JP4437595B2 - 超塑性成形装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超塑性成形装置に関し、一層詳細には、ワークを効率的に加熱することが可能な超塑性成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属材料、セラミクス材料等のワークを超塑性領域において加工する超塑性加工技術が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の超塑性加工技術を成形装置に適用して構成された超塑性成形装置は、例えば、成形用の型と、この型とともにワークを収容する炉を備えている。この炉には、該炉内に配置された型およびワークを加熱するための加熱装置が装着されている。また、超塑性成形装置は、ワークにエア圧を加えて該ワークを型に押しつけるためのエア供給装置を備えている。
【0004】
ところで、この超塑性成形装置においては、炉内に配置された型およびワークを同時に加熱するようにする。さらに、製品を取り出す際には、炉を開ける必要があるため、炉内の熱が外部に放出されてしまう。この場合、1回の成形作業を行う度に炉全体を再加熱する必要があるため、成形作業に多くのエネルギを要することとなる。
【0005】
本発明は、前記の不都合を解決するためになされたものであり、成形作業等の加工作業に要するエネルギの削減を図ることが可能な超塑性成形装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ワークに超塑性成形加工を施すための超塑性成形装置において、前記ワークに電気を供給してジュール熱を発生させる電気供給手段と、前記ワークに対する超塑性成形加工を行う成形手段とを有することを特徴とする(請求項1記載の発明)。
【0007】
このように、ワークに電気を供給して該ワークを超塑性領域まで加熱するようにしているため、加熱用の炉を用いる場合に比べて、装置の小型化を図るとともに、エネルギ効率の向上を図ることができる。さらに、加工作業時間の短縮化を実現することもできる。
【0008】
この場合、前記成形手段は、成形用の型と、前記ワークに流体圧を加えて該ワークを前記型に押しつける流体圧供給手段とを有するようにしてもよい。
【0009】
また、前記成形手段は、前記ワークを超塑性変形させるためのツールを備えた成形ロボットを有するようにしてもよい。
【0010】
この場合、前記ツールに温度調節手段を設けることによって、ワークの熱がツール側に伝わることを回避し、ワークの温度制御を正確に行うことができる。
【0011】
また、前記超塑性成形装置は、前記ワークを収容する室を備え、前記室は、前記ワークを介して第1および第2の室に分割されており、前記室には、前記第1および第2の室内の気圧を調節することによって前記ワークの姿勢を制御する気圧調節手段が装着されている。このため、加工を行うのに最適な姿勢にワークを保持しながら加工作業を行うことができる。
【0012】
さらに、前記電気供給手段は、前記ワークに配される複数の電極を有し、且つ、前記各電極の中から選択した少なくとも2組の電極の間に所定の順序で電気を供給することを特徴とする(請求項1記載の発明)。このため、ワーク中の電流の経路を変化させることによって、ワーク全体のヤング率を均一化することができる。
【0013】
この場合、前記電気供給手段は、前記各電極を介して前記ワークに電気を供給するための電源装置と、前記電源装置と前記各電極との間の接続を選択的に切り換える切換機とを有する(請求項2記載の発明)。このため、切り換え可能な複数の電流の経路をワーク中に網の目状に構成し、ワーク中の温度の制御を高い分解能で行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に係る超塑性加工装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0017】
図1は、第1の実施の形態に係る超塑性成形装置10の概略的な構成を示している。この超塑性成形装置10は、ワークWに超塑性成形加工を施すための成形手段を構成する成形装置12と、該成形装置12に装着されたワークWに電気を供給するための電気供給手段を構成する電源装置14と、成形装置12にブロー用の流体(実際は、空気等の気体)を供給するための流体圧供給手段を構成するエア供給装置16と、これら電源装置14およびエア供給装置16を制御するコントローラ20とを備えている。
【0018】
また、コントローラ20には、超塑性成形装置10の動作条件等を設定するための条件設定器22と、コントローラ20を図示しないマスタコントローラ(上位コントローラ)等と接続するためのインタフェース24とが接続されている。
【0019】
成形装置12は、上型本体28aおよび下型本体28bを備えている。そして、下型本体28bには、実質的に成形用の型を構成する型インサート30が装着されている。
【0020】
上型本体28aの下端部における、例えば左右の位置には、電極32aおよび電極34aがそれぞれ設けられている。また、下型本体28bの上端部における、例えば左右の位置には、電極32bおよび電極34bがそれぞれ設けられている。この場合、電極32aおよび電極32bと、電極34aおよび電極34bが、それぞれ電源装置14の同じ極の端子に接続されている。
【0021】
第1の実施の形態において、ワークWは、例えば略平板状かつ平面略四辺形状に形成されており、その材質としては、アルミニウム合金、鉄合金、ニッケル合金、チタン合金等の超塑性材料が採用される。
【0022】
ワークWは、その四辺部が上型本体28aの下端部と下型本体28bの上端部との間に挟まれた状態でこれら上型本体28aおよび下型本体28bに保持される。さらに、ワークWは、クランプ36a、36bで上型本体28aと下型本体28bの間に加えられるクランプ力によって、これら上型本体28aおよび下型本体28bと一体的に固定される。
【0023】
図2は、ワークWに電極32a、32bおよび電極34a、34bが装着された状態を平面的に示している。図1および図2に示すように、ワークWが上型本体28aおよび下型本体28bに保持された状態において、電極32a、32bおよび電極34a、34bは、ワークWの左辺部および右辺部にそれぞれ接している。
【0024】
図3は、電源装置14の構成を示している。電源装置14は、三相交流電源44から供給される三相交流電流を直流電流に変換するコンバータ部(整流回路部)46と、コンバータ部46で得られた直流電流を二相交流電流に変換するインバータ部48と、インバータ部48で得られた二相交流電流を直流電流に変換する直流変換部50とを備えている。
【0025】
コンバータ部46は、三相交流電源44からの三相交流電流を整流する整流ブロック52と、整流ブロック52で得られた電流を平滑化させるコンデンサ(例えば、電解コンデンサ)54とを備えている。
【0026】
インバータ部48は、トランジスタで構成された4つのスイッチング素子56a〜56dを備えており、これらスイッチング素子56a〜56dは、ドライバ58から供給される信号に基づいてON/OFF制御される。そして、スイッチング素子56a〜56dのON/OFF制御に基づいて、インバータ部48から二相交流電流が出力される。
【0027】
直流変換部50は、トランス59と、整流回路を構成するダイオード60a、60bとを備えている。そして、インバータ部48からの二相交流電流は、トランス59によって変圧されるとともに、整流回路(ダイオード60a、60b)によって整流され、その結果、直流電流が得られる。
【0028】
直流変換部50からの直流電流は、電極32a、32bおよび電極34a、34bを介して図1に示すワークWに供給される。これに伴って、図2に示すワークW中を左右いずれかの方向に向かって電流が流れ、ワークWにジュール熱が発生することとなる。
【0029】
また、電源装置14は、図3に示すように、コンバータ部46で得られた直流電流の電流値I1を検出する電流値検出器64と、直流変換部50で得られた直流電流の電流値I2を検出する電流値検出器66とを備えている。そして、これら電流値検出器64、66からの電流値I1、I2は、コントローラ20にそれぞれ供給され、後述するように、該コントローラ20によって電流値I2がフィードバック制御される。
【0030】
この場合、電源装置14、電極32a、32bおよび電極34a、34b、並びに電流値検出器64、66等は、図1のワークWに電気を供給するための電気供給手段を構成している。
【0031】
図4は、電源装置14からワークWに供給される電流値I2、ワークWの電気抵抗値Rおよびヤング率Eの、時間tに対する特性を示している。
【0032】
コントローラ20は、予め定められた電流値制御スケジュールに基づいて、電源装置14からワークWに供給すべき電流の電流値I2を制御する。この電流値制御スケジュールは、ワークWを発熱させてその状態を超塑性状態に移行させ、その後、超塑性状態に維持させることができるように、例えば実験データ等に基づいて構成されている。
【0033】
具体的には、電流値制御スケジュールは、電流値I2を例えばゼロ値(0)からIaまで傾斜状に増加させる時点t0〜t1の期間と、電流値I2をIaに維持してワークWの状態を超塑性状態に移行させる時点t1〜t2の期間と、電流値I2をIaからIbまで低下させ、その後、Ibに保ってワークWの状態を超塑性状態に維持させる時点t2以降の期間とを有する。
【0034】
この電流値制御スケジュール中の時点t0〜t1の期間において、電流値I2を傾斜状に増加させるのは、ワークWに電流が流れることによって該ワークWに加わるローレンツ力が急激に変化することを防ぐためである。
【0035】
この電流値制御スケジュールに従って電流値I2を制御することによって、ワークWのヤング率Eは、固体領域に含まれる値E0から超塑性領域に含まれる値E1に遷移し、その後、この値E1に維持される。この場合、このヤング率Eの値E1は、ワークWに対する超塑性成形加工を行うのに適した値に設定されている。
【0036】
なお、ワークWの抵抗値Rは、ワークWの状態が超塑性状態に移行するのに伴って増加する。従って、この抵抗値Rを検出することによって、電流値I2をフィードバック制御することもできる。
【0037】
また、図1に示すように、上型本体28aに赤外線温度解析装置(サーモビュア装置)70を装着し、この赤外線温度解析装置70によって得られたワークWの温度分布情報に基づいて、電流値I2をフィードバック制御するようにしてもよい。
【0038】
図5は、ワークWに対する超塑性成形加工の作業を示している。ワークWの状態を超塑性状態に維持しながら(すなわち、図4に示すワークWに電流を供給して、ワークWのヤング率Eを所望の値E1に維持しながら)、上型本体28aとワークWの間にエア供給装置16からのエアを供給してワークWにエア圧(流体圧)を加えると、ワークWが下型本体28b側に押される。そして、ワークWが型インサート30に押しつけられると、この型インサート30の形状に沿ってワークWが変形し、所望の形状の成形品が得られる。
【0039】
このように、本発明の第1の実施の形態に係る超塑性成形装置10においては、ワークWに電気を供給して該ワークWを発熱させることによって、ワークWを超塑性領域に移行させるようにしている。このため、ワークWを上型本体28aおよび下型本体28bと同時に加熱するための炉を設ける場合に比べて、超塑性成形装置10の小型化を図るとともに、エネルギ効率の向上を図ることができる。
【0040】
また、炉の中に配置されたワークW、上型本体28aおよび下型本体28bを同時に加熱する作業が不要となるため、成形作業時間の短縮を図ることもできる。
【0041】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る超塑性成形装置について説明する。
【0042】
図6は、第2の実施の形態に係る超塑性成形装置110の概略的な構成を示している。超塑性成形装置110は、図1の第1の実施の形態に係る超塑性成形装置10とほぼ同じ構成のコントローラ20、条件設定器22およびインタフェース24を備えている。なお、図6中では、条件設定器22およびインタフェース24の図示は省略している。
【0043】
また、図6の第2の実施の形態に係る超塑性成形装置110が適用されるワークWの形状は、図1の例と同じである。
【0044】
図6に示すように、超塑性成形装置110は、電気供給手段を構成する複数(例えば、12個)の電極112a〜112lを備えている。これら電極112a〜112lは、例えばワークWの四辺部にそれぞれ3つずつ接続されている。また、超塑性成形装置110は、電気供給手段を構成する電源ユニット114を備えており、この電源ユニット114から電極112a〜112lを介して、ワークWに電気が供給される。
【0045】
図7は、電源ユニット114の構成を示している。電源ユニット114は、図3に示す電源装置14とほぼ同じ構成の複数(例えば、6つ)の電源装置14a〜14fを備えている。そして、これら電源装置14a〜14fには、電極112a〜112lが、例えば、それぞれ2つずつ接続されている。
【0046】
なお、各電源装置14a〜14fに3つ以上の電極112a〜112lを接続するようにしてもよく、また、各電源装置14a〜14fに接続される電極112a〜112lの数を不均等にしたり、各電極112a〜112lを複数の電源装置14a〜14fと接続させるようにしてもよい(図7中、破線で示す接続線参照)。
【0047】
この場合、コントローラ20から電源装置14a〜14f(実際には、ドライバ58)に選択的に制御信号を供給することによって、ワークWに電気を供給するための電極112a〜112lを選択的に切り換えることができる。
【0048】
図6に示すように、例えば、ワークWの上辺部の略中心に設けられた電極112bと、ワークWの下辺部の略中心に設けられた電極112hとに同じ電源装置14a〜14fを接続し、また、ワークWの右辺部の略中心に設けられた電極112eと、ワークWの左辺部の略中心に設けられた電極112kとに同じ電源装置14a〜14fを接続する。そして、電極112b、112hの間および電極112e、112kの間に所定の時間間隔で交互に電流を流す。すなわち、ワークW中の経路α、βに沿って、交互に電流を流す。このとき、ワークWにおいては、経路α、βが交差する部分(図6中、2点鎖線で囲まれた部分)における発熱量が最も多くなる。
【0049】
この原理を利用して、電気を供給すべき電極112a〜112lの組を所定の時間間隔および順序で選択的に切り換えることによって、ワークW中の温度分布を制御することができる。
【0050】
このように、第2の実施の形態に係る超塑性成形装置110においては、電気を供給すべき電極112a〜112lを選択的に切り換えて、ワークW中の電流の経路を変化させることによって、例えば、ワークW全体の温度が均一化するように、ワークWの温度分布を制御するようにしている。このため、ワークW全体のヤング率Eを均一化することができ、その結果、成形品の良好な加工品質を確保することができる。
【0051】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る超塑性成形装置の変形例について説明する。
【0052】
図8は、第2の実施の形態の変形例に係る超塑性成形装置150の、特に、電源ユニット152の概略的な構成を示している。電源ユニット152は、例えば1つの電源装置14と、この電源装置14と電極112a〜112lとの接続を切り換える複数(例えば、4つ)の切換機154a〜154dとを備えている。切換機154a〜154dは、例えば、3つの電極112a〜112lとそれぞれ接続されている。
【0053】
切換機154a〜154dは、コントローラ20からの制御信号に従って、電源装置14と接続すべき電極112a〜112lを選択的に切り換える。この場合、図6に示す第2の実施の形態に係る超塑性成形装置110と同様に、ワークW中における電流の経路を変化させ、ワークW中の温度分布を制御することができる。
【0054】
このように、第2の実施の形態の変形例に係る超塑性成形装置150においては、電源装置14と電極112a〜112lとの間に設けられた切換機154a〜154dによって、電源装置14から電気を供給すべき電極112a〜112lを選択的に切り換えることができる。この場合、電極112a〜112lの組み合わせ方に応じて、切り換え可能な複数の電流の経路を、ワークW中に網の目状に構成することができる。このため、ワークW中の温度分布の制御を高い分解能で行うことができる。
【0055】
また、ワークW中よりも電極112a〜112lの方を電流が流れやすくなっている場合には、これら電極112a〜112l側に回り込むように電流が流れてしまうおそれがあるが、この場合、電極112a〜112lと電源装置14との間の接続を切換機154a〜154dによって選択的にON/OFFさせて、電流の経路を、例えば、所望の方向に曲げさせるように制御することにより、電流の回り込みを防止することができる。
【0056】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る超塑性成形装置について説明する。
【0057】
図9は、第3の実施の形態に係る超塑性成形装置210の概略的な構成を示している。超塑性成形装置210は、図1の第1の実施の形態に係る超塑性成形装置10とほぼ同じ構成の電源装置14および電極32a、32b、34a、34b、コントローラ20、条件設定器22、並びにインタフェース24を備えている。なお、図9中では、条件設定器22およびインタフェース24の図示は省略している。
【0058】
超塑性成形装置210は、ワークWに超塑性成形加工を施すための成形装置212を備えており、この成形装置212は、上室壁214aおよび下室壁214bを備えている。そして、上室壁214aの下端部に電極32aおよび電極34aが設けられ、下室壁214bの上端部に電極32bおよび電極34bが設けられている。
【0059】
ワークWは、その四辺部が上室壁214aの下端部と下室壁214bの上端部との間に挟まれた状態でこれら上室壁214aおよび下室壁214bに保持される。さらに、ワークWは、クランプ220a、220bによって上室壁214aと下室壁214bの間に加えられるクランプ力によって、これら上室壁214aおよび下室壁214bと一体的に固定される。このとき、上室壁214aとワークWの間には上室(第1の室)222aが形成され、下室壁214bとワークWの間には下室(第2の室)222bが形成される。
【0060】
また、ワークWには、図2に示す例と同様に、その左右の両辺部に電極32a、32bおよび34a、34bがそれぞれ接続される。そして、電源装置14から電極32a、32bおよび34a、34bを介してワークWに供給すべき電流の電流値I2は、例えば図4の例と同じ電流値制御スケジュールに基づいて制御される。
【0061】
上室壁214aおよび下室壁214bには、上室222aおよび下室222b内の気圧を調節するための気圧調節装置226a、226bがそれぞれ装着されている。これら気圧調節装置226a、226bは、圧力コントローラ227からの指示に基づいて制御される。この場合、気圧調節装置226a、226b、圧力コントローラ227および後述する気圧検出センサ228a、228bは、気圧調節手段を構成している。
【0062】
上室壁214aおよび下室壁214bには、上室222aおよび下室222b内の気圧を検出するための気圧検出センサ228a、228bがそれぞれ設けられている。そして、これら気圧検出センサ228a、228bで得られた上室222aの気圧(上室気圧)Paおよび下室222bの気圧(下室気圧)Pbは、圧力コントローラ227にそれぞれ供給される。
【0063】
図10は、図9に示される圧力コントローラ227における制御処理をブロック的に示している。この場合、気圧Pa、Pbのそれぞれの変化量ΔPL、ΔPGは気圧検出センサ228a、228bにより検出され、その変化量ΔPL、ΔPGに応じて供給空気量が制御される。これによって、気圧Pa、Pbの値になるようにフィードバック制御がなされる。
【0064】
このように、上室気圧Paおよび下室気圧Pbを制御することによって、ローレンツ力によるワークWの張り、あるいはワークWの自重による垂下を阻止することができる。
【0065】
図9に示すように、上室壁214aおよび下室壁214bの内壁部には、1つまたは複数(図9の例では1つ)の成形用多軸ロボット(成形ロボット)230a、230bがそれぞれ装着されている。そして、これら成形ロボット230a、230bのロボットアーム232a、232bには、ツール234a、234bがそれぞれ保持されている。
【0066】
図11は、ツール234a、234bの先端部を示している。ツール234a、234bは、例えば、その先端部が略球面状の略円柱状に形成されている。なお、ツール234a、234bの形状としては、先端部が尖った形状や、平面部または鋭角部を有する形状等の種々の形状を採用することができる。
【0067】
また、ツール234a、234bの先端部には、温度調節手段を構成する例えばペルチェ素子236がそれぞれ埋め込まれている。
【0068】
図9に示すように、成形ロボット230a、230bは、ロボットコントローラ240a、240bからの駆動電流によって駆動され、ワークWに対する成形作業を行う。
【0069】
また、このとき、ペルチェ素子236(図11参照)は、ロボットコントローラ240a、240bからの制御電流によってツール234a、234bの先端部を加熱または冷却して、該先端部の温度が所望の温度となるように調節する。このように、ツール234a、234bの温度を調節することによって、例えば、ワークWの熱がツール234a、234b側に伝わらないようにすることができるため、ワークWの温度制御を正確に行うことが可能となる。
【0070】
図12は、成形ロボット230a、230bによるワークWに対する成形作業を示している。
【0071】
図12に示すように、例えば、上下の成形ロボット230a、230bに装着されたツール234a、234bの先端部を互いに対向させながらこれら先端部をワークWに接触させる。そして、ロボットアーム232a、232bを介してツール234a、234bの先端部を上下左右に変位させると、これら先端部の軌跡に沿ってワークWが変形形成される。
【0072】
【発明の効果】
本発明に係る超塑性成形装置によれば、ワークに電気を供給して該ワークを発熱させることによって、ワークを超塑性状態に移行させるようにしている。このため、エネルギ効率の優れた超塑性成形装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る超塑性成形装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】ワークに電極が装着された状態を示す平面図である。
【図3】電源装置の構成を示すブロック図である。
【図4】電源装置からワークに供給される電流値、ワークの電気抵抗値およびヤング率の時間に対する特性を示すグラフである。
【図5】ワークに対する超塑性成形加工の作業を示す説明図である。
【図6】第2の実施の形態に係る超塑性成形装置の特に電気供給手段の概略的な構成を示すブロック図である。
【図7】電源ユニットの構成を示すブロック図である。
【図8】第2の実施の形態の変形例に係る超塑性成形装置の特に電源ユニットの概略的な構成を示すブロック図である。
【図9】第3の実施の形態に係る超塑性成形装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【図10】圧力コントローラにおける制御処理を示すブロック図である。
【図11】ツールの先端部を示す正面図である。
【図12】成形ロボットによるワークに対する成形作業を示す説明図である。
【符号の説明】
10、110、150、210…超塑性成形装置
12、212…成形装置 14、14a〜14f…電源装置
16…エア供給装置 20…コントローラ
28a…上型本体 28b…下型本体
30…型インサート
32a、32b、34a、34b、112a〜112l…電極
114、152…電源ユニット 154a〜154d…切換機
214a…上室壁 214b…下室壁
222a…上室 222b…下室
226a、226b…気圧調節装置
227…圧力コントローラ
228a、228b…気圧検出センサ
230a、230b…成形ロボット
232a、232b…ロボットアーム
234a、234b…ツール 236…ペルチェ素子
240a、240b…ロボットコントローラ
Claims (2)
- ワークに超塑性成形加工を施すための超塑性成形装置において、
前記ワークに電気を供給してジュール熱を発生させる電気供給手段と、
前記ワークに対する超塑性成形加工を行う成形手段と、
を有し、
前記電気供給手段は、前記ワークに配される複数の電極を有し、且つ、前記各電極の中から選択した少なくとも2組の電極の間に所定の順序で電気を供給する
ことを特徴とする超塑性成形装置。 - 請求項1記載の超塑性成形装置において、
前記電気供給手段は、
前記各電極を介して前記ワークに電気を供給するための電源装置と、
前記電源装置と前記各電極との間の接続を選択的に切り換える切換機と、
を有することを特徴とする超塑性成形装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000146449A JP4437595B2 (ja) | 2000-05-18 | 2000-05-18 | 超塑性成形装置 |
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