別のパターン数を算出し、解析結果格納テーブルに格納する(ステップS10−5)。次に、ステップS10−2で入力されたブロックデータ数から総パターン数、総ショット数を算出し、解析結果格納テーブルに格納する(ステップS10−6)。ステップS8−1で入力されたブロック露光データからブロックパターン数を算出し、解析結果格納テーブルに格納する(ステップS10−7)。
ステップS10−2で入力されたブロックデータからブロックの形状別パターン数を算出し、解析結果格納テーブルに格納する(ステップS10−8)。各形状別のショット数を算出する(ステップS10−9)。次に、ブロック露光部分を可変矩形露光したときのパターン数及びショット数を算出する(ステップS10−10)。次に、ステップS10−1で入力されたブロック露光データからブロック内面積密度を算出し、解析結果格納テーブルに格納する(ステップS10−11)。さらに、ショットのクロック値分布と回数を解析結果格納テーブルに格納する(ステップS10−12)。
以上により露光データの解析が終了し、解析結果は全て解析結果格納テーブルに格納される。解析結果格納テーブルに格納された解析結果が表及びグラフにより表示される。解析結果の表示としては、例えば、ブロック内パターン情報、全体のショット数解析値、ブロック毎のショット数解析値、ショットクロックヒストグラム等がグラフ及び表により表示される(ステップS10−13〜S10−16)。
図32に本発明の一実施例のブロック内パターン情報の表示例を示す図を示す。図32に示すようにブロック内パターン情報は、パターンタイプ、位置、サイズ、などの情報が各項目毎にグラフィカルに表示され、クロックコードなどの条件を変更可能な表示とされている。
なお、図32に示すように表示されたブロック内パターン情報が所望の結果にならなかった場合には、図32で、クロックコード変更部分「Changed Clock Code」及びドーズ量変更部分「Changed Dose Value」に所望の数値を設定することにより、再びシミュレーション・各種解析が実行される。再シミュレーション・再解析後、再シミュレーション・再解析の結果が再び図32に示すように表示される。以上のように図32の表示例のクロックコード変更部分「Changed ClockCode」及びドーズ量変更部分「Changed Dose Value」の数値を変更することにより、所望の結果が得られる条件を求めることができる。このとき、図表により結果を認識でき、かつ、数値の設定が行えるので、露光条件の設定がように行える。
図33に本発明の一実施例の各ブロックパターンのパターン情報の表示例を示す図を示す。図33に示すように各ブロックパターンのパターン情報は、各ブロック毎に用いられているブロック内パターンの割合がグラフにより表示されている。このため、各ブロックで使用されているパターンの割合を直感的に認識できる。
図34に本発明の一実施例のショット数解析結果の表示例を示す図を示す。
図34に示すようにショット数解析結果は、ショット数の総計及び使用パターン数等が表で表示されるとともに、全体における使用パターンの割合などがグラフで表示される。このため、ショットの状態を容易に認識できる。
図35に本発明の一実施例の各ブロック毎のショット数解析結果の表示例を示す図を示す。
図35に示すように各ブロック毎のショット数解析結果は、各ブロックに番号が付与され、番号により各ブロックの位置がグラフィカルに表示されるとともに、各番号毎のそのショット数がグラフにより表示される。このため、各ブロックの位置及びショット数を直観的に認識できる。
図36に本発明の一実施例のショットクロックヒストグラムの表示例を示す図を示す。
図36に示すようにショットクロックヒストグラムは、クロックコード毎にそのヒストグラムがグラフで表示される。なお、テーブルのボタンをクリックすることにより、表により表示することもできる。図36に示すような表示方法によれば、ショットクロックヒストグラムを容易に認識可能となる。以上のように解析結果をグラフ又は表により表示することにより、露光状態を容易に認識できるようになる。
なお、本実施例の露光データ作成装置1では、解析結果だけでなく、作成された露光データもグラフィカルに表示できる。また、解析結果を上記図32〜図36に示すように表示した後で、その結果に基づいてブロック数の変更など指示を行うことにより(ステップS10−17)。設定されたブロック数に応じてステップS10−3〜S10−12で再計算が行われ(ステップS10−18)、その結果が図32〜図36と同様に表示され、直ぐに解析結果を得ることができる。
また、スループットの算出の指示あると(ステップS10−19)、スループットを算出するために、まず、総ショット数、偏向回数、レジスト感度、1ショット時間、ジャンプ時間などに基づいて1チップ露光時間が算出される(ステップS10−20)。次に、チップ面積、ウェハサイズからウェハ上に搭載可能なチップ数を割り出し、1時間当たりのウェハ露光枚数、すなわち、スループットを算出する(ステップS10−21)。
以上のようにスループット出力指示があると、ステップS10−20及びS10−21によりスループットが算出され、即座に出力される。なお、解析結果の表示は、終了指示があるまで行われる(ステップS10−22)。次に、露光データ表示処理について説明する。
図37に本発明の一実施例の露光データ表示処理の処理フローチャートを示す。
露光データ表示処理は、露光データファイル7に格納されたブロック露光データに基づいて露光データをグラフィカルに表示する。まず、露光データファイル7からブロック露光データを入力し、ウェハ露光表示用データファイルに格納する(ステップS11−1)。次にステップS11−1で入力されたブロック露光データからブロックデータの種類を検出し、その数をBNとする(ステップS11−2)。
次に、ブロック表示用色又はトーンの設定を行う処理が行われる(ステップS11−3)。ステップS11−3の処理では、まず、ブロック個数に可変矩形露光用ブロック用に1を加算した色数を確保し、確保した色数をCNにセットする(ステップS11−4)。ステップS11−4で色数CNが確保できたか否かを判定する(ステップS11−5)。
ステップS11−5で色数CNが確保できれば、色だけで、ブロックを識別することができるので、次に、ブロックパターンデータとブロック枠データをブロック毎にブロック表示テーブルBTABLEのデータ格納テーブルBTABLE(0,1-BN ) に格納し、色番号格納テーブルBTABLE(1,2-BN ) に色番号2〜CNを格納し、さらに、トーン番号格納テーブルBTABLE(2,1-BN ) に所定のトーンを示すトーン番号「1」を格納する(ステップS11−6)。
ステップS11−5で色数CNが確保できなければ、色だけでは、ブロックを識別することができないので、次の色にトーン付けることによりブロックを識別できるように色及びトーンをブロック表示テーブルBTABLEにセットする処理を行う。まず、ブロックカウンタBCOUNT、トーンカウンタTCOUNTに1をセットし、色カウンタCCOUNTに2をセットする(ステップS11−7)。
次に、ブロック表示テーブルBTABLEのデータ格納テーブルBTABLE(0,BCOUNT )にブロック番号BCOUNTのブロックパターンデータとブロック枠データを格納し、色番号格納テーブルBTABLE(1,BCOUNT ) にブロック番号BCOUNTの対応した色番号CCOUNTを格納し、トーン番号格納テーブルBTABLE(2,BCOUNT ) にトーン番号「TCOUNT」を格納した後、ブロック番号BCOUT を「+1」する(ステップS11−8)。
上記ステップS11−8を色番号及びトーン番号を変化させながら、ブロック番号がBNとなるまで行う(ステップS11−9〜S11−12)。以上の処理によりブロック表示テーブルBTABLEに各ブロックに色又はトーンの組み合わせが異なる表示色が設定される。露光パターンデータは、ブロック表示テーブルBTABLEに従って表示される(S11−13)。ステップS11−13の露光パターンデータ表示処理では、まず、パターン情報表示要求に従って、表示すべきパターンのパターン種及び配置情報、配置位置、サイズ情報、所属偏向位置番号、形状番号/ブロック番号、クロック値などの露光に必要な情報が読み込まれる(ステップS11−14〜S11−18)。
次にステップS11−14〜S11−18で読み込まれた情報を表示するとともに、ブロック表示テーブルBTABLEに格納されたブロックパターンを設定された色及びトーンで表示する(ステップS11−19、S11−20)。図38に本発明の一実施例のブロックパターン表示例を示す図を示す。図38に示すようブロックパターンは、各ブロック毎に表示色及びトーンが相違するように表示される。よって、パターンに含まれるブロックを容易に認識できる。
図39〜図42に本発明の一実施例の他のブロックパターン表示例を示す図を示す。また、本実施例ではブロック露光方法と可変矩形露光方法とで、色が異なるので、図39〜図41に示すようにパターン中のブロック露光方法部分と可変矩形露光方法部分との識別を容易に行える。また、ブロック毎に表示色が異なるため、図42に示すように一 ブロックショット部分に一ブロックの枠を表示することにより、所望のブロックだけを容易に認識可能となる。また、複数のブロックを組み合わせて表示することもできる。
また、本実施例の露光データ作成装置1では、露光データに基づいてシミュレーションを行うことができ、このとき、シミュレーションの結果をグラフィカルに表示できる。
図43に本発明の一実施例のシミュレーション処理の処理フローチャート、図44に本発明の一実施例のシミュレーション処理による露光パターン表示例を示す図を示す。
本実施例のシミュレーション処理では、まず、露光データファイル7からブロック露光データを入力する(ステップS12−1)。次に、シミュレーションの条件、すなわち、適応する露光装置の露光条件が入力され、シミュレーションテーブルに格納される(ステップS12−2)。
ステップS12−2で露光条件が入力されると、ステップS12−1で入力されたブロック露光データに対してステップS12−2でシミュレーションテーブルに格納された露光条件にしたがって、シミュレーションが行われる。
シミュレーションとして、各グリッド上の露光強度計算が行われる(ステップS12−3)。
ステップS12−3での各グリッド上の露光強度計算の結果、図44(A)に示すようなグリッド毎の強度が数値で表示され、さらに、図44(B)に示すように同一強度点は同一の色となるように強度毎に着色して表示される(ステップS12−4)。
さらに、図44(C)に示すように露光データのパターンラインLをステップS12−4での露光強度の表示に重ねてライン表示する(ステップS12−5)。次に、ステップS12−5で表示された露光データのパターンラインLとステップS12−4で表示された強度分布のうちパターンラインLに相当する所定の解像エッジとの寸法差を求める(ステップS12−6)。
ステップS12−6で求められた露光データのパターンラインLと強度分布のうちパターンラインLに相当する所定の解像エッジとの寸法差とを比較し、寸法差が所定の許容範囲以上の部分のパターンラインL又は解像エッジをブリンク表示する(ステップS12−7)。また、このとき、図32に示すような表示も選択して表示でき、ステップS12−7の表示結果に応じて露光条件等の変更があると、図32に示す表示で、クロックコード「Change Clock Code 」、ドーズ量「Change Dose Value 」に所望の変更量を設定することにより、再シミュレーションが行われ、再び、ステップS12−3〜S12−7が実行され、変更された露光条件に応じた露光パターンが表示される。上記図44に示すような露光パターン表示は終了指示があるまで、行われる(ステップS12−9)。
以上のように、露光パターン上にエラー部分がブリンク表示されるので、エラー部分を容易に認識できる。また、このとき、図32に示すような図表による表示も可能であり、図32に示す表示で、クロックコード「Change Clock Code 」、ドーズ量「Change Dose Value 」に所望の変更量を設定することにより容易に露光条件を変更できる。
また、図45、図46に本発明の一実施例のシミュレーション処理による実際の露光パターンの表示例を示す図を示す。図45に示すように、接続パターンp1と他の部分p2との境界p3で強度の変化するようすがグラフィック表示される。また、図46に示すようにシミュレーション結果のパターンとブロックのラインLとが重ねて表示され、シミュレーション結果と設定したブロックとの関係を認識できる。
本実施例によれば、ブロック露光データ作成おいて、階層処理や並列処理、自動ブロック抽出により、高圧縮露光データを高速に作成することができ、また、複数のブロック抽出モードの組合せによりショット数が激減し、高露光スループット化に有効であり、さらに、各種補正機能により高精度な露光パターンの形成が可能、そして、既存のブロックマスクを共通に使用することも可能なため。コストと手番を短縮する効果があり、各種検証機能により作成された露光データ処理へのフィードバックを行なう機能があるので、より高品質、高信頼な露光データを作成出来るので、微細LSI製品量産化の実用には極めて有効である。
なお、図2の並列・分散処理手段13を実現するには、並列処理マシン構成、及び、分散処理マシン構成が必要となる。図47に本発明の一実施例の並列処理を実現するためのブロック構成図を示す。図47に示すように並列処理を実現するためには、露光データ作成処理を統括するホストに複数のプロセッサを接続し、ホストが階層、処理単位毎に処理を複数のプロセッサに渡して、並列に処理を行わせる。
また、図48に本発明の一実施例の分散処理を実現するためのブロック構成図を示す。図48に示すように分散処理を実現するためには、図47に示すような構成の並列計算機や通常の連続計算機を複数台、ネットワークで接続し、階層、処理単位毎に複数の計算機で分散して処理を行わせる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形例が考えられることは言うまでもない。