JP4440405B2 - 太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、太陽電池およびその製造方法に関し、特に、セル裏面にエミッタ電極およびベース電極を配したラップアラウンド型太陽電池の構造および製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の太陽電池の一例として、例えば、図22〜図30に記載した手順により製造されるラップアラウンド型太陽電池が知られている。なお、図22〜図28は、この従来の太陽電池の製造手順を貫通穴周りの断面構造の変化により説明したものである。また、図29は図26の段階における太陽電池セルの裏面図であり、図30は図27の段階における太陽電池セルの裏面図である。
【0003】
これら図において、1はセル基板としての半導体膜、2は半導体膜1の全面に格子状に配された貫通穴、3は半導体膜1の薄膜表面に形成されたエミッタ層、4はエミッタ層3の表面に形成された絶縁膜、5は絶縁膜4の一部に塗布されたレジスト、6は半導体膜1の裏面側表面上に形成されたベース電極、7は絶縁膜4を貫通してエミッタ層3上に形成されたエミッタ電極、6aは基板としての半導体膜1が露出した状態のpn構造分離部分、8はセル裏面側からの水素パッシベーションのために照射される水素イオンを模擬したもの、12はアライメントマークである。
【0004】
次に、図にしたがって、この従来のラップアラウンド型太陽電池の製造方法を説明する。まず、半導体膜1に貫通穴を等間隔で格子状に形成し、半導体膜1の表面全領域に半導体膜1とは逆タイプのエミッタ層3を形成する(図22)。例えば、半導体膜1がp型の場合には、拡散によりn型のエミッタ層3を形成する。
【0005】
次いで、反射防止効果を備えた一窒化一珪素(シリコシアン、SiN)等の絶縁膜4を減圧CVD(LP−CVD)等によりエミッタ層3の表面全領域に形成する(図23)。ここで、セル裏面側の所定部分に、すなわち、後述するセル裏面におけるpn構造分離部分およびアライメントマーク部分に、レジスト5をスクリーン印刷により形成する(図24)。次いで、セル裏面において、ドライエッチングにより、前記レジスト5が形成されていない部分の絶縁膜4とレジスト5とを除去する(図25)。これにより、レジスト5を形成した部分は絶縁膜4が残され、レジスト5を形成しなかった部分は絶縁膜4が除去される。また、絶縁膜4が除去された部分に、pn構造分離部分およびアライメントマーク部分が形成される。そして、この状態でアルカリエッチャントに浸漬し、前記絶縁膜4が除去された部分のエミッタ層3を約1μm程度エッチングし、セル基板としての半導体膜1を露出させた状態とする(図26、図29)。なお、6aは、この状態におけるpn構造分離部分を示す。この結果、図29に示されるように、セル裏面は、pn構造分離部分6aにより複数域に分離されるとともに、所定形状のアライメントマーク12が絶縁膜4およびエミッタ層3をエッチングして形成される。
【0006】
次いで、このアライメントマーク12により位置合わせを行いながら、上記pn構造分離部分6aにおける所定の位置のベース領域にベース電極6を、また、前記絶縁膜4を残した所定位置のエミッタ領域にエミッタ電極7を印刷し、焼成する(図27、図30)。この際、エミッタ電極7は、図27に示されるように、ファイヤースルー現象によって絶縁膜4を浸食貫通してエミッタ層3に到達し、電気的な接触を得る。
【0007】
なお、半導体膜1として多結晶シリコン膜を用いる場合には、さらに、この状態の裏面側より水素イオンを注入して水素パッシベーションを行う(図28)。また、半導体膜1に多結晶シリコン層を用いた場合において、このように水素パッシベーションを行うと、エネルギー変換効率を20〜30%改善することができる。
【0008】
上記太陽電池の場合は、アライメントマーク12は、絶縁膜4およびエミッタ層3の両層を所定形状でエッチングして形成されているため、このアライメントマーク12を光学的に正確に検出することが可能である。したがって、このアライメントマーク12を基準に、ベース電極6およびエミッタ電極7を正確に位置合わせすることが可能である。しかし、この太陽電池の場合は、セル受光面が平坦な境面であるので、反射防止膜を施しても幾分かの反射を避けけることができない。
【0009】
そこで、このような問題を解決した太陽電池として、セル受光面を微少四面体のピラミッドで構成するテクスチャ構造としたものが開発された。その一例としては、図31〜図43に記載した手順により製造されるラップアラウンド型太陽電池が知られている。なお、図31〜図39は、この従来の太陽電池の製造手順を貫通穴周りの断面構造の変化により段階順に説明したものである。また、図40は図36の段階における太陽電池セルの裏面図であり、図41は図37の段階における太陽電池セルの裏面図であり、図42は、正確に処理された状態の図39の段階における太陽電池セルの裏面図であり、図43は、不正確に処理された状態の図39の段階における太陽電池セルの裏面図である。
【0010】
これら図においては、前記従来例と同様に、1は基板としての半導体膜、2は半導体膜1の全面に格子状に配された貫通穴、3は半導体膜1の薄膜表面に形成されたエミッタ層、4はエミッタ層3の表面に形成された絶縁膜、5は絶縁膜4の一部に塗布されたレジスト、6は半導体膜1の裏面側表面上に形成されたベース電極、7はエミッタ層3上に形成されたエミッタ電極、6aは基板としての半導体膜1が露出した状態のpn構造分離部分、12はアライメントマークである。さらに、9はSiO2やSiN等の絶縁膜であるテクスチャ構造形成膜、10は受光面側に形成されたテクスチャ構造、11は反射防止膜である。
【0011】
次に、図にしたがって、この従来のラップアラウンド型太陽電池の製造方法を説明する。まず、半導体膜1に格子状に配した貫通穴2を形成する(図31)。次いで、半導体膜1の表面全領域にテクスチャ構造形成膜9を形成し(図32)、セル受光面側のみをドライエッチングすることにより、セル受光面側のテクスチャ構造形成膜9をエッチング除去する(図33)。この状態で、アルカリエッチャントに浸漬することにより、セル受光面にテクスチャ構造10を形成する(図34)。
【0012】
そして、セル裏面側等に残存するテクスチャ構造形成膜9をドライエッチングにより除去した後、前述の従来例と同様に半導体膜の表面全領域に半導体膜1とは逆タイプのエミッタ層3を形成する(図35)。この状態は前述の図22の状態に相当する。次いで、前述の図23、図24および図25と同様の工程を経て、図26に対応する段階、すなわち、セル裏面において、pn構造分離部分6aによりpn構造が複数域に分離されるとともに、アライメントマーク12が形成された状態となる(図36、図40)。
【0013】
ここから、図23に対応する工程においてエミッタ層の表面全領域に形成された絶縁膜4(前述の説明においては詳細説明を省略している)を弗化水素(HF)等に浸漬し除去する(図37、図41)。このとき、セル受光面のみを、ドライエッチング等を用いて選択的にエッチングしないのは、ドライエッチング等のイオン衝撃によりセル受光面がイオン損傷を受けるからである。
【0014】
次いで、セル受光面にプラズマCVD等で反射防止膜11を形成し(図38)、そして、pn構造分離部分6aの所定位置のベース領域にベース電極6を、また、エミッタ層3を残した部分の所定位置のエミッタ領域にエミッタ電極7を印刷し焼成する(図39、図42)。なお、前記のように絶縁膜4を弗化水素(HF)等に浸漬して除去する工程を経て、エミッタ電極7およびベース電極6を作製するので、水素パッシベーションを量産に適合する形で行うことができる。すなわち、前述の従来例のものでは、図28の段階でイオン注入装置を用いて水素イオン注入を行っているが、イオン注入装置で太陽電池セルのような10cm角以上の大形のデバイスを処理することは、量産には不向きである。これに対し、この従来例の製造工程では、プラズマCVDにより反射防止膜11としての水素化膜を形成するが、このプラズマCVD工程およびエミッタ電極7およびベース電極6の焼成工程で水素パッシベーション効果を奏することができる。なお、このようにして行った水素パッシベーションも、前記図28における場合と同様な効果を得ることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記図31〜図39の手順でラップアラウンド型太陽電池を製造する場合、図37(図41)の段階で絶縁膜4を除去するため、それ以降の段階ではアライメントマーク12を光学的に確認することが困難となる。すなわち、pn構造分離部分6aとエミッタ層3とのエッチングによる段差は1μm程度であるが、実際に用いている多結晶膜では、結晶粒に対応した凹凸がこの段差よりも大きく、アライメントに用いている光学系では、この段差を判別することが不可能である。したがって、このテクスチャ構造10を備えた従来の太陽電池では、絶縁膜4を除去した後の工程では、アライメントマーク12を光学的に正確に読み取ることが困難となることから、アライメントマーク12を用いずに貫通穴2を目安にベース電極6およびエミッタ電極7を印刷していた。
【0016】
しかしながら、貫通穴2は多結晶膜の場合、図40〜42に示すような正四角形でない場合が多い。このため10cm角以上にわたる範囲で、ベース電極6およびエミッタ電極7を正確に形成することが困難であった。このため、場合によっては図43に示すように、ベース領域にエミッタ電極7がはみ出して形成されたり、また、エミッタ領域にベース電極6がはみ出して形成されることがあった。また、この場合には、これら部分がショートすることにより、太陽電池のエネルギー変換効率等のセル特性が大幅に損なわれる場合が生じ、歩留りが低下するという問題点があった。
【0017】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、ベース電極およびエミッタ電極を正確な位置に形成し得るようにし、リークの発生を防止した太陽電池の構造およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る太陽電池は、セル基板としての半導体膜と、テクスチャ構造として形成されたセル受光面と、エミッタ領域およびベース領域を配し、これら領域それぞれに電極を配したセル裏面とを備えた太陽電池であって、前記セル裏面は、さらに前記セル受光面と同様なテクスチャ構造のアライメントマークを備えていることを特徴とする。したがって、この発明の太陽電池においては、ベース電極およびエミッタ電極の形成工程において、アライメントマークを光学的に正確に読み取ることができる。
【0019】
また、前記アライメントマークは、前記セル裏面における少なくとも1組の両端部の近傍に形成しても良い。この場合には、ベース電極およびエミッタ電極の形成工程において、容易、かつ、より正確に位置合わせを行うことができる。
【0020】
また、この発明に係る太陽電池の製造方法は、セル基板としての半導体膜の受光面にテクスチャ構造を形成する工程と、この工程に引き続き前記半導体膜の表面全領域にエミッタ層を形成する工程と、この工程に引き続き前記半導体膜の裏面にエミッタ領域およびベース領域を形成し、これら各領域に電極を形成する工程とを備えた太陽電池の製造方法であって、前記テクスチャ構造を形成する工程は、前記半導体膜の表面全領域にテクスチャ構造形成膜を形成する工程と、次いで、前記半導体膜の裏面にアライメントマーク用マスクを形成する工程と、次いで、前記半導体膜の受光面および前記半導体膜の裏面における所定のアライメントマーク部分に、同時にテクスチャ構造を形成する工程とを備えていることを特徴とする。
【0021】
このように構成することにより、セル受光面のテクスチャ構造とアライメントマークとしてのアライメントマークとが同時に形成されるので、アライメントマーク形成用の工程を追加する必要がない。
【0022】
また、前記両電極を形成する工程は、前記アライメントマーク部分に形成されたテクスチャ構造をアライメントマークとして、電極の位置合わせを行うことを特徴とする。したがって、この場合には、ベース電極およびエミッタ電極のパターンを正確に位置合わせすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1〜図12は、この実施の形態に係るラップアラウンド型太陽電池の構造およびその製造方法を説明するための図面であって、特に、貫通穴周りの断面(後述する図13におけるB−B断面に相当)構造の変化により、その製造工程を示した説明図である。また、図13〜図17は、この太陽電池の製造工程におけるアライメントマーク周りのセル裏面図である。すなわち、図13は図2の段階におけるアライメントマーク周りのセル裏面図であり、図14は図5の段階におけるアライメントマーク周りのセル裏面図であり、図15は図9の段階におけるアライメントマーク周りのセル裏面図であり、図16は図10の段階におけるアライメントマーク周りのセル裏面図であり、図17は図12の段階におけるアライメントマーク周りのセル裏面図である。また、図18〜図21は、アライメントマーク周りの断面(図13におけるA−A断面に相当)構造の段階変化によりアライメントマークの形成工程を示した説明図であり、図18は図1の段階に対応し、図19は図2の段階に対応し、図20は図3の段階に対応し、図21は図5の段階に対応する。なお、これら図面において、前述の従来の太陽電池と同一および相当する個所には同一の番号を付す。
【0024】
したがって、これら図においては前述の従来のものと同様、1は半導体膜、2は半導体膜1の全面に格子状に配された貫通穴、3は半導体膜1の薄膜表面に形成されたエミッタ層、4はエミッタ層3の表面に形成された絶縁膜、5は絶縁膜4の一部に塗布されたレジスト、6は半導体膜1の裏面側表面上に形成されたベース電極、7はエミッタ層3上に形成されたエミッタ電極、6aは基板としての半導体膜1が露出した状態のpn構造分離部分、9はSiO2やSiN等の絶縁膜であるテクスチャ構造形成膜、10はセル受光面に形成されたテクスチャ構造、11は反射防止膜、13はアライメントマーク用マスクである。また、14は、本発明の要部をなすテクスチャ構造のアライメントマークである。
【0025】
次に、図にしたがってこの実施の形態に係るラップアラウンド型太陽電池の構造およびその製造方法を説明する。
【0026】
図1(図18)は、貫通穴2を開けた段階の半導体膜1である。ここで、半導体膜1の表面全領域にテクスチャ構造形成膜9を形成し、さらに裏面側にのみアライメントマーク用マスク13をスクリーン印刷等で形成する(図2、図13、図19)。
【0027】
次いで、ドライエッチングによりセル受光面(表面)およびアライメントマークを形成する予定の部分(アライメントマーク部分)のテクスチャ構造形成膜9を除去し、その後さらにアライメントマーク用マスク13を除去する(図3、図20)。なお、このアライメントマーク部分は、セル裏面における少なくとも1組の対向する両端部の近傍に配置されている。そして、この状態でアルカリエッチャントに浸漬することにより、セル受光面に光閉じ込め構造としてのテクスチャ構造10を形成すると同時に、前記アライメントマーク部分にアライメントマーク14としてのテクスチャ構造を形成し(図4)、その後にテクスチャ構造形成膜9をHF等により除去する(図5、図14、図21)。
【0028】
次に、半導体膜1の表面全領域に拡散により、半導体膜1とは逆タイプのエミッタ層3を形成する(図6)。例えば、半導体膜1がp型の場合には、拡散によりn型のエミッタ層3を形成する。次いで、反射防止効果を備えた一窒化一珪素(シリコシアン、SiN)等の絶縁膜4を減圧CVD(LP−CVD)等によりエミッタ層3の表面全領域に形成し、セル裏面側のエミッタ電極を形成する予定の部分、すなわち、エミッタ領域にレジスト5をスクリーン印刷により形成する(図7)。この際、先に形成したアライメントマーク14により位置合わせを行う。
【0029】
次に、セル裏面側において、ドライエッチングにより、レジスト5が形成されていない部分(すなわち、後述するpn構造分離部分)の絶縁膜4およびレジスト5を除去する(図8)。これによりレジスト5を形成した部分(エミッタ領域)に絶縁膜4が残された状態となる。
【0030】
次に、この状態でアルカリエッチャントに浸漬し、絶縁膜4を除去した部分(すなわち、pn構造分離部分)のエミッタ層を約1μm程度エッチングし、基板としての半導体膜1を露出させた状態とする(図9、図15)。なお、6aは、セル裏面側においてこのように基板としての半導体膜1を露出させたpn構造分離部分をいう。
ここから、一旦形成した絶縁膜4をHF等に浸漬し除去する(図10、図16)。次いで、表面側にプラズマCVD等で反射防止膜11を形成する(図11)。次いで、スクリーン印刷により、pn構造分離部分6aにおける所定位置のベース領域にベース電極6を、エミッタ層3が残された部分における所定位置のエミッタ領域にエミッタ電極7を印刷し、焼成し、製造工程を完了する(図12、図17)。この場合、各電極6,7は、アライメントマーク14としてパターン合わせするように印刷する。
【0031】
上記実施の形態1による太陽電池の構造およびその製造工程によれば、アライメントマーク14は、テクスチャ構造として形成されているため、アライメントマーク14形成後の工程において、常にこれを鮮明に確認することができる。したがって、ベース電極6およびエミッタ電極7の形成工程においてパターンずれを生じることがない。また、アライメントマーク14をセル裏面における少なくとも1組の対向する両端部の近傍に設けているので、ベース電極6、エミッタ電極7等のパターン合わせの際、前後左右の位置関係やパターン角度の調整を、容易、かつ、正確に行うことができる。また、テクスチャ構造の受光面を備えた従来の太陽電池と同様、反射防止膜11を形成するためのプラズマCVD工程、並びに、エミッタ電極7およびベース電極6の焼成工程により、水素パッシベーション効果を得ることができるので、量産に最適である。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明の太陽電池によれば、セル基板としての半導体膜と、テクスチャ構造として形成されたセル受光面と、エミッタ領域およびベース領域を配し、これら領域それぞれに電極を配したセル裏面とを備えた太陽電池であって、前記セル裏面は、さらに前記セル受光面と同様なテクスチャ構造のアライメントマークを備えているため、アライメントマーク形成後の工程において各パターンを正確に形成できるようになり、リークの無い高効率なラップアラウンド型太陽電池を得ることができる。
【0033】
また、本発明の太陽電池によれば、アライメントマークは、前記セル裏面における少なくとも1組の対向する両端部の近傍に形成されているので、アライメントマーク形成後の工程における各パターンの位置合わせをより正確に形成することができる。
【0034】
また、本発明に係る太陽電池の製造方法によれば、セル基板としての半導体膜の受光面にテクスチャ構造に形成する工程と、この工程に引き続き前記半導体膜の表面全領域にエミッタ層を形成する工程と、この工程に引き続き前記半導体膜の裏面にエミッタ領域およびベース領域を形成し、これら各領域に電極を形成する工程とを備えた太陽電池の製造方法であって、前記テクスチャ構造を形成する工程は、前記半導体膜の表面全領域にテクスチャ構造形成膜を形成する工程と、次いで、前記半導体膜の裏面にアライメントマーク用マスクを形成する工程と、次いで、前記半導体膜の受光面および前記半導体膜の裏面における所定のアライメントマーク部分に、同時にテクスチャ構造を形成する工程とを備えているので、アライメントマーク形成のための工程を追加することなく、テクスチャ構造のアライメントマークを形成することができる。
【0035】
また、本発明に係る太陽電池の製造方法によれば、前記両電極を形成する工程は、前記アライメントマーク部分に形成されたテクスチャ構造をアライメントマークとして、電極の位置合わせを行うので、パターンを正確に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るラップアラウンド型太陽電池について、貫通穴周りの断面構造の段階的変化により製造工程手順を説明した図面であって、半導体膜に貫通穴を形成した段階を示す。
【図2】 図1の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、半導体膜の表面全領域にテクスチャ構造形成膜を形成し、その後裏面側のみにアライメントマーク用マスクをスクリーン印刷した段階を示す。
【図3】 同じく図1の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、テクスチャ構造形成膜を除去し、さらに、アライメントマーク用マスクを除去した段階を示す。
【図4】 同じく図1の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、セル受光面に光り閉じ込め構造としてのテクスチャ構造を形成し、同時にセル裏面にアライメントマークとしてのテクスチャ構造を形成した段階を示す。
【図5】 同じく図1の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、テクスチャ構造形成膜を弗化水素(HF)により除去した段階を示す。
【図6】 同じく図1の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、基板としての半導体膜の表面全領域にエミッタ層を形成した段階を示す。
【図7】 同じく図1の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、絶縁膜をエミッタ層の表面全領域に形成し、裏面側にレジストをスクリーン印刷により形成した段階を示す。
【図8】 同じく図1の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、セル裏面側の絶縁膜をドライエッチングし、レジストを除去した段階を示す。
【図9】 同じく図1の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、アルカリエッチャントに浸漬して絶縁膜を除去した部分のエミッタ層をエッチングし、セル基板としての半導体膜を露出させて、pn構造分離部分を形成した段階を示す。
【図10】 同じく図1の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、一旦形成した絶縁膜を弗化水素(HF)等に浸漬して除去した段階を示す。
【図11】 同じく図1の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、セル受光面にプラズマCVDで反射防止膜を形成した段階を示す。
【図12】 同じく図1の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、ベース電極およびエミッタ電極をスクリーン印刷し焼成した最終段階を示す。
【図13】 図1の説明中に記載した製造工程手順の補足説明図であって、図2の段階におけるアライメントマーク周りのセル裏面図である。
【図14】 同じく図1の説明中に記載した製造工程手順の補足説明図であって、図5の段階におけるアライメントマーク周りのセル裏面図である。
【図15】 同じく図1の説明中に記載した製造工程手順の補足説明図であって、図9の段階におけるアライメントマーク周りのセル裏面図である。
【図16】 同じく図1の説明中に記載した製造工程手順の補足説明図であって、図10の段階におけるアライメントマーク周りのセル裏面図である。
【図17】 同じく図1の説明中に記載した製造工程手順の補足説明図であって、図12の段階におけるアライメントマーク周りのセル裏面図である。
【図18】 図1の説明中に記載した製造工程手順に関連し、アライメントマーク周りの断面構造の段階的変化により、アライメントマークの製造工程手順を説明した図面であって、図1に対応する段階を示す。
【図19】 図18の説明中に記載したアライメントマークの製造工程手順に係る説明図であって、図2に対応する段階を示す。
【図20】 同じく図18の説明中に記載したアライメントマークの製造工程手順に係る説明図であって、図3に対応する段階を示す。
【図21】 同じく図18の説明中に記載したアライメントマークの製造工程手順に係る説明図であって、図5に対応する段階を示す。
【図22】 従来のラップアラウンド型太陽電池の一例について、貫通穴周りの断面構造の段階的変化により製造工程手順を説明した図面であって、セル基板としての半導体膜に貫通穴を等間隔で格子状に形成し、半導体膜の表面全領域に半導体膜とは逆のエミッタ層を形成した段階を示す。
【図23】 図22の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、反射防止効果を備えた絶縁膜をエミッタ層の表面全領域に形成した段階を示す。
【図24】 同じく図22の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、セル裏面側のエミッタ層領域に相当する部分にレジストをスクリーン印刷した段階を示す。
【図25】 同じく図22の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、裏面側の絶縁膜をドライエッチングし、レジストを除去した段階を示す。
【図26】 同じく図22の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、セル裏面に、セル基板としての半導体膜を露出したpn構造分離部分を形成した段階を示す。
【図27】 同じく図22の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、ベース電極およびエミッタ電極を印刷し焼成した段階を示す。
【図28】 同じく図22の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、セル裏面側から水素パッシベーションを行う最終段階を示す。
【図29】 図22の説明中に記載した製造工程手順の補足説明図であって、図26の段階におけるアライメントマーク周りのセル裏面図である。
【図30】 同じく図22の説明中に記載した製造工程手順の補足説明図であって、図27の段階におけるアライメントマーク周りのセル裏面図である。
【図31】 従来のラップアラウンド型太陽電池に係る他の一例について、貫通穴周りの断面構造の段階的変化により製造工程手順を説明した図面であって、セル基板としての半導体膜に貫通穴を形成した段階を示す。
【図32】 図31の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、半導体膜の表面全領域にテクスチャ構造形成膜を形成した段階を示す。
【図33】 同じく図31の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、セル受光面側のみのテクスチャ構造形成膜を除去した段階を示す。
【図34】 同じく図31の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、セル受光面にテクスチャ構造を形成した段階を示す。
【図35】 同じく図31の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、セル裏面に残存するテクスチャ構造形成膜を除去し、半導体膜の表面全領域にエミッタ層を形成した段階を示す。
【図36】 同じく図31の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、絶縁膜を形成した後、セル基板としての半導体膜を露出したpn構造分離部分およびアライメントマークを形成した段階を示す。
【図37】 同じく図31の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、一旦形成した絶縁膜を除去した段階を示す。
【図38】 同じく図31の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、セル受光面に反射防止膜を形成した段階を示す。
【図39】 同じく図31の説明中に記載した製造工程手順の説明図であって、ベース電極およびエミッタ電極を形成した最終段階を示す。
【図40】 図31の説明中に記載した製造工程手順の補足説明図であって、図36の段階におけるアライメントマーク周りのセル裏面図である。
【図41】 図31の説明中に記載した製造工程手順の補足説明図であって、図37の段階におけるアライメントマーク周りのセル裏面図である。
【図42】 図31の説明中に記載した製造工程手順の補足説明図であって、図39の段階が正確に行われた場合のアライメントマーク周りのセル裏面図である。
【図43】 図31の説明中に記載した製造工程手順の補足説明図であって、図39の段階が不正確に行われた場合のアライメントマーク周りのセル裏面図である。
【符号の説明】
1 半導体膜、2 貫通穴、3 エミッタ層、4 絶縁膜、5 レジスト、6ベース電極、6a セル基板としての半導体膜を露出した状態のpn構造分離部分、7 エミッタ電極、8 水素イオンを模擬したもの、9 テクスチャ構造形成膜、10 テクスチャ構造、11 反射防止膜、12 (従来の)アライメントマーク、13 アライメントマーク用マスク、14 (本発明の)アライメントマーク。

Claims (4)

  1. セル基板としての半導体膜と、テクスチャ構造として形成されたセル受光面と、エミッタ領域およびベース領域を配し、これら領域それぞれに電極を配したセル裏面とを備えた太陽電池であって、前記セル裏面は、さらに前記セル受光面と同様なテクスチャ構造のアライメントマークを備えていることを特徴とする太陽電池。
  2. 前記アライメントマークは、前記セル裏面における少なくとも1組の両端部の近傍に形成されていることを特徴とする請求項1記載の太陽電池。
  3. セル基板としての半導体膜の受光面にテクスチャ構造に形成する工程と、
    この工程に引き続き前記半導体膜の表面全領域にエミッタ層を形成する工程と、
    この工程に引き続き前記半導体膜の裏面にエミッタ領域およびベース領域を形成し、これら各領域に電極を形成する工程とを備えた太陽電池の製造方法であって、
    前記テクスチャ構造を形成する工程は、前記半導体膜の表面全領域にテクスチャ構造形成膜を形成する工程と、次いで、前記半導体膜の裏面にアライメントマーク用マスクを形成する工程と、次いで、前記半導体膜の受光面および前記半導体膜の裏面における所定のアライメントマーク部分に、同時にテクスチャ構造を形成する工程とを備えていることを特徴とする太陽電池の製造方法。
  4. 前記両電極を形成する工程は、前記アライメントマーク部分に形成されたテクスチャ構造をアライメントマークとして、電極の位置合わせを行うことを特徴とする請求項3記載の太陽電池の製造方法。
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