JP2009187681A - 有機薄膜の形成方法及び有機デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】膜厚の限界まで薄膜化することのできる有機薄膜の形成方法を提供する。
【解決手段】先ず、導電性高分子材料とこの導電性高分子材料の溶解性を高めるための絶縁性の高分子材料からなるドーパントとを溶媒に溶解した溶液を基板Wの表面に供給すると共に、当該基板Wを回転させ、その遠心力により溶液を展伸させてコロイド粒子の凝集体を基板Wの外に飛散させ、前記基板Wの表面に1次コロイド粒子の単層からなる塗布膜6を形成する。続いて前記基板Wを加熱して前記塗布膜6中の溶媒を除去し、有機薄膜61を形成する。また前記溶液を基板Wの中心部に供給する前に、当該溶液に対して基板Wの表面の濡れ性を高めるためにプリウエット液Sを供給すると共に、当該基板Wを回転させて前記プリウエット液Sを基板Wの表面に塗布してもよい。
【選択図】図7

Description

本発明は、導電性の有機薄膜を形成する方法、この方法を用いて製造された有機デバイスに関する。
一般に、有機電界発光素子(有機EL素子)は、陽極と陰極との間に有機発光材料からなる有機発光層を有し、陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔とが前記有機発光層内で再結合し、励起したエネルギーが光として放出される素子である。この有機電界発光素子は、発光効率を上げるために、有機発光層と各電極との間に種々の有機薄膜層が設けられている。具体的には、陽極と有機発光層との間にはホール(正孔)注入層が設けられており、これにより陽極と有機発光層との接触抵抗を下げ、陽極から有機発光層への正孔の輸送を容易にしている。
このホール注入層の形成方法としては真空蒸着法や塗布法が挙げられるが、真空蒸着法ではエネルギーコスト及び材料コストが高く、成膜に長い時間を要するため、近年では塗布法、具体的にはスピンコート法による成膜が広く行われている。この塗布法においてホール注入層の形成材料としては、一般的に導電性高分子材料であるPEDOT(ポリ(3,4)−(エチレンジオキシ)チオフェン)とこの導電性高分子材料の溶解性を高めるための絶縁性の高分子材料であるドーパントであるPSS(ポリスチレンスルホン酸)とを水に溶解した溶液が用いられる。
この塗布法によってホール注入層が形成されるまでを簡単に述べると、先ず、基板の表面に前記溶液を供給すると共に、当該基板を回転させ、その遠心力により前記溶液を展伸させて塗布膜を形成する。続いてこの塗布膜に対して加熱処理を行い、塗布膜中の溶媒を除去することでPEDOTとPSSとからなるコロイド粒子の層が何層も重なったホール注入層が形成される。
しかしこのホール注入層は、PEDOTとPSSとからなるコロイド粒子の積層数が大きいと次のような不具合が生じる。つまり膜表面、層界面が平滑でなくなり、電気抵抗が増加するという不具合がある。
また加熱によって塗布膜中の溶媒を除去する際に、熱によって膜を構成する材料が影響を受け、膜の特性が劣化してしまうといった問題もある。
一方、特許文献1には、上述した塗布膜中の溶媒を加熱に拠らないで確実に除去する手法として、塗布膜内に超臨界流体を浸透させて、当該膜から超臨界流体を除去することにより塗布膜中の溶媒を超臨界流体と共に除去する手法が開示されているが、超臨界流体を用いるため装置が大掛かりとなり、また装置コストが高いため塗布膜中の溶媒を除去する手法としてはあまり得策ではない。従って装置コストを考えると基板の表面に前記溶液を塗布して塗布膜を形成した後、塗布膜中の溶媒を除去する手法としては、まだ加熱による手法に頼る必要がある。
特開2005−285592号公報(請求項1、段落0080)
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、有機薄膜を1次コロイド粒子の単層膜により形成することができ、いわば膜厚の限界まで薄膜化することのできる有機薄膜の形成方法を提供することにある。また他の目的は、1次コロイド粒子の単層からなる有機薄膜を備えた有機デバイスを提供することにある。
本発明の有機薄膜の形成方法において、導電性高分子材料とこの導電性高分子材料の溶解性を高めるための絶縁性の高分子材料からなるドーパントとを溶媒に溶解した溶液を基板の表面に供給すると共に、当該基板を回転させ、その遠心力により溶液を展伸させてコロイド粒子の凝集体を基板の外に飛散させ、前記基板の表面に1次コロイド粒子の単層からなる塗布膜を形成する工程と、
前記基板を加熱して前記塗布膜中の溶媒を除去し、有機薄膜を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
上記有機薄膜の形成方法において、前記溶液を基板の中心部に供給する前に、当該溶液に対して基板の表面の濡れ性を高めるためにプリウエット液を供給すると共に、当該基板を回転させて前記プリウエット液を基板の表面に塗布する工程を行うことが好ましい。また前記基板を加熱する工程は、減圧雰囲気下で行われることが好ましい。
また前記導電性高分子材料としては例えばポリチオフェンが用いられ、ドーパントとしては例えばポリスチレンスルホン酸が用いられる。この場合、前記基板の回転数は例えば3000rpm以上であることが好ましい。
さらに前記有機薄膜は、有機デバイスの一部を構成する。前記有機デバイスにおいて前記有機薄膜は例えば有機電界発光素子のホール注入層、タッチパネルの透明電極あるいは有機トランジスタのチャンネル部または電極として用いられる。なお、有機トランジスタにおいてチャンネル部と電極との両方、あるいはどちらか一方に前記有機薄膜を用いることも本発明の権利範囲に含まれる。
本発明によれば、スピンコート法により基板の表面に導電性高分子材料とこの導電性高分子材料の溶解性を高めるための絶縁性の高分子材料からなるドーパントとを溶媒に溶解した溶液を塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜に対して加熱して有機薄膜を形成するにあたり、前記基板を高速に回転させることで発生する大きな遠心力によって前記溶液中に含まれるコロイド粒子の凝集体を基板の外に飛散させているので、有機薄膜を1次コロイド粒子の単層膜により形成することができ、いわば膜厚の限界まで薄膜化することができる。従ってこの有機薄膜は有機デバイスの薄型化に寄与する。
先ず、本発明の有機薄膜の形成方法を実施するための塗布装置及び減圧乾燥装置について説明する。図1は塗布装置1であり、図1に示すように上部側が開口するカップ体10内に、基板例えば直径が200mm(8インチサイズ)のシリコンウエハ(以下、「ウエハ」という。)Wを水平に吸着保持するための基板保持部であるバキュームチャック11が設けられている。前記バキュームチャック11は軸部12を介して駆動部13により回転及び昇降できるように構成されている。前記カップ体10の底部側には廃液口14及び排気口15が夫々設けられており、前記廃液口14からカップ体10内の廃液が排出されると共に、前記排気口15からカップ体10内の気体が排気されるようになっている。
また前記塗布装置1は、図1に示すようにバキュームチャック11に載置されたウエハWの表面に導電性高分子材料であるPEDOT(ポリ(3,4−(エチレンジオキシ))チオフェン)(poly(3,4-(ethylenedioxy)thiophene))とこの導電性高分子材料の溶解性を高めるための絶縁性の高分子材料からなるドーパントであるPSS(ポリスチレンスルホン酸)(poly(styrenesulfonic acid))とを水に溶解した溶液を供給(塗布)するための塗布液供給ノズル20と、ウエハWの表面にプリウエット液である界面活性剤例えばエチレングリコールや溶剤等を供給(塗布)するためのプリウエット用ノズル30とを備えている。このプリウエット液は、前記溶液に対してウエハWの表面の濡れ性を高めるために用いられる。図2に示すように前記塗布液供給ノズル20及びプリウエット用ノズル30は支持部材21,31によって支持されており、前記支持部材21,31に接続された移動機構22,32により昇降自在及び回転自在であり、ウエハWの表面中心部に塗布液及びプリウエット液を供給するようになっている。またウエハWの表面中心部に塗布液を供給する時には、前記塗布液供給ノズル20を支持部材21によって所定の角度だけスイングさせるようになっている。つまり塗布液供給ノズル20をスイングさせながら塗布液を供給することで、ウエハW表面における塗布液の面内均一性を高めている。さらに図2に示すようにウエハWの表面中心部に塗布液及びプリウエット液を塗布しない場合には、前記塗布液供給ノズル20及びプリウエット用ノズル30は所定の位置に待機するようになっている。
図1に示すように前記塗布液供給ノズル20には塗布液供給管24の一端側が接続されており、前記塗布液供給管24の他端側は、上述した導電性高分子材料であるPEDOTとドーパントであるPSSとを水に溶解した溶液(以下、PEDOT/PSS溶液という。)が貯留されている塗布液タンク25に挿入されている。前記塗布液供給管24にはバルブV1,V2及びポンプPが介設されている。また図1に示すように前記プリウエット用ノズル30にはプリウエット用管34の一端側が接続されており、前記プリウエット用管34の他端側は上述したプリウエット液が貯留されているプリウエット液タンク35に挿入されている。前記プリウエット用管34にはバルブV3,V4及びポンプPが介設されている。
前記塗布液タンク25に貯留されているPEDOT/PSS溶液について説明する。なお、このPEDOT/PSS溶液としては、例えばH.C.Starck社製の「BAYTRON」(登録商標)等があげられる。このPEDOT/PSS溶液中には図3のイメージ図に示すように長い帯状のポリスチレンスルホン酸(PSS)に複数のポリチオフェン(PEDOT)が合体したコロイド粒子(以下、PEDOT/PSSコロイド粒子という。)5が多数含まれている。このPEDOT/PSSコロイド粒子5の構造式を図4に示す。図4に示すようにPSSの−SO−O−基にPEDOTのプラスの電荷を帯びたSが結合することでPEDOT/PSSコロイド粒子5が形成される。ここでPEDOT/PSS溶液について動的光散乱法(Dynamic Light Scattering)を用いて当該溶液中のコロイド粒子の粒径分布を測定したところ図5に示すように当該溶液には粒径が30〜50nmからなるPEDOT/PSSコロイド粒子(1次コロイド粒子)5と、粒径が400〜600nmからなる当該1次コロイド粒子5の凝集体とが含まれていることが分かっている。また走査型透過電子顕微鏡法(Scanning Transmission Electron Microscopy)を用いてPEDOT/PSS溶液中のコロイド粒子を観察したところ粒径が約56nmからなる1次コロイド粒子5と粒径が約300nmからなる当該1次コロイド粒子の凝集体とを観測している。つまり前記塗布液タンク25に貯留されているPEDOT/PSS溶液中には粒径が30〜60nmからなるPEDOT/PSSコロイド粒子(1次コロイド粒子)5と、粒径が300〜600nmからなる当該1次コロイド粒子5の凝集体とが含まれている。
次に図6に示す減圧乾燥装置4について説明する。図6中の40はウエハWを載置するための載置部であり、ウエハWは載置台40から僅かに突出する支持ピン41にて保持されており、前記載置台40の上部には蓋体42が設けられている。この蓋体42は保持アーム43や駆動部44等からなる昇降機構45の働きにより昇降自在とされており、下降時には前記載置台40の周縁部とシール材であるOリング46を介して気密に接合し、ウエハWの置かれる雰囲気を密閉雰囲気とする密閉容器47を構成するようになっている。
前記載置台40の表面近傍には、減圧乾燥時にウエハWを加熱するための例えば抵抗加熱体等により構成される加熱手段をなすヒータHが埋設されており、載置台40の内部には外部の搬送アームとの間でウエハWの受け渡しができるように3本のリフトピン48が貫通して設けられ、昇降板49を介して例えばエアシリンダ等の昇降部50により昇降できるようになっている。
また前記蓋体42の天井部には開口部51が形成されており、この開口部51には排気管52が接続されている。この排気管52の他端側には開閉バルブV5を介して真空ポンプPが接続されており、この真空ポンプPによって密閉容器47内の雰囲気を吸引するようになっている。
続いて上述した塗布装置2及び減圧乾燥装置4を用いて行われる本発明の有機薄膜の形成方法について説明する。先ず、直径が200mmのウエハWが塗布装置2のバキュームチャック11に吸着され、その後バキュームチャック11は所定の位置まで降下される。そしてプリウエット用ノズル30が移動機構32によりカップ体10内のウエハWの中央部に案内される。そしてウエハWを回転させて、図8に示すようにウエハWが所定の回転速度例えば3000rpmに達した後、プリウエット用ノズル30から所定量のプリウエット液SがウエハW表面の中心部に供給される。図7(a)に示すようにウエハWの表面中心部に供給されたプリウエット液Sは、遠心力によりウエハWの中心部から周縁部に向かって広がり、そして周縁部に達したプリウエット液Sは外方にむかって飛散することになる。こうして塗布液に対して濡れ性の高いウエハW表面が形成される。
しかる後、ウエハWが回転している状態でプリウエット用ノズル30から塗布液供給用ノズル20への入れ替えが行われる。そしてウエハWの回転速度が3000rpmにある状態で、前記塗布液供給ノズル20から所定量例えば9mlの塗布液RがウエハWの表面中心部に供給される。なお、この例では塗布液供給ノズル20はウエハWの表面の中心部だけに塗布液Rを供給しているが、塗布液供給ノズル20をスイングさせて塗布液Rの供給位置をウエハWの中心部とウエハWの中心から偏心した位置との間で移動させながら塗布液RをウエハWの表面に供給してもよい。このように塗布液供給ノズル20をスイングさせながら塗布液Rを供給することで、ウエハW表面における塗布液の面内均一性が向上する。図7(b)に示すようにウエハWの表面中心部に供給された塗布液Rは、遠心力によりウエハWの中心部から周縁部に向かって広がり、そして周縁部に達した塗布液Rは外方に向かって飛散することになる。この飛散する塗布液Rの中には、1次コロイド粒子5は殆ど含まれておらず、1次コロイド粒子5よりも大きい当該1次コロイド粒子5の凝集体が含まれている。即ち、1次コロイド粒子5よりも質量が重い当該1次コロイド粒子5の凝集体が遠心力によって溶媒と共に飛散し、質量の小さい1次コロイド粒子5はウエハW表面に留まることになる。そして図8に示すようにウエハWの表面中心部に所定量の塗布液Rを塗布してから3000rpmの速度でウエハWを所定の時間例えば60秒間回転させた後、ウエハWの回転速度を減速させてウエハWを停止させる。ここで実施例でも述べるように、スピン回転数3000rpmによってウエハWの表面に形成された塗布膜6の膜厚は44nmである。図5から1次コロイド粒子5は粒径が30〜60nmであることから、この膜厚44nmは1次コロイド粒子5の直径に相当しており、1次コロイド粒子5がウエハW表面において互いに接触する程度に密に且つほぼ同じ高さで並ぶことによって塗布膜6が形成されると考えられる。即ち、上述したスピンコート法によりウエハWの表面に1次コロイド粒子5の単層からなる塗布膜6が形成される。
ウエハWの表面に塗布膜6を形成した後、当該ウエハWは減圧乾燥装置4の載置台40に載置される。そして蓋体42を下降させて密閉容器47を構成した後、真空ポンプにより減圧を開始して密閉容器47内を所定の圧力例えば10−1Pa(約10−3torr)まで減圧し、次いでウエハWをヒータHにより所定の温度例えば160℃で加熱する。この減圧乾燥における加熱時間は、上述したようにウエハWを高い速度で回転させることによって単層からなる塗布膜6が形成されていることから、従来の減圧乾燥における加熱時間よりも短い時間例えば1分である。この加熱により図7(c)に示すように塗布膜R中の溶媒が蒸発し、有機薄膜61が得られる。
上述の実施形態によれば、スピンコート法によりウエハWの表面にPEDOT/PSS溶液を塗布して塗布膜6を形成し、この塗布膜6に対して加熱して有機薄膜61を形成するにあたり、8インチサイズのウエハWを3000rpmという高い速度で回転させることで、前記溶液中に含まれる粒径が300〜600nmからなる1次コロイド粒子5の凝集体が飛散してウエハWの表面から除去される程度の遠心力が作用するので、有機薄膜61を粒径が30〜60nm、この例では44nmからなる1次コロイド粒子5の単層膜により形成することができ、いわば膜厚の限界まで薄膜化することができる。従ってこの有機薄膜61は後述する有機電界発光素子及びタッチパネル並びに有機トランジスタの薄型化に寄与する。
また塗布膜6を形成した後の加熱処理では、塗布膜6が単層であることに起因して加熱時間を短縮できるため、有機薄膜61に対する熱による悪影響が抑えられるため、熱によって有機薄膜61の特性が劣化するといったおそれがない。
上述の実施形態では、塗布膜6を形成した後の加熱処理を減圧雰囲気下で行っているが、大気雰囲気下で加熱処理を行ってもよい。また上述の実施形態では、基板として直径が200mmのシリコンウエハWを用いているが、対角線の長さが例えば200mmのガラス基板を用いても、当該ガラス基板に対して上述と同様にしてスピンコーティング及び加熱を行うことによって粒径が30〜60nmからなる1次コロイド粒子5の単層の有機薄膜61を形成することができる。
次に上述した有機薄膜の形成方法により形成された有機薄膜を有する有機電界発光素子について説明する。図9は本発明の実施形態に係る有機電界発光素子9の一例である。図9中の90は透明なガラス基板であり、このガラス基板90の上には、酸化インジウムスズ(ITO)からなる陽極91と、上述したようにスピンコーティング及び加熱により形成した有機薄膜であるホール(正孔)注入層92と、有機発光材料からなる有機発光層93と、酸化インジウムスズ(ITO)からなる陰極94とがこの順に下から積層されている。前記ホール注入層92は、陽極91と有機発光層93との接触抵抗を下げ、陽極91から有機発光層93への正孔の輸送を容易にするためのものである。そしてこの有機電界発光素子9は陽極91と陰極94との間に所定の電圧を印加することで、陽極91から注入された正孔と陰極94から注入された電子とが前記有機発光層93内で再結合し、励起したエネルギーが光として前記ガラス基板90側から放出されるようになっている。
この有機電界発光素子9は、ホール注入層92を上述した形成方法によって形成しているため、つまりこのホール注入層92は1次コロイド粒子5の単層からなるため、有機電界発光素子9を薄型にすることができる。また陽極90とホール注入層92との密着性の向上も期待できる。なお、この例では陽極91及び陰極94としてはスパッタリングにより形成した酸化インジウムスズが用いられているが、上述したようにスピンコーティング及び加熱により形成した有機薄膜を陽極91及び陰極94に用いてもよい。
次に上述した有機薄膜の形成方法により形成された有機薄膜を有するタッチパネルについて説明する。図10は本発明の実施形態に係るタッチパネルの一例である。図10中の100は上部透明基板であり、この上部透明基板100の下面には上述したようにスピンコーティング及び加熱により形成した有機薄膜である上部透明電極層101が形成されている。また図10中の102は下部透明基板であり、この下部透明基板102の上面には上述と同様にして形成した有機薄膜である下部透明電極層103が形成されており、この下部透明電極層103の上面には絶縁性のドットスペーサ104が設けられている。そして前記上部透明電極層101と前記下部透明電極層103とを対向させた状態で前記上部透明基板100と前記下部透明基板102とをシール部材105を介して貼り合わせることでタッチパネル106が形成される。このタッチパネル106は、上部透明基板100の表面を指等で押圧することで上部透明基板100が撓み、上部透明電極層101が下部透明電極層103に電気的に接触するようになっている。
このタッチパネル106は、上部透明電極層101及び下部透明電極層103を上述した形成方法によって形成しているため、つまり上部透明電極層101及び下部透明電極層103は1次コロイド粒子5の単層からなるため、タッチパネルを薄型にすることができると共に、高いと透明性が得られる。また上部(下部)透明基板100,102と上部(下部)透明電極層101,103との密着性の向上も期待できる。
次に上述した有機薄膜の形成方法により形成された有機薄膜を有する有機トランジスタについて説明する。図11は本発明の実施形態に係る有機トランジスタ125の一例である。図11中の120はシリコンからなるゲート電極であり、このゲート電極120の上にはシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜121が形成されている。前記ゲート絶縁膜121の上にはソース電極122とドレイン電極123とが所定の間隔をあけて形成されている。このソース電極122及びドレイン電極123は例えば金(Au)からなる。また前記ゲート絶縁膜121の上には上述したようにスピンコーティング及び加熱により形成した有機薄膜124が前記ソース電極122及び前記ドレイン電極123を覆うようにして形成されている。そしてソース電極122は接地した状態で、ソース電極122とドレイン電極123との間に電圧E1を印加すると共に、ゲート電極120とソース電極122との間に電圧E2を印加することで、ソース電極122とドレイン電極123との間に形成されている有機薄膜124が導通してドレイン電極123とソース電極122との間に電流が流れるようになっている。またソース電極122とゲート電極120との間に印加する電圧E2を制御することで、ドレイン電極123とソース電極122との間に流れる電流を制御している。つまり前記有機薄膜124はトランジスタのチャンネル部として用いられることとなる。
この有機トランジスタ125は、トランジスタのチャンネル部を上述した形成方法によって形成しているため、このチャンネル部は1次コロイド粒子5の単層から形成され、有機トランジスタ125を薄型にすることができる。なお、この例ではソース電極122及びドレイン電極123としてはスパッタリングにより形成した金が用いられているが、上述したようにスピンコーティング及び加熱により形成した有機薄膜をソース電極122及びドレイン電極123に用いてもよい。またゲート電極120についても上述と同様にして形成した有機薄膜を用いてもよい。
図1に示す塗布装置1を用いて8インチサイズのウエハWの表面にプリウエット液Sを供給して塗布液Rに対して濡れ性の高いウエハW表面を形成し、続いて当該ウエハWの表面に9mlの塗布液Rを供給して塗布膜6を形成するにあたって、塗布液R供給時のウエハWの回転数(スピン回転数)を1000rpm、1500rpm、3000rpmに夫々設定し、塗布液Rを塗布してから設定した速度でウエハWを60秒間回転させ、さらに低真空下で160℃の密閉容器で60分間乾燥させた後の、これらのスピン回転数に対して得られる塗布膜6の膜厚を夫々測定した。スピン回転数1000rpmでは塗布膜6の膜厚は132nmであり、スピン回転数1500rpmでは塗布膜6の膜厚は107nmであり、スピン回転数3000rpmでは塗布膜6の膜厚は44nmであった。スピン回転数3000rpmでは塗布膜6の膜厚が44nmであることから、この膜厚44nmは、図5に示すようにPEDOT/PSS溶液中に含まれる粒径が30〜60nmからなるPEDOT/PSSコロイド粒子(1次コロイド粒子)5の直径に相当する。即ち、スピン回転数3000rpmでは1次コロイド粒子5がウエハW表面において互いに接触する程度に密に且つほぼ同じ高さで並ぶことによって塗布膜6が形成されると考えられる。
本発明の有機薄膜の形成方法を実施するための塗布装置の一例を示す構成図である。 上記塗布装置の概略上面図である。 PEDOT/PSSコロイド粒子を示す模式図である。 PSSとPEDOTとの共重合体の分子構造を示す図である。 PEDOT/PSS溶液中のコロイド粒子の粒径分布を示す説明図である。 本発明の有機薄膜の形成方法を実施するための減圧乾燥装置の一例を示す構成図である。 上記の製造方法において有機薄膜が形成されていく様子を示す模式図である。 上記塗布装置においてウエハの表面に塗布液を供給するタイミングを説明する説明図である。 本発明の実施の形態に係る有機電界発光素子の構図を示す概略斜視図である。 本発明の実施の形態に係るタッチパネルの構図を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る有機トランジスタの構図を示す概略断面図である。
符号の説明
R 塗布液
S プリウエット液
W ウエハ
1 塗布装置
20 塗布液供給ノズル
30 プリウエット用ノズル
4 減圧乾燥装置
5 PEDOT/PSSコロイド粒子
6 塗布膜
61 有機薄膜
9 有機電界発光素子
90 ガラス基板
91 陽極
92 ホール注入層
93 有機発光層
94 陰極
100 上部透明基板
101 上部透明電極層
102 下部透明基板
103 下部透明電極層
104 ドットスペーサ
105 シール部材
106 タッチパネル
120 ゲート電極
121 ゲート絶縁膜
122 ソース電極
123 ドレイン電極
124 有機薄膜
125 有機トランジスタ

Claims (13)

  1. 導電性高分子材料とこの導電性高分子材料の溶解性を高めるための絶縁性の高分子材料からなるドーパントとを溶媒に溶解した溶液を基板の表面に供給すると共に、当該基板を回転させ、その遠心力により溶液を展伸させてコロイド粒子の凝集体を基板の外に飛散させ、前記基板の表面に1次コロイド粒子の単層からなる塗布膜を形成する工程と、
    前記基板を加熱して前記塗布膜中の溶媒を除去し、有機薄膜を形成する工程と、を含むことを特徴とする有機薄膜の形成方法。
  2. 前記溶液を基板の中心部に供給する前に、当該溶液に対して基板の表面の濡れ性を高めるためにプリウエット液を供給すると共に、当該基板を回転させて前記プリウエット液を基板の表面に塗布する工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜の形成方法。
  3. 前記基板を加熱する工程は、減圧雰囲気下で行われることを特徴とする請求項1または2に記載の有機薄膜の形成方法。
  4. 前記導電性高分子材料はポリチオフェンであり、前記ドーパントはポリスチレンスルホン酸であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の有機薄膜の形成方法。
  5. 前記基板の回転数は3000rpm以上であることを特徴とする請求項4に記載の有機薄膜の形成方法。
  6. 前記有機薄膜は、有機デバイスの一部を構成することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の有機薄膜の形成方法。
  7. 前記有機薄膜は、有機電界発光素子のホール注入層であることを特徴とする請求項6に記載の有機薄膜の形成方法。
  8. 前記有機薄膜は、タッチパネルの透明電極であることを特徴とする請求項6に記載の有機薄膜の形成方法。
  9. 前記有機薄膜は、有機トランジスタのチャンネル部または電極であることを特徴とする請求項6に記載の有機薄膜の形成方法。
  10. 請求項1ないし5のいずれか一つに記載の有機薄膜の形成方法により形成された有機薄膜を有することを特徴とする有機デバイス。
  11. 前記有機薄膜は、有機電界発光素子のホール注入層であることを特徴とする請求項10に記載の有機デバイス。
  12. 前記有機薄膜は、タッチパネルの透明電極であることを特徴とする請求項10に記載の有機デバイス。
  13. 前記有機薄膜は、有機トランジスタのチャンネル部または電極であることを特徴とする請求項10に記載の有機デバイス。
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