JP4439320B2 - アンテナ共用器の設計方法、アンテナ共用器の生産方法、分波器の設計方法、及び分波器の生産方法 - Google Patents

アンテナ共用器の設計方法、アンテナ共用器の生産方法、分波器の設計方法、及び分波器の生産方法 Download PDF

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Description

本発明は、アンテナ共用器の設計方法、アンテナ共用器の生産方法、分波器の設計方法、及び分波器の生産方法に関する。
近年、移動体通信の発達に伴い、携帯電話等を始めとする移動体通信機器の小型化、高性能化の進展がますます要求されている。
この様なモバイル通信機器に用いられるアンテナ共用器1100としては、図18に示す様に、送信フィルタ1101と、受信フィルタ1102と、送信側及び受信側の位相を調整するための位相回路1103,1104と、アンテナ1105を接続するための接続点1106とを備える構成が一般的である。
従来のこの様なアンテナ共用器1100は、送信側及び受信側のインピーダンスの整合を図るために、例えば、送信周波数帯においては、接続点1106から送信フィルタ1101側を見たときのインピーダンスが50Ω近傍の値であり、且つ、受信フィルタ1102側を見たときのインピーダンスが出来るだけ無限大に近くなる様に設計するのが望ましいとされていた。受信周波数帯においても、これと同様の考え方により、接続点1106から受信フィルタ1102側を見たときのインピーダンスが50Ω近傍の値であり、且つ、送信フィルタ1101側を見たときのインピーダンスが出来るだけ無限大に近くなる様にとの考え方で設計されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。図19は、上述したアンテナ共用器のインピーダンス特性の内、送信周波数帯における受信フィルタ1102側のインピーダンス(このインピーダンスを、本明細書では、「送信減衰帯域でのインピーダンス」と呼ぶ)と、受信周波数帯における送信フィルタ1101側のインピーダンス(このインピーダンスを、本明細書では、「受信減衰帯域でのインピーダンス」と呼ぶ)とを、符号1201を付してスミスチャート上に示した概略図である。これら送信減衰帯域及び受信減衰帯域でのインピーダンス1201(これを単に、減衰帯域でのインピーダンス1201と呼ぶ)は、同図において、スミスチャートの円周上の太い実線により示されている。
尚、この減衰帯域でのインピーダンス1201は、従来の設計方法において、インピーダンスを無限大にするという思想の基では理想的であると考えられていたものである。また、この太い実線が所定長さを有しているのは、送信及び受信の減衰帯域にそれぞれ周波数の幅があり、且つ、双方の特性が円周上で重複しているためである。
一方、上記従来例とは別の観点から、インピーダンス整合の適正化を図ろうとした従来例を図20に示す。
同図に示す従来例では、受信フィルタ1102の送信減衰帯域でのインピーダンス1301の位相1301aと、送信フィルタ1101の受信減衰帯域でのインピーダンス1302の位相1302aが、スミスチャートの実軸1303を基準として上下対称となるように設計されている(例えば、非特許文献1参照。)。
特開2002−164710号公報(図3等) 特開平6−350305号公報 特開平6−350306号公報 特開昭62−136105号公報 岡田 貴浩、外2名、「1.9GHz帯PCS携帯電話用小形一体成形誘電体デュプレクサ」、1996年11月7日、電子情報通信学会研究報告、信学技報CPM96−103、p.55−60(図7、第3.2.3項等)
しかしながら、図19で述べた従来例の構成のとき、現実にはインピーダンスは無限大に出来ないことや、減衰帯域の周波数には所定の幅があること等の理由により、通過帯域の全範囲において、充分な整合をとることは困難である。
この点について図21(a)、図21(b)を用いて更に説明する。
ここで、図21(a)において、送信フィルタの通過帯域の下限、中央、上限の各周波数(fT1<fT0<fT2)における各インピーダンスのスミスチャート上の位置を、符号TfT1,TfT0、TfT2で示し、また、図21(b)において、受信フィルタの通過帯域の下限、中央、上限の各周波数(fR1<fR0<fR2)における各インピーダンスのスミスチャート上の位置を、符号RfR1、RfR0、RfR2で示す。
これらの位置は、スミスチャートの中心近傍に来るように調整されていて、送信フィルタの受信減衰帯域1401での周波数fR0のインピーダンス(符号TfR0を付した)、及び受信フィルタの送信減衰帯域1402での周波数fT0でのインピーダンス(符号RfT0を付した)のそれぞれの位相が0度となる様に、位相回路が設計されているが、通過帯域、及び減衰帯域は、周波数の幅を持っており、各周波数におけるインピーダンスの位相は、それぞれ次の様になる。即ち、図21(a)の送信フィルタにおいては、符号TfR1を付した位置での位相が10.6度、符号TfR2を付した位置での位相が−12.4度であり、図21(b)の受信フィルタにおいては、符号RfT1を付した位置での位相が22.8度、符号RfT2を付した位置での位相が−13.7度となり、上記減衰帯域1401での全ての位相及び、上記減衰帯域1402での全ての位相が、0度即ちオープン状態の位置にはならない。
また、図20に示す従来例については、複数の周波数において、スミスチャート上でインピーダンスの位置が完全に対称となる様に設計することが困難である。
また、図19、図20ともに減衰帯域でのインピーダンスのみ考慮した設計であるので、複数の周波数において信号ロスが最小となる様に最適化されているか疑問である。
本発明は、上記従来のアンテナ共用器のこのような課題を考慮して、信号ロスを従来に比べてより一層低減出来得るアンテナ共用器の設計方法、アンテナ共用器の生産方法、分波器の設計方法、及び分波器の生産方法を提供することを目的とする。
第1の本発明は、(1)送信信号を受けて所定の通過帯域の信号を通過させる送信フィルタと、(2)アンテナから得た受信信号を受けて所定の通過帯域の信号を通過させる受信フィルタとを備えたアンテナ共用器の設計方法であって、
(a)前記アンテナを接続するためのアンテナ端子部から前記送信フィルタ側を見たときの、前記送信フィルタの前記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第1の位相と、前記アンテナ端子部から前記受信フィルタ側を見たときの前記所定周波数におけるインピーダンスの第2の位相との関係、及び/又は、(b)アンテナ端子部から前記受信フィルタ側を見たときの、前記受信フィルタの前記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第3の位相と、前記アンテナ端子部から前記送信フィルタ側を見たときの前記所定周波数におけるインピーダンスの第4の位相との関係が、一定の基準を満たす様に前記アンテナ共用器の設計を行うアンテナ共用器の設計方法である。
また、第の本発明は、送信信号を受けて所定の通過帯域の信号を通過させる送信フィルタと、
アンテナから得た受信信号を受けて所定の通過帯域の信号を通過させる受信フィルタとを備えたアンテナ共用器の生産方法であって、
(1)前記アンテナを接続するためのアンテナ端子部から前記送信フィルタ側を見たときの、前記送信フィルタの前記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第1の位相と、前記アンテナ端子部から前記受信フィルタ側を見たときの前記所定周波数におけるインピーダンスの第2の位相との関係、及び/又は、(2)前記アンテナ端子部から前記受信フィルタ側を見たときの、前記受信フィルタの前記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第3の位相と、前記アンテナ端子部から前記送信フィルタ側を見たときの前記所定周波数におけるインピーダンスの第4の位相との関係が、一定の基準を満たす様に前記アンテナ共用器の設計を行う設計工程と、
前記設計されたアンテナ共用器の組み立てを行う組み立て工程と、
を備えたアンテナ共用器の生産方法である。
また、第の本発明は、(1)入力されてくる入力信号を一方と他方に分岐するための分岐手段と、(2)前記一方に分岐された信号の内、第1の通過帯域の信号を通過させる第1のフィルタと、(3)前記他方に分岐された信号の内、第2の通過帯域の信号を通過させる第2のフィルタとを備えた分波器の設計方法であって、
(a)前記分岐手段から前記第1のフィルタ側を見たときの、前記第1のフィルタの前記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第1の位相と、前記分岐手段から前記第2のフィルタ側を見たときの前記所定周波数におけるインピーダンスの第2の位相との関係、及び/又は、(b)前記分岐手段から前記第2のフィルタ側を見たときの、前記第2のフィルタの前記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第3の位相と、前記分岐手段から前記第1のフィルタ側を見たときの前記所定周波数におけるインピーダンスの第4の位相との関係が、一定の基準を満たす様に前記分波器の設計を行う分波器の設計方法である。
また、第の本発明は、(1)入力されてくる入力信号を一方と他方に分岐するための分岐手段と、(2)前記一方に分岐された信号の内、第1の通過帯域の信号を通過させる第1のフィルタと、(3)前記他方に分岐された信号の内、第2の通過帯域の信号を通過させる第2のフィルタとを備えた分波器の生産方法であって、
(a)前記分岐手段から前記第1のフィルタ側を見たときの、前記第1のフィルタの前記通過帯域の所定周波数における第1の位相と、前記分岐手段から前記第2のフィルタ側を見たときの前記所定周波数における第2の位相との関係、及び/又は、(b)前記分岐手段から前記第2のフィルタ側を見たときの、前記第2のフィルタの前記通過帯域の所定周波数における第3の位相と、前記分岐手段から前記第1のフィルタ側を見たときの前記所定周波数における第4の位相との関係が、一定の基準を満たす様に前記分波器の設計を行う設計工程と、
前記設計された分波器の組み立てを行う組み立て工程と、
を備えた分波器の生産方法である。
以上述べたことから明らかなように、本発明によれば、信号ロスを従来に比べてより一層低減出来得るという長所を有する。
以下、本発明及び本発明に関連する発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明のアンテナ共用器の一実施の形態の構成を示す図であり、同図を参照しながら、本実施の形態のアンテナ共用器100の構成を説明する。
尚、図1に示す構成において、図18で示した構成と共通する部分には、同じ符号を付してその説明を省略し、ここでは、位相回路103,104を中心に説明する。
即ち、図1に示す様に、本実施の形態における位相回路103、104は、それぞれストリップ線路103L、104Lから構成されている。これらの位相回路103,104の各素子が、以下に述べる様に、従来と異なる設計方法により決定されている点に特徴があり、各素子の構成自体が従来と本質的に異なるものではない。
以下、上記アンテナ共用器100の構成を実現するために必要な位相回路103,104を中心に本発明のアンテナ共用器の設計方法の一実施の形態について説明する。
本実施の形態の上記設計方法のポイントは、その根拠等の詳細は後述するが(図6等参照)、(1)接続点1106から送信フィルタ1101側を見たときの、送信フィルタ1101の通過帯域の所定周波数fTにおけるインピーダンスの位相θT1(本明細書では、これを単に位相θT1と呼ぶ場合もある)と、接続点1106から受信フィルタ1102側を見たときの、送信減衰帯域の上記周波数FTにおけるインピーダンスの位相θR2(本明細書では、これを単に位相θR2と呼ぶ場合もある)との差の絶対値θ1(以下、単に位相差θ1と称す)に着目した点、及び、(2)接続点1106から受信フィルタ1102側を見たときの、受信フィルタ1102の通過帯域の所定周波数fRにおけるインピーダンスの位相θR1(本明細書では、これを単に位相θR1と呼ぶ場合もある)と、接続点1106から送信フィルタ1101側を見たときの、受信減衰帯域の上記周波数fRにおけるインピーダンスの位相θT2(本明細書では、これを単に位相θT2と呼ぶ場合もある)との差の絶対値θ2(以下、単に位相差θ2と称す)に着目した点にある。そして、この位相差θ1とθ2の少なくとも一方が、100度以上で且つ170度以下の範囲、好ましくは120度〜150度の範囲に入る様に、位相回路103、104を設計することにより、フィルタの周波数帯の種類に関係無く、従来に比べて信号ロスを同等又は更に低減することが出来るというものである。
尚、本発明の第1の位相、第2の位相、第3の位相、及び第4の位相は、この記載の順番に、本実施の形態の位相θT1、位相θR2、位相θR1、及び位相θT2に対応する。また、本発明のアンテナ端子部は、本実施の形態の接続点1106に対応する。
先ずここでは、(A)本発明のアンテナ共用器の設計方法が導き出された根拠を説明する前に、その理解を容易にするにあたり、便宜上図1のアンテナ共用器100の構成を利用して、従来技術として述べた上記設計方法(図19、図20参照)に対する客観的な評価を独自の解析方法に基づいて行ったので、その内容を順次説明する。
その後、(B)本発明の上記設計方法を導き出すための根拠について説明し、次に、(C)本設計方法をまとめて説明し、更に(D)異なる周波数帯にも本設計方法が適用可能であることを検証し、最後に(E)本設計方法の適用について、フィルタの通過帯域の位相θT1の範囲の観点から説明する。
ここで再び、上記(A)の説明に戻る。
即ち、接続点1106から送信フィルタ1101側を見たときの、送信フィルタ1101の通過帯域でのインピーダンスの位相θT1と、接続点1106から受信フィルタ1102側を見たときの送信減衰帯域でのインピーダンスの位相θR2との関係から、送信フィルタ1101で発生する信号ロス(送信ロスとも呼ぶ)が、どの様な特性を示すかを評価した。以下、これを評価内容(1)と呼ぶ。
また、接続点1106から受信フィルタ1102側を見たときの、受信フィルタ1102の通過帯域でのインピーダンスの位相θR1と、接続点1106から送信フィルタ1101側を見たときの、受信減衰帯域でのインピーダンスの位相θT2との関係から、受信フィルタ1102で発生する信号ロス(受信ロスとも呼ぶ)を、評価内容(1)と同様の方法により評価した。以下これを評価内容(2)と呼ぶ。
先ず、図2、図3を参照しながら、上記評価内容(1)について説明する。
図2は、位相θT1と、位相θR2とを説明するための図である。図3(a)〜図3(h)は、これら各位相と信号ロスとの関係を表した図である。また、例えば、図3(a)は、位相θT1を0度に固定した状態で、位相θR2を変化させた場合における信号ロスの変化の様子を示している。図3(b)〜(h)についても、これと同様、位相θT1を45度、90度、135度、180度、−45度、−90度、−135度に固定した場合における信号ロスの変化の様子を示している。
ここで、位相θT1の上記各固定値は、送信フィルタ1101の通過帯域の中での所定の周波数に対応して得られる値である。また、位相θR2は、主としてストリップ線路104Lの長さ等を調整することにより変化させた。
図3(a)、図3(e)に示した様に、位相θT1を0度、あるいは180度に固定した場合において、信号ロスが最小(図3(a)では、約1.2dB)となるのは、位相θR2が0度の時であることが分かる。一方、例えば図3(g)に示す様に位相θT1を−90度に固定した場合では、信号ロスが最小(図3(g)では、約1dB)となるのは、位相θR2が約30度の時であることが分かる。
以上のことから、送信フィルタ1101の通過帯域の全ての周波数で、信号ロスが最小となるのは、必ずしも受信フィルタ1102の送信減衰帯域でのインピーダンスの位相θR2が0度の時とは限らない。
このことから、図19で述べた従来のアンテナ共用器1100の設計思想は、例えば、送信周波数帯においては、「接続点1106から受信フィルタ1102側を見た場合のインピーダンスを無限大に近づける」こと、即ち、「受信フィルタ1102の送信減衰帯域でのインピーダンスの位相θR2を0度にする」ことであったが、これに関して、次のことが明らかになった。
即ち、送信フィルタの通過帯域に幅がある以上、その通過帯域でのインピーダンスの位相θT1もそれぞれ異なるので、ある周波数でのインピーダンスの位相θR2が0度になるように位相回路を設計したとしても、通過帯域での全ての周波数において常に送信ロスが最小となるとは限らないと言うことである。その点において従来の設計方法は、特定の周波数でしか信号ロスの最小化が図れないことが実証出来た。
また、このことから、本発明者は、アンテナ共用器の設計では、従来の様に受信フィルタの送信減衰帯域でのインピーダンスの位相θR2のみに着目するのではなく、送信フィルタの通過帯域でのインピーダンスの位相θT1をも考慮する必要があると考えた。
次に、図4,図5を参照しながら、上記評価内容(2)について説明する。
図4は、接続点1106から受信フィルタ1102側を見たときの、受信フィルタ1102の通過帯域でのインピーダンスの位相θR1と、接続点1106から送信フィルタ1101側を見たときの、受信減衰帯域でのインピーダンスの位相θT2とを説明するための図である。
図5(a)〜図5(h)は、これら各位相と信号ロスとの関係を表した図である。例えば、図5(a)は、位相θR1を0度に固定した状態で、位相θT2を変化させた場合における信号ロスの変化の様子を示している。図5(b)〜(h)についても、これと同様、位相θR1を45度、90度、135度、180度、−45度、−90度、−135度に固定した場合における信号ロスの変化の様子を示している。
ここで、位相θR1の上記各固定値は、受信フィルタ1102の通過帯域での所定の周波数に対応して得られる値である。また、位相θT2は、主としてストリップ線路103Lの長さ等を調整することにより変化させた。
図5(a)、図5(e)に示した様に、位相θR1を0度、あるいは180度に固定した場合において、信号ロスが最小(図5(a)では、約1.8dB)となるのは、位相θT2が0度の時であることが分かる。一方、例えば図5(g)に示す様に位相θR1を−90度に固定した場合では、信号ロスが最小(約1.70dB)となるのは、位相θT2が約25度の時であることが分かる。
以上のことから、図3の場合と同様、受信フィルタ1102の通過帯域の全ての周波数で、信号ロスが最小となるのは、必ずしも送信フィルタ1101の受信減衰帯域でのインピーダンスの位相θT2が0度の時とは限らない。
このことから、図3において述べたのと同様、受信フィルタの通過帯域に幅がある以上、その通過帯域でのインピーダンスの位相θR1もそれぞれ異なるので、ある周波数でのインピーダンスの位相θT2が0度になるように位相回路を設計したとしても、通過帯域での全ての周波数において常に受信ロスが最小となるとは限らず、その点において従来の設計方法は、最適な設計方法ではないことが実証出来た。
また、このことから、本発明者は、アンテナ共用器の設計では、従来の様に送信フィルタの受信減衰帯域でのインピーダンスの位相θT2のみに着目するのではなく、受信フィルタの通過帯域でのインピーダンスの位相θR1をも考慮する必要があると考えた。
(B)次に、本発明のアンテナ共用器の設計方法を導き出すための根拠について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図6は、図2と図4とに示したそれぞれの位相を、一つのスミスチャート上に表した図である。図6に示した各位相の値は、スミスチャート上で反時計回りを正とし、時計回りを負とした。
尚、位相差θ1と、位相差θ2の定義は本実施の形態の冒頭で説明した通りである。これを数式で表すと次の通りである。
(数1)
θ1=|θT1−θR2|
(数2)
θ2=|θR1−θT2|
図7は、本発明のアンテナ共用器の設計方法の根拠を説明するための説明図である。ここでは、図7を得るために、便宜上、図1に示すアンテナ共用器100を用いて説明する。
図7は、図1の位相回路104を調整することにより、上記位相θR2を60度から−80度まで順次変化させると同時に、位相回路103を調整することにより、上記位相θT2を−60度から80度まで順次変化させた場合の、各位相及び信号ロスの値を示す図である。
具体的には、図7のθTI、θR1の各欄に、(1)各フィルタ1101,1102の通過帯域の所定周波数における位相θT1の値(同図において、θT1,1〜θT1,13)、及び位相θR1の値(同図において、θR1,1〜θR1,13)を示した。また、同図の送信ロス、受信ロスの各欄に、(2)送信フィルタ1101での信号ロスの値(同図において、LT1〜LT13)、及び受信フィルタ1102での信号ロスの値(同図において、LR1〜LR13)を示した。
また、図7に示す様に、中央行701を基準として、それより上側に示した行
では、位相θT2が図6において時計回りの方向に順次変化し、これと同時に位相θR2が反時計回りの方向に順次変化する様に、各位相回路103,104のストリップ線路103L,104L(図1参照)を各位相の変化毎に調整した。また、その調整は、位相θT2、θR2として示した位相角が、スミスチャート上の実軸を中心にして上下方向に対称となる様に行った。また、これと同様に、中央行701を基準として、それより下側の行では、位相θT2が反時計回りの方向に順次変化し、これと同時に位相θR2が時計回りの方向に順次変化する様に、各位相回路103,104を調整した。
更にまた、図7では、800MHz帯の送信フィルタ1101に入力される送信信号の周波数fTを949MHzに固定し、且つ、受信フィルタ1102に入力される受信信号の周波数fRを819MHzに固定した場合を示している。
尚、同図において、位相θT2の設定変更は、位相回路103の位相を調整することにより行うため、送信フィルタ1101の通過帯域の位相θT1の値にも当然に影響を及ぼすものである。また、これと同様の理由により、位相θR2の設定変更が、位相θR1の値にも影響する。
一例として図7の中央行701の記載内容について説明する。
同図において、中央行701は、位相θT2が0度となる様に、位相回路103を調整し、且つ、位相θR2が0度となる様に、位相回路104を調整した場合を示している。この場合の送信フィルタ1101での送信ロスはLT6=1.16dBであり、受信フィルタ1102での受信ロスはLR6=1.70dBであった。また、この場合の送信フィルタ1101の通過帯域の位相は、θT16=60.8度となり、受信フィルタ1102の通過帯域の位相は、θR16=−112.8度であった。
従って、この場合の位相差θ1,θ2は、中央行701の各欄に対応した上記各位相の値を用いて、数1,2から位相差を次の様に求めることが出来る。
(数3)
θ16=|θT1,6−0|=|60.8−0|=60.8(度)
(数4)
θ26=|θR1,6−0|=|−112.8−0|=112.8(度)
図9(a)、図9(b)は、図7に示す各位相から、上記数1,及び数2で示した関係に基づいて、上記の様に算出した位相差θ1及びθ2と、図7に示す信号ロスの関係を示した図である。
具体的には、図9(a)は、図7に示した送信ロス702(同図において、LT3〜LT13に対応するの値)の変化特性を、位相差θ1を基準として表した図であり、図9(b)は、図7に示した受信ロス703(同図において、LR1〜LR12に対応するの値)の変化特性を、位相差θ2を基準として表した図である。尚、図9(a)において、数3で得られた位相差θ16とその時の送信ロスLT6により定まる点をA(θ16 , LT6)として示した。又、図9(b)において、数4で得られた位相差θ26とその時の受信ロスLR6により定まる点をB(θ26, LR6)として示した。
ここで、送信ロス702とは、送信フィルタの信号ロスを意味し、受信ロス703とは、受信フィルタの信号ロスを意味している。また、同図において、比較のため、従来の設計方法を用いた場合に達成される送信ロス(1.16dB)と、受信ロス(1.70dB)の値を破線で示した。
図9(a)から、送信ロス702が最小となる位相差θ1の値は、約147度であることが分かり、その時の送信ロス702は約1dBである。また、その時の位相θT1と、位相θR2は、図7に戻って見ると、前者はθT1,10度(同図において符号706を付した)近傍であり、後者は−40度(同図において符号707を付した)近傍であることが分かる。
従って、図1のアンテナ共用器100の送信ロス702の最小化に関して言えば、送信フィルタ1101に入力される送信信号の周波数fTを949MHzに固定し、且つ、受信フィルタ1102に入力される受信信号の周波数fRを819MHzに固定した場合においては、次の通りである。
即ち、位相差θ1がほぼ147度になるように、位相回路103,104を設計すれば良い。具体的には、上述した位相θT1,10度(図7において符号706を付した)に対応した位相θT2が40度(図7において符号708を付した)近傍であり、且つ、位相θR2が−40度近傍となる様に、位相回路103,104のストリップ線路103L,104Lの長さ、幅、厚みを決定することにより、送信フィルタ1101の送信ロス702を最小化することが出来るものである。
この場合の送信ロス702の最小値は、ほぼ1.0dBである。これに対して、図7で説明した位相θT2、及び位相θR2をともに0度に設定した場合(同図において、符号701を付した行を参照)、即ち、図19で述べた従来の設計方法を適用した場合に得られる送信ロス(1.16dB)に比べて、信号ロスがより一層低減されている。
更に、図9(a)によれば、位相差θ1を破線より下側の領域即ち、60度〜195度の範囲に入る様に、位相回路103,104を調整すれば、上記従来の設計方法による信号ロスの最小レベルと同等あるいはそれ以下に出来ることが分かる。
一方、図9(b)から、受信ロス703が最小となる位相差θ2の値は、約150度であり、その時の受信ロス703は約1.67dB(図7において、符号710を付した)であることが分かる。また、その時の位相θT2と、θR1は、図7に戻って見ると、前者は20度(同図において、符号711を付した)近傍であり、後者はθR1,8度(同図において、符号712を付した)近傍であることが分かる。
従って、図1のアンテナ共用器100の受信ロス703の最小化に関して言えば、上記と同様、各周波数fT、及びfRをそれぞれ949MHz、819MHzに固定した場合においては、位相差θ2がほぼ150度になるように、位相回路103,104を設計すれば良い。
具体的には、上記位相θT2が20度(図7において符号711を付した)近傍であり、且つ、位相θR1,8度(図7において符号712を付した)に対応した位相θR2が−20度(同図において符号713を付した)近傍となる様に、位相回路103,104のストリップ線路103L,104Lの長さ、幅、厚みを決定することにより、受信フィルタ1102の受信ロス703を最小化することが出来るものである。
この場合の受信ロス703の最小値は、ほぼ1.67dBである。これに対して、図7で説明した位相θT2、及び位相θR2をともに0度に設定した場合(同図において、符号701を付した行を参照)、即ち図19で述べた従来の設計方法を適用した場合に得られる受信ロス(1.70dB)に比べて、信号ロスがより一層低減されている。
更に、図9(b)によれば、上記と同様に、位相差θ2を破線より下側の領域、即ち100度〜170度の範囲に入る様に、位相回路103,104を調整すれば、上記従来の設計方法による信号ロスの最小レベルと同等あるいはそれ以下に出来ることが分かる。
尚、上記各周波数fT、及びfRがそれぞれ949MHz、819MHzである場合に限って信号ロスが最小になりさえすれば良い様な場合においては、送信ロス702,及び受信ロス703の双方を同時に低減するためには、上述した内容をふまえて、位相θT2が約30度、且つ位相θR2が約−30度(このとき、位相差θ1は約130度、位相差θ2は約170度である)となる様に、位相回路103,104の回路構成を決定すれば良い。しかし、通常は、フィルタの通過周波数帯域の全ての周波数に対して、信号ロスを最小化することが望ましいので、それに関しては、後述する。
上述した様に、位相差θ1、θ2に着目し、これを基準として信号ロスを評価することにより、図19で述べた従来の設計方法に比べて同等又はより一層、信号ロスを低減することが可能となる。
ここで、各周波数fT、及びfRをそれぞれ949MHz、819MHzに固定した上述の例に限って言えば、位相θT2が30度近傍であり、且つ、位相θR2が−30度近傍となる様に、位相回路103,104の回路構成を決定する点において、図20で述べた従来の設計方法と結果的には同じであると言える。ここで、上記従来の設計方法とは、接続点1106から受信フィルタ1102側を見たときの受信フィルタ1102の送信減衰帯域のインピーダンスの位相と、接続点1106から送信フィルタ1101側を見たときの送信フィルタ1101の受信減衰帯域のインピーダンスの位相とが、ある特定の周波数において、スミスチャートの実軸1303を基準として上下対称の関係となるように、位相回路を設計する方法である。
しかし、図20で述べた従来の設計方法と、本実施の形態で述べる設計方法とは、既に説明した通り、本実施の形態の場合は、位相差θ1,θ2という概念を導入して、これに基づいて、信号ロスを評価する点において、上記従来の設計方法と全く相違する。
しかも、以下に説明する様に、本実施の形態における設計方法は、フィルタの通過周波数帯域における全部又は一部の周波数に対して適用可能であるという特徴を有する。
更に、位相差に着目した本設計方法は、フィルタの通過周波数帯の違いに関わらず、全てのフィルタに関して共通に適用出来る点も大きな特徴である。
以下、図1のアンテナ共用器100の構成を、図7での説明と同様に用いて、フィルタに入力されてくる信号の周波数のみを変えた場合について、図8、図10(a)、図10(b),図11を参照しながら更に説明する。
図8は、送信フィルタ1101に入力される送信信号の周波数fTを940MHzに固定し、且つ、受信フィルタ1102に入力される受信信号の周波数fRを810MHzに固定した場合における、上記図7に対応する図である。
図8において、例えば、符号801を付した行は、図7の符号701を付した行に対応している。
また、図8において、図中の表示位置から見て図7と相互に対応する各行により特定される位相回路の構成は、図7の場合と同じである。また、図8にのみ着目した場合、各行に対応するアンテナ共用器100の回路構成は、行毎に異なるものである点は、図7の場合と同じである。
具体的には、図8に示す各位相の値は、通過帯域の周波数fT、fRのみを上述した通りの値に変えた上で、位相回路103,104は、図7で述べたものをそのまま用いることにより得られた値である。従って、例えば、図8の中央行801の各位相の値は、上述した通り、図7の中央行701の各位相の値と対応関係を有しているが、具体的な値としては両者は相違する。例えば、図7の中央行701の位相θT2=0度、位相θR2=0度に対応する図8の中央行801の位相θT2は、10.6度(同図において、符号804を付した)であり、位相θR2は、22.8度(同図において、符号805を付した)である。
また、図7の場合と同様に、図8における、θT1、θR1の各欄には、位相θT1の値(同図において、θ’T1,1〜θ’T1,13)、及び位相θR1の値(同図において、θ’R1,1〜θ’R1,13)を示した。また、同図の送信ロス、受信ロスの各欄には、送信ロスの値(同図において、L’T1〜L’T13)、及び受信ロスの値(同図において、L’R1〜L’R13)を示した。
図7で説明した回路構成と同一であっても、フィルタに入力されてくる信号の周波数が異なることにより、各位相の値は異なり、従って、信号ロスに関しても異なる値を示す。
図10(a)、図10(b)は、図8に示す各位相から、上記数1,及び数2で示した関係に基づいて算出した位相差θ1及びθ2と、図8に示す信号ロスとの関係を示した図である。
この場合の送信ロス802の最小値(図10(a)参照)は、位相差θ1が約157度における約1.1dB(図8において符号806を付した送信ロスL’T11に対応している)であり、受信ロス803の最小値(図10(b)参照)は、位相差θ2が約126度における約1.9dB(図8において符号807を付した受信ロスL’R8に対応している)である。これら送信ロス802、受信ロス803の何れもが、従来の設計方法により得られる、図8の中央行801に示された送信ロスのL’T6=1.39dB、受信ロスのL’R6=1.97dBに比べてより一層低減されている。
また、図10(a)によれば、位相差θ1を破線より下側の領域即ち、50度〜230度の範囲に入る様に、位相回路103,104を調整すれば、上記従来の設計方法による送信ロスの最小レベルと同等あるいはそれ以下に出来ることが分かる。
また、同様に、図10(b)によれば、位相差θ2を破線より下側の領域即ち、100度〜170度の範囲に入る様に、位相回路103,104を調整すれば、上記従来の設計方法による受信ロスの最小レベルと同等あるいはそれ以下に出来ることが分かる。
従って、図1のアンテナ共用器100の送信ロス802の最小化に関して言えば、次の通りである。
即ち、上記と同様、各周波数fT、及びfRをそれぞれ940MHz、810MHzに固定した場合においては、θ’T1,11度(図8において、符号808を付した)に対応した位相θT2が60度(同図において、符号809を付した)近傍であり、且つ、位相θR2が−27度(同図において、符号810を付した)近傍となる様に、位相回路103,104を構成すれば良い。
一方、受信ロス803の最小化に関して言えば、上記と同様に、上記位相θT2が30度(図8において、符号811を付した)近傍であり、且つ、位相θR2が3度(同図において、符号812を付した)近傍となる様に、位相回路103,104を構成すれば良い。
以上のことから、図8で述べた送信ロス802,受信ロス803に関しては、位相θT2と位相θR2との関係が図6に示すスミスチャートの実軸を基準として上下対称の関係とならない場合において、最小値が得られることが分かる。この様に、本発明の設計方法によれば、図20で述べた従来の設計方法では得られない効果を発揮するものである。
図11は、送信フィルタ1101に入力される送信信号の周波数fTを958MHzに固定し、且つ、受信フィルタ1102に入力される受信信号の周波数fRを828MHzに固定した場合における、送信ロスと、位相差θ1との関係を示す図である。
図11によれば、位相差θ1を破線より下側の領域即ち、60度〜220度の範囲に入る様に、位相回路103,104を調整すれば、上記従来の設計方法による信号ロスの最小レベルと同等あるいはそれ以下に出来ることが分かる。また、同図により、送信ロス902の最小値は、位相差θ1が約150度における約0.78dBである。
以上述べたことから、通過帯域の全てを考慮した場合の、図1に示す位相回路103,104の設計に用いる設計基準について述べる。
先ず、通過帯域が940MHz〜958MHzである送信フィルタの送信ロスの低減に関する設計基準は、上記通過帯域の中心(図9(a)参照)、下限(図10(a)参照)、上限(図11参照)の各周波数について示した位相差θ1の許容範囲の共通範囲に着目することにより、次の様に導き出せる。
即ち、位相差θ1が60度〜195度の範囲に入る様に、位相回路103,104を設計することにより、上記通過帯域の全ての周波数において送信ロスを従来の値以下に出来るアンテナ共用器100を提供することが出来る。
一方、受信フィルタの受信ロスの低減に関する設計基準は、上記と同様に、各周波数について示した位相差θ2の許容範囲の共通範囲に着目することにより、100度〜170度として導き出せる。
従って、位相差θ2が100〜170度の範囲に入る様に、位相回路103,104を設計することにより、上記通過帯域の全ての周波数において受信ロスを従来の値以下に出来るアンテナ共用器100を提供することが出来る。
(C)以上述べたことから、本実施の形態のアンテナ共用器の設計方法は、次の様にまとめることが出来る。
即ち、位相差θ1及び/又はθ2に着目して、位相差θ1及び/又はθ2が、所定の範囲に含まれるように、位相回路103,104を設計するというものである。ここで、位相差θ1,θ2の定義は、上述した通りである。
具体的には、上記の様に800MHz帯のフィルタを用いる場合、双方の位相差に着目して、位相差θ1及びθ2が、100度以上で、且つ170度以下の範囲に入るように、位相回路103,104を設計する。
また、好ましくは、位相差θ1及びθ2が、120度以上で、且つ150度以下の範囲に入るように、位相回路103,104を設計する。
この様にして設計されたアンテナ共用器100によれば、800MHz帯のフィルタの通過帯域の全ての周波数に対して、信号ロスが従来に比べてより一層低減出来るという効果を発揮する。
(D)次に、これまで述べてきた、位相差に着目した本設計方法が、1.5GHz帯のフィルタを用いたアンテナ共用器の設計にも適用出来ることを検証する。
図12(a)は、1441MHzでの送信フィルタの送信ロスと位相差θ1との関係を示す図であり、図12(b)は、1489MHzでの受信フィルタの受信ロスと位相差θ2との関係を示す図である。
これらの図から明らかなように、それぞれの信号ロスが最小となるのは、位相差θ1が約120度、位相差θ2が約150度の時であり、これらの値を中心にして双方の信号ロスが最小化傾向にあることが分かる。そして、これら信号ロスが最小になる位相差の値は、共に、上述した800MHz帯のフィルタに適用した設計基準の位相差の範囲(100度〜170度)に含まれている。
従って、位相差に着目した上記設計方法は、1.5GHz帯の場合にも適用可能であることが検証できた。
尚、図7〜図11で説明した800MHz帯のフィルタに関する位相差の設計基準は、100度〜170度に設定した。これに対して、1.5GHz帯のフィルタに関する位相差の設計基準は、上述したことから、120度〜150度の範囲に設定出来る。
従って、フィルタの周波数帯に関わらず、同一の設計基準を使用出来る様にするというメリットを得るためには、位相差の設計基準を120度以上で且つ150度以下の範囲に設定すれば良い。
(E)ここまでは、例えば、図7で述べた様に、中央行701に示す位相θT2、θR2を基準として、位相θT2、θR2をスミスチャート上で±10度、又は±20度刻みで変化させた場合に定まる位相θT1、θR1等に基づいて、位相差に着目した設計基準を導き出すまでの説明を行った。
しかし、位相θT1の値によっては、上述した位相差の設計基準の範囲が適用出来ない場合があるので、以下に、その点について説明する。
図13(a)〜図13(h)は、図3(a)〜図3(h)で示した位相と送信ロスの関係を、横軸を位相差θ1(即ち、θT1−θR2)に置き換えて表した図である。尚、ここでは説明の都合上、上記定義と異なり絶対値をとらない値を位相差と呼ぶが、この値の絶対値をとれば上記定義の位相差と同じ概念のものとなる。
これらの図面は、同一のアルファベットを付したもの同士(例えば、図13(a)と図3(a))が対応している。
例えば、図13(a)に示す送信ロスの特性から、送信ロスを低減できる位相差θ1の範囲は、0度の時を中心とした一定の範囲である。しかし、この一定の範囲は、上記(C)で述べた本設計方法における設計基準(100度〜170度)と全く異なる範囲である。
これに対して、例えば、図13(c)、(d)、(g)及び(h)に示す場合は、位相差θ1が上記設計基準内の135度(又は、−135度)近辺において、送信ロスが、図13(a)に示す最小値(約1.2dB)に比べてより低い値となっている。
また、図13(e)の場合は、位相差θ1が180度近辺において、送信ロスが、図13(a)に示す最小値(約1.2dB)に比べてより低い値となっている。即ち、図13(e)は、位相θT1が180度の位置にあれば、他方の位相θR2が必ず0度、即ちオープン状態となる場合に、ロスが最小値を示すことを意味している。この点について、図13(a)と比較すると、減衰帯域での位相θR2の値としては、何れの場合も0度であるが、通過帯域でのある周波数におけるインピーダンスの位相θT1が、0度(図13(a))ではなく180度(図13(e))である方が、送信ロスがより低減出来ることを示している。
以上のことから、上記(C)で述べた設計基準(100度〜170度)をそのまま適用することにより、本発明のアンテナ共用器を帯域内の複数の周波数について低ロス化するためには、位相θT1は、90度〜270度の範囲に含まれていることが必要である。ここで、θT1=270(度)は、図13(g)のθT1=−90(度)に対応する。
尚、通過帯域内の複数の周波数の内、ある特定の周波数において、θT1が180度であった場合は、その特定の周波数については、上記設計基準の代わりに、位相差θ1=0(度)の基準を採用しても勿論良い。
位相差θ2(即ち、θR1−θT2)に関しても、上記と同様のことが言え、上記(C)で述べた設計基準(100度〜170度)がそのまま適用出来る位相θR1の許容範囲は、ほぼ90度〜270度となる。
以上述べたことから、フィルタは、複数の周波数、即ち通過帯域の帯域幅を持っている。従って、フィルタの通過周波数帯域における全部又は一部の周波数において信号ロスが小さくなる様に設計するには、送信フィルタの通過帯域の位相θT1が90度〜270度の範囲において、位相差θ1が100度〜170度の範囲、好ましくは、120度〜150度の範囲に含まれる様に設定すれば良い。
また、受信フィルタの通過帯域の位相θR1に関しても、上記と全く同様のことが言え、位相θR1が90度〜270度の範囲において、位相差θ2が100度〜170度の範囲、好ましくは、120度〜150度の範囲に含まれる様に設定すれば良い
(実施の形態2)
図16は、本発明の分波器の一実施の形態の構成を示す図であり、同図を参照しながら、本実施の形態の分波器400の構成を説明する。
図16に示す様に、本実施の形態の分波器400は、入力信号401を一方と他方に分岐するための分岐点402と、上記一方に分岐された信号の内、第1の通過帯域の信号を通過させる第1フィルタ403と、上記他方に分岐された信号の内、第2の通過帯域の信号を通過させる第2フィルタ404を備えている。また、分波器400は、分岐点402と第1フィルタ403との間に設けられ、第1フィルタ403の位相を調整する位相回路405と、分岐点402と第2フィルタ404との間に設けられ、第2フィルタ404の位相を調整する位相回路406とを備えている。尚、第1処理回路407は、第1フィルタ403からの出力信号を処理する回路であり、第2処理回路408は、第2フィルタ404からの出力信号を処理する回路である。
ここで、本実施の形態の分波器400と図1に示すアンテナ共用器100の構成との相違点は、分波器400の信号401の流れが、図1の場合とは異なり、一方向に限られている点であり、位相回路やフィルタなどの各部の構成は基本的には同じである。
尚、本発明の位相回路手段は、位相回路405及び位相回路406に対応する。又、本発明の分岐手段は、分岐点402に対応する。
次に、上記分波器400の構成を実現するために必要な位相回路405,406を中心に本発明の分波器の設計方法の一実施の形態について説明する。
即ち、(1)分岐点402から第1フィルタ403側を見たときの、第1フィルタ403の通過帯域の所定周波数fTにおけるインピーダンスの第1の位相(上記位相θT1に対応)と、分岐点402から第2フィルタ404側を見たときの、送信減衰帯域の上記所定周波数fTにおけるインピーダンスの第2の位相(上記位相θR2に対応)との差の絶対値である位相差θ1(以下、単に位相差θ1と称す)、及び(2)分岐点402から第2フィルタ404側を見たときの、第2フィルタ404の通過帯域の所定周波数fRにおけるインピーダンスの第3の位相(上記位相θR1に対応)と、分岐点402から第1フィルタ403側を見たときの、受信減衰帯域の上記所定周波数fRにおけるインピーダンスの第4の位相(上記位相θT2に対応)との差の絶対値である位相差θ2(以下、単に位相差θ2と称す)が、100度以上で且つ170度以下、好ましくは120度〜150度の範囲に含まれる様に、位相回路405,406を設計する。
この様な設計方法を用いる根拠は、実施の形態1で説明した内容と同じであるので、ここではその説明を省略する。
上記設計方法により設計された回路構成により、実施の形態1と同様の理由から、分波器400は、第1フィルタ403,第2フィルタ404の信号ロスを共に低減出来るという上記実施の形態の場合と同様の効果が得られる。
以上の様に、本実施の形態の上記設計方法のポイントは、実施の形態1で述べた内容と同様、(1)上記第1の位相と上記第2の位相との位相差θ1に着目した点、及び、(2)上記第3の位相と上記第4の位相との位相差θ2に着目した点にある。
そして、この位相差θ1とθ2の少なくとも一方が、100度以上で且つ170度以下、好ましくは、120度〜150度の範囲に入る様に、位相回路405,406を設計することにより、フィルタの通過帯域の全部又は一部の周波数に対して、従来に比べて信号ロスを同等又は更に低減することが出来るというものである。
尚、フィルタの通過周波数帯の違いに関わらず、位相差に着目した本設計方法が適用出来ることは、既に述べた通りである。
また、第1の位相の値によっては、上述した位相差の設計基準の範囲が適用出来ない場合がある点については、実施の形態1の項目(E)で述べた内容と同じであるので、ここでの説明は省略する。
(実施の形態3)
図17は、本発明の通信装置の一実施の形態の構成を示す図であり、同図を参
照しながら、本実施の形態の通信装置500の構成を説明する。
図17に示す様に、本実施の形態の通信装置500は、上記実施の形態1で述べたアンテナ共用器100(図1参照)をそのまま用いた構成であり、同一のものには同じ符号を付した。尚、送信回路501は、送信信号を処理し、送信フィルタ1101に出力する回路である。また、受信回路502は、受信フィルタ1102から出力された信号を処理し出力する回路である。
本実施の形態の通信装置500のアンテナ共用器100の設計方法については、上記実施の形態1で述べた内容がそのまま適用出来るので、ここでの説明は省略する。
以上説明したことから明らかな様に、本実施の形態の通信装置500は、従来に比べてより一層、信号ロスを低減することが出来るという効果を発揮する。
尚、上記実施の形態では、位相回路をストリップ線路などの分布定数素子を用いて構成した場合について説明したが、これに限らず例えば、インダクタやコンデンサなどの集中定数素子を用いて構成しても良いし、その他の構成でも良い。
また、本発明の位相回路手段として、上記実施の形態では、送信フィルタ側と、受信フィルタ側の両方にそれぞれ位相回路を設けた場合について説明したが、これに限らず例えば、何れか一方のみでも良いし、また、結果的に何れのフィルタ側にも位相回路を設けない構成となる場合もあり得る。要するに、接続点又は分岐点から各フィルタ側を見たときの所定の周波数におけるインピーダンスの位相の関係が、上述した実施の形態に示す設計基準を満たしておりさえすれば良い。
従って、本発明の位相回路手段が、例えば、送信フィルタ側と受信フィルタ側の何れか一方に、又は接続点(例えば、後述する図14の接続点1106参照)において構成された一つの位相回路として実現された場合でも、位相差θ1及び位相差θ2が共に上記設計基準の範囲に含まれる様に設定され得る。
また、位相回路が何れか一方のみの構成でも良い場合がある理由は、次の通りである。例えば、送信フィルタ1101側の位相回路103(図1参照)を調整した場合、上記位相θT1(即ち、接続点から送信フィルタ側を見たときの、送信フィルタの通過帯域のある周波数におけるインピーダンスの位相)のみならず、上記位相θT2(即ち、接続点から送信フィルタ側を見たときの、受信減衰帯域のある周波数におけるインピーダンスの位相)にも影響を与えることは、既に述べた通りである。一方、位相θT2は、位相差θ2を決める一要素である。これらのことから、位相回路103のみを調整することにより、位相差θ1及びθ2が共に上記設計基準の範囲に含まれる場合がある。この点については、位相回路104に関しても、上記と全く同様である。
また、上記実施の形態では、本発明のアンテナ共用器の設計方法の一実施の形態として、帯域全体として信号ロスが低減出来る位相回路の設計方法を中心に説明したが、これに限らず例えば、既にアンテナ共用器が存在している場合に、信号ロスの低減の観点から、最適な設計がなされているか否かを評価する方法としても、本発明のアンテナ共用器の設計方法が適用出来る。
ここで、信号ロスの低減の観点から、最適な設計がなされているか否かを評価する方法として本発明のアンテナ共用器の設計方法を、接続点1106にインダクタ素子201Lが接続されて構成された位相回路201が既に存在しているアンテナ共用器200(図14参照)に適用する場合について更に説明する。
即ち、この場合、図14のインダクタ素子201Lを図15に示す様な等価回路(301,302)に置き換えることにより、図15の位相回路301,302に基づいて、本発明のアンテナ共用器の設計方法を適用することが出来る。これにより、アンテナ共用器200の評価が可能となる。尚、ここで、図14のインダクタ素子201LのインダクタンスLと、図15のインダクタ素子301LのインダクタンスL1及びインダクタ素子302LのインダクタンスL2との関係は、次式で表せる。
(数5)
1/L=1/L1+1/L2
また、本発明のアンテナ共用器の設計方法は、アンテナ共用器の生産方法としても適用出来る。この場合の生産方法は、具体的には、送信信号を受けて所定の通過帯域の信号を通過させる送信フィルタと、アンテナから得た受信信号を受けて所定の通過帯域の信号を通過させる受信フィルタとを備えたアンテナ共用器の生産方法であって、(1)上記アンテナを接続するためのアンテナ端子部から上記送信フィルタ側を見た場合の、上記送信フィルタの上記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第1の位相と、上記アンテナ端子部から上記受信フィルタ側を見た場合の上記所定周波数におけるインピーダンスの第2の位相との関係が、及び/又は、(2)上記アンテナ端子部から上記受信フィルタを見た場合の、上記受信フィルタの上記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第3の位相と、上記アンテナ端子部から上記送信フィルタ側を見た場合の上記所定周波数におけるインピーダンスの第4の位相との関係が、一定の基準を満たす様に上記アンテナ共用器の設計を行う設計工程と、上記設計されたアンテナ共用器の組み立てを行う組み立て工程と、を備えたものである。更に、この場合、上記アンテナ共用器は、(3)上記アンテナ端子部と上記送信フィルタとの間に設けられた、上記送信フィルタの位相を調整するための、及び/又は、(4)上記アンテナ端子部と上記受信フィルタとの間に設けられた、上記受信フィルタの位相を調整するための、位相回路手段を備えた構成でも良い。上記設計工程では、上記実施の形態で述べたものと同様の設計方法を使用して、一旦、アンテナ共用器の回路設計が完了した後は、その設計仕様に基づいて、生産部門において、回路組み立て作業等を通常の工程に基づいて行うものである。これにより、信号ロスの少ないアンテナ共用器を生産することが出来る。
また、本発明の分波器の設計方法は、分波器の生産方法としても適用出来る。
この場合の生産方法は、具体的には、(1)入力されてくる入力信号を一方と他方に分岐するための分岐手段と、(2)上記一方に分岐された信号の内、第1の通過帯域の信号を通過させる第1のフィルタと、(3)上記他方に分岐された信号の内、第2の通過帯域の信号を通過させる第2のフィルタとを備えた分波器の生産方法であって、
(a)上記分岐手段から上記第1のフィルタ側を見た場合の上記第1のフィルタの上記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第1の位相と、上記分岐手段から上記第2のフィルタ側を見た場合の上記所定周波数におけるインピーダンスの第2の位相との関係が、及び/又は、(b)上記分岐手段から上記第2のフィルタ側を見た場合の上記第2のフィルタの上記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第3の位相と、上記分岐手段から上記第1のフィルタ側を見た場合の上記所定周波数におけるインピーダンスの第4の位相との関係が、一定の基準を満たす様に上記分波器の設計を行う設計工程と、
上記設計された分波器の組み立てを行う組み立て工程と、を備えたものである。更に、この場合、分波器は、(1)上記分岐手段と上記第1のフィルタとの間に設けられた、上記第1のフィルタの位相を調整するための、及び/又は、(2)上記分岐手段と上記第2のフィルタとの間に設けられた、上記第2のフィルタの位相を調整するための、位相回路手段を備えていても良い。
また、アンテナ共用器、アンテナ共用器の設計方法、及びアンテナ共用器の生産方法について述べた変形例は、全て、上記分波器に関する本発明の変形例としても同様に適用可能であることは言うまでもない。
また、上記実施の形態では、送信フィルタの通過帯域の位相θT1、又は、受信フィルタの通過帯域の位相θR1が、90度〜270度の範囲にある場合に、本発明の設計方法を適用することを中心に説明した。これに対して、送信フィルタ又は受信フィルタの何れか一つのフィルタに着目した場合、通過帯域は所定の幅を有しているため、帯域内のある周波数の範囲では、上述した位相θT1又はθR1が、90度〜270度の範囲に含まれるが、帯域内の他の周波数では、0度〜90度、又は270度〜360度の範囲に含まれる場合が考えられる。この様な場合は、前者の周波数の範囲では、上記位相差に着目した本発明の設計方法を適用し、且つ、後者の周波数の範囲では、送信減衰帯域の位相θR2又は、受信減衰帯域の位相θT2を0度(オープン状態)に近づける様に設計する構成としても良い。この場合、フィルタの通過帯域の位相が90度〜270度においては、上述した本発明の特有の効果が得られ、また、位相が0度〜90度又は270度〜360度においては、少なくとも従来と同等のレベルまで信号ロスの低減を図ることが出来るものである。
次に、上記実施の形態で述べた送信フィルタ及び、受信フィルタの具体的構成例として、薄膜共振器(FBAR)を用いたタイプと、弾性表面波デバイス(SAWデバイス)を用いたタイプについて更に説明する。
先ず最初に、上記実施の形態の、送信フィルタ1101と受信フィルタ1102の何れか一方又は双方が、所定の基板上に形成された薄膜共振器2001を用いたフィルタである場合について図22、図23を参照しながら述べる。
図22は、薄膜共振器2001の構造を説明するための模式断面図である。
図22に示す様に、薄膜共振器2001は、上部電極2010,圧電体層2012,及び下部電極2014を備えた共振部2020と,その共振部2020が設けられた基板2016と、下部電極2014の下部であって基板2016に形成されたキャビティ2018とにより構成されている。
この様に構成された薄膜共振器2001を用いたフィルタ構成としては、次の2つのタイプがある。
第1のタイプは、同一の基板2016上で複数の薄膜共振器2001a,2001b同士を梯子型に接続(図23参照)、あるいは直列及び/又は並列に組み合わせて接続する構成を含むフィルタである。ここで、図23は、梯子型フィルタの電気回路図である。尚、上記フィルタは、一つの共振器を直列共振器又は並列共振器として用いる構成としても良い。
第2のタイプは、複数の薄膜共振器を近接配置してモード結合を利用するフィルタである。
薄膜共振器2001はQ値が高いため、受信又は送信フィルタ1101,1102をこの様に構成することで、より高性能なアンテナ共用器を実現できる。具体的には、信号ロスが小さくなる、急峻な減衰特性が実現できるなどの効果を発揮する。
尚、キャビティ2018は、共振部により発生するエネルギーを閉じ込める役割を有しているが、この構成に限らず例えば、音響ミラーなどの反射要素となり得る構成であればよい。
又、上部電極2010の上や、下部電極2014の下にパッシベーション層、支持層等を付加した構成でもよく、バルク波共振器として動作すればよい。
又、共振部2020の形状(「形状」には「膜厚」の意味も含める)や個数などは、要求されるフィルタ特性により最適に設計される。又、圧電体層2012,上部電極、2010及び下部電極2014の材料は、要求されるフィルタ特性により最適に設計される。
又、基板2016は、SiやGaAsなどの半導体基板を用いるのが好ましい。この場合、基板2016に半導体デバイス(図示省略)を作成し、薄膜共振器を用いたフィルタと接続することにより、半導体デバイスとの複合化が可能となる。又、音響ミラーを用いる場合には、ミラー層の一部を金属層として、半導体デバイスとの配線、あるいはインダクタやキャパシタに利用することも出来る。
次に、上記実施の形態の、送信フィルタ1101又は受信フィルタ1102が、圧電基板上に形成されたIDT電極を含む弾性表面波フィルタであるである場合について図24、図25を参照しながら述べる。
図24は、弾性表面波フィルタ3001の構造を説明するための模式図である。
図24に示す様に、弾性表面波フィルタ3001は、圧電基板3010上に形成された、第1〜第3のIDT電極3012a〜3012cと第1、第2の反射器電極3014a,b、入力端子3016、及び出力端子3018とにより構成されている。弾性表面波フィルタ3001は、圧電基板3010上で近接配置されたIDT電極3012a〜3012c同士の結合を利用した縦モード型フィルタである。
尚、送信フィルタ1101又は受信フィルタ1102を実現する一例を図24のフィルタ構成により説明したが、これとは別の例として、複数の弾性表面波共振器4001(図25参照)同士を梯子型に接続(図23参照)、あるいは直列及び/又は並列に組み合わせて接続する構成としても良い。又、上記フィルタは、一つの共振器を直列共振器又は並列共振器として用いる構成としても良い。図25に示す様に、弾性表面波共振器4001は、圧電基板4010上に形成されたIDT電極4012を含み、その両側に反射器電極4014a,4014bを配置した構成である。
又、圧電体に限らず、誘電体を用いたフィルタ構成でもよい。
上記実施の形態における図3、5、図4〜図13,及び図21での説明は、送信フィルタ1101と受信フィルタ1102との双方にSAWフィルタを用いた例である。
尚、上記例では、送信フィルタ及び/又は受信フィルタとして薄膜共振器や、弾性表面波デバイスを用いた場合を中心に述べたが、これに限らず例えば、図16に示す分波器400の第1フィルタ403及び/又は第2フィルタ404としてもこれら薄膜共振器や、弾性表面波デバイスを同様に適用できる。
この場合の分波器の一例としては、入力されてくる入力信号を一方と他方に分岐するための分岐手段と、
前記一方に分岐された信号の内、第1の通過帯域の信号を通過させる第1のフィルタと、
前記他方に分岐された信号の内、第2の通過帯域の信号を通過させる第2のフィルタとを備え、
(1)前記分岐手段から前記第1のフィルタ側を見たときの、前記第1のフィルタの前記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第1の位相と、前記分岐手段から前記第2のフィルタ側を見たときの前記所定周波数におけるインピーダンスの第2の位相との差の絶対値θ1、及び/又は、(2)前記分岐手段から前記第2のフィルタ側を見たときの、前記第2のフィルタの前記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第3の位相と、前記分岐手段から前記第1のフィルタ側を見たときの前記所定周波数におけるインピーダンスの第4の位相との差の絶対値θ2が、100度以上で170度以下の範囲に含まれる分波器であって、前記第1のフィルタ及び/又は前記第2のフィルタが、基板上に形成された薄膜共振器を用いたフィルタである分波器である。又、上記分波器のフィルタは、前記基板上で近接配置された薄膜共振器同士の結合を利用したフィルタであってもよい。又、上記分波器のフィルタは、前記薄膜共振器同士を梯子型に接続(図23参照)、あるいは直列及び/又は並列に組み合わせて接続する構成を含むフィルタであってもよい。又、上記フィルタは、一つの共振器を直列共振器又は並列共振器として用いる構成としても良い。
又、上記分波器の第1のフィルタ及び/又は第2のフィルタが、圧電基板上に形成されたIDT電極を含む弾性表面波フィルタであっても良い。
又、上記分波器の弾性表面波フィルタは、前記圧電基板上で近接配置された前記IDT電極同士の結合を利用した縦モード型フィルタであっても良い。
又、上記分波器の弾性表面波フィルタは、前記IDT電極を含む弾性表面波共振器同士を梯子型に接続(図23参照)、あるいは直列及び/又は並列に組み合わせて接続する構成を含むフィルタであっても良い。又、上記フィルタは、一つの共振器を直列共振器又は並列共振器として用いる構成としても良い。
以上述べたように、本発明に関連する発明は以下の通りである。
送信信号を受けて所定の通過帯域の信号を通過させる送信フィルタと、
アンテナから得た受信信号を受けて所定の通過帯域の信号を通過させる受信フィルタとを備え、
(1)前記アンテナを接続するためのアンテナ端子部から前記送信フィルタ側を見たときの、前記送信フィルタの前記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第1の位相と、前記アンテナ端子部から前記受信フィルタ側を見たときの前記所定周波数におけるインピーダンスの第2の位相との差の絶対値θ1、及び/又は、(2)前記アンテナ端子部から前記受信フィルタ側を見たときの、前記受信フィルタの前記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第3の位相と、前記アンテナ端子部から前記送信フィルタ側を見たときの前記所定周波数におけるインピーダンスの第4の位相との差の絶対値θ2が、100度以上で170度以下の範囲に含まれるアンテナ共用器である。
また、(1)前記アンテナ端子部と前記送信フィルタとの間に設けられた、前記送信フィルタの位相を調整するための、及び/又は、(2)前記アンテナ端子部と前記受信フィルタとの間に設けられた、前記受信フィルタの位相を調整するための、位相回路手段を備えた上記アンテナ共用器である。
又、入力されてくる入力信号を一方と他方に分岐するための分岐手段と、
前記一方に分岐された信号の内、第1の通過帯域の信号を通過させる第1のフィルタと、
前記他方に分岐された信号の内、第2の通過帯域の信号を通過させる第2のフィルタとを備え、
(1)前記分岐手段から前記第1のフィルタ側を見たときの、前記第1のフィルタの前記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第1の位相と、前記分岐手段から前記第2のフィルタ側を見たときの前記所定周波数におけるインピーダンスの第2の位相との差の絶対値θ1、及び/又は、(2)前記分岐手段から前記第2のフィルタ側を見たときの、前記第2のフィルタの前記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第3の位相と、前記分岐手段から前記第1のフィルタ側を見たときの前記所定周波数におけるインピーダンスの第4の位相との差の絶対値θ2が、100度以上で170度以下の範囲に含まれる分波器である。
又、アンテナと、
前記アンテナに接続された上記アンテナ共用器と、
前記アンテナ共用器の送信側に接続された送信回路と、
前記アンテナ共用器の受信側に接続された受信回路と、
を備えた通信装置である。
本発明に係るアンテナ共用器の設計方法、アンテナ共用器の生産方法、分波器の設計方法、及び分波器の生産方法は、信号ロスを従来に比べてより一層低減出来得るという長所を有し、アンテナ共用器やその設計方法等として有用である。
本発明の実施の形態1におけるアンテナ共用器の構成図 実施の形態1における送信フィルタの通過帯域の位相θT1と、受信フィルタ側の送信減衰帯域の位相θR2とを説明するための図 (a)〜(h):位相θT1をそれぞれの値に固定した場合における、図2に示した各位相と信号ロスの関係を表した図 実施の形態1における受信フィルタの通過帯域の位相θR1と、送信フィルタ側の受信減衰帯域の位相θT2とを説明するための図 (a)〜(h):位相θR1をそれぞれの値に固定した場合における、図4に示した各位相と信号ロスの関係を表した図 図2と図4とに示したそれぞれの位相を、一つのスミスチャート上に同時に表した図 実施の形態1において、送信フィルタ、受信フィルタに入力される各信号の周波数をそれぞれ949MHz、819MHzに固定して、位相θR2と、θT2とをそれぞれ変化させた場合の、各フィルタの通過帯域の位相θT1、θR1の変化と、送信ロス及び受信ロスとを示した図 実施の形態1において、送信フィルタ、受信フィルタに入力される各信号の周波数をそれぞれ940MHz、810MHzに固定した場合の図7に対応する図 (a):図7で述べた送信ロスと、位相差θ1との関係を表した図 (b):図7で述べた受信ロスと、位相差θ2との関係を表した図 (a):図8で述べた送信ロスと、位相差θ1との関係を表した図 (b):図8で述べた受信ロスと、位相差θ2との関係を表した図 図9で述べた送信ロスと、位相差θ1との関係を表した図 (a):1441MHzでの送信フィルタの送信ロスと位相差θ1との関係を示す図 (b):1489MHzでの受信フィルタの受信ロスと位相差θ2との関係を示す図 (a)〜(h):図3(a)〜図3(h)で示した位相と送信ロスの関係を、横軸を位相差θ1(即ち、θT1−θR2)に置き換えて表した図 図1で示した本発明のアンテナ共用器の構成の変形例を示す図 図14に示すアンテナ共用器の等価回路の図 本発明の実施の形態2における分波器の構成図 本発明の実施の形態3における通信装置の構成図 従来のアンテナ共用器の構成図 従来のアンテナ共用器のインピーダンス特性の内、受信フィルタ側の送信減衰帯域のインピーダンスの位相特性と、送信フィルタ側の受信減衰帯域のインピーダンスの位相特性とを、スミスチャート上に示した概略図 図19のインピーダンス整合とは別の観点から、インピーダンス整合の適正化を図ろうとした従来例を説明するための図 (a):図19で示す従来例において、接続点から送信フィルタ側を見た時のインピーダンス特性を示すスミスチャート (b):図19で示す従来例において、接続点から受信フィルタ側を見た時のインピーダンス特性を示すスミスチャート 薄膜共振器の構造を説明するための模式断面図 梯子型フィルタの電気回路図 弾性表面波フィルタの構造を説明するための模式図 弾性表面波共振器の構造を説明するための模式図
符号の説明
100 アンテナ共用器
103、104 位相回路
103L、104L ストリップ線路
400 分波器
500 通信装置
1101 送信フィルタ
1102 受信フィルタ
1105 アンテナ
1106 接続点
2001 薄膜共振器
2010 上部電極
2012 圧電体層
2014 下部電極
2016 基板
2018 キャビティ
3001 弾性表面波フィルタ
3010 圧電基板
3012a 第1のIDT電極
3012b 第2のIDT電極
3012c 第3のIDT電極

Claims (18)

  1. (1)送信信号を受けて所定の通過帯域の信号を通過させる送信フィルタと、(2)アンテナから得た受信信号を受けて所定の通過帯域の信号を通過させる受信フィルタとを備えたアンテナ共用器の設計方法であって、
    (a)前記アンテナを接続するためのアンテナ端子部から前記送信フィルタ側を見たときの、前記送信フィルタの前記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第1の位相と、前記アンテナ端子部から前記受信フィルタ側を見たときの前記所定周波数におけるインピーダンスの第2の位相との関係、及び/又は、(b)アンテナ端子部から前記受信フィルタ側を見たときの、前記受信フィルタの前記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第3の位相と、前記アンテナ端子部から前記送信フィルタ側を見たときの前記所定周波数におけるインピーダンスの第4の位相との関係が、一定の基準を満たす様に前記アンテナ共用器の設計を行うアンテナ共用器の設計方法。
  2. 前記アンテナ共用器は、(1)前記アンテナ端子部と前記送信フィルタとの間に設けられた、前記送信フィルタの位相を調整するための、及び/又は、(2)前記アンテナ端子部と前記受信フィルタとの間に設けられた、前記受信フィルタの位相を調整するための、位相回路手段を備えた請求項記載のアンテナ共用器の設計方法。
  3. 前記関係が前記一定の基準を満たす様に前記アンテナ共用器の設計を行うとは、(1)前記第1の位相と、前記第2の位相との差の絶対値θ1、及び/又は、(2)前記第3の位相と、前記第4の位相との差の絶対値θ2が、所定範囲に含まれる様に前記位相回路手段を設計することである請求項記載のアンテナ共用器の設計方法。
  4. 前記所定範囲とは、100度以上で170度以下の範囲である請求項記載のアンテナ共用器の設計方法。
  5. 前記送信フィルタ又は前記受信フィルタが、基板上に形成された薄膜共振器を用いたフィルタである請求項記載のアンテナ共用器の設計方法。
  6. 前記フィルタは、前記基板上で近接配置された薄膜共振器同士の結合を利用したフィルタである請求項記載のアンテナ共用器の設計方法。
  7. 前記フィルタは、前記薄膜共振器同士が接続された構成を含むフィルタである請求項記載のアンテナ共用器の設計方法。
  8. 前記送信フィルタ又は前記受信フィルタが、圧電基板上に形成されたIDT電極を含む弾性表面波フィルタである請求項記載のアンテナ共用器の設計方法。
  9. 前記弾性表面波フィルタは、前記圧電基板上で近接配置された前記IDT電極同士の結合を利用した縦モード型フィルタである請求項記載のアンテナ共用器の設計方法。
  10. 前記弾性表面波フィルタは、前記IDT電極を含む弾性表面波共振器同士が接続された構成を含むフィルタである請求項記載のアンテナ共用器の設計方法。
  11. 送信信号を受けて所定の通過帯域の信号を通過させる送信フィルタと、
    アンテナから得た受信信号を受けて所定の通過帯域の信号を通過させる受信フィルタとを備えたアンテナ共用器の生産方法であって、
    (1)前記アンテナを接続するためのアンテナ端子部から前記送信フィルタ側を見たときの、前記送信フィルタの前記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第1の位相と、前記アンテナ端子部から前記受信フィルタ側を見たときの前記所定周波数におけるインピーダンスの第2の位相との関係、及び/又は、(2)前記アンテナ端子部から前記受信フィルタ側を見たときの、前記受信フィルタの前記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第3の位相と、前記アンテナ端子部から前記送信フィルタ側を見たときの前記所定周波数におけるインピーダンスの第4の位相との関係が、一定の基準を満たす様に前記アンテナ共用器の設計を行う設計工程と、
    前記設計されたアンテナ共用器の組み立てを行う組み立て工程と、
    を備えたアンテナ共用器の生産方法。
  12. 前記アンテナ共用器は、(1)前記アンテナ端子部と前記送信フィルタとの間に設けられた、前記送信フィルタの位相を調整するための、及び/又は、(2)前記アンテナ端子部と前記受信フィルタとの間に設けられた、前記受信フィルタの位相を調整するための、位相回路手段を備えた請求項11記載のアンテナ共用器の生産方法。
  13. 前記送信フィルタ又は前記受信フィルタが、基板上に形成された薄膜共振器を用いたフィルタである請求項11記載のアンテナ共用器の生産方法。
  14. 前記送信フィルタ又は前記受信フィルタが、圧電基板上に形成されたIDT電極を含む弾性表面波フィルタである請求項11記載のアンテナ共用器の生産方法。
  15. (1)入力されてくる入力信号を一方と他方に分岐するための分岐手段と、(2)前記一方に分岐された信号の内、第1の通過帯域の信号を通過させる第1のフィルタと、(3)前記他方に分岐された信号の内、第2の通過帯域の信号を通過させる第2のフィルタとを備えた分波器の設計方法であって、
    (a)前記分岐手段から前記第1のフィルタ側を見たときの、前記第1のフィルタの前記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第1の位相と、前記分岐手段から前記第2のフィルタ側を見たときの前記所定周波数におけるインピーダンスの第2の位相との関係、及び/又は、(b)前記分岐手段から前記第2のフィルタ側を見たときの、前記第2のフィルタの前記通過帯域の所定周波数におけるインピーダンスの第3の位相と、前記分岐手段から前記第1のフィルタ側を見たときの前記所定周波数におけるインピーダンスの第4の位相との関係が、一定の基準を満たす様に前記分波器の設計を行う分波器の設計方法。
  16. (1)前記分岐手段と前記第1のフィルタとの間に設けられた、前記第1のフィルタの位相を調整するための、及び/又は、(2)前記分岐手段と前記第2のフィルタとの間に設けられた、前記第2のフィルタの位相を調整するための、位相回路手段を備えた請求項15記載の分波器の設計方法。
  17. (1)入力されてくる入力信号を一方と他方に分岐するための分岐手段と、(2)前記一方に分岐された信号の内、第1の通過帯域の信号を通過させる第1のフィルタと、(3)前記他方に分岐された信号の内、第2の通過帯域の信号を通過させる第2のフィルタとを備えた分波器の生産方法であって、
    (a)前記分岐手段から前記第1のフィルタ側を見たときの、前記第1のフィルタの前記通過帯域の所定周波数における第1の位相と、前記分岐手段から前記第2のフィルタ側を見たときの前記所定周波数における第2の位相との関係、及び/又は、(b)前記分岐手段から前記第2のフィルタ側を見たときの、前記第2のフィルタの前記通過帯域の所定周波数における第3の位相と、前記分岐手段から前記第1のフィルタ側を見たときの前記所定周波数における第4の位相との関係が、一定の基準を満たす様に前記分波器の設計を行う設計工程と、
    前記設計された分波器の組み立てを行う組み立て工程と、
    を備えた分波器の生産方法。
  18. 前記分波器は、(1)前記分岐手段と前記第1のフィルタとの間に設けられた、前記第1のフィルタの位相を調整するための、及び/又は、(2)前記分岐手段と前記第2のフィルタとの間に設けられた、前記第2のフィルタの位相を調整するための、位相回路手段を備えた請求項17記載の分波器の生産方法。
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