JP4437738B2 - ベアリングの保全計画方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プラントで回転機器に使用するベアリングの新規な保全計画方法に関するものである。
通常、プラントに使用されている回転機器は、機器を設置してから廃却までの間に適宜の保全処置を遂行することが必要である。そして、この保全処置は、過剰保全による経費の増加を回避し、そしてまた保全不備による許容し得ない事態の発生を回避するために、機器の特性に応じて適切に遂行することが重要である。回転機器に使用されているベアリングは、振動値の測定により寿命予測を行うことでその保全処置を遂行する時期を決定する方法が一般に行われている。そして、その判断基準はいつ故障が発生するかということに重点をおいたものとなっている。
下記文献1には、振動の有無と程度の判定方法が記載されている。本文献では、JISB 0906に制定された振動評価基準値を引用し、シビアリティの範囲区分とこれをもとにして設備状態を判定する例を記載している。また、発生振動数もしくは回転数と振動値から、線図をもとに判定する方法を図3・45〜48に示している。さらに、設備の種類により重みづけをして判定する基準を図3・50に示しており、有効振動値=測定値×サービス係数として使用限界を決定している。
牧修市著「振動法による設備診断の実際」(日本プラントメンテナンス協会 1993年初版発行、p135〜151)
しかしながら、有効振動値(以下、異常点となる振動値とする)を発見した後、故障の兆候を発見してから故障が発生するまでの振動値の上昇にはバラツキがあり、保全処置を実施するまでに許容される期間を予測することが困難であった。さらに、故障の兆候を発見してから故障を予測するのでは保全処置を実施するまでの期間が短く、プラントの停止周期に合致させて保全処置を行うことができないという問題点があった。
本発明者らは上記事実を鑑みて、ベアリングの振動値の推移を詳細に分析することにより、従来の故障の兆候が発生する前、即ち、異常点を発見する前の時点におけるベアリングの欠陥を検出し、ベアリングの保全を計画する方法を提供する。これにより、ベアリングの故障までの寿命を長期間残した状態で保全計画を立案することを可能にし、プラントの停止時期に併せて保全を実施できる保全計画方法を提案する。
本発明者等は、鋭意検討の結果、回転機器に使用するベアリングに故障の兆候が発生する前の時点において振動値が変化する現象を検出することにより、上記課題を達成することができることを見出した。
すなわち、本発明は、回転機器に使用するベアリングの保全を計画するに際し、該ベアリングについて、振動加速度の10kHz〜40kHzにおける最大値(HPレンジ)、10kHz〜40kHzにおける平均値(HAレンジ)、および5Hz〜40kHzにおける平均値(Mdレンジ)の3つの値を振動値として定期的に測定し、HPレンジ、およびHAレンジのうち少なくとも1つの振動値が、同じレンジで前回測定した振動値に対して、2倍以上の値となる点を変化点として検出した後更に、HPレンジ、HAレンジ、およびMdレンジのうち少なくとも1つの振動値が、同じレンジで測定した振動値から求められる下記式(I)を満足した点を異常点として検出し、この異常点を満足した振動値のレンジの種類により、該ベアリングの保全期間を決定することを特徴とするベアリングの保全計画方法である。
異常点の振動値≧(変化点前の振動値の累積平均値+3σ)×A (I)
σ=標準偏差、A=1.0〜2.0
本発明によれば、ベアリングの故障時期よりも早くから保全計画を立案することができるため、プラントの定期補修時期に合わせた保全の実施が可能となる。これにより、プラントの運転中に設備を停止させる必要が無くなり、生産の機会損失や製品ロスの発生を防止することが可能となる。また、保全計画を早期に立案できるため、信頼性の高い保全を行うことができる。更に、本発明においては、異常点を検出後、詳細に振動値を測定し、ベアリングの保全期間を決定した保全計画を立案することにより、より信頼性の高い保全が可能となる。
以下、本発明の回転機器に使用するベアリングの保全計画を立案する好適実施形態について詳述する。
本発明は、回転機器に使用するベアリングの保全を計画するものである。
本発明の保全計画方法が適用される回転機器に使用するベアリングとは、通常のプラントで使用されている回転機器に使用されるもので、その型式に制限されること無くすべてのものが適用できる。一般にベアリングは転動体の種類により、玉軸受(ボールベアリング)ところ軸受(ローラーベアリング)に分けられる。玉軸受としては、例えば深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、複列アンギュラ玉軸受、組合せアンギュラ玉軸受、自動調心玉軸受、スラスト玉軸受、複式平面座スラスト玉軸受があり、ころ軸受としては、例えば円筒ころ軸受、複列円筒ころ軸受、針状ころ軸受、円錐ころ軸受、自動調心ころ軸受、スラスト円筒ころ軸受、スラスト自動調心ころ軸受などが好適に使用される。さらに、ゴムシールや鋼板製シールドを装着し、あらかじめグリースを封入してある他密封型ベアリングも好適に使用される。また、ベアリングの材質としては、高炭素クロム軸受鋼を代表とする高・中炭素合金鋼、はだ焼鋼(浸炭鋼)、モリブデン系の高速度鋼やタングステン系の高速度鋼を使用する耐熱軸受鋼、ステンレス鋼を使用する耐食軸受鋼、高周波焼入鋼等が好適に使用される。
本発明において、前記ベアリングは、定期的な振動値の測定を行うことが重要である。通常、振動値の測定は、振動値の経時変化を管理する傾向管理にて行う。具体的な振動値の傾向管理の方法としては、運転中に常時監視(オンライン)による振動値測定又は1ヶ月に1回若しくは1週間に1回といった一定間隔で振動値を測定する定期監視(オフライン)が挙げられる。尚、前記ベアリングについて、常時監視または定期監視の選択、定期監視の間隔の決定等は、ベアリングが使用されている回転機器の重要性により適宜決定してやればよい。
本発明において、運転中に常時監視(オンライン)による振動値測定を行うための手段は、設備の特性、回転機器の重要性等により決定するものであり特に制限されるものではないが、振動測定装置を対象機器に設置し、常時、振動値を測定して定期的にモニタリングを行うための設備を設置する方法が好適である。より具体的には、市販の振動測定装置であるNKK製設備保全管理システムやJFE製CMS−5000を対象機器に設置し、常時、振動値を測定して定期的にモニタリングを行う方法が好適である。
また、定期監視(オフライン)による振動値測定を行うための手段についても、設備の特性、回転機器の重要性により決定するものであり特に制限されるものでは無いが、振動測定装置を使用して対象機器の振動を測定し、定期的に振動値を測定して傾向管理を実施する方法が好適である。例えば、市販の振動測定装置であるアンリツ製マシンチェッカーをベースマシンとして、現場で測定したデータをパーソナルコンピュータに転送し、システムプログラムによりデータの保存・管理を行うシステムを使用して、振動の傾向管理を実施する方法が好適に用いられる。
本発明において、定期的に測定する振動値は、前記手段により得られる振動度のデータとして、変位値、速度値、加速度値を採用することができる。中でも振動加速度値を採用することが好ましい。具体的には、振動加速度の10kHz〜40kHzにおける最大値(HPレンジ)、10kHz〜40kHzにおける平均値(HAレンジ)、および5Hz〜40kHzにおける平均値(Mdレンジ)を振動値とすることが好ましい。
本発明において、測定する振動値の測定方向としては、水平方向、垂直方向及び軸方向の3方向の中から、水平方向又は垂直方向又は水平方向と垂直方向の両者のいずれかを選定することができる。軸方向については、ベアリングの遠心力による振動を抽出することができないため好ましくない。
本発明の最大の特徴は、前記ベアリングについて、前記手段により振動値を定期的に測定し、前回測定した振動値に対して、測定した振動値が2倍以上の値となる点を変化点として検出し、この変化点を該ベアリングの異常発生として捉え、変化点を検出した日から該ベアリングの保全を計画することである。このように定義した変化点を異常発生として捉えることにより、信頼性が高く、無駄のないベアリングの保全を行うことができる保全計画が立案できる。尚、ベアリングの保全とは、一般的にベアリングの取替えを意味するものである。
本発明において、前記変化点を検出する際に測定する振動値は、振動加速度値を採用することが好ましい。具体的には、振動加速度の10kHz〜40kHzにおける最大値(HPレンジ)、10kHz〜40kHzにおける平均値(HAレンジ)、および5Hz〜40kHzにおける平均値(Mdレンジ)の3つ全て、またはこれらのうち2つ、またはこれらの1つを、変化点を検出する際の振動値として採用することが好ましい。中でも、HPレンジおよびHAレンジを振動値とすることが好ましく、特に、より明確に変化点を検出するためには、HPレンジを振動値とすることが好ましい。
尚、変化点を検出するに際し、複数種類の振動値を測定している場合、例えば、前記のHPレンジおよびHAレンジを振動値とする場合には、これら振動値のうち少なくとも一つの振動値が、前回測定した振動値に対して、2倍以上の値となる点を変化点とする。この場合、振動値を比較するのは、当然のことながら同じレンジで測定した振動値である。また、具体的に、測定した振動値が変化点となる場合の例を示すと、5回目に測定したベアリングの振動値が変化点に該当するか否かを判断する場合には、4回目に測定した振動値に対して、5回目に測定した振動値が2倍以上であれば、5回目の測定点が変化点とする。
本発明において、前記変化点の検出はマクロ評価を実施することが好ましい。ここでいうマクロ評価とは定期的な間隔で変化点の発生の有無を評価し余寿命予測(保全の限度期間を決定する)を実施する方法をいう。定期的な間隔としては、回転機器の重要度、使用頻度等により適宜決定してやればよく、例えば1日に1回、1週間に1回、1ヶ月に1回若しくは数ヶ月に1回といった間隔をいう。尚、常時監視を行う場合には、前記定期的な間隔は、振動値をモニタリングする間隔を示す。さらに、変化点の感知はコンピュータのシステムに自動検出のプログラムを取り込んで実施することも、人が記録を見て実施することもでき、その手法について制限されることはない。
本発明において、前記変化点は、前回測定した振動値に対して、測定した振動値が2倍以上となる測定点でなければならない。前回測定した振動値に対して、測定した振動値が2倍未満である場合には、継続して使用しても安定した状態を長期に保つことができ、ベアリングの異変を読み取る値として使用することができない。また、変化点を決定する際に、前回測定した振動値に対して、測定した振動値の上限値は、特に制限されるものではないが、前回測定した振動値に対して10倍以上の値であれば、異物の噛み込み等の通常の運転状態とは異なった故障が考えられる。この場合は、早急にベアリングの保全を行うものとする。
本発明は、前記方法により変化点を検出し、該変化点をベアリングの異常発生として捉え、ベアリングの保全を計画するものである。前記方法により変化点を検出した日からベアリングの保全を計画するため、従来の基準値(後記に詳述する異常点)を異常発生として捉えた場合よりも速い時点で保全の計画を立案することが可能となり、プラントの定期補修に併せてベアリングの保全を行うことが容易となる。
本発明者等の調査によると、プラント内で使用する回転機器のベアリングにおいて、前記変化点から異常点を検出するまでの期間は、噛み込み等の特別な異常が発生したものを除き、種々のベアリングについて少なくとも6ヶ月以上、85%以上のベアリングで1年以上の期間を有した。この変化点においてベアリングの保全を計画すれば、従来の異常点から故障発生までの期間に、変化点から異常点までの期間を加算したものを保全処置までの期間とすることができる。例えば、異常点から故障点までの期間が6ヶ月であったとしても、85%以上のベアリングは変化点から異常点までの期間が1年であるため、ベアリングで故障まで1年6ヶ月の期間について継続使用が可能である。すなわち、変化点において次回の保全計画し、予備品の手配を実施すれば、次回の定期補修時に設備の保全を実施することができ、ベアリングについて効率よくかつ信頼性の高い保全を行うことができる。
本発明のベアリングの保全計画において、前記ベアリングの保全の限度期間は、変化点を検出した日から3年とすることが好ましい。後記に詳述する振動値の異常点が検出されない場合にも、ベアリングの保全の限度期間は、信頼性の高い保全を計画するためには変化点を検出した日から3年とすることが好ましい。ベアリングの保全の限度期間を振動値の変化点を検出した日から3年と計画することにより、信頼性が高く、プラントの定期補修時に併せたベアリングの保全が可能となる。より信頼性を高めるためには、前記限度期間を2年とすることが好ましい。また、前記限度期間の最短期間は、振動値の変化点を検出した日以降であれば特に制限されるものではないが、後記の異常点を検出した日以降にすることで効率の良い経済的なベアリングの保全を行うことができる。
本発明のベアリングの保全計画において、より効率よくベアリングの保全期間を決定するためには、該ベアリングについて、振動加速度の10kHz〜40kHzにおける最大値(HPレンジ)、10kHz〜40kHzにおける平均値(HAレンジ)、および5Hz〜40kHzにおける平均値(Mdレンジ)の3つの値を振動値として定期的に測定し、HPレンジ、およびHAレンジのうち少なくとも1つの振動値が、同じレンジで前回測定した振動値に対して、2倍以上の値となる点を変化点として検出した後、更に、HPレンジ、HAレンジ、およびMdレンジのうち少なくとも1つの振動値が、同じレンジで測定した振動値から求められる下記式(I)を満足した点を異常点として検出し、この異常点を満足した振動値のレンジの種類により、該ベアリングの保全期間を決定することが好ましい。
異常点の振動値≧(変化点前の振動値の累積平均値+3σ)×A (I)
σ=標準偏差、A=1.0〜2.0
本発明は、前記異常点を満足する振動値のレンジの種類により、該ベアリングの保全期間を決定することによって詳細な保安計画を立案することができる。
本発明において、前記異常点を検出する際に用いる変化点前の振動値の累積平均値とは、最初に測定した振動値から、変化点前の振動値の平均値を求めたものである。尚、異常点を検出する際の振動値は、当然のことながら同一レンジの振動値を使用する。
本発明において、前記異常点を検出する際に用いる係数のA値は、設備の重要性により決定されるが、好ましくは1.0から2.0、さらに好ましくは1.2から1.5である。1.0より小さい場合は過度の管理になる、一方2.0より大きい場合は異常点の検出が遅れ、故障点までの期間が短くなってしまい好ましくない。
本発明においては、変化点を検出した後、前記異常点の検出はミクロ評価を実施することが好ましい。ミクロ評価とは、振動値の測定の都度、異常点の有無を評価する方法をいう。この方法を採用することにより、より信頼性の保全の計画を立案することができる。 尚、前記異常点は、定期的に測定した振動値が上記式(I)を最初に満足した測定点とする。
本発明のベアリングの保全計画方法は、前記異常点を満足した振動値のレンジの種類によって、該ベアリングの保全の期間を決定することが好ましい。つまり、異常点を満足した振動値のレンジの種類により、保全を計画するベアリングのレベル分けを行い、各レベルに応じて保全期間を決定することが好ましい。こうすることにより、より信頼性が高く、効率のよい保全計画を立案することが可能となる。
本発明のベアリングの保全計画方法において、異常点を検出した際の保全期間の決定方法を、図3を用いて説明する。
例えば、異常点を検出して最も長期間使用できるものとして、振動加速度10kHz〜40kHzにおける最大値(HPレンジ)のみが異常点を満足する場合には、保全の期間は、変化点を検出した日から3年を超えない期間で、異常点を検出した日から240日以内と決定することが好ましい。本発明においては、この異常点を検出した日には既に予備品等の手配を済ませているため、プラントの定期補修時に併せてベアリングの保全を行うことも可能となる。
また、異常点を満足する振動値が、中程度のレベルとなる振動加速度10kHz〜40kHzにおける平均値(HAレンジ)を含む場合、即ち、HAレンジのみ、HAレンジとHPレンジの振動値が異常点を満足する場合には、保全の限度期間は、変化点を検出した日から3年を超えない期間で、異常点を検出した日から180日以内と決定することが好ましい。
更に、異常点を満足する振動値が、最も厳しいレベルである振動加速度の5Hz〜40kHzにおける平均値(Mdレンジ)を含む場合、即ち、Mdレンジのみ、MdレンジとHPレンジ、MdレンジとHAレンジ、全てのレンジの振動値が異常点を満足する場合には、保全の限度期間は、変化点を検出した日から3年を超えない期間で、異常点を検出した日から120日以内と決定することが好ましい。
以上の通り、異常点を検出した際に、異常点を満足したレンジの種類によりベアリングの保全期間を決定することにより、より細分化された効率的であり、信頼性の高い保全を計画することができる。
本発明のベアリングの保全計画について、縦軸に振動値、横軸に時間を示す傾向管理グラフ(図1)を用いてその流れを説明する。本発明は、図1に示した変化点を検出した時点でベアリングの保全計画を立案する。この時点で保全計画を立案することにより、故障よりもかなり早い時点での準備が可能となる。その後、HPレンジ、HAレンジ、Mdレンジの振動値によって異常点を検出する。この異常点を検出した際のレンジの種類により、ベアリングの保全期間を決定することにより、より信頼性の高い保全計画を立案することができる。尚、各レンジにおいて、異常点と決定した振動値に対して、振動値の値が3倍以上となる点を故障が発生したものとして図1に故障点として示した。
本発明において、定期的なモニタリングによる傾向管理において異常が発生した場合には、現場でFFT周波数解析ソフトが内蔵された装置を使用して、機器に発生した異常の解析を行うことにより、振動の傾向管理と併用して余寿命評価を行うことが好ましい。
また、本発明においては、回転機器に用いられるベアリングを、その使用頻度、重要性、特性等により各管理レベルに分類分けを行い、その管理レベルに応じて保全計画を立案することが好ましい。管理レベルを分類分けして保全計画を立案し、保全カレンダー作成工程をさらに加え、ベアリングの保全管理を行うことにより、ベアリング管理の精度をより向上させることができる。
以下、本発明について実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1、実施例2
工場内で実際に使用されているベアリング15個について、常時監視(オンライン)により振動データ(HPレンジを振動値とする)の測定を行い、定期的にモニタリングを実施した。その結果を示したのが表1である。表1には、前回測定した振動値と、測定した振動値(変化点)を示し、その比率(前回測定した振動値÷測定した振動値)を変化率として表示している。いずれのベアリングに関しても2以上の変化率が発生し、変化点として捉えることができている。尚、表1の初期平均振動値は、変化点前の振動値の累積平均値を示すものである。
表1には、振動の値が大きく上昇した点すなわち変化点の検出日を変化検出日として示し、異常点を検出した日を異常検出日として示し、さらに、変化検出から異常検出までの期間(日)を示している。変化点から異常点までの期間は85%以上の機器について1年以上であることがわかる。さらに、各ベアリングについては、異常点発生から交換までの期間に示す日数で交換を実施している。また、表にはこれらのベアリングを分解し、損傷の程度を調査して、傷の程度を「極小」「小」「中」「大」に分けて記載している。異常点の発生から長期間使用するほど、傷の程度が大きくなっている。表1において、変化点〜異常点の期間と異常点〜交換の期間の合計期間が、変化点を検出してから交換までの期間でとなる。
実施例3
異常点の発生から1年以上の期間に渡って使用したベアリング30個の振動値の変動を調査し、故障の発生割合を記載したものを図4、図5、図6、図7に示した。尚、異常点と決定した振動値に対して、測定した振動値が3倍以上となった時点のものを故障が発生したものとした。
図4は、振動加速度のHPレンジについての異常点発生から故障発生に至るまでの経過期間を割合で示したものである。240日を経過した時点から故障値の発生が見られ、87%については365日以上の期間を有する。即ち、HPレンジの振動値が異常点を超えたベアリングについては、保全期間を240日以内と決定することにより、信頼性の高い保全を行うことができる。
図5は、振動加速度のHAレンジのみ又は[HA・HP]レンジについての異常点発生から故障発生に至るまでの経過期間を割合で示したものである。180日を経過した時点から故障値の発生が見られ、71%については365日以上の期間を有する。即ち、HAレンジを含む振動値が異常点を超えたベアリングについては、保全期間を180日以内と決定することにより、信頼性の高い保全を行うことができる。
図6は、振動加速度のMdレンジについての異常点発生から故障発生に至るまでの経過期間を割合で示したものである。120日を経過した時点から故障の発生が見られ、71%については365日以上の期間を有する。図7は、振動加速度の[Md・HP]レンジ又は[Md・HA]レンジ又は[すべて]についての異常点発生から故障発生に至るまでの経過期間を割合で示したものである。120日を経過した時点から故障の発生が見られ、71%については365日以上の期間を有する。即ち、Mdレンジを含む振動値が異常点を超えたベアリングについては、保全期間を120日以内と決定することにより、信頼性の高い保全を行うことができる。
Figure 0004437738
ベアリングの傾向管理グラフ ベアリングの保全計画を決定するロジック図の一例 変化点を検出した後、異常点を検出した際に保全の期間を決定するロジック図の一例 実施例3において、HPレンジのみが異常点を満足する場合の故障が発生する割合と期間を示した棒グラフ 実施例3において、HAレンジを含む振動値が異常点を満足する場合の故障が発生する割合と期間を示した棒グラフ 実施例3において、Mdレンジのみが異常点を満足する場合の故障が発生する割合と期間を示した棒グラフ 実施例3において、Mdレンジを含む振動値が異常点を超えた場合の故障が発生する割合と期間を示した棒グラフ

Claims (1)

  1. 回転機器に使用するベアリングの保全を計画するに際し、該ベアリングについて、振動加速度の10kHz〜40kHzにおける最大値(HPレンジ)、10kHz〜40kHzにおける平均値(HAレンジ)、および5Hz〜40kHzにおける平均値(Mdレンジ)の3つの値を振動値として定期的に測定し、HPレンジ、およびHAレンジのうち少なくとも1つの振動値が、同じレンジで前回測定した振動値に対して、2倍以上の値となる点を変化点として検出した後更に、HPレンジ、HAレンジ、およびMdレンジのうち少なくとも1つの振動値が、同じレンジで測定した振動値から求められる下記式(I)を満足した点を異常点として検出し、この異常点を満足した振動値のレンジの種類により、該ベアリングの保全期間を決定することを特徴とするベアリングの保全計画方法。
    異常点の振動値≧(変化点前の振動値の累積平均値+3σ)×A (I)
    σ=標準偏差、A=1.0〜2.0
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