JP4437883B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンチスキッド制御装置に関し、特に、ブレーキ系統失陥状態の判断および失陥時フェイルセーフ技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、このようなアンチスキッド制御装置におけるブレーキ系統失陥状態の判断および失陥時フェイルセーフ技術としては、例えば、特開平6−227384号公報に記載のものが知られている。
この従来装置は、H配管制動車両において、少なくとも1つの後輪がアンチスキッド制御(減圧制御開始)状態で、かつ、両前輪が非アンチスキッド制御(減圧制御未開始)状態であり、その状態が所定時間経過した場合に、前輪のブレーキ系統失陥状態と判断し、この失陥状態判断時のフェイルセーフとして以下の3つの制御のいずれかを行う。
▲1▼ 後輪のセレクトロー制御を中止し、セレクトハイ制御に切り換えることにより、後輪の制動力を高める。
▲2▼ 後輪のスリップスレッシュ(減圧閾値)の変更(低下)により、スリップを深い制御に切り換え、後輪の制動力を高める。
▲3▼ 後輪の減圧パルス時間を少なくする方向に切り換えることにより、後輪の制動力を高める。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来のアンチスキッド制御装置にあっては、以下に述べるような問題点があった。
即ち、少なくとも1つの後輪がアンチスキッド制御(減圧制御開始)状態で、両前輪が非アンチスキッド制御(減圧制御未開始)状態であり、かつ、その状態が所定時間経過した場合に初めて前輪の制御系失陥状態が判断され、その後に前記フェイルセーフ制御(▲1▼または▲2▼または▲3▼)を行うようにしたものであったため、フェイルセーフ制御に入るまでの所定時間は制動力が不足し、制動距離が延びてしまう。
【0004】
本発明は、上述のような従来の問題点に着目してなされたもので、一方のブレーキ系統失陥時におけるフェイルセーフ制御の応答性を高め、これにより、一方のブレーキ系統の失陥による制動力不足状態の発生を防止して制動距離を短くすることができるアンチスキッド制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述のような目的を達成するために、本発明請求項1記載のアンチスキッド制御装置では、左右両前輪側と左右両後輪側とで別系統のブレーキ液圧制御回路を備えるH配管制動車両のアンチスキッド制御装置において、制動液圧を発生するマスタシリンダと、車両における各車輪にそれぞれ配設されていて液圧供給により制動力を発生させる制動用シリンダと、該制動用シリンダの液圧を減圧する減圧制御状態と該液圧を保持する保持制御状態と該液圧を増圧する増圧制御状態のいずれかの状態に切り換え駆動制御可能な切換制御手段と、前記各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、該車輪速度検出手段で検出された各車輪の車輪速度に基づいて擬似車体速度を算出する擬似車体速度算出手段と、該擬似車体速度算出手段で算出された擬似車体速度から所定のスリップ率を考慮したオフセット量を減算した減圧閾値を算出する制御目標速度算出手段と、前記各車輪速度検出手段で検出された車輪速度から各車輪の加速度を算出する車輪加速度算出手段と、車体減速度を算出する車体減速度算出手段と、前記車輪速度検出手段で検出された各車輪の車輪速度が前記制御目標速度算出手段で算出された減圧閾値となった時は前記切換制御手段を減圧制御状態に切り換えて前記制動用シリンダの液圧を減圧する減圧制御を実行し、その後、前記車輪加速度算出手段で算出された各車輪の車輪加速度が所定の再増圧閾値となった場合に前記切換制御手段を増圧制御状態に切り換えて前記制動用シリンダの液圧を増圧する増圧制御を実行する制動液圧制御手段と、左右後輪のうち少なくとも一方の車輪がアンチスキッド制御状態で、左右両前輪が非アンチスキッド制御状態であり、かつ、車体減速度が後輪側のアンチスキッド制御のみで車両を停止させることが可能な車体減速度の状態から、前記車両を停止させることが可能な車体減速度より大きい失陥判断閾値以下となった場合、車両の走行速度が所定の低速閾値以上であるか否かを判定し、走行速度が前記低速閾値以上である時には前記後輪側減圧閾値のオフセット量を通常より大きくし、その後車体減速度が失陥判断閾値を越えた時には前記後輪側減圧閾値のオフセット量を通常の値に戻すブレーキ液圧系統失陥時フェイルセーフ手段と、を備えている手段とした。
【0006】
請求項2記載のアンチスキッド制御装置では、それぞれ対角線の車輪同士の組み合わせで別系統のブレーキ液圧制御回路を備えるX配管制動車両のアンチスキッド制御装置において、制動液圧を発生するマスタシリンダと、車両における各車輪にそれぞれ配設されていて液圧供給により制動力を発生させる制動用シリンダと、該制動用シリンダの液圧を減圧する減圧制御状態と該液圧を保持する保持制御状態と該液圧を増圧する増圧制御状態のいずれかの状態に切り換え駆動制御可能な切換制御手段と、前記各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、該車輪速度検出手段で検出された各車輪の車輪速度に基づいて擬似車体速度を算出する擬似車体速度算出手段と、該擬似車体速度算出手段で算出された擬似車体速度から所定のスリップ率を考慮したオフセット量を減算した減圧閾値を算出する制御目標速度算出手段と、前記各車輪速度検出手段で検出された車輪速度から各車輪の加速度を算出する車輪加速度算出手段と、車体減速度を算出する車体減速度算出手段と、前記車輪速度検出手段で検出された各車輪の車輪速度が前記制御目標速度算出手段で算出された減圧閾値となった時は前記切換制御手段を減圧制御状態に切り換えて前記制動用シリンダの液圧を減圧する減圧制御を実行し、その後、前記車輪加速度算出手段で算出された各車輪の車輪加速度が所定の再増圧閾値となった場合に前記切換制御手段を増圧制御状態に切り換えて前記制動用シリンダの液圧を増圧する増圧制御を実行する制動液圧制御手段と、左右車輪の一方がアンチスキッド制御中でもう一方が非アンチスキッド制御状態で、いずれか一方の系統における対角線同士の両車輪の車輪加速度の差が内輪差を考慮した所定値未満であり、かつ、車体減速度が一方の系統のアンチスキッド制御のみで車両を停止させることが可能な車体減速度の状態から、前記車両を停止させることが可能な車体減速度より大きい失陥判断閾値以下となった場合、車両の走行速度が所定の低速閾値以上であるか否かを判定し、走行速度が前記低速閾値以上である時には前記減圧閾値のオフセット量を通常より大きくし、その後車体減速度が失陥判断閾値を越えた時には前記減圧閾値のオフセット量を通常の値に戻すブレーキ液圧系統失陥時フェイルセーフ手段と、を備えている手段とした。
【0007】
請求項3に記載のアンチスキッド制御装置では、請求項1または2に記載のアンチスキッド制御装置において、車両の走行速度が前記低速閾値未満である時は、前記減圧閾値のオフセット量を通常の値に設定するように前記ブレーキ液圧系統失陥時フェイルセーフ手段が構成されている手段とした。
【0008】
【作用】
本発明請求項1記載のアンチスキッド制御装置は、上述のように、左右後輪のうち少なくとも一方の車輪がアンチスキッド制御状態で、左右両前輪が非アンチスキッド制御状態であり、かつ、擬似車体速度の微分値から算出した車体減速度が後輪側のアンチスキッド制御のみで車両を停止させることが可能な車体減速度の状態から、前記車両を停止させることが可能な車体減速度より大きい失陥判断閾値以下となった場合、前輪側ブレーキ系統が失陥状態にあると判断されるため、車両の走行速度が所定の低速閾値以上である時にはブレーキ系統失陥時フェイルセーフ手段において前記後輪側減圧閾値のオフセット量を通常より大きくする処理がなされるもので、これにより、後輪側の制動力を高め、前輪側ブレーキ系統の失陥による制動力不足状態の発生を防止して制動距離を短くすることができるようになる。
また、車体減速度が後輪側のアンチスキッド制御のみで車両を停止させることが可能な車体減速度より大きい失陥判断閾値以下であるか否かで前輪側ブレーキ系統失陥を判断するようにしたことで、判断時間が短くてすみ、これにより、フェイルセーフ制御の応答性を高めることできるようになる。
また、車体減速度が失陥判断閾値を越えた時には前記後輪側減圧閾値のオフセット量を通常の値に戻すため、安定性を確保することができる。
【0009】
請求項2記載のアンチスキッド制御装置は、上述のように、左右車輪の一方がアンチスキッド制御中でもう一方が非アンチスキッド制御状態で、いずれか一方の系統における対角線同士の両車輪の車輪加速度の差が内輪差を考慮した所定値未満であり、かつ、車体減速度が一方の系統のアンチスキッド制御のみで車両を停止させることが可能な車体減速度の状態から、前記車両を停止させることが可能な車体減速度より大きい失陥判断閾値以下となった場合、両車輪の車輪加速度の差が内輪差を考慮した所定値未満であるブレーキ系統が失陥状態にあると判断されるため、車両の走行速度が所定の低速閾値以上である時にはブレーキ系統失陥時フェイルセーフ手段において前記減圧閾値のオフセット量を通常より大きくする処理がなされるもので、失陥してないブレーキ系統の制動力を高め、一方のブレーキ系統の失陥による制動力不足状態の発生を防止して制動距離を短くすることができるようになる。
また、車体減速度が後輪側のアンチスキッド制御のみで車両を停止させることが可能な車体減速度より大きい失陥判断閾値以下であるか否かで一方のブレーキ系統失陥を判断するようにしたことで、判断時間が短くてすみ、これにより、フェイルセーフ制御の応答性を高めることできるようになる。
また、車体減速度が失陥判断閾値を越えた時には前記後輪側減圧閾値のオフセット量を通常の値に戻すため、安定性を確保することができる。
【0010】
請求項3記載のアンチスキッド制御装置は、上述のように、車両の走行速度が所定の低速閾値未満である時は、前記減圧閾値のオフセット量を通常の値に設定するもので、これにより、非失陥ブレーキ系統車輪のロックを防止できるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により詳述する。
(発明の実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1のH配管制動車両におけるアンチスキッド制御装置の構成を、図1のシステム概要図に基づいて説明すると、車両には、右前輪10および左前輪14の回転に応じてそれぞれ車輪速度パルスを発生する車輪速度センサ(車輪速度検出手段)12および16と、右後輪20および左後輪22の回転に応じてそれぞれ車輪速度パルスを発生する車輪速度センサ(車輪速度検出手段)24および26とが設けられ、これ等各センサはマイクロコンピュータ(CPU)を含むコントロールユニット(以下、ECUと称す)40に接続されている。
【0012】
また、図2のブレーキ液圧回路構成図(1輪のみ)に示すように、各車輪にそれぞれ配設されたホイールシリンダ(制動用シリンダ)50と、運転者がブレーキペダルを踏むことによってブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ52とは、主液通路54でもって連通されており、この主液通路54の途中に各ホイールシリンダ50の液圧を制御するアクチュエータユニット60が介装されている。なお、図2では図示を省略し、1系統のブレーキ液圧回路および1輪のみを例示したが、前記マスタシリンダ50には2系統のブレーキ液圧回路が接続され、一方の系統のブレーキ液圧回路には、右前輪10と左前輪14のホイルシリンダ50、50が接続され、もう一方のブレーキ液圧回路には、右後輪20と左後輪22のホイールシリンダ50、50が接続されている(H配管制動車両)。
【0013】
このアクチュエータユニット60には、各ホイールシリンダ50の液圧の増減を切り換え制御するための切換制御弁(切換制御手段)62と、ホイールシリンダ50の減圧制御時にそのブレーキ液が貯留されるリザーバ64と、該リザーバ64に貯留されたブレーキ液を主液通路54に戻すための液圧ポンプ66とを備えている。なお、前記リザーバ64は、2系統の各ブレーキ液圧回路にそれぞれ備えられている。
【0014】
次に、前記ECU40におけるアンチスキッド制御の基本制御内容を、図3の制御フローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS1では、各車輪速度センサ12、16、24、26からの出力に応じて右前輪10、左前輪14、右後輪20および左後輪22の各車輪速度VWの計算、および、各車輪速VWを微分することにより車輪加速度VWDが計算される。
【0015】
続くステップS2では、前記ステップS1で算出された各車輪速度VWからその最大値(セレクトハイ車輪速度VFS)を求め、これに基づき疑似車体速度VIを計算し、続くステップS3では、車体減速度VIKが求められる。なお、この車体減速度VIKの計算内容は後に図4のフローチャートに基づいて詳述する。
【0016】
続くステップS4では、前記擬似車体速度算出手段で算出された擬似車体速度VIから所定のオフセット量xを減算した減圧閾値VWSの演算処理が行われる。なお、この減圧閾値演算処理の具体的内容については、後に図5のフローチャートに基づいて詳述する。
【0017】
続くステップS5では、前記ステップS1で算出された各車輪の車輪速度VWが、前記ステップS4で算出された減圧閾値VWS未満であるか否かが判定され、YES(VW<VWS)である時は、ステップS7に進み、ブレーキ液圧減圧制御が行なわれる。即ち、ECU40からアクチュエータユニット60の切換制御弁62へ切換信号が出力され、マスタシリンダ52とホイールシリンダ50とリザーバ64とが連通される。
また、以上とは逆に、前記ステップS5の判定がNO(VW≧VWS)である時は、ステップS6に進む。
【0018】
このステップS6では、前記ステップS1で算出された車輪加速度VWDが保持閾値VWF未満であるか否か判定され、YES(VW<VWF)である時は、ステップS9に進み、ブレーキ液圧保持制御が行われる。即ち、この場合には、ホイールシリンダ50がマスタシリンダ52およびリザーバ64との連通をそれぞれ断つ位置に、切換制御弁62が駆動される。なお、この切換制御弁62は、1ms単位で動作を行なうことができる。
また、以上とは逆に前記ステップS6の判定がNO(VW≧VWF)であるときは、ホイールシリンダ50の液圧(W/C圧)が不足ぎみであるから、ステップS8に進み、ブレーキ液圧増圧制御が行われる。即ち、この場合は、アクチュエータユニット60の切換制御弁62が、マスタシリンダ52とホイールシリンダ50とが連通状態となるように駆動される。
【0019】
前記各ステップS7、S8、S9のいずれかが行なわれた後は、ステップS10に進み、10ms経過したか否かが判定され、10ms未満(NO)であれば、このステップS10の判定を繰り返し、また、10ms経過(YES)であれば、これで一回のフローを終了し、前記ステップS1に戻る。換言すると、上記制御ルーチンが10ms毎に実行されることになる。
【0020】
次に、前記ステップS3における車体減速度計算の具体的内容を、図4のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS31では、非減圧制御中(AS=0)、即ち、非アンチスキッド制御状態から、減圧制御中(AS≠0)、即ち、アンチスキッド制御中に切り換わったか否かを判定し、YESである時はステップS32に進んで、減圧制御が最初に行われた時の車速、即ち減圧制御開始車速VOを擬似車体速VIに設定すると共に、車両減速度作成用タイマTOを0にリセットした後、ステップS33に進み、また、NO(アンチスキッド制御中=減圧制御中(AS=0))である時は、そのままステップS33に進む。そして、このステップS33では、車両減速度作成用タイマTOをインクリメントした後、ステップS34に進む。
【0021】
このステップS34(スピンアップ判断)では、セレクトハイ車輪速度VFSが擬似車体速VIに復帰したか否かを判定し、YES(VI<VFS→VI≧VFS)である時は、ステップS35に進んで、車体減速度VIKを次式により求めた後ステップS36に進む。
VIK=(VO−VI)/TO
【0022】
また、前記ステップS34の判定がNO(VI<VFS)である時は、そのままステップS36に進む。
このステップS36(低μ路判断)では、減圧時間タイマDECTがDms以上であるか否かを判定することにより、走行路面が低μ路であるか否かを判定し、YES(DECT≧Dms=低μ路)である時は、ステップS37に進んで、低μフラグLouFを1にセットした後、これで一回のフローを終了し、また、NO(DECT<Dms=高μ路)である時は、そのままこれで一回のフローを終了する。
【0023】
次に、前記ステップS4における減圧閾値演算処理の具体的内容を、図5のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS41では、前記擬似車体速度VIの100msの微分値より車体減速度VID100が求められる。
続くステップS42では、当該車輪が前輪側であるか否かを判定し、YES(前輪側)であればステップS43に進んで、減圧閾値VWSのオフセット値xを、まず、高μ路相当の8km/hに初期設定した後、ステップS44に進む。
【0024】
このステップS44では、車体減速度VIKが0.4g未満であるか否かを判定することにより、走行路面が低μ路であるか否かを判定し、YES(VIK<0.4g)であれば、ステップS45に進んでオフセット値xを低μ路相当の4km/hに変更設定した後、ステップS51に進み、また、NO(VIK≧0.4g)である時は、初期設定(x=8km/h)のままステップS51に進む。
【0025】
このステップS50では、前記図3のステップS2で計算された擬似車体速度VIと前記オフセット値xから、次式に基づいて制御目標速度VWSを演算した後、これで一回のフローを終了する。
VWS=VI×0.95−x
【0026】
一方、前記ステップS42の判定がNO(後輪側)である時は、ステップS46に進む。このステップS46では、後輪20、22側の系統が減圧制御中(AS≠0)であるか否かを判定することにより、アンチスキッド制御が実行されているか否かを判定し、NO(後輪側非アンチスキッド制御(AS=0))である時は、前記ステップS43に進み、また、YES(後輪側アンチスキッド制御中(AS≠0))である時は、ステップS47に進む。
【0027】
このステップS47では、車体減速度VID100が後輪側の制動のみで停止可能な車体減速度の値(約−0.5g)より十分に大きな値(−0.85g=失陥判断閾値)未満であるか否かを判定し、YES(VID100<−0.85g)であれば、前輪側のブレーキ系統は失陥していないと判断されるため、前記ステップS43に進み、また、NO(VID100≧−0.85g)であれば、ステップS48に進む。
【0028】
このステップS48では、左右両前輪14、10共に非アンチスキッド制御状態(AS=0)であるか否かを判定し、NO(左右両前輪14、10の少なくとも一方がアンチスキッド制御中)である時は、前輪側の系統のブレーキ液圧回路が正常に作動しているため、前記ステップS43に進み、また、YES(左右両前輪14、10共に非アンチスキッド制御)である時は、前輪側の系統のブレーキ液圧回路が失陥していると判断されるため、ステップS49に進む。
このステップS49では、その時の車速Vが30km/h未満であるか否かを判定し、YES(V<30km/h未満)であれば前記ステップS43に進み、NO(V≧30km/h)であればステップS50に進んで、左右両後輪22、20のオフセット値xを20km/hに変更設定した後、前記ステップS51に進む。
【0029】
次に、この発明の実施の形態1の作用・効果を説明する。なお、アンチスキッド制御装置の基本制御内容は周知であるため、その説明を省略し、ブレーキ系統の失陥状態検出および失陥時におけるフェイルセーフ処理の内容を、図6のタイムチャートに基づいてついて説明する。
【0030】
(イ)前輪側ブレーキ系統失陥時
H配管制動車両において、左右両後輪22、20側がアンチスキッド制御中であって、車体減速度VID100が後輪側の制動のみ停止可能な車体減速度VID100の値(約−0.5g)より十分に大きな値(−0.85g)以上(VID100≧−0.85g)であり、かつ、左右両前輪14、10が共に非アンチスキッド制御状態である時は、左右前輪14、10側のブレーキ系統が失陥状態になっていると判断されるため、このような場合は、車速が30km/h以上である場合に限り、減圧閾値VWSのオフセット値xを通常よりは大きな値である20km/hに変更設定し、これにより、減圧閾値VWSを通常より深く設定するフェイルセーフ処理がなされる(図5のステップS42→S46→S47→S48→S49→S50→S51の流れ)。
従って、減圧閾値VWSを通常より深く設定する処理により、左右両後輪22、20側の制動力を高め、左右両前輪14、10側ブレーキ系統の失陥による制動力不足状態の発生を防止して制動距離を短くすることができるようになるという効果が得られる。
【0031】
また、擬似車体速度VIの100ms間の微分値から算出した車体減速度VID100が後輪側のアンチスキッド制御のみで車両を停止させることが可能な車体減速度の値(約−0.5g)より十分に大きな値(−0.85g)以上(VID100≧−0.85g)であるか否かで前輪側ブレーキ系統失陥を判断するようにしたことで、失陥判断が100msという短時間ですみ、これにより、フェイルセーフ制御の応答性を高めることできるようになるという効果が得られる。
【0032】
また、車両の走行速度が所定の低速閾値(30km/h)未満である時は、フェイルセーフ処理を中止して、前記減圧閾値VWSのオフセット量xを通常の値(8km/hまたは4km/h)に設定するもので、これにより、非失陥ブレーキ系統である左右両後輪22、20のロックを防止できるようになる。
【0033】
(ロ)両ブレーキ系統正常作動時
また、以上とは逆に、車体減速度VID100が後輪側の制動のみ停止可能な車体減速度の値(約−0.5g)より十分に大きな値(約−0.85g)未満(VID100<−0.85g)である時は、左右前輪14、10側のブレーキ系統および左右後輪22、20側の両ブレーキ系統に失陥がなく、共に正常に作動していると判断されるため、前記減圧閾値VWSのオフセット量xを通常の値(8km/hまたは4km/h)に設定するもので、これにより、安定性を確保することができるようになる。
【0034】
(発明の実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2のアンチスキッド制御装置について説明する。なお、この発明の実施の形態2の説明に当たっては、前記発明の実施の形態1と同様の構成部分については同一の符号を用いてその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【0035】
即ち、この発明の実施の形態2のアンチスキッド制御装置は、それぞれ対角線の車輪同士の組み合わせで別系統のブレーキ液圧制御回路を備えるX配管制動車両のアンチスキッド制御装置に本発明が適用された例であり、前記図3のステップS4における減圧閾値演算処理の内容が前記発明の実施の形態1(図5)とは相違したものである。
【0036】
この発明の実施の形態2の減圧閾値演算処理の具体的内容を、図7のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS51では、前記擬似車体速度の100msの微分値より車体減速度VID100が求められる。
続くステップS52では、アンチスキッド制御中(AS≠0)か否かを判定し、NO(アンチスキッド非制御(AS≠0))であればステップS53に進んで、減圧閾値VWSのオフセット値xを、まず、高μ路相当の8km/hに初期設定した後、ステップS54に進む。
【0037】
このステップS54では、車体減速度VIKが0.4g未満であるか否かを判定することにより、走行路面が低μ路であるか否かを判定し、YES(VIK<0.4g)であれば、ステップS55に進んでオフセット値xを低μ路相当の4km/hに変更設定した後、ステップS62に進み、また、NO(VIK≧0.4g)である時は、初期設定(x=8km/h)のままステップS62に進む。
このステップS62では、前記図3のステップS2で計算された擬似車体速度VIと前記オフセット値xから、次式に基づいて制御目標速度VWSを演算した後、これで一回のフローを終了する。
VWS=VI×0.95−x
【0038】
一方、前記ステップS52の判定がNO(アンチスキッド制御中(AS≠0))である時は、ステップS56に進む。このステップS56では、右後輪20がアンチスキッド制御中(ASRR≠0)であるか否かを判定し、NO(右後輪非アンチスキッド制御(ASRR=0))である時は、前記ステップS53に進み、また、YES(右後輪アンチスキッド制御中(ASRR≠0))である時は、ステップS57に進む。
【0039】
このステップS57では、車体減速度VID100が一方の系統の制動のみで停止可能な車体減速度の値(約−0.85g)未満であるか否かを判定し、YES(VID100<−0.85g)であれば、前記ステップS53に進み、また、NO(VID100≧−0.85g)であれば、ステップS58に進む。
【0040】
このステップS58では、右前輪10側の系統がアンチスキッド制御中(ASFR≠0)で、左前輪14側の系統が非アンチスキッド制御状態(ASFL=0)であり、かつ、左前輪14の車輪速度VWFLと右後輪20の車輪速度VWRRとの内輪差ADVH(=|VWFR−VWFL|または|VWRR−VWRL|)を考慮した車輪速度差の絶対値(|VWFL−VWRR|)が所定値1km/h未満であるか否かを判定し、YESである時は、同系統が失陥していると判断されるため、ステップS60に進む。
このステップS60では、その時の車速Vが30km/h未満であるか否かを判定し、YES(V<20km/h)であれば、フェイルセーフ処理を停止する前記ステップS53に進み、NO(V≧20km/h)であればステップS61に進んで、左右両後輪22、20のオフセット値xを20km/hに変更設定した後、前記ステップS62に進む。
【0041】
また、前記ステップS58の判定がNOである時は同系統は失陥していないと判断されるため、もう一方の系統の失陥を判定するためステップS59に進む。即ち、このステップS59では、右前輪10側の系統が非アンチスキッド制御状態(ASFR=0)で、左前輪14側の系統がアンチスキッド制御中(ASFL≠0)であり、かつ、右前輪10の車輪速度VWFRと左後輪22の車輪速度VWRLとの内輪差ADVHを考慮した車輪速度差の絶対値(|VWFR−VWRL|)が所定値1km/h未満であるか否かを判定し、YESである時は、同系統が失陥していると判断されるため、前記ステップS60に進む。
また、前記ステップS59の判定がNOである時は同系統も失陥していないと判断されるため、前記ステップS53に進む。
【0042】
次に、この発明の実施の形態2の作用・効果を、図8のタイムチャートに基づいて説明する。
(イ)一方のブレーキ系統失陥時
X配管制動車両において、左右前輪の一方がアンチスキッド制御中でもう一方が非アンチスキッド制御状態で、車体減速度VID100が後輪側の制動のみ停止可能な車体減速度の値(約0.5g)より十分に大きな値(−0.85g)以上(VID≧−0.85)であり、かつ、いずれか一方のブレーキ系統における対角線同士の両車輪の車輪加速度の差、即ち、左前輪14の車輪速度VWFLと右後輪20の車輪速度VWRRとの内輪差ADVH(=|VWFR−VWFL|または|VWRR−VWRL|)を考慮した車輪速度差の絶対値(|VWFL−VWRR|)、または、右前輪10の車輪速度VWFRと左後輪22の車輪速度VWRLとの内輪差ADVHを考慮した車輪速度差の絶対値(|VWFR−VWRL|)が所定値1km/h未満である時は、一方のブレーキ系統が失陥状態になっていると判断されるため、このような場合は、車速が30km/h以上である場合に限り、減圧閾値VWSのオフセット値xを通常よりは大きな値である20km/hに変更設定し、これにより、減圧閾値VWSを通常より深く設定するフェイルセーフ処理がなされる(図7のステップS52→S56→S57→S58→S59→S60→S61→S62の流れ)。
【0043】
また、擬似車体速度VIの100ms間の微分値から算出した車体減速度VID100が後輪側のアンチスキッド制御のみで車両を停止させることが可能な車体減速度の値(約−0.85g)以上(VID100≧−0.85g)であるか否かで一方のブレーキ系統失陥を判断するようにしたことで、失陥判断が100msという短時間ですみ、これにより、フェイルセーフ制御の応答性を高めることできるようになるという効果が得られる。
【0044】
また、車両の走行速度が所定の低速閾値(20km/h)未満である時は、前記減圧閾値VWSのオフセット量xを通常の値(8km/hまたは4km/h)に設定するもので、これにより、非失陥ブレーキ系統車輪のロックを防止できるようになる。
【0045】
(ロ)両ブレーキ系統正常作動時
また、以上とは逆に、車体減速度VID100が後輪側の制動のみ停止可能な車体減速度の値(約−0.g)より十分に大きな値(約−0.85g)未満(VID100<−0.85g)である時は、両ブレーキ系統に失陥がなく、共に正常に作動していると判断されるため、前記減圧閾値VWSのオフセット量xを通常の値(8km/hまたは4km/h)に設定するもので、これにより、安定性を確保することができるようになる。
【0046】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの発明の実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、失陥判断閾値を−0.85gに設定した例を示したが、この値に限定されるものではなく、H型配管制動車両の場合には後輪側のアンチスキッド制御のみで車両を停止させることが可能な車体減速度より大きな値、X型配管制動車両の場合には一方の系統のアンチスキッド制御のみで車両を停止させることが可能な車体減速度より大きな値に設定することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明請求項1記載のアンチスキッド制御装置にあっては、左右両前輪側と左右両後輪側とで別系統のブレーキ液圧制御回路を備えるH配管制動車両のアンチスキッド制御装置において、左右後輪のうち少なくとも一方の車輪がアンチスキッド制御状態で、左右両前輪が非アンチスキッド制御状態であり、かつ、車体減速度が後輪側のアンチスキッド制御のみで車両を停止させることが可能な車体減速度の状態から、前記車両を停止させることが可能な車体減速度より大きい失陥判断閾値以下となった場合、車両の走行速度が所定の低速閾値以上であるか否かを判定し、走行速度が前記低速閾値以上である時には前記後輪側減圧閾値のオフセット量を通常より大きくし、その後車体減速度が失陥判断閾値を越えた時には前記後輪側減圧閾値のオフセット量を通常の値に戻すブレーキ液圧系統失陥時フェイルセーフ手段を備えるため、前輪側ブレーキ系統失陥時には、後輪側の制動力を高め、前輪側ブレーキ系統の失陥による制動力不足状態の発生を防止して制動距離を短くすることができる。
また、車体減速度が後輪側のアンチスキッド制御のみで車両を停止させることが可能な車体減速度より大きい失陥判断閾値以下であるか否かで前輪側ブレーキ系統失陥を判断するようにしたことで、判断時間が短くてすみ、これにより、フェイルセーフ制御の応答性を高めることできるようになるという効果が得られる。
また、車体減速度が失陥判断閾値を越えた時には前記後輪側減圧閾値のオフセット量を通常の値に戻すため、安定性を確保することができる。
【0048】
請求項2記載のアンチスキッド制御装置では、それぞれ対角線の車輪同士の組み合わせで別系統のブレーキ液圧制御回路を備えるX配管制動車両のアンチスキッド制御装置において、いずれか一方の系統における対角線同士の両車輪の車輪加速度の差が内輪差を考慮した所定値未満であり、かつ、車体減速度が一方の系統のアンチスキッド制御のみで車両を停止させることが可能な車体減速度の状態から、前記車両を停止させることが可能な車体減速度より大きい失陥判断閾値以下となった場合、車両の走行速度が所定の低速閾値以上であるか否かを判定し、走行速度が前記低速閾値以上である時には前記減圧閾値のオフセット量を通常より大きくし、その後車体減速度が失陥判断閾値を越えた時には前記減圧閾値のオフセット量を通常の値に戻すブレーキ液圧系統失陥時フェイルセーフ手段を備えるため、一方のブレーキ系統の失陥時には、失陥してないブレーキ系統の制動力を高め、一方のブレーキ系統の失陥による制動力不足状態の発生を防止して制動距離を短くすることができるようになる。
また、車体減速度が後輪側のアンチスキッド制御のみで車両を停止させることが可能な車体減速度より大きい失陥判断閾値以下であるか否かで一方のブレーキ系統失陥を判断するようにしたことで、判断時間が短くてすみ、これにより、フェイルセーフ制御の応答性を高めることできるようになるという効果が得られる。
また、車体減速度が失陥判断閾値を越えた時には前記後輪側減圧閾値のオフセット量を通常の値に戻すため、安定性を確保することができる。
【0049】
請求項3記載のアンチスキッド制御装置では、請求項1または2に記載のアンチスキッド制御装置において、車両の走行速度が所定の低速閾値未満である時は、前記減圧閾値のオフセット量を通常の値に設定するように前記ブレーキ液圧系統失陥時フェイルセーフ手段が構成されている手段としたことで、低速走行時における非失陥ブレーキ系統車輪のロックを防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のアンチスキッド制御装置を示すシステム概要図である。
【図2】発明の実施の形態1のアンチスキッド制御装置におけるブレーキ液圧回路構成図である。
【図3】発明の実施の形態1のアンチスキッド制御装置におけるブレーキ液圧制御内容を示す制御フローチャートである。
【図4】発明の実施の形態1のアンチスキッド制御装置における車体減速度計算の具体的内容を示すフローチャートである。
【図5】発明の実施の形態1のアンチスキッド制御装置における減圧閾値演算処理の具体的内容を示すフローチャートである。
【図6】発明の実施の形態1のアンチスキッド制御装置におけるブレーキ液圧制御内容を示すタイムチャートである。
【図7】発明の実施の形態2のアンチスキッド制御装置における減圧閾値演算処理の具体的内容を示すフローチャートである。
【図8】発明の実施の形態2のアンチスキッド制御装置におけるブレーキ液圧制御内容を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10 右前輪
12 車輪速度センサ(車輪速度出手段)
14 左前輪
16 車輪速度センサ(車輪速度検出手段)
20 右前輪
22 左前輪
24 車輪速度センサ(車輪速度検出手段)
26 車輪速度センサ(車輪速度検出手段)
40 ECU(制動液圧制御手段)
50 ホイールシリンダ(制動用シリンダ)
52 マスタシリンダ
54 主液通路
60 アクチュエータユニット
62 切換制御弁(切換制御手段)
64 リザーバ
66 液圧ポンプ
VI 擬似車体速度
VW 車輪速度
VWS 減圧閾値
AS 減圧制御実施時間
VFS セレクトハイ車輪速度
LoμF 低μフラグ
VIK 車体減速度
VID100 車体減速度(擬似車体速度VIの100msの微分値)
x オフセット値
VO 減圧制御開始時車速
TO 車両減速度作成用タイマ
DECT 減圧時間タイマ
VWD 車輪加速度(車輪速VWの微分値)

Claims (3)

  1. 左右両前輪側と左右両後輪側とで別系統のブレーキ液圧制御回路を備えるH配管制動車両のアンチスキッド制御装置において、
    制動液圧を発生するマスタシリンダと、
    車両における各車輪にそれぞれ配設されていて液圧供給により制動力を発生させる制動用シリンダと、
    該制動用シリンダの液圧を減圧する減圧制御状態と該液圧を保持する保持制御状態と該液圧を増圧する増圧制御状態のいずれかの状態に切り換え駆動制御可能な切換制御手段と、
    前記各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、
    該車輪速度検出手段で検出された各車輪の車輪速度に基づいて擬似車体速度を算出する擬似車体速度算出手段と、
    該擬似車体速度算出手段で算出された擬似車体速度から所定のスリップ率を考慮したオフセット量を減算した減圧閾値を算出する制御目標速度算出手段と、
    前記各車輪速度検出手段で検出された車輪速度から各車輪の加速度を算出する車輪加速度算出手段と、
    車体減速度を算出する車体減速度算出手段と、
    前記車輪速度検出手段で検出された各車輪の車輪速度が前記制御目標速度算出手段で算出された減圧閾値となった時は前記切換制御手段を減圧制御状態に切り換えて前記制動用シリンダの液圧を減圧する減圧制御を実行し、その後、前記車輪加速度算出手段で算出された各車輪の車輪加速度が所定の再増圧閾値となった場合に前記切換制御手段を増圧制御状態に切り換えて前記制動用シリンダの液圧を増圧する増圧制御を実行する制動液圧制御手段と、
    左右後輪のうち少なくとも一方の車輪がアンチスキッド制御状態で、左右両前輪が非アンチスキッド制御状態であり、かつ、車体減速度が後輪側のアンチスキッド制御のみで車両を停止させることが可能な車体減速度の状態から、前記車両を停止させることが可能な車体減速度より大きい失陥判断閾値以下となった場合、車両の走行速度が所定の低速閾値以上であるか否かを判定し、走行速度が前記低速閾値以上である時には前記後輪側減圧閾値のオフセット量を通常より大きくし、その後車体減速度が失陥判断閾値を越えた時には前記後輪側減圧閾値のオフセット量を通常の値に戻すブレーキ液圧系統失陥時フェイルセーフ手段と、
    を備えていることを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. それぞれ対角線の車輪同士の組み合わせで別系統のブレーキ液圧制御回路を備えるX配管制動車両のアンチスキッド制御装置において、
    制動液圧を発生するマスタシリンダと、
    車両における各車輪にそれぞれ配設されていて液圧供給により制動力を発生させる制動用シリンダと、
    該制動用シリンダの液圧を減圧する減圧制御状態と該液圧を保持する保持制御状態と該液圧を増圧する増圧制御状態のいずれかの状態に切り換え駆動制御可能な切換制御手段と、
    前記各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、
    該車輪速度検出手段で検出された各車輪の車輪速度に基づいて擬似車体速度を算出する擬似車体速度算出手段と、該擬似車体速度算出手段で算出された擬似車体速度から所定のスリップ率を考慮したオフセット量を減算した減圧閾値を算出する制御目標速度算出手段と、
    前記各車輪速度検出手段で検出された車輪速度から各車輪の加速度を算出する車輪加速度算出手段と、
    車体減速度を算出する車体減速度算出手段と、
    前記車輪速度検出手段で検出された各車輪の車輪速度が前記制御目標速度算出手段で算出された減圧閾値となった時は前記切換制御手段を減圧制御状態に切り換えて前記制動用シリンダの液圧を減圧する減圧制御を実行し、その後、前記車輪加速度算出手段で算出された各車輪の車輪加速度が所定の再増圧閾値となった場合に前記切換制御手段を増圧制御状態に切り換えて前記制動用シリンダの液圧を増圧する増圧制御を実行する制動液圧制御手段と、
    左右車輪の一方がアンチスキッド制御中でもう一方が非アンチスキッド制御状態で、いずれか一方の系統における対角線同士の両車輪の車輪加速度の差が内輪差を考慮した所定値未満であり、かつ、車体減速度が一方の系統のアンチスキッド制御のみで車両を停止させることが可能な車体減速度の状態から、前記車両を停止させることが可能な車体減速度より大きい失陥判断閾値以下となった場合、車両の走行速度が所定の低速閾値以上であるか否かを判定し、走行速度が前記低速閾値以上である時には前記減圧閾値のオフセット量を通常より大きくし、その後車体減速度が失陥判断閾値を越えた時には前記減圧閾値のオフセット量を通常の値に戻すブレーキ液圧系統失陥時フェイルセーフ手段と、
    を備えていることを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  3. 車両の走行速度が前記低速閾値未満である時は、前記減圧閾値のオフセット量を通常の値に設定するように前記ブレーキ液圧系統失陥時フェイルセーフ手段が構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のアンチスキッド制御装置。
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