JP4436023B2 - 3相高速限流遮断装置および電力系統の連系システム - Google Patents

3相高速限流遮断装置および電力系統の連系システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、商用系統や自家発電設備から3相の交流電力を受け、負荷に給電するための3相交流開閉装置、特に、負荷側に大電流事故が起きたときに事故電流をそれの零点を待たずに高速に遮断する限流形の3相交流開閉装置,すなわち,3相高速限流遮断装置、およびこの3相高速限流遮断装置を商用電源系統/自家用の分散型電源の系統間に介装した分離遮断器に適用して系統の保護性能,およびその応答性を高めるようにした電力系統の連系システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、従来における一般的な3相交流開閉装置の回路を図13に示す。図において、A相,B相,C相よりなる3相の主回路9A,9B,9Cが、それぞれ3相電源1に接続されるとともに点線で囲まれた3相交流開閉装置4を介して3相の負荷2A,2B,2Cに接続されている。3相交流開閉装置4は、各相用の電流検出部5と遮断部7とで構成された点線で囲まれた部分である。各相の電流検出部5は、主回路9A,9B,9Cに流れる電流の値に比例する電気信号5A,5B,5Cをそれぞれ制御部8に送っている。制御部8は、電気信号5A,5B,5Cが事故の発生を検出するレベル以上になったときに主回路9A,9B,9Cの負荷2A,2B,2C側で短絡や地絡事故が起きたものと判定して信号8Aを各相の遮断部7の駆動部6に送る。この信号8Aでもって、駆動部6が遮断部7の開閉電極を開極させ、主回路9A,9B,9Cの電流を遮断し、主回路およびそれに繋がる電気機器を事故時の大電流から保護する。
【0003】
なお、駆動部6には、蓄勢されたばねを機械的に放勢させることによって遮断部7を開極駆動するもの、あるいは、例えば特許第3127678号公報に示されるような、短絡リングと電磁コイルによる電磁反発力でもって遮断部7の開閉電極を直接電磁的に開極駆動するものなどがある。
【0004】
図14は、図13の3相交流開閉装置4の遮断動作を示すタイムチャートである。時間T0までは通常の負荷電流ILが流れ、時間T0から地絡事故または短絡事故による事故電流ISが流れ始めた例である。これは、1相分のタイムチャートであるが、他相の場合も同様である。遮断部7を機械的に駆動させる場合は事故電流ISを検出してから機械機構における駆動力の伝達に時間がかかるので、事故電流ISが2.5サイクル流れた後、時間T8の零点で遮断される。一方、遮断部7の開閉電極の駆動軸に結合した短絡リングに対向させて電磁コイルを設け、この電磁コイルに電流を流して励磁させ、その誘導磁界により短絡リング内に流れる渦電流と電磁コイルに流れる電流とによって生じる電磁反発力でもって遮断部7の開閉電極を直接電磁的に開極駆動する場合は、高速で遮断することができ、事故電流ISが0.5サイクル流れた後、実線のように時間T7の零点で遮断される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来の3相交流開閉装置は、事故電流の最大の波高値を過ぎた後に遮断することになるという問題があった。
【0006】
すなわち、図14に示されたように、従来の3相交流開閉装置は、事故時の事故電流をその零点でもって遮断するので、時間T6において事故電流ISとして、最大となる波高値の電流が流れてしまう。そのために、主回路やそれに繋がる電気機器をその電流値に耐えるようにしておかねばならなかった。
【0007】
そこで、この発明の第1の目的は、負荷側に大電流事故が起きたときに事故電流の零点を待たずに高速で遮断することのできる限流形の3相交流開閉装置,すなわち,3相高速限流遮断装置を提供することにある。
【0008】
また、この発明の第2の目的は、前記の3相高速限流遮断装置を商用電源の系統と分散型電源の系統とを連系する連系母線に介装した分離遮断器に適用して系統の保護性能およびその応答性を高めるようにした電力系統の連系システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、この発明によれば、3相交流回路の各相に挿入された遮断部と、この遮断部の各相の開閉電極毎に設けられた短絡リングと電磁コイルによる電磁反発力によりそれぞれの開閉電極を開極駆動する第1駆動部と、前記遮断部の各相にそれぞれ前記3相交流回路の周波数より高い周波数の電流を重畳させる高周波電流発生回路と、この高周波電流発生回路を投入する投入部と、前記投入部の開閉電極に設けられた短絡リングと電磁コイルによる電磁反発力により開閉電極を閉極駆動する第2駆動部と、この第1駆動部および第2駆動部を制御する制御部と、前記制御部に前記3相交流回路の各相に流れる電流の値に比例する電気信号を送る電流検出部とを備え、前記3相交流回路の各相に流れる電流の値に比例する電気信号が事故の発生を検出するレベル以上になったとき前記制御部により前記第1駆動部および第2駆動部を駆動するようにするとともに、前記第1駆動部の各相の電磁コイルを直列接続して1つの駆動電源でもって一括して励磁するようにする。
【0010】
これによって、事故が起きたときに、3相交流回路のそれぞれの遮断部に流れる交流電流に高周波電流が重畳され、事故電流の最大の波高値の電流が流れる前に零点が形成される。その零点でもって遮断部が電流を遮断するので、事故電流の零点を待たずに遮断できる限流形の3相交流開閉装置,すなわち,3相高速限流遮断装置となる。
【0011】
また、第1駆動部の各相の第1電磁コイル、第2駆動部の各相の第2電磁コイルをそれぞれ直列接続して、それぞれ1つの第1駆動電源、1つの第2駆動電源でもって一括して励磁させるので、第1駆動部,第2駆動部とも、直列接続された各相の電磁コイルに同時に同じ大きさの電流が流れることになり、この電流により発生する電磁力の大きさも各相とも同じとなるので、第1駆動部による遮断部の開極駆動および第2駆動部による高周波電流発生回路の始動がそれぞれ各相間でバラつきなく同時に行われることになり、3相交流回路における高速の限流遮断をより確実に行うことができるようになる。
【0012】
さらに、かかる構成において、前記制御部が、前記3相交流回路の各相に流れる電流の値に比例する電気信号のうち最も早く事故の発生を検出するレベル以上になったと判別された相でのその判別のタイミングでもって前記3相交流回路に事故が起きたものと判定してなるようにしてもよい。それによって、事故電流が最も早く最大の波高値になる相も含めて3相の実際に流れる事故電流が小さい電流値に抑制されるようになる。
【0013】
さらにまた、前記第1駆動部と、第2駆動部との駆動のタイミングをずらして、第2の駆動部を第1の駆動部の駆動より遅れて駆動することにより、前記遮断部の電極が開極し始めた後、高周波電流の重畳により遮断部に流れる電流に零点が形成されるタイミングにおいて確実に遮断することができる電極間距離が確保されているようにすると、主回路の遮断部の開極過程にあわせて高周波電流を重畳させることができ限流遮断の効果を高めることができる。
【0014】
また、第2の目的を達成するために、この発明によれば、商用電源系統と自家用の分散型電源とが分離遮断器を介装した連系母線を介して連系され、この連系母線に接続した負荷に商用電源系統,分散型電源から給電するように連系運用する電力系統の連系システムにおいて、
前記分離遮断器にこの発明による3相高速限流遮断装置を適用し、事故検出装置と組み合わせて系統内に事故が発生した際に、事故検出装置の検出信号を基に分離遮断器をトリップ動作させて事故電流を高速で限流遮断し、分散型電源の系統を瞬時に解列して事故発生点から切り離すようにする。
【0015】
また、前記の電力系統の連系システムにおいては、分離遮断器を境にして重要負荷を分散型電源側の系統に接続し、商用電源側の系統で事故が発生した際に分離遮断器(この発明による3相高速限流遮断装置)を遮断して分散型電源より重要負荷への給電を継続して行うようにする。これにより、商用電源の系統側に地絡,短絡などの事故が発生した場合でも、早い応答性で重要負荷への給電を分散型電源から継続して行うことができて重要負荷の生き残り確保が図れる。また、自家用の分散型電源を商用電源系統に連係させた連系システムでは、商用電源側の系統の短絡容量に分散型電源側の系統の短絡容量が加わって構内の短絡容量が増加し、このために保護協調が崩れるといった問題の生ずる恐れがあるが、この発明による電力系統の連系システムでは、分離遮断器である3相高速限流遮断装置の遮断動作により事故電流の波高値を低く抑えることができ、これにより構内の短絡容量の増加を抑制することができ、合理的な保護協調を確保することができる。
【0016】
また、前記の連系システムにおいて、分散型電源が原動機(例えばガスタービン)の出力軸とシェアピンを介して連結された発電機であれば、商用電源側の系統に事故が発生した際に前記分離遮断器(3相高速限流遮断装置)を遮断して分散型電源の系統を解列することにより、過渡的に前記シェアピンに掛かる軸捩じれトルクを低減してシェアピンの切断を回避することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を実施例に基づいて説明する。図1は、この発明の実施例にかかる3相高速限流遮断装置の構成を示す回路図である。
【0018】
A相,B相,C相よりなる3相の主回路9A,9B,9Cが、それぞれ3相電源1に接続されるとともに3相分離遮断器3と3相高速限流遮断装置40を介して3相の負荷2A,2B,2Cに接続されている。3相高速限流遮断装置40は、各相用の電流検出部5と遮断部7とを備えた点線で囲まれた部分である。各相の電流検出部5は、主回路9A,9B,9Cに流れる電流の値に比例する電気信号5A,5B,5Cをそれぞれ制御部80に送っている。制御部80は、電気信号5A,5B,5Cが事故の発生を検出するレベル以上になったときに主回路9A,9B,9Cの負荷2A,2B,2C側で事故が起きたものと判定して信号80X,80Yをそれぞれ第1駆動電源16,第2駆動電源17に送っている。また、遮断部7に並列に、投入部11とインダクタ12とコンデンサ13との直列共振回路からなる高周波電流発生回路と、消弧装置15とが接続されている。コンデンサ13は、充電装置14によって直流充電されている。遮断部7、投入部11は、図示しないその開閉電極の駆動軸に絶縁棒を介して結合された短絡リングをそれぞれ備えるとともに、この短絡リングに対向配置された第1電磁コイル10,第2電磁コイル100をそれぞれ備え、図2に示される第1駆動部60,第2駆動部61によって駆動される。なお、前記の短絡リングは絶縁棒により可動接点とは絶縁されているので、この短絡リングに対向配置される電磁コイルおよびその励磁回路は大地電位側に設けることができ、低電圧回路として構成することができる。
【0019】
また、消弧装置15は非線形素子からなり、高周波電流が流れたときに回路に存在するインダクタ12を含むインダクタンスに蓄えられたエネルギーが過電圧となって遮断部7にかかるので、そのエネルギーを吸収するためのものである。また、3相分離遮断器3は、遮断部7が開極されても電源から消弧装置15を介して交流の漏れ電流が負荷2A,2B,2Cへ僅かに流れるので、この漏れ電流を無くすために介装されている。
【0020】
図2の(a)は図1の遮断部7の第1駆動部の構成を示す回路図であり、(b)は図1の投入部11の第2駆動部の構成を示す回路図である。
【0021】
図2の(a)において、第1駆動電源16が、充電装置18によって直流充電されたコンデンサ20と半導体スイッチ22との直列回路から構成されている。第1駆動部60は、この第1駆動電源16に、A相,B相,C相の第1電磁コイル10の直列回路が接続されたものから構成されている。事故発生時に、制御部80(図1)からの信号80Xが第1駆動電源16の半導体スイッチ22に入力されると、半導体スイッチ22が点弧しコンデンサ20に充電されていた電荷が直列接続されたA相,B相,C相の第1電磁コイル10に流れ、各相とも同時に同じ大きさの電磁反発力が発生して、各相の遮断部7(図1)の開閉電極が同時に開極駆動される。
【0022】
一方、図2の(b)において、第2駆動電源17が、充電装置19によって直流充電されたコンデンサ21と半導体スイッチ23との直列回路から構成されている。第2駆動部61は、この第2駆動電源17に、A相,B相,C相の第2電磁コイル100の直列回路が接続されたものから構成されている。また、その事故発生時に、制御部80(図1)からのもう1つの信号80Yが第2駆動電源17の半導体スイッチ23に入力され、半導体スイッチ23が点弧しコンデンサ21に充電されていた電荷が直列接続されたA相,B相,C相の第2電磁コイル100に流れ、各相とも同時に同じ大きさの電磁反発力が発生して各相の投入部11(図1)の開閉電極が同時に閉極し、高周波電流発生回路が投入される。
【0023】
なお、図2の(a),(b)に示される第1駆動部,第2駆動部の構成は、それぞれ、第1駆動電源16,第2駆動電源17が3相共通の1台で済むものであり、簡素な構成となっている。
【0024】
図3は、図1の3相高速限流遮断装置40の遮断動作時のタイムチャートである。時間T0が事故の発生時点である。時間T0までは通常の負荷電流ILが流れ、時間T0から事故電流ISが流れ始める。これは、1相分のタイムチャートであるが、他相も位相遅れがあるだけで同様である。時間T4に高周波電流が重畳され、遮断器7に流れる電流が実線の波形24のように減少し、零点となる時間T5で遮断される。
【0025】
図3のその他は、図14のタイムチャートと同じである。すなわち、遮断器7は事故電流ISが零点になる時間T7を待たずに遮断され、事故電流ISの最大となる時間T6における波高値の電流が流れることのない限流形の3相交流開閉装置,すなわち,3相高速限流遮断装置となる。これによって、主回路9A,9B,9C(図1)やそれに繋がる電気機器の負担が軽減される。
【0026】
図4は、図1の3相高速限流遮断装置40の動作をさらに詳細に説明するためのタイムチャートである。
【0027】
(a)の波形は、図3の波形を、横軸を拡大して示すものである。(b)の波形は、信号80Xであり、図1における事故電流ISが事故の発生を検出するレベルになった時間T1に制御部80から出力される。(c)の波形は、信号80Yであり、時間T1より所定の時間遅らせた時間T2に制御部80から出力される。(d)の波形は、遮断器7の開閉電極の開閉状態を示し、信号80Xによって遮断器7の開閉電極が時間T3から開極し始め、時間TMで最大の電極間距離となって開極を終了する。(e)の波形は、投入部11の開閉電極の開閉状態を示し、信号80Yによって投入部11が閉極動作を開始し、時間T4で閉極し、高周波電流発生回路が投入され事故電流ISに波形24のような高周波電流が重畳し始める。
【0028】
遮断部7は、事故電流ISをこれが最大の波高値となる図4における時間T6以前、すなわち、事故発生後2ないし3msで遮断する必要がある。この限流遮断条件を達成させるために、例えば、事故発生の時間T0から信号80Xが出される時間T1までの検出時間(T1−T0)を0.5ms程度とし、時間T1から遮断部7の開閉電極が開極し始める時間T3までの接点開極時間(T3−T1)を1ms程度とし、時間T3から遮断部7が遮断を完了する時間T5までのアーク時間(T5−T3)を1ms程度とすれば、合計2.5msとなり、前記の限流遮断条件が満たされる。そのために、遮断部7,投入部11を図2のようにそれぞれ第1電磁コイル10,第2電磁コイル100による電磁反発力でもって高速に動作させるとともに、高周波電流を遮断部7に流して電流の零点を作ることが不可欠である。
【0029】
なお、3相交流回路における高速の限流遮断の場合、第1駆動部による遮断部の開極動作を各相の単独駆動で行ったのでは各相間の開極動作のタイミングにずれが生じるので、そのずれの大きさの程度によっては、3相全てで上述の限流遮断条件を満足させるために上記のアーク時間として確保できる時間がある相では短くなり過ぎることになり、その相では遮断部の電極間距離を充分確保することができなくなり、遮断できない可能性が生じる。したがって、3相交流回路における高速の限流遮断の場合、第1駆動部による遮断部の開極動作を各相同時に行うようにするとともに、これに対応して、第2駆動部による高周波電流発生回路の始動も各相同時に行うようにすることにより、遮断動作をより確実なものとすることができる。
【0030】
そして、第1駆動部による遮断部の開極駆動および第2駆動部による高周波電流発生回路の始動のそれぞれのタイミングの各相間のばらつきをなくして前記開極駆動および前記始動がそれぞれ各相で同時に行われるようにするためには、上述の図2(a),(b)のように、第1駆動部60の各相の第1電磁コイル10,第2駆動部61の各相の第2電磁コイル100をそれぞれ直列接続して、それぞれ1つの第1駆動電源16,1つの第2駆動電源17でもって一括して励磁させるようにする構成が好適である。
【0031】
また、図4は、時間T4でその時の事故電流ISの極性と異なる極性の半波から流れ始める高周波電流が重畳された場合を示しているが、事故電流ISの極性と同じ極性の半波から流れ始める高周波電流が重畳された場合は、高周波電流の最初の半波の後に逆極性の半波の電流が重畳されることにより事故電流ISの零点が形成され、同じ様に遮断完了する。高周波電流の周波数は、事故電流の商用周波数と比べて桁違いに高い周波数のものが選ばれているので、この場合、わずかの時間遅れのみで、全く問題にならない。また、遮断部7や投入部11は、短時間で動作可能でかつ大電流を流すことできる真空開閉器が用いられる。さらに、真空開閉器は、絶縁回復特性が優れているとともにアーク抵抗もミリオームオーダであり、空気中やSF6ガス中のアーク抵抗より1桁も小さい。そのために、高周波電流の減衰を早めないので零点を形成し易いという利点もある。
【0032】
図5は、図1の3相高速限流遮断装置の制御方法を示すタイムチャートで、(a)ないし(c)の波形は、上から下の順に3相とも地絡した場合にA相,B相,C相の主回路9A,9B,9Cに流れる電流であり、事故の発生した時間T0より前には各相に負荷電流ILが流れ、時間T0から各相に事故電流ISが流れている。また、(d)ないし(f)の波形は、地絡後,地絡発生を検出するレベルI0に達する時間、すなわち、負荷電流ILより確実に電流が増加したことが確認できる各相のT0からの時間ΔTA,ΔTB,ΔTC後に制御部80(図1)の内部で形成される信号XA,XB,XCである。
【0033】
さらに、(g)および(h)の波形は、制御部80から出力される信号80X,80Yである。制御部80は、信号XA,XB,XCの内、最も早い信号XBを選んでTB後、すなわち、時間T1に信号80Xを出力するとともに、所定時間TR遅らせて時間T2に信号80Yを出力する。それによって、事故電流が最も早く最大の波高値になる相も含めて3相の実際に流れる事故電流が小さい電流値に抑制されるようになり、主回路9A,9B,9C(図1)やそれに繋がる電気機器の負担がさらに軽減される。
【0034】
なお、上記の所定時間TR,すなわち,時間(T2−T1)は、図1の遮断部7が開極し始めた後、高周波電流の重畳により遮断部に流れる電流に零点が形成されるタイミングにおいて確実に遮断することができるような電極間距離が確保されているようにすることを考慮して決定されるものである。
【0035】
図6は、この発明の比較例として示す3相高速限流遮断装置の回路図であり、(a)は遮断部の第1駆動部60、(b)は図1の投入部の第2駆動部61の構成を示す。
【0036】
図6の(a)において第1駆動部60の各相の第1電磁コイル10が並列接続され、その両端が第1駆動電源16に接続されている。また、図6の(b)において第2駆動部61の各相の第2電磁コイル100が並列接続され、その両端が第2駆動電源17に接続されている。
【0037】
図6のその他は、図2の構成と同じである。各相の第1電磁コイル10や第2電磁コイル100は、図6の(a),(b)のような並列接続の構成であっても、図2の(a),(b)のような直列接続の構成と同様に1つの駆動電源16,17でもって励磁されるが、図6の(a),(b)のような並列接続の構成は、駆動電源・電磁コイル間のリード線のインダクタンスの各相間でのばらつきなどにより、各相の電磁コイルに流れる電流の大きさがばらつき、これに対応して発生する電磁力の大きさも各相間でばらつくことから、第1駆動部による遮断部の開極駆動および第2駆動部による高周波電流発生回路の始動のそれぞれのタイミングが各相間でばらつくので、そのばらつきの大きさの程度にもよるが、3相交流回路における高速の限流遮断を確実に行うことができなくなるという問題がある。
【0038】
これに対して、図2の(a),(b)のような直列接続の構成は、駆動電源・電磁コイル間のリード線のインダクタンスが各相間でばらついていても、直列接続された各相の電磁コイルに流れる電流の大きさが同じであるため、これに対応して発生する電磁力の大きさも各相で同じとなり、第1駆動部による遮断部の開極駆動および第2駆動部による高周波電流発生回路の始動のそれぞれのタイミングが各相間でばらつくことがなく、3相交流回路における高速の限流遮断をより確実に行うことができる構成となっている。
【0039】
一方、前記実施例の3相高速限流遮断装置を、商用電源系統とこれに連系させる自家用分散型電源の系統との間の連系母線に介装した分離遮断器に適用することにより、後記の実施例で述べるように、商用電源側の系統で短絡,地絡事故が発生した場合でも、事故電流の最大の波高値を通過すること無く小さな波高値に限流して1/4サイクル以内に分散型電源を商用電源系統から解列することができ、これにより分散型電源の系統に接続されている重要負荷への給電を中断することなく継続的に行うことが可能となり、分散型電源から給電する重要負荷(パワーエレクトロニクス機器など)が運転停止してしまうという問題を解消して連系系統の信頼性向上が図れる。
【0040】
また、前記の分離遮断器の遮断動作で分散型電源の発電機から事故発生地点に供給される事故電流の波高値を小さく抑制することにより、発電機の駆動用原動機がガスタービンである場合にはガスタービンの羽根に加わる力も抑制されるので、これにより事故発生時に発電機の軸とガスタービンの出力軸との間を連結しているシェアピンに過渡的に掛かる軸捩じれトルクを低減してシェアピン切断を回避できる。
【0041】
さらに加えて、自家用の分散型電源を商用電源系統に連系させて運用するよう構築した連系システムでは、商用電源側の系統の短絡容量に分散型電源側の系統の短絡容量が加わるために保護協調が崩れるといった問題があるが、商用電源の系統と分散型電源の系統との間に介装した分離遮断器にこの発明による3相高速限流遮断装置を適用し、事故発生時における遮断電流を高速限流してその波高値を小さく抑制することにより、連系系統の短絡容量の増加を抑制して保護協調の合理化に寄与できる。
【0042】
次に、前記した電力系統の連系システムに対応する実施例を図7〜図12で説明する。
【0043】
まず、図7は特開2000−152507,特開2001−251769号公報などに開示されている電力系統の連系システムに対応する本発明の実施例を示すものである。図において200は商用電源系統、201は受電用変圧器、202は構内に設備した自家用の分散型電源(例えばガスタービン発電機)、203は商用電源系統200と分散型電源202とを連系する連系母線、204は連系母線203に介装した分離遮断器であり、該分離遮断器204を境にして連系母線203の商用電源系統側には一般負荷205が、また分散型電源の系統側には重要負荷(電力供給を安定かつ継続して行う必要があるパワーエレクトロニクス機器など)206がそれぞれフィーダ遮断器(図13で述べた通常仕様の回路遮断器)207を介して分岐接続されている。また、208は構内系統に発生した事故を検出して分離遮断器204にトリップ信号を与える事故検出装置であり、図示のように連系母線203に配した電圧検出部(計器用変圧器)209,電流検出部(計器用変流器)210の出力信号を取り込み、その電圧,電流の変化から事故発生を検出する。なお、この事故検出装置208には、前記の特開2000−152507号,特開2001−251769号,あるいはこの発明と同一出願人より先に出願した特願2001−265794号などで提案した電力系統の事故検出装置が採用できる。そして、前記の分離遮断器204には、図1〜図6で述べたこの発明による3相高速限流遮断装置を適用するものとする。
【0044】
かかる電力系統の連系システムにおいて、常時は分離遮断器204をONに投入して商用電源系統200および分散型電源202を連系運用し、商用電源系統200,分散型電源202から一般負荷205および重要負荷206に電力を供給している。
【0045】
この給電状態で、図示のE地点(商用電源側の系統に接続されている一般負荷のき電回路)で短絡あるいは地絡事故が発生すると、事故発生点Eに向けて商用電源系統200からは事故電流Isが、また分散型電源202からは連系母線203に介装した分離遮断器204を経由して事故電流Igが同時に流れ込むようになる。このために、事故発生直後は事故点Eのき電回路に接続されているフィーダ遮断器207には事故電流Isに事故電流Ig が加わった大きな事故電流(Is+Ig)が流れるようになるが、一方では事故発生と同時に事故検出装置208が分散型電源202から連系母線203を経由して事故発生点Eに供給される事故電流Igを検出して分離遮断器(3相高速限流遮断装置)204をトリップ動作させ、事故電流Igを1/4サイクル未満の短い時間で限流遮断して分散型電源202を解列する。したがって、フィーダ遮断器207を通じて事故発生点Eに流れる事故電流は瞬時にIs+IgからIs(フィーダ遮断器207の遮断能力範囲内)に低減する。これにより、分離遮断器204よりも数サイクル遅れてトリップ動作するフィーダ遮断器207で事故電流ISを確実に遮断することができる。
【0046】
また、図8(a) 〜(c)は前記動作を説明するための動作波形図であり、事故発生時点をt0として、それ以前は図7に示した一般負荷205,重要負荷206にはそれぞれ図8(a),(b)で示すように通常の負荷電流ILが流れており、事故が発生すると事故発生点Eに向けて商用電源系統200からは事故電流Isが、また分散型電源202からは事故電流Igがフィーダ遮断器207に流れるようになる。
【0047】
この状態になると、図7における事故検出装置208が前記の事故電流Igを検出して分離遮断器204にトリップ信号を出力する。これにより、分離遮断器204(図1〜図6で述べた3相高速限流遮断装置)がトリップ動作し、1/4サイクル未満の短時間で事故電流Igを限流値igpに限流して遮断し、時点t1で分散型電源202を商用電源側の系統から解列する(図8(b)参照)。また、事故発生時点t0からフィーダ遮断器207に流れる事故電流Is+Igは図8(c)で表すように事故電流ISの最大波高値よりも低い波高値ipに限流され、遮断終了時点t1以降は商用電源から供給される事故電流Isのみが流れ、この事故電流はフィーダ遮断器207のトリップ動作で遮断される。これにより、構内系統での短絡容量の増加を抑制して商用電源系統との保護協調が図れる。
【0048】
なお、図7の構成において、商用電源側の系統に接続されている一般負荷205のき電回路(図示のE地点)で短絡あるいは地絡事故が発生した場合と同様に、分散型電源側の系統に接続されている重要負荷206のき電回路で短絡あるいは地絡事故が発生した場合も、構内系統での短絡容量の増加を抑制して合理的な保護協調が確保されるようにすることができる。すなわち、分散型電源側の系統に接続されている重要負荷206のき電回路で短絡あるいは地絡事故が発生すると、その事故発生点に向けて分散型電源202からは事故電流Igが、また商用電源系統200からは連系母線203に介装した分離遮断器204を経由して事故電流Isが同時に流れ込むようになるため、事故発生直後は事故点のき電回路に接続されているフィーダ遮断器207には事故電流Igに事故電流Isが加わった大きな事故電流(Ig+Is)が流れるようになるが、一方で事故発生と同時に事故検出装置208が商用電源系統200から連系母線203を経由して事故発生点に供給される事故電流Isを検出して分離遮断器(3相高速限流遮断装置)204をトリップ動作させ、事故電流Isを1/4サイクル未満の短い時間で限流遮断して商用電源系統200を解列するようにすれば、フィーダ遮断器207を通じて事故発生点に流れる事故電流は瞬時にIg+IsからIg(フィーダ遮断器207の遮断能力範囲内)に低減し、これにより、分離遮断器204よりも数サイクル遅れてトリップ動作するフィーダ遮断器207で事故電流Igを確実に遮断することができる。
【0049】
次に、図7に示した連系システムにおいて、系内での事故発生時に分散型電源202に接続した重要負荷206の生き残りを図るシステムおよびその保護動作を図9,図10で説明する。すなわち、図9における商用電源系統側のE地点で短絡,地絡事故が発生すると、分離遮断器204を介装した連系母線203を経由して分散型電源202から事故発生点Eに向けて事故電流Igが、また商用電源系統200からは事故電流Isが流れ込むようになる。なお、この実施例では事故検出装置208に接続した電流検出部(計器用変流器)210を分散型電源202の出力側に配置している。
【0050】
この状態になると、分散型電源側では、母線電圧Vが図10(a)の実線で表すように事故発生と同時に時点t0で定常電圧値aからbに低下し、さらに母線インピーダンスの電圧降下分の波形に沿ってbからcに変化する。また、電流検出部210の一次側に流れる電流は、図10(b)で表すように分散型電源202より重要負荷206に供給する負荷電流ILに事故電流Igが加わって増加するようになる。一方、この状態を事故検出装置208が検出して分離遮断器204にトリップ信号を出力し、これを基に先記実施例で述べたように分離遮断器204が1/4サイクル未満の時点t1で電流igpに限流して遮断動作すると、分散型電源202が解列して事故発生点Eから切り離される。これにより、分散型電源側での母線電圧がcからdに移行して定常値Vに回復する(図10(a)参照)とともに、電流も定常時の負荷電流IL(図10(b)参照)に復帰する。
【0051】
したがって、分散型電源202に接続した重要負荷206が瞬時の給電中断も許されないパワーエレクトロニクス機器などであっても、商用電源側の系統に発生した短絡,地絡事故が原因で運転を中断のおそれなしに、電力を継続的に安定供給して重要負荷206の生き残りを確保できる。
【0052】
次に、分散型電源がガスタービン発電機である電力系統の連系システムにおいて、発電機とガスタービンの出力軸との間を連結しているシェアピンが系内の事故発生に伴う発電機の出力電流増加によって切断するのを防ぐようにしたシステムの実施例を図11および図12で説明する。
【0053】
すなわち、図11の連系システムは基本的に図9と同様で、分散型電源202は発電機202aとガスタービン(原動機)202bを組合せたガスタービン発電機であり、発電機202aとガスタービン202bの出力軸が軸継手202cに設けたシェアピン202dを介して連結し、ガスタービン202bで発電機を駆動するようにしている。なお、シェアピン202dは、よく知られているように電力系統側での短絡,地絡事故発生などに伴う発電機の出力電流の増加が原因で発電機202aとガスタービン202bとの連結軸に定格トルクを超える異常な軸捩じれトルクが加わった際に、ピン自身が破断してガスタービン202bを発電機202aから切り離し、ガスタービン202bを保護する役目を果たすものである。
【0054】
ところで、シェアピンは一旦切断すると、シェアピンを付け替える復旧作業に時間が掛かり、この間は分散型電源202の発電が停止することになる。そのために、機械的な重大事故発生などを除いて電力系統内の短絡,地絡事故発生に伴う発電機の出力電流増加に起因するシェアピンの切断を防ぐような対策が求められている。そこで、前記の連系システムにおいて、系内での事故発生時に分離遮断器をトリップ動作させて自家用の発電機を事故発生点から切り離し、ガスタービン(原動機)の出力軸に加わる軸捩じれトルクを低減させてシェアピンの切断を回避するようにした方式が従来より提案されているが、この場合に分離遮断器を高速で限流遮断しないと、事故電流を供給している発電機の出力電流が減少する以前にシェアピンが切断してしまうおそれがある。
【0055】
そこで、この実施例では、図11の連系母線203に介装した分離遮断器204として、先記の各実施例と同様にこの発明による3相高速限流遮断装置を適用し、商用電源系統側におけるE地点で短絡,地絡事故が発生した場合には、事故検出装置208の検出信号を基に分離遮断器204をトリップ動作させ、分散型電源202の発電機202aから事故発生点Eに向けて流れる事故電流Igを1/4サイクル未満の短時間で高速限流遮断し、シェアピン202dの切断を回避するようにしている。すなわち、事故検出装置208が系統内の事故発生を検出し、これを基に分離遮断器204に採用したこの発明の3相高速限流遮断装置をトリップ動作させると、分散型電源側での母線電圧,発電機の出力電流は図12(a),(b)で表す動作波形を呈し、出力電流についてはシェアピン202dを切断する軸捩じれトルクに相当する電流値i0よりも低い波高値ipに限流される。これにより、系統内での事故発生に起因してシェアピン202dが切断されるのを確実に回避できる。
【0056】
また、商用電源系統側での事故発生時に、上述のようにシェアピン202dの切断が回避されることにより、分散型電源202の発電を継続することができるので、分散型電源202に接続された重要負荷206に電力を継続的に安定供給することができるようになる。
【0057】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、3相交流回路の各相に挿入された遮断部と、この遮断部の各相の開閉電極毎に設けられた短絡リングと電磁コイルによる電磁反発力によりそれぞれの開閉電極を開極駆動する第1駆動部と、前記遮断部の各相にそれぞれ前記3相交流回路の周波数より高い周波数の電流を重畳させる高周波電流発生回路と、この高周波電流発生回路を投入する投入部と、前記投入部の開閉電極に設けられた短絡リングと電磁コイルによる電磁反発力により開閉電極を閉極駆動する第2駆動部と、この第1駆動部および第2駆動部を制御する制御部と、前記制御部に前記3相交流回路の各相に流れる電流の値に比例する電気信号を送る電流検出部とを備え、前記電気信号が事故の発生を検出するレベル以上になったとき前記制御部により前記第1駆動部および第2駆動部を駆動し、前記遮断部を開極させるとともに前記投入部を閉極させるようにするとともに、前記第1駆動部の各相の電磁コイルを直列接続して1つの駆動電源でもって一括して励磁するようにすることによって、事故電流の零点を待たずに高速で遮断できる限流形の3相交流開閉装置,すなわち,3相高速限流遮断装置となり主回路やそれに繋がる電気機器の負担が軽減される。また、第1駆動部の各相の第1電磁コイル、第2駆動部の各相の第2電磁コイルをそれぞれ直列接続して、それぞれ1つの第1駆動電源、1つの第2駆動電源でもって一括して励磁させることにより、第1駆動部による遮断部の開極駆動および第2駆動部による高周波電流発生回路の始動がそれぞれ各相間でばらつきがなく同時に行われるので、3相交流回路における高速の限流遮断をより確実に行うことができる。
【0058】
また、かかる構成において、制御部が、各相のうち電気信号が最も早く所定の値以上になったと判別された相でのその判別のタイミングでもって3相交流回路に事故が起きたものと判定してなるようにすることによって、事故電流が最も早く最大の波高値になる相も含めて3相の実際に流れる事故電流が小さい電流値に抑制されるようになり、主回路やそれに繋がる電気機器の負担がさらに軽減される。
【0059】
さらに、第2駆動部を第1駆動部の駆動より所定時間遅れて駆動するようにしたことにより、遮断部が開極し始めた後、高周波電流の重畳により遮断部に流れる電流に零点が形成されるタイミングにおいて開閉電極間の距離を確実に遮断することのできる距離とすることができる。
【0060】
また、前記したこの発明による3相高速限流遮断装置を分離遮断器として商用電源系統と自家用の分散型電源とを連系させた上で、事故検出装置と組合せて電力系統の連系システムを構築し、系統内に短絡,地絡事故が発生した際に分離遮断器(3相高速限流遮断器)をトリップ動作させて分散型電源を解列するようにしたことにより、次記の効果を奏する。
【0061】
(1) 分散型電源から事故発生点に向けて供給する事故電流をその最大波高値以下に抑えつつ、1/4サイクル未満の短時間で分散型電源を事故発生点と切り離すことができ、ここで重要負荷を分散型電源側に接続しておくことにより、事故発生時でも重要負荷に対する給電を中断することなく安定,かつ継続的に行うことができる。
【0062】
(2) また、前記の分散型電源が例えばガスタービン発電機であり、ガスタービンの出力軸と発電機との間をシェアピンで連結している場合でも、分離遮断器である3相高速限流遮断器の遮断機能により、系統内での事故発生時における発電機の出力電流の増加を低く抑えて事故発生点から解列することができ、これにより系統内での短絡,地絡事故の発生に起因してシェアピンが切断するのを確実に回避できる。
【0063】
(3) さらに、自家用の分散型電源を商用電源系統に連系させた連系システムでは、商用電源側の系統の短絡容量に分散型電源側の系統の短絡容量が加わって構内の短絡容量が増加し、このために保護協調が崩れるといった問題の生じるおそれがあるが、この発明によれば事故発生時における事故電流の波高値を小さく限流できるので、これにより構内の短絡容量の増加を抑制して合理的な保護協調を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例にかかる3相高速限流遮断装置の構成を示す回路図
【図2】 (a)は図1の遮断部の第1駆動部の構成を示す回路図であり、(b)は図1の投入部の第2駆動部の構成を示す回路図
【図3】 図1の3相高速限流遮断装置の動作を示すタイムチャート
【図4】 図1の3相高速限流遮断装置の動作をさらに詳細に示すタイムチャート
【図5】 この発明の異なる実施例にかかる3相高速限流遮断装置の制御方法を示すタイムチャート
【図6】 この発明の比較例として示す3相高速限流遮断装置の回路図であり、(a)は遮断部の第1駆動部、(b)は図1の投入部の第2駆動部
【図7】 この発明の実施例にかかる連系システムおよび系統内での短絡,地絡事故の発生状況を表したシステム回路図
【図8】 図7における事故発生時の動作を説明するための動作波形図
【図9】 この発明の実施例にかかる重要負荷生き残りのシステムおよび系統内での短絡,地絡事故発生状況を表したシステム回路図
【図10】 図9における事故発生時の動作を説明するための動作波形図
【図11】 この発明の実施例にかかるシェアピン切断防止のシステムおよび系統内での短絡,地絡事故発生状況を表したシステム回路図
【図12】 図11における事故発生時の動作を説明するための動作波形図
【図13】 従来の3相交流開閉装置の構成を示す回路図
【図14】 図13の3相交流開閉装置の動作を示すタイムチャート
【符号の説明】
1 3相電源
2A,2B,2C 負荷
3 分離遮断器
4 3相交流開閉装置
40 3相高速限流遮断装置
5 電流検出部
60 第1駆動部
61 第2駆動部
7 遮断部
8,80 制御部
9A,9B,9C 主回路
10 第1電磁コイル
100 第2電磁コイル
11 投入部
12 インダクタ
13,20,21 コンデンサ
14,18,19 充電装置
15 消弧装置
16 第1駆動電源
17 第2駆動電源
22,23 半導体スイッチ
200 商用電源系統
202 分散型電源
202a 発電機
202b ガスタービン(原動機)
202d シェアピン
203 連系母線
204 分離遮断器(3相高速限流遮断装置)
205 一般負荷
206 重要負荷
207 フィーダ遮断器
208 事故検出装置

Claims (8)

  1. 3相交流回路の各相に挿入された遮断部と、この遮断部の各相の開閉電極毎に設けられた短絡リングと電磁コイルによる電磁反発力によりそれぞれの開閉電極を開極駆動する第1駆動部と、前記遮断部の各相にそれぞれ前記3相交流回路の周波数より高い周波数の電流を重畳させる高周波電流発生回路と、この高周波電流発生回路を投入する投入部と、前記投入部の開閉電極に設けられた短絡リングと電磁コイルによる電磁反発力により開閉電極を閉極駆動する第2駆動部と、この第1駆動部および第2駆動部を制御する制御部と、前記制御部に前記3相交流回路の各相に流れる電流の値に比例する電気信号を送る電流検出部とを備え、かつ、前記第1駆動部の各相の電磁コイルを直列接続して1つの駆動電源に接続して構成され、前記3相交流回路の各相に流れる電流の値に比例する電気信号が事故の発生を検出するレベル以上になったとき前記制御部により前記第1駆動部および第2駆動部を駆動するようにしたことを特徴とする3相高速限流遮断装置。
  2. 3相交流回路の各相に挿入された遮断部と、この遮断部の各相の開閉電極毎に設けられた短絡リングと電磁コイルによる電磁反発力によりそれぞれの開閉電極を開極駆動する第1駆動部と、前記遮断部の各相にそれぞれ前記3相交流回路の周波数より高い周波数の電流を重畳させる高周波電流発生回路と、この高周波電流発生回路を投入する投入部と、前記投入部の開閉電極に設けられた短絡リングと電磁コイルによる電磁反発力により開閉電極を閉極駆動する第2駆動部と、この第1駆動部および第2駆動部を制御する制御部と、前記制御部に前記3相交流回路の各相に流れる電流の値に比例する電気信号を送る電流検出部とを備え、かつ、前記第2駆動部の各相の電磁コイルを直列接続して1つの駆動電源に接続して構成され、前記3相交流回路の各相に流れる電流の値に比例する電気信号が事故の発生を検出するレベル以上になったとき前記制御部により前記第1駆動部および第2駆動部を駆動するようにしたことを特徴とする3相高速限流遮断装置。
  3. 3相交流回路の各相に挿入された遮断部と、この遮断部の各相の開閉電極毎に設けられた短絡リングと電磁コイルによる電磁反発力によりそれぞれの開閉電極を開極駆動する第1駆動部と、前記遮断部の各相にそれぞれ前記3相交流回路の周波数より高い周波数の電流を重畳させる高周波電流発生回路と、この高周波電流発生回路を投入する投入部と、前記投入部の開閉電極に設けられた短絡リングと電磁コイルによる電磁反発力により開閉電極を閉極駆動する第2駆動部と、この第1駆動部および第2駆動部を制御する制御部と、前記制御部に前記3相交流回路の各相に流れる電流の値に比例する電気信号を送る電流検出部とを備え、かつ、前記第1駆動部の各相の電磁コイルを直列接続して1つの駆動電源に接続して構成されるとともに前記第2駆動部の各相の電磁コイルを直列接続して1つの駆動電源に接続して構成され、前記3相交流回路の各相に流れる電流の値に比例する電気信号が事故の発生を検出するレベル以上になったとき前記制御部により前記第1駆動部および第2駆動部を駆動するようにしたことを特徴とする3相高速限流遮断装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか1項に記載の3相高速限流遮断装置において、前記制御部が、前記3相交流回路の各相に流れる電流の値に比例する電気信号のうち最も早く事故の発生を検出するレベル以上になったと判別された相でのその判別のタイミングでもって前記3相交流回路に事故が起きたものと判定してなることを特徴とする3相高速限流遮断装置。
  5. 請求項1ないし4の何れか1項に記載の3相高速限流遮断装置において、前記第2駆動部を前記第1駆動部の駆動より前記遮断部の電極が開極し始めた後、高周波電流の重畳により遮断部に流れる電流に零点が形成されるタイミングにおいて確実に遮断することができる電極間距離が確保されているような時間遅れて駆動することを特徴とする3相高速限流遮断装置。
  6. 商用電源系統と自家用の分散型電源とが分離遮断器を介装した連系母線を介して連系され、この連系母線に接続した負荷に商用電源系統,分散型電源から給電するように連系運用する電力系統の連系システムにおいて、前記の分離遮断器に請求項1ないし5の何れか1項に記載の3相高速限流遮断装置を適用し、事故検出装置と組み合わせて系統内に事故が発生した際に、事故検出装置の検出信号を基に分離遮断器を遮断させて分散型電源の系統を解列するようにしたことを特徴とする電力系統の連系システム。
  7. 請求項6に記載の電力系統の連系システムにおいて、分離遮断器を境にして重要負荷を分散型電源側の系統に接続し、商用電源側の系統で事故が発生した際に分離遮断器を遮断して分散型電源より重要負荷への給電を継続して行うようにしたことを特徴とする電力系統の連系システム。
  8. 請求項6または7に記載の電力系統の連系システムにおいて、分散型電源が原動機の出力軸とシェアピンを介して連結された発電機であり、商用電源側の系統に事故が発生した際に分離遮断器を遮断して分散型電源を解列し、過渡的に前記シェアピンに掛かる軸捩じれトルクを低減してシェアピンの切断を回避するようにしたことを特徴とする電力系統の連系システム。
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