JP4437616B2 - サージ吸収素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サージなどの過電圧を放電動作で吸収可能にするサージ吸収素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
過電圧を放電動作で吸収可能にするサージ吸収素子は、ガラスやセラミックなどの容器の中に放電電極を対向させ、容器内部に不活性ガスを封入してあり、過電圧が印加されると、電極間の放電によって過電圧を逃がし、後段回路への過電圧の進入を制限する。サージ吸収素子の性能は、サージ耐量、放電開始電圧、応答速度等で代表させる事ができる。前記放電開始電圧はサージ吸収素子を用いる回路仕様等に応じて決定される。しかしながら、サージ吸収素子に放電開始電圧以上の電圧が印加されてから放電が開始されるまでの放電開始遅れが長いと、その間、回路にサージ電圧が印加されたままになり、回路破壊を生ずる虞が高くなる。この放電遅れを見込んで放電開始電圧の低いサージ吸収素子を採用すると、逆に、サージを逃がした後も放電が持続されて続流を生じて破壊する虞がある。
【0003】
サージ吸収素子の上記放電開始遅れを改善する技術を記載したものとして、特開平6−52964号公報がある。これは、容器の内面に多数の補助放電電極を形成し、沿面放電によって放電開始を早めるようにしたものである。特開平8−222347号公報は、沿面放電の発生には所定の電界強度が必要であるから、放電開始電圧の低い放電型サージ吸収素子の場合には沿面放電により放電開始を改善できない場合も有るという点に着目して、容器内の一対の放電電極の基端に誘電体基台を設け、この表面に、一対の放電電極を接続する線状のトリガ電極を設け、トリガ電極には各放電電極との間に微小間隙を設けるようにしたものである。しかしながら、それには続流防止の観点が考慮されていない。
【0004】
特開平11−26138号公報は、サージ吸収動作によるアーク放電で放電電圧がピーク電圧以下になることによりサージが去った後も電源電圧により放電が持続し、所謂続流によってサージ吸収素子などの回路素子が破壊する虞のあることに着目して成されたものであり、放電電極に、温度上昇に応答して酸素を放出し、温度低下に応答して酸素を吸収する酸素イオン導電体層を形成したものである。この技術は放電遅れと続流の双方を対策しているが、放電電極に設けられた酸素イオン導電体層の経時的な劣化について考慮されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者は、放電遅れと破壊に至る続流の双方に対して容易に対策することができる放電型のサージ吸収素子を提供するために、一対の主電極の間にフローティング電極を配置したサージ吸収素子の構造を提案した(特願2000−101166号)。このサージ吸収素子の構造は未だ公知ではない。前記フローティング電極は外界から絶縁されており、前記一対の主電極の電位の間の電位を採り、また、フローティング電極と主電極との距離は主電極間の距離よりも短い。よって、主電極間に、所定電圧以上の過電圧が印加されると、主電極間の電界強度に比べて主電極とフローティング電極との間の電界強度の方が先に高まり、主電極とフローティング電極との間で、相対的に放電遅れの少ない放電が開始され、この初期的な放電によって容器内の電位やイオンが増えて、主電極間に速やかにグロー放電が生起されてアーク放電に移行し、これによって主電極間に大きな電流が流れ、サージが吸収される。このように、放電開始時にはあたかも主電極の放電ギャップが狭くなったのと同じ機能が実現されるから、主電極だけでアーク放電に移行させる場合に比べて放電遅れを解消することができる。また、フローティング電極は主電極の放電によってチャージアップされるから、主電極間にアーク放電が形成されるまでにフローティング電極は比較的高い電位にチャージされることになる。これにより、フローティング電極の電位は一方の主電極の電位に近着くことになり、放電前に比べて放電開始を容易化する能力が低減され、これは、持続放電を惹起させようとする能力を抑える方向に機能する。したがって、放電遅れを見込んで放電開始電圧の低いサージ吸収素子を採用しなくても放電遅れを解消でき、アーク放電に移行してサージを逃がしているときは放電開始前に比べて放電促進機能が低くされるので、サージを逃がした後に破壊に至るような続流が維持される虞も低減することが可能になる。
【0006】
本発明者は、その後も、上記先の提案技術を更に検討し、以下の点を見出した。即ち、フローティング電極が主電極間の放電領域に入っていると、放電による電子及びイオン衝撃で壊散した電極材料や電子放射物質、或は容器内の不純物が、フローティング電極に衝突して付着し、それが堆積し変質することによりフローティング電極表面の導電性が失われ、放電開始電圧が不所望に高くなり、サージ吸収性能が劣化する事態に至ることが明らかにされた。
【0007】
本発明の目的は、放電遅れと破壊に至る続流の発生を防止でき、しかも、経時的に放電開始電圧が高くなってサージ吸収性能が劣化する事態を生じ難い、サージ吸収素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るサージ吸収素子は、絶縁性の容器と、前記容器内に片持ちで立設され相互に所定距離をもって対向された複数本の主電極と、前記主電極に導通し容器外に導出されたリード電極と、前記複数本の主電極から離間して前記容器内に立設され前記容器外とは絶縁されたフローティング電極と、前記複数本の主電極の先端に前記所定距離よりも短い距離をもって対向し且つ前記フローティング電極に導通固定されたトリガ電極と、前記容器に充填された不活性ガスと、を有して成る。
【0009】
前記フローティング電極は、主電極及び容器外とは電気的に絶縁されて容器内に配置されているから、前記主電極の高電位と低電位との間の電位を採る。フローティング電極に導通されたトリガ電極と主電極との距離は主電極間の距離よりも短いから、主電極間に、所定電圧以上の過電圧が印加されると、主電極間の電界強度に比べて主電極とトリガ電極との間の電界強度の方が先に高まり、主電極の先端とトリガ電極との間で、相対的に放電遅れの少ない放電が開始され、この初期的な放電によって容器内の電子やイオンが増える。この主電極先端とトリガ電極との間での放電面積は極めて小さいから、この放電経路に大きな放電電流を流すことはできない。大きな放電面積を得られる主電極の対向面間では、前記初期的な放電がトリガとなって、グローが生起されて大きな放電電流が流れ易い状態に遷移し、アーク放電に移行して主電極間に大きな電流が流れ、これによってサージが吸収される。前記主電極先端とトリガ電極との間の初期的放電は、あたかも主電極の放電ギャップを狭くしたのと同じ機能を実現するから、主電極だけでアーク放電に移行させる場合に比べて放電遅れを解消することができる。フローティング電極及びそれに導通されるトリガ電極は主電極の放電によってチャージアップされるが、トリガ電極と主電極先端との間で形成できる放電電流は僅少であり、主電極とトリガ電極との間に大きな持続放電を生ずることはなく、サージ吸収後に破壊に至る続流が維持される虞はない。また、トリガ電極は主電極間の放電経路に入っていないから、主電極間の放電による電子衝撃及びイオン衝撃で壊散した電極材料や電子放射物質、或は容器内の不純物がトリガ電極に衝突して堆積することはない。これにより、トリガ電極表面の導電性が堆積物で失われて放電開始電圧が不所望に高くなることは生ぜず、経時的なサージ吸収性能の劣化を防止することができる。
【0010】
本発明の具体的な態様として、前記主電極を2本立設し、そのおおよそ中間位置に前記フローティング電極を1本立設した電極構造を採用できる。また、前記主電極を三角形の各頂点の配置で3本立設し、前記フローティング電極を前記三角形のおおよそ重心位置に1本立設する電極構造を採用することも可能である。後者のサージ吸収素子は、1個の素子で2個の端子若しくは信号経路に対してサージの吸収が可能である。
【0011】
前記トリガ電極は、棒状、平板状、または円板状等の何れの形状でもよい。特に、前記トリガ電極には、前記主電極の先端に対向する角部を形成すれば、角部のエッジ効果により、主電極先端との初期放電が更に容易になる。初期放電の容易化という点では、前記主電極の外周部に電子放射物質を設けるとよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1には本発明に係るサージ吸収素子の正面断面図が示される。同図に示されるサージ吸収素子1は、ガラスなどの絶縁性の容器2に、2本の主電極3,3、1本のフローティング電極4、前記フローティング電極4に固定されたトリガ電極5、及び前記主電極3,3を電気的に容器2外に導通させるリード電極6,6を有する。容器2の中には例えばアルゴンガス等の不活性ガスが73×103〔Pa〕程度封入されている。
【0013】
前記容器2は、特に制限されないが、硬質ガラス、石英ガラス、又はセラミックガラスから成り、外径8.0mm、肉厚0.75mm、全長が10mmとされる。主電極3,3は直径1.0〜1.5mmのニッケル金属線で成り、表面には例えば酸化バリウムから成る電子放射物質(エミッタ物質)7が塗布されている。リード電極6,6は例えば直径1.25mmのコバール線から成り、前記容器2に4mm程度の間隔で封着されている。前記主電極3,3は前記リード電極6,6に熔接で接続される。主電極3,3の基端から先端までの長さは4〜5mm程度である。前記フローティング電極4は例えば直径0.6mm程度のコバール線から成り、前記トリガ電極5は直径0.6mm程度のステンレス線から成り、両者は大凡Tの字状に熔接固定されている。
【0014】
図1の例では、フローティング電極4は一対の主電極3,3の大凡中間に配置される。前記トリガ電極は前記主電極3,3の先端に対向配置され、そのギャップは例えば0.2〜0.8mm程度である。
【0015】
前記サージ吸収素子1は例えば以下の手順で製造される。主電極3をリード電極6に熔接し、主電極3の表面に炭酸バリウムを塗布する。塗布は炭酸バリウムの懸濁液に主電極3の先端からこれを浸して行われる。また、フローティング電極4にトリガ電極5をTの字状に熔接する。前記主電極3が熔接されたリード電極6及びフローティング電極4を所定の間隔でガラス管内に設置し、ガラス管の一端を加熱軟化した状態で押しつぶして封止する。このとき、主電極3の先端とトリガ電極5との間のギャップを既定値に設定する。フローティング電極4の基端はガラス管の外に出ないようにされる。前記ガラス管は前記容器2を構成するものであり、このガラス管の他端の排気管に真空排気装置を接続し、ベークアウトを行ないながら真空に排気する。高真空に達したら、主電極3を加熱して表面の炭酸バリウムを酸化バリウムに変化させる。この後、ガラス管にアルゴンガスを充填し、排気管を切断し、切断部分を溶融して封止する。この後、更に主電極3,3の間に外部から電圧を印加して放電を生起させ、所定時間エージングを行なう。
【0016】
以上のように構成されたサージ吸収素子1の作用を説明する。前記フローティング電極4は、前記主電極3,3と容器2の外とに対して電気的に絶縁されて容器2内に配置されているから、前記主電極3,3の高電位と低電位との間の電位を採る。例えばサージ吸収素子1が電子回路装置の信号端子と回路の接地端子との間に配置されている場合を想定すると、一方の主電極には前記信号端子に入力される信号振幅に応じた電位が与えられ、他方の主電極には回路の接地電位が与えられる。この状態において、フローティング電極4は主電極3,3の電位状態に応じて軽いチャージ又はディスチャージが行なわれると予想される。結果として、フローティング電極4は前記主電極3,3の高電位と低電位との間に位置する電位を採ることになる。前記フローティング電極4に導通されたトリガ電極5と主電極3,3との距離は主電極3,3間の距離よりも短いから、主電極3,3間に、所定電圧以上の過電圧が印加されると、主電極3,3間の電界強度に比べて主電極3とトリガ電極5との間の電界強度の方が先に高まり、主電極3,3の先端とトリガ電極5との間で、相対的に放電遅れの少ない放電が開始され、この初期的な放電によって容器2内の電子やイオンが増える。この主電極3先端とトリガ電極5との間での放電面積は極めて小さいから、この放電経路に大きな放電電流を流すことはできない。大きな放電面積を得られる対向する主電極3,3の間では、前記初期的な放電がトリガとなって、グローが生起されて大きな放電電流が流れ易い状態に遷移し、アーク放電に移行して主電極3,3間に大きな電流が流れ、これによってサージが吸収される。
【0017】
前記主電極3,3先端とトリガ電極5との間の初期的放電は、あたかも主電極3,3の放電ギャップを狭くしたのと同じ機能を実現するから、主電極3,3だけでアーク放電に移行させる場合に比べて放電遅れを解消することができる。前記主電極3,3の外周部に電子放射物質を設けてあるので、初期放電は更に円滑である。前記フローティング電極4及びそれに導通されるトリガ電極5は主電極3,3の放電によってチャージアップされるが、トリガ電極5と主電極3,3先端との間で形成できる放電電流は僅少であり、主電極3とトリガ電極5との間に大きな持続放電を生ずることはなく、サージ吸収後に破壊に至るような続流が維持される虞はない。また、トリガ電極5は主電極3,3間の放電経路に入っていないから、主電極3,3間の放電による電子衝撃及びイオン衝撃で壊散した電極材料や電子放射物質、或は容器2内の不純物がトリガ電極5に衝突して堆積することはない。これにより、トリガ電極5表面、特に主電極3,3先端の対向面の導電性が堆積物で失われて放電開始電圧が不所望に高くなることは生ぜず、経時的なサージ吸収性能の劣化を防止することができる。
【0018】
図8に本発明の上記サージ吸収素子1と先に提案したところの主電極にフローティング電極だけを設けたサージ吸収素子の耐久性の試験結果を示す。この試験においては、それぞれのサージ吸収素子に15KV、8×20μsec、7000Aの雷サージを繰り返し印加して、素子の放電開始電圧を調べた。試験に供した素子の数はそれぞれ10個である。図においては、サージの繰り返し回数を横軸に、縦軸に素子の放電開始電圧を示し、10個のばらつき及びその平均値を示した。本発明のサージ吸収素子は上記雷サージの繰り返し印加によっても放電開始電圧は極めて安定しており、一方先に提案したところの主電極にフローティング電極だけを設けたサージ吸収素子は雷サージ印加により放電開始電圧が上昇する大きな差があらわれた。
【0019】
本発明のサージ吸収素子1において安定した放電特性が得られるのは、主電極3に近接してトリガー電極5を設けたことにより、主電極3とトリガー電極5との間で速やかに初期放電が発生し、この初期放電で発生した電子、イオンによって主電極3,3間のグロー放電、さらにアーク放電が生起し、雷サージの大電流を吸収するものである。また、トリガー電極5により、主電極3とトリガー電極5間の初期放電が主電極3,3間の主放電に発展するが、トリガー電極5が主電極3,3間の放電経路に入っていないので、主電極3,3間の放電による電子衝撃及びイオン衝撃で壊散した電極材料や電子放射物質、或いは容器2内の不純物がトリガー電極5に堆積することはない。これによって放電開始電圧が安定するものである。なお、フローティング電極だけを設けた先の提案のサージ吸収素子において、放電開始電圧が急激に上昇するのは、フローティング電極が主放電に曝され、堆積物が付着して、表面の導電性が失われるためである。
【0020】
図2にはサージ吸収素子の第2の例が示される。図1との相違点はトリガ電極5を上に僅かに凸状に湾曲させ、角部5Aを主電極3の先端に対向させて構成した点が相違される。前記主電極の先端に対向する角部5Aを形成すれば、角部5Aのエッジ効果により、主電極3,3先端との初期放電が更に容易になる。
【0021】
図3にはサージ吸収素子の第3の例が示される。図1との相違点はトリガ電極5の左右端面を斜めに面取りして角部5Aを形成し、これを主電極3の先端に対向させて構成した点が相違される。上記同様、角部5Aのエッジ効果により、主電極3,3先端との初期放電が更に容易になる。
【0022】
図4にはサージ吸収素子の第4の例が示される。図1との相違点はトリガ電極5を薄い板片にて形成し、これを主電極3の先端に対向させて構成した点が相違される。
【0023】
図5にはサージ吸収素子の第5の例が示される。図1との相違点は電子放射物質の保持形態であり、電子放射物質を表面に保持させたコイル8を主電極3,3に挿通させて装着した点である。ここでは小さなディスク状のトリガ電極5を採用している。
【0024】
図6にはサージ吸収素子の第6の例が示される。図7には図6のA−A線矢視断面が示される。図1乃至図5の例では前記主電極を2本立設し、そのおおよそ中間位置に前記フローティング電極4を1本立設した電極構造を採用したが、図6では、前記主電極3を三角形の各頂点の配置で3本立設し、前記フローティング電極4を前記三角形のおおよそ重心位置に1本立設する電極構造を採用する。このサージ吸収素子によれば、1個の素子で2個の端子若しくは信号経路に対してサージの吸収が可能である。例えば、電子回路装置の2個の信号端子に2個の主電極3,3を別々に接続し、残り1個の主電極3を回路の接地電圧に接続する。
【0025】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0026】
例えば、主電極が2本のときフローティング電極は必ずしも主電極の間に配置されなくてもよい。主電極を結ぶ直線上にフローティング電極が配置されなくてもよい。前記角部5Aを尖鋭突起で構成してもよい。
【0027】
また、サージ吸収素子に採用する不活性ガスは、アルゴンの他に、ネオン、キセノン、クリプトンなどの希ガス、或いは窒素を用いてよい。主電極3,3の主材料にはニッケル、アルミニウム、ステンレス、タングステン、又はモリブデンを採用してよい。それらの組み合わせによって安定した放電が得られ、且つ、それら電極材料は耐熱性がありガス放出も少ないから、特性変動の少ないサージ吸収素子を実現可能にする。不活性ガスに窒素ガスを用いると、放電開始電圧の大きく異なるものを得る事ができる。例えば、不活性ガスとしてアルゴンを用いた場合、放電開始電圧の中心値はほぼ1000〔V〕であるが、窒素ガスを用いた場合には、放電開始電圧の中心値を3000〔V〕程度にすることができる。このとき、ガス圧は86000〔Pa〕、主電極にエミッタを塗布していない。また、上記の例ではニッケル製主電極の表面に酸化バリウムを塗布したが、酸化バリウム以外に酸化ストロンチウム、酸化カルシウム等を添加してもよい。それらを単独使用しても組合せて使用してもよい。また、上記実施例ではフローティング電極4を容器2の封止部に埋め込んだが、その一端を容器の外に引き出し、引き出した部分を酸化アルミニウムやシリコンゴムなどの絶縁材料で電気的に絶縁してもよい。
【0028】
【発明の効果】
本発明に係るサージ吸収素子によれば、放電遅れを見込んで放電開始電圧の低いサージ吸収素子を採用しなくても放電遅れを解消でき、サージを逃がした後には破壊に至るような続流の発生を防止することができる。そして、経時的にサージ吸収性能が劣化する事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサージ吸収素子を例示する正面断面図である。
【図2】本発明に係るサージ吸収素子の第2の例を示す正面断面図である。
【図3】本発明に係るサージ吸収素子の第3の例を示す正面断面図である。
【図4】本発明に係るサージ吸収素子の第4の例を示す正面断面図である。
【図5】本発明に係るサージ吸収素子の第5の例を示す正面断面図である。
【図6】本発明に係るサージ吸収素子の第6の例を示す正面断面図である。
【図7】図6のA−A線矢視断面図である。
【図8】本発明に係るサージ吸収素子と本発明者が先に提案したサージ吸収素子との耐久性試験結果を示す説明図である。
【符号の説明】
1 サージ吸収素子
2 容器
3 主電極
4 フローティング電極
5 トリガ電極線
5A 角部
6 リード電極
7 電子放射物質

Claims (6)

  1. 絶縁性の容器と、前記容器内に片持ちで立設され相互に所定距離をもって対向された複数本の主電極と、前記主電極に導通し容器外に導出されたリード電極と、前記複数本の主電極から離間して前記容器内に立設され前記容器外とは絶縁されたフローティング電極と、前記複数本の主電極の先端に前記所定距離よりも短い距離をもって対向し且つ前記フローティング電極に導通固定されたトリガ電極と、前記容器に充填された不活性ガスと、を有して成るものであることを特徴とするサージ吸収素子。
  2. 前記主電極は2本立設され、そのおおよそ中間位置に前記フローティング電極が1本立設されて成るものであることを特徴とする請求項1記載のサージ吸収素子。
  3. 前記主電極は三角形の各頂点の配置で3本立設され、前記フローティング電極は前記三角形のおおよそ重心位置に1本立設されて成るものであることを特徴とする請求項1記載のサージ吸収素子。
  4. 前記トリガ電極は、棒状、平板状、または円板状の中から選ばれた一つの形状を有して成るものであることを特徴とする請求項2又は3記載のサージ吸収素子。
  5. 前記トリガ電極は、前記主電極の先端に対向する角部を有して成るものであることを特徴とする請求項2又は3記載のサージ吸収素子。
  6. 前記主電極の外周部に電子放射物質が設けられて成るものであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載のサージ吸収素子。
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