JP4439623B2 - 熱交換器及び除湿装置 - Google Patents

熱交換器及び除湿装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱交換器及び該熱交換器を利用してなる除湿装置を含む技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
除湿装置の一例として冷凍式除湿装置が挙げられる。冷凍式除湿装置は、圧縮機,凝縮器等からなる冷凍回路を備えており、この冷凍回路により冷媒を冷却するようになっている。一方、冷凍式除湿装置は熱交換器を備えており、この熱交換器に外部からの高温湿り空気と前記冷凍回路で冷却された冷媒とを導入し、高温湿り空気と冷媒との間で熱交換を行って高温湿り空気を除湿するようになっている。そして、除湿後の乾燥空気はシリンダ等の外部機器に供給される等によって利用に供される。
【0003】
前記熱交換器としては複数種存在するが、除湿装置において空気と冷媒との熱交換の際に利用される最も一般的なものとして、シェルアンドチューブ式のものがある。従来のこのシェルアンドチューブ式の熱交換器では、圧力容器(シェル)内に冷媒が流通する冷媒配管(チューブ)が設けられている。ここで、熱交換効率を高めるため、前記冷媒配管は前記圧力容器内で多数回Uターンするように構成されている。同様に、熱交換効率を高めるために、空気流路も直線的ではなく迂回して流通されながら前記冷媒配管と接触するような構造とされている。
【0004】
また、冷媒配管は、空気との接触面積を増大させて熱交換効率を向上させるために、圧力容器内で比較的細い管に分岐されている。そして、それら分岐管は圧力容器内で再び結合された後に容器外へと引き出されている。
【0005】
ここで、前記冷媒配管は一般に銅管で形成されているため、上記のように前記圧力容器内にて冷媒配管を何回もUターンさせる構成をとる場合、銅管を1本で構成することは困難である。
【0006】
従って、従来では、前記冷媒配管を、直線配管とU字状の湾曲配管とから構成し、直線配管と湾曲配管とをロウ付けすることによって、圧力容器内にて多数回Uターンする冷媒配管を設置するようにしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の熱交換器においては、以下に示すような各種の問題点があった。
【0008】
(1)従来の熱交換器では、圧力容器内に、冷媒配管等が設置されているが、これらは一般に銅管によって構成されている。これを圧力容器内にて伝熱面積を増やすため迂回(Uターン)させていた。この場合、圧力容器の大きさの関係や管径等の要因によって単純に迂回させることができない。即ち、上述のとおり、銅管を、直線部分と湾曲部分とから構成し、これらを圧力容器内部にてロウ付けしていた。ところが、このロウ付け部分は他の部位に比べて信頼性が低く、使用を続けていくと腐食等による穴開き等の破損が生じ、その部分から冷媒漏れが発生し易くなるという問題があった。
【0009】
(2)上記(1)にて説明したロウ付け部分の破損に伴う冷媒漏れが発生した場合、そのロウ付け部分は密閉された圧力容器内に存在することから、その補修は事実上不可能である。従って、従来では、上記冷媒漏れが認められた場合には、当該部分の補修ではなく、熱交換器全体の交換をしなければならなかったため、不経済であった。
【0010】
(3)冷媒配管は実際には圧力容器内において比較的細い複数本の管に分岐されている。また、その分岐管は圧力容器内で再び結合された状態で容器外に引き出されている。このような従来構造では、例えば複数系統の冷凍回路によって熱交換器を制御しようとする場合には、予め分岐管を冷凍回路の系統毎にまとめて容器外に引き出しておかなければならない。従って、冷凍回路の系統数を変更したい場合に全く同一の熱交換器を使用することができなかった。
【0011】
(4)従来のシェルアンドチューブ式の熱交換器では、空気流路の通過断面積を大きくとることができない上に空気流路も多数回Uターンしているため、抵抗が大きくなる。そのため、空気流路に比較的大きな圧力損失が生じ、省エネの観点からは好ましくなかった。
【0012】
(5)従来より用いられている冷媒R22は、その特性として、熱交換器内で圧力損失がなければ冷媒温度が一定となる特性があるので、所望の温度に冷媒温度を設定することが比較的容易である。これに対し、新冷媒、例えばR407C等の冷媒では、圧力が一定であっても温度が一定とはならないという特性がある。このような特性の異なる冷媒に対応して所望の温度に冷媒温度を設定するには、熱交換器内の通路途中に所定の圧力損失をわざと作り出す必要がある。ところが、従来の熱交換器では、このような異種冷媒毎に圧力損失を大小させる設定が困難であったため、異種冷媒へ容易に対応することができないという問題があった。
【0013】
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、上記(1)乃至(3)の問題を解決することができる熱交換器及び除湿装置を提供することを主目的とするものである。また、これに加えて、上記(4)及び(5)の問題を解決することができる熱交換器及び除湿装置を提供することを副目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記目的を達成し得る特徴的手段について以下に説明する。また、各手段につき、特徴的な作用及び効果を必要に応じて説明する。
【0015】
手段1.圧力容器内に被除湿気体が流通される通路を設け、該通路中に前記被除湿気体と熱交換を行うための冷媒が流通される冷媒通路を設け、該冷媒通路を、前記圧力容器への導入部位から導出部位まで接合部のない管体によって構成した熱交換器。
【0016】
上記手段1によれば、圧力容器内の所定の通路を被除湿気体が流通されるとともに、ここを通る管体内には冷媒が流通されることにより、被除湿気体と冷媒との間で熱交換が行われ、被除湿気体が冷却されて水分が除去される。
【0017】
ここで、冷媒通路を構成する管体は圧力容器内では何らロウ付部等の接合部が存在せず、該管体を他の配管等と接合する場合にはその接合部は圧力容器外に設けられることとなる。前記管体のうち接合部のない箇所では破損の可能性が極めて低いため、圧力容器内での冷媒漏れが防止される。また、たとえ圧力容器外部で管体の接合部が破損して冷媒漏れが発生したとしても、圧力容器内に手を加えることなく、容易にその破損個所を補修することができる。その結果、接合部が破損しても熱交換器全体を交換する必要がなくなる。
【0018】
手段2.圧力容器内に、被除湿気体と冷媒との熱交換を行う蒸発部と、その蒸発部入力前の被除湿気体と蒸発部出力後の被除湿気体との熱交換を行う予冷・再熱部とを設けた熱交換器において、前記蒸発部には、圧力容器内にて被除湿気体が流通される通路を設け、該通路中に前記冷媒が流通される冷媒通路を設け、該冷媒通路を、前記圧力容器への導入部位から導出部位まで接合部のない管体によって構成した熱交換器。
【0019】
上記手段2によれば、圧力容器内の蒸発部に形成された通路を被除湿気体が流通されるとともに、該蒸発部を通る管体内には冷媒が流通されることにより、被除湿気体と冷媒との間で熱交換が行われ、被除湿気体が冷却されて水分が除去される。また、蒸発部入力前の比較的高温の被除湿気体と、蒸発部出力後の比較的低温の被除湿気体とが、予冷・再熱部にて熱交換されるため、前記蒸発部での除湿負荷が低減されるとともに、除湿後の被除湿気体による結露も防止される。
【0020】
ここで、冷媒通路を構成する管体は圧力容器内では何らロウ付部等の接合部が存在せず、該管体を他の配管等と接合する場合にはその接合部は圧力容器外に設けられることとなる。前記管体のうち接合部のない箇所では破損の可能性が極めて低いため、圧力容器内での冷媒漏れが防止される。また、たとえ圧力容器外部で管体の接合部が破損して冷媒漏れが発生したとしても、圧力容器内に手を加えることなく、容易にその破損個所を補修することができる。その結果、接合部が破損しても熱交換器全体を交換する必要がなくなる。
【0021】
手段3.圧力容器内に、被除湿気体と冷媒との熱交換を行う蒸発部と、その蒸発部入力前の被除湿気体と蒸発部出力後の被除湿気体との熱交換を行う予冷・再熱部とを設けた熱交換器において、前記圧力容器の中心付近に前記予冷・再熱部を配置するとともに、前記圧力容器の前記予冷・再熱部の外周側に前記蒸発部を配置し、該蒸発部には、圧力容器内にて被除湿気体が流通される通路を設け、該通路中に前記冷媒が流通される冷媒通路を設け、該冷媒通路を、前記圧力容器への導入部位から導出部位まで接合部のない管体によって構成した熱交換器。
【0022】
上記手段3によれば、圧力容器内の蒸発部に形成された通路を被除湿気体が流通されるとともに、該蒸発部を通る管体内には冷媒が流通されることにより、被除湿気体と冷媒との間で熱交換が行われ、被除湿気体が冷却されて水分が除去される。また、蒸発部入力前の比較的高温の被除湿気体と、蒸発部出力後の比較的低温の被除湿気体とが、予冷・再熱部にて熱交換されるため、前記蒸発部での除湿負荷が低減されるとともに、除湿後の被除湿気体による結露も防止される。
【0023】
ここで、冷媒通路を構成する管体は圧力容器内では何らロウ付部等の接合部が存在せず、該管体を他の配管等と接合する場合にはその接合部は圧力容器外に設けられることとなる。前記管体のうち接合部のない箇所では破損の可能性が極めて低いため、圧力容器内での冷媒漏れが防止される。また、たとえ圧力容器外部で管体の接合部が破損して冷媒漏れが発生したとしても、圧力容器内に手を加えることなく、容易にその破損個所を補修することができる。その結果、接合部が破損しても熱交換器全体を交換する必要がなくなる。
【0024】
また、予冷・再熱部を圧力容器の中心付近に配置するとともに、その予冷・再熱部の外周側空間を利用して蒸発部を配置している。従って、冷媒通路を構成する管体は、細かなUターンを伴うことなく比較的緩やかなカーブをもたせるだけで蒸発部に収めることが可能となり、圧力容器内に管体の接合部を設けることなく前記蒸発部に容易に収めることができる。また、蒸発部が予冷・再熱部の外周側に配置されていることから、管体の圧力容器への導入部位や導出部位の組付作業も容易になる。
【0025】
手段4.上記手段3において、前記冷媒通路を構成する管体は、前記予冷・再熱部の外周側を螺旋状に巻回されている熱交換器。
【0026】
上記手段4によれば、管体は予冷・再熱部を外周から囲むように緩やかなカーブを連続的にもたせるように配置すればよく、管体に破損の原因となるような無理な負荷が加わらないとともに、管体の製作や組付が容易になる。また、蒸発部として筒状の空間部が形成されることで、圧力容器自体はコンパクトであるにもかかわらず、被除湿気体の流路断面積を比較的大きくとることができる。しかも、蒸発部での被除湿気体の通路を直線的なものとすることができ、圧力損失が殆どなくなる。更に、前記管体の巻数の変更によって蒸発部内の管体の全長を容易に変更することができるため、この変更により異種冷媒に容易に対応することができる。
【0027】
なお、管体を螺旋状に巻回すに際しては、1層に限らず、必要な被除湿気体の流路断面積となるように複数層になるように巻回すことも可能である。
【0028】
手段5.上記手段4において、前記圧力容器は長尺状に形成されており、前記冷媒通路を構成する管体の前記圧力容器への導入部位は前記圧力容器の長手方向一端側に設けられる一方、導出部位は前記圧力容器の長手方向他端側に設けられている熱交換器。
【0029】
上記手段5によれば、圧力容器内で螺旋状に巻回された管体が、圧力容器から無理なく導入及び導出されることとなり、製作及び組付作業が容易になるとともに、全体としてのコンパクト化にも役立つ。
【0030】
手段6.上記手段2乃至手段5のいずれかにおいて、前記予冷・再熱部は、プレートを所定間隔をおいて複数枚重ね合わせて構成されるプレート式熱交換器によって構成され、該プレート式熱交換器は、各プレート間に、前記蒸発部入力前の被除湿気体が流通する予冷通路と、前記蒸発部出力後の被除湿気体が流通する再熱通路とを交互に配したものである熱交換器。
【0031】
上記手段6によれば、予冷・再熱部がプレート式熱交換器によって構成されるため、予冷・再熱部をコンパクトに集約された形状とすることができ、その結果、熱交換器全体としてコンパクトでありながら除湿性能の高い熱交換器を得ることができる。
【0032】
また、このプレート式熱交換器によって構成された予冷・再熱部では、当該プレート式熱交換器を複数内蔵させても、比較的コンパクトに製作することができる。そして、複数のプレート式熱交換器を直列接続した場合には、熱交換効率が向上し、また、並列接続した場合には被除湿気体の流量の大きいものに対応することができる。しかも、同一構成のプレート式熱交換器を複数用いるだけで性能を変化させることができるため、各種性能毎の熱交換器を用意する場合には、製作コスト面でも有利である。
【0033】
手段7.上記手段1乃至手段6のいずれかにおいて、前記冷媒通路を構成する管体は複数本設けられており、各管体は前記圧力容器への導入部位から導出部位まで分岐及び結合されることなく個々独立して配置されている熱交換器。
【0034】
上記手段7によれば、複数本の管体によって冷媒通路が構成されるため、被除湿気体との接触面積が増大されて、熱交換効率が向上する。また、この場合も、各管体は分岐・結合されることなく個々独立して圧力容器に導入・導出されることとなり、圧力容器内での冷媒漏れが殆ど発生することがない。
【0035】
また、必要な熱交換性能を発揮するのに前記複数本の管体のうち不要となる管体については、圧力容器の外部にて事後的に前記不要な管体の前記導入部位、導出部位又は導入・導出部位両方を閉塞することができる。
【0036】
手段8.上記手段7において、前記冷媒通路を構成する複数の管体は、圧力容器の外部にて圧力容器外の冷媒流通用配管と接合されることにより、その接合部を圧力容器外部に露出させた熱交換器。
【0037】
上記手段8によれば、冷媒通路を構成する複数の管体が、圧力容器の外部において冷媒流通用配管と接合されているため、その接合部、例えばロウ付部が破損して冷媒漏れが発生しても、容易に補修することができる。また、必要な熱交換性能を発揮するのに前記複数本の管体のうち不要となる管体については、圧力容器の外部にて事後的に前記不要な管体の導入部位、導出部位又は導入・導出部位両方を閉塞することができる。
【0038】
また、このように圧力容器外部で冷媒流通用配管と接合するものであるため、複数本の管体を1本の配管にまとめることができるばかりか、複数本の管体を2本又は該管体数よりも少ない数の複数本の配管にまとめることも可能となる。その結果、圧力容器自体に何ら変更を加えることなく、例えば冷媒流通系統を複数系統にすることも可能となる。
【0039】
手段9.上記手段7又は手段8において、前記冷媒通路を構成する複数の管体は、圧力容器への導入部位が互いに近傍位置にまとめられるとともに、圧力容器からの導出部位が互いに近傍位置にまとめられている熱交換器。
【0040】
上記手段9によれば、複数の管体の導入部位同士や導出部位同士が近傍位置にまとめられているため、複数の管体同士を圧力容器外部でまとめたり、複数の管体に分岐したりする際の作業性が向上するとともに、各管体の接合部の破損の可能性も低減される。
【0041】
手段10.上記手段1乃至手段9のいずれかにおいて、前記圧力容器は、複数に分割された分割容器を接合して構成されるものである熱交換器。
【0042】
上記手段10によれば、圧力容器を複数の分割容器によって構成することで、例えば前記冷媒通路を構成する管体を圧力容器内に導入したり導出するための組付作業を円滑に行うことができる。
【0043】
手段11.上記手段10において、前記複数の分割容器は、少なくとも、前記冷媒通路を構成する管体の導入部位が形成された分割容器と、前記管体の導出部位が形成された分割容器と、前記管体を外周側から支持する分割容器とを含むものである熱交換器。
【0044】
上記手段11によれば、分割容器として、冷媒通路を構成する管体の導入部位が形成された分割容器と、前記管体の導出部位が形成された分割容器と、前記管体を外周側から支持する分割容器とを含むため、組付作業が一層容易になる。
【0045】
手段12.上記手段1乃至手段11のいずれかにおいて、圧力容器内にて、管体には多数本の突部が形成され、又は、管体自体がひだ状に形成されている熱交換器。
【0046】
上記手段12によれば、冷媒が流通される管体と被除湿気体との接触面積が大きくなり、管体を単なる筒状のものとした場合に比べて、両者間の熱交換効率が向上する。
【0047】
手段13.上記手段1乃至手段11のいずれかにおいて、圧力容器内にて、管体には多数の薄板状のフィンが形成されいる熱交換器。
【0048】
上記手段13によれば、冷媒が流通される管体と被除湿気体との接触面積が飛躍的に大きくなり、管体を単なる筒状のものとした場合に比べて、両者間の熱交換効率が飛躍的に向上する。
【0049】
手段14.上記手段13において、被除湿気体と冷媒とが熱交換される領域(蒸発部)における、被除湿気体の流通方向と、前記管体に形成されるフィンの面とが概して平行となるように配置した熱交換器。
【0050】
上記手段14によれば、被除湿気体と冷媒との熱交換効率を高めつつも、無数のフィンによって被除湿気体の流通時の圧力損失が殆どなくなる。
【0051】
手段15.上記手段1乃至手段14のいずれかの熱交換器を装置本体内に備え、該装置本体には前記冷媒を冷却する冷凍回路を備え、該冷凍回路中の冷媒流通路を前記冷媒通路とした除湿装置。
【0052】
上記手段15によれば、上記手段1乃至手段14に記載した作用効果を具備する除湿装置を得ることができる。なお、冷凍回路は1系統に限らず、複数系統備えることも可能である。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、一実施の形態について、図1乃至図5を参照しつつ説明する。なお、図1は熱交換器の断面図、図2は熱交換器の正面図、図3は除湿装置の回路図、図4(a)は熱交換器の概略図、図4(b)は予冷・再熱器の斜視図、図5(a)乃至(d)は冷媒配管の各種例を示す図である。
【0054】
まず最初に、一例として、図3及び図4に従って、除湿装置及び熱交換器の概略について説明する。
【0055】
図3に示すように、除湿装置1は略直方体状のハウジング2を備え、このハウジング2内に除湿装置1の各種構成部品が集約されている。この実施の形態における除湿装置1は所謂冷凍式除湿装置である。即ち、被除湿気体を除湿するためにフロン等の冷媒が用いられており、該冷媒を冷却するための冷凍回路Fが備えられている。なお、この実施の形態では、被除湿気体として空気、特に圧縮空気を用いる場合について説明するが、チッソ,ヘリウム等の他の気体を用いたり、それらの混合気体を用いる等の変更は勿論可能である。
【0056】
前記除湿装置1の構成部品のうち、冷凍回路Fの構成について説明すると、圧縮機としてのコンプレッサ3には駆動手段としてのコンプレッサ駆動モータ4が連結されており、コンプレッサ駆動モータ4が駆動されてコンプレッサ3が作動され、冷媒ガスの圧縮を行なうようになっている。
【0057】
コンプレッサ3の上流側には、アキュムレータ7が組付けられている。アキュムレータ7は液冷媒を一旦保持するものであり、液冷媒を前記コンプレッサ3に供給しないようにし、冷媒ガスのみを供給するようになっている。
【0058】
コンプレッサ3の下流側には、凝縮器としてのコンデンサ8が接続されている。コンデンサ8の近傍には、同コンデンサ8への送風を行なうための送風手段としてのファン9が設置されている。前記ファン9には駆動手段としてのファン駆動モータ10が連結されており、コンプレッサ3からコンデンサ8へ送り込まれた圧縮冷媒ガスをファン9の送風作用により冷却するようになっている。なお、前記コンデンサ8は、その流路を迂回させたり多数のフィンを付設する等により、前記送風作用による影響を大きく受けるようになっており、圧縮冷媒ガスに対する冷却効率が高められている。
【0059】
コンデンサ8の下流側には、フィルタドライヤ11が組付けられている。このフィルタドライヤ11はフィルタと乾燥剤(図示しない)とを備えており、冷凍回路F内の塵埃や水分を除去するようになっている。
【0060】
フィルタドライヤ12の下流側には、減圧作用をなすキャピラリチューブ12が組付けられている。このキャピラリチューブ12は毛細管構造をなし、ここを通過した液冷媒を減圧するようになっている。
【0061】
キャピラリチューブ12の下流側は、蒸発部13内に導入されている。蒸発部13内に導入された冷凍回路Fの管路は冷凍通路14とされている。なお、冷凍通路14の具体的構造については後述する。冷凍通路14の下流側には前記アキュムレータ7が接続されている。
【0062】
これらのアキュムレータ7,コンプレッサ3,コンデンサ8,フィルタドライヤ11,キャピラリチューブ12,冷凍通路14によって、除湿装置1の冷凍回路Fの主流路F1が形成されている。
【0063】
前記主流路F1には、コンデンサ8,フィルタドライヤ11及びキャピラリチューブ12に対して並列関係を有する迂回流路F2が接続されている。この迂回流路F2途中には機械式の圧力容量調整弁15が設けられており、この圧力容量調整弁15により迂回流路F2の連通又は遮断の切換が行われるようになっている。前記圧力容量調整弁15は迂回流路F2の連通又は遮断を行って、上流側の圧力、即ち冷凍通路14内の圧力を設定された値以下にならないようにするものである。そして、この調整によって冷凍回路Fの凍結が防止される。
【0064】
次に、図示しない外部エアコンプレッサから被除湿気体としての高温湿り空気が供給され、同高温湿り空気が蒸発部13内にて冷却乾燥空気にされた後、再び外部へ取り出される被除湿気体回路Sの構成について説明する。
【0065】
図示しない外部エアコンプレッサには入力通路21が接続されており、同入力通路21の下流側には予冷・再熱器22が配置されている。予冷・再熱器22内には前記入力通路21の下流側となる予冷通路23が形成されている。なお、予冷・再熱器22の具体的構造については後述する。
【0066】
前記予冷通路23の下流側には前記蒸発部13が配置されている。蒸発部13内には前記予冷通路23の下流側となる冷却通路24が形成されている。そして、この冷却通路24を通過する高温湿り空気と前記冷凍通路14とが接触することにより、蒸発部13内で熱交換が行われるようになっている。
【0067】
前記蒸発部13の下流側にはドレン分離機構25が設けられ、ここで分離されたドレンはドレン流路26側へ流出される。ドレン流路26にはドレン排出機構27が設けられ、ドレン排出機構27を介してドレンがハウジング2外部へ排出される。
【0068】
前記冷却通路24の下流側は、前記予冷・再熱器22内に形成された再熱通路28が接続されている。再熱通路28は前記予冷通路23に接するように形成されている。更に再熱通路28の下流側には、外部に延出する出力通路29が接続されている。
【0069】
これらの入力通路21,予冷通路23,冷却通路24,再熱通路28,出力通路29によって、除湿装置1の被除湿気体回路Sが形成されている。
【0070】
さて、ここで前記蒸発部13及び予冷・再熱器22の概略構成について図4に基づいて更に説明すると、この実施の形態では、これら蒸発部13及び予冷・再熱器22は単一の熱交換器31としてユニット化されたものとなっており、この熱交換器31が前記ハウジング2に収納された状態となっている。
【0071】
即ち、熱交換器31は密封された圧力容器としてのケース32を備え、そのケース32内に直方体状の予冷・再熱器22が収納されている。予冷・再熱器22は、図4(b)に示すように、プレート式熱交換器として構成されている。即ち、予冷・再熱器22は、長手方向両端を開放した四角筒状の枠体33を備え、その内周側に波板状のプレート34が多数枚重ね合わされた状態で固定されている。これらはアルミ製である。
【0072】
これら各プレート34の長手方向一端側では、各プレート34の中間部位が仕切片35によって仕切られている。また、この仕切片35を挟んだ一側においては各プレート34間の間隙は一つおきに閉塞片36によって閉塞されており、閉塞片36によって閉塞されていない部分は開放されている。一方、前記仕切片35を挟んだ他側においては、前記一側で開放されている箇所に対応して閉塞片36によって閉塞されており、前記一側で閉塞されている箇所が開放されている。更に、これら各プレート34の長手方向他端側では、上記とは全く正反対に閉塞片36が取り付けられている。
【0073】
以上によって、この予冷・再熱器22では、白抜き矢印Aの位置から導入された空気が白抜き矢印Bの位置より導出されるとともに、白抜き矢印Cの位置から導入された空気が白抜き矢印Dの位置より導出されることになる。そして、白抜き矢印AからBに至る流路が前記予冷通路23とされるとともに、白抜き矢印CからDに至る流路が前記再熱通路28とされており、これら予冷通路23と再熱通路28とを流通する空気間で熱交換が行われることとなる。従って、ここでは、白抜き矢印Aに対応する入口を予冷入口37、白抜き矢印Bに対応する出口を予冷出口38、白抜き矢印Cに対応する入口を再熱入口39、白抜き矢印Dに対応する出口を再熱出口40とされている。
【0074】
図4(a)に示すように、予冷入口37には前記入力通路21が接続され、再熱出口40には前記出力通路29が接続されている。予冷・再熱器22の外周側には予冷出口38から導出された流体を予冷・再熱器22の反対側の端部(ここでは上部)へと導く案内通路41が形成されている。
【0075】
案内通路41の更に外周側とケース32内周面との間が蒸発部13とされており、蒸発部13には前記冷凍通路14が配置されている。冷凍通路14は前記予冷・再熱器22の周囲を螺旋状に巻回した配管の周囲に多数のフィンを形成したフィンチューブによって構成されており、一方、前記冷却通路24は、ケース32内周と案内通路41外周との間における前記冷凍通路14周囲の隙間によって形成されている。この冷却通路14を通過した空気はケース32の下部に導かれるが、再熱入口39は下方が開放されているので、ここより再熱通路28へと導かれ、再熱出口40を介して出力通路29へと導かれることとなる。
【0076】
次に、上記のように構成された除湿装置1の概略的な動作を説明すると、外部エアコンプレッサより、入力通路21へ高温湿り空気が圧縮状態(加圧状態)で供給されると、予冷通路23,冷却通路24,再熱通路28を介して出力通路29へ空気が供給される。
【0077】
一方、コンプレッサ駆動モータ4及びファン駆動モータ10によって、コンプレッサ3及びファン9が駆動される。そして、冷凍回路Fにおいて冷媒が循環する。即ち、低圧冷媒ガスがコンプレッサ3により圧縮されて圧縮冷媒ガスになり、コンデンサ8において冷却されて圧縮液冷媒になる。そして、フィルタドライヤ11にて塵埃や水分が除去された後、キャピラリチューブ12にて減圧されて低圧液冷媒になる。
【0078】
この液冷媒は、冷凍通路14を通過する際に、冷却通路24を通過する高温湿り空気との間で熱交換が行われる。その結果、冷凍通路14内の液冷媒は低圧高温冷媒となってアキュムレータ7に供給される。
【0079】
一方、高温湿り空気は、熱交換によって冷却と除湿とが行われて冷却乾燥空気となり、再熱通路28へ送られる。この再熱通路28は予冷通路23と接しているため、この接した箇所においても熱交換が行われる。即ち、再熱通路28内の冷却乾燥空気と予冷通路23の高温湿り空気との間で熱交換が行われ、冷却乾燥空気は温められて乾燥空気となって出力通路29へ送られるとともに、高温湿り空気は予冷される。そして、出力通路29から取り出される乾燥空気が例えば電磁バルブ,エアシリンダ等の外部流体圧機器へ供給される等の利用に供されることとなる。
【0080】
除湿装置1の概略は以上のとおりであるが、この実施の形態では、熱交換器31の具体的構成として図1、図2に示したとおりの構成を採用しているので、この具体的構成について更に説明する。なお、図4等で先に説明した構成と同一構成或いは対応する構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0081】
図1及び図2に示すように、ケース32は、実際には、円筒状に形成された胴部32aと、その両端を閉塞するように椀状に形成された一対の鏡板32bとから構成されている。更に、胴部32aは長手方向に3つに分割されている。これら胴部32a及び鏡板32bはステンレス鋼によって構成されているため、耐食性能が高い。
【0082】
前記入力通路21及び出力通路29は、それぞれ管体によって構成され、一方の鏡板32bに溶接されることにより固定されている。また、予冷・再熱器22と前記入力通路21及び出力通路29の各管体とは、Oリング59(出力通路29側のみ図示)によってシールされているだけである。そして、予冷・再熱器22は下方より支持部材60によって支持されている。従って、入力通路21及び出力通路29の各管体の位置決めは前記鏡板32bへの固定によって行われ、予冷・再熱器22は前記各管体の固定位置に合わせるようにして設置することができる。
【0083】
また、予冷出口38から導出された気体を予冷・再熱器22の反対側の端部に導く案内通路41は、次のようにして構成されている。即ち、予冷・再熱器22の外周側に所定間隔をおいてステンレス等の金属製の筒体61が配設されている。予冷・再熱器22の下方にはアルミ板62が固定されている。アルミ板62の外周部は前記筒体61の下方内周側に密着され、それらの間がシールされている。従って、前記予冷出口38から導出された気体は、アルミ板62の上面側を外周側に流れ、その後、予冷・再熱器22の外周側と前記筒体61の内周側との間隙を上方へ流れる。そして、この予冷・再熱器22の外周側と前記筒体61の内周側との間隙によって案内通路41が構成されている。前記筒体61の上端側は開放されているため、前記案内通路41を通過した気体はケース32内の上部空間に至り、そこで外周側にUターンして前記蒸発部13へと導かれる。
【0084】
前記蒸発部13は、ケース32の内周側と前記筒体61の外周側との間の円筒状の空間部に形成されることとなる。図4(a)で示した概略構成では冷凍通路14は1重巻きとして説明したが、具体的構成としては、例えば3重巻きとして設定されている。また、冷凍通路14は、具体的には複数本(ここでは6本)の分岐管63から構成されている。そして、これら各分岐管63に無数の薄板状のフィン64が形成されている。この分岐管63の具体的構成は図5(a)に示すとおりであるが、図5(b)に示すようにフィン64に代えて無数の円盤65を形成したものや、図5(c)に示すように無数の突起66を形成したものや、図5(d)に示すように分岐管63自体に螺旋状の曲面67をもたせるように形成したもの等、伝熱効果を向上させるべく工夫された各種の分岐管63を適宜使用することができる。但し、薄板状のフィン64を外周に備えた分岐管63が、圧力損失が少ない点及び伝熱効果が高い点で最も優れている。
【0085】
各分岐管63を前記筒体61の外周側に固定するために、筒体61の外周面には多数本の突起(図示しない)が形成されており、各突起には針金が通される通し孔が形成されている。そして、前記突起に引っかかるように各分岐管63を筒体61の外周に巻回すとともに、前記通し孔を通された針金で各分岐管63の外周に結びつけることによって、各分岐管63が筒体61の外周位置に固定されている。
【0086】
なお、このような分岐管63の位置決め構造に代えて、各分岐管63が通り得る大きさの孔が形成された放熱板を蒸発部13内に放射状に配置して、当該孔に各分岐管63を通すことで当該各分岐管63を位置決めしてもよい。また、筒体61の外周側にゴム等の断熱シートを配置して、蒸発部13における気体の冷却効果を高めるようにしてもよい。
【0087】
また、各分岐管63は、その外周側からは、前記3つの胴部32aのうち中間にある胴部32aによって支持されている。
【0088】
図1及び図2に示すように、各分岐管63は、ケース32の下部において整列した状態でケース32内に個々に導入される。この導入部位は、前記3つの胴部32aのうち下方に配置された胴部32aに設けられている。また、ケース32内で周回するように巻回された後、ケース32の上部において整列した状態でケース32外に個々に導出される。この導出部位は、前記3つの胴部32aのうち上方に配置された胴部32aに設けられている。
【0089】
これら各分岐管63は、個々にみてロウ付部等の接合部は存在せず、ケース32内での前記接合部からの冷媒漏れが防止されている。そして、各分岐管63は、ケース32外において、まとめられて1本の冷媒配管71とロウ付けされる。従って、冷媒配管71と各分岐管63との接合部であるロウ付部72はケース32外部に露出した状態となる(ロウ付部72が施された状態は、図2にて一方のみ図示)。
【0090】
なお、図1に示すように、ドレン排出口74,75が一対設けられている。一方のドレン排出口75は下方の鏡板32bの底面に設けられており、もう一方のドレン排出口74は胴部32aの周面の一部に設けられている。特に、鏡板32bに設けられたドレン排出口75は図示のように熱交換器31を縦置きにして使用する場合に用いられ、胴部32aに設けられたドレン排出口74は熱交換器31を横置きにして使用する場合に用いられる。そして、使用されない側のドレン排出口74又は75は閉塞される。なお、横置きでの使用時に必要なドレン排出口74は、前記分岐管63のケース32からの出口と反対側に設けることが、分岐管63の腐食からの保護という観点で好ましい。
【0091】
また、ケース32下部の鏡板32b内面側はドレン溜めの空間とされている。この空間部に突出するように、前記ドレン排出口75部分に、サイホンチューブ76が設けられている。このサイホンチューブ76は、ケース32外において、ドレン排出機構27と接続されている。その結果、ドレンの上澄みだけを排出することができ、ドレン排出機構27の目詰まりを防止することができる。更に、このサイホンチューブ76は、先端が斜めにカットされた形状をなしているため、ドレンがサイホンチューブ76内の側面を伝って流れ落ち、一度にドレンがサイホンチューブ76内に大量に流れ落ちることを防止することができる。
【0092】
これに加えて、ケース32下部の鏡板32b内面側にはもう一つのドレン排出口73が設けられている。このドレン排出口73に専用のドレン排出機構を設けることによって、手動または自動で、ドレン溜めに溜まったスラッジ等を排出することができる利点が生じる。
【0093】
以上のように構成された熱交換器31によれば、予冷・再熱器22の周囲に、冷凍通路14が複数の分岐管63として周回されるように巻回されている。このように予冷・再熱器22を周回するように分岐管63を配置することで、分岐管63を曲率半径の小さい状態でUターンさせる必要がなくなる。その結果、ケース32内で各分岐管63にロウ付部を設ける必要がなく、1本の管として構成することができる。そして、各分岐管63をまとめて1本の冷媒配管71と接続するためのロウ付部72はケース32外部に設けることができる。
【0094】
その結果、ロウ付部72が破損して冷媒漏れが発生しても、ケース32外にて補修作業を容易に行うことができる。従って、ロウ付部72の破損に伴って熱交換器31全体を交換する必要がなく、ロウ付部72破損時の修復コストが低減される。
【0095】
また、複数本の分岐管63が個々にケース32内に入り、また個々にケース32外に出されるため、冷凍回路Fを複数系統用いる場合にも、何ら熱交換器31の構成を変更することなく、適宜数の分岐管63を各冷凍回路F毎にまとめて接続することができる。従って、除湿能力の制御を冷凍回路Fの運転台数制御によって行いたい場合において、この実施の形態の熱交換器31を用いると、非常に有利である。
【0096】
また、複数本の分岐管63が個々にケース32内に入り、また個々にケース32外に出されているため、例えば熱交換性能上、全ての分岐管63が必要なく、一部の分岐管63を使用する場合にも、熱交換器31の組み付け後において容易に対応することができる。即ち、各分岐管63のケース32への入口、出口又は出入口を、ケース32外にて閉塞することによって、不要な分岐管63における冷媒の流れをなくすことができる。従って、近年多岐に亘る熱交換器の仕様に対して、より少ない熱交換器で対応することができ、在庫種類の削減やコスト低減等の利点がある。
【0097】
また、蒸発部13において、被除湿気体たる空気の流路は、直線的に延びることとなり、殆ど圧力損失が生じない。その結果、省エネの観点で好ましい。なお、上記のように分岐管63の外周に薄板状のフィン64を設けたタイプのものでは、空気の流れ方向と、フィン64の面とが略平行となるため、圧力損失の発生が殆どなくなる。
【0098】
更に、蒸発部13中に配置される分岐管63の管径が一定とすると、分岐管63の本数と長さ(巻数)を変更するだけで、蒸発部13における圧力損失を調整することができ、圧力損失の調整が容易となる。その結果、異種冷媒に対しても最適な温度条件の設定が容易となり、異種冷媒の採用時に単なる分岐管63の本数や長さ(巻数)の設定だけで容易に対応することができる。
【0099】
また、各分岐管63を、熱交換器31のケース32側面から出し入れするようにしたので、全体が長尺になるのを防止でき、熱交換器31、更には除湿装置1の省スペース化に寄与することができる。
【0100】
また、ケース32の胴部32aを3分割して両端の胴部32aから各分岐管63を出し入れするように構成するとともに、それらの中間に配置された胴部32aによって各分岐管63の外周側を支持するように構成した。これにより、各分岐管63の組み付け時の作業性が向上する。
【0101】
なお、以上説明した実施の形態以外にも、以下のような各種の実施の形態が考えられる。
【0102】
即ち、熱交換器31に、予冷・再熱器22を一つ内蔵するタイプのものに代えて、複数内蔵するタイプのものとして実施してもよい。例えば、予冷・再熱器22を長手方向に直列に接続して実施したり、並列に接続して実施することが考えられる。この場合も、蒸発部13部分の構成については分岐管63の巻数を変更する程度の設計変更で済む。そして、上記のように予冷・再熱器22を直列接続した場合には熱交換効率が向上し、並列接続した場合には空気流量を大きくしたものに対応することができる。勿論、直列接続と並列接続とを組み合わせて空気流量を大きくするとともに熱交換効率を向上することができるようにしてもよい。更に、このようにしても、予冷・再熱器22として同一のものを用いるため、部品の種類を増大することなく除湿能力を変更することができる。
【0103】
各分岐管63のケース32への導入部と導出部とを、ケース32の側面側に設けたが、ケース32の上面側と下面側とに設けてもよい。また、前記導入部と導出部とを上下に離間して設けたが、必ずしも上下に離間させる必要はない。
【0104】
また、予冷・再熱器22として、上記実施の形態のようにプレート式のものに限らず、クロスフィンコイル式のような他の形式のものを採用してもよい。また、予冷を行わずに再熱だけを行うような形式のものを採用してもよい。
【0105】
また、図6に示すように、胴部32aの下方への延長位置或いはその近傍に、円筒状のスカート部81を設けてもよい。このスカート部81によって、蒸発部13を通過した空気はスカート部81の先端側から回り込んでしか予冷・再熱器22へ入り込むことができなくなる。そして、スカート部81先端を空気が回り込む際、空気に混じった水分は、スカート部81によって空気と程良く分離され、予冷・再熱器22へ入り込むおそれがなくなる。そして、スカート部81に付着した水分は下方の鏡板32bに形成されたドレン溜めに溜まることとなる。
【0106】
更に、図7に示すように、胴部32aの下方への延長位置或いはその近傍に、ドレン溜め側へ突出する円筒状の多孔板85を設けてもよい。この多孔板85によって、蒸発部13を通過した空気は多孔板85の孔部からしか予冷・再熱器22へ入り込むことができなくなる。そして、多孔板85の孔部を空気が回り込む際、空気に混じった水分は、孔部周辺によって程良く分離され、予冷・再熱器22へ入り込むおそれがなくなる。そして、多孔板85に付着した水分は下方の鏡板32bに形成されたドレン溜めに溜まることとなる。なお、このように多数の孔部を形成した多孔板85を設置した場合、前記のようにスカート部81を設けた場合に比べ、空気と水分との分離効果が一層高まることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態に係る熱交換器の断面図。
【図2】熱交換器の正面図。
【図3】除湿装置の回路図。
【図4】(a)は熱交換器の概略図、(b)は予冷・再熱器の斜視図。
【図5】(a)乃至(d)はいずれも冷媒配管の各種例を示す図。
【図6】他の実施の形態に係る熱交換器の断面図。
【図7】更に他の実施の形態に係る熱交換器の断面図。
【符号の説明】
1…除湿装置、2…装置本体としてのハウジング、13…蒸発部、14…冷媒通路としての冷凍通路、21…入力通路、22…予冷・再熱部としての予冷・再熱器、23…予冷通路、24…冷却通路、28…再熱通路、31…熱交換器、32…圧力容器としてのケース、63…冷媒通路を構成する管体としての分岐管、71…冷媒配管、72…接合部としてのロウ付部、F…冷凍回路、S…被除湿気体回路。

Claims (10)

  1. 密封された圧力容器内に被除湿気体が流通される通路を設け、
    該通路中に前記被除湿気体と熱交換を行うための冷媒が流通される冷媒通路を設け、
    該冷媒通路を、前記圧力容器への導入部位から導出部位まで接合部のない管体によって構成し、
    前記冷媒通路を構成する管体は複数本設けられており、各管体は前記圧力容器への導入部位から導出部位まで分岐及び結合されることなく個々独立して配置されており、
    前記冷媒通路を構成する複数の管体は、圧力容器の外部にて圧力容器外の1本の冷媒流通用配管とロウ付されており、そのロウ付部を圧力容器外部に露出させたことを特徴とする熱交換器。
  2. 密封された圧力容器内に、被除湿気体と冷媒との熱交換を行う蒸発部と、その蒸発部入力前の被除湿気体と蒸発部出力後の被除湿気体との熱交換を行う予冷・再熱部とを設けた熱交換器において、
    前記蒸発部には、圧力容器内にて被除湿気体が流通される通路を設け、
    該通路中に前記冷媒が流通される冷媒通路を設け、
    該冷媒通路を、前記圧力容器への導入部位から導出部位まで接合部のない管体によって構成し、
    前記冷媒通路を構成する管体は複数本設けられており、各管体は前記圧力容器への導入部位から導出部位まで分岐及び結合されることなく個々独立して配置されており、
    前記冷媒通路を構成する複数の管体は、圧力容器の外部にて圧力容器外の1本の冷媒流通用配管とロウ付されており、そのロウ付部を圧力容器外部に露出させたことを特徴とする熱交換器。
  3. 密封された圧力容器内に、被除湿気体と冷媒との熱交換を行う蒸発部と、その蒸発部入力前の被除湿気体と蒸発部出力後の被除湿気体との熱交換を行う予冷・再熱部とを設けた熱交換器において、
    前記圧力容器の中心付近に前記予冷・再熱部を配置するとともに、前記圧力容器の前記予冷・再熱部の外周側に前記蒸発部を配置し、
    該蒸発部には、圧力容器内にて被除湿気体が流通される通路を設け、
    該通路中に前記冷媒が流通される冷媒通路を設け、
    該冷媒通路を、前記圧力容器への導入部位から導出部位まで接合部のない管体によって構成し、
    前記冷媒通路を構成する管体は複数本設けられており、各管体は前記圧力容器への導入部位から導出部位まで分岐及び結合されることなく個々独立して配置されており、
    前記冷媒通路を構成する複数の管体は、圧力容器の外部にて圧力容器外の1本の冷媒流通用配管とロウ付されており、そのロウ付部を圧力容器外部に露出させたことを特徴とする熱交換器。
  4. 前記冷媒通路を構成する管体は、前記予冷・再熱部の外周側を螺旋状に巻回されている請求項3記載の熱交換器。
  5. 前記圧力容器は長尺状に形成されており、前記冷媒通路を構成する管体の前記圧力容器への導入部位は前記圧力容器の長手方向一端側に設けられる一方、導出部位は前記圧力容器の長手方向他端側に設けられている請求項4記載の熱交換器。
  6. 前記予冷・再熱部は、プレートを所定間隔をおいて複数枚重ね合わせて構成されるプレート式熱交換器によって構成され、該プレート式熱交換器は、各プレート間に、前記蒸発部入力前の被除湿気体が流通する予冷通路と、前記蒸発部出力後の被除湿気体が流通する再熱通路とを交互に配したものである請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の熱交換器。
  7. 前記冷媒通路を構成する複数の管体は、圧力容器への導入部位が互いに近傍位置にまとめられるとともに、圧力容器からの導出部位が互いに近傍位置にまとめられている請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の熱交換器。
  8. 前記圧力容器は、複数に分割された分割容器を接合して構成されるものである請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の熱交換器。
  9. 前記複数の分割容器は、少なくとも、前記冷媒通路を構成する管体の導入部位が形成された分割容器と、前記管体の導出部位が形成された分割容器と、前記管体を外周側から支持する分割容器とを含むものである請求項8記載の熱交換器。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の熱交換器を装置本体内に備え、該装置本体には前記冷媒を冷却する冷凍回路を備え、該冷凍回路中の冷媒流通路を前記冷媒通路とした除湿装置。
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