JP2003132768A - 3相高速限流遮断装置および電力系統の連系システム - Google Patents

3相高速限流遮断装置および電力系統の連系システム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】負荷側に大電流事故が起きたときに事故電流の
零点を待たずに高速で遮断する限流形の3相交流開閉装
置,すなわち,3相高速限流遮断装置を提供する。 【解決手段】遮断部7にそれぞれ3相交流回路の周波数
より高い周波数の電流を重畳させる高周波電流発生回路
と、制御部80によって制御されるとともに高周波電流
発生回路をそれぞれ第2電磁コイル100による電磁反
発力で始動させる第2駆動部61とを備え、事故が起き
たときに、制御部80が第2駆動部61を駆動させて高
周波電流発生回路からの高周波電流を遮断部7に重畳さ
せ、遮断部7に流れる電流に零点を形成させて遮断部7
を開成させるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、商用系統や自家
発電設備から3相の交流電力を受け、負荷に給電するた
めの3相交流開閉装置、特に、負荷側に大電流事故が起
きたときに事故電流をそれの零点を待たずに高速に遮断
する限流形の3相交流開閉装置,すなわち,3相高速限
流遮断装置、およびこの3相高速限流遮断装置を商用電
源系統/自家用の分散型電源の系統間に介装した分離遮
断器に適用して系統の保護性能,およびその応答性を高
めるようにした電力系統の連系システムに関する。
【0002】
【従来の技術】まず、従来における一般的な3相交流開
閉装置の回路を図13に示す。図において、A相,B
相,C相よりなる3相の主回路9A,9B,9Cが、そ
れぞれ3相電源1に接続されるとともに点線で囲まれた
3相交流開閉装置4を介して3相の負荷2A,2B,2
Cに接続されている。3相交流開閉装置4は、各相用の
電流検出部5と遮断部7とで構成された点線で囲まれた
部分である。各相の電流検出部5は、主回路9A,9
B,9Cに流れる電流の値に比例する電気信号5A,5
B,5Cをそれぞれ制御部8に送っている。制御部8
は、電気信号5A,5B,5Cが所定の値以上になった
ときに主回路9A,9B,9Cの負荷2A,2B,2C
側で短絡や地絡事故が起きたものと判定して信号8Aを
各相の遮断部7の駆動部6に送る。この信号8Aでもっ
て、駆動部6が遮断部7の開閉電極を開極させ、主回路
9A,9B,9Cの電流を遮断し、主回路およびそれに
繋がる電気機器を事故時の大電流から保護する。
【0003】なお、駆動部6には、蓄勢されたばねを機
械的に放勢させることによって遮断部7を開極駆動する
もの、あるいは、例えば特許第3127678号公報に
示されるような、短絡リングと電磁コイルによる電磁反
発力でもって遮断部7の開閉電極を直接電磁的に開極駆
動するものなどがある。
【0004】図14は、図13の3相交流開閉装置4の
遮断動作を示すタイムチャートである。時間T0 まで
は通常の負荷電流IL が流れ、時間T0 から地絡事
故または短絡事故による事故電流IS が流れ始めた例
である。これは、1相分のタイムチャートであるが、他
相の場合も同様である。遮断部7を機械的に駆動させる
場合は事故電流IS を検出してから機械機構における
駆動力の伝達に時間がかかるので、事故電流IS が
2.5サイクル流れた後、時間T8 の零点で遮断され
る。一方、遮断部7の開閉電極の駆動軸に結合した短絡
リングに対向させて電磁コイルを設け、この電磁コイル
に電流を流して励磁させ、その誘導磁界により短絡リン
グ内に流れる渦電流と電磁コイルに流れる電流とによっ
て生じる電磁反発力でもって遮断部7の開閉電極を直接
電磁的に開極駆動する場合は、高速で遮断することがで
き、事故電流IS が0.5サイクル流れた後、実線の
ように時間T7 の零点で遮断される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来の3相交流開閉装置は、事故電流の最大の
波高値を過ぎた後に遮断することになるという問題があ
った。
【0006】すなわち、図14に示されたように、従来
の3相交流開閉装置は、事故時の事故電流をその零点で
もって遮断するので、時間T6 において事故電流IS
として、最大となる波高値の電流が流れてしまう。そ
のために、主回路やそれに繋がる電気機器をその電流値
に耐えるようにしておかねばならなかった。
【0007】そこで、この発明の第1の目的は、負荷側
に大電流事故が起きたときに事故電流の零点を待たずに
高速で遮断することのできる限流形の3相交流開閉装
置,すなわち,3相高速限流遮断装置を提供することに
ある。
【0008】また、この発明の第2の目的は、前記の3
相高速限流遮断装置を商用電源の系統と分散型電源の系
統とを連系する連系母線に介装した分離遮断器に適用し
て系統の保護性能およびその応答性を高めるようにした
電力系統の連系システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、この発明によれば、3相交流回路の各相に挿
入された遮断部と、この遮断部の各相の開閉電極毎に設
けられた短絡リングと電磁コイルによる電磁反発力によ
りそれぞれの開閉電極を開極駆動する第1駆動部と、前
記遮断部の各相にそれぞれ前記3相交流回路の周波数よ
り高い周波数の電流を重畳させる高周波電流発生回路
と、この高周波電流発生回路を投入する投入部と、前記
投入部の開閉電極に設けられた短絡リングと電磁コイル
による電磁反発力により開閉電極を閉極駆動する第2駆
動部と、この第1駆動部および第2駆動部を制御する制
御部と、前記制御部に前記3相交流回路の各相に流れる
電流の値に比例する電気信号を送る電流検出部とを備
え、前記電気信号が所定の値以上になったとき前記制御
部により前記第1駆動部および第2駆動部を駆動し、前
記遮断部を開極させるとともに前記投入部を閉極させる
ようにするとともに、前記第1駆動部の各相の電磁コイ
ルを直列接続して1つの駆動電源でもって一括して励磁
するようにする。
【0010】これによって、事故が起きたときに、3相
交流回路のそれぞれの遮断部に流れる交流電流に高周波
電流が重畳され、事故電流の最大の波高値の電流が流れ
る前に零点が形成される。その零点でもって遮断部が電
流を遮断するので、事故電流の零点を待たずに遮断でき
る限流形の3相交流開閉装置,すなわち,3相高速限流
遮断装置となる。
【0011】また、第1駆動部の各相の第1電磁コイ
ル、第2駆動部の各相の第2電磁コイルをそれぞれ直列
接続して、それぞれ1つの第1駆動電源、1つの第2駆
動電源でもって一括して励磁させるので、第1駆動部,
第2駆動部とも、直列接続された各相の電磁コイルに同
時に同じ大きさの電流が流れることになり、この電流に
より発生する電磁力の大きさも各相とも同じとなるの
で、第1駆動部による遮断部の開極駆動および第2駆動
部による高周波電流発生回路の始動がそれぞれ各相間で
バラつきなく同時に行われることになり、3相交流回路
における高速の限流遮断をより確実に行うことができる
ようになる。
【0012】さらに、かかる構成において、前記制御部
が、各相のうち前記電気信号が最も早く所定の値以上に
なったと判別された相でのその判別のタイミングでもっ
て前記3相交流回路に事故が起きたものと判定してなる
ようにしてもよい。それによって、事故電流が最も早く
最大の波高値になる相も含めて3相の実際に流れる事故
電流が小さい電流値に抑制されるようになる。
【0013】さらにまた、前記第1駆動部と、第2駆動
部との駆動のタイミングをずらして、第2の駆動部を第
1の駆動部の駆動後所定時間遅れて駆動するようにする
と、主回路の遮断部の開極過程にあわせて高周波電流を
重畳させることができ限流遮断の効果を高めることがで
きる。
【0014】また、第2の目的を達成するために、この
発明によれば、商用電源系統と自家用の分散型電源とが
分離遮断器を介装した連系母線を介して連系され、この
連系母線に接続した負荷に商用電源系統,分散型電源か
ら給電するように連系運用する電力系統の連系システム
において、前記分離遮断器にこの発明による3相高速限
流遮断装置を適用し、事故検出装置と組み合わせて系統
内に事故が発生した際に、事故検出装置の検出信号を基
に分離遮断器をトリップ動作させて事故電流を高速で限
流遮断し、分散型電源の系統を瞬時に解列して事故発生
点から切り離すようにする。
【0015】また、前記の電力系統の連系システムにお
いては、分離遮断器を境にして重要負荷を分散型電源側
の系統に接続し、商用電源側の系統で事故が発生した際
に分離遮断器(この発明による3相高速限流遮断装置)
を遮断して分散型電源より重要負荷への給電を継続して
行うようにする。これにより、商用電源の系統側に地
絡,短絡などの事故が発生した場合でも、早い応答性で
重要負荷への給電を分散型電源から継続して行うことが
できて重要負荷の生き残り確保が図れる。また、自家用
の分散型電源を商用電源系統に連係させた連系システム
では、商用電源側の系統の短絡容量に分散型電源側の系
統の短絡容量が加わって構内の短絡容量が増加し、この
ために保護協調が崩れるといった問題の生ずる恐れがあ
るが、この発明による電力系統の連系システムでは、分
離遮断器である3相高速限流遮断装置の遮断動作により
事故電流の波高値を低く抑えることができ、これにより
構内の短絡容量の増加を抑制することができ、合理的な
保護協調を確保することができる。
【0016】また、前記の連系システムにおいて、分散
型電源が原動機(例えばガスタービン)の出力軸とシェ
アピンを介して連結された発電機であれば、商用電源側
の系統に事故が発生した際に前記分離遮断器(3相高速
限流遮断装置)を遮断して分散型電源の系統を解列する
ことにより、過渡的に前記シェアピンに掛かる軸捩じれ
トルクを低減してシェアピンの切断を回避することがで
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明を実施例に基づい
て説明する。図1は、この発明の実施例にかかる3相高
速限流遮断装置の構成を示す回路図である。
【0018】A相,B相,C相よりなる3相の主回路9
A,9B,9Cが、それぞれ3相電源1に接続されると
ともに3相分離遮断器3と3相高速限流遮断装置40を
介して3相の負荷2A,2B,2Cに接続されている。
3相高速限流遮断装置40は、各相用の電流検出部5と
遮断部7とを備えた点線で囲まれた部分である。各相の
電流検出部5は、主回路9A,9B,9Cに流れる電流
の値に比例する電気信号5A,5B,5Cをそれぞれ制
御部80に送っている。制御部80は、電気信号5A,
5B,5Cが所定の値以上になったときに主回路9A,
9B,9Cの負荷2A,2B,2C側で事故が起きたも
のと判定して信号80X,80Yをそれぞれ第1駆動電
源16,第2駆動電源17に送っている。また、遮断部
7に並列に、投入部11とインダクタ12とコンデンサ
13との直列共振回路からなる高周波電流発生回路と、
消弧装置15とが接続されている。コンデンサ13は、
充電装置14によって直流充電されている。遮断部7、
投入部11は、図示しないその開閉電極の駆動軸に絶縁
棒を介して結合された短絡リングをそれぞれ備えるとと
もに、この短絡リングに対向配置された第1電磁コイル
10,第2電磁コイル100をそれぞれ備え、図2に示
される第1駆動部60,第2駆動部61によって駆動さ
れる。なお、前記の短絡リングは絶縁棒により可動接点
とは絶縁されているので、この短絡リングに対向配置さ
れる電磁コイルおよびその励磁回路は大地電位側に設け
ることができ、低電圧回路として構成することができ
る。
【0019】また、消弧装置15は非線形素子からな
り、高周波電流が流れたときに回路に存在するインダク
タ12を含むインダクタンスに蓄えられたエネルギーが
過電圧となって遮断部7にかかるので、そのエネルギー
を吸収するためのものである。また、3相分離遮断器3
は、遮断部7が開極されても電源から消弧装置15を介
して交流の漏れ電流が負荷2A,2B,2Cへ僅かに流
れるので、この漏れ電流を無くすために介装されてい
る。
【0020】図2の(a)は図1の遮断部7の第1駆動
部の構成を示す回路図であり、(b)は図1の投入部1
1の第2駆動部の構成を示す回路図である。
【0021】図2の(a)において、第1駆動電源16
が、充電装置18によって直流充電されたコンデンサ2
0と半導体スイッチ22との直列回路から構成されてい
る。第1駆動部60は、この第1駆動電源16に、A
相,B相,C相の第1電磁コイル10の直列回路が接続
されたものから構成されている。事故発生時に、制御部
80(図1)からの信号80Xが第1駆動電源16の半
導体スイッチ22に入力されると、半導体スイッチ22
が点弧しコンデンサ20に充電されていた電荷が直列接
続されたA相,B相,C相の第1電磁コイル10に流
れ、各相とも同時に同じ大きさの電磁反発力が発生し
て、各相の遮断部7(図1)の開閉電極が同時に開極駆
動される。
【0022】一方、図2の(b)において、第2駆動電
源17が、充電装置19によって直流充電されたコンデ
ンサ21と半導体スイッチ23との直列回路から構成さ
れている。第2駆動部61は、この第2駆動電源17
に、A相,B相,C相の第2電磁コイル100の直列回
路が接続されたものから構成されている。また、その事
故発生時に、制御部80(図1)からのもう1つの信号
80Yが第2駆動電源17の半導体スイッチ23に入力
され、半導体スイッチ23が点弧しコンデンサ21に充
電されていた電荷が直列接続されたA相,B相,C相の
第2電磁コイル100に流れ、各相とも同時に同じ大き
さの電磁反発力が発生して各相の投入部11(図1)の
開閉電極が同時に閉極し、高周波電流発生回路が投入さ
れる。
【0023】なお、図2の(a),(b)に示される第
1駆動部,第2駆動部の構成は、それぞれ、第1駆動電
源16,第2駆動電源17が3相共通の1台で済むもの
であり、簡素な構成となっている。
【0024】図3は、図1の3相高速限流遮断装置40
の遮断動作時のタイムチャートである。時間T0 が事
故の発生時点である。時間T0 までは通常の負荷電流
ILが流れ、時間T0 から事故電流IS が流れ始め
る。これは、1相分のタイムチャートであるが、他相も
位相遅れがあるだけで同様である。時間T4 に高周波
電流が重畳され、遮断器7に流れる電流が実線の波形2
4のように減少し、零点となる時間T5 で遮断され
る。
【0025】図3のその他は、図14のタイムチャート
と同じである。すなわち、遮断器7は事故電流IS が
零点になる時間T7 を待たずに遮断され、事故電流I
Sの最大となる時間T6 における波高値の電流が流れ
ることのない限流形の3相交流開閉装置,すなわち,3
相高速限流遮断装置となる。これによって、主回路9
A,9B,9C(図1)やそれに繋がる電気機器の負担
が軽減される。
【0026】図4は、図1の3相高速限流遮断装置40
の動作をさらに詳細に説明するためのタイムチャートで
ある。
【0027】(a)の波形は、図3の波形を横軸を拡大
して示すものである。(b)の波形は、信号80Xであ
り、図1における事故電流IS が所定の値になった時
間T1 に制御部80から出力される。(c)の波形
は、信号80Yであり、時間T1 より所定の時間遅ら
せた時間T2 に制御部80から出力される。(d)の
波形は、遮断器7の開閉電極の開閉状態を示し、信号8
0Xによって遮断器7の開閉電極が時間T3 から開極
し始め、時間TM で最大の電極間距離となって開極を
終了する。(e)の波形は、投入部11の開閉電極の開
閉状態を示し、信号80Yによって投入部11が閉極動
作を開始し、時間T4 で閉極し、高周波電流発生回路
が投入され事故電流IS に波形24のような高周波電
流が重畳し始める。
【0028】遮断部7は、事故電流IS をこれが最大
の波高値となる図4における時間T6 以前、すなわ
ち、事故発生後2ないし3msで遮断する必要がある。
この限流遮断条件を達成させるために、例えば、事故発
生の時間T0 から信号80Xが出される時間T1 ま
での検出時間(T1 −T0 )を0.5ms程度と
し、時間T1 から遮断部7の開閉電極が開極し始める
時間T3 までの接点開極時間(T3 −T1 )を1
ms程度とし、時間T3 から遮断部7が遮断を完了す
る時間T5 までのアーク時間(T5 −T3 )を1
ms程度とすれば、合計2.5msとなり、前記の限流
遮断条件が満たされる。そのために、遮断部7,投入部
11を図2のようにそれぞれ第1電磁コイル10,第2
電磁コイル100による電磁反発力でもって高速に動作
させるとともに、高周波電流を遮断部7に流して電流の
零点を作ることが不可欠である。
【0029】なお、3相交流回路における高速の限流遮
断の場合、第1駆動部による遮断部の開極動作を各相の
単独駆動で行ったのでは各相間の開極動作のタイミング
にずれが生じるので、そのずれの大きさの程度によって
は、3相全てで上述の限流遮断条件を満足させるために
上記のアーク時間として確保できる時間がある相では短
くなり過ぎることになり、その相では遮断部の接点間距
離を充分確保することができなくなり、遮断できない可
能性が生じる。したがって、3相交流回路における高速
の限流遮断の場合、第1駆動部による遮断部の開極動作
を各相同時に行うようにするとともに、これに対応し
て、第2駆動部による高周波電流発生回路の始動も各相
同時に行うようにすることにより、遮断動作をより確実
なものとすることができる。
【0030】そして、第1駆動部による遮断部の開極駆
動および第2駆動部による高周波電流発生回路の始動の
それぞれのタイミングの各相間のばらつきをなくして前
記開極駆動および前記始動がそれぞれ各相で同時に行わ
れるようにするためには、上述の図2(a),(b)の
ように、第1駆動部60の各相の第1電磁コイル10,
第2駆動部61の各相の第2電磁コイル100をそれぞ
れ直列接続して、それぞれ1つの第1駆動電源16,1
つの第2駆動電源17でもって一括して励磁させるよう
にする構成が好適である。
【0031】また、図4は、時間T4 でその時の事故
電流IS の極性と異なる極性の半波から流れ始める高
周波電流が重畳された場合を示しているが、事故電流I
Sの極性と同じ極性の半波から流れ始める高周波電流が
重畳された場合は、高周波電流の最初の半波の後に逆極
性の半波の電流が重畳されることにより事故電流IS
の零点が形成され、同じ様に遮断完了する。高周波電流
の周波数は、事故電流の商用周波数と比べて桁違いに高
い周波数のものが選ばれているので、この場合、わずか
の時間遅れのみで、全く問題にならない。また、遮断部
7や投入部11は、短時間で動作可能でかつ大電流を流
すことできる真空開閉器が用いられる。さらに、真空開
閉器は、絶縁回復特性が優れているとともにアーク抵抗
もミリオームオーダであり、空気中やSF6ガス中のア
ーク抵抗より1桁も小さい。そのために、高周波電流の
減衰を早めないので零点を形成し易いという利点もあ
る。
【0032】図5は、図1の3相高速限流遮断装置の制
御方法を示すタイムチャートで、(a)ないし(c)の
波形は、上から下の順に3相とも地絡した場合にA相,
B相,C相の主回路9A,9B,9Cに流れる電流であ
り、事故の発生した時間T0より前には各相に負荷電流
IL が流れ、時間T0 から各相に事故電流ISが流
れている。また、(d)ないし(f)の波形は、地絡
後,地絡発生を検出するレベルI0 に達する時間、す
なわち、負荷電流IL より確実に電流が増加したこと
が確認できる各相のT0 からの時間△TA ,△TB
,△TC後に制御部80(図1)の内部で形成される
信号XA ,XB ,XC である。
【0033】さらに、(g)および(h)の波形は、制
御部80から出力される信号80X,80Yである。制
御部80は、信号XA ,XB ,XC の内、最も早
い信号XB を選んで△TB 後、すなわち、時間T1
に信号80Xを出力するとともに、所定時間TR 遅
らせて時間T2 に信号80Yを出力する。それによっ
て、事故電流が最も早く最大の波高値になる相も含めて
3相の実際に流れる事故電流が小さい電流値に抑制され
るようになり、主回路9A,9B,9C(図1)やそれ
に繋がる電気機器の負担がさらに軽減される。
【0034】なお、上記の所定時間TR ,すなわち,
時間(T2 −T1 )は、図1の遮断部7が開極し始
めた後、高周波電流の重畳により遮断部に流れる電流に
零点が形成されるタイミングにおいて確実に遮断するこ
とができるような電極間距離が確保されているようにす
ることを考慮して決定されるものである。
【0035】図6は、この発明の比較例として示す3相
高速限流遮断装置の回路図であり、(a)は遮断部の第
1駆動部60、(b)は図1の投入部の第2駆動部61
の構成を示す。
【0036】図6の(a)において第1駆動部60の各
相の第1電磁コイル10が並列接続され、その両端が第
1駆動電源16に接続されている。また、図6の(b)
において第2駆動部61の各相の第2電磁コイル100
が並列接続され、その両端が第2駆動電源17に接続さ
れている。
【0037】図6のその他は、図2の構成と同じであ
る。各相の第1電磁コイル10や第2電磁コイル100
は、図6の(a),(b)のような並列接続の構成であ
っても、図2の(a),(b)のような直列接続の構成
と同様に1つの駆動電源16,17でもって励磁される
が、図6の(a),(b)のような並列接続の構成は、
駆動電源・電磁コイル間のリード線のインダクタンスの
各相間でのばらつきなどにより、各相の電磁コイルに流
れる電流の大きさがばらつき、これに対応して発生する
電磁力の大きさも各相間でばらつくことから、第1駆動
部による遮断部の開極駆動および第2駆動部による高周
波電流発生回路の始動のそれぞれのタイミングが各相間
でばらつくので、そのばらつきの大きさの程度にもよる
が、3相交流回路における高速の限流遮断を確実に行う
ことができなくなるという問題がある。
【0038】これに対して、図2の(a),(b)のよ
うな直列接続の構成は、駆動電源・電磁コイル間のリー
ド線のインダクタンスが各相間でばらついていても、直
列接続された各相の電磁コイルに流れる電流の大きさが
同じであるため、これに対応して発生する電磁力の大き
さも各相で同じとなり、第1駆動部による遮断部の開極
駆動および第2駆動部による高周波電流発生回路の始動
のそれぞれのタイミングが各相間でばらつくことがな
く、3相交流回路における高速の限流遮断をより確実に
行うことができる構成となっている。
【0039】一方、前記実施例の3相高速限流遮断装置
を、商用電源系統とこれに連系させる自家用分散型電源
の系統との間の連系母線に介装した分離遮断器に適用す
ることにより、後記の実施例で述べるように、商用電源
側の系統で短絡,地絡事故が発生した場合でも、事故電
流の最大の波高値を通過すること無く小さな波高値に限
流して1/4サイクル以内に分散型電源を商用電源系統
から解列することができ、これにより分散型電源の系統
に接続されている重要負荷への給電を中断することなく
継続的に行うことが可能となり、分散型電源から給電す
る重要負荷(パワーエレクトロニクス機器など)が運転
停止してしまうという問題を解消して連系系統の信頼性
向上が図れる。
【0040】また、前記の分離遮断器の遮断動作で分散
型電源の発電機から事故発生地点に供給される事故電流
の波高値を小さく抑制することにより、発電機の駆動用
原動機がガスタービンである場合にはガスタービンの羽
根に加わる力も抑制されるので、これにより事故発生時
に発電機の軸とガスタービンの出力軸との間を連結して
いるシェアピンに過渡的に掛かる軸捩じれトルクを低減
してシェアピン切断を回避できる。
【0041】さらに加えて、自家用の分散型電源を商用
電源系統に連系させて運用するよう構築した連系システ
ムでは、商用電源側の系統の短絡容量に分散型電源側の
系統の短絡容量が加わるために保護協調が崩れるといっ
た問題があるが、商用電源の系統と分散型電源の系統と
の間に介装した分離遮断器にこの発明による3相高速限
流遮断装置を適用し、事故発生時における遮断電流を高
速限流してその波高値を小さく抑制することにより、連
系系統の短絡容量の増加を抑制して保護協調の合理化に
寄与できる。
【0042】次に、前記した電力系統の連系システムに
対応する実施例を図7〜図12で説明する。
【0043】まず、図7は特開2000−15250
7,特開2001−251769号公報などに開示され
ている電力系統の連系システムに対応する本発明の実施
例を示すものである。図において200は商用電源系
統、201は受電用変圧器、202は構内に設備した自
家用の分散型電源(例えばガスタービン発電機)、20
3は商用電源系統200と分散型電源202とを連系す
る連系母線、204は連系母線203に介装した分離遮
断器であり、該分離遮断器204を境にして連系母線2
03の商用電源系統側には一般負荷205が、また分散
型電源の系統側には重要負荷(電力供給を安定かつ継続
して行う必要があるパワーエレクトロニクス機器など)
206がそれぞれフィーダ遮断器(図13で述べた通常
仕様の回路遮断器)207を介して分岐接続されてい
る。また、208は構内系統に発生した事故を検出して
分離遮断器204にトリップ信号を与える事故検出装置
であり、図示のように連系母線203に配した電圧検出
部(計器用変圧器)209,電流検出部(計器用変流
器)210の出力信号を取り込み、その電圧,電流の変
化から事故発生を検出する。なお、この事故検出装置2
08には、前記の特開2000−152507号,特開
2001−251769号,あるいはこの発明と同一出
願人より先に出願した特願2001−265794号な
どで提案した電力系統の事故検出装置が採用できる。そ
して、前記の分離遮断器204には、図1〜図6で述べ
たこの発明による3相高速限流遮断装置を適用するもの
とする。
【0044】かかる電力系統の連系システムにおいて、
常時は分離遮断器204をONに投入して商用電源系統
200および分散型電源202を連系運用し、商用電源
系統200,分散型電源202から一般負荷205およ
び重要負荷206に電力を供給している。
【0045】この給電状態で、図示のE地点(商用電源
側の系統に接続されている一般負荷のき電回路)で短絡
あるいは地絡事故が発生すると、事故発生点Eに向けて
商用電源系統200からは事故電流Isが、また分散型
電源202からは連系母線203に介装した分離遮断器
204を経由して事故電流Igが同時に流れ込むように
なる。このために、事故発生直後は事故点Eのき電回路
に接続されているフィーダ遮断器207には事故電流I
sに事故電流Ig が加わった大きな事故電流(Is +
Ig )が流れるようになるが、一方では事故発生と同
時に事故検出装置208が分散型電源202から連系母
線203を経由して事故発生点Eに供給される事故電流
Ig を検出して分離遮断器(3相高速限流遮断装置)
204をトリップ動作させ、事故電流Igを1/4サイ
クル未満の短かい時間で限流遮断して分散型電源202
を解列する。したがって、フィーダ遮断器207を通じ
て事故発生点Eに流れる事故電流は瞬時にIs+Igから
Is(フィーダ遮断器207の遮断能力範囲内)に低減
する。これにより、分離遮断器204よりも数サイクル
遅れてトリップ動作するフィーダ遮断器207で事故電
流IS を確実に遮断することができる。
【0046】また、図8(a) 〜(c) は前記動作を説明す
るための動作波形図であり、事故発生時点をt0 とし
て、それ以前は図7に示した一般負荷205,重要負荷
206にはそれぞれ図8(a),(b) で示すように通常の負
荷電流IL が流れており、事故が発生すると事故発生
点Eに向けて商用電源系統200からは事故電流Is
が、また分散型電源202からは事故電流Igがフィー
ダ遮断器207に流れるようになる。
【0047】この状態になると、図7における事故検出
装置208が前記の事故電流Igを検出して分離遮断器
204にトリップ信号を出力する。これにより、分離遮
断器204(図1〜図6で述べた3相高速限流遮断装
置)がトリップ動作し、1/4サイクル未満の短時間で
事故電流Igを限流値igpに限流して遮断し、時点t1
で分散型電源202を商用電源側の系統から解列する
(図8(b) 参照)。また、事故発生時点t0 からフィ
ーダ遮断器207に流れる事故電流Is+Igは図8(c)
で表すように事故電流IS の最大波高値よりも低い波
高値ipに限流され、遮断終了時点t1 以降は商用電
源から供給される事故電流Isのみが流れ、この事故電
流はフィーダ遮断器207のトリップ動作で遮断され
る。これにより、構内系統での短絡容量の増加を抑制し
て商用電源系統との保護協調が図れる。
【0048】なお、図7の構成において、商用電源側の
系統に接続されている一般負荷205のき電回路(図示
のE地点)で短絡あるいは地絡事故が発生した場合と同
様に、分散型電源側の系統に接続されている重要負荷2
06のき電回路で短絡あるいは地絡事故が発生した場合
も、構内系統での短絡容量の増加を抑制して合理的な保
護協調が確保されるようにすることができる。すなわ
ち、分散型電源側の系統に接続されている重要負荷20
6のき電回路で短絡あるいは地絡事故が発生すると、そ
の事故発生点に向けて分散型電源202からは事故電流
Igが、また商用電源系統200からは連系母線203
に介装した分離遮断器204を経由して事故電流Isが
同時に流れ込むようになるため、事故発生直後は事故点
のき電回路に接続されているフィーダ遮断器207には
事故電流Igに事故電流Isが加わった大きな事故電流
(Ig+Is)が流れるようになるが、一方で事故発生
と同時に事故検出装置208が商用電源系統200から
連系母線203を経由して事故発生点に供給される事故
電流Isを検出して分離遮断器(3相高速限流遮断装
置)204をトリップ動作させ、事故電流Isを1/4
サイクル未満の短い時間で限流遮断して商用電源系統2
00を解列するようにすれば、フィーダ遮断器207を
通じて事故発生点に流れる事故電流は瞬時にIg+Is
からIg(フィーダ遮断器207の遮断能力範囲内)に
低減し、これにより、分離遮断器204よりも数サイク
ル遅れてトリップ動作するフィーダ遮断器207で事故
電流Igを確実に遮断することができる。
【0049】次に、図7に示した連系システムにおい
て、系内での事故発生時に分散型電源202に接続した
重要負荷206の生き残りを図るシステムおよびその保
護動作を図9,図10で説明する。すなわち、図9にお
ける商用電源系統側のE地点で短絡,地絡事故が発生す
ると、分離遮断器204を介装した連系母線203を経
由して分散型電源202から事故発生点Eに向けて事故
電流Igが、また商用電源系統200からは事故電流Is
が流れ込むようになる。なお、この実施例では事故検出
装置208に接続した電流検出部(計器用変流器)21
0を分散型電源202の出力側に配置している。
【0050】この状態になると、分散型電源側では、母
線電圧Vが図10(a) の実線で表すように事故発生と同
時に時点t0 で定常電圧値aからbに低下し、さらに
母線インピーダンスの電圧降下分の波形に沿ってbから
cに変化する。また、電流検出部210の一次側に流れ
る電流は、図10(b) で表すように分散型電源202よ
り重要負荷206に供給する負荷電流IL に事故電流
Igが加わって増加するようになる。一方、この状態を
事故検出装置208が検出して分離遮断器204にトリ
ップ信号を出力し、これを基に先記実施例で述べたよう
に分離遮断器204が1/4サイクル未満の時点t1
で電流igpに限流して遮断動作すると、分散型電源20
2が解列して事故発生点Eから切り離される。これによ
り、分散型電源側での母線電圧がcからdに移行して定
常値Vに回復する(図10(a) 参照)とともに、電流も
定常時の負荷電流IL (図10(b) 参照)に復帰す
る。
【0051】したがって、分散型電源202に接続した
重要負荷206が瞬時の給電中断も許されないパワーエ
レクトロニクス機器などであっても、商用電源側の系統
に発生した短絡,地絡事故が原因で運転を中断するおそ
れなしに、電力を継続的に安定供給して重要負荷206
の生き残りを確保できる。
【0052】次に、分散型電源がガスタービン発電機で
ある電力系統の連系システムにおいて、発電機とガスタ
ービンの出力軸との間を連結しているシェアピンが系内
の事故発生に伴う発電機の出力電流増加によって切断す
るのを防ぐようにしたシステムの実施例を図11および
図12で説明する。
【0053】すなわち、図11の連系システムは基本的
に図9と同様で、分散型電源202は発電機202aと
ガスタービン(原動機)202bを組合せたガスタービ
ン発電機であり、発電機202aとガスタービン202
bの出力軸が軸継手202cに設けたシェアピン202
dを介して連結し、ガスタービン202bで発電機を駆
動するようにしている。なお、シェアピン202dは、
よく知られているように電力系統側での短絡,地絡事故
発生などに伴う発電機の出力電流の増加が原因で発電機
202aとガスタービン202bとの連結軸に定格トル
クを超える異常な軸捩じれトルクが加わった際に、ピン
自身が破断してガスタービン202bを発電機202a
から切り離し、ガスタービン202bを保護する役目を
果たすものである。
【0054】ところで、シェアピンは一旦切断すると、
シェアピンを付け替える復旧作業に時間が掛かり、この
間は分散型電源202の発電が停止することになる。そ
のために、機械的な重大事故発生などを除いて電力系統
内の短絡,地絡事故発生に伴う発電機の出力電流増加に
起因するシェアピンの切断を防ぐような対策が求められ
ている。そこで、前記の連系システムにおいて、系内で
の事故発生時に分離遮断器をトリップ動作させて自家用
の発電機を事故発生点から切り離し、ガスタービン(原
動機)の出力軸に加わる軸捩じれトルクを低減させてシ
ェアピンの切断を回避するようにした方式が従来より提
案されているが、この場合に分離遮断器を高速で限流遮
断しないと、事故電流を供給している発電機の出力電流
が減少する以前にシェアピンが切断してしまうおそれが
ある。
【0055】そこで、この実施例では、図11の連系母
線203に介装した分離遮断器204として、先記の各
実施例と同様にこの発明による3相高速限流遮断装置を
適用し、商用電源系統側におけるE地点で短絡,地絡事
故が発生した場合には、事故検出装置208の検出信号
を基に分離遮断器204をトリップ動作させ、分散型電
源202の発電機202aから事故発生点Eに向けて流
れる事故電流Igを1/4サイクル未満の短時間で高速
限流遮断し、シェアピン202dの切断を回避するよう
にしている。すなわち、事故検出装置208が系統内の
事故発生を検出し、これを基に分離遮断器204に採用
したこの発明の3相高速限流遮断装置をトリップ動作さ
せると、分散型電源側での母線電圧,発電機の出力電流
は図12(a),(b) で表す動作波形を呈し、出力電流につ
いてはシェアピン202dを切断する軸捩じれトルクに
相当する電流値i0 よりも低い波高値ipに限流され
る。これにより、系統内での事故発生に起因してシェア
ピン202dが切断されるのを確実に回避できる。
【0056】また、商用電源系統側での事故発生時に、
上述のようにシェアピン202dの切断が回避されるこ
とにより、分散型電源202の発電を継続することがで
きるので、分散型電源202に接続された重要負荷20
6に電力を継続的に安定供給することができるようにな
る。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
3相交流回路の各相に挿入された遮断部と、この遮断部
の各相の開閉電極毎に設けられた短絡リングと電磁コイ
ルによる電磁反発力によりそれぞれの開閉電極を開極駆
動する第1駆動部と、前記遮断部の各相にそれぞれ前記
3相交流回路の周波数より高い周波数の電流を重畳させ
る高周波電流発生回路と、この高周波電流発生回路を投
入する投入部と、前記投入部の開閉電極に設けられた短
絡リングと電磁コイルによる電磁反発力により開閉電極
を閉極駆動する第2駆動部と、この第1駆動部および第
2駆動部を制御する制御部と、前記制御部に前記3相交
流回路の各相に流れる電流の値に比例する電気信号を送
る電流検出部とを備え、前記電気信号が所定の値以上に
なったとき前記制御部により前記第1駆動部および第2
駆動部を駆動し、前記遮断部を開極させるとともに前記
投入部を閉極させるようにするとともに、前記第1駆動
部の各相の電磁コイルを直列接続して1つの駆動電源で
もって一括して励磁するようにすることによって、事故
電流の零点を待たずに高速で遮断できる限流形の3相交
流開閉装置,すなわち,3相高速限流遮断装置となり主
回路やそれに繋がる電気機器の負担が軽減される。ま
た、第1駆動部の各相の第1電磁コイル、第2駆動部の
各相の第2電磁コイルをそれぞれ直列接続して、それぞ
れ1つの第1駆動電源、1つの第2駆動電源でもって一
括して励磁させることにより、第1駆動部による遮断部
の開極駆動および第2駆動部による高周波電流発生回路
の始動がそれぞれ各相間でばらつきがなく同時に行われ
るので、3相交流回路における高速の限流遮断をより確
実に行うことができる。
【0058】また、かかる構成において、制御部が、各
相のうち電気信号が最も早く所定の値以上になったと判
別された相でのその判別のタイミングでもって3相交流
回路に事故が起きたものと判定してなるようにすること
によって、事故電流が最も早く最大の波高値になる相も
含めて3相の実際に流れる事故電流が小さい電流値に抑
制されるようになり、主回路やそれに繋がる電気機器の
負担がさらに軽減される。
【0059】さらに、第2駆動部を第1駆動部の駆動よ
り所定時間遅れて駆動するようにしたことにより、遮断
部が開極し始めた後、高周波電流の重畳により遮断部に
流れる電流に零点が形成されるタイミングにおいて開閉
電極間の距離を確実に遮断することのできる距離とする
ことができる。
【0060】また、前記したこの発明による3相高速限
流遮断装置を分離遮断器として商用電源系統と自家用の
分散型電源とを連系させた上で、事故検出装置と組合せ
て電力系統の連系システムを構築し、系統内に短絡,地
絡事故が発生した際に分離遮断器(3相高速限流遮断
器)をトリップ動作させて分散型電源を解列するように
したことにより、次記の効果を奏する。
【0061】(1) 分散型電源から事故発生点に向けて供
給する事故電流をその最大波高値以下に抑えつつ、1/
4サイクル未満の短時間で分散型電源を事故発生点と切
り離すことができ、ここで重要負荷を分散型電源側に接
続しておくことにより、事故発生時でも重要負荷に対す
る給電を中断することなく安定,かつ継続的に行うこと
ができる。
【0062】(2) また、前記の分散型電源が例えばガス
タービン発電機であり、ガスタービンの出力軸と発電機
との間をシェアピンで連結している場合でも、分離遮断
器である3相高速限流遮断器の遮断機能により、系統内
での事故発生時における発電機の出力電流の増加を低く
抑えて事故発生点から解列することができ、これにより
系統内での短絡,地絡事故の発生に起因してシェアピン
が切断するのを確実に回避できる。
【0063】(3) さらに、自家用の分散型電源を商用電
源系統に連系させた連系システムでは、商用電源側の系
統の短絡容量に分散型電源側の系統の短絡容量が加わっ
て構内の短絡容量が増加し、このために保護協調が崩れ
るといった問題の生じるおそれがあるが、この発明によ
れば事故発生時における事故電流の波高値を小さく限流
できるので、これにより構内の短絡容量の増加を抑制し
て合理的な保護協調を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例にかかる3相高速限流遮断装
置の構成を示す回路図
【図2】(a)は図1の遮断部の第1駆動部の構成を示
す回路図であり、(b)は図1の投入部の第2駆動部の
構成を示す回路図
【図3】図1の3相高速限流遮断装置の動作を示すタイ
ムチャート
【図4】図1の3相高速限流遮断装置の動作をさらに詳
細に示すタイムチャート
【図5】この発明の異なる実施例にかかる3相高速限流
遮断装置の制御方法を示すタイムチャート
【図6】この発明の比較例として示す3相高速限流遮断
装置の回路図であり、(a)は遮断部の第1駆動部、
(b)は図1の投入部の第2駆動部
【図7】この発明の実施例にかかる連系システムおよび
系統内での短絡,地絡事故の発生状況を表したシステム
回路図
【図8】図7における事故発生時の動作を説明するため
の動作波形図
【図9】この発明の実施例にかかる重要負荷生き残りの
システムおよび系統内での短絡,地絡事故発生状況を表
したシステム回路図
【図10】図9における事故発生時の動作を説明するた
めの動作波形図
【図11】この発明の実施例にかかるシェアピン切断防
止のシステムおよび系統内での短絡,地絡事故発生状況
を表したシステム回路図
【図12】図11における事故発生時の動作を説明する
ための動作波形図
【図13】従来の3相交流開閉装置の構成を示す回路図
【図14】図13の3相交流開閉装置の動作を示すタイ
ムチャート
【符号の説明】
1 3相電源 2A,2B,2C 負荷 3 分離遮断器 4 3相交流開閉装置 40 3相高速限流遮断装置 5 電流検出部 60 第1駆動部 61 第2駆動部 7 遮断部 8,80 制御部 9A,9B,9C 主回路 10 第1電磁コイル 100 第2電磁コイル 11 投入部 12 インダクタ 13,20,21 コンデンサ 14,18,19 充電装置 15 消弧装置 16 第1駆動電源 17 第2駆動電源 22,23 半導体スイッチ 200 商用電源系統 202 分散型電源 202a 発電機 202b ガスタービン(原動機) 202d シェアピン 203 連系母線 204 分離遮断器(3相高速限流遮断装置) 205 一般負荷 206 重要負荷 207 フィーダ遮断器 208 事故検出装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中井 裕二 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株 式会社内 (72)発明者 岩井 弘美 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式 会社内 (72)発明者 磯崎 優 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式 会社内 (72)発明者 昆野 康二 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式 会社内 (72)発明者 鈴木 伸夫 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式 会社内 Fターム(参考) 5G004 AA02 AB02 BA04 DA01 DC05 EA02 GA01 5G028 AA21 FB01 FC01 5G034 AA07 AA09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3相交流回路の各相に挿入された遮断部
    と、この遮断部の各相の開閉電極毎に設けられた短絡リ
    ングと電磁コイルによる電磁反発力によりそれぞれの開
    閉電極を開極駆動する第1駆動部と、前記遮断部の各相
    にそれぞれ前記3相交流回路の周波数より高い周波数の
    電流を重畳させる高周波電流発生回路と、この高周波電
    流発生回路を投入する投入部と、前記投入部の開閉電極
    に設けられた短絡リングと電磁コイルによる電磁反発力
    により開閉電極を閉極駆動する第2駆動部と、この第1
    駆動部および第2駆動部を制御する制御部と、前記制御
    部に前記3相交流回路の各相に流れる電流の値に比例す
    る電気信号を送る電流検出部とを備え、前記電気信号が
    所定の値以上になったとき前記制御部により前記第1駆
    動部および第2駆動部を駆動し、前記遮断部を開極させ
    るとともに前記投入部を閉極させるようにするととも
    に、前記第1駆動部の各相の電磁コイルを直列接続して
    1つの駆動電源でもって一括して励磁するようにしたこ
    とを特徴とする3相高速限流遮断装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の3相高速限流遮断装置に
    おいて、さらに前記第2駆動部の各相の電磁コイルを直
    列接続して1つの駆動電源でもって一括して励磁するよ
    うにしたことを特徴とする3相高速限流遮断装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の3相高速限流遮
    断装置において、前記制御部が、各相のうち前記電気信
    号が最も早く所定の値以上になったと判別された相での
    その判別のタイミングでもって前記3相交流回路に事故
    が起きたものと判定してなることを特徴とする3相高速
    限流遮断装置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3の何れかに記載の3相高
    速限流遮断装置において、前記第2駆動部を前記第1駆
    動部の駆動より所定時間遅れて駆動することを特徴とす
    る3相高速限流遮断装置。
  5. 【請求項5】商用電源系統と自家用の分散型電源とが分
    離遮断器を介装した連系母線を介して連系され、この連
    系母線に接続した負荷に商用電源系統,分散型電源から
    給電するように連系運用する電力系統の連系システムに
    おいて、前記の分離遮断器に請求項1ないし4の何れか
    に記載の3相高速限流遮断装置を適用し、事故検出装置
    と組み合わせて系統内に事故が発生した際に、事故検出
    装置の検出信号を基に分離遮断器を遮断させて分散型電
    源の系統を解列するようにしたことを特徴とする電力系
    統の連系システム。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の電力系統の連系システム
    において、分離遮断器を境にして重要負荷を分散型電源
    側の系統に接続し、商用電源側の系統で事故が発生した
    際に分離遮断器を遮断して分散型電源より重要負荷への
    給電を継続して行うようにしたことを特徴とする電力系
    統の連系システム。
  7. 【請求項7】請求項5または6に記載の電力系統の連系
    システムにおいて、分散型電源が原動機の出力軸とシェ
    アピンを介して連結された発電機であり、商用電源側の
    系統に事故が発生した際に分離遮断器を遮断して分散型
    電源を解列し、過渡的に前記シェアピンに掛かる軸捩じ
    れトルクを低減してシェアピンの切断を回避するように
    したことを特徴とする電力系統の連系システム。
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