JP4437667B2 - ミキシング装置 - Google Patents

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Description

本発明はミキシング装置に関し、より詳細には、コンパクトな構造で増設可能な多段のミキシングユニットにより、被処理物を所望のサイズの微粒子に粉砕および混合して使用することができるミキシング装置に関する。この装置は、別途の乳化剤などが不要であるためコストが節減でき、被処理物の運動量を増大させて粒子間の衝突により粉砕および混合の効率を高めることができるのはもちろんのこと、大型化が可能である。
大型ボイラーや舶用エンジンなどには、燃料の燃焼効率を高めるために、水と油を微粒子の形態に微細に粉砕して混合したエマルジョン燃料が用いられ、このようなエマルジョン燃料を製造するために、多様な種類のミキシング装置が開発されて用いられている。そのほかにも、ミキシング装置は、化学製品や食品類を生産する工場などでも、原料になる種々の流体を微粒子形態に微細に粉砕して均一に混合するために用いられている。
このような場合に使用する従来のミキシング装置は、通常、ケース内部に、駆動モーターにより回転される単一の回転ユニットと、この回転ユニットに平行に配置される固定ユニットとを備えている。そこでは、回転ユニットと固定ユニットの対向面に、円周方向に所定の間隔で配置した多数個の突起が設けられていて、互いに交互に契合する複数列の同心円を形成している。
従って、上記のミキシング装置は、回転ユニットを高速で回転させるとともに、回転ユニットの中央部に原料である流体を供給すると、この流体が回転ユニットの突起に沿って回転しながら、遠心力により突起と突起との間の空間部を通過して、ケースの周囲の部分にある排出口を通じて外部へ排出される。このような過程で、前記の流体は、回転ユニットの突起の列と固定ユニットの突起の列とを交叉的に通過しながら、それぞれの突起に継続的に衝突しながら微細な粒子形態に粉砕されるとともに、互いに混合されて、微粒子形態で乳化される。
しかし、このような従来のミキシング装置は、中央部に供給された流体が遠心力により回転ユニットと固定ユニットとをいったん通過すると、ケース周囲の排出口を通じて直ちに排出されるか、または遠心ファンを通じて外部へ排出されるものであるから、微粒化の程度が使用者の要求に及ばない場合が多かった。従って、通常は乳化された流体を直接用いるのではなく、これをタンクに貯蔵しておき、使用時には再び乳化させて所望のサイズに微粒化させて用いるため、作業が非常にわずらわしく、かつ時間がかかるという問題がある。そのほかにも、付帯設備が増えたり、タンクに貯蔵している間に乳化された物質が互いに分離してもとの状態に戻ったりするなど、さまざまな問題がある。
従って、従来は、このようなミキシング装置を利用する場合にも、供給された流体が均一に混合され、混合された流体が容易に分離しないように、界面活性剤などの乳化剤を混合して用いていた。しかし、このような乳化方式は、純粋な燃料や原料以外に、界面活性剤などの乳化剤が別途に必要であるため、コストが増加するのはもちろん、環境汚染を誘発するものであり、燃料を予熱する過程でエマルジョン燃料が水と油に分離するという現象がみられるなどの問題がある。
また、上記のミキシング装置においては、供給された流体が、回転ユニットの突起と突起との間の空間部に入り、回転ユニットに沿って所定の角度回転されて、空間部が固定ユニットの突起と突起との間の空間部と連なる瞬間、遠心力により、固定ユニットの突起と突起との間の空間部へ進入する。このとき、流体は遠心力により回転ユニットの接線方向へ進行しようとするのに対し、これを収容する固定ユニットの突起と突起との間の空間部は、流体の進行方向とは全く異なる角度をもった、半径方向の四角な空間部を形成している。従って、この四角な空間部に流入した流体は、遠心力による加速運動に抵抗を受けるようになり、乳化の効率が著しく低下するという問題がある。
それ以外にも、従来のミキシング装置は、ディスクの一面に同心円をなす多数列のリング形状の突出部を成形し、このリング形状突出部を半径方向ヘスリッティングしてそれぞれの突起を成形するものであるから、半径方向の外側ほど突起のサイズが大きくなって、突起と突起との間の空間を通過するときの流体の粉砕および乳化の効率が著しく低下するため、装備を大型化し難いという問題点がある。
本発明は上記したような諸問題を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、コンパクトな構造で増設可能な多段のミキシングブロックにより、被処理物を、所望のサイズの微粒子に粉砕および混合して使用することができ、別途の乳化剤などが不要であるためコストが節減され、被処理物の運動量を増大させて粒子間の衝突により粉砕および混合の効率を高めることができるのはもちろんのこと、大型化が可能なミキシング装置を提供することにある。
本発明の第一の局面によれば、入口(118)と出口(112)とを有するハウジング(l14)の内部空間に、モーター(100)により相対的な回転運動をする複数個のミキシングユニットすなわち回転ミキシングユニット(104)および固定ミキシングユニット(106)を互いに対向するように平行に積層して設置し、これらのミキシングユニットの対向面には、円周方向に沿って所定の間隔で離れて配置された多数個の突起(27,28)を有する突起列を、互いに干渉しない同心円を形成するように交互に配置して構成したミキシング装置において、回転ミキシングユニット(104)および固定ミキシングユニット(106)は、所定の間隔で離れて平行に固定された、上部ディスク(36)と下部ディスク(34)の対および上部ディスク(46)と下部ディスク(44)の対から成り、これらの対をなすディスク(34,36および44,46)の外側面には突起(27,28)の列が設けてあり、対をなすディスク(34,36)の間およびディスク(44,46)の間には、それぞれ流体通路(39および49)が形成され、回転ミキシングユニット(104)および固定ミキシングユニット(106)のそれぞれにおいて、ハウジング(114)の入口(118)側へ向いたそれぞれの下部ディスク(34,44)は、その外周面がハウジング(114)の内周面と所定の間隔で離れるように形成されることにより、流体通路(39および49)とそれぞれ連通する流入口(37,47)が設けられ、ハウジング(114)の出口(112)側へ向いたそれぞれの上部ディスク(36,46)は、その内周面に流体通路(39,49)とそれぞれ連通する流出口(35,45)を有するように構成され、回転ミキシングユニット(104)および固定ミキシングユニット(106)をハウジング(114)内部において順次に結合して、多段に設置するように構成したことを特徴とするミキシング装置が提供される。
本発明の第二の局面によれば、第一の局面において、回転ミキシングユニット(104)の突起(27)および固定ミキシングユニット(106)の突起(28)が、その両側面が凹に湾曲した形状に形成されていることを特徴とするミキシング装置が提供される。
本発明の第三の局面によれば、前記した第一の局面において、ハウジング(114)が、その内部に、回転ミキシングユニット(104)および固定ミキシングユニット(106)の中央部に流体を供給する入口(118)を有する下部ハウジング(24)と、この下部ハウジング(24)に連結して設置され、その内部に回転ミキシングユニット(104)および固定ミキシングユニット(106)を収容するミキシング空間部(41)を形成した1個以上の中間ハウジング(40)と、この中間ハウジング(40)に連結して設置され、その内部に中間ハウジング(40)のミキシング空間部(41)と連通する出口(112)を有する上部ハウジング(51)とから構成され、下部ハウジング(24)および上部ハウジング(51)間に介在する中間ハウジング(40)を多数個重ねて設置することにより、回転ミキシングユニット(104)および固定ミキシングユニット(106)が収容されるミキシング空間部(41)を延長し得るようにしたことを特徴とするミキシング装置が提供される。
本発明の第四の局面によれば、前記した第一の局面において、複数個のミキシングユニットが、回転ミキシングユニット(104)と固定ミキシングユニット(106)とに分離して形成され、回転ミキシングユニット(104)の中央部には、モーター(100)の回転軸(102)と一体で回転するよう結合される結合孔(105)が設けてあり、固定ミキシングユニット(106)は、その周囲がハウジング(l14)に固定され、中央には回転軸(102)がスライド可能に結合される挿入孔(107)を有することを特徴とするミキシング装置が提供される。
本発明の第五の局面によれば、第四の局面において、回転ミキシングユニット(104)内部の流体通路(39)に、放射方向に対し所定の角度傾けて配置された1個以上の流体ガイド羽根(62)を設け、固定ミキシングユニット(106)内部の流体通路(49)には、回転ミキシングユニット(104)の流体ガイド羽根(62)とは逆方向に傾けて配置された1個以上の流体ガイド羽根(63)を放射方向に設け、流体通路(39,49)を通過する流体が、これらの流体ガイド羽根(62,63)により半径方向内側へ流れるように誘導されることを特徴とするミキシング装置が提供される。
本発明の第六の局面によれば、前記した第一の局面において、ハウジング(114)のミキシング空間部(41)内周面に、多数個のスロット(45)を回転軸(102)に平行な方向に設けたことを特徴とするミキシング装置が提供される。
本発明の第七の局面によれば、前記した第一の局面において、ハウジング(114)の入口(118)側および出口(112)側の内部空間において、隣接した回転ミキシングユニット(104)の突起(27)の列と、交互に配置される複数個の突起(25)の列を有する端部ディスク部材(108)とが相対的な回転運動をし、かつ、隣接した固定ミキシングユニット(106)の突起(28)の列と、交互に配置される複数個の突起(26)の列とを有する端部ディスク部材(110)とが、相対的な回転運動をするように構成したことを特徴とするミキシング装置が提供される。
本発明の第八の局面によれば、入口(118)と出口(112)とを有するハウジング(l14)の内部に、モーター(100)により相対的な回転運動をする複数個の、回転および固定ミキシングユニット(104,106)を互いに対向するように平行に積層して設置し、これらのミキシングユニットの対向面には円周方向に沿って所定の間隔で離れて配置された多数個の突起(27,28)を有する突起列を、互いに干渉しない同心円を形成するように交互に配置して構成したミキシング装置において、前記ミキシングユニットの突起(27,28)は、その両側面が凹に湾曲した形状に形成されて、互いに隣接した、突起(27)どうしの間の空間部(27a)および突起(28)どうしの間の空間部(28a)を通過する流体が、突起(27,28)の湾曲面に沿って回転運動するように誘導し得るように構成したことを特徴とするミキシング装置が提供される。
本発明の第九の局面によれば、第八の局面において、複数個のミキシングユニットが、回転ミキシングユニット(104)と固定ミキシングユニット(106)とに分離して構成され、回転ミキシングユニット(104)は下部ディスク(34)の一面に突起(27)の列が形成され、この下部ディスク(34)の反対面には放射方向へ所定の角度傾けて配置された1個以上の流体ガイド羽根(62)が設けてあり、突起(27)の列を通過して回転ミキシングユニット(104)の周囲部へ移送された流体を、この流体ガイド羽根(62)によりハウジング(114)の中央部に誘導し得るように構成したことを特徴とするミキシング装置が提供される。
本発明の第十の局面によれば、入口(118)と出口(112)とを有するハウジング(l14)の内部に、モーター(100)により相対的な回転運動をする複数個のミキシングユニットを互いに対向するように平行に積層して設置し、これらのミキシングユニットの対向面には、円周方向に沿って所定の間隔で離れて配置された多数個の突起(27,28)を有する突起列を、互いに干渉しない同心円を形成するように交互に配置して構成したミキシング装置において、複数個のミキシングユニットが、回転ミキシングユニット(104)と固定ミキシングユニット(106)とに分離して形成され、回転ミキシングユニット(104)は、下部ディスク(34)の一面に突起(27)の列が形成され、この下部ディスク(34)の反対面には放射方向へ所定の角度傾けて配置された1個以上の流体ガイド羽根(62)が設けてあり、突起(27)の列を通過して回転ミキシングユニット(104)の周囲へ移送された流体を、この流体ガイド羽根(62)によりハウジング(l14)の中央部に誘導し得るように構成したことを特徴とするミキシング装置が提供される。
以下、添付図面を参照して本発明の構成および動作を詳細に説明する。まず、図1〜図4を参照すると、本発明のミキシング装置は大別して、回転軸(102)を備えたモーター(100)と、このモーター(100)の回転軸(102)に一体で回転するよう設置された回転ミキシングユニット(104)、およびハウジング(114)に固定された固定ミキシングユニット(106)を一組とする、多段のミキシングユニットと、それらのミキシングユニットを内部に収容するハウジング(114)とから構成される。
ハウジング(114)は、図1〜図3にみるとおり、モーター(100)のフランジに固定され、内部に流体をハウジング(114)の中央部に供給する入口(118)を有する下部ハウジング(24)と、この下部ハウジング(24)の上部に連結して設置され、内部にミキシングユニットを収容するミキシング空間部(41)が形成された中間ハウジング(40)と、この中間ハウジング(40)の上部に連結して設置され、その内部に流体を外部へ排出する出口(112)を有する上部ハウジング(51)とから構成される。
下部ハウジング(24)は、中央に回転軸(102)を挿し込む軸孔(30)が設けられ、この軸孔(30)周囲の上面中央部に、同心円を形成する複数列の突起(25)を有する下段ディスク部材(110)が固定されていて、内部に下段ディスク部材(110)の中央部に連通する入口(118)が設けてある。
中間ハウジング(40)は、下部ハウジング(24)の上部にボルト(130)により締結されるものであって、その内部に回転ミキシングユニット(104)および固定ミキシングユニット(106)を収容するミキシング空間部(41)が形成され、このミキシング空間部(41)の内壁面に、回転軸(102)と平行な多数個のスロット(45)が設けられる。このような中間ハウジング(40)は、ミキシングユニットの段数に従って増減して重ねて設置される。
上部ハウジング(51)は、中間ハウジング(40)の上部にボルト(130)で締結されるものであって、その内部に加工された乳化物を外部へ排出する出口(112)を有する排出ブロック(48)と、この排出ブロック(48)の上部に連結して設置されるカバーブロック(52)とから成る。排出ブロック(48)は、その外形が中間ハウジン(40)と類似であり、その中央部には後述する上側端部ディスク部材(108)を収容するためのミキシング空間部(41)が形成され、このミキシング空間部(41)の内壁面には、多数個のスロット(45)が設けられている。カバーブロック(52)はミキシング空間部(41)を密閉するためのものであって、その中央部にはモーター(100)の回転軸(102)を支持するベアリング(57)が、リング体(56)に嵌められて設置されており、このリング体(56)の上端にはキャップ(58)が被せてある。
ミキシングユニットは、供給される流体を粉砕および混合するためのものであって、回転ミキシングユニット(104)と固定ミキシングユニット(106)が一対を成し、互いに交互に設置される。もちろん、上述の回転ミキシングユニット(104)と固定ミキシングユニット(106)以外のものであっても、互いに相対的な回転運動をすることができるものであれば本発明による効果を達成し得るので、すべて利用可能である。
ここで、互いに対を成す回転ミキシングユニット(104)および固定ミキシングユニット(106)には、その対向面に、互いに干渉しない同心円を形成するように交互に配置された多数列の突起(27,28)が設けられるが、この突起(27,28)は、同心円の円周方向に沿っても所定の間隔で離れて配置されていて、突起(27)どうしの間に、また突起(28)どうしの間に、流体が通過する空間部(27a)および空間部(28a)が、それぞれ形成されている。
突起(27,28)は、その両側面が凹の弧状をした湾曲面であって、突起(27)どうしの間の空間部(27a)および突起(28)どうしの間の空間部(28a)を通過する流体が、それぞれの突起(27,28)に衝突して粉砕および混合されるとともに、この突起(27,28)の湾曲面に沿って高速で回転しながら、粒子間の衝突により粉砕および混合の効率を高めることができるように構成される。
固定ミキシングユニット(104)および回転ミキシングユニット(106)は、図5と図7にみるとおり、それぞれ一対の下部ディスク(34)および上部ディスク(36)、ならびに下部ディスク(44)および上部ディスク(46)が、中間の流体ガイド羽根(62,63)により、所定の間隔で離れているように平行に固定されたものであって、それぞれ一対の下部および上部ディスク(34,36および44,46)の間には流体通路(39,49)が設けられ、それぞれ一対下部および上部ディスク(34,36および44,46)の外側面には、隣接した固定および回転ミキシングユニット(106,104)の突起(28,27)の列と交互に結合される、複数の突起(27,28)の列が、同心円を形成するように配置されている。また、それぞれ一対の下部および上部ディスク(34,36および44,46)のうち、ハウジング(l14)の入口(118)側へ向いた下部ディスク(34,44)は、図4に示すように、その周囲の面がハウジング(l14)の内周面と所定の間隔で離れているように、その直径を小さくするか、または対応する部分のハウジング(114)の内径を大きくして、流体通路(39,49)と連通する流入口(37,47)を設ける。
ハウジング(114)の出口(112)側へ向いた上部ディスク(36,46)には、その中央部に、流体通路(39,49)と連通する流出口(35,45)を設ける。
そのほか、ミキシングユニットのうち回転ミキシングユニット(104)には、その中央部にモーター(100)の回転軸(102)と一体に回転するようスプライン結合するボス(31)を設け、固定ミキシングユニット(106)は、図2と図7に示すとおり、一対の下部および上部ディスク(44,46)のうちいずれか一つのディスク、たとえば上部ディスク(46)の直径がミキシング空間部(41)の内径より大きくなるよう延長して形成されていて、この延長部が、多段に積層されるハウジング(114)の連結部位に介在して固定される。
回転ミキシングユニット(104)の内部の流体通路(39)には、図5および図7に示したとおり、半径方向の外側へ行くほど、この回転ミキシングユニット(104)の回転方向へ傾けて配置された、多数個の流体ガイド羽根(62)が設けてあり、固定ミキシングユニット(106)の流体通路(49)には、半径方向の外側へ行くほど、回転ミキシングユニット(104)の回転方向とは逆方向へ傾けて配置された、多数個の流体ガイド羽根(63)が設けてあって、それぞれの流体通路(39,49)を通過する流体が、これらの流体ガイド羽根(62,63)により半径方向の内側へ流れるように誘導される。
このようなミキシングユニットの組は、必要に応じて多段に設置し、上段に位置する固定ミキシングユニット(106)の上部には、図2に示したように、上段ミキシングブロックとかみ合って流体を粉砕し混合する、上側端部ディスク部材(108)を設置する。このような上側端部ディスク部材(108)は、モーター(100)の回転軸(102)にスプライン結合されて一体に回転し、その底面には上段ミキシングブロックの突起(28)の列と交互に配置された突起(26)の列が形成され、その周囲には、処理された乳化物を上部ハウジング(51)の出口(112)を通じて外部へ排出するようにする羽根(29)が設けてある。
本発明によるミキシング装置をより具体的に考察してみると、図2および図3に示すように、モーター(100)のフランジ上部に、ベースカバーブロック(12)がボルトで固定され、その上部には、下部ハウジング(24)が固定されている。ベースカバーブロック(12)の内側にはベアリングカバー(20)が設けてあって、下部ハウジング(24)の軸孔(30)にはベアリング(22)とスリーブ(32)が、順次に設けてある。ここで、スリーブ(32)は回転軸(102)と一体に回転するよう設置され、その外周面には多数個の歯が設けてあって、下部ハウジング(24)の入口(118)を通じて供給される、互いに異なる流体を、一次的に混合および粉砕する。
ついで、回転ミキシングユニット(104)が下部ハウジング(24)の上部に載せられて設置されており、この回転ミキシングユニット(104)の底面の突起(27)の列が、下部ハウジング(24)の上面の突起(25)の列と互いに交互に配置されて、回転軸(102)と一体に回転しながら、供給された流体を粉砕および混合する。
固定ミキシングユニット(106)は、その底面の突起(28)の列が、下部に位置する回転ミキシングユニット(104)の上面の突起(27)の列と互いに交互にかみ合うよう載せられて、設置されている。この固定ミキシングユニット(106)の下部ディスク(44)の中央には、図7に示すように、挿入孔(107)が設けてあって、この挿入孔(107)には回転軸(102)にスライド可能に結合されるスリーブ(42)が嵌められて、隣接した回転ミキシングユニット(104)との上下間隔を維持するとともに、回転を円滑にし、流体が挿入孔(107)を通じて下方へ逆流することを防止する。
このような回転ミキシングユニット(104)と固定ミキシングユニット(106)とは、互いに交互に位置するよう多段に設置され、上段固定ブロックの上部には上段ディスク部材(108)が、回転軸(102)にスプライン結合されて一体に回転するよう設置されるが、このときにも、前記上側端部ディスク部材(108)の突起(26)の列と上段固定ブロックの突起(28)の列とが、互いに交互にかみ合うように配置される。
以上の構成を有する本発明の装置においては、図2および図4にみるとおり、下部ハウジング(24)の入口(118)を通じて供給された流体が、軸孔(30)を通過しながら回転軸(102)と一体に回転するスリーブ(32)の歯により、一次的に粉砕および混合されて、下側端部ディスク部材(110)と回転ミキシングユニット(104)との間に供給される。
ついでこの流体は、回転ミキシングユニット(104)に沿って回転しながら、遠心力により、下側端部ディスク部材(110)の突起(25)の列と、回転ミキシングユニット(104)の突起(27)の列とを交互に通過する。このような過程で、流体は回転ミキシングユニット(104)の突起(27)の列による空転運動、すなわち回転ミキシングユニット(104)の回転方向に沿って進行する運動と、下側端部ディスク部材(110)の突起(25)の列による空転運動の停止とを繰り返しながら、それぞれの突起(25,27)に衝突して粉砕および混合されることはいうまでもなく、突起(25)どうしの間の空間部(25a)および突起(27)どうしの間空間部(27a)において、高速に自転運動、すなわち、突起(25,27)の壁面に沿って回転する運動しながら、粒子間の衝突により微粒子状に粉砕され混合される。
上記したところと同様に、下側端部ディスク部材(110)と回転ミキシングユニット(104)との間を通過した流体は、図7に示すように、回転ミキシングユニット(104)の下部および上部ディスク(34,36)間の流体通路(39)に流入し、上部ディスク(36)中央部の流出口(35)を通じて、回転ミキシングユニット(104)と固定ミキシングユニット(106)との間に供給される。ここで、回転ミキシングユニット(104)の流体通路(39)の内部には、回転ミキシングユニット(104)の周囲部分へ流入した流体を回転ミキシングユニット(104)の内側へ流れるように誘導する、図5に示した流体ガイド羽根(62)が設けてあって、流体の流れを円滑にする。
続いて、回転ミキシングユニット(104)と固定ミキシングユニット(106)の間に供給された流体は、回転ミキシングユニット(104)が高速で回転するに従って、回転ミキシングユニット(104)と固定ミキシングユニット(106)のそれぞれの突起(27,28)の列を通過して、外側へ移送されながら前述した下側端部ディスク部材(110)と回転ミキシングユニット(104)におけると同一の方法で粉砕および混合されて、より微細な粒子に乳化される。
このように、回転ミキシングユニット(104)と固定ミキシングユニット(106)の間を通過した流体は、固定ミキシングユニット(106)の下部および上部ディスク(44,46)間の流体通路(49)に流入し、上部ディスク(46)中央部の流出口(45)を通じて、固定ミキシングユニット(106)と上部の回転ミキシングユニット(104)との間に供給される。このときにも、固定ミキシングユニット(106)の流体通路(49)内部には固定ミキシングユニット(106)の周囲の部分に流入した流体を、固定ミキシングユニット(106)の内側へ流れるように誘導する、図5に示した流体ガイド羽根(63)が設けてあって、流体の流れを円滑にする。
このような過程を、多段のミキシングブロックにより繰り返しながら、流体を望むサイズの微粒子状に乳化させて、出口(112)に連結されたボイラーや、舶用エンジンなどの他の装置に供給する。
以上説明したようなミキシング装置は、図2の下部ハウジング(24)および上部ハウジング(51)の間に多数個の中間ハウジング(40)を重ねて設置し、回転軸(102)を適合した長さのものに取り替えれば、ミキシングユニットを簡便に増減することができるため、流体を望むサイズの微粒子に乳化させて、連結された装置へ直ちに供給することができる。
従って、個別の成分に分離する前の安定な乳化物を、連結された装置へ供給することができるのはもちろんのこと、従来のように、所望のサイズの乳化物を得るために多数のミキシング装置を用意する必要がなく、乳化物を一時的に貯蔵するためのタンクなどの付帯施設も不要になる。
本発明のミキシング装置は、流体が回転ミキシングユニット(104)の突起(27)どうしの間の空間部(27a)に流入し、所定の角度回転して固定ミキシングユニット(106)の空間部(28a)と連通する瞬間に、遠心力により、この固定ミキシングユニット(106)の突起(28)どうしの間の空間部(28a)へ流入する。ここで、突起(27,28)は、その両側面が凹の形状に湾曲して形成されていて、その入口側の段部が遠心力による流体の進行方向とほぼ一致するため、この空間部(27a,28a)に流入した流体は抵抗を受けることなく突起(27,28)の湾曲面に沿って空間部(27a,28a)内で高速回転し、その間、粒子間の衝突が活発になり、粉砕および混合の効率が著しく向上する。
このように、本発明のミキシング装置は、ミキシングユニットを簡便に増設して、所望のサイズの乳化物を連結された装置へ直ちに供給することができるため、乳化物を安定化させるための別途の乳化剤が不要であり、コストを節減できることはもちろん、環境汚染などを誘発しないという長所がある。
そのほかの態様として、本発明のミキシング装置は、それぞれの下部および上部ディスク(34,36および44,46)の一面に、同心円を形成する多数列のリング形状の突出部を成形し、このリング形状突出部を所定間隔にドリリングして、それぞれの突起(27,28)を成形することができる。従って、このミキシング装置は、それぞれのミキシングユニットを大型化しても、半径方向の内外側の突起(27,28)のサイズが均一に形成され、流体の粉砕および混合の効率が高く、装備を大型化して多量の流体を所望のサイズの微粒子に乳化して供給することができる。
さらに本発明のミキシング装置は、それぞれのミキシングユニットの内部に、ミキシングユニットの周囲へ流れ出た流体を再びミキシングユニットの中央部へ誘導する流体ガイド羽根を備えているから、ミキシングユニットを大型化しても、ミキシングユニットを通過する流体の流れが円滑に誘導される。
以上説明したミキシング装置は、液状の流体のみならず、粉末材料も混合して粉砕することができ、適用分野も、接着剤、ペイント、グリース、殺虫剤、除草剤、液状肥料などの化学製品、ネクター、果物および野菜ジュース、食用固形物などの食品類、ローション、クリーム、ゲル、リップスティック、歯磨きなどの化粧品、および油脂を利用する産業など多くの分野に適用することができる。
本発明によるミキシング装置は、被処理物を、コンパクトな構造で増設可能な多段のミキシングブロックにより所望のサイズの微粒子に粉砕および混合して、連結された装置へ直ちに供給して使用することができる上に、別途の乳化剤などが不要であり、付帯施設が簡素化されてコストが著しく節減されるという利点がある。また、本発明のミキシング装置は、被処理物の運動量を増大させて粒子間の衝突による粉砕および混合の効率を高めることができる。大型化が可能であるため、多量の被処理物を所望のサイズの微粒子に粉砕および混合して使用することができる。
本発明によるミキシング装置の一例を示した斜視図。 図1の分解斜視図。 図1の分解された状態を示した縦断面図。 図1の組立てられた状態を示した縦断面図。 本発明を構成するミキシングユニットの分解斜視図。 図5のミキシングユニットの分解された状態を示した縦断面図。 図5のミキシングユニットの結合状態図であって、流体の流れを示した縦断面図。 本発明を構成する上段ディスク部材の平面図。 図8の上段ディスク部材の底面図。 本発明による固定ユニットを構成する上部ディスクの平面図。 前記固定ユニットを構成する下部ディスクの平面図。 図11の下部ディスクの底面図。 本発明による回転ユニットを構成する上部ディスクの平面図。 前記回転ユニットを構成する下部ディスクの平面図。 図14の下部ディスクの底面図。 図4に対比される、本発明によるミキシング装置の別の実施態様であって、ミキシングユニットおよび中間ハウジングを増設した場合の組立てられた状態を示した縦断面図。
24 下部ハウジング
25,26,27,28 突起
27a 突起(27)どうしの間の空間部
28a 突起(28)どうしの間の空間部
34 回転ミキシングユニットの下部ディスク
36 回転ミキシングユニットの上部ディスク
44 固定ミキシングユニットの下部ディスク
46 固定ミキシングユニットの上部ディスク
35,45 流出口
37,47 流入口
39,49 流体通路
40 中間ハウジング
41 ミキシング空間部
45 スロット
51 上部ハウジング
62 回転ミキシングユニットの流体ガイド羽根
63 固定ミキシングユニットの流体ガイド羽根
100 モーター
102 回転軸
104 回転ミキシングユニット
106 固定ミキシングユニット
107 挿入孔
108 上側端部ディスク部材
110 下側端部ディスク部材
112 出口
114 ハウジング
118 入口

Claims (7)

  1. 入口(118)と出口(112)とを有するハウジング(l14)の内部空間に、モーター(100)により相対的な回転運動をする複数個のミキシングユニットすなわち回転ミキシングユニット(104)および固定ミキシングユニット(106)を互いに対向するように平行に積層して設置し、これらのミキシングユニットの対向面には、円周方向に沿って所定の間隔で離れて配置された多数個の突起(27,28)を有する突起列を、互いに干渉しない同心円を形成するように交互に配置して構成したミキシング装置において、回転ミキシングユニット(104)および固定ミキシングユニット(106)は、所定の間隔で離れて平行に固定された、上部ディスク(36)と下部ディスク(34)の対および上部ディスク(46)と下部ディスク(44)の対から成り、これらの対をなすディスク(34,36および44,46)の外側面には突起(27,28)の列が設けてあり、対をなすディスク(34,36)の間およびディスク(44,46)の間には、それぞれ流体通路(39および49)が形成され、回転ミキシングユニット(104)および固定ミキシングユニット(106)のそれぞれにおいて、ハウジング(114)の入口(118)側へ向いたそれぞれの下部ディスク(34,44)は、その外周面がハウジング(114)の内周面と所定の間隔で離れるように形成されることにより、流体通路(39および49)とそれぞれ連通する流入口(37,47)が設けられ、ハウジング(114)の出口(112)側へ向いたそれぞれの上部ディスク(36,46)は、その内周面に流体通路(39,49)とそれぞれ連通する流出口(35,45)を有するように構成され、回転ミキシングユニット(104)および固定ミキシングユニット(106)をハウジング(114)内部において順次に結合して、多段に設置するように構成したことを特徴とするミキシング装置。
  2. 回転ミキシングユニット(104)の突起(27)および固定ミキシングユニット(106)の突起(28)が、その両側面が凹に湾曲した形状に形成されていることを特徴とする請求項1のミキシング装置。
  3. ハウジング(114)が、その内部に、回転ミキシングユニット(104)および固定ミキシングユニット(106)の中央部に流体を供給する入口(118)を有する下部ハウジング(24)と、この下部ハウジング(24)に連結して設置され、その内部に回転ミキシングユニット(104)および固定ミキシングユニット(106)を収容するミキシング空間部(41)を形成した1個以上の中間ハウジング(40)と、この中間ハウジング(40)に連結して設置され、その内部に中間ハウジング(40)のミキシング空間部(41)と連通する出口(112)を有する上部ハウジング(51)とから構成され、下部ハウジング(24)および上部ハウジング(51)間に介在する中間ハウジング(40)を多数個重ねて設置することにより、回転ミキシングユニット(104)および固定ミキシングユニット(106)が収容されるミキシング空間部(41)を延長し得るようにしたことを特徴とする請求項1のミキシング装置。
  4. 複数個のミキシングユニットが、回転ミキシングユニット(104)と固定ミキシングユニット(106)とに分離して形成され、回転ミキシングユニット(104)の中央部には、モーター(100)の回転軸(102)と一体で回転するよう結合される結合孔(105)が設けてあり、固定ミキシングユニット(106)は、その周囲がハウジング(l14)に固定され、中央には回転軸(102)がスライド可能に結合される挿入孔(107)を有することを特徴とする請求項1のミキシング装置。
  5. 回転ミキシングユニット(104)内部の流体通路(39)に、放射方向に対し所定の角度傾けて配置された1個以上の流体ガイド羽根(62)を設け、固定ミキシングユニット(106)内部の流体通路(49)には、回転ミキシングユニット(104)の流体ガイド羽根(62)とは逆方向に傾けて配置された1個以上の流体ガイド羽根(63)を放射方向に設け、流体通路(39,49)を通過する流体が、これらの流体ガイド羽根(62,63)により半径方向内側へ流れるように誘導されることを特徴とする請求項4のミキシング装置。
  6. ハウジング(114)のミキシング空間部(41)内周面に、多数個のスロット(45)を回転軸(102)に平行な方向に設けたことを特徴とする請求項1のミキシング装置。
  7. ハウジング(114)の入口(118)側および出口(112)側の内部空間において、隣接した回転ミキシングユニット(104)の突起(27)の列と、交互に配置される複数個の突起(25)の列を有する端部ディスク部材(108)とが相対的な回転運動をし、かつ、隣接した固定ミキシングユニット(106)の突起(28)の列と、交互に配置される複数個の突起(26)の列とを有する端部ディスク部材(110)とが、相対的な回転運動をするように構成したことを特徴とする請求項1のミキシング装置。
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