JP4437461B2 - 座標入力装置 - Google Patents

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Description

本発明は、情報端末機器に利用されているタッチパネルを用いた座標入力装置に関するものである。
近年、携帯型情報機器の普及・発展に伴い、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants)を中心に、携帯電話、PHS、電卓、時計、GPS(Global Positioning System)、銀行ATMシステム、自動販売機、POS(Point Of Sales)システム等のデータ入力において画像上をペン又は指で触れることにより情報を入力することができる、優れたマン−マシンインターフェース性能が採用され、多方面への応用が広がっている。これらの高機能デバイスは半導体素子の進歩により、製品の小型化・多機能化に大きく貢献している。特に、携帯電話、PDA、ノートパソコン等の携帯情報端末における小型化が著しく、その入力素子又は表示素子の本体中に占める体積的割合が大きくなってきている。また、抵抗膜としてはIn、Snを蒸着して得られるITO(インジウム−ティン−オキサイド)を透明電極として用いているが、製造コストが高く、また、連続的な筆記により抵抗膜の抵抗が変化し座標位置の読み取り精度が低下しやすい不具合がある。この不具合を解決するために、例えば、製造しやすく、かつ、安価な有機系導電性材料を用いた抵抗膜の開発が行われている。
しかし、有機系導電材料を用いた導電膜の場合、長期間の紫外線照射により有機系導電材料の劣化が発生する。また、無機系導電材料を用いた導電膜を用いた場合でも長期間の紫外線照射により入力装置のリニアリティーが変化する。
このために、例えば、特許文献1では、透明絶縁基材として透明プラスチックを用い、外部表面に可視光未満の紫外線遮蔽層の酸化物粒子を設け、透明電極としてITOを用いるアナログ型透明タッチパネルが開示されている。また、特許文献2では、光屈折率材料としてTiO等を選択し、微量添加したタッチパネル用透明導電膜積層体が開示されている。また、特許文献3では、透明導電層の片側に、1又は2以上の層からなると共に、波長410〜700nmの可視光については70%以上の透過率を維持しつつ、波長310〜340nmの紫外線については10%以下の透過率に低減する保護層を有することで、屋外使用にても誤動作を発生しにくく、高分解能型のタッチパネルの形成も可能とする透明導電層の保護構造が開示されている。
特開平02−008926号公報 特開平05−346835号公報 特開2000−149664号公報
しかしながら、特許文献1ないし3のいずれの開示技術も、紫外線を吸収又は遮蔽することが記載されているが、この紫外線を吸収した場合に導電材料が劣化し、表面の導電率が時間経過とともに変化することが記載されていない。したがって、上記特許文献1ないし3の開示技術を用いた場合であっても、電極の透明基材の樹脂フィルムに、紫外線吸収能を付与した場合に、紫外線照射に伴い炭素ラジカル、無機系紫外線吸収剤でも励起状態になり、特に、有機系紫外線吸収剤から酸化作用のある電子が発生し、この炭素ラジカル等が酸化剤として透明有機系導電材料を酸化し、表面抵抗率を上昇させて、入力座標の位置精度が悪くなるという問題がある。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、紫外線によって透明電極における表面抵抗率の上昇を抑え、かつ、全光線透明性の低下を抑えることができる座標表示装置を提供することである。
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
そこで、紫外線吸収剤を含有する透明基材と導電膜との間に、紫外線を受けたときに還元反応を示す酸化チタン等の光触媒を含有させることによって、紫外線吸収剤から発生した炭素ラジカルを酸化チタンで還元し、下層の透明有機系導電材料等による導電膜が破壊されない構造とすることで、座標入力装置の透明電極の劣化を防ぐことができる。なお、上記緩衝層は、可視光に影響を与えない範囲で薄い方が望ましい。
本発明は、上記解決するための手段によって、紫外線吸収能を付与した透明電極による座標入力装置であっても、長期にわたって使用しても座標位置の読み取り精度が低下しない座標入力装置を提供することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
本発明の座標入力装置1は、抵抗膜方式の座標入力装置であって、透明絶縁基材11と透導電膜13との間に、透明絶縁基材11と透明導電膜13との直接の接触を妨げる緩衝層12を備えている。
図1は、本発明の座標入力装置における電極の構成を示す概略図である。図2は、本発明の座標入力装置の構成を示す概略図である。図3は、本発明の座標入力装置の動作を説明するための模式図である。
図1に示すように、透明で可撓性のある透明電極10と透明電極20とが、透明電極10、20の縁部に設けられる透明絶縁体のスペーサ30を介して平行に対向して配置されている。これによって、透明電極10、20間は適当な間隙で対向させることができる。
また、透明電極10、透明電極20の表面にはそれぞれ、透明絶縁基材11、21表面に導電材料による透明な導電膜13、23が積層されている。
また、図2に示すように、これらの導電膜13上には、ドット状スペース31が配置されている。このドット状スペーサ31は、導電膜23上に配置されてもよい。このドット状スペーサ31で透明電極10、20における導電膜13、23の接触を防止している。さらに、導電膜13上には、その両端部に線状導電膜で形成された電極131と電極132とが互いに平行に接合され、同様に、導電膜23上には、その両端部に電極231と電極232とが互いに平行に接合されている。電極131、132、231及び232から、例えば、座標位置X、X、Y、Yを示す信号が送信される。
さらに、図3に示すように、電極131、132、231及び232からの信号は、最終的にはマイクロコンピューター(MPU)等の演算できる素子に接続している。MCUには、電源部を接続するポートPO1、PO2、電極131、132、231及び232に接続するコンバータA/D1、A/D2を備え、操作者の手指、ペン等で透明電極10を押下し、その押下によって導電膜13、23に接触した位置の座標信号を、MCUが処理することで、座標を入力することができる。
この座標入力装置1の動作を以下に示す。導電膜13、23については、全体が均質な導電性の膜で形成されている。入力操作が無いときは、透明電極10の導電膜13と透明電極20の導電膜23とはドット状スペーサ31により離間されている。座標入力時にはペン40により電極10上の所望位置が加圧され、その結果、透明電極10が変形して導電膜13が導電膜23に接触する。電極10の相対向する二辺には電極131、132が形成されており、この電極131と電極132との間には一定周期で基準電圧Vccが印加されている。これにより、導電膜13、23との接触点には電極131、132との間に導電膜13の抵抗分圧による電圧が生じ、この分圧電圧が、例えばX軸方向の検出電圧として位置座標を示す信号として検出され、その信号をMPU等で処理することで座標を入力することができる。同様にして、電極6と7とを結ぶY軸方向に直交する方向で、かつ、導電膜23の相対向する二辺に形成された電極231、232に基準電圧Vccを印加し、そのときに導電膜23を介して取り出される電圧を、X軸方向に直交するY軸方向の検出電圧として取り出すことでY座標の位置が検出され、X、Y座標を入力することができる。
本発明の座標入力装置1は、図1に示すように、この透明電極10として絶縁基材11、緩衝層12、透明導電膜13を有している。透明電極20も、同様の構成であり、ここでは、一方のみを説明する。
透明な絶縁基材11としては、特に限定はなく、ポリエステル系樹脂やアセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂やポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂やポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂やアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂やポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂やポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂やポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂や(メタ)アクリル系樹脂の如きポリマーなどからなるものがあげられる。特に、透明基材11としてはPET等のポリエステル系樹脂が好ましく、これは波長300nm以下の紫外線を吸収して可視光に対する透過率に優れている。透明基材11の厚さは、3〜500μm、好ましくは5〜300μm、特に10〜200μmにするが、これに限定されず使用目的等に応じて適宜な厚さとすることができる。なお、透明導電膜13の配置に際しては、透明基材11の表面にコロナ放電処理、プラズマ処理やスパッタエッチング処理、アンダーコート処理等の適宜な前処理を施して透明導電層との密着性を高めることもできる。ここで、透明とは、可視光(400〜700nm)をほとんど吸収せず透過性の高いことをいう。
本発明の座標入力装置1の透明基材11は、紫外線吸収能を有している。この紫外線吸収能は、紫外線吸収剤を透明基材11に内添する。紫外線吸収剤の内添は、透明基材11表面を紫外線吸収のためのコーティング処理に比べて全可視光の透過性を高くすることができる。紫外線吸収剤としては、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO)、酸化セリウム(CeO)等の無機系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系、フェノール系、ベンゼン系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、シアノアクリレート系化合物等の有機系紫外線吸収剤があげられる。これら紫外線吸収剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらは透明基材11の樹脂を、イソプロ、MEK等の有機溶媒に溶解又は懸濁させて製造することができる。有機溶剤としては、特に限定されず、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、キシレン、トルエン等の芳香族系溶剤、脂肪族系溶剤、エーテル系溶剤、エチルセロゾルブ等の高級アルコール系溶剤、セロソルブアセテート等の高級アルコールエステル系溶剤、石油系溶剤、ミネラルスピリット等が挙げられる。耐久性に優れる観点からは無機系紫外線吸収剤が好ましく、透明性に優れる観点からは有機系紫外線吸収 剤が好ましい。耐久性に優れ、透明 性に優れ、退色性が少ないことから、ベンゾトリアゾール系化合物が紫外線吸収剤として好ましい。また、塗料組成物における紫外線吸収剤の含有量は、2〜30wt%が好ましく、5〜15wt%がより好ましい。この範囲であると、塗膜が耐候性に優れ、透明基材11の劣化が抑制される。
また、本発明の座標入力装置1では、透明電極10の透明基材11上に設ける導電膜13を有機系導電材料と無機系導電材料との双方又はいずれか一方を用いるが、ここでは、有機系導電材料を、少なくとも一方に用いることが好ましい。有機系導電材料としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリエチレンジオキシチオフェンがあげられる。特に、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)は、透過率が高く、かつ、導電性が高く好ましい。さらに、PEDOTにポリスチレンスルフォネート(PSS)をドープしたPEDOT−PSSが、導電率が一層高く好ましい。これらは、例えば、スピンコート法、ディップコート法、スクリーン印刷法、スプレー法、静電スプレー法等によって形成することができる。塗布する際には、必要に応じて組成物を溶剤に溶解させて行うこともできる。溶剤としては、例えば、メタノール、メチルエチルケトン、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等を挙げることができる。また、その膜厚は、100〜150nmの範囲にする。表面抵抗なので、厚さに関係ないが、100nm未満では強度が低くなって割れ、薄利が生ずることがある。150nmを越えると製造コストが高くなり、また、生産性が低下する。
また、無機系導電材料としては、SnO2、In23、CdO、ZnO2、SnO2:Sb、SnO2:F、ZnO:Al、In23:Snなどの金属酸化物膜及びドーパントによる複合酸化物膜がある。ドーパントによる複合酸化物膜としては、例えば、酸化インジウムにスズをドーピングして得られるITO膜、酸化錫にフッ素をドーピングして得られるFTO膜、In23−ZnO系アモルファスからなるIZO膜等が挙げられる。このような透明導電膜は13、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の真空を用いた乾式成膜法で形成されても良いが、簡便な大気圧プラズマ放電処理であってもよい。また、無機系の透明導電材料を透明導電膜13として使用する場合には、膜厚を約100〜140nmとすることが好ましい。
本発明の座標入力装置1では、有機系導電材料を必ず一方に用いる。有機系導電材料は無機系導電材料に比べて比重が軽いので、座標入力装置1を軽量化することができる。また、無機系は真空を用いた乾式成膜法で形成されることが多く、有機系に比べて生産性が低いので、有機系は生産性を高め、生産コストを低減することができる。
また、本発明の座標入力装置1では、透明基材11と透明導電膜13との間に、透明絶縁基材11と透明導電膜13との直接の接触を妨げる緩衝層12を備える。座標入力装置1が、長時間に紫外線の照射を受けると透明導電膜13、特に、有機系導電性材料を用いた透明導電膜13が劣化して表面抵抗率が増大する。このために、透明基材11に紫外線吸収剤を内添して紫外線が座標入力装置1の内部に侵入するのを防止している。しかし、紫外線を照射された紫外線吸収剤、特に、有機系紫外線吸収剤は、照射されたエネルギーを解放するために炭素ラジカルを発生させる。この炭素ラジカルの半減期は短いが、反応性が高いために近傍にある有機系導電膜を劣化させる。本発明の座標入力装置では、発生した炭素ラジカルが透明導電膜13に接触するのを防止する緩衝層12を設ける。また、この緩衝層12は、下部に設けることがある他の装置の例である液晶表示装置等に影響を与えないように、可視光領域で透過率の高い層にする。このために、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を用いる。また、これらは、例えば、スピンコート法等によって形成することができる。このときの膜厚は、0.1〜5μmにして炭素ラジカルの移動を防止し、さらに好ましくは、0.2〜1.0μmにして光透過率の低減を抑えることがよい。
この緩衝層12には、反応性の強い活性化炭素ラジカルを捕捉して反応性の弱い安定化炭素ラジカルにする光触媒を含有させる。これによって、有機系導電材料による導電膜の劣化を防止することができる。光触媒は、光によって励起状態になり電子と正孔が生成され、これらが反応を起こすもので、固体の酸化物半導体、色の付いた金属錯体が挙げられるが、可視光を透過するために酸化物半導体が好ましく、具体的にはTiO、ZnO、Fe、In、Nb、WO、SnO、ZrO、SrTiO、BaTiO、CaTiO、KTaO、FeTiO、FeTiO等が挙げられる。この中で、特に、TiOが好ましく、さらに、アナターゼ型の方がルチル型よりはバンドギャップが大きく、光触媒の作用が大きいことから好ましい。このTiOの内添させる量は、0.1〜1.0wt%、好ましくは0.1〜0.5wt%の範囲である。これにより、有機系導電材料による導電層13に対する活性化炭素ラジカルを安定化させることができる。TiOの量が、0.1wt%未満では活性化炭素ラジカルを安定化させることができないし、1.0wt%を越えると安定化させる効率が低下し、また、安定化させる作用が飽和している。
下部に置かれる透明電極20は、膜厚が1.1mmの透明な樹脂からなる透明絶縁基材21の上面の、略中央部に方形に形成されたITOから成る透明導電膜33を有する。この導電膜33は、絶縁基材20の全面に付いており、これにレジストをスクリーン印刷後、乾燥させ、エッチング工程で必要以外を削り取ることで成形する。この透明導電膜33は、両端部にスクリーン印刷等で設ける電極331,332に接続形成されている。この透明電極20の上には従来技術と同様、マトリックス状に配置したドットスペーサ31を有するスペーサ30が設けてある。さらにその上に、平行に配置する一対の残りの透明電極10を設ける。この透明電極10は、層厚が0.2mmの可撓性のある透明な樹脂からなる透明絶縁基板11と、この透明絶縁基材11の下面に、スピンコート法等による緩衝層12を形成し、その下方に透明導電膜13と、この透明電極13の対向する両辺に沿って接続形成されている電極131、132をスクリーン印刷等で設ける。これによって、座標入力装置1を製造することができる。
ここでは、特に、透明電極を作製し、紫外線を照射した後の表面抵抗率の測定によって劣化の度合いと、可視光における全光線透過率を測定した。
(実施例1)
上部に設ける透明電極は、図1に示すように、電極基材のポリエステル樹脂であるPETに紫外線吸収剤としてフェノール系化合物を、有機溶媒を用いて溶解して滑らかな基板に塗布して整形し、その上に緩衝層としてポリエステル樹脂で膜厚0.1μmに製膜して、さらに、有機溶媒でチオフェン系有機系導電材料を溶解して、同様に製膜して、この膜をレーザ光で除去して導電層を形成して、透明電極を製造した。なお、下部に設ける透明電極、スペーサは、上記の従来と同様に形成して、その上に上部電極を配置して抵抗膜式座標入力装置を製造することができる。
表面抵抗率、全光線透過率の測定方法を以下に示し、その結果を表1に示す。
<表面抵抗率の測定>
表面抵抗率の測定は、JIS K 7194“導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法“に沿って、表面抵抗測定装置で測定した。
試料は、上記作製した実施例1を、紫外線照射前の初期と、フェードメータにより紫外線を15000kJ/cm照射した後の表面抵抗率を測定した。紫外線照射は、フェードメータ(スガ試験機製)を使用し、試験片(50×50×1mm厚)に紫外線を150時間照射した。この紫外線の照射は、通常の使用状況では座標入力装置の耐用年分以上に相当する。
<透過率>
透過率の測定は、積分球式分光透過率測定装置で、波長380〜700nmの範囲を測定して積分して、試料のない値100%に対する値を求めた。全光線透過率が、80%以上であれば人間の視覚的に色相に対する違和感、全体に対する暗さの感覚に問題が生じない範囲である。
(実施例2)
緩衝層の厚さを5μmとした以外は、実施例1と同様に製造した。その結果を表1に示す。
(実施例3)
緩衝層にTiO粉末を0.1wt%内添した以外は、実施例1と同様に製造した。その結果を表1に示す。
(実施例4)
緩衝層にTiO粉末を1wt%内添した以外は、実施例1と同様に製造した。その結果を表1に示す。
(実施例5)
透明電極に、ITOによる導電膜を用いた以外は、実施例1と同様に製造した。その結果を表1に示す。
(実施例6)
透明電極に、ZnOによる導電膜を用いた以外は、実施例1と同様に製造した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
緩衝層を形成しなかった以外は、実施例1と同様に製造した。その結果を表1に示す。
(比較例2)
緩衝層の厚さを10μmとした以外は、実施例1と同様に製造した。その結果を表1に示す。
(比較例3)
緩衝層にTiO粉末を2wt%内添した以外は、実施例1と同様に製造した。その結果を表1に示す。
Figure 0004437461
表1からも明らかなように、実施例1では、紫外線照射前と15000kJ/cmの紫外線照射後の表面抵抗率差は約1.2倍であり、したがって、3〜5年間使用しても座標入力装置としての使用に問題は生じない範囲である。また、全光線透過率も90%であり、実用上問題のない範囲である。
同様に、実施例2では、初期と15000kJ/cm紫外線照射後の表面抵抗率差は約1.2倍、全光線透過率は90%であり良好な光線透過性および紫外線照射に対する安定性を確認できた。
実施例3では、表面抵抗率差は約1.1倍であり、光触媒であるTiOを添加して、実施例1,2よりも表面抵抗率の低下を抑えることができた。まも、全光線透過率も88%とTiO粉末未添加とほぼ変わらない良好な全光線透過率に対する安定性を確認できた。
実施例4では、表面抵抗率差は約1.1倍であり、また、全光線透過率も88%とTiO粉末未添加と変わらず良好な紫外線照射に対する安定性を確認できた。
実施例5及び6では、導電膜に導電性酸化物を使用したが、表面抵抗率差は約1.2倍であり、全光線透過率は90%であり良好な光線透過性および紫外線照射に対する安定性を確認できた。
比較例1では、紫外線照射前と15000kJ/cmの紫外線照射後の表面抵抗率差は約3倍以上の上昇となり、座標入力装置の応答性が非常に悪化した。また、緩衝層を設けていなくとも、全光線透過率は90%であり、緩衝層があるものと差がなかった。
比較例2では、紫外線照射前と15000kJ/cmの紫外線照射後の表面抵抗率差は約1.1倍であり、10μmの緩衝層を設けることで紫外線照射に対する安定性を確認できたものの、全光線透過率が75%まで低下し液晶画面の表示が見えにくく表示品位が低下した。したがって、実施例2で示したように、緩衝層は5μm以下が好ましい。
比較例3では、紫外線照射前と15000kJ/cmの紫外線照射後の表面抵抗率差は約1.1倍であり紫外線照射に対する安定性は確認できたものの、全光線透過率が70%に低下し座標入力装置等の下に設けることのある液晶画面の表示が見えにくくなり、さらに、液晶偏光板との緩衝縞が発生し表示品位が低下した。したがって、実施例3に示したように、光触媒のTiO粉末の内添する量は1wt%以下が好ましい。
以上、本発明を好ましい実施例について説明したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨内において様々な変形・変更が可能である。
(付記1:請求項1)本発明の座標入力装置は、紫外線吸収能を有する透明絶縁基材と、透明絶縁基材の対向する表面に透明な有機系導電材料で形成されている導電膜を備える一対の透明電極を平行に配置し、加圧して対向する導電膜を接触させる座標入力装置において、透明絶縁基材と透明導電膜との間に、透明絶縁基材と透明電極との直接の接触を妨げる緩衝層を備えることを特徴とする。
(付記2:請求項2)本発明の座標入力装置は、上記1において、前記絶縁基材は、有機系紫外線吸収剤を含有することを特徴とする。
(付記3:請求項3)本発明の座標入力装置は、上記1において、前記絶縁基材は、無機系紫外線吸収剤を含有することを特徴とする。
(付記4:請求項4)本発明の座標入力装置は、上記2において、前記緩衝層は、光触媒を含有することを特徴とする。
(付記5:請求項5)本発明の座標入力装置は、上記4において、前記光触媒は、アナターゼ型酸化チタンを用いることを特徴とする。
(付記6)本発明の座標入力装置は、上記5において、前記緩衝層は、厚さが0.1〜5.0μmの範囲内にあることを特徴とする。
(付記7)本発明の座標入力装置は、上記6において、前記有機系導電材料は、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリエチレンジオキシチオフェンから選択されることを特徴とする。
(付記8)本発明の座標入力装置は、上記7において、前記透明導電膜は、無機系導電材料で形成されていることを特徴とする。
(付記9)本発明の座標入力装置は、上記8において、前記無機系導電材料は、ITO又はZnOであることを特徴とする。
本発明の座標入力装置における電極の構成を示す概略図である。 本発明の座標入力装置の構成を示す概略図である。 本発明の座標入力装置の動作を説明するための模式図である。
符号の説明
1 座標入力装置
10、20 透明電極
11、21 透明基材
12、22 緩衝層
13、23 導電膜
131、132、231、232 電極
30 スぺーサ
31 ドット状スペーサ
51 MPU
52、53 電源

Claims (5)

  1. 透明な有機系導電材料で形成されている導電膜とをそれぞれ備える2枚の透明電極を、前記導電膜同士が対向するように所定の間隔を開けた状態に配置し、加圧により対向する導電膜の所定箇所を接触させる座標入力装置において、
    前記座標入力装置は、透明絶縁基材と透明導電膜との間に、紫外線を受けたときに還元反応を示す光触媒材料が含有され、且つ、透明絶縁基材と透明電極との直接の接触を妨げる緩衝層を備える
    ことを特徴とする座標入力装置。
  2. 請求項1に記載の座標入力装置において、
    前記絶縁基材は、有機系紫外線吸収剤を含有する
    ことを特徴とする座標入力装置。
  3. 請求項1又は2に記載の座標入力装置において、
    前記絶縁基材は、無機系紫外線吸収剤を含有する
    ことを特徴とする座標入力装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の座標入力装置において、
    前記緩衝層は、光触媒を含有する
    ことを特徴とする座標入力装置。
  5. 請求項4に記載の座標入力装置において、
    前記緩衝層は、アナターゼ型酸化チタンを用いる
    ことを特徴とする座標入力装置。
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