JP4440329B1 - 透析液専用の校正液 - Google Patents

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Abstract


【課題】電極法を原理とする電解質計測機器では、これまで透析液を正確に測定することができなかった。

【解決手段】透析液を測定する際に、透析液濃度の正確さを担保し得る透析液専用の校正(補正)液を用いて前記電極法機器を再校正(補正)後、検体である透析液を測定し、前記補正結果をその測定値に反映し得る、透析液専用の校正(補正)液を使用することにより、標準品によってその測定値の正確さが担保された炎光光度法または原子吸光法または電量滴定法を用いて得られた同測定値と、測定値が100mmol/Lを超える計測対象については絶対値で2パーセント以内、同測定値が10mmol/L以下である計測対象については絶対値で10パーセント以内の範囲で一致させることが可能となった。

【選択図】図19

Description

本願発明は、電極法を原理とする電解質計測機器において、透析液濃度の正確さを担保し得る専用の校正液に関するものである。

「尿蛋白陽性などの腎疾患の存在を示す所見」もしくは「腎機能低下(糸球体濾過量が60mL/min/1.73平方メートル未満)が3ヶ月以上続く状態」を「慢性腎臓病(CKD)」と定義し、慢性腎臓病対策を進める取り組みが近年全世界的に進んでいる。上記は腎臓病を腎機能によって層別化し、慢性腎炎や慢性腎不全などを包括した概念であり、慢性腎臓病として早期に診断および治療ができれば、透析に至る時期を先に延ばしたり、心血管疾患を減少させることが可能になるであろうという考えに基づく。わが国には推定で約1,300万人以上の慢性腎臓病患者がおり、また慢性腎不全に至って透析を受ける患者総数は26万人(国民約500人に1人)を超えており、さらに患者数は毎年1万人程度増え続けている。

血液透析療法に使用する透析液は、以下に示す基本的条件を満たしている必要がある。まず、1)生体に有害な成分を含有せず、2)成分の相互反応による沈殿物などを生ぜずに長期間安定しており、3)生体に必要な物質は除去せず、4)生体に不足している物質を補給でき、5)電解質など恒常性物質の濃度を著しく変動させず、6)浸透圧は血液とほぼ等しく、7)尿毒症の原因物質(および老廃物)の除去効率を高め、8)代謝性アシドーシスを是正するためのアルカリ化剤が添加されており、かつ、9)取り扱いが容易、でなければならない。

上記基本的条件における縛りを受けつつ、透析液供給機器および透析液成分の選択研究等が積み重ねられ、今日では、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、塩化物イオン、酢酸イオン、およびブドウ糖を成分とするA液と、重炭酸ナトリウムのみを成分とするB末(またはB原液)の2つに必要成分を振り分け、それらを使用直前に混合・稀釈してシングルパスまたはコンベクション(対流)方式の自動供給機器を用いて供給することで、透析液の安定供給を図れるようになった。

一般的に、透析療法では安全確保のために数ヶ所の監視点が設けられ、それらは「血液回路側での監視」、「透析液供給側での監視」、および「洗浄・消毒効果の確認」に大別される。透析液が流れる経路内に菌の繁殖などを生ぜしめないことはもちろん極めて重要な事柄であるが、調製済み(A液とB末(またはB原液)を混合したという意)の透析液成分の濃度が目的濃度と合致しているかどうかを確認することも、患者の負担軽減さらには不慮の医療事故の回避という意味も含めて、また極めて重要な事項であるといわねばなるまい。しかし、ごく最近に至るまで、調製済み透析液の精密な濃度確認は、認識の点において、どちらかというと軽んじられてきたように思われる。ひとつには、透析液供給機器に電導度計等による濃度監視システムが組み込まれていることが多く、供給機器の利用者がその監視システムを信頼し切ってしまったという状況が推察されるかもしれない。

だが、透析液販売メーカーは使用前の注意事項として以下を挙げ、重要な数点について注意を喚起してきた。それらを抜粋・要約すると、1)使用前に透析液の電解質濃度を測定して適正であることを確認、2)使用前のpHが7.2〜7.4の範囲内にあることを確認(透析液のpHは希釈水(望ましくは脱イオン水。水道水等を用いる場合は水道水中のカルシウム等の濃度を十分考慮に入れる)の影響によって若干の変動が起こり得るため)、3)血液側の陽圧によって透析液浸透圧とのバランスを保つ(透析患者の血清浸透圧は高窒素血症のため高値を示すのが普通であるため)、4)透析液の浸透圧を補正する(生理食塩液の浸透圧(理論値308mOsm/L)を測定して実測値を補正)、5)使用に際して体温程度に温める、6)透析液中の沈殿の有無を透析器前の透析液回路で確認(沈殿を生じた透析液は使用しない)等となる。また、透析液供給機器メーカー側も注意事項や警告として以下を挙げ、やはり重要事項としている。それらを上記同様にまとめれば、1)治療開始前に浸透圧計、電導度計、炎光光度計等の検査機器によって透析液の実濃度が処方通りであることを確認、2)洗浄終了後、消毒用または酸洗浄用薬液が液回路内に残留していないことを試験紙や試験薬を使用して確認、となる。いずれにしても、調製済み透析液濃度の確認は重要事項と見做されている。

さて、A液−B末タイプの重炭酸透析液に対応した一般的な透析液供給機器の場合、B液濃度は供給機器内の溶解装置に付随する電導度計で計測され、透析液濃度は浸透圧計で計測される。電導度の単位は[mS/cm]であり、浸透圧の単位は[mOsm/kg(水)]であって、いずれにしても臨床分野で使用される濃度[mEq/L](次段落の[註]参照)ではなく、濃度として読み取るためには換算が必要である。それはさておき、重炭酸型透析液のB末は使用直前に希釈すれば良いことになっているが、アルカリ化剤として作用するB液に濃度異常が生じるとアシドーシスが充分に改善されなかったり、アルカローシスに傾き過ぎてしまったりする危険性が生じる。よって、危機管理の上からは、調製済み透析液濃度のみならず、B液濃度も出来得る限り正確に計測することが望ましい(非特許文献1、参照)。

重炭酸濃度を正確に計測するには、通常、血液ガス分析装置が用いられるが、重炭酸イオンのカウンター・イオンであるナトリウムイオンを計測しても同様の結果を得ることができる。なお、重炭酸濃度は開放系では一般的に経時変化するが、透析中は安定していることが知られており(非特許文献1)、調製済み透析液およびB液の正確な計測は調製毎に行うことが望ましい。また、調製済み透析液における正確な重炭酸濃度は、その元となるB液が正しく稀釈されてこそ得られるため、B液濃度は「調製済みB液(B末を稀釈水で溶解して調製したB(原)液を、さらに稀釈水で調製済み透析液の容量になるまで希釈調製したもの)」として計測することがより望ましい(「B末」ではなく「B液」タイプのものでも考え方は同じ)。実際問題として、B液(B原液)の直接計測は、その濃度が、調製済みB液の約30〜35倍と濃いために、不正確となる可能性が高い。

一方、A液の濃度計測であるが、A液の正確な濃度計測には以下の2つの意義がある。1)調製済み透析液の電解質濃度を決定するためには、正確な稀釈のための正確な濃度計測が求められること。2)B液同様、重炭酸濃度を管理するため。これは、透析液供給機器によって、B原液を先に希釈するか、A原液を先に希釈するかの違いがあり、A原液を先に希釈する装置では稀釈済みB液を測定することが出来ないため、A液を測定して重炭酸濃度を算出しているからである。なお、測定対象は、B液同様の理由で、「調製済みA液」がより望ましい。

一般的な調製済み透析液の成分濃度は以下である。ナトリウムイオン135〜140mEq/L、カリウムイオン2.0〜2.5mEq/L、カルシウムイオン2.5〜3.5mEq/L、マグネシウムイオン1.0〜1.5mEq/L、アルカリ化剤(酢酸イオン+重炭酸イオン)33〜38mEq/L、塩化物イオン105〜114mEq/L、ブドウ糖0〜200mg/dL。調製済みB液の濃度は、重炭酸イオンが30mEq/L前後に、また同様に調製済みA液ではナトリウムイオン濃度が110mEq/L前後(他成分は調製済み透析液と同じ)となるように成分調整されている(註:[mEq/L]および[mg/dL]は臨床分野で慣習的に使用されてきたもので、[mEq/L]の場合、イオンが1価では[mmol/L]と等しく、2価では1/2=0.5[mmol/L]、n価では1/n[mmol/L]となる。なお、[mg/dL]に相当するSI単位はない)。

[直接的な背景技術]

さて、血液または血清(血漿)中の電解質濃度を測定する方法には、「炎光光度法(フレーム法)」、「原子吸光法」、「イオン選択性電極法(ISE法)」等があるが、現在では主に簡便性および安全性の観点から、電極法に基づく測定機器が、血液成分分析計の主流として扱われるようになった(註:塩化物イオン等、負イオンの計測は、電量滴定法および電極法等で行われている)。電極法による測定機器の場合、炎光光度計や原子吸光計における濃度とは違って測定対象が活量であるため、原理的に種々の妨害を受け易いが、測定系の形状や配置、あるいは通常高低2種類の校正液(キャリブレータ、標準液等ともいう)や参照電極液の濃度調節や改良等によって、現在では特に大きな問題を引き起こすことなく、各種病院や関連施設、検査センター等で利用されている。なお、炎光光度計や原子吸光計は透析液製造メーカーにおいて、透析液自体の含量測定および均一性評価に、また原子吸光計は透析液調製用水の水質基準確認等にも利用されている。

特許第4081633号広報 特許第3951284号広報 特許第4004523号広報 特許第2964021号広報 特許第2869610号広報

岩本均、清水正樹、佐藤長典、福村浩一、中村義弘、「重炭酸透析における透析液重炭酸の至適濃度について」、透析会誌19、89−94、1986

上記、電極法による電解質計測機器を用いて、「調製済み透析液」、「調製済みB液」、「調製済みA液」等を測定することは、原理的には可能であろうと考えられる。また、そういった要望が、実際に透析医療の現場から医療機器メーカーに寄せられたこともあった。しかし前記した原理上の理由により、本来の目的成分とは異なる成分の検体を測定すると、得られる測定結果が不正確になってしまうという問題点が知られていたため、実現化されてこなかった。ここでいう成分の異なる検体とは、具体的には、「血液(または血清(血漿))」と「各種透析液」、あるいは「河川および下水道等の水質検査対象溶液」と「各種透析液」等を指す。より具体的な例を挙げると、たとえば血液用の校正液(および参照電極液)を校正液とする電極法機器で調製済み透析液を測定すると、ナトリウムイオンで約−2.5mEq/L程度、カリウムイオンで約−0.05mEq/L程度、塩化物イオンで約−5.5mEq/L程度、測定値が低く計測されてしまう。また、透析液と一括りにしても「調製済み透析液」、「調製済みB液」、「調製済みA液」では、たとえばpHの値が、それぞれ、約7.4、約8.5、約5.0と大きく異なっているため、それら同士でさえ、成分の異なる検体と見做す必要がある(註:本明細書において、特に断りなく透析液と記す場合、「調製済み透析液」、「調製済みB液」、「調製済みA液」のすべて、またはいずれかを指す)。

それでは透析液と同等か、あるいは似かよった成分組成の高低校正液を利用すれば上記問題が解消されるかといえば、そうでもない。例を挙げると、たとえば「経時によるpH変化」や「沈殿物の発生あるいは腐敗」など、上記とは別の問題が発生し、またそれらを無理やり解決(たとえば、真空容器に高低校正液を収容する等)しようとすれば、技術面のみならずコストの面からも問題が生じることになる。

本願発明は上記課題を解決するためになされたものであり、電極法を原理とする電解質計測機器において、透析液濃度の正確さを担保し得る専用の校正液であって、前記校正液によって補正された前記機器の検体であるところの透析液の測定値が、標準品によってその測定値の正確さが担保された炎光光度法または原子吸光法または電量滴定法を用いて得られた同測定値と、測定値が100mmol/Lを超える計測対象については絶対値で2パーセント以内、同測定値が10mmol/L以下である計測対象については絶対値で10パーセント以内の範囲で一致することを特徴とする、前記機器用の透析液専用の校正液を用いることによって解決された。具体的には、「日本臨床化学会・血液ガス・電解質専門委員会」における「許容差限界値の指針」(絶対値)(Na±2mmol/L、K±0.2mmol/L、Cl±2mmol/L)」程度に減少させることができた。(註:なお、ここでいう「標準品」とは、現時点においては、有限責任中間法人・検査医学標準物質機構(ReCCS)が販売する、一次実試料標準物質(JCTLM国際トレーサビリテイ合同委員会登録の高位標準物質)、イオン電極用一次実試料標準物質JCCRM111(Na、K、Cl)、および、電解質、イオン電極用認証標準物質<厚生労働省告示120号による体外診断薬申請の際の性能確認のための標準品>、電解質認証実用標準物質 JCCRM321、イオン電極用認証実用標準物質(冷凍品)JCCRM121、イオン電極用認証実用標準物質(冷蔵品)JCCRM122等を指す)。

※[背景技術]で述べたことの繰り返しになるが、透析液の濃度調整方法や確認方法について、現時点では、標準法と呼べるような手技または測定法はなく、いまだ模索中であって、現実的には、透析液を使用する各施設の裁量に委ねられている。すなわち、透析液供給メーカーが示す調製後の値はあくまで目安でしかなく、たとえ多くの施設で各種計測機器を用いて濃度の確認を行っていたとしても、それらの機器から得られる計測結果がトレーサビリティーの考え方からいって確からしい値であるかどうかは、確認できないのである。よって、それらを確認するためには、標準品トレーサブルであるところの計測機器によって濃度確認された表示値を有する透析液専用の校正液というものが、どうしても必要となる。

「透析液専用の校正液」を用いて「電極法電解質計測機器」を「再校正(補正)」した後に、「調製済み透析液」、「調製済みB液」、「調製済みA液」を測定すると、目的濃度(註:炎光法等、電極法よりトレーサビリティー的に上位にある計測機器および標準物質で補正されて得られた濃度の意)との「計測濃度の差(ずれ)」が、少なくとも健常値あるいは透析液の代表的調製値(たとえば、カリウムイオンの場合2.0mEq/L等)近傍において、「日本臨床化学会における許容差限界値の指針(絶対値)(Na±2mmol/L、K±0.2mmol/L、Cl±2mmol/L)」程度に減少した。具体的には、「調製済み透析液」では[0009]で例として挙げた「計測濃度の差(ずれ)」の値から、ナトリウムイオンで約+1.0mEq/Lのずれへ、カリウムイオンで約+0.01mEq/Lのずれへ、塩化物イオンで約+0.5mEq/Lのずれへと解消された。また「調製済みB液」においても、再校正(補正)しなかったときの測定値のずれ(ナトリウムイオンで約−1.5mEq/L)から、同イオンで約−1.0mEq/Lのずれへ、「調製済みA液」においては、再校正(補正)しなかったときの測定値のずれ(ナトリウムイオンで約−2.5mEq/L、カリウムイオンで約+0.05mEq/L、塩化物イオンで約−0.5mEq/L)から、それぞれ、約+1.0mEq/L、約−0.05mEq/L、約+1.0mEq/Lのずれへと解消された。

本願発明における「透析液専用の校正液による手動または自動校正および測定シーケンス」を示した図である。 本願発明の検証に用いた電極法電解質計測機器(非希釈法)の構成を示した図である。 本願発明の検証に用いた電極法電解質計測機器(希釈法)の構成を示した図である。 本願発明の「電極法電解質計測機器」の構成を示した図である。 調製済み透析液に対する直線性試験(非希釈法機器による)の結果を示した図である。 調製済みB液に対する直線性試験(非希釈法機器による)の結果を示した図である。 調製済みA液に対する直線性試験(非希釈法機器による)の結果を示した図である。 調製済み透析液に対する日差変動試験(非希釈法機器による)の結果を示した図である。 調製済みB液に対する日差変動試験(非希釈法機器による)の結果を示した図である。 調製済みA液に対する日差変動試験(非希釈法機器による)の結果を示した図である。 調製済み透析液に対する直線性試験(希釈法機器、未校正)の結果を示した図である。 調製済み透析液に対する直線性試験(希釈法機器、校正あり)の結果を示した図である。 電解質認証実用標準物質で校正(補正)した炎光光度計(塩化物イオンに対しては電量滴定法)による、調製済み透析液、調製済みB液、調製済みA液に対する直線性試験(希釈法機器による)の測定結果を示した図である。 調製済み透析液に対する炎光法(および電量滴定法)と電極法(非希釈法機器による)の相関試験の結果を示した図である。 調製済みB液に対する炎光法(および電量滴定法)と電極法(非希釈法機器による)の相関試験の結果を示した図である。 調製済A液に対する炎光法(および電量滴定法)と電極法(非希釈法機器による)の相関試験の結果を示した図である。 調製済み透析液に対する炎光法(および電量滴定法)と電極法(希釈法機器、未校正)の相関試験の結果を示した図である。 調製済み透析液に対する炎光法(および電量滴定法)と電極法(希釈法機器、校正あり)の相関試験の結果を示した図である。 各施設の検査室にある電極法計測機器に透析液専用の校正液を用いた結果を示した図である。

「透析液専用の校正液」の組成は開示されている市販の該当品と同等または類似とする方法と、同等または類似ではないがイオン選択性電極にとってpHや成分濃度、浸透圧などが同等と感応される組成とする方法(たとえば、緩衝能を持たせたり、塩濃度や浸透圧調整成分を含ませたり、防腐剤類を加えたりした組成等)が考えられる。また、校正法については、「調製済み透析液」、「調製済みB液」、「調製済みA液」のそれぞれに対応する「専用の校正液」による「1点校正」がまず考えられるとともに、実濃度に隔たりがある「調製済み透析液」と「調製済みB液」、および「調製済みA液」と「調製済みB液」に関しては、それら2液に相当する「専用の校正液2種」で「2点校正」する方法(実質的には、それぞれ2種の校正液による2つの1点校正と見做せる)も可能な形態として考慮され得る。なお、「電極法電解質計測機器」は、試料容器から試料を採取して目的物質の濃度を検出する「測定部」と、その検出信号に基づいて目的物質の濃度を演算する「制御部(註:この制御部を他の各部の制御部と兼用させることも可)」、および濃度等の演算結果を表示する「表示部」と、さらに各部に電気エネルギーを供給する「電源部」より構成されていれば良く、「透析液専用の校正液」による校正は、たとえば以下のようなシーケンスであれば良い。1)予め設定された基準値に基づき「校正液」を所定の回数測定し、2)上記測定結果を用いて機器を手動または自動校正後、3)予め設定された基準値に基づき1種または複数の「透析液専用の校正液(濃度既知)」をそれぞれ所定の回数測定し、4)上記測定値の平均値(1回測定の場合は、その測定値)を機器の制御部または他の場所において演算し、5)上記平均値と「透析液専用の校正液」の標準値または認証値との差を比較演算して、6)上記比較演算の差が予め設定した基準値に対して所定の範囲内に入っているか否かに基づき「透析液専用の校正液」測定値の補正の有無を判別し、7)補正の必要がある場合にはその判別信号に基づき補正式の補正係数を機器の制御部または他の場所において演算して格納後、8)「透析液検体」を測定し、機器の制御部または他の場所に設定された補正式を用いて得られた濃度測定値を手動または自動的に再校正(補正)し、9)上記結果を機器の表示部に表示するか、他の場所において確認・保存する(図1参照)。なお、ここでいう「他の場所」とは、パーソナル・コンピューター用市販または自作のソフト類等のことを指す。なお、当然のごとく上記内容および下記した実施例は本願発明を実施するための形態の1種に過ぎず、本願発明を限定するものではない。

上記を踏まえて、「非希釈法」と「稀釈法」の2法を原理とする「電極法電解質計測機器」によって発明効果の確認実験を行った。なお、「非希釈法機器」は図2、「稀釈法機器」は図3の構成を持つものを使用し、機器自体の構成は図4に示した。。両機器において使用されたイオン選択性電極応答膜に含まれるの感応物質(註:特定イオンに対する選択的応答物質の意)は、ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩化物イオンの順に、クラウンエーテル、バリノマイシン、四級アンモニウム塩相当物(特許第3970032号公報、特許第3975086号公報記載)である。「透析液専用の校正液」には、発明効果確認試験の簡便さを考慮し、次なる組成とした。塩化ナトリウム140.0mEq/L、塩化カリウム2.0mEq/L、酢酸ナトリウム6.0mEq/L、塩化カルシウム1.5×2mEq/L、塩化マグネシウム0.5×2mEq/L、ブドウ糖100mg/dL、炭酸水素ナトリウム30.0mEq/L(イオン濃度で表記すれば、ナトリウムイオン140mEq/L、カリウムイオン2.0mEq/L、カルシウムイオン3.0mEq/L、マグネシウムイオン1.0mEq/L、酢酸イオン6mEq/L、重炭酸イオン30mEq/L、塩化物イオン110mEq/L、(ブドウ糖100mg/dL)となる)。上記組成に基づき、「調製済み透析液相当品(調製済み透析液用の校正液)」、「調製済みB液相当品(調製済みB液用の校正液:重炭酸ナトリウム30mEq/L)」、「調製済みA液相当品(調製済みA液用の校正液:重炭酸イオンが含有されていない以外は「調製済み透析液相当品」と同組成(イオン濃度で表記すれば、ナトリウムイオン110mEq/L以外は「調製済み透析液相当品」と同濃度))を調製し、保存性向上のため、ガラスアンプルに2.0mL容量づつ量り入れて熔封保存した。測定対象は上記組成を元に濃度を振って調製した、「調製済み透析液濃度列」、「調製済みB液濃度列」、「調製済みA液濃度列」とし、相関を見る場合の対象機器には株式会社日立製作所製の「炎光光度計710型(塩化物イオンは電量滴定法)」を用いた。また、測定対象イオンは、「調製済み透析液」、「調製済みA液」においては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩化物イオンとし、「調製済みB液」においてはナトリウムイオンのみとした。なお、緩衝能を持たせ塩濃度調整成分を考慮した校正液としては、たとえば、「調製済み透析液用の校正液」の組成を、塩化ナトリウム105.0mEq/L、ギ酸ナトリウム8.1mEq/L、酢酸ナトリウム7.8mEq/L、硫酸ナトリウム4.05×2mEq/L、水酸化ナトリウム11.0mEq/L、塩化カリウム2.0mEq/L、塩化カルシウム1.5×2mEq/L、HEPES20.0×2mEq/L、「調製済みB液用の校正液」の組成を、ギ酸ナトリウム23.15mEq/L、水酸化ナトリウム6.85mEq/L、ほう酸25.0mEq/L、「調製済みA液用の校正液」の組成を、塩化ナトリウム105.0mEq/L、水酸化ナトリウム5.0mEq/L、塩化カリウム2.0mEq/L、塩化カルシウム1.5mEq/L、MES33.0mEq/L、等も提示できる。また、本明細書には示さないが、浸透圧調整成分(主として、尿素、糖、その他)を含ませたり、防腐剤類(抗菌剤、坑カビ剤、その他)を加えたりして達成しうる校正液の組成等も、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、容易ではないにしても数ヶ月の研究期間を経れば完成できるものであろうと考えている。

[実施例1−1]

調製済み透析液に対する直線性試験(非希釈法機器による):調製済み透析液濃度は、ナトリウムイオン100、130、140、150、170mEq/L、カリウムイオン1、2、3mEq/L、塩化物イオン70、100、110、120、150mEq/Lとし、校正は、透析液専用の校正液、および調製済みB液による2点校正とした(結果は図5)。

[実施例1−2]

調製済みB液に対する直線性試験(非希釈法機器による):調製済みB液濃度は、ナトリウムイオン10、20、30、40、50mEq/Lとし、校正は、透析液専用の校正液、および調製済みB液による2点校正とした(結果は図6)。

[実施例1−3]

調製済みA液に対する直線性試験(非希釈法機器による):調製済みA液濃度は、ナトリウムイオン90、100、110、120、130mEq/L、カリウムイオン1、2、3mEq/L、塩化物イオン70、100、110、120、130mEq/Lとし、校正は、調製済みA液による1点校正とした(結果は図7)。

[実施例2−1]

調製済み透析液に対する日差変動試験(非希釈法機器による):測定対象は、透析液専用の校正液(結果は図8)。

[実施例2−2]

調製済みB液に対する日差変動試験(非希釈法機器による):測定対象は、調製済みB液(結果は図9)。

[実施例2−3]

調製済みA液に対する日差変動試験(非希釈法機器による):測定対象は、調製済みA液(結果は図10)。

[実施例3]

調製済み透析液に対する直線性試験(希釈法機器による):調製済み透析液濃度は、ナトリウムイオン100、130、140、150、200mEq/L、カリウムイオン1、2、3、10mEq/L、塩化物イオン50、70、110、150、200mEq/Lとし、校正は、透析液専用の校正液による1点校正とした。なお、稀釈法機器の場合、被稀釈法機器に比べて測定値の差(ずれ)が小さいことが知られていることから、透析液専用の校正液による校正を行わない状態での測定結果も追記した(結果は、図11(未校正)、図12(校正あり))。

[実施例4]

電解質認証実用標準物質で校正(補正)した炎光光度計(塩化物イオンに対しては電量滴定法)による、調製済み透析液、調製済みB液、調製済みA液に対する直線性試験(希釈法機器による):調製済み透析液濃度は、ナトリウムイオン120、130、140、150、160mEq/L、カリウムイオン1、2、3mEq/L、塩化物イオン90、100、110、120、130mEq/Lとし、調製済みB液濃度は、ナトリウムイオン10、20、30、40、50mEq/Lとし、調製済みA液濃度は、ナトリウムイオン90、100、110、120、130mEq/L、カリウムイオン1.64、1.82、2.00、2.18、2.36mEq/L、塩化物イオン90、100、110、120、130mEq/Lとした。また、上記の測定結果より、調製済み透析液、調製済みB液、調製済みA液のそれぞれに対する回帰式を求めた(結果は、図13)。

[結果1]

実施例1−1〜3の結果より、透析液専用の校正液を用いることによって、これまで血液(または血清(血漿))計測用の電極法機器(非希釈法)に見られた、調製済み透析液、調製済みB液、調製済みA液の測定値のずれ([0009]で例として挙げた測定値)が、健常値あるいは透析液の代表的な調製値(たとえばカリウムイオンの場合2.0mEq/L等)近傍において、日本臨床化学会における許容差限界値の指針(絶対値)(Na±2mmol/L、K±0.2mmol/L、Cl±2mmol/L)程度に減少することが確認できた。具体的には、調製済み透析液において、ナトリウムイオンで約−2.5mEq/Lの差(ずれ)から約+1.0mEq/Lの差(ずれ)へ、カリウムイオンで約−0.05mEq/Lの差(ずれ)から約+0.01mEq/Lの差(ずれ)へ、塩化物イオンで約−5.5mEq/Lの差(ずれ)から+0.5mEq/Lの差(ずれ)へと解消された。また、調製済みB液においても、ナトリウムイオンで約−1.5mEq/Lの差(ずれ)から約−1.0mEq/Lの差(ずれ)へ、調製済みA液においては、ナトリウムイオンで約−2.5mEq/Lの差(ずれ)から約+1.0mEq/Lの差(ずれ)へ、カリウムイオンで約+0.05mEq/Lの差(ずれ)から約−0.05mEq/Lの差(ずれ)へ、塩化物イオンで約−0.5mEq/Lの差(ずれ)から約+1.0mEq/Lの差(ずれ)へと解消された(図5、6、7参照)。

[結果2]

実施例2−1〜3の結果より、一度透析液専用の校正液で校正を行えば、その効果は、少なくとも2週間程度は持続することが確認できた。すなわち、血液計測機器用の電極法機器(非希釈法)において、これまで見られた測定値のずれが、健常値(または代表値)近傍において、日本臨床化学会における許容差限界値の指針以下に減少することが確認できた。具体的には、範囲(R)が、調製済み透析液でナトリウムイオン1.1mEq/L、カリウムイオンで0.06mEq/L、塩化物イオンで1.1mEq/Lという結果となった。また、調製済みB液においては、ナトリウムイオンで2.3mEq/L、調製済みA液においては、ナトリウムイオンで1.6mEq/L、カリウムイオンで0.07mEq/L、塩化物イオンで0.8mEq/という結果となった。(図8、9、10参照)。

[結果3]

実施例3の結果より、透析液専用の校正液を用いることによって、これまで非希釈法機器と比較して透析液測定値の乖離が小さいと考えられてきた稀釈法の機器においても、透析液専用の校正液による改善効果が得られることが確認できた。具体的には、調製済み透析液において、健常値(または代表値)近傍における測定値を比較すると、未校正(未補正)、1点校正の順で、ナトリウムイオンが約+2.0mEq/Lの差(ずれ)から約−0.5mEq/Lの差(ずれ)へ、カリウムイオンが約+0.08mEq/Lの差(ずれ)から約−0.04mEq/Lの差(ずれ)へ、塩化物イオンが約−5.5mEq/Lの差(ずれ)から+0.5mEq/Lの差(ずれ)へと解消された(図11、12参照)。

[結果4]

実施例4の結果から、調製済み透析液、調製済みB液、調製済みA液のそれぞれに対する回帰式(y=ax+b)を求めた。(a、b)の値の組は、調製済み透析液、調製済みB液、調製済みA液の順に、ナトリウムイオン(0.9316、10.7600)、カリウムイオン(0.9970、0.0227)、塩化物イオン(1.1588、−16.7320):ナトリウムイオン(0.8326、5.6020):ナトリウムイオン(1.0315、−3.2850)、カリウムイオン(1.0083、0.0483)、塩化物イオン(0.9980、−0.6600)であった(図13参照)。

[結果5]

結果4に示した係数を結果1に適応することにより、電極法機器(非希釈法)と炎光法機器の相関係数を求めた。(a、b、Rの2乗)の値の組は、調製済み透析液、調製済みB液、調製済みA液の順に、ナトリウムイオン(1.0504、−6.8958、0.9999)、カリウムイオン(1.0582、−0.1407、0.9998)、塩化物イオン(1.0097、−1.8263、0.9999):ナトリウムイオン(1.0437、−3.3369、0.9992):ナトリウムイオン(0.9249、8.8182、0.9996)、カリウムイオン(1.0562、−0.1943、0.9998)、塩化物イオン(0.9008、12.325、0.9998)であった。また、この炎光光度計による測定値は標準物質トレーサブルであることから結果3における調製値よりイオン濃度が確からしいと考えられる。よって、[測定値−調製値]から[測定値−炎光値]への差の変化も、参考のために算出した。結果は、調製済み透析液、調製済みB液、調製済みA液の順に、ナトリウムイオン(+1.1から−0.01mEq/L)、カリウムイオン(+0.01から−0.01mEq/L)、塩化物イオン(+0.5から−0.2mEq/L):ナトリウムイオン(−1.1から−1.7mEq/L):ナトリウムイオン(+0.8から+0.6mEq/L)、カリウムイオン(−0.03から−0.09mEq/L)、塩化物イオン(+0.7から+1.6mEq/L)となっており、少なくとも調製済み透析液の場合には、測定値の差(ずれ)がより小さくなっていることが確認できた。なお、上記どちらの値とも、日本臨床化学会における許容差限界値の指針(絶対値)以下であった(図14、15、16参照)。

[結果6]

結果4に示した係数を結果3に適応することにより、電極法機器(希釈法)と炎光法機器の相関係数を求めた。(a、b、Rの2乗)の値組は、1点校正を行った調製済み透析液について、ナトリウムイオン(1.1155、−17.163、0.9998)、カリウムイオン(1.0255、−0.1454、0.9999)、塩化物イオン(0.8820、12.979、1.000)となった。また、上記で言及した[測定値−調製値]から[測定値−炎光値]への差の変化は、調製済み透析液において、ナトリウムイオン(−0.5から−1.7mEq/L)、カリウムイオン(−0.04から−0.04mEq/L)、塩化物イオン(+0.6から−0.1mEq/L)となっており、ナトリウムイオン以外の測定値の差(ずれ)がより小さくなっていることが確認できた。なお、どちらの値も、日本臨床化学会における許容差限界値の指針(絶対値)以下であった(図17、18参照)。

[その他の結果]

透析専用施設や総合診断施設の検査室において、機器の新規購入等によって、それまで得られていた透析液の測定値が上下してどれが本当の値であるかわからない、という状況に陥ることがままある。透析液は患者によって若干の成分調整を行うことが常だが、その調整値が誤っていると痺れをはじめ遂には死に至る医療事故が発生することになる。図19に、本願発明を用いて実際に透析液専用の校正液による透析液の再校正(補正)を行った結果を示した(なお、図19で用いている用語「理論値」とは、透析液が処方の理論値通りに調製された場合の計算値を意味し、また「目標値」とは、各施設の検査室において患者に処方したい透析液濃度を意味している)。なお、炎光法における測定値は上記同様、標準品トレーサブルとした。

A施設におけるナトリウムイオン測定値の場合、同じ目標値を目指して自動供給機器より供給された透析液の濃度が最大で3.1mEq/Lも高濃度であったことがわかる(−1.8〜3.1mEq/L)。透析液専用の校正液で透析液校正された電極法と炎光法との測定値の差は−0.7〜0.3mEq/Lであり、前記の許容範囲以下であることが確認できた。B施設のナトリウムイオン測定値の場合、目標値と供給液の施設実測値との濃度差が−4.7〜1.6mEq/Lにも及んだが、幸いなことに施設目標値との差は−2.8〜0.0mEq/L(調製済みA液測定値を除く)程度に収まっていた(註:このような事態が発生するため、透析液用の確実な濃度確認の必要性が痛感される)。また、透析液専用の校正液で校正された電極法と炎光法の測定値の差は−1.63〜1.17mEq/Lであり、これまで見てきた値と比べると大きさが増しているが、なおこの値でも、前述の許容差限界値以下にはなっている。C施設のナトリウムイオン測定値の場合、透析液校正された電極法と炎光法の測定値の差は−0.5〜0.1mEq/Lであり、透析液専用の校正液による校正の効果が確認できた。なお、ここまで言及しなかったカリウムイオンおよび塩化物イオンの透析液校正後の測定値の差も、前述の許容差限界値の指針以下であった。

D施設の場合、測定対象は、いわゆるアセテートフリーの透析液(ただし、緩衝能あり)であり、さらに測定に用いた作用電極も2種の異なったものであったが、透析液専用の校正液による校正の効果は明白に現れた。すなわち作用電極の種類によって、未校正の場合、炎光値との差が、ナトリウムイオンで[−2.2〜−2.5mEq/L]および[−9.8〜−9.6mEq/L]であったものが、校正後はその値が[−1.8〜−1.5mEq/L]および[−1.5〜−1.4mEq/L]にまで解消されたのである。同様の傾向はカリウムイオンおよび塩化物イオンでも見られ、それぞれ、[−0.75〜−0.74mEq/L]および[−0.15mEq/L]から[−0.05〜−0.04mEq/L]および[−0.02mEq/L]にまで、[−1.2〜−0.8mEq/L]および[−8.5〜−8.9mEq/L]から[−0.5〜−0.1mEq/L]および[−0.3〜0.1mEq/L]にまで解消されていた。なお、濃度差解消後の差の値は、上記と同じく許容差限界値の指針以下であった。

透析液専用の校正液を用いてを機器を再校正(補正)することにより、本来の用途とは異なる「電極法電解質計測機器」を用いた、「調製済み透析液」、「調製済みB液」、「調製済みA液」の測定が可能となる。その際、目的濃度とのずれが、少なくとも健常値または代表値近傍において、日本臨床化学会における許容差限界値の指針(絶対値)程度に収められるようになる。

1 校正液1

2 校正液2

3 参照電極液

4 検体

5 作用電極

6 液膜

7 内部液

8 内極

9 参照電極

10 内極

11 液グランド

12 発生電位

13 接触界面

14 廃液

15 希釈液

16 稀釈セル

17 参照電極内部液

18 希釈液流路

19 ノズル

20 電源部

21 制御部

22 アナログ/デジタル変換部

23 測定部

Claims (1)


  1. 電極法を原理とする電解質計測機器において、透析液濃度の正確さを担保し得る透析液専用の校正液であって、
    調製済み透析液用校正液においてはその成分に少なくともナトリウムイオン、カリウムイオン、塩化物イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、ブドウ糖が含まれており、
    調製済みB液用校正液においてはその成分に少なくともナトリウムイオンが含まれており、
    調製済みA液用校正液においてはその成分に少なくともナトリウムイオン、カリウムイオン、塩化物イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、ブドウ糖が含まれており、
    前記調製済み透析液用校正液、調製済みB液用校正液、調製済みA液用校正液によって補正された前記機器の検体であるところの調製済み透析液、調製済みB液、調製済みA液の測定値が、標準品によってその測定値の正確さが担保された炎光光度法または原子吸光法または電量滴定法を用いて得られた同測定値と、測定値が100mmol/Lを超える計測対象については絶対値で2パーセント以内、同測定値が10mmol/L以下である計測対象については絶対値で10パーセント以内の範囲で一致できるように、
    調製済み透析液用校正液においては、その濃度が、ナトリウムイオン135〜140mEq/L、カリウムイオン2.0〜2.5mEq/L、カルシウムイオン2.5〜3.5mEq/L、マグネシウムイオン1.0〜1.5mEq/L、アルカリ化剤33〜38mEq/L、塩化物イオン105〜114mEq/L、ブドウ糖0〜200mg/dLとなるように調整されており、
    調製済みB液用校正液においては、その濃度が、ナトリウムイオン30mEq/L前後となるように調整されており、
    調製済みA液用校正液においては、その濃度が、調製済み透析液用校正液の濃度よりも調製済みB液のナトリウムイオン濃度分低くなるように調整されていることを特徴とする、前記機器用の透析液専用の校正液。
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