JP4437722B2 - ルーレット装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ルーレット盤上でボールの転動を行うとともに、配置された複数のマークに対応したボール収納部にボールを収納させるルーレット装置において、コンプレッサで圧縮した空気をボール収納部とバンク通路より吐出する際に、特にバンク通路からの吐出に関して空気を2方向より切り換えて吐出させることにより、多彩なボールの転動態様を提供可能としたルーレット装置に関する。
ルーレットゲーム機等の遊技媒体としてメダルを使用する所謂メダルゲームは、遊技者がメダル貸出機で複数のメダルを購入あるいは借用し、このメダルを遊技機に投入することにより開始することができるゲームであり、遊技者がゲームに勝てば、所定の枚数のメダルが払い出されるものである。従って、多数のメダルを獲得することができた遊技者は、新たにメダルを購入あるいは借用することなく、継続してゲームを楽しむことができる。
ここで、特に上記ルーレットゲーム機は、遊技者がルーレット盤上に配置されたマーク(数字)を選択すると、ルーレット盤が回転し、投入されたボールがルーレット盤内を転がる。そして、ルーレット盤の回転が弱まり、ボールがルーレット盤内のいずれかの溝に収容保持されると、プレーヤの選択したマーク(数字)と、ボールが収容されたマーク(数字)とが一致(入賞)したか否かが判定される。ここで同じマーク(数字)の溝に収容保持されている(当たり)と判定された際には、所定の倍率でメダルがプレーヤに払い戻しされる。
そして、従来、前記ルーレットゲーム機では、前回のゲームに使用されたボールを再度ルーレット盤上へと発射する為に、一旦ルーレット盤から回収するボール回収機構が設けられている。そして、ボール回収機構により回収されたボールは常にルーレット盤に対して同一態様により投入されていた。例えば、特開平8−229191号公報に示すように、回転側ウイルの各ボール収容部にボール通過孔を形成するとともに、固定側ウイルにボール通過孔を閉鎖するフランジを形成し、フランジの一部に切欠部に形成する。そして、その切欠部にソレノイドの駆動に伴い切欠部を開閉する開閉プレートを設け、ボールを回収する際には切欠部が開放することにより、回転側ウイルを持ち上げる機構を設けずに、ウイルからボールを落下させ、バケットを小型化可能にしたルーレットゲーム機が記載されている。
特開平8−229191号公報(第3頁〜第5頁、図4〜図6)
しかしながら、前記した特許文献1に記載されたルーレットゲーム機においては、ウィルの下方にウィルから回収されたボールを一旦収容し、ウィル上に再度打ち出すための複雑な機構が必要となっていた。
また、各ボール収容部にはボール通過孔を開閉するシャッター等の可動部分が必要となる為、コストアップを招くとともに可動部分の不具合等によりゲームがストップする虞が高く、更に、装置のメンテナス作業が煩雑なものとなっていた。更に、各ボール収容部にボール通過孔を形成する必要があるので、ボール収容部は一定以上の深さが必要となり、ボール収容部に収容されたボールの一部がウィル上から埋没することとなっていた。一方で、ウィルには、回収したボールをルーレット盤上へ発射する発射口を形成する必要があるので、ウィルは所定以上の高さが必要となっていた。
また、このように回収されたボールは、通常ウィル上又はウィル内部に設けられたボール発射装置によりボールの投入が行われるが、その投入は常に同一地点から同一方向に対して行っていた。従って、各ゲームにおけるボールの転動態様についてほとんど変化が見られず、長時間ゲームを行うと遊技が単調となり、遊技者を飽きさせることとなっていた。
本発明は、前記従来の問題点を解消するためになされたものであり、圧縮された空気をボールに対して吐出することにより、ルーレット盤上からボールを回収することなく繰り返し転動させることが可能となるので、ボールを回収する為の可動部等や発射装置等の複雑な機構を必要とすることなく、メンテナンス作業が容易となるとともに装置のコストダウンが可能なルーレット装置を提供することを目的とする。
また、空気を異なる方向に切り換えて吐出することによりボールの転動態様を多様にし、遊技者を飽きさせることのないルーレット装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため請求項1に係るルーレット装置は、複数のマークが配置されたルーレット盤(例えば、ルーレット盤12)と、前記ルーレット盤上を転動するボール(例えば、ボール11)と、前記複数のマークに対応して前記ルーレット盤の周方向に形成され、前記ボールが収納される複数のボール収納部(例えば、ボール収納溝23)と、前記ルーレット盤のボール収納部に対して外周縁側に無端状に周設され、前記ボールが円周軌道を描きながら転動するバンク通路(例えば、バンク通路29)と、を有するルーレット装置(例えば、ルーレット装置2)において、空気を圧縮するコンプレッサ(例えば、コンプレッサ14)と、前記ボール収納部に設けられ、前記コンプレッサにより圧縮された空気を前記バンク通路に向かって吐出する投射用吐出口(例えば、第1吐出口35)と、前記バンク通路に設けられ、前記コンプレッサにより圧縮された空気を前記バンク通路の周方向に向かって吐出する回転用吐出口(例えば、第2吐出口36A、第3吐出口36B)と、を備え、前記回転用吐出口は、前記バンク通路の一方の周方向に向かって空気を吐出する第1回転用吐出口(例えば、第2吐出口36A)と、前記バンク通路の他方の周方向に向かって空気を吐出する第2回転用吐出口(例えば、第3吐出口36B)と、から構成され、前記回転用吐出口を前記第1回転用吐出口と前記第2回転用吐出口との間で切り換える吐出口切換手段(例えば、CPU80、S27、S31)を有することを特徴とする。
また、請求項2に係るルーレット装置は、請求項1に記載のルーレット装置(例えば、ルーレット装置2)において、前記ルーレット盤(例えば、ルーレット盤12)上で前記ボール(例えば、ボール11)を転動させるとともに、所定時間経過後に転動するボールをボール収納部(例えば、ボール収納溝23)に収納させるまでを一ゲームとして当該ゲームが繰り返されて継続され、前記吐出口切換手段(例えば、CPU80、S27、S31)は、前記ルーレット装置により行われた前記ゲームの数に基づいて前記回転用吐出口(例えば、第2吐出口36A、第3吐出口36B)を切り換えることを特徴とする。
また、請求項3に係るルーレット装置は、請求項1又は請求項2に記載のルーレット装置(例えば、ルーレット装置2)において、前記ルーレット盤(例えば、ルーレット盤12)上で前記ボール(例えば、ボール11)を転動させるとともに、所定時間経過後に転動するボールをボール収納部(例えば、ボール収納溝23)に収納させるまでを一ゲームとして当該ゲームが繰り返されて継続され、前記第1回転用吐出口(例えば、第2吐出口36A)及び第2回転用吐出口(例えば、第3吐出口36B)により吐出される空気の空気圧を調整する空気圧調整装置(例えば、第2開閉弁19、第3開閉弁20)と、前記ゲーム中において前記空気圧調整装置を制御する制御手段(例えば、CPU80)と、を有することを特徴とする。
請求項1に係るルーレット装置では、複数のマークが配置されたルーレット盤上を転動するボールが収納されるボール収納部に、コンプレッサにより圧縮された空気をバンク通路に向かって吐出する投射用吐出口と、バンク通路の周方向に向かって吐出する回転用吐出口とを設け、回転用吐出口を第1回転用吐出口と第2回転用吐出口との間で切り換えるので、ルーレット盤上からボールを回収することなく繰り返しバンク通路に沿って転動させることが可能となり、ボールを回収する為の可動部等や発射装置等の複雑な機構を必要とすることなく、メンテナンス作業が容易となるとともに装置のコストダウンが可能である。また、ボール収納部の必要深さ、及びルーレット盤の必要高さをそれぞれ小さくすることができるので、遊技者のボールの確認作業が容易となり、遊技性が向上する。
更に、ボールが転動を開始する地点は、前回のゲームでボールが収納された場所によって毎回変化し、更に、ルーレット盤上を転動する際に、バンク通路に沿ってボールが回転する回転方向を切り換えるので、ボールの転動態様を多彩に変化させることができる。従って、遊技者が長時間遊技を行っている場合であっても、遊技が単調になることなく、遊技者を飽きさせることがない。
また、請求項2に係るルーレット装置では、ルーレット装置により行われたゲームの数に基づいて回転用吐出口を切り換えるので、ボールがルーレット盤上を転動する際に、バンク通路に沿ってボールが回転する回転方向をゲーム単位で切り換えるので、各ゲーム毎にボールの転動態様を多彩に変化させることができる。従って、遊技者が長時間遊技を行っている場合であっても、遊技が単調になることなく、遊技者を飽きさせることがない。
また、請求項3に係るルーレット装置では、第1回転用吐出口及び第2回転用吐出口により吐出される空気の空気圧を調整する空気圧調整装置を設け、ゲーム中において空気圧調整装置を制御するので、ボールの回転速度をアナログ的に調整することが可能である。従って、従来にはないボールの多彩な動きを実現可能であり、遊技者を飽きさせることがない。
以下、本発明に係るルーレット装置を備えたルーレットゲーム機1について具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
尚、ルーレットゲーム機1とは、遊技者がルーレット装置2で決定される数字等を予想し、予想した数字等に所持するメダル等の遊技媒体をベットする。そして、ベットした数字等が当選したとき、遊技者が所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる遊技機である。
先ず、本実施形態に係るルーレットゲーム機1の概略構成について図1に基づき説明する。図1は本実施形態に係るルーレットゲーム機の概略構成を示す外観斜視図である。
図1に示すように、ルーレットゲーム機1は、本体部分となる筐体3と、筐体3の上面の略中央部に設けられたルーレット装置2と、ルーレット装置2の周囲にルーレット装置2を取り囲むようにして設置された複数個(本実施形態では10個)のサテライト4とから基本的に構成されている。
ここでサテライト4とは、少なくとも、貨幣や遊技に使用するメダル等の遊技媒体を投入するメダル投入口5と、遊技者により所定の指示が入力される複数のコントロールボタン等からなるコントロール部6と、ゲームに係る画像を表示させる画像表示装置7とを有する遊技領域である。そして、遊技者が画像表示装置7に表示される画像を見ながら、コントロール部6等を操作することにより、展開されるゲームを進行させることができる。
また、各サテライト4が設置された筐体3の側面には、メダル払出口8がそれぞれ設けられている。更に、各サテライト4の画像表示装置7の右上には音楽、効果音等を流すスピーカ9が設けられている。
そして、メダル投入口5の内部にはメダルセンサ(図示せず)が設けられており、メダル投入口5より投入されたメダル等の遊技媒体の識別を行うとともに、投入されたメダルをカウントする。また、メダル払出口8の内部にはホッパー(図示せず)が設けられており、所定枚数のメダルをメダル払出口8から払い出す。
次に、本実施形態に係るルーレット装置2の構成について図2乃至図6を用いて説明する。図2は本実施形態に係るルーレット装置を示す斜視図、図3は本実施形態に係るルーレット装置を示す平面図、図4は図3の線A−Aでルーレット装置を切断した矢視断面図である。図5は本実施形態に係るルーレット装置のボール収納溝付近を拡大して示した斜視図である。図6は本実施形態に係るルーレット装置のバンク通路付近を拡大して示した斜視図である。
図2に示すように、ルーレット装置2は、ゲーム中にボール11が転動する転動領域を有するルーレット盤12と、ルーレット盤12をルーレットゲーム機1内部で支持する支持台13と、周囲の空気を取り込むとともに所定圧力に圧縮するコンプレッサ14と、コンプレッサ14により圧縮した空気を送るエアチューブ15、16、17と、各エアチューブ15、16、17の中間点にそれぞれ設けられエアチューブ15、16、17を流れる空気の圧力を調整する第1開閉弁18、第2開閉弁19、第3開閉弁20とから基本的に構成されている。
また、支持台13は金属製の柱を複数本組み合わせることにより形成された略長方形状を有する台であり、上面の角部に計4箇所設けられた固定具41よりルーレット盤12を所定の高さに固定している。
また、コンプレッサ14は、支持台13に形成された内部空間に配置され、周囲の空気を取り込むとともに所定圧力(本実施形態では1Mpa)に圧縮する装置である。そして、本実施形態に係るコンプレッサ14は、圧縮した空気を吐出する吐出ノズル42を3箇所備えており、各吐出ノズル42にそれぞれエアチューブ15、16、17が接続されている。
エアチューブ15、16、17は、コンプレッサ14により圧縮された空気をルーレット盤12に形成された第1吐出口35、第2吐出口36A及び第3吐出口36Bへと搬送する為のチューブであるが、その中間点には第1開閉弁18、第2開閉弁19及び第3開閉弁20が設けられている。また、エアチューブ16は、第2開閉弁19の下流側に設けられた分配器101によって4本のエアチューブ102〜105に分割されて、それぞれが後述の第2吐出口36Aに接続されている。エアチューブ17は、第3開閉弁20の下流側に設けられた分配器106によって4本のエアチューブ107〜110に分割されて、それぞれが後述の第3吐出口36Bに接続されている。
ここで、第1開閉弁18、第2開閉弁19及び第3開閉弁20は、電磁バルブであって、開弁時間を調整することができる構造のものである。そして、第1開閉弁18、第2開閉弁19及び第3開閉弁20はメイン制御用CPU80に接続されており(図9参照)、メイン制御用CPU80はROM81に予め記憶されたプログラムに従って後述のように開閉時間を制御する。それにより、第1開閉弁18、第2開閉弁19及び第3開閉弁20から吐出される空気圧を調整し、ルーレット盤12上において、ボール11を転動させ、所定時間経過後にボール収納溝23に収納させる一連の動作を行う。
続いて、本実施形態に係るルーレット盤12について説明する。ルーレット盤12は支持台13に固定される枠体21と、枠体21の内側に回転可能に収納支持された回転円盤22とから基本的に構成されている。そして、回転円盤22上面には凹状のボール収納溝23が周方向に多数(本実施形態では38個)形成されている。
ボール収納溝23は、転動するボール11を収納する収納部であり、略三角形状を有する仕切壁23A(図5参照)によって互いに仕切られている。更に、各ボール収納溝23の外方向における回転円盤22の上面には、各ボール収納溝23と対応するように図形文字としての「0」、「00」、「1」〜「36」の各数字が表示された番号表示板24が設けられている。
また、ルーレットゲーム機1に設置される際には、ルーレット盤12の上方全体が半球状のガラス製のカバー部材25により覆われる(図1参照)。それにより、ゲームの際にルーレット盤12上を転動するボール11がルーレット盤12より外へ飛び出さないように保持することができる。また、異物等がルーレット盤12内に侵入することを防止し、不正行為等が行われないようにする。
また、ルーレット盤12においてボール11がゲーム中に実際に転動する転動領域は、枠体21及び回転円盤22により形成された傾斜面28と、傾斜面28と一体に形成された後述のバンク通路29とから為る。傾斜面28は、枠体21の内周縁側に形成された第1傾斜面28Aと、回転円盤22の外周縁側に形成された第2傾斜面28Bとにより形成され、所定角度(本実施形態では20度)によりルーレット盤12の外周から中心方向へと下降して傾斜されている。また、傾斜面28を介してボール収納溝23と後述のバンク通路29が連続して形成されている。
一方、枠体21の外周縁部にはバンク通路29が周設されている。バンク通路29は、ルーレット盤12において転動するボール11の遠心力に抗してガイドし、ボール11を円周軌道を描いて転動させる通路である。また、バンク通路29はルーレット盤12の外周に垂直方向に立設された案内壁30によって、ルーレット盤12に対して無端状に形成されており、更に、その上端にはバンク通路29と連続して壁部31が形成されている。壁部31は、バンク通路29上を回転運動するボール11がルーレット盤12より外へと飛び出すことを防止する為に設けられた防止部材である。
そして、後述の第1吐出口35、第2吐出口36A及び第3吐出口36Bより吐出された空気によって加速力を付与されたボール11は、徐々にスピードを上昇させバンク通路29に沿って回転運動する。一方、第2吐出口36A又は第3吐出口36Bからの空気の吐出が停止されると、ボール11は回転速度が弱まり遠心力を失い、傾斜面28を転がり落ちてルーレット盤12の内側へと向かい、回転する回転円盤22に至る。
そして、回転円盤22に転がって来たボール11は、回転する回転円盤22の番号表示板24上を通っていずれかのボール収納溝23に納まり、ボール11が収容されたボール収納溝23に対応する番号表示板24に記載された数字が当選番号となる。
また、ボール収納溝23を形成する仕切壁23Aの一部が切り欠かれており、投光器32と受光器33とがそれぞれ設けられている(図5参照)。そして、ボール収納溝23を形成する一方の仕切壁23Aの投光器32から射出された光は、他方の仕切壁23Aの受光器33に達するが、当該ボール収納溝23にボール11が入ると光が遮られてボール11の存在を検知することができる。従って、あるボール収納溝23にボール11が入ると、投光器32と受光器33からなる光センサによりボール11の存在が検知され、後述のメイン制御用CPU80(図9参照)に送信される。その結果に基づき、メイン制御用CPU80は当選番号の判定を行う。
一方、ボール収納溝23の傾斜面28に対する深さLは、ボール11の直径Dよりも浅くなるように形成されている。図7は本実施形態に係るボール収納溝を示した模式図である。
前記したように、ボール収納溝23は仕切壁23Aによって周方向に計38個に仕切られたボール11を収納する収納空間である。そして、ボール収納溝23の深さLはボール11の直径Dより浅くなるように構成されているので、図7に示すように、ボール11がボール収納溝23に収納された際に、ボール収納溝23内にボール11が埋没されてしまう虞がなく、ゲーム中にボール収納溝23内に収納されたボール11の位置を遊技者が容易に確認することが可能である。従って、遊技性が向上する。
また、前記したように本実施形態に係るルーレット装置2では、圧縮された空気をボール11に対して吐出することにより、ルーレット盤12上からボール11を回収することなく繰り返し転動させることが可能となるので、ボール11を回収する為の可動部等や発射装置等の複雑な機構を必要としない。また、ボール収納溝23の深さLをボール11の直径Dより浅くすることができる(図7参照)。それにより、図5に示すように、ルーレット盤12の高さhを低くすることが可能となる。従って、ボール11を確認する為のルーレット装置2の視野角αを広くすることが可能であり、遊技者のボールの確認作業が容易となり、遊技性が向上する。
更に、ボール収納溝23とバンク通路29とは、ボール収納溝23よりバンク通路29へと所定の傾斜角度で上昇する一の傾斜面28により連続して形成されているので、遊技者はボール収納溝23に収納されたボール11の確認が容易となる。
次に、ルーレット盤12に設けられた第1吐出口35、第2吐出口36A、第3吐出口36Bについて図5及び図6を用いて説明する。ここで、本実施形態に係るルーレット装置2は、ボール11をルーレット盤12上で転動させる際に、その動力源として圧縮された空気の空気圧を用いる。具体的には、ルーレット装置2の下方に設けられたコンプレッサ14(図2参照)によって、周囲の空気を取り込むとともに所定圧力(例えば、1Mpa)に圧縮し、圧縮した空気をエアチューブ15、16、17を通してルーレット盤12へと搬送する。そして、第1吐出口35、第2吐出口36A、第3吐出口36Bより吐出し、ルーレット盤12内のボール11に対してその空気圧による力を付加させる。
第1吐出口35は、図5に示すようにボール収納溝23を仕切壁23Aとともに形成する回転円盤22の内側壁37に各ボール収納溝23に対応してそれぞれ形成されている。本実施形態では「0」、「00」、「1」〜「36」の各数字に対応した38個のボール収納溝23が形成されており、従って第1吐出口35は38箇所に形成されている。また、第1吐出口35は、ルーレット盤12の中心から円周方向に向けて形成されており、第1吐出口35より吐出された空気はルーレット盤12の外周縁部に設けられたバンク通路29に向かって吐出される。
一方、第1吐出口35が形成された内側壁37の裏側面には円環状の発射用エアパイプ38が設置されている。発射用エアパイプ38は、エアチューブ15と接続されており、その外周上には第1吐出口35が計38箇所に形成されている。従って、エアチューブ15から搬送された空気は一旦発射用エアパイプ38内に流入し、その後、38箇所に設けられた第1吐出口35よりボール収納溝23へ一斉に吐出させる。そして、吐出された空気の空気圧によって、いずれかのボール収納溝23内に収納されているボール11は、傾斜面28の傾斜に抗してバンク通路29方向へと転動を開始する。
また、第2吐出口36A及び第3吐出口36Bは、図3及び図6に示すようにバンク通路29を構成する案内壁30に所定間隔(本実施形態では45度間隔)で交互に4箇所ずつ形成されている。ここで、第2吐出口36A及び第3吐出口36Bは、バンク通路の周方向、即ち、ルーレット盤の接線方向に向けて形成されており、第2吐出口36Aはバンク通路29の時計回り方向に向かって空気を吐出する。一方、第3吐出口36Bはバンク通路29の反時計回り方向に向かって空気を吐出する。そして、後述のメイン制御用CPU80(図9参照)は、ボール11をバンク通路29に沿って転動させる際に、1ゲームおきに第2開閉弁19と第3開閉弁20とを交互に切り換えて開放する(図13参照)。
第2吐出口36Aより空気が吐出された際には、ルーレット盤12のバンク通路29に沿って時計回り方向に流れる空気の層を作り出し、ボール11をバンク通路29の時計回りに転動させる(図17参照)。一方、第3吐出口36Bより空気が吐出された際には、ルーレット盤12のバンク通路29に沿って反時計回り方向に流れる空気の層を作り出し、ボール11をバンク通路29の反時計回りに転動させる(図19参照)。
第2吐出口36Aが形成された案内壁30の裏側面は、エアチューブ102〜105が接続されている。エアチューブ102〜105は、図2に示すようにエアチューブ16が分配器101を介して分割された4本のチューブである。
そして、第2開閉弁19が開放されると、エアチューブ16から搬送された空気は分配器101を通してエアチューブ102〜105内に流入され、4箇所に設けられた第2吐出口36Aより一斉に吐出される。それによって、前記第1吐出口35より吐出された空気に基づいてバンク通路29へと転動したボール11は、バンク通路29に沿って環状に流れる空気の層により時計回り方向に転動を開始する。
一方、第3吐出口36Bが形成された案内壁30の裏側面は、エアチューブ107〜110が接続されている。エアチューブ107〜110は、図2に示すようにエアチューブ17が分配器106を介して分割された4本のチューブである。
そして、第3開閉弁20が開放されると、エアチューブ17から搬送された空気は分配器106を通してエアチューブ107〜110内に流入され、4箇所に設けられた第3吐出口36Bより一斉に吐出される。それによって、前記第1吐出口35より吐出された空気に基づいてバンク通路29へと転動したボール11は、バンク通路29に沿って環状に流れる空気の層により反時計回り方向に転動を開始する。
また、第2吐出口36A又は第3吐出口36Bからの空気の吐出を停止すると、バンク通路29に沿って形成されていた空気の層は消滅し、ボール11は回転速度が徐々に弱まり遠心力を失う。その後、傾斜面28の傾斜に沿って転がり落ちてルーレット盤12の内側へと向かい、回転する回転円盤22に至る。そして、回転円盤22に形成されたボール収納溝23のいずれかに収納される。その後、投光器32及び受光器33による当選番号の検出がなされ、ルーレットゲーム機1は決定された番号と、遊技者がベットしたベット情報に基づいて、メダルの払い出しを行って当該ゲームを終了する。
更に、その後に第1吐出口35より空気を吐出させると、ボール収納溝23内に収納されたボール11は再び転動を開始し、次回のゲームを連続して行うことが可能となる。
以上より、ボール11をルーレット盤12より回収することなく、第1吐出口35と第2吐出口36A、又は第1吐出口35と第3吐出口36Bより吐出する空気の空気圧によってボール11に力を付加し、転動とボール収納溝23への収納とを繰り返し行うことが可能となる。従って、ボール11を回収する為の可動部等や発射装置等の複雑な機構を必要とすることなく、メンテナンス作業が容易となるとともに装置のコストダウンが可能である。更に、第2開閉弁19及び第3開閉弁20の操作によって、第2吐出口36Aと第3吐出口36Bとの間で1ゲームごとに空気を吐出する吐出口を切り換えるので、ボール11のバンク通路29での転動方向をゲームごとに変化させることが可能である。
尚、第1吐出口35、第2吐出口36A及び第3吐出口36Bによるボール11の転動機構についての詳細は後述する。
次に、本実施形態に係るコントロール部6及び画像表示装置7の構成について説明する。
コントロール部6は、図1に示すように画像表示装置7の側部に設けられ、遊技者により操作される各ボタンが配置されている。具体的には、サテライト4に対向する位置から見て左側からBET確定ボタン45、払い戻し(CASHOUT)ボタン46、ヘルプ(HELP)ボタン47が配置されている。
BET確定ボタン45は、後述する画像表示装置7によるベット操作の後にベットを確定する際に押下されるボタンである。そして、ベットが確定され、且つ、遊技中に前記ルーレット装置2においてボール11が納まったボール収納溝23に対応する番号表示板24に記載された番号にベットしていた場合に当選となる。当選した場合には、ベットしたチップの枚数に応じたクレジットが、遊技者の現在所有するクレジットに加算される。尚、ベット操作については後に詳細に説明する。
払い戻しボタン46は、通常、ゲーム終了時に押下されるボタンであり、払い戻しボタン46が押下されると、ゲーム等によって獲得した現在遊技者が所有するクレジットに応じたメダル(通常は1クレジットに対してメダル1枚)がメダル払出口8から払い戻される。
ヘルプボタン47は、ゲームの操作方法等が不明な場合に押下されるボタンであり、ヘルプボタン47が押下されると、その直後に画像表示装置7上に各種の操作情報を示したヘルプ画面が表示される。
一方、画像表示装置7はタッチパネル48が前面に取り付けられた所謂タッチパネル方式の液晶ディスプレイであり、液晶画面上に表示されたアイコンを指等で押圧することによりその選択が可能となっている。図8は遊技中に画像表示装置に表示される表示画面の一例を示した図である。
図8に示すように、ルーレットゲーム機1の遊技中において画像表示装置7には、テーブル式ベッティングボード50を有するBET画面51が表示される。そして、遊技者はBET画面51を操作することによって、手持ちのクレジットを使用してチップをベットすることができる。
以下に、図8に基づいてBET画面51について説明する。BET画面51に表示されるテーブル式ベッティングボード50には、前記番号表示板24に表示された数字「0」、「00」、「1」〜「36」と同じ数字がマス目状に配列表示されている。また、「奇数の数字」、「偶数の数字」、「番号表示板の色の種類(赤又は黒)」、「一定の数字範囲(例えば「1」〜「12」等)」を指定してチップをベットする為の特殊なBETエリアも同様にマス目状に配列されている。
そして、テーブル式ベッティングボード50の下方には画面左から順に、結果履歴表示部55、単位BETボタン56、払い戻し結果表示部57、クレジット数表示部58が表示されている。
結果履歴表示部55は、前回までのゲーム(ここで、1ゲームは、各サテライト4において遊技者がベットを行い、ボール11がボール収納溝23に落下し、当選番号に基づいてクレジットの払い出しが行われるまでの一連の動作をいう。)における当選番号の結果が一覧に表示される。その際、1ゲームが終了すると、新たな当選番号が上から追加して表示されていき、最大16ゲームの当選番号の履歴を確認することが可能となっている。
また、単位BETボタン56は、遊技者が指定したBETエリア(番号及びのマークのマス目上、若しくはマス目を形成するライン上)にベットする為のボタンである。単位BETボタンは1BETボタン56A、5BETボタン56B、10BETボタン56C、100BETボタン56Dの四種類からなる。
遊技者は、先ず、ベットするBETエリアを指等で画面を直接押すことにより、後述のカーソル60でBETエリアを指定する。その状態で、1BETボタン56Aを押下すると、遊技者はチップを1枚毎(1BETボタン56Aを指等で押す毎に「1」→「2」→「3」→・・・の順にベット枚数が増加)にベットする。一方、10BETボタン56Cを押下すると、チップを10枚単位(10BETボタン56Cを指等で押す毎に「10」→「20」→「30」→・・・の順にベット枚数が増加)でベットすることが可能である。尚、5BETボタン56B、100BETボタン56Dの操作も同様である。従って、多量のチップをベットする際にも、その操作を簡略化することができる。
また、払い戻し結果表示部57は、前回のゲームにおける遊技者のチップのベット枚数、及び払い戻しのクレジット数が表示される。ここで、払い戻しクレジット数よりベット枚数を引いた数が、前回のゲームにより遊技者が新たに獲得したクレジット数である。
更に、クレジット数表示部58は、現在の遊技者が所有するクレジット数が表示される。このクレジット数は、チップをベットした際にはそのベット枚数(チップ一枚につき1クレジット)に応じて減少する。また、ベットした番号が当選し、クレジットの払い戻しがなされた場合には、払い戻し枚数分のクレジット数が増加する。尚、遊技者が所有するクレジット数が0となった場合には、遊技終了となる。
そして、テーブル式ベッティングボード50の上部には、BETタイマーグラフ59が設けられている。BETタイマーグラフ59は遊技者がベットすることが可能な残り時間を表示するグラフであり、ゲーム開始時より赤いグラフが徐々に右側に延び始める。そして、最も右側まで延びたときに現在のゲームにおけるベット可能な時間が終了する。また、各サテライト4において遊技者のベット期間が終了した場合、即ち、BETタイマーグラフ59が最も右側まで達した場合に前記第1吐出口35より空気を吐出させ、ボール収納溝23に収納されているボール11の転動を開始させる。
また、テーブル式ベッティングボード50上には、現在遊技者が選択しているBETエリアを示すカーソル60が表示される、また、現時点までにおいてベットしたチップの枚数とBETエリアを示すチップマーク61が表示され、チップマーク61上に表示された数字が、チップのベット枚数を示す。例えば、図8に示すように「18」のマスに置かれた「7」のチップマーク61は、番号「18」に7枚のチップをベットしていることを示している。このように1つ番号のみにベットする方法は「ストレート・アップ」と呼ばれるベット方法である。
また、「5」、「6」、「8」、「9」のマス目の交点に置かれた「1」のチップマーク61は、番号「5」、「6」、「8」、「9」の4つの番号をカバーして1枚のチップをベットしていることを示している。尚、このように4つ番号をカバーしてベットする方法は「コーナー・ベット」と呼ばれるベット方法である。
他にベット方法としては、2つの番号の間のライン上に2つの番号をカバーしてベットする「スプリット・ベット」、番号の横一列(図8中、縦方向の一列)の端に3つの番号(例えば、「13」、「14」、「15」)をカバーしてベットする「ストリート・ベット」、番号「00」と「3」の間のライン上に「0」、「00」、「1」、「2」、「3」の5つの番号をカバーしてベットする「ファイブ・ベット」、番号の横二列(図8中、縦方向の二列)の番号の間に6つの番号(例えば、「13」、「14」、「15」、「16」、「17」、「18」)をカバーしてベットする「ライン・ベット」、「2to1」と書かれたマス目上で12個の番号をカバーしてベットする「コラム・ベット」、「1st12」、「2nd12」、「3rd12」と書かれたマス目上でそれぞれ12個の番号をカバーしてベットする「ダズン・ベット」がある。更に、テーブル式ベッティングボード50の最下段に設けられた6つのマス目を用いて、番号表示板の色(「赤」又は「黒」)、番号の奇数偶数、番号が18以下か19以上かによって18個の番号をカバーしてベットする方法がある。
前記のように構成されたBET画面51で遊技者がベットする際には、先ず、ベットを行うBETエリア(番号及びのマークのマス目上、若しくはマス目を形成するライン上)を画面上で指定して直接指により押圧する。その結果、カーソル60が指定したBETエリアに移動する。
その後、単位BETボタン56の各単位ボタン(1BETボタン56A、5BETボタン56B、10BETボタン56C、100BETボタン56D)を押下することにより、その単位数分のメダルが指定されたBETエリアにベットされる。例えば、10BETボタン56Cを4回、5BETボタン56Bを1回、1BETボタン56Aを3回押下すれば、合計48枚のメダルをベットすることができる。
次に、ルーレットゲーム機1の制御系に係る構成について図9に基づき説明する。図9はルーレットゲーム機の制御系を模式的に示すブロック図である。
図9に示すように、ルーレットゲーム機1は、メイン制御用CPU80、ROM81、及びRAM82を含むメイン制御部83と、メイン制御部83に接続されたルーレット装置2、及び10台のサテライト4(図1参照)と、第1開閉弁18、第2開閉弁19及び第3開閉弁20とから構成されている。尚、サテライト4の制御系に関しては後に詳細に説明する。
メイン制御用CPU80は、各サテライト4から供給される入力信号等、並びに、ROM81、及びRAM82に記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の処理を行い、その結果に基づいてサテライト4に命令信号を送信することにより、各サテライト4を主導的に制御し、遊技を進行させる。更に、ルーレット装置2に設けられた投光器32及び受光器33(図5参照)を制御し、ボール11が落下したボール収納溝23の当選番号の判定を行う。そして、得られた当選番号と、各サテライト4から送信されたベット情報とに基づいて、ベットされたチップの当選判定を行い、各サテライト4において払い出されるクレジット数を計算する。
ROM81は、例えば、半導体メモリ等により構成され、ルーレットゲーム機1の基本的な機能を実現させるためのプログラムや、ルーレット装置2内の各装置、第1開閉弁18、第2開閉弁19及び第3開閉弁20を制御するプログラム、BET画面51を用いた通常のルーレットゲームに対するオッズ(チップ一枚あたりの当選に対するクレジットの払い出し数)、各サテライト4を主導的に制御するためのプログラム等を記憶する。
一方、RAM82は、各サテライト4から供給されるチップのベット情報、投光器32及び受光器33により判定されたルーレット装置2の当選番号、及びメイン制御用CPU80により実行された処理の結果に関するデータ等を一時的に記憶する。
また、メイン制御用CPU80には、エアチューブ15、16、17内の空気圧の調整を行う第1開閉弁18、第2開閉弁19及び第3開閉弁20が接続されている。そして、第1開閉弁18を開くことによって、ボール収納溝23に設けられた第1吐出口35より、コンプレッサ14(図2参照)で圧縮された空気を吐出させる。また、第2開閉弁19を開くことによって、バンク通路29に設けられた第2吐出口36Aよりコンプレッサ14で圧縮された空気を吐出させる。また、第3開閉弁20を開くことによって、バンク通路29に設けられた第3吐出口36Bよりコンプレッサ14で圧縮された空気を吐出させる。
そして、各サテライト4において遊技者のベット時間が終了した場合、即ち、前記BET画面51のBETタイマーグラフ59が最も右側まで達した場合に第1開閉弁18を所定時間(本実施形態では2秒)開放する。それにより、前回のゲーム終了時点においてボール収納溝23に収納されているボール11を空気圧によって、バンク通路29方向に転動させる。
続いて、第2開閉弁19又は第3開閉弁20を開放し、ルーレット盤12のバンク通路29に沿って流れる空気の層を作り出す。そして、前記第1吐出口35からの空気圧によってバンク通路へと転動したボール11が、空気の層の流れに従ってバンク通路29を時計回り方向又は反時計周り方向に回転する。尚、本実施形態では、1ゲーム(ここで1ゲームとは、サテライト4によるベット操作の受付が開始され、受付が終了した後にボール11が転動を開始し、その後、ボール11がボール収納溝23に収納されて当選番号が検出されるまでの一連の処理を言う)ごとに第2開閉弁19と第3開閉弁20を切り換えて開放する(図13参照)。
その後、所定時間(本実施形態では15秒)経過した際に第2開閉弁19又は第3開閉弁20を閉鎖すると、第2吐出口36A又は第3吐出口36Bから吐出される空気の流れも停止し、ボール11の回転速度が徐々に弱まり遠心力を失って傾斜面28の斜面を転がり落ち、ボール収納溝23に納まる。
また、メイン制御用CPU80には、ルーレット装置2に設けられた投光器32及び受光器33が接続されている。投光器32及び受光器33は、前記したように各ボール収納溝23に設けられており、当該ボール収納溝23にボール11が入ると光が遮られてボール11の存在を検知することができる。従って、あるボール収納溝23にボール11が入ると、投光器32と受光器33からなる光センサによりボール11の存在が検知され、メイン制御用CPU80に送信される。その結果に基づき、メイン制御用CPU80は当選番号の判定を行う。
更に、メイン制御用CPU80には、時間計測を行うタイマー84が接続されている。タイマー84の時間情報はメイン制御用CPU80に送信され、メイン制御用CPU80はタイマー84の時間情報に基づいて後述のように第1開閉弁18、第2開閉弁19及び第3開閉弁20の開閉を行う。
また、図11に示すように、ROM81にはBET画面51を用いたルーレットゲームに関するオッズが記憶された配当クレジット記憶エリア81A、並びに、第1開閉弁18、第2開閉弁19及び第3開閉弁20の開閉のタイミングが記憶された開閉タイミング記憶エリア81Bが設けられている。配当クレジット記憶エリア81Aに記憶されたBET画面51の各BETエリアに対するオッズは、そのベット方法(「ストレート・アップ」、「コーナー・ベット」、「スプリット・ベット」等)によって「×2」〜「×36」の配当がある。
次に、図13に基づいてROM81の開閉タイミング記憶エリア81Bに記憶された第1開閉弁18、第2開閉弁19及び第3開閉弁20の開閉のタイミングについて示す。図13は第1開閉弁、第2開閉弁及び第3開閉弁の開閉のタイミングを示した説明図である。
図13に示すように、先ず第1回目のゲームが開始されると、先ず遊技者による各サテライト4でのチップのベットを行うベット期間が開始される。そして、ベット期間が終了する(BET画面51のBETタイマーグラフ59が最も右側まで達する)と、メイン制御用CPU80は第1開閉弁18を所定時間(本実施形態では2秒)開放する。続いて、第2開閉弁19を開放し、ルーレット盤12のバンク通路29に沿って流れる環状の空気の層を作り出す(図17参照)。そして、前記第1吐出口35からの空気圧によってバンク通路29方向へと転動されたボール11が、空気の流れに従ってバンク通路29を時計回り方向に回転する。
その後、所定時間(本実施形態では15秒)経過した際に、メイン制御用CPU80は第2開閉弁19を閉鎖する。それにより、第2吐出口36Aから吐出されていた空気が止まり、ボール11の回転速度が徐々に弱まる。次第にボール11が描く円は徐々に小さくなり、最後には遠心力を失って傾斜面28の斜面を転がり落ち、ボール収納溝23に納まる。そして、投光器32と受光器33からなる光センサにより当選番号の判定を行い、メダルの払い出しを行う。以上により、第1回目のゲームが終了する。
更に、続けて第2回目のゲームを開始する場合には、同様にサテライト4のベット期間が開始され、ベット期間が終了すると、メイン制御用CPU80は第1開閉弁18を所定時間(本実施形態では2秒)開放する。続いて、今度は第3開閉弁20を開放し、ルーレット盤12のバンク通路29に沿って流れる環状の空気の層を作り出す(図19参照)。そして、前記第1吐出口35からの空気圧によってバンク通路29方向へと転動されたボール11が、空気の流れに従ってバンク通路29を反時計回り方向に回転する。
その後、所定時間(本実施形態では15秒)経過した際に、メイン制御用CPU80は第3開閉弁20を閉鎖する。それにより、第3吐出口36Bから吐出されていた空気が止まり、ボール11の回転速度が徐々に弱まる。次第にボール11が描く円は徐々に小さくなり、最後には遠心力を失って傾斜面28の斜面を転がり落ち、ボール収納溝23に納まる。そして、投光器32と受光器33からなる光センサにより当選番号の判定を行い、メダルの払い出しを行う。以上により、第2回目のゲームが終了する。
その後、第3回目のゲームを開始する場合には、同様にサテライト4のベット期間が開始され、ベット期間が終了すると、メイン制御用CPU80は第1開閉弁18を所定時間開放した後に、今度は第1回目と同じ第2開閉弁19を開放する。以後、ゲームを繰り返して行う際には、第2開閉弁19を開放してボール11を時計回りに転動させるゲームと、第3開閉弁20を開放してボール11を反時計回りに転動させるゲームとを交互に行う。尚、当該第1開閉弁18、第2開閉弁19及び第3開閉弁20の開閉のタイミングによるルーレットゲーム処理プログラムについては後にフローチャートを用いて詳細に説明する(図14参照)。
また、RAM82には、図12に示すように現在遊技中の遊技者のベット情報が記憶されるベット情報記憶エリア82A、投光器32及び受光器33により判定されたルーレット盤12の当選番号を記憶した当選番号記憶エリア82B、及び現在までに行われたゲーム数をカウントするゲーム数記憶エリア82Cが設けられている。ベット情報とは、具体的には、BET画面51において指定したBETエリア、並びにベットしたチップの枚数である。
次に、メイン制御部83のCPU80に接続されたサテライト4の制御系に係る構成について図10に基づき説明する。図10は本実施形態に係るサテライトの制御系を模式的に示すブロック図である。尚、10台設けられたサテライト4は基本的に同じ構成を有しており、以下には1台のサテライト4を例にして説明する。
サテライト4は、図10に示すように、サテライト制御部90、及びいくつかの周辺装置機器により構成されている。サテライト制御部90は、サテライト制御用CPU91と、ROM92と、RAM93とからなっている。ROM92は、例えば、半導体メモリ等により構成され、サテライト4の基本的な機能を実現させるためのプログラム、その他サテライト4の制御上必要な各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。また、RAM93は、サテライト制御用CPU91で演算された各種データ、遊技者の現在所有するクレジット数、遊技者によるチップのベット状況等を一時的に記憶しておくメモリである。
また、サテライト制御用CPU91には、コントロール部6(図1参照)に設けられたBET確定ボタン45、払い戻しボタン46、ヘルプボタン47がそれぞれ接続されている。そして、サテライト制御用CPU91は各ボタンの押下等により出力される操作信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。具体的には、遊技者の操作が入力されたことを受けてコントロール部6から供給される入力信号、並びに、ROM92、RAM93に記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の処理を実行し、その結果を上述したメイン制御部83のメイン制御用CPU80に送信する。
一方、サテライト制御用CPU91は、メイン制御用CPU80からの命令信号を受信し、サテライト4を構成する周辺機器を制御し、サテライト4においてルーレットゲームを進行させる。また、サテライト制御用CPU91は、処理の内容によっては、遊技者の操作が入力されたことを受けてコントロール部6から供給される入力信号、及び、ROM92とRAM93とに記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の処理を実行し、その結果に基づいて、サテライト4を構成する周辺機器を制御し、サテライト4においてルーレットゲームを進行させる。なお、どちらの方法で処理を行うかについては、その処理の内容に応じて、処理ごとに設定される。例えば、当選番号に対するメダルの払い出し処理は前者であり、遊技者によるBET画面51のベット操作処理は後者の処理に該当する。
また、サテライト制御用CPU91には、ホッパー94が接続されている。サテライト制御用CPU91からの命令信号により、ホッパー94は、所定枚数のメダルをメダル払出口8(図1参照)から払い出す。
更に、サテライト制御用CPU91には、液晶駆動回路95を介して画像表示装置7が接続されている。この点、液晶駆動回路95は、プログラムROM、画像ROM、画像制御CPU、ワークRAM、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)及びビデオRAMなどで構成されている。そして、プログラムROMには、画像表示装置7での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。また、画像ROMには、例えば、画像表示装置7で表示される画像を形成するためのドットデータが格納されている。また、画像制御CPUは、サテライト制御用CPU91で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に予め記憶されたドットデータの中から画像表示装置7に表示する画像の決定を行うものである。また、ワークRAMは、前記画像制御プログラムを画像制御CPUで実行するときの一時記憶手段として構成される。また、VDPは、画像制御CPUで決定された表示内容に応じた画像を形成し、画像表示装置7に出力するものである。尚、ビデオRAMは、VDPで画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
また、画像表示装置7の前面には、前記したようにタッチパネル48が取り付けられており、タッチパネル48の操作情報はサテライト制御用CPU91に対して送信される。タッチパネル48では、前記BET画面51において遊技者のチップのベット操作が行われる。具体的には、BETエリアの選択、単位BETボタン56の操作等においてタッチパネル48の操作が行われ、その情報がサテライト制御用CPU91に送信さる。そして、その情報に基づいてRAM93に現在の遊技者のベット情報(BET画面51において指定したBETエリア、並びにベットしたチップの枚数)が随時記憶される。更に、そのベット情報はメイン制御用CPU80に対して送信され、RAM82のベット情報記憶エリア82Aに記憶される。
更に、音出力回路96及びスピーカ9がサテライト制御用CPU91に接続されており、スピーカ9は、音出力回路96からの出力信号に基づき各種演出を行う際に各種の効果音を発生するものである。
また、サテライト制御用CPU91にメダルセンサ97が接続されている。メダルセンサ97はメダル投入口5(図1)から投入されたメダルを検出するとともに、投入されたメダルを演算し、その結果をサテライト制御用CPU91に対して送信する。そして、サテライト制御用CPU91は、送信された信号に基づいてRAM93に記憶された遊技者のクレジット数を増加させる。
続いて、ルーレットゲーム機1におけるゲーム処理プログラムについて図14に基づき説明する。図14はルーレットゲーム機におけるルーレットゲーム処理プログラムのフローチャートである。尚、これら図14にフローチャートで示される各プログラムはルーレットゲーム機1が備えているROM81やRAM82に記憶されており、メイン制御用CPU80により実行される。
先ず、ステップ(以下、Sと略記する)1において、メイン制御用CPU80は各記憶領域の初期化を行い、各初期設定値を格納する。その際、RAM82のゲーム数記憶エリア82Cに格納されたゲーム数nには「0」が設定される。
続いて、メイン制御用CPU80は、遊技者によるメダル又は貨幣が投入されたか否かを判断する(S2)。本実施形態に係るルーレットゲーム機1では、いずれかのサテライト4でメダル投入口5にメダル又は貨幣が投入されると、メダルセンサ97がその旨を検出しサテライト制御用CPU91に送信される。その後、更にサテライト4よりメイン制御部83にメダル投入信号が送られる。それにより、メイン制御用CPU80は遊技者によるメダル又は貨幣の投入を判断する。メダル又は貨幣の投入がない場合(S2:NO)には、投入されるまで待機される一方、メダル又は貨幣の投入があった場合(S2:YES)には、S3へ移行する。尚、メダル又は貨幣の投入があった場合、サテライト制御部90では、投入枚数に応じた額のクレジットデータがRAM93に記録される。
また、その遊技者の使用するサテライト4の画像表示装置7には図8に示したBET画面51が表示され、遊技者はチップをベットすることが可能となる。尚、他の遊技者は、そのゲームに途中参加することが可能であり、本実施形態に係るルーレットゲーム機1では、最大10人で遊技することができる。
そして、最初に参加した遊技者がメダル又は貨幣を投入した時点より、遊技者がベット可能な受入期間であるベット期間が開始される(S3)とともに、RAM82のゲーム数記憶エリア82Cに格納されたゲーム数nが読み取られ、その値が「+1」されて再度RAM82に格納される(S4)。
尚、今回のゲームが前回のゲームに引き続いて行われる場合には、前回のゲーム終了後に続いてベット期間が開始される。そしてゲームに参加した遊技者は、このベット期間中に、タッチパネル48を操作して、自分が予想する番号に関連したBETエリアに自分のチップをベットすることができる(図8参照)。尚、BET画面51を用いた具体的なベット方法に関しては既に説明したので、ここではその説明は省略する。
次に、S5においてベット期間が終了したか否かが判断される。ここでベット期間は、BETタイマーグラフ59によって表示されており、ベット期間開始時(S3)より赤いグラフが徐々に右側に延び始める。そして、最も右側まで延びたときに現在のゲームにおけるベット期間が終了する。
ここで、ベット期間終了前において(S5:NO)は、続けてベットの受付を行う一方、ベット期間が終了した場合(S5:YES)には、全サテライト4のサテライト制御部90に、ベット終了信号が出力され、各サテライト4の液晶画面には、ベットが終了した旨の画像が表示され、タッチパネル48でのベット操作が禁止される。そして、各サテライト4において遊技者が行ったベット情報(指定したBETエリア、並びに指定したBETエリアにベットしたチップの枚数)を受信し(S6)、RAM82のベット情報記憶エリア82Aに記憶する。
次に、メイン制御用CPU80は、S7においてゲーム実行プログラムに従って、ルーレット装置2による空気吐出処理を実行する。空気吐出処理は、各開閉弁18〜20の開閉を行うことにより、ルーレット盤12上のボール11を転動若しくはボール収納溝23に収納させ、当選番号の抽選を行う処理である。尚、空気吐出処理については後に詳細に説明する。
そして、空気吐出処理によって、ボール11が回転円盤22上のいずれかのボール収納溝23に納まった後、投光器32及び受光器33によっていずれのボール収納溝23にボール11が落下したかが検出され、メイン制御用CPU80は当選番号(「0」、「00」、「1」〜「36」のいずれか)を判定する(S8)。
更に、メイン制御用CPU80は、前記S6において受信した各サテライト4のベット情報と、前記S8において判定された当選番号とから、各サテライト4においてベットしたチップが当選しているか否かの判定を行う(S9)。
そして、前記S9の当選判定に基づいて、少なくとも一のサテライト4においてベットしたチップが当選しているか否かが判断される(S10)。チップが当選していると判断された場合(S10:YES)には、メイン制御用CPU80は配当計算処理を実行する(S11)。配当計算処理では、当たりチップをサテライト4ごとに認識し、ROM81の配当クレジット記憶エリア81Aに記憶されたBETエリアに対するオッズ(チップ一枚あたりに払い出されるクレジット数)を用いて、各サテライト4に払い出されるクレジットの配当額の合計を計算する。続いてS12へと移行する。
一方、全てのサテライト4において当選したチップがないと判断された場合(S10:NO)には、S13へと移行する。
S12では、前記S11の配当計算処理に基づいてクレジットの払い出し処理を実行する。サテライト4にクレジットを払い出す際には、メイン制御部83から、当選したサテライト4のサテライト制御部90に、配当額に相当するクレジットデータが出力される。そして、このクレジットデータは、該当するサテライト4のRAM93に加算される。
S13では、少なくとも一のサテライト4において継続して遊技が行われるか否かが判断される。遊技者は遊技を終了する際に通常、払い戻しボタン46を押下する。払い戻しボタン46が押下されると、ゲーム等によって獲得した現在遊技者が所有するクレジットに応じたメダル(通常は1クレジットに対してメダル1枚)がホッパー94を介してメダル払出口8から払い戻される。
いずれかのサテライト4において遊技が継続して行われる場合(S13:NO)には、S3へと戻り再度ベット期間が開始され、次回のゲームへと移行する。
一方、全てのサテライト4において遊技が終了される場合(S13:YES)には、当該ルーレットゲーム処理を終了する。
続いて、前記S7の空気吐出処理プログラムについて図15に基づき説明する。図15はルーレットゲーム機における空気吐出処理プログラムのフローチャートである。尚、これら図15にフローチャートで示される各プログラムはルーレットゲーム機1が備えているROM81やRAM82に記憶されており、メイン制御用CPU80により実行される。
先ず、S21においてコンプレッサ14の電源をONとし、コンプレッサ14による空気の圧縮を開始する。その後、第1開閉弁18を開放する(S22)。ここで、第1開閉弁18は、前記したようにコンプレッサ14により圧縮した空気を第1吐出口35へと搬送するエアチューブ15に設けられており、エアチューブ15を通過する空気の空気圧を調整することが可能となっている。第1開閉弁18が開放されると、第1吐出口35より圧縮された空気の吐出を開始する。それにより、いずれかのボール収納溝23に収納されているボール11に対して空気圧を付加し、ボール11を傾斜面28の傾斜に抗してバンク通路29へと転動させる。図16はステップ22におけるルーレット装置のボールの転動態様を示す模式図である。
図16に示すように、前記S22において第1開閉弁18が開放されると、各ボール収納溝23に設けられた第1吐出口35からの空気圧によって、ボール収納溝23に収納されたボール11がバンク通路29方向(矢印70方向)へと転動される。
次に、S23においてタイマー84による時間の計測が開始され、メイン制御用CPU80によって第1開閉弁18が開放された後に所定時間(本実施形態では2秒間)が経過したか否かが判断される(S24)。そして、第1開閉弁18が開放されてからの計測値t1が2秒未満である場合(S24:NO)には、継続して第1開閉弁18を開放する。
一方、第1開閉弁18が開放されてからの計測値t1が2秒以上である場合(S24:YES)には、S25へと移行する。
S25では、メイン制御用CPU80は第1開閉弁18を閉鎖し、第1吐出口35からの空気の吐出を停止させる。続いて、RAM82のゲーム数記憶エリア82Cに格納されたゲーム数nを読み取り、その値が「奇数」であるか否かを判断する(S26)。
その結果、nが「奇数」である場合(S26:YES)、即ち現在行われているゲームが1、3、5、7、9、・・・ゲーム目である場合には、S27へと移行し、第2開閉弁19を開放する。ここで、第2開閉弁19は、前記したようにコンプレッサ14により圧縮した空気を第2吐出口36Aへと搬送するエアチューブ16に設けられており、エアチューブ16を通過する空気の空気圧を調整することが可能となっている。第2開閉弁19が開放されると、エアチューブ102〜105を介してバンク通路の周方向に形成された第2吐出口36Aより圧縮された空気の吐出を開始する。それにより、バンク通路29に沿って時計回り方向に流れる空気の層が発生し、前記S22によってバンク通路29へと転動されたボール11は、吐出される空気圧に従って円軌道を描いた転動を開始する。図17はステップ27におけるルーレット装置のボールの転動態様を示す模式図である。
図17に示すように、前記S27において第2開閉弁19が開放されると、バンク通路29にそれぞれ設けられた第2吐出口36Aから吐出された空気によって、ルーレット盤12にバンク通路29に沿って時計回り方向(矢印71方向)の空気の流れが形成される。そして、第1吐出口35からの空気圧によってバンク通路29方向へと転動されたボール11が、第2吐出口36Aからの空気圧に従って、ルーレット盤12の周方向へと転動方向が変更される(矢印72参照)。更に、第2吐出口36Aからの空気圧が付加されたボール11は遠心力によって徐々にルーレット盤12の外周縁側へと転動され、バンク通路29に沿って転動を開始する(矢印73参照)。ここで、バンク通路29は、ルーレット盤12において転動するボール11の遠心力に抗してガイドし、円周軌道を描いて転動させる。更に、その外周部にあたる上端にはバンク通路29と連続して壁部31が形成されているので、バンク通路29上を回転運動するボール11がルーレット盤12より外へと飛び出す虞がない。
次に、S28においてタイマー84による時間の計測が開始され、メイン制御用CPU80によって第2開閉弁19が開放された後に所定時間(本実施形態では15秒間)が経過したか否かが判断される(S29)。そして、第2開閉弁19が開放されてからの計測値t2が15秒未満である場合(S29:NO)には、継続して第2開閉弁19を開放する。
一方、第2開閉弁19が開放されてからの計測値t2が15秒以上である場合(S29:YES)には、S30へと移行する。
S30では、メイン制御用CPU80は第2開閉弁19を閉鎖し、第2吐出口36Aからの空気の吐出を停止させる。更に、S35でコンプレッサ14の電源をOFFとし、コンプレッサ14による空気の圧縮を停止させ、当該空気吐出処理を終了しS8へと戻る。
尚、第2吐出口36Aからの空気の吐出を停止させることにより、バンク通路29に沿って転動するボール11は、第2吐出口36Aからの空気圧を受けることがなくなり、徐々に回転速度が落ちて遠心力が低下する。そして、最終的には傾斜面28を転がり落ちてルーレット盤12の内側へと向かい、回転する回転円盤22に至る。図18はステップ30におけるルーレット装置のボールの転動態様を示す模式図である。
図18に示すように、前記S30において第2開閉弁19が閉鎖されると、バンク通路29にそれぞれ設けられた第2吐出口36Aから吐出されていた空気が止まり、空気圧を受けることのなくなったボール11の回転速度が徐々に低下する。そして、速度とともに遠心力も低下したボール11は、傾斜面28の傾斜に沿ってバンク通路29より徐々に内側方向へと移動しながら円周軌道を描き続ける。最終的には傾斜面28を転がり落ちて内側へと向かい、回転する回転円盤22に至る(矢印74参照照)。
そして、回転円盤22方向へと転がったボール11は、更に回転する回転円盤22の外側の番号表示板24上を通っていずれかのボール収納溝23に納まり、ボール11が納まったボール収納溝23に対応する番号表示板24に記載された数字(「0」、「00」、「1」〜「36」のいずれか)が当選番号となる。
一方、nが「奇数」でない場合(S26:YES)、即ち現在行われているゲームが2、4、6、8、10、・・・ゲーム目である場合には、S31へと移行し、第3開閉弁20を開放する。ここで、第3開閉弁20は、前記したようにコンプレッサ14により圧縮した空気を第3吐出口36Bへと搬送するエアチューブ17に設けられており、エアチューブ17を通過する空気の空気圧を調整することが可能となっている。第3開閉弁20が開放されると、エアチューブ107〜110を介してバンク通路の周方向に形成された第3吐出口36Bより圧縮された空気の吐出を開始する。それにより、バンク通路29に沿って反時計回り方向に流れる空気の層が発生し、前記S22によってバンク通路29へと転動されたボール11は、吐出される空気圧に従って円軌道を描いた転動を開始する。図19はステップ31におけるルーレット装置のボールの転動態様を示す模式図である。
図19に示すように、前記S31において第3開閉弁20が開放されると、バンク通路29にそれぞれ設けられた第3吐出口36Bから吐出された空気によって、ルーレット盤12にバンク通路29に沿って反時計回り方向(矢印75方向)の空気の流れが形成される。そして、第1吐出口35からの空気圧によってバンク通路29方向へと転動されたボール11が、第3吐出口36Bからの空気圧に従って、ルーレット盤12の周方向へと転動方向が変更される(矢印76参照)。更に、第3吐出口36Bからの空気圧が付加されたボール11は遠心力によって徐々にルーレット盤12の外周縁側へと転動され、バンク通路29に沿って転動を開始する(矢印77参照)。ここで、バンク通路29は、ルーレット盤12において転動するボール11の遠心力に抗してガイドし、円周軌道を描いて転動させる。更に、その外周部にあたる上端にはバンク通路29と連続して壁部31が形成されているので、バンク通路29上を回転運動するボール11がルーレット盤12より外へと飛び出す虞がない。
次に、S32においてタイマー84による時間の計測が開始され、メイン制御用CPU80によって第3開閉弁20が開放された後に所定時間(本実施形態では15秒間)が経過したか否かが判断される(S33)。そして、第3開閉弁20が開放されてからの計測値t3が15秒未満である場合(S33:NO)には、継続して第3開閉弁20を開放する。
一方、第3開閉弁20が開放されてからの計測値t3が15秒以上である場合(S33:YES)には、S34へと移行する。
S34では、メイン制御用CPU80は第3開閉弁20を閉鎖し、第3吐出口36Bからの空気の吐出を停止させる。更に、S35でコンプレッサ14の電源をOFFとし、コンプレッサ14による空気の圧縮を停止させ、当該空気吐出処理を終了しS8へと戻る。
尚、第3吐出口36Bからの空気の吐出を停止させることにより、バンク通路29に沿って転動するボール11は、第3吐出口36Bからの空気圧を受けることがなくなり、徐々に回転速度が落ちて遠心力が低下する。そして、最終的には傾斜面28を転がり落ちてルーレット盤12の内側へと向かい、回転する回転円盤22に至る。尚、その詳細は前記S30において第2開閉弁19を閉鎖した場合と同様であるのでここでは省略する。
以上説明した通り本実施形態に係るルーレットゲーム機1では、ルーレット装置2においてルーレット盤12のボール収納溝23にコンプレッサ14により圧縮された空気を吐出させる第1吐出口35を設け、第1吐出口35から吐出させた空気の空気圧によってボール収納溝23に収納されたボール11をバンク通路29方向へと転動させる(S22)とともに、バンク通路29の周方向に同じくコンプレッサ14により圧縮された空気を吐出させる吐出口を第2吐出口36A又は第3吐出口36Bとの間で1ゲームごとに切り換えて吐出させ、第2吐出口36A又は第3吐出口36Bから吐出させた空気の空気圧によってバンク通路29へと転動されたボール11をバンク通路29に沿って円周方向に転動させる(S27、S31)ので、ルーレット盤12上からボール11を回収することなく、ボール11のルーレット盤12上での転動とボール収納溝23への収納を繰り返し行うことが可能となり、ボールを回収する為の可動部等や発射装置等の複雑な機構を必要としない。従って、メンテナンス作業が容易となるとともに装置のコストダウンが可能である。また、ボール収納溝23の必要深さ、及びルーレット盤12の必要高さをそれぞれ小さくすることができるので、遊技者はいずれのボール収納溝23に収納された場合であってもボール11の位置を確認できる視野角が広くなり、ボール確認作業が容易となるので、遊技性が向上する。
また、ボール11が転動を開始する地点は、前回のゲームでボール11が収納された場所によって毎回変化し、更に、ルーレット盤12上を転動する際に、バンク通路29に沿って回転する回転方向が、1ゲームごとに切り換わるので、ボール11の転動態様を各ゲームごとに多彩に変化させることができる。従って、遊技者が連続してゲームを行っている場合であっても、遊技が単調になることなく、遊技者を飽きさせることがない。
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では、図13に示すように第1吐出口35、第2吐出口36A及び第3吐出口36Bのからの空気の吐出を調整する各開閉弁18〜20は、完全に開放するか、又は完全に閉鎖するかのいずれかの状態となるが、各開閉弁18〜20に流量調整バルブを別途設けることによって、各開閉弁18〜20によって開放されている際の空気圧(流量)を更に変化させるようにしても良い。
以下に、図20を用いて、開閉弁の内、特に第2開閉弁19の開放時において流量調整バルブにより空気圧を変化させた変形例について説明する。
ここで、本変形例においては第2開閉弁19はメイン制御用CPU80に接続されており、メイン制御用CPU80はROM81に予め記憶されたプログラムに従って開閉時間と流量を制御する。
図20の(1)のタイミングでは、第2開閉弁19を全開まで開放し1Mpaに圧縮された空気をエアチューブ102〜105を介して第2吐出口36Aへと送る。それによって、ボール11はバンク通路29に沿って周方向に方向に回転を開始する(図17参照)。
そして、(2)のタイミングでは、流量調整バルブによって第2開閉弁19の流量を調整し、徐々に空気圧を低下させる。それに伴って、第2吐出口36Aより吐出される空気の空気圧も低下し、バンク通路29を転動するボール11の速度が徐々に遅くなる。
そして、(3)のタイミングでは、流量調整バルブによって第2開閉弁19の流量を調整し、空気圧を0.7Mpa(全開時の70%)にする。それに伴って、第2吐出口36Aより吐出される空気の空気圧も70%に低下し、バンク通路29を転動するボール11は傾斜面28を転がり落ちることはないものの、その速度は遅くなる。
そして、(4)のタイミングでは、流量調整バルブによって第2開閉弁19の流量を調整し、徐々に空気圧を上昇させる。それに伴って、第2吐出口36Aより吐出される空気の空気圧も上昇し、一旦遅くなったバンク通路29を転動するボール11の速度が徐々に速くなる。
そして、(5)のタイミングでは、再び第2開閉弁19を全開まで開放し1Mpaに圧縮された空気をエアチューブ102〜105を介して第2吐出口36Aへと送る。それによって、ボール11はバンク通路29に沿って周方向に方向に最も速い状態で回転する。
最後に、(6)のタイミングでは、第2開閉弁19を閉鎖し、第2吐出口36Aからの空気の吐出を停止させる。それによって、バンク通路29に沿って転動するボール11は、第2吐出口36Aからの空気圧を受けることがなくなり、徐々に回転速度が落ちて遠心力が低下する。そして、最終的には傾斜面28を転がり落ちてルーレット盤12の内側へと向かい、回転する回転円盤22に至る(図18参照)。
以上説明したように、第2開閉弁19の開放時において流量調整バルブにより空気圧を変化させた本変形例においては、ボール11の回転速度をアナログ的に調整することが可能である。従って、従来にはないボール11の多彩な動きを実現可能であり、遊技者を飽きさせることがない。
また、本実施形態においては第1吐出口35からの空気圧によってバンク通路29方向へと転動するボール11を、第2吐出口36Aからの空気圧によってバンク通路29に沿って円周軌道を描くように転動させることとしているが、第2吐出口36Aを設けずに枠体21を回転させることとしてもよい。枠体21を回転させると、枠体21上のボール11もそれに伴って周方向に回転を開始し、回転による遠心力によってバンク通路29に沿って転動を行うこととなる。そして、1ゲームごとに枠体21の回転方向を切り換えることによって、ボールの転動態様も多彩に変化させることができる。
また、本実施形態においては、1ゲームごとに第2吐出口36Aと第3吐出口36Bとの間で空気を吐出する吐出口を切り換えることによって、ボール11の転動方向を変化させることとしているが、例えば3ゲームや5ゲームごとに切り換えるようにしても良い。
更に、ベット期間終了時に乱数抽選を行い、その乱数抽選結果に基づいて吐出口を切り換えることとしても良い。それにより、規則性を有しないランダムなタイミングでボール11の転動方向が変化することとなるので、遊技者をより飽きさせることがない。
また、本実施形態においては発射用エアパイプ38を介して全てのボール収納溝23より同時に空気を吐出することとしているが、投光器32及び受光器33によっていずれのボール収納溝23にボール11が収納しているかを判断し、その収納溝に設けられた第1吐出口35からのみ空気を吐出することとしても良い。
本実施形態に係るルーレットゲーム機の概略構成を示す外観斜視図である。 本実施形態に係るルーレット装置を示す斜視図である。 本実施形態に係るルーレット装置を示す平面図である。 図3の線A−Aでルーレット装置を切断した矢視断面図である。 本実施形態に係るルーレット装置のボール収納溝付近を拡大して示した斜視図である。 本実施形態に係るルーレット装置のバンク通路付近を拡大して示した斜視図である。 ボール収納溝付近を特に拡大して示したルーレット盤の断面図である。 画像表示装置に表示される表示画面の一例を示した図である。 本実施形態に係るルーレットゲーム機の制御系を模式的に示すブロック図である。 本実施形態に係るサテライトの制御系を模式的に示すブロック図である。 本実施形態に係るルーレットゲーム機のROMの記憶領域を示した模式図である。 本実施形態に係るルーレットゲーム機のRAMの記憶領域を示した模式図である。 第1開閉弁、第2開閉弁及び第3開閉弁の開閉のタイミングを示した説明図である。 本実施形態に係るルーレットゲーム処理プログラムのフローチャートである。 本実施形態に係る空気吐出処理プログラムのフローチャートである。 ステップ22におけるルーレット装置のボールの転動態様を示す模式図である。 ステップ27におけるルーレット装置のボールの転動態様を示す模式図である。 ステップ35におけるルーレット装置のボールの転動態様を示す模式図である。 ステップ31におけるルーレット装置のボールの転動態様を示す模式図である。 第2開閉弁の開放時において流量調整バルブにより空気圧を変化させた変形例を示した説明図である。
符号の説明
1 ルーレットゲーム機
2 ルーレット装置
11 ボール
12 ルーレット盤
14 コンプレッサ
18 第1開閉弁
19 第2開閉弁
20 第3開閉弁
23 ボール収納溝
28 傾斜面
29 バンク通路
31 壁部
35 第1吐出口
36A 第2吐出口
36B 第3吐出口
80 メイン制御用CPU
81 ROM
82 RAM

Claims (3)

  1. 複数のマークが配置されたルーレット盤と、
    前記ルーレット盤上を転動するボールと、
    前記複数のマークに対応して前記ルーレット盤の周方向に形成され、前記ボールが収納される複数のボール収納部と、
    前記ルーレット盤のボール収納部に対して外周縁側に無端状に周設され、前記ボールが円周軌道を描きながら転動するバンク通路と、を有するルーレット装置において、
    空気を圧縮するコンプレッサと、
    前記ボール収納部に設けられ、前記コンプレッサにより圧縮された空気を前記バンク通路に向かって吐出する投射用吐出口と、
    前記バンク通路に設けられ、前記コンプレッサにより圧縮された空気を前記バンク通路の周方向に向かって吐出する回転用吐出口と、を備え、
    前記回転用吐出口は、
    前記バンク通路の一方の周方向に向かって空気を吐出する第1回転用吐出口と、
    前記バンク通路の他方の周方向に向かって空気を吐出する第2回転用吐出口と、
    から構成され、
    前記回転用吐出口を前記第1回転用吐出口と前記第2回転用吐出口との間で切り換える吐出口切換手段を有することを特徴とするルーレット装置。
  2. 前記ルーレット盤上で前記ボールを転動させるとともに、所定時間経過後に転動するボールをボール収納部に収納させるまでを一ゲームとして当該ゲームが繰り返されて継続され、
    前記吐出口切換手段は、前記ルーレット装置により行われた前記ゲームの数に基づいて前記回転用吐出口を切り換えることを特徴とする請求項1に記載のルーレット装置。
  3. 前記ルーレット盤上で前記ボールを転動させるとともに、所定時間経過後に転動するボールをボール収納部に収納させるまでを一ゲームとして当該ゲームが繰り返されて継続され、
    前記第1回転用吐出口及び第2回転用吐出口により吐出される空気の空気圧を調整する空気圧調整装置と、
    前記ゲーム中において前記空気圧調整装置を制御する制御手段と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のルーレット装置。
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