JP5790852B2 - 高周波スイッチモジュール - Google Patents

高周波スイッチモジュール Download PDF

Info

Publication number
JP5790852B2
JP5790852B2 JP2014161320A JP2014161320A JP5790852B2 JP 5790852 B2 JP5790852 B2 JP 5790852B2 JP 2014161320 A JP2014161320 A JP 2014161320A JP 2014161320 A JP2014161320 A JP 2014161320A JP 5790852 B2 JP5790852 B2 JP 5790852B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
switch
communication
terminal
transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014161320A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015008493A (ja
Inventor
孝紀 上嶋
孝紀 上嶋
永徳 村瀬
永徳 村瀬
謙 利根川
謙 利根川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2014161320A priority Critical patent/JP5790852B2/ja
Publication of JP2015008493A publication Critical patent/JP2015008493A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5790852B2 publication Critical patent/JP5790852B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Waveguide Switches, Polarizers, And Phase Shifters (AREA)
  • Electronic Switches (AREA)
  • Transceivers (AREA)

Description

この発明は、複数種類の高周波信号を切り替えて送受信する高周波スイッチモジュールに関するものである。
従来、一つのアンテナで、それぞれに個別の周波数帯域からなる複数の通信信号を送受信するための高周波スイッチモジュールが各種考案されている。例えば、特許文献1では、SPnT型(nは正数)のスイッチICと、該スイッチICが実装される積層体とを有する複合型の高周波スイッチモジュールが開示されている。
このような高周波スイッチモジュールは、携帯電話機等の無線通信機器に使用されるが、このような機器の場合、送信信号の電力を高くする必要があり、送信側の回路の耐電力を高くする必要がある。一方で、アンテナで受信した直後の受信信号は、送信信号と比較して信号レベルが低いので、送信側の回路ほど、耐電力を高くする必要がない。また、通信システムにおいては、送受信を兼用する端子を利用する場合も存在するが、このような場合でも、上述のような送信のみに利用される送信側回路ほどの高い耐電力を必要としない。
このため、従来のスイッチICでは、携帯電話機等の無線通信機器の仕様に応じて、アンテナ端子(共通端子)と送信用端子とを接続する送信側切替用回路と、アンテナ端子(共通端子)と受信用端子とを接続する受信側切替用回路と、送受信兼用となる送受信兼用切替用回路とが、異なる構造で形成されている。そして、このような構成により、スイッチICの外部接続用の端子は、アンテナ端子(共通端子)、送信側端子、受信側端子、送受信兼用端子のいずれかに利用されるように予め決められている。
特開2003−87150号公報
しかしながら、現在、携帯電話機の小型化に伴い高周波スイッチモジュールへも小型化が要求されている。一方で、携帯電話機では、GSM(登録商標),WCDMA(登録商標),UMTS等の複数の通信システムに対応するためマルチバンド化が要求されており、それぞれの仕様に応じて全ての通信システムに対して送信用端子および受信用端子、または送受信用端子を設けなければならない。
このため、仕様が異なる毎にスイッチICの設計および作製を個別に行わなければならず、コストと時間を非常に費やしていた。さらには、このスイッチICの変更に応じて、スイッチICが実装される積層体についても、実装面の設計変更、これに伴う内部構造の設計変更および、これらの設計変更に基づく積層体の作製を行わなければならず、この点に関してもコストと時間を非常に費やしていた。
このような課題を鑑み、本発明の目的は、高周波スイッチモジュールが実装される携帯電話機等の無線通信機器の仕様が各種存在していても、スイッチICの設計、作製に要するコストや時間を抑圧し、さらに、当該スイッチICが実装される積層体の設計、作製に要するコストや時間も大幅に抑圧できる、高周波スイッチモジュールを実現することにある。
この発明は、単一のアンテナに接続するアンテナ用電極と、複数種類の通信信号をそれぞれ送信、受信、もしくは送受信するための複数の高周波通信用回路に接続する複数の通信用電極とを備えるとともに、スイッチICが実装されるランドが形成された積層回路部品と、該積層回路部品に実装され、該積層回路部品を介してアンテナに接続される共通端子、および、積層回路部品を介して複数の高周波通信用回路にそれぞれ接続される複数の通信回路側端子を備えたスイッチICと、を有する高周波スイッチモジュールに関するものである。スイッチICは、平面視して直方体からなり、直方体における複数の通信回路側端子が配置される一辺と、共通端子が配置される一辺は異なる。スイッチICは、各通信回路側端子と共通端子との間にそれぞれ切替用回路が設置されており、全ての切替用回路が送信の際に印加される送信電力に対して同じ耐性を有する構成からなる。
この構成では、全ての切替用回路が送信信号を伝送可能な構造であるので、異なる仕様の通信システムに対しても、同じスイッチICを利用することが可能になる。この構成では、上述のスイッチICの端子配置の具体的な構成を示す。そして、この構成により、送信信号、受信信号、および送受信信号の入出力に利用される通信回路側端子と、アンテナに対する送受信に利用する共通端子との間のアイソレーションが確保される。
また、この発明の高周波スイッチモジュールでは、通信回路側端子は、複数の送受信兼用端子と受信専用端子とを含んでスイッチICの一方主面における縁端部に配列して配置されている。その上で、送受兼用端子と受信専用端子とは、配列の方向に沿って交互の順で配置されている。
この構成では、複数の送受兼用端子同士が近接しないので、これら送受兼用端子の間のアイソレーションを向上することができる。
また、この発明の高周波スイッチモジュールのスイッチICの切替用回路は、複数段に接続された半導体スイッチ素子を有し、全ての切替用回路の半導体スイッチ素子の段数が同じである。
この構成では、上述のスイッチICの具体的構造を示すものであり、全ての切替用回路の半導体スイッチ素子の段数を所定数で同じにすることで、全ての切替用回路が送信信号を伝送可能で且つ同じとなる上述のスイッチICの構造が実現される。
また、この発明の高周波スイッチモジュールの積層回路部品は、アンテナ用電極と共通端子との間に、積層された絶縁層間にそれぞれ形成された電極パターンもしくは該積層回路部品に実装されたディスクリート部品からなるインダクタを有する位相調整回路を備える。
この構成では、上述のスイッチICが実装される積層回路部品(積層体)の具体的な内部回路構成を示す。そして、積層回路部品のアンテナ用電極と、スイッチICの共通端子用のランド電極との間に、位相調整回路が設けられることで、上述のようなスイッチICを用いても、当該高周波スイッチモジュールで取り扱う全ての通信システムの送信信号、受信信号、送受信信号に対して位相調整ができ、各伝送線路の整合性を高め、伝送損失を低減することができる。
また、この発明の高周波スイッチモジュールは、共通端子に一方端が接続され、グランド電極に他方端が接続されたインダクタを備える。
この構成では、スイッチICの端子にインダクタのみを介してグランドが接続されるので、スイッチICに蓄積された電荷が、当該インダクタを介してグランドへ速やかに放電される。
また、この発明の高周波スイッチモジュールの位相調整回路を構成するインダクタは、アンテナ用電極と共通端子との間に直列接続されたシリーズインダクタと、該シリーズインダクタの共通端子側で、且つ該共通端子に一方端が接続され、グランド電極に他方端が接続されたシャントインダクタと、を含む。
この構成では、位相調整回路を構成するシャントインダクタがスイッチICとグランドとを直接的に接続するので、当該シャントインダクタを介してスイッチICに蓄積された電荷が速やかに放電される。これにより、位相調整回路は、位相調整機能とともに静電気を速やかに放電する機能(ESD保護デバイスとしての機能)も備える。
また、この発明の高周波スイッチモジュールのスイッチICは、電源供給を行うための駆動電源用端子を備え、この駆動電源用端子は、スイッチICの複数の通信回路側端子が近接配置される一辺とは異なる辺に近接して形成されている。
この構成も、上述のスイッチICの端子配置の具体的な構成を示す。そして、この構成により、送信信号、受信信号、および送受信信号の入出力に利用される通信回路側端子と、駆動電源用端子との間のアイソレーションが確保される。
また、この発明の高周波スイッチモジュールの積層回路部品は、スイッチICの各通信回路側端子と、当該各通信回路側端子にそれぞれ接続する各通信用電極との間を、積層された絶縁層間にそれぞれ形成された回路電極パターンおよび絶縁層を貫通して形成されたビアホールにより導通する複数の接続回路を備え、該複数の接続回路が同じ電気長で形成されている。
この構成では、上述のスイッチICが実装される積層回路部品(積層体)の具体的な内部回路構成を示す。そして、スイッチICの各通信回路側端子と、当該各通信回路側端子にそれぞれ接続する各通信用電極との間の接続回路が同じ電気長であることで、いずれの端子を選択しても、同じ通信信号であれば同じ伝送特性を得ることができる。
また、この発明の高周波スイッチモジュールの積層回路部品は、スイッチICの各通信回路側端子と、当該各通信回路側端子にそれぞれ接続する各通信用電極との間を、積層された絶縁層間にそれぞれ形成された回路電極パターンおよび絶縁層を貫通して形成されたビアホールにより導通する複数の接続回路を備え、該複数の接続回路のうちの特定の接続回路には、積層された絶縁層間にそれぞれ形成された電極パターンもしくは該積層回路部品に実装されたディスクリート部品からなるインダクタおよびキャパシタで構成された所定通過帯域を有するフィルタ回路が挿入されている。
この構成では、上述のような構成に加えて、必要に応じて、積層回路部品の内部電極や積層回路部品へ実装されたディスクリート部品によりフィルタ回路を形成することができる。これにより、当該フィルタ回路を介する伝送経路を送信信号の伝送経路に選択すれば、当該高周波スイッチモジュールよりもさらに送信信号生成側から到来する送信信号の高調波を、当該高周波スイッチモジュールで減衰させることができる。この際、上述のようなスイッチICの端子構造が用いられていることで、フィルタ回路を構成する積層回路部品の内部電極パターンの設計自由度を向上させることができる。すなわち、高調波特性に優れた高周波スイッチモジュールであっても設計自由度を向上させることができる。
この発明によれば、仕様の異なる複数の通信システムに対して、一種類のスイッチICから高周波スイッチモジュールを形成することができる。これにより、仕様毎にスイッチICを新規に設計する必要がなく、積層体の設計も簡略化することができる。これにより、複数の通信システムに対する高周波スイッチモジュールを製造する際の、コスト及び時間を短縮し、効率良く複数種類の高周波スイッチモジュールを設計、製造することができる。
本発明の実施形態に係る高周波スイッチモジュールの外観斜視図および回路構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態のスイッチIC10の内部回路構成を示す図、および各ポートの配置を示す図である。 本発明の実施形態の積層回路部品11の積層図である。 第2の実施形態の高周波スイッチモジュール1’の回路構成を示すブロック図である。 第2の実施形態の高周波スイッチモジュール1’を形成する積層回路部品の積層図である。 その他のスイッチIC10の通信用ポートと積層回路部品の外部電極との接続関係を説明するための図である。
本発明の実施形態に係る高周波スイッチモジュールについて、図を参照して説明する。
図1(A)は高周波スイッチモジュール1の外観斜視図であり、図1(B)は本実施形態の高周波スイッチモジュール1の回路構成を示すブロック図である。
図2(A)はスイッチIC10の内部回路構成を示す図であり、図2(B)は各ポートの配置を示す図である。図3は積層回路部品11の積層図である。
高周波スイッチモジュール1は、図1(A)に示すように、略直方体の外形からなる積層回路部品11、該積層回路部品11の天面に実装されたスイッチIC10、および、ディスクリート部品であり積層回路部品11の天面に実装されたインダクタAL1,AL2を備える。
積層回路部品11は、具体的構成は図3を用いて後述するが、概略的には、セラミックあるいは樹脂等の複数の誘電体層を積層してなる積層体によって形成される。そして、積層回路部品11は、各誘電体層間となる内層および積層体の天面および底面に所定パターンで電極を形成することで、図1(B)に示すような高周波スイッチモジュール1のスイッチIC10およびインダクタAL1,AL2以外の回路パターンを実現している。
図1(B)に示すように、高周波スイッチモジュール1は、上述のスイッチIC10、およびインダクタAL1,AL2からなる位相調整回路20とともに、本発明の「フィルタ回路」に相当するローパスフィルタ30A,30Bおよびアンテナ用キャパシタACを備える。
また、高周波スイッチモジュール1は、複数の外部接続用電極Pを有する。これら複数の外部接続用電極Pは、当該高周波スイッチモジュール1が実装される後段回路の回路基板に実装されるために利用される。なお、以下の説明では、説明の便宜上、高周波スイッチモジュール1としての外部接続用電極Pは「電極」と称し、後述するスイッチIC10の実装用電極PICは「ポート」と称する。
複数の外部接続用電極Pは、本発明の「アンテナ用電極」に対応するアンテナ用外部電極P(ANT0)と、本発明の「通信用電極」に対応する送信用外部電極P(TxLB),P(TxHB)、受信用外部電極P(Rx1),P(Rx2),P(Rx3),P(Rx4)、送受信兼用外部電極P(UM1),P(UM2),P(UM3)と、駆動電圧入力用の駆動電圧入力用外部電極P(Vd)と、制御電圧信号入力用の制御電圧入力用外部電極P(Vc1),P(Vc2),P(Vc3),P(Vc4)とを有する。なお、図1(A)には図示していないが接地用のグランド電極も有する。
高周波スイッチモジュール1としてアンテナANTに接続するアンテナ用外部電極P(ANT0)には、位相調整回路20を介して、スイッチIC10のアンテナ用ポートPIC(ANT0)が接続されている。
位相調整回路20は、インダクタAL1,AL2とを有し、インダクタAL1がアンテナ用外部電極P(ANT0)とアンテナ用ポートPIC(ANT0)との間に直列接続されている。インダクタAL1のアンテナ用外部電極P(ANT0)側とグランドとの間には、インダクタAL2が接続されている。また、インダクタAL1のアンテナ用外部電極P(ANT0)側とグランドとの間には、アンテナ用キャパシタACが接続されている。
高周波スイッチモジュール1としての送信用外部電極P(TxLB)には、ローパスフィルタ30Aを介して、スイッチIC10の通信用ポートPIC(RF1)が接続されている。
ローパスフィルタ30Aは、インダクタGLt1,GLt2、およびキャパシタGCu1,GCu2,GCu3,GCc1,GCc2を有する。
インダクタGLt1,GLt2は、送信用外部電極P(TxLB)と通信用ポートPIC(RF1)との間に直列接続されている。インダクタGLt1にはキャパシタGCc1が並列接続され、インダクタGLt2にはキャパシタGCc2が並列接続されている。インダクタGLt1の通信用ポートPIC(RF1)側とグランドとの間には、キャパシタGCu1が接続されている。インダクタGLt1,GLt2の接続点とグランドとの間には、キャパシタGCu2が接続されている。インダクタGLt2の送信用外部電極P(TxLB)側とグランドとの間には、キャパシタGCu3が接続されている。
これらローパスフィルタ30Aを構成する各インダクタ及びキャパシタの素子値は、送信用外部電極P(TxLB)から入力される送信信号の周波数帯域を通過し、当該送信信号の高調波帯域を減衰する特性となるように設定されている。例えば、GSM850やGSM900の送信信号の周波数帯域を通過帯域とし、これらの2倍高調波や3倍高調波の帯域を減衰帯域とするように設定されている。
高周波スイッチモジュール1としての送信用外部電極P(TxHB)には、ローパスフィルタ30Bを介して、スイッチIC10の通信用ポートPIC(RF2)が接続されている。
ローパスフィルタ30Bは、インダクタDLt1,DLt2、およびキャパシタDCu2,DCu3,DCc2を有する。
インダクタDLt1,DLt2は、送信用外部電極P(TxHB)と通信用ポートPIC(RF2)との間に直列接続されている。インダクタDLt2にはキャパシタDCc2が並列接続されている。インダクタDLt1,DLt2の接続点とグランドとの間には、キャパシタDCu2が接続されている。インダクタDLt2の送信用外部電極P(TxHB)側とグランドとの間には、キャパシタDCu3が接続されている。
これらローパスフィルタ30Bを構成する各インダクタ及びキャパシタの素子値は、送信用外部電極P(TxHB)から入力される送信信号の周波数帯域を通過し、当該送信信号の高調波帯域を減衰する特性となるように設定されている。例えば、GSM1800やGSM1900の送信信号の周波数帯域を通過帯域とし、これらの2倍高調波や3倍高調波の帯域を減衰帯域とするように設定されている。
高周波スイッチモジュール1としての受信用外部電極P(Rx1),P(Rx2),P(Rx3),P(Rx4)には、スイッチIC10の通信用ポートPIC(RF3),PIC(RF4),PIC(RF5),PIC(RF6)がそれぞれ接続されている。これらの受信用外部電極P(Rx1),P(Rx2),P(Rx3),P(Rx4)は、図示しない各通信信号用の受信回路に接続する。例えば、GSM850,GSM900,GSM1800,GSM1900用に構成された受信回路に接続する。
高周波スイッチモジュール1としての送受信兼用外部電極P(UM1),P(UM2),P(UM3)には、スイッチIC10の通信用ポートPIC(RF7),PIC(RF8),PIC(RF9)がそれぞれ接続されている。これら送受信兼用外部電極P(UM1),P(UM2),P(UM3)は、図示しない各通信信号用の送受信兼用回路に接続する。例えば、UMTS用送受信回路やWCDMA用送受信回路に接続する。
高周波スイッチモジュール1としての駆動電圧入力用外部電極P(Vd)には、スイッチIC10の駆動電圧入力用ポートPIC(Vd)が接続されている。
高周波スイッチモジュール1としての制御電圧入力用外部電極P(Vc1),P(Vc2),P(Vc3),P(Vc4)には、スイッチIC10の制御電圧入力用ポートPIC(Vc1),PIC(Vc2),PIC(Vc3),PIC(Vc4)がそれぞれ接続されている。
スイッチIC10は、平面視して略矩形からなる所謂SP9T型のFETスイッチICであり、駆動電圧Vddで駆動し、制御電圧信号Vc1〜Vc4の組み合わせに応じて、本発明の「共通端子」に相当するアンテナ用ポートPIC(ANT0)を、本発明の「通信回路側端子」に相当する通信用ポートPIC(RF1)〜PIC(RF9)のいずれかに選択的に接続する機能を有する。なお、本実施形態では、SP9T型を例にしたが、SPnT型(nは2以上の正数)についても、本発明の構成を適用することができる。
スイッチIC10は、図2(A)に示すような構成からなり、スイッチ制御部101とFETスイッチ回路SW1〜SW9とを備える。
スイッチ制御部101は、駆動電圧入力用ポートPIC(Vd)から入力される駆動電圧Vddで作動し、制御電圧入力用ポートPIC(Vc1),PIC(Vc2),PIC(Vc3),PIC(Vc4)のそれぞれから入力される駆動電圧Vc1〜Vc4の組み合わせに応じて、FETスイッチ回路SW1〜SW9のいずれか一つをオン制御し、他の全てをオフ制御するようなスイッチ制御信号を発生し、FETスイッチ回路SW1〜SW9へ与える。
スイッチ回路SW1は、アンテナ用ポートPIC(ANT0)と通信用ポートPIC(RF1)との間に接続され、スイッチ回路SW2は、アンテナ用ポートPIC(ANT0)と通信用ポートPIC(RF2)との間に接続される。同様に、各スイッチ回路SWk(k=3〜9)は、アンテナ用ポートPIC(ANT0)と通信用ポートPIC(RFk)との間に接続される。
スイッチ回路SW1〜SW9は、全て同じ構造からなる。したがって、ここでは、スイッチ回路SW1を代表してスイッチ回路SW1〜SW9の構成を説明する。
スイッチ回路SW1は、複数のFET11〜FET1m(mは2以上の正数)を有し、これらFET11〜FET1mが、アンテナ用ポートPIC(ANT0)と通信用ポートPIC(RF1)との間に連続的に接続されている。具体的には、FET11のソースがアンテナ用ポートPIC(ANT0)に接続され、FET11のドレインにFET12のソースが接続される。FET12〜FET1mまでは、自身に対してアンテナ用ポートPIC(ANT0)側に隣接するFETのドレインに、自身のソースが接続される。そして、FET1mのドレインが通信用ポートPIC(RF1)に接続される。
各FET11〜FET1mのゲートにはそれぞれ抵抗器R11〜R1mが接続されており、当該抵抗器R11〜R1mを介して、スイッチ制御部101からのスイッチ制御信号が印加される。
このように、スイッチIC10のアンテナ用ポートPIC(ANT0)と各通信用ポートPIC(RF1)〜PIC(RF9)との間のスイッチ回路SW1〜SW9を同じ構造にすることで、いずれの通信用ポートPIC(RF1)〜PIC(RF9)を選択しても、同じ電気的特性を得ることができる。
この際、全てのスイッチ回路SW1〜SW9が図2に示すようにFETの多段構成になっているので、伝送電力の許容量を大きくすることができる。これを利用し、FETの段数を送信電力の上限レベルに耐えられるように設定することで、全ての通信用ポートPIC(RF1)〜PIC(RF9)を送信用ポート、受信用ポート、送受兼用ポートのいずれにも利用することができる。具体的に、上述のようにGSM850,GSM900,GSM1800,GSM1900,UMTS,WCDMA(登録商標)を備える複合型の通信システムであれば、GSM(登録商標)の送信レベルである35dBmに対する耐電力を有するように構成することで、これら複数の通信システムの全ての送信、受信、送受信に利用することができる。
これにより、通信用ポートPIC(RF1)〜PIC(RF9)を送信用、受信用、送受信兼用のいずれかに適宜割り当てることができるので、従来のように、システム仕様毎に、それぞれ送信用ポート、受信用ポート、送受信兼用ポートを個別に設計してICを製造する必要が無い。この結果、スイッチICの設計コスト、設計労力、設計時間、製造のための準備等を大幅に削減することができる。
次に、スイッチIC10のポート配置について説明する。スイッチIC10の底面には、上述の各ポートに対応する電極が、図2(B)に示すような配置で形成されている。
図2(B)に示すように、各通信用ポートPIC(RF1)〜PIC(RF9)の電極群は、スイッチIC10におけるアンテナ用ポートPIC(ANT0)の電極とは異なる側面に沿って形成されている。これにより、通信用ポートPIC(RF1)〜PIC(RF9)とアンテナ用ポートPIC(ANT0)とのアイソレーションを向上させることができる。
また、各通信用ポートPIC(RF1)〜PIC(RF9)の電極群は、スイッチIC10における駆動電圧入力用ポートPIC(Vd)、制御電圧入力用ポートPIC(Vc1),PIC(Vc2),PIC(Vc3),PIC(Vc4)の電極群とは異なる側面に沿って形成されている。これにより、通信用ポートPIC(RF1)〜PIC(RF9)と駆動電圧入力用ポートPIC(Vd)、制御電圧入力用ポートPIC(Vc1),PIC(Vc2),PIC(Vc3),PIC(Vc4)とのアイソレーションも向上させることができる。
さらには、アンテナ用ポートPIC(ANT0)の電極は、スイッチIC10における駆動電圧入力用ポートPIC(Vd)、制御電圧入力用ポートPIC(Vc1),PIC(Vc2),PIC(Vc3),PIC(Vc4)の電極群とは異なる側面に沿って形成されている。これにより、アンテナ用ポートPIC(ANT0)と駆動電圧入力用ポートPIC(Vd)、制御電圧入力用ポートPIC(Vc1),PIC(Vc2),PIC(Vc3),PIC(Vc4)とのアイソレーションも向上させることができる。
なお、上述のようにFETを多段にすることで、各スイッチ回路SW1〜SW9では、キャパシタが直列接続されたものと等価の位相変化が生じる。しかしながら、上述のように、インダクタAL1,AL2からなる位相調整回路20がアンテナ用ポート側に挿入されることで、スイッチ回路SW1〜SW9で生じる位相変化を位相調整回路20で調整して補正することができ、伝送損失の低下を抑制することができる。この際、位相調整回路20がアンテナ用ポート側に挿入されることで、スイッチ回路SW1〜SW9毎に位相調整用の回路を設けることなく、一つの位相調整回路20で全てのスイッチ回路SW1〜SW9の位相調整を行うことができる。
また、この位相調整回路20は、ディスクリート部品からなるインダクタAL1,AL2を用いることで、部品の付け替えによる容易な変更で、位相調整量を変化させることができる。これにより、高周波スイッチモジュール1として完成後も、必要に応じて位相調整量を容易に変更でき、最適な位相調整量を得ることができる。
次に、高周波スイッチモジュール1を構成する積層回路部品11の積層構成について、図3を参照して、より具体的に説明する。
積層回路部品11は、上述のように、アンテナ用キャパシタAC、ローパスフィルタ30A,30Bを内部電極パターンで実現するとともに、これらアンテナ用キャパシタAC、ローパスフィルタ30A,30Bと、スイッチIC10、位相調整回路20と、高周波スイッチモジュール1としての各外部接続用電極PおよびスイッチIC10の各ポートPICとを接続する回路パターンを、内部電極パターンや天面および底面の電極で実現する。
積層回路部品11は20層の誘電体層が積層された構造からなる。なお、図3は、積層回路部品11の天面の層を第1層として、底面側にむかって層番号が増加し、積層回路部品11の底面の層を第20層とする積層図であり、以下ではこの層番号に準じて説明する。また、図3において、各層で記載されている○印は、導電性のビアホールを示し、当該ビアホールにより積層方向に列ぶ各層の電極間の導電性が確保されている。
積層回路部品11の天面に対応する第1層の天面側には、スイッチIC10を実装するためのランド群および、インダクタAL1,AL2を実装するためのランド群が形成されている。
第2層、第3層、第4層には各種引き回し用の電極パターンが形成されている。
第5層にはグランド電極GNDが形成されている。この第5層のグランド電極GNDはキャパシタGCu1の対向電極としても機能する。第6層にはキャパシタGCu1の対向電極が形成されている。第7層にはグランド電極GNDが形成されている。この第7層のグランド電極GNDもキャパシタGCu1の対向電極としても機能する。
第8層、第9層、第10層、第11層、第12層、第13層には、インダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2を構成する電極パターンが形成されている。
第14層にはキャパシタGCc1,GCc2を兼用する対向電極と、キャパシタDCc2の対向電極がそれぞれ形成されている。第15層にはキャパシタGCc1,GCc2,DCc2の対向電極がそれぞれ形成されている。第16層にはキャパシタGCu2,GCc1,GCc2を兼用する対向電極と、キャパシタDCu2,DCc2を兼用する対向電極が形成されている。
第17層にはグランド電極GNDが形成されている。この第17層のグランド電極GNDは、キャパシタGCu2,DCu2,GCu3,DCu3の対向電極としても機能する。
第18層にはキャパシタGCu3,DCu3およびアンテナ用キャパシタACの対向電極がそれぞれ形成されている。
第19層にはグランド電極GNDが形成されている。この第19層のグランド電極GNDはキャパシタGCu3,DCu3およびアンテナ用キャパシタACの対向電極としても機能する。
積層回路部品11の底面に相当する第20層の底面側には、上述の各外部接続用電極Pが形成されている。
このような構成とすることで、ローパスフィルタ30A,30Bを構成する各回路素子やアンテナ用キャパシタAC等の高周波スイッチモジュール1におけるスイッチIC10以外の回路素子を部分的に積層回路部品11の内層電極で実現できる。これにより、高周波スイッチモジュール1を小型化することが可能になる。なお、スイッチIC10以外の回路素子については、インダクタAL1,AL2のように適宜ディスクリート部品にしてもよく、逆にインダクタAL1,AL2を積層回路部品11の内層電極で形成しても良い。
このような積層回路部品11を設計する場合でも、上述のようにスイッチ回路IC10の、通信用ポートPIC(RF1)〜PIC(RF9)が同じ電気特性であり、送信、受信、送受信を適宜選択できる構成であるので、スイッチIC10の実装ランドパターンや内部電極の引き回しパターンの自由度を向上させることができる。これにより、積層回路部品11すなわち高周波スイッチモジュール1としての設計製造コストや設計時間を削減することもできる。
また、上述のように積層回路部品11内にローパスフィルタ30A,30Bを形成する場合にも、スイッチIC10の通信用ポートPIC(RF1)〜PIC(RF9)の選択自由度により、ローパスフィルタ30A,30Bを構成するための電極パターンの設計自由度が向上する。これにより、ローパスフィルタ30A,30Bを含み送信信号の高調波を抑圧できるような高周波スイッチモジュールであっても、設計製造コストや設計時間を削減することもできる。
なお、上述の説明では、ローパスフィルタ30A,30Bを積層回路部品11内に含む例を示したが、ローパスフィルタ30A,30Bを含まない構成としてもよい。この場合、積層回路部品11の天面に形成するスイッチIC10の通信用ポートPIC(RF1)〜PIC(RF9)用の各ランド電極と、積層回路部品11の底面に形成する通信用の各外部接続用電極とをそれぞれに結ぶ伝送線路の電気長が同じになるように、内部電極パターンおよびビアホールを形成するとよい。このような構成とすることで、より使用方法の自由度が高い高周波スイッチモジュール1を実現することができる。この際、単に内部電極パターンの線路長を変化させるだけでなく、線路幅を変化させることで、全ての伝送線路の電気長をより容易に同じにすることができる。なお、上述のローパスフィルタ30A,30Bを有する場合であっても、ローパスフィルタ30A,30Bを有さない受信系や送受信兼用系の各伝送線路の電気長を、同じにすることもでき、この場合にも使用方法の自由度を向上させることができる。
次に、第2の実施形態に係る高周波スイッチモジュールについて、図を参照して説明する。
図4は高周波スイッチモジュール1’の回路構成を示すブロック図である。
図5は図4に示す高周波スイッチモジュール1’を形成する積層回路部品の積層図である。
本実施形態の高周波スイッチモジュール1’は、スイッチIC10’、インダクタAL1’,AL2’からなる位相調整回路20’、ローパスフィルタ30A’,30B’、アンテナ用キャパシタAC、SAWフィルタS1,S2、整合用インダクタL3,L4を備える。
この高周波スイッチモジュール1’は、複数の外部接続用電極Pを有する。これら複数の外部接続用電極Pは、当該高周波スイッチモジュール1’が実装される後段回路の回路基板に実装されるために利用される。なお、以下の説明では、第1の実施形態と同様に、説明の便宜上、高周波スイッチモジュール1’としての外部接続用電極Pは「電極」と称し、後述するスイッチIC10’の実装用電極PICは「ポート」と称する。
複数の外部接続用電極Pは、本発明の「アンテナ用電極」に対応するアンテナ用外部電極P(ANT0)と、本発明の「通信用電極」に対応する送信用外部電極P(TxLB),P(TxHB)、受信用外部電極P(Rx1),P(Rx2),P(Rx3),P(Rx4)、送受信兼用外部電極P(UM1),P(UM2)と、駆動電圧入力用の駆動電圧入力用外部電極P(Vd)と、制御電圧信号入力用の制御電圧入力用外部電極P(Vc1),P(Vc2),P(Vc3)とを有する。なお、受信用外部電極P(Rx1),P(Rx2),P(Rx3),P(Rx4)は平衡出力用であり、それぞれに一対の電極から構成されている。
高周波スイッチモジュール1’としてアンテナANTに接続するアンテナ用外部電極P(ANT0)には、位相調整回路20’を介して、スイッチIC10のアンテナ用ポートPIC(ANT0)が接続されている。
位相調整回路20’は、インダクタAL1’,AL2’とを有する。本発明の「シリーズインダクタ」に相当するインダクタAL1’は、アンテナ用外部電極P(ANT0)とアンテナ用ポートPIC(ANT0)との間に直列接続されている。本発明の「シャントインダクタ」に相当するインダクタAL2’は、インダクタAL1’のアンテナ用ポートPIC(ANT0)側とグランドとの間に接続されている。また、インダクタAL1’のアンテナ用外部電極P(ANT0)側とグランドとの間には、アンテナ用キャパシタACが接続されている。このように、スイッチIC10’のアンテナ用ポートPIC(ANT0)を、他の回路素子を介することなく、インダクタAL2’のみを介してグランドに接続することで、スイッチIC10’内のFETやコンデンサに蓄積された電荷は、スイッチ切替時に当該インダクタAL2’のみを介してグランドへ放電される。これにより、放電を速くすることができ、スイッチ切替速度を向上することができる。すなわち、本実施形態の位相調整回路20’を用いることで、単に位相調整機能のみでなく、スイッチ切替速度の高速化機能(ESD保護デバイスとしての機能に相当)も備えることができる。
高周波スイッチモジュール1’としての送信用外部電極P(TxLB)には、ローパスフィルタ30A’を介して、スイッチIC10の通信用ポートPIC(RF1)が接続されている。このローパスフィルタ30A’は、第1の実施形態に示したローパスフィルタ30Aに対してキャパシタGCu3を省略しただけの構成であり、例えば、GSM850やGSM900の送信信号の周波数帯域を通過帯域とし、これらの2倍高調波や3倍高調波の帯域を減衰帯域とするように設定されている。
高周波スイッチモジュール1’としての送信用外部電極P(TxHB)には、ローパスフィルタ30B’を介して、スイッチIC10の通信用ポートPIC(RF2)が接続されている。ローパスフィルタ30B’は、インダクタDLt1,DLt2、およびキャパシタDCu2,DCu3,DCc1を有する。このローパスフィルタ30B’は、第1の実施形態のローパスフィルタ30Bに対して、インダクタDLt2に並列接続するキャパシタを無くし、インダクタDLt1に並列接続するキャパシタDCc1を備えたものであり、第1の実施形態のローパスフィルタ30Bと同様に、例えば、GSM1800やGSM1900の送信信号の周波数帯域を通過帯域とし、これらの2倍高調波や3倍高調波の帯域を減衰帯域とするように設定されている。
高周波スイッチモジュール1’としての受信用外部電極P(Rx1),P(Rx2)には、SAWフィルタS1が接続され、当該SAWフィルタS1は、スイッチIC10の通信用ポートPIC(RF3)に接続している。SAWフィルタS1は、それぞれに異なる通過帯域を有する二個のSAWフィルタからなり、例えば、受信用外部電極P(Rx1)側のSAWフィルタが、GSM850受信信号の周波数帯域を通過帯域とし、受信用外部電極P(Rx2)側のSAWフィルタが、GSM900受信信号の周波数帯域を通過帯域となるように、設定されている。
SAWフィルタS1とスイッチIC10’の通信用ポートPIC(RF3)との間の伝送ライン上の所定位置は、インダクタL3を介してグランドに接続されている。このインダクタL3により、通信用ポートPIC(RF3)とSAWフィルタS1とのインピーダンス整合が行われる。
高周波スイッチモジュール1’としての受信用外部電極P(Rx3),P(Rx4)には、SAWフィルタS2が接続され、当該SAWフィルタS2は、スイッチIC10の通信用ポートPIC(RF4)に接続している。SAWフィルタS2は、それぞれに異なる通過帯域を有する二個のSAWフィルタからなり、例えば、受信用外部電極P(Rx3)側のSAWフィルタが、GSM1800受信信号の周波数帯域を通過帯域とし、受信用外部電極P(Rx4)側のSAWフィルタが、GSM1900受信信号の周波数帯域を通過帯域となるように、設定されている。
SAWフィルタS2とスイッチIC10’の通信用ポートPIC(RF4)との間の伝送ライン上の所定位置は、インダクタL4を介してグランドに接続されている。このインダクタL4により、通信用ポートPIC(RF4)とSAWフィルタS2とのインピーダンス整合が行われる。
高周波スイッチモジュール1’としての送受信兼用外部電極P(UM1),P(UM2)には、スイッチIC10’の通信用ポートPIC(RF7),PIC(RF8)がそれぞれ接続されている。これら送受信兼用外部電極P(UM1),P(UM2)は、図示しない各通信信号用の送受信兼用回路に接続する。例えば、UMTS用送受信回路やWCDMA用送受信回路に接続する。
高周波スイッチモジュール1’としての駆動電圧入力用外部電極P(Vd)には、スイッチIC10の駆動電圧入力用ポートPIC(Vd)が接続されている。
高周波スイッチモジュール1’としての制御電圧入力用外部電極P(Vc1),P(Vc2),P(Vc3)には、スイッチIC10’の制御電圧入力用ポートPIC(Vc1),PIC(Vc2),PIC(Vc3)がそれぞれ接続されている。
スイッチIC10’は、例えば、略直方体からなる所謂SP6T型のFETスイッチICであり、駆動電圧Vddで駆動し、制御電圧信号Vc1〜Vc3の組み合わせに応じて、本発明の「共通端子」に相当するアンテナ用ポートPIC(ANT0)を、本発明の「通信回路側端子」に相当する通信用ポートPIC(RF1)〜PIC(RF4)、PIC(RF7)、PIC(RF8)のいずれかに選択的に接続する機能を有する。
そして、第1の実施形態のスイッチIC10と同様に、スイッチIC10’のアンテナ用ポートPIC(ANT0)と各通信用ポートPIC(RF1)〜PIC(RF4)、PIC(RF7)、PIC(RF8)との間のスイッチ回路を全て同じ構造にすることで、いずれの通信用ポートPIC(RF1)〜PIC(RF4)、PIC(RF7)、PIC(RF8)を選択しても、同じ電気的特性を得ることができる。
次に、本実施形態の高周波スイッチモジュール1’の構造について、図5を用いて詳細に説明する。
本実施形態の高周波スイッチモジュール1’の積層回路部品は17層の誘電体層が積層された構造からなる。なお、図5は、高周波スイッチモジュール1’の積層回路部品の天面の層を第1層として、底面側にむかって層番号が増加し、当該積層回路部品の底面の層を第17層とする積層図であり、以下ではこの層番号に準じて説明する。また、図5において、各層で記載されている○印(一重丸印)および◎印(二重丸印)は、導電性のビアホールを示し、当該ビアホールにより積層方向に列ぶ各層の電極間の導電性が確保されている。
高周波スイッチモジュール1’の積層回路部品の天面に対応する第1層の天面側には、それぞれ個別のディスクリート部品であるスイッチIC10’、SAWフィルタS1,S2およびインダクタAL2’を実装するためのランド群が形成されている。なお、インダクタAL2’は、積層回路部品内の電極パターンで形成してもよいが、個別のディスクリート部品とすることで、耐電流性の良いものを用いることができる。これにより、スイッチIC10’内の電荷を放電する際に、より破壊し難く、電流を流しやすい特性を実現できる。
第2層、第3層には各種引き回し用の電極パターンが形成されている。
第4層にはグランド電極GNDが形成されている。この第5層のグランド電極GNDはキャパシタGCu1の対向電極としても機能する。第5層にはキャパシタGCu1の対向電極が形成されている。第6層にはビアホールのみが形成されている。
第7層、第8層、第9層には、インダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2,L3,L4,AL1’を構成する電極パターンが形成されており、第10層には、インダクタGLt1,GLt2,L3,L4,AL1’を構成する電極パターンが形成されている。
第11層、第12層にはビアホールのみが形成されている。第13層には、グランド電極GNDが形成されている。
第14層にはキャパシタGCc1,GCc2,DCc1の対向電極が形成されている。第15層にはキャパシタGCc1,GCc2,GCu2の兼用の対向電極と、キャパシタDCc1,DCu2の兼用の対向電極が形成されるとともに、キャパシタDCu1,ACの対向電極が形成されている。
第15層にはグランド電極GNDが形成されている。この第16層のグランド電極GNDは、キャパシタGCc1,GCc2,GCu2,DCc1,DCu2,DCu3,ACの対向電極としても機能する。
高周波スイッチモジュール1’の積層回路部品の底面に相当する第17層の底面側には、上述の各外部接続用電極Pが形成されている。この際、送信用外部電極P(TxLB),P(TxHB)が積層体の一辺に沿って形成され、受信用外部電極P(Rx1),P(Rx2),P(Rx3),P(Rx4)が積層体の他の一辺に沿って形成され、送受信兼用外部電極P(UM1),P(UM2)が積層体のまた他の一辺に沿って形成され、駆動電圧入力用外部電極P(Vd)と制御電圧入力用外部電極P(Vc1),P(Vc2),P(Vc3)とがまたさらに他の一辺に沿って形成されている。すなわち、送信系の電極群、受信系の電極群、送受信系の電極群、および制御系の電極群が積層体のそれぞれに異なる辺に沿って、形成されている。そして、これらの電極群で囲まれる中央領域にグランド電極が形成されている。このような構成により、各系間のアイソレーションを高くすることができる。
このような構成であっても、第1の実施形態と同様に作用効果が得られる。
なお、上述のスイッチIC10,10’の各通信用ポートPICと、高周波スイッチモジュール1,1’の送信用外部電極、受信用外部電極、および送受兼用外部電極PMとの接続の組合せは、一例であり、他の接続構成であってもよい。例えば、図6は、その他のスイッチIC10の通信用ポートと積層回路部品の外部電極との接続関係を説明するための図である。
図6に示すように、スイッチIC10の一辺に沿う各通信用ポートPIC(RF5)、PIC(RF6)、PIC(RF7)、PIC(RF8)、PIC(RF9)を、次に示すように接続する。
スイッチIC10の通信用ポートPIC(RF5)を送受兼用外部電極P(UM1)に接続する。スイッチIC10の通信用ポートPIC(RF6)を受信用外部電極P(Rx1)に接続する。スイッチIC10の通信用ポートPIC(RF7)を送受兼用外部電極P(UM2)に接続する。スイッチIC10の通信用ポートPIC(RF8)を受信用外部電極P(Rx2)に接続する。スイッチIC10の通信用ポートPIC(RF9)を送受兼用外部電極P(UM3)に接続する。
この構成では、送受兼用外部電極P(UM1),P(UM2),P(UM3)の接続する通信用ポートPIC(RF5),PIC(RF7),PIC(RF9)のそれぞれの間に、受信用外部電極P(Rx1),P(Rx2)の接続する通信用ポートPIC(RF6),PIC(RF8)が配設される。言い換えれば、送受兼用外部電極の接続する通信用ポートと、受信用外部電極が接続する通信用ポートとが、配列方向に沿って交互に配置される。これにより、スイッチIC10の送受兼用に利用する通信用ポート同士、および積層回路部品の当該通信用ポートに接続する近傍の回路パターン同士が近接しない。これにより、スイッチIC10の送受兼用に利用する通信用ポート同士、および積層回路部品の当該通信用ポートに接続する近傍の回路パターン同士でのアイソレーションを向上することができる。
1,1’−高周波スイッチモジュール、10,10’−スイッチIC、20,20’−位相調整回路、30A,30A’,30B,30B’−ローパスフィルタ、101−スイッチ制御部、SW1〜SW9−スイッチ回路

Claims (9)

  1. 単一のアンテナに接続するアンテナ用電極と、複数種類の通信信号をそれぞれ送信、受信、もしくは送受信するための複数の高周波通信用回路に接続する複数の通信用電極とを備えるとともに、スイッチICが実装されるランドが形成された積層回路部品と、
    該積層回路部品に実装され、該積層回路部品を介して前記アンテナに接続される共通端子、および、前記積層回路部品を介して前記複数の高周波通信用回路にそれぞれ接続される複数の通信回路側端子を備えたスイッチICと、を有する高周波スイッチモジュールであって、
    前記複数の通信回路側端子は、送受信兼用端子と、受信専用端子または送信専用端子とを含み、
    前記スイッチICは、平面視して直方体からなり、
    前記直方体における前記複数の通信回路側端子が配置される一辺と、前記共通端子が配置される一辺は異なり、
    各通信回路側端子と前記共通端子との間にそれぞれ切替用回路が設置されており
    ての切替用回路は、複数段に接続された半導体スイッチ素子を有し、該半導体スイッチ素子の段数が同じであり、前記送信の際に印加される送信電力に対して同じ耐性を有する構成からなる
    周波スイッチモジュール。
  2. 前記通信回路側端子は、複数の送受信兼用端子と受信専用端子とを含んで前記スイッチICの一方主面における縁端部に配列して配置され、前記送受兼用端子と前記受信専用端子とが、前記配列の方向に沿って交互の順で配置されている、請求項1に記載の高周波スイッチモジュール。
  3. 複数段に接続された前記半導体スイッチ素子を有するそれぞれの前記切替用回路の位相変化が互いに同じである、
    請求項1または請求項2に記載の高周波スイッチモジュール。
  4. 前記積層回路部品は、
    前記アンテナ用電極と前記共通端子との間に、積層された絶縁層間にそれぞれ形成された電極パターンもしくは該積層回路部品に実装されたディスクリート部品からなるインダクタを有する位相調整回路を備える、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の高周波スイッチモジュール。
  5. 前記共通端子に一方端が接続され、グランド電極に他方端が接続されたインダクタを備える請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の高周波スイッチモジュール。
  6. 前記位相調整回路を構成するインダクタは、前記アンテナ用電極と前記共通端子との間に直列接続されたシリーズインダクタと、該シリーズインダクタの前記共通端子側で、且つ該共通端子に一方端が接続され、グランド電極に他方端が接続されたシャントインダクタと、を含む、請求項4に記載の高周波スイッチモジュール。
  7. 前記スイッチICは、電源供給を行うための駆動電源用端子を備え、
    該駆動電源用端子は、前記スイッチICの前記複数の通信回路側端子が近接配置される一辺とは異なる辺に近接して形成されている、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の高周波スイッチモジュール。
  8. 前記積層回路部品は、
    前記スイッチICの各通信回路側端子と、当該各通信回路側端子にそれぞれ接続する各通信用電極との間を、積層された絶縁層間にそれぞれ形成された回路電極パターンおよび絶縁層を貫通して形成されたビアホールにより導通する複数の接続回路を備え、
    該複数の接続回路が同じ電気長で形成されている、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の高周波スイッチモジュール。
  9. 前記積層回路部品は、
    前記スイッチICの各通信回路側端子と、当該各通信回路側端子にそれぞれ接続する各通信用電極との間を、積層された絶縁層間にそれぞれ形成された回路電極パターンおよび絶縁層を貫通して形成されたビアホールにより導通する複数の接続回路を備え、
    該複数の接続回路のうちの特定の接続回路には、積層された絶縁層間にそれぞれ形成された電極パターンもしくは該積層回路部品に実装されたディスクリート部品からなるインダクタおよびキャパシタで構成された所定通過帯域を有するフィルタ回路が挿入されている、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の高周波スイッチモジュール。
JP2014161320A 2009-05-26 2014-08-07 高周波スイッチモジュール Active JP5790852B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014161320A JP5790852B2 (ja) 2009-05-26 2014-08-07 高周波スイッチモジュール

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009125922 2009-05-26
JP2009125922 2009-05-26
JP2009225536 2009-09-29
JP2009225536 2009-09-29
JP2014161320A JP5790852B2 (ja) 2009-05-26 2014-08-07 高周波スイッチモジュール

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010086853A Division JP5625453B2 (ja) 2009-05-26 2010-04-05 高周波スイッチモジュール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015008493A JP2015008493A (ja) 2015-01-15
JP5790852B2 true JP5790852B2 (ja) 2015-10-07

Family

ID=52338465

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014161320A Active JP5790852B2 (ja) 2009-05-26 2014-08-07 高周波スイッチモジュール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5790852B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102139764B1 (ko) * 2015-09-21 2020-07-31 삼성전기주식회사 통신 모듈 및 그에 포함된 프론트 엔드 모듈

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4439320B2 (ja) * 2003-04-25 2010-03-24 パナソニック株式会社 アンテナ共用器の設計方法、アンテナ共用器の生産方法、分波器の設計方法、及び分波器の生産方法
JP2005136948A (ja) * 2003-10-08 2005-05-26 Renesas Technology Corp アンテナスイッチ回路
JP2005354502A (ja) * 2004-06-11 2005-12-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd アンテナ整合装置
JP2006121210A (ja) * 2004-10-19 2006-05-11 Kyocera Corp 高周波スイッチングモジュール及び無線通信装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015008493A (ja) 2015-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5625453B2 (ja) 高周波スイッチモジュール
JP5136532B2 (ja) 高周波スイッチモジュール
EP2662985B1 (en) High-frequency module
KR101798092B1 (ko) 고주파 모듈 및 통신 장치
JP5316544B2 (ja) 高周波回路、高周波部品、及びマルチバンド通信装置
JP5590135B2 (ja) 高周波モジュール
JP5516738B2 (ja) 高周波モジュール
US9160397B2 (en) High-frequency module
JP2009005381A (ja) 高周波モジュール
EP2487802B1 (en) High-frequency module
JP4702622B2 (ja) スイッチモジュール
US9713257B2 (en) Switch module
JP5700170B2 (ja) 高周波モジュールおよび高周波部品
JP5790852B2 (ja) 高周波スイッチモジュール
JPWO2009069353A1 (ja) 低電圧制御高周波スイッチおよび複合高周波部品
US20230318558A1 (en) Radio-frequency circuit and communication device
JP2004282727A (ja) アンテナスイッチモジュール、一体型通信モジュール、通信機器およびアンテナスイッチモジュールの製造方法
JP2008048450A (ja) 高周波モジュール

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150421

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150617

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150707

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150720

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5790852

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150