JP4440734B2 - ダイカスト減圧弁 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイカスト用金型において用いられる減圧弁、特に、電磁駆動により開閉が行われる減圧弁についての技術に関する。
ダイカスト成形は、キャビティ部内に溶湯を高速かつ高圧に注入し、鋳造品を成形する技術である。溶湯の注入時においては、キャビティ部内の空気の巻き込みによる巣などの不具合の発生を防止するため、キャビティ部壁面に排気口を設けて吸引減圧することが一般に行われる。
下記特許文献1には、空気圧を弁頭部に与えて開閉を行う金型の減圧弁において、弁頭部と弁座とを面接触にしてシール状態を保つ技術が開示されている。
下記特許文献2には、空気圧または油圧によって駆動される金型の減圧弁において、弁の後部に溶湯が侵入するのを防ぐため、弁後部への溶湯の直進を邪魔する邪魔板を設ける技術が開示されている。
下記特許文献3には、金型に電磁駆動される複数の減圧弁を設け、各減圧弁の開閉を独立して制御することで、弁機構部への溶湯の侵入を防ぐ技術が開示されている。
特開平8−117957号公報 特公平7−32950号公報 特開2002−239704号公報
電磁駆動される減圧弁は、一般に、空気圧や油圧で駆動される減圧弁に比べて、駆動力が小さい。このため、電磁駆動される減圧弁においては、上記特許文献2のように弁の後部への溶湯の侵入を防ぐ必要があるのはもちろんであるが、キャビティ部から飛散する溶湯の滴粉が弁軸のガイドに入り込み、弁の駆動を妨げる事態も防ぐ必要がある。一般に、溶湯の滴粉は、溶湯面が弁付近に到達するよりも早くから弁後部に飛来する。
本発明の目的は、電磁駆動型のダイカスト減圧弁において、溶湯の滴粉の侵入による動作の不具合を防止することにある。
本発明の別の目的は、ダイカスト減圧弁の弁軸のガイドに対し、ゴム製のステムシールを取り付け可能とすることにある。
本発明のダイカスト減圧弁は、ダイカスト用金型のキャビティ部に設けられた排気口から外部へと続く排気路を開閉するダイカスト減圧弁であって、キャビティ部内に配置され、排気口を開閉する弁体と、この弁体が先端部に設けられ、排気路を経由して、排気路中の差入口から排気路外にのびる弁軸と、差入口付近において排気路に面して固定され、弁軸の周囲を支持しその内側部分に弁軸が摺動される弁ガイドと、弁ガイドの先端部において弁軸の周囲に設けられ、弁軸との隙間を弁軸と弁ガイドとの隙間に比べて小さく設定するステムシールと、弁ガイドの後方に設けられ、弁軸を軸方向に駆動して弁体に排気路の開閉を行わせる電磁駆動機構と、ステムシールと排気口との間に設けられ、キャビティ部から飛来する溶湯の滴粉を遮蔽してステムシールを防護する遮蔽体と、を備える。

ダイカスト減圧弁は、キャビティ部から空気(ガス)を排気する排気路の開閉を行う。弁体はキャビティ部側に設けられ、キャビティ部と排気路の境(これを排気口と呼ぶ)を開閉する。弁体は弁軸の先端に設けられている。この弁軸は、排気口を通って排気路にのび、さらに排気路の途上に設けられた差入口を経由して排気路外にのびている。弁ガイドは、差入口付近に設けられて(弁ガイド自体が差入口を兼ねている場合を含む)弁軸を摺動支持し、弁ガイドの背後には電磁駆動部が設けられて弁軸を軸方向に駆動する。
ステムシールとは、弁ガイドと弁軸の間にキャビティ部から飛来する溶湯の小滴や小粉が侵入するのを防止するために設けられる防護物である。この目的のため、弁ガイドに比べて弁軸との隙間が小さく設定されている。隙間の大きさは非常に小さく設定することも可能であり、弁軸の円滑な移動を妨げない限度において弁軸に接触するものであってもよい。なお、ステムシールは、弁軸の傾斜や芯ずれを強固に防止する機能を持っておらず、この点で弁ガイドとは区別される。
この構成によれば、ステムシールによって滴粉の侵入を防止し、駆動の不具合発生を効果的に防止できる。特に、油圧や空気圧駆動型よりも駆動力が弱い傾向にある電磁駆動弁において、この価値は大きい。電磁駆動弁は、油圧や空気圧で駆動される弁よりもコンパクトに装置を構成できるからである。
望ましくは、本発明のダイカスト減圧弁において、弁ガイド及びステムシールは周辺の排気路壁面よりも奥側に配置される。つまり、排気路の主たる空気の流れからはずれた位置にステムシールが配置される。これにより、空気によって流される溶湯の滴粉等が直接ステムシールに到達してステムシールを害す事態を防止することができる。なお、この構成において遮蔽体は、差入口を塞ぐ構成とすることが有効である。
望ましくは、本発明のダイカスト減圧弁において、ステムシールはゴム製である。弾力性に優れたゴム性のステムシールを用いた場合には、異物の侵入時にもかみ込みの影響が小さい等の利点がある。
また、発明のダイカスト減圧弁は、ステムシールと排気口との間に設けられ、キャビティ部から飛来する溶湯の滴粉を遮蔽してステムシールを防護する遮蔽体を備える。一般にキャビティ部に対する溶湯の注入は高速で行われ、対応して溶湯の滴粉も高速で飛来する。また、溶湯は高温であり、対応して溶湯の滴粉も高温である。この溶湯の滴粉が、ステムシールに衝突し、場合によっては付着すれば、ステムシールの機能が損なわれる虞がある。そこで、滴粉からステムシールを遮蔽する遮蔽体を設けることとした。遮蔽体は、密な構成(板など)である必要はなく、網状やブラシ状などの粗な構成としてもよい。粗な構成とする場合には、遮蔽すべき滴粉の大きさを考慮してその隙間の大きさを定めればよい。
望ましくは、本発明のダイカスト減圧弁において、遮蔽体は、排気口の開口部から直進して侵入する溶湯の滴粉がステムシールに直接到達しない大きさおよび形状をなす。キャビティ部内の空気が希薄に保たれていることを考慮すれば、比較的大きな滴粉は空気抵抗をあまり受けないと見込まれる。また、キャビティ部の大きさや滴粉の速度を考慮すれば、滴粉の運動に重力の効果はあまり影響しないと見込まれる。したがって、開弁された排気口の隙間(これを開口部と呼ぶ)から飛来する滴粉は、直線的に排気路に侵入すると考えられる。そこで、遮蔽体を、排気口の開口部から直進して侵入する溶湯の滴粉がステムシールに直接到達しない大きさおよび形状に設定する。つまり、遮蔽体は、開口部からステムシールが見えないような形状に設定される。なお、遮蔽体の形状をこのようにして定めた形状よりも大きく設定し、遮蔽能力の向上を図り得ることは言うまでもない。
望ましくは、本発明のダイカスト減圧弁において、遮蔽体は弁軸に設けられる。すなわち、遮蔽体は、弁体よりも後方で、ステムシールに衝突しない弁軸上の位置に設けられる。遮蔽体は、排気流の流れを妨げないように設けられることが望ましく、したがって、排気路の壁面側、すなわち、ステムシール側に近づけて設けられることが特に望ましい。ステムシール側に近づけた場合には、一般に遮蔽体の大きさを小さくすることができ、遮蔽体を含む弁軸の重量増加を抑制することができる。なお、弁軸に遮蔽体を取り付けたり一体成形したりすることは一般に実施容易であり、低コストで実現できる利点がある。
望ましくは、本発明のダイカスト減圧弁において、遮蔽体は、弁軸から周囲に広がる鍔形状をなす。鍔形状とは、弁軸の周りを板形の部材が取り囲む形状を言う。板形とは、平板のみならず曲板形状も含んでおり、また、その厚みが不均一である形状も含む。例えば、排気流を円滑に流すように、板形の厚みや表面の曲率を定めることができる。滴粉が小さい場合には、滴粉は排気流にのって流れるため、スムーズに排気路の奥へと流れる構造をもたせることは有効である。また、飛来する滴粉の付着の容易性や非容易性のコントロールや、跳ね返り方向のコントロールを行うことを目的として、厚みの変化や曲率の変化を持たせてもよい。
望ましくは、本発明のダイカスト減圧弁において、遮蔽体は差入口付近の非駆動部分に取り付けられる。非駆動部分とは、可動状態にある弁軸等ではなく、ダイカスト減圧弁のハウジング部や金型等の固定部分を指す。具体例としては、弁ガイドや差入口の壁面などを挙げることができる。この構成によれば、弁軸は遮蔽体によってその重量が増加せず、駆動操作性の低下を避けることができる。
望ましくは、本発明のダイカスト減圧弁において、遮蔽体は、弁軸の周囲に広がる板形状をなす。板形状には平板のみならず曲板も含まれる。あるいは、本発明のダイカスト減圧弁において、遮蔽体は、弁軸に沿って弁体の側に伸び、弁軸の周囲を覆う管形状をなすものであってもよい。また、本発明のダイカスト減圧弁において、遮蔽体は、弁軸の周囲から弁軸に向かって伸びるブラシ形状をなすものとすることも可能である。
図1は、ダイカスト用の金型の概略構成を模式的に示している。ダイカスト用の金型10は、ダイカスト装置に固定された固定金型12及び移動可能に配置された可動金型14が対となって構成されている。固定金型12と可動金型14の嵌合によって形成されるキャビティ部16は、成形体の輪郭をなすように形成されている。固定金型12には、スリーブ18及びプランジャ20が設けられている。キャビティ部16の壁面には、キャビティ部内の空気を排出する排気口22が設けられている。この排気口22は、排気路24に通じており、排気路24は吸引ポンプ26に接続されている。また、キャビティ部16内には、排気口22を開閉する弁体28が設けられている。すなわち、この弁体28は、ダイカスト減圧弁の一部をなすものである。弁体28は、キャビティ部16の外に伸びる弁軸30に取り付けられている。
ダイカスト成形を行う場合には、固定金型12と可動金型14が所定の型締力で締め付けられる。そして、アルミ合金等の溶湯32が、スリーブ18の中に注入され、プランジャ20により押圧されて、高速かつ高圧にキャビティ部16に充填される。この充填時には、弁体28は開弁されて、キャビティ部16内の空気は排気口22から吸引ポンプ26によって排気されている。弁体28はキャビティ部16内に溶湯32がほぼ満たされた時点で閉じられる。そして、キャビティ部16内において溶湯32が固化して成形体が形成され、可動金型14を開くことで成形体が取り出される。なお、キャビティ部16から排気路24に対しては、溶湯32が弁体28の位置に上がってくる以前から、溶湯の小滴やそれが固化した小粉が飛来する。そこで、この滴粉によって弁軸30の動作に不具合が生じないよう以下に説明するように、ダイカスト減圧弁に工夫が加えられている。
図2は、この弁体28及び弁軸30を含むダイカスト減圧弁としての電磁駆動弁50の構成態様例を示す断面図である。バルブ(弁)ブロック52は、弁体28及び弁軸30を支える基礎となる金属塊であり、上述した排気口22及び排気路24が設けられている。排気口22付近には、弁体28が着座するバルブシート(弁座)54が形成されている。
先端に弁体28が設けられた弁軸30は円柱状に形成されており、排気路24を経由して、排気路24の壁面の差入口56から排気路24外にのびている。そして、差入口56付近において、排気路24に面して配置された弁ガイド58により支持されている。弁ガイド58は、バルブブロック52に固定されており、その内側に設けられた貫通孔を利用して、前後に動く弁軸30を摺動支持する。弁ガイド58の先端には、ゴム製のステムシール60が取り付けられている。この取り付けは、ステムシール60の後端部のキャップ状に作られた部分を弁ガイド58の先端に嵌めることで行われている。
ステムシール60は、充填中の溶湯から飛び散る小滴や小粉が、弁ガイド58と弁軸30の隙間に入り込むのを防止するために設けられている。このため、ステムシール60は、軸方向に所定にわたって、弁軸30を取り囲み、弁軸30との隙間が非常に狭くなるように作られている。なお、用途及び利用対象が異なるが、ステムシールは、例えば自動車のエンジンにおける弁等にも使用されており、こうしたステムシールを弁ガイドとともに転用することで低コスト化、高信頼化を図り得る可能性がある。
このステムシール60の前方(弁体側)においては、弁軸30に円盤状の遮蔽体62が設けられている。遮蔽体62は、ゴム性のステムシール60を溶湯の滴粉から保護する。ステムシール60のゴムは、高温の滴粉が接触したり付着したりすることで劣化し、シール性能が低下してしまうからである。このため、遮蔽体62は、少なくとも排気口22から直進して侵入する滴粉がステムシール60に直接到達しない大きさで鍔状に形成されている。
弁軸30の後端部付近には、弁軸30を取り囲むようにしてロアリテーナ64が設けられている。ロアリテーナ64は、その前面において閉側バネ66を支持しており、支持位置は弁軸30と同軸となるように形成されている。閉側バネ66は、弁体28の側においては弁ガイド58の後面に設けられた台座68によって支持されている。台座68は、弁ガイド58と同軸に形成されており、ゆえに、弁軸30と同軸となるように配置されている。また、台座68の支持位置は、ロアリテーナ64の支持位置と同径であり、閉側バネ66は長さ方向に径が一様な平行バネである。これにより、閉側バネ66は、弁軸30と平行に配置されている。
弁軸30の後方には、アーマチャ70が設けられている。アーマチャ70は、円板状のアーマチャ板72とアーマチャ板72の中心を貫いて設けられたアーマチャ軸74とからなる。アーマチャ軸74は、弁軸30の後方に弁軸30と同軸に配置されている。アーマチャ軸74は、軸方向に移動可能に支持されており、前方に移動した場合には、その先端が弁軸30に接触して弁軸30を前方に押圧する。
アーマチャ板72の前方には開側電磁石76が固定配置されている。開側電磁石76は、開側コイル78と磁性体であるロアコア80によって構成されている。この開側電磁石76は、アーマチャ軸74を取り囲んで配置されており、その取り囲み位置にはアーマチャ軸74を支持する軸受82が設けられている。
ロアコア80の前面には、軸受82と同軸にインロー部84が形成されている。インロー部84は、内側が出張り外側が一段低く形成されている。このインロー部には、スプリングシート86が嵌合されている。スプリングシート86は、開側バネ88を支持する台座として用いられる部材であり、軟質なロアコア80に直接開側バネ88から力が及ぶことを防止している。
開側バネ88は、平行バネであり、前方側においては、アッパリテーナ90に支持されている。アッパリテーナ90は、開側電磁石76よりも前方においてアーマチャ70に取り付けられており、アーマチャ軸74に対し同軸配置されている。また、アッパリテーナ90の支持位置の径は、スプリングシート86の支持位置の径と同じである。これにより、開側バネ88は、アーマチャ軸74と同軸かつ平行に配置されている。
アッパリテーナ90は、前方に向かって開かれた円筒状をなしている。つまり、アッパリテーナ90の内側はアーマチャ軸74と同軸に配置されたシリンダ92を形成している。そして、このシリンダ92には、前述のロアリテーナ64が、嵌合されている。
他方、アーマチャ板72の後方には閉側電磁石94が固定配置されている。閉側電磁石94は、閉側コイル96と磁性体であるアッパコア98によって構成され、アーマチャ軸74を取り囲んで配置されている。アーマチャ軸74が貫通するアッパコア98の孔部の後端付近には、アーマチャ軸74を支持する軸受100が設けられている。
軸受100は、アッパコア98によって固定されている。そして、軸受100の後端には、リフトセンサのセンサ本体104が嵌合されている。リフトセンサは、アーマチャ軸74の位置を取得するセンサである。図示したリフトセンサは、センシング部106と、センシング部106の近傍に設けられたセンサコア108を利用して位置を検出する。図においては、センシング部106はセンサ本体104に取り付けられた細長形状の部位として構成されており、アーマチャ軸74の後端に設けられた穴部に対して挿入配置されている。また、センサコア108は、この孔部の内壁周囲に取り付けられている。
電磁駆動弁50は、制御部110によって制御されている。制御部110は、IC(集積回路)チップ等の演算ハードウエアと、その動作を規定するソフトウエア(プログラム)によって構成されている。制御部110には、センサ本体104からの位置検出信号を入力する入力部112、位置検出信号に応じて開側コイル78と閉側コイル96への供給電流量を定める演算部114、位置検出信号と電力供給量との対応をプログラミングに基づいて記憶し演算部114に提供する記憶部116、外部電源118から電力供給をうけ演算部114からの指令に従って開側コイル78と閉側コイル96に送電する制御回路120の各構成が含まれる。制御回路120から送られる電力は、ケーブル122,124を通じて開側コイル78に、ケーブル126,128を通じて閉側コイル96に供給される。演算部114が指令する電流の制御タイミングは、電磁駆動弁50の安定した動作のために重要である。例えば、アーマチャ板72が電磁石に衝突後に跳ね返る量を抑制し、素早く開閉動作が完了するためには、適切なプログラミングと正確な位置検出結果の入力に基づいて制御を行う必要がある。なお、制御部110は、センサ本体104からの信号以外にも、開閉開始指令などの様々な指令信号を受けて電流等の電力制御を行いうることは言うまでもない。
次に、電磁駆動弁50の開閉動作について説明する。
弁体28が開弁されている場合には、制御部110は、開側コイル78に通電して開側電磁石76を磁石として機能させ、閉側コイル96には通電せず閉側電磁石94は磁石として機能させない。この結果、アーマチャ板72は磁力によって開側電磁石76の後面に吸い付いている。そして、アーマチャ軸74は前方位置にて弁軸30の後端部を前方に押している。このため、弁体28も前方に移動しており、排気口22を開けている。また、弁軸30に設けられたロアリテーナ64も弁軸30とともに前方位置にあり、台座68との間に設けられた閉側バネ66を圧縮状態に保っている。
開弁から閉弁へと切り替わる段階においては、制御部110は、まず、開側コイル78への通電を停止し、開側電磁石76の磁石としての働きを停止させる。この結果、ロアリテーナ64は、閉側バネ66の復元力によって後方に向かって押し戻され、同時にロアリテーナ64に取り付けられた弁軸30と弁体28も後方に移動する。この際、弁軸30はその後端でアーマチャ軸74の先端を押圧し、アーマチャ70を後方に押しやる。
やがて、弁体28はバルブシート54に接触し、この時点で弁軸30の後方への移動は停止する。しかし、アーマチャ70は、それまでに与えられた運動エネルギを消費しながら後方へ動きつづける。また、制御部110は、センサ本体104からの入力信号に基づいてアーマチャ70の位置を把握し、プログラムされたタイミングで閉側コイル96に対し通電を行い、閉側電磁石94を磁石として機能させる。この結果、アーマチャ板72は、閉側電磁石94の磁力によって引きつけられ、吸着されて制止する。こうして、閉弁への切替が完了し、弁体28は閉弁状態に保たれる。なお、後方に移動する過程でアーマチャ70は、アッパリテーナ90を通じて開側バネ88を圧縮する。
閉弁状態にある弁体28を開弁する段階では、制御部110は、まず、閉側コイル96への通電を停止し、閉側電磁石94の磁石としての働きを停止させる。この結果、開側バネ88の復元力によってアッパリテーナ90及びそれが取り付けられたアーマチャ70が前方に押し戻される。しばらくするとアーマチャ軸74の先端が弁軸30の後端に到達し、弁軸30が押圧されて前方に移動し、弁体28が開きはじめる。また、制御部110は、プログラムされたタイミングで開側コイル78に通電を行い、アーマチャ板72を磁力によって開側電磁石76に引きよせる。こうして開弁の動作が完了する。なお、前方に移動する過程で弁軸30は、ロアリテーナ64を通じて閉側バネ66を圧縮する。
続いて、図3乃至図7を用いて、遮蔽体62の詳細な説明、及び、その変形態様の説明を行う。図においては、同一の構成には、同一の番号を付して説明を省略する。なお、ここでは、排気路24は図2とは逆に図面の左側にのびているが、これは、視点を図2とは逆の方向に置いているためである。
図3は、図2に示した電磁駆動弁50の弁軸30付近の構成を示す図であり、弁軸30等についてはその外観を示し、排気路24についてはその輪郭のみを示している。
ここでは、弁ガイド58は、排気路24の壁面に開けられた差入口56からやや奥に入った箇所に設けられている。また、弁ガイド58の先端に取り付けられたステムシール60も差入口56よりも奥側(排気路24の壁面よりも奥側)に配置されている。そして、円盤状の遮蔽体62は、ステムシール60に近い弁軸30の位置に取り付けられている。
遮蔽体62は、弁軸30が開閉弁により軸方向に移動した場合にも遮蔽体62がステムシール60に接触しないよう考慮した上で、できるだけステムシール60に近づけた位置に取り付けられている。この遮蔽体62の取り付け位置は、差入口56を覆うような位置となるようにも考慮されている。また、遮蔽体62は、排気路24をあまり狭めず、空気の流れを妨げないように設定されている。さらに、遮蔽体62は、かなり幅広に作られており、排気路24の外壁とはその隙間140を狭く設定されて配置されている。それゆえ、隙間140を通る空気も少なくなっており、空気に流される滴粉がステムシール60に到達しにくくなっている。このように遮蔽体62はできるだけ大きな形状とし、この隙間140の間隔をできるだけ小さくする方が効果的な遮蔽効果を得られる。ただし、長期間使用した場合には、排気路24の壁面に滴粉による異物が積層滴に付着する。そこで、これにより移動が妨げられないように、隙間140をあまり狭くし過ぎず、若干のクリアランス(例えば数ミリ程度)を持たせるようにしてもよい。
なお、この構成においては、左側に伸びる排気路24のために位置142においては遮蔽体62と排気路24の壁面との間隔は、隙間140に比べて大きくなっている。位置142は、空気の流れの下流にあたっており、ここからステムシール60に到達する滴粉の量は少ないと考えられる。しかし、万全を期すために、位置142における隙間を狭くすることも可能である。例えば、位置142付近において左側に伸びる排気路24の高さをやや低くしたり、弁ガイド58、ステムシール60及び遮蔽体62をやや図の上側に配置したりすることで、排気路24との隙間間隔を遮蔽体62の全周囲にわたって狭めることができる。すなわち、遮蔽体62は、弁軸30を排気路24の外に導く差入口56の全体を周囲の隙間を小さく保って覆う形状であってもよい。
図4は、図3に示した遮蔽体62の変形例を説明する図である。ここでは、図3の遮蔽体62の代わりに、それと同位置に遮蔽体150を設けている。遮蔽体62は、円形の平板状に形作られていたが、遮蔽体150は、その弁体28側の面152が曲面形状に形作られている。具体的には、図において上に凸をなす滑らかな形状に形成されており、外周部が出っ張り軸側がへっこんでいる。これにより、排気口22の開口部から排気路24に流れ込む空気を、例えば、図中の矢印154,156のように反り返らせて戻すことが期待できる。従って、遮蔽体150と排気路24の隙間を通ってステムシール60に到達する空気量を減らし、同時に空気の流れに従って動く微少な滴粉のステムシール60への到達量を減らせると期待できる。
なお、この形体により、閉弁時に弁軸30が後方(図の上方)に移動する際に、遮蔽体150の背後に回り込む空気の剥離を(流線型のように)抑制し、空気抵抗を減らすことも期待し得る。これにより、閉弁時の応答性が向上する。なお、減圧弁においては開弁時の応答性は問題とならず、開弁時における空気抵抗を考慮する必要性は低い。
図5乃至図7は、遮蔽体を弁軸30ではなく非可動部位に取り付けた変形例を示す図である。
図5の例では、取り付けリング160が差入口56の奥に圧入固定され、取り付けリング160から伸びる遮蔽体162がステムシール60の側部及び前面(図の下側)を覆っている。すなわち、遮蔽体162は、取り付けリング160の後端(図の上側)に取り付けられ、口部を後方(図の上方)に向けたカップ状の形状をなしており、カップ底には弁軸30を通す穴が設けられている。この構成においては、弁軸30の重量が増大しないため、開閉弁動作の応答性が悪くならない利点がある。
図6の例では、取り付けリング160には、図5の例に示した遮蔽体162の代わりに、細長の遮蔽体164が取り付けられている。遮蔽体164は、ステムシール60だけでなく、弁軸30も覆う形状をなしている。このため、遮蔽体164のカップの底部から細長の筒をのばした形状に形作られている。遮蔽体164は、開閉弁動作時に弁体28に衝突しないことを考慮した上で、弁体28に近い付近にまでのばされている。これにより、弁軸30に滴粉等による異物が付着して弁軸の重量が増加することを防止することができる。
図7の例では、取り付けリング160の先端(図の下部)付近の内側に、遮蔽体としての金属製のブラシ166を取り付けている。ブラシ166は、弁軸30に接触または近接する程度の長さに設定されており、これにより溶湯の滴粉がステムシール60に到達するのを防止する。遮蔽体をブラシ166により構成することで、弁軸30に異物が付着しても、ブラシ166と弁軸30との間でかみ込みによる動作不良を起こすことがない。また、ブラシによる異物の除去効果も期待できる。したがって、弁軸30の摺動抵抗の増大を抑制することができる。
ダイカスト用金型を示す模式的断面図である。 ダイカスト用金型に用いられる減圧弁の構成例を示す断面図である。 弁軸に遮蔽体を取り付けた場合の例を説明する図である。 弁軸に遮蔽体を取り付けた場合の変形例を説明する図である。 固定部位に遮蔽体を取り付けた場合の例を説明する図である。 固定部位に遮蔽体を取り付けた場合の変形例を説明する図である。 固定部位に遮蔽体を取り付けた場合の変形例を説明する図である。
符号の説明
10 金型、12 固定金型、14 可動金型、16 キャビティ部、18 スリーブ、20 プランジャ、22 排気口、24 排気路、26 吸引ポンプ、28 弁体、30 弁軸、32 溶湯、34 開側バネ、50 電磁駆動弁、52 バルブブロック、54 バルブシート、56 差入口、58 弁ガイド、60 ステムシール、62,150,162,164 遮蔽体、64 ロアリテーナ、66 閉側バネ、68 台座、70 アーマチャ、72 アーマチャ板、74 アーマチャ軸、76 開側電磁石、78 開側コイル、80 ロアコア、82 軸受、84 インロー部、86 スプリングシート、88 開側バネ、90 アッパリテーナ、92 シリンダ、94 閉側電磁石、96 閉側コイル、98 アッパコア、100 軸受、104 センサ本体、106 センシング部、108 センサコア、110 制御部、112 入力部、114 演算部、116 記憶部、118 外部電源、120 制御回路、122,124,126,128 ケーブル、160 取り付けリング、166 ブラシ。

Claims (10)

  1. ダイカスト用金型のキャビティ部に設けられた排気口から外部へと続く排気路を開閉するダイカスト減圧弁であって、
    キャビティ部内に配置され、排気口を開閉する弁体と、
    この弁体が先端部に設けられ、排気路を経由して、排気路中の差入口から排気路外にのびる弁軸と、
    差入口付近において排気路に面して固定され、弁軸の周囲を支持しその内側部分に弁軸が摺動される弁ガイドと、
    弁ガイドの先端部において弁軸の周囲に設けられ、弁軸との隙間を弁軸と弁ガイドとの隙間に比べて小さく設定するステムシールと、
    弁ガイドの後方に設けられ、弁軸を軸方向に駆動して弁体に排気路の開閉を行わせる電磁駆動機構と、
    ステムシールと排気口との間に設けられ、キャビティ部から飛来する溶湯の滴粉を遮蔽してステムシールを防護する遮蔽体と、
    を備える、ことを特徴とするダイカスト減圧弁。
  2. 請求項1に記載のダイカスト減圧弁において、
    弁ガイド及びステムシールは周辺の排気路壁面よりも奥側に配置される、ことを特徴とするダイカスト減圧弁。
  3. 請求項1に記載のダイカスト減圧弁において、
    ステムシールはゴム製である、ことを特徴とするダイカスト減圧弁。
  4. 請求項1に記載のダイカスト減圧弁において、
    遮蔽体は、排気口の開口部から直進して侵入する溶湯の滴粉がステムシールに直接到達しない大きさおよび形状をなす、ことを特徴とするダイカスト減圧弁。
  5. 請求項1に記載のダイカスト減圧弁において、
    遮蔽体は弁軸に設けられる、ことを特徴とするダイカスト減圧弁。
  6. 請求項5に記載のダイカスト減圧弁において、
    遮蔽体は、弁軸から周囲に広がる鍔形状をなす、ことを特徴とするダイカスト減圧弁。
  7. 請求項1に記載のダイカスト減圧弁において、
    遮蔽体は差入口付近の非駆動部分に取り付けられる、ことを特徴とするダイカスト減圧弁。
  8. 請求項7に記載のダイカスト減圧弁において、
    遮蔽体は、弁軸の周囲に広がる板形状をなす、ことを特徴とするダイカスト減圧弁。
  9. 請求項7に記載のダイカスト減圧弁において、
    遮蔽体は、弁軸に沿って弁体の側に伸び、弁軸の周囲を覆う管形状をなす、ことを特徴とするダイカスト減圧弁。
  10. 請求項1に記載のダイカスト減圧弁において、
    遮蔽体は、弁軸の周囲から弁軸に向かって伸びるブラシ形状をなす、ことを特徴とするダイカスト減圧弁。
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