JP2625645B2 - 撹拌装置 - Google Patents

撹拌装置

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JP2625645B2
JP2625645B2 JP6214980A JP21498094A JP2625645B2 JP 2625645 B2 JP2625645 B2 JP 2625645B2 JP 6214980 A JP6214980 A JP 6214980A JP 21498094 A JP21498094 A JP 21498094A JP 2625645 B2 JP2625645 B2 JP 2625645B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、エマルジョンや懸濁
液などの撹拌に用いる撹拌装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来の撹拌装置、所謂ミキサは、流体中
にプロペラを挿し込んで直接撹拌するか、またはプロペ
ラ（タービン）に対し、小さなスリットを設けたステー
タ（固定抵抗部）を配置し、加速された流体がスリット
を通過する際の剪断力を利用して微粉化を促進するよう
にしている。
【０００３】さらに近年、産業界の要請が、粒子のより
微細化を追求するようになり、この点での能力の向上を
目差した改良が進められている。例えばポンプなどによ
って流体を加速し、超硬合金の障壁に衝突させ微細化を
はかる装置が開発されている。
【０００４】
【発明の課題】しかしながら、上記の攪拌装置は、いず
れも流体と金属などから成る機構部材との強い接触によ
って微細化をはかるものであって、粒子の微細化を高め
ようとすればする程、高速運転による回転軸、軸受等の
損耗が著るしく、摩耗した金属紛などが製品中に混入
し、これの除去に多くの工程と多大のコストを要してい
る。
【０００５】また、食品、化粧品などのなかには、上記
の除去工程を省くものも多く、金属イオン、微粉中の有
害物など、長期的に人体に悪影響を及ぼすものが含まれ
る。
【０００６】そこで、この発明の課題は、できるだけ高
速運転によらず、また機構部材と流体との強い接触を少
なくした撹拌装置を提供することである。
【０００７】
【課題の解決手段】上記の課題を解決するために、第１
の発明においては、水密なケーシング内にほぼ円形の内
周壁を有する一対の撹拌室を設け、それぞれの撹拌室内
にモータによって駆動されるタービンを配置し、前記ケ
ーシングの下部に前記撹拌室に連通する流体吸入口をそ
れぞれ設け、それぞれの撹拌室の内周壁の一部に流体吐
出口を対向させて設け、これらの吐出口に連通する流体
排出口をケーシングに設けた構成を採用したのである。
【０００８】また、第２の発明においては、水密なケー
シング内にほぼ円形の内周壁を有する単一の撹拌室を設
け、この撹拌室内にモータによって駆動されるタービン
を配置し、前記ケーシングの下部に前記撹拌室に連通す
る流体吸入口を設け、撹拌室の内周壁の最も離れた位置
に一対の流体吐出口を設け、これらの吐出口に一端が連
通し他端は互に対向する通路をケーシング内に設け、前
記通路の他端に連通する流体排出口をケーシングに設け
たのである。
【０００９】
【作用】第１の発明の撹拌装置においては、一対の撹拌
室に対向する吐出口を設け、タービンによって撹拌され
かつ加速された流体が吐出口から吐出された際に衝突す
るようにしたので、その衝突によって流体内の粒子が粉
砕され、さらに微細化する。このときの衝撃力は、それ
ぞれの撹拌室から吐出する流速の倍となる。
【００１０】第２の発明の装置においても同様に、一対
の吐出口に連なる通路の末端が対向しているので、末端
から流出する流体が衝突することになり、それによって
粒子が粉砕される。
【００１１】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【００１２】図１及び図２に示すように、この発明の撹
拌装置は、ケーシング１０と、一対のモータ２０ａ、２
０ｂと、前記ケーシング１０内に設けられた一対の撹拌
室１１ａ、１１ｂに収納されたタービン２２ａ、２２ｂ
より成り、これらのタービン２２ａ、２２ｂは、それぞ
れモータ２０ａ、２０ｂの回転軸２１ａ、２１ｂに接続
され、モータ２０ａ、２０ｂによって回転駆動されるよ
うになっている。
【００１３】上記タービン２２ａ、２２ｂは、平羽根タ
ービン、曲り羽根タービンなど種々選択可能である。
【００１４】上記ケーシング１０は、本体１１と、この
本体１１を水密に被う上カバー１２と下カバー１３より
成り、上カバー１２を前記軸２１ａ、２１ｂが水密に貫
通し、下カバー１３には、撹拌室１１ａ、１１ｂにそれ
ぞれ連通する流体の吸入口１３ａ、１３ｂが設けられて
いる。
【００１５】前記撹拌室１１ａ、１１ｂの内周壁１４
ａ、１４ｂは、図２に示すように、ほぼ円形になってい
るが、流体の吐出口１５ａ、１５ｂの外側壁１６ａ、１
６ｂは、円形の内周壁１４ａ、１４ｂから接線方向に延
びている。そして吐出口１５ａ、１５ｂは、矢印で示す
ように、前記接線を中心線とするように向き合ってい
る。
【００１６】前記吐出口１５ａ、１５ｂは、撹拌された
流体の排出口１７ａ、１７ｂに連通している。
【００１７】いま、モータ２０ａ、２０ｂを駆動してタ
ービン２２ａ、２２ｂを同方向に回転させると、吸入口
１３ａ、１３ｂから流体が撹拌室１１ａ、１１ｂに吸入
され、タービンによって撹拌され微粉化される。撹拌さ
れた流体は同時に加速され吐出口１５ａ、１５ｂから噴
出する。このとき、吐出口１５ａ、１５ｂの外側壁１６
ａ、１６ｂが撹拌室１１ａ、１１ｂの内周壁１４ａ、１
４ｂと接線方向に形成されているので、速度が減殺され
ることが少ない。
【００１８】吐出口１５ａ、１５ｂから噴出した流体
は、双方の中間部分で衝突しこれによって粉砕され、さ
らに、微粒子となる。このときの衝突速度は、それぞれ
の吐出速度の２倍となるから、衝突による粉砕がより有
効に行なわれる。
【００１９】上記実施例においては、一対の撹拌室１１
ａ、１１ｂを設け、それぞれの撹拌室にタービンを設置
したが、図３及び図４に示すように、一個の撹拌室でも
ほぼ同等の効果をあげることができる。
【００２０】図示のように、モータ２０ｃによって回転
駆動される単一のタービン２２ｃがケーシング１０内に
設けられた単一の撹拌室１１ｃ内に収納されている。ケ
ーシング１０は、前述と同様に本体１１と上カバー１２
及び下カバー１３より成り、下カバー１３には吸入口１
３ｃが設けられている。
【００２１】前記撹拌室１１ｃは、ほぼ円形の内周壁１
４ｃを有し、その最も離れた位置に吐出口１５ｃ、１５
ｄが設けられ、吐出口１５ｃ、１５ｄの外側壁１６ｃ、
１６ｄは、内周壁１４ｃの接線方向に延びている。
【００２２】前記吐出口１５ｃ、１５ｄは、下方に延び
る通路１５ｅ、１５ｆに連通し、これらの通路１５ｅ、
１５ｆの下端は、排出口１７ａ、１７ｂの中間位置で向
き合っている。
【００２３】いま、モータ２０ｃによってタービン２２
ｃを回転させると、吸入口１３ｃから流体が撹拌室１１
ｃ内に吸引されて、タービン２２ｃによって撹拌されな
がら粉砕される。そして吐出口１５ｃ、１５ｄから吐出
し、通路１５ｅ、１５ｆを通ってその下端部で互に衝突
し、さらに微粉化され、排出口１７ａ、１７ｂから排出
される。
【００２４】
【効果】この発明によれば、以上のように、タービンで
流体を撹拌して微粉化すると共に撹拌室から吐出した流
体を互に衝突させることによってさらに微粉化するよう
にしたので、障壁などが不要となり金属の摩耗紛などの
混入を減少させることができる。
【００２５】また、流体の衝突時の速度は、互の流速の
倍になるため、モータの回転数を上げることなく衝撃力
を高め微粉化をはかることができるので、上記摩耗粉の
混入減少とあいまって、微粉化コストを大幅に削減する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の撹拌装置の一例を示す分解斜視図
【図２】同上の撹拌室を示す平面図
【図３】この発明の撹拌装置の他の例を示す縦断面図
【図４】同上の撹拌室を示す平面図
【符号の説明】
１０ ケーシング １１ 本体 １１ａ、１１ｂ、１１ｃ 撹拌室 １２ 上カバー １３ 下カバー １３ａ、１３ｂ、１３ｃ 吸入口 １４ａ、１４ｂ、１４ｃ 撹拌室の内周壁 １５ａ、１５ｂ、１５ｃ、１５ｄ 吐出口 １６ａ、１６ｂ、１６ｃ、１６ｄ 吐出口の外側壁 １７ａ、１７ｂ 排出口 ２０ａ、２０ｂ、２０ｃ モータ ２１ａ、２１ｂ 回転軸 ２２ａ、２２ｂ、２２ｃ タービン

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 水密なケーシング内にほぼ円形の内周壁
    を有する一対の撹拌室を設け、それぞれの撹拌室内にモ
    ータによって駆動されるタービンを配置し、前記ケーシ
    ングの下部に前記撹拌室に連通する流体吸入口をそれぞ
    れ設け、それぞれの撹拌室の内周壁の一部に流体吐出口
    を対向させて設け、これらの吐出口に連通する流体排出
    口をケーシングに設けた撹拌装置。
  2. 【請求項２】 水密なケーシング内にほぼ円形の内周壁
    を有する単一の撹拌室を設け、この撹拌室内にモータに
    よって駆動されるタービンを配置し、前記ケーシングの
    下部に前記撹拌室に連通する流体吸入口を設け、撹拌室
    の内周壁の最も離れた位置に一対の流体吐出口を設け、
    これらの吐出口に一端が連通し他端は互に対向する通路
    をケーシング内に設け、前記通路の他端に連通する流体
    排出口をケーシングに設けた撹拌装置。
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