JP4433798B2 - ウォークスルー突然変異誘発における「ドーピング」 - Google Patents

ウォークスルー突然変異誘発における「ドーピング」 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、2002年4月17日に提出した米国特許仮出願第60/373,686号の恩典を主張する。上記出願の全内容は、参照として本明細書に組み入れられる。
発明の背景
突然変異誘発は、タンパク質の構造および機能を研究する上での強力な手段である。変異は関心対照のタンパク質をコードするクローン化遺伝子のヌクレオチド配列内に作製することができ、改変した遺伝子を発現させてタンパク質の変異体を産生することができる。野生型タンパク質および作製した変異体の性質を比較することにより、結合および/または触媒活性等のタンパク質の構造の完全性および/またはタンパク質の生化学的機能に必須な個々のアミノ酸またはアミノ酸のドメインを同定することが可能である場合が多い。しかし、単一のタンパク質から作製され得る変異体の数により、情報価値のあるまたは所望の性質を有する変異体の選択が困難になる。たとえ選択した変異体が、タンパク質の特定の、推定的に重要な領域(例えば、タンパク質の活性部位のまたはその周囲の領域)内のみに変異を包含するとしてもである。例えば、特定のアミノ酸の置換、欠失、または挿入は、タンパク質に局所的なまたは全体的な影響を及ぼす可能性がある。タンパク質の突然変異誘発の影響を系統的に評価する手段の必要性が残っている。
発明の概要
本発明は、関心対象のポリペプチドをコードする核酸にウォークスルー突然変異を誘発する方法に関する。本方法では、関心対象の野生型(原型)ポリペプチドにおいてアミノ酸の1つまたは複数の標的領域を選択する;代表的な標的領域には、例えば、抗体の超可変領域等のポリペプチドの機能的ドメインが含まれる。それぞれの標的領域に対して、原型アミノ酸の代わりに標的領域に取り込む1つまたは複数の所定のアミノ酸を選択する。それぞれの標的領域に対するヌクレオチド配列を含み、標的領域の各配列位置においてポリペプチドの原型アミノ酸の合成に必要なヌクレオチド(「原型ヌクレオチド」)または所定のアミノ酸の合成に必要なヌクレオチド(「所定のヌクレオチド」)を含むオリゴヌクレオチドの混合物を合成する。合成過程では「ドーピング」を用いる;「ドーピング」とは、合成過程でオリゴヌクレオチドへの取り込みに利用可能な原型ヌクレオチドと所定のヌクレオチドの比率が1:1を超える、好ましくは4:1または4:1を超える、より好ましくは7:1または7:1を超える、さらにより好ましくは9:1または9:1を超えることを示す。1つの態様において、原型ヌクレオチドと所定のヌクレオチドの比率は、標的領域の長さおよび所定のアミノ酸をコードするヌクレオチドの取り込みにおける所望の成功度合いを考慮した二項分布を用いて決まる。
本発明はさらに、そのようなオリゴヌクレオチドを含む核酸の発現ライブラリー、および核酸ライブラリーの発現により産生されるポリペプチドのポリペプチドライブラリーに関する。
本発明の方法により、所定のアミノ酸の全体的存在(ウォークスルー)が変異ポリペプチド当たり一箇所または二箇所に限定され、標的領域内の残りのアミノ酸が元のままであるかまたはできるだけ原型配列に近いまま残っている変異体ポリペプチドの産生が可能になる。このようにして、より正確かつ特異的な化学的変化を素早くかつ系統的な様式で生じることができる。
発明の詳細な説明
本発明は、ポリペプチド産物の濃度の比率を変えるために「ドーピング」を用いるウォークスルー突然変異法に関する。ウォークスルー突然変異誘発では、標的領域内のアミノ酸のコドンを形成する野生型ヌクレオチドが非野生型ヌクレオチドで置換されるポリペプチドの変種(変異ポリペプチド)をコードする核酸のライブラリーが産生され、予測可能なコドン変種を生じるように設計した合成オリゴヌクレオチドの混合物が得られる。核酸のライブラリーの発現により、ポリペプチドの標的領域のあらゆる位置に所定のアミノ酸が取り込まれた一組のポリペプチドが得られる。所望の組み合わせのポリペプチド産物を生じるには、ドーピングにより、特定の比率の特定のオリゴヌクレオチドの混合物を産生することができる。
「ウォークスルー突然変異誘発」
「ウォークスルー突然変異誘発」 は、その全内容が参照として本明細書に組み入れられる米国特許第5,830,650号および第5,798,208号に詳細に記載されている。「ウォークスルー突然変異誘発」 は、酵素、免疫グロブリン、ホルモン、サイトカイン、インテグリン、および他のタンパク質またはポリペプチドを含む多種多様なタンパク質およびポリペプチドに同等に適用できる。考察を円滑化するため、本明細書では「ポリペプチド」 という用語を用いる。
ポリペプチドに対して1つまたは複数の「標的」領域を選択する。「標的」領域は、酵素の結合部位または免疫グロブリンの超可変ループ(CDR)等のポリペプチドの1つまたは複数の活性領域であってよい;または、ポリペプチド全体が「標的」領域であってもよい。突然変異誘発に供さないポリペプチドの領域(すなわち、標的領域の外側があるとすれば、「標的」 領域の外側の領域)を、本明細書では「 定常」領域と称する。重要なことには、いくつかの異なる「標的」 領域に同時に突然変異を誘発することができる。同じまたは異なる所定のアミノ酸を、それぞれの標的領域に「 ウォークスルー」 することができる。これにより、ポリペプチドの折りたたみに際して、酵素の触媒部位または抗体の結合部位等の機能的部位の構成に関連する領域等の、高次構造的に関連する領域におけるアミノ酸置換の評価が可能になる。
ウォークスルー突然変異誘発では、ポリペプチドの関心対象の標的領域の各位置に単一の所定のアミノ酸が少なくとも1回取り込まれた一組のポリペプチド(ライブラリー)が産生される。そのような突然変異誘発から生じるポリペプチド(本明細書では「変異ポリペプチド」と称する)は、原型ポリペプチドの1つまたは複数の同じ位置に存在した「野生型」または「原型」アミノ酸の代わりに、ポリペプチドの1つまたは複数の標的領域内の1つまたは複数の位置に単一の所定のアミノ酸が取り込まれる点で、原型ポリペプチドとは異なる。一組の変異ポリペプチドは、関心対象の標的領域の各位置に対する個々の変異ポリペプチドを含む;したがって、関心対象の標的領域(例えば、結合部位またはCDR)の各位置に関して、変異ポリペプチドの混合物は原型ポリペプチドに見出されるアミノ酸かまたは所定のアミノ酸のどちらかを有するポリペプチドを含み、変異ポリペプチドすべての混合物は可能なすべての変種を含む。変異ポリペプチドの混合物は、所定のアミノ酸も原型アミノ酸も有さないポリペプチドを含む可能性もある;以下に説明するように、所定のアミノ酸をコードするコドンが所定のアミノ酸をコードするコドンを形成するために2つ以上のヌクレオチドの変化を必要とする場合、ある種のポリペプチドは、所定のアミノ酸を生じるのに必要なすべての変化に満たない包含により形成されるコドンによってコードされるアミノ酸を含む可能性がある。以下に詳細に説明するように、それぞれのポリペプチドの割合は、合成の過程で利用可能なヌクレオチドの濃度の比率に依存する。
ウォークスルー突然変異誘発では、標的領域に対して所定のアミノ酸を選択する。ポリペプチドが2つ以上の標的領域を含む場合、それぞれの領域に対して同じ所定のアミノ酸を用いてよい;または、それぞれの領域に対して異なる所定のアミノ酸を用いてもよい。所定のアミノ酸は天然アミノ酸であってよい。20種の天然アミノ酸は、それらの側鎖に関してのみ異なる。各側鎖は、各アミノ酸を固有なものとする化学的特性を担う(例えば、G.E. SchulzおよびR.M. SchirnerによるPrinciples of Protein Structure、1998、Springer-Verlagを参照のこと)。典型的な極性かつ中性側鎖は、Cys、Ser、Thr、Asn、Gln、およびTyrの側鎖である。Glyはまた、この群の境界線のメンバーであると見なされる。SerおよびThrは、水素結合の形成において重要な役割を果たす。Thrはβ炭素においてさらなる非対称を有し、よって立体異性体の一方のみを用いる。酸アミドGlnおよびAsnもまた水素結合を形成し、アミド基は水素供与体として機能し、カルボキシル基は受容体として機能する。GlnはAsnに比べてCH2基を1つ多く有し、これにより極性基がより可動性となり主鎖との相互作用が減少する。Tyrは、高いpH値で解離し得る非常に極性の高い水酸基(フェノールOH)を有する。Tyrは荷電した側鎖にやや似た挙動をする;その水素結合はむしろ強力である。
中性である極性酸は、タンパク質分子の表面および内部に見出される。内部の残基である場合には、それらは通常相互にまたはポリペプチド骨格と水素結合を形成する。Cysはジスルフィド架橋を形成し得る。ヒスチジン(His)は、pK値が6.0の複素環式芳香族側鎖を有する。生理的なpH範囲において、そのイミダゾール環は、溶液から水素イオンを受け取った後に荷電されない可能性も荷電される可能性もある。これらの2つの状態は容易に得られるため、Hisは化学反応を触媒する上で非常に役立ち、多くの酵素の活性中心に見出される。
AspおよびGluは、生理的pHにおいて負に荷電している。側鎖が短いため、Aspのカルボキシル基は主鎖に対してより強固である;これにより、多くの触媒部位のカルボキシル基がGluではなくAspで提供される理由が説明され得る。荷電した酸は一般に、タンパク質の表面に見出される。
LysおよびArgは表面に見出される場合が多い。これらは長くかつ可動性のある側鎖を有する。周囲の溶液中で揺らぎ、それによりタンパク質小球の溶解度が増す。いくつかの例では、LysおよびArgは内部の塩橋の形成に関与するか、または触媒に役立つ。これらのアミノ酸はタンパク質の表面に曝露されるため、Lysは、側鎖を修飾するかまたはLys残基のカルボニル末端でペプチド鎖を切断する酵素によって攻撃される頻度の高い残基である。
好ましい態様において、所定のアミノ酸は以下のアミノ酸群のうちの1つである:Ser、Thr、Asn、Gln、Tyr、Cys、His、Glu、Asp、Lys、およびArg。しかし、20個の天然アミノ酸のいずれを選択してもよい。
ウォークスルー突然変異誘発過程では、関心対象のポリペプチドのすべてまたは一部(「標的領域」)をコードするオリゴヌクレオチド(例えばcDNA)の混合物を調製する。次に、オリゴヌクレオチドの混合物を用いて変異ポリペプチドを調製することができる。1つの態様において、変異ポリペプチドをコードする核酸は、ウォークスルー突然変異誘発の標的にしないポリペプチドの領域(例えば定常領域)をコードするヌクレオチド配列を、ウォークスルー突然変異誘発の標的にするポリペプチドの領域をコードするヌクレオチド配列と結合することにより調製することができる。例えば1つの態様では、ポリペプチドの定常領域をコードするヌクレオチド配列を標的領域をコードするヌクレオチド配列と結合することにより、変異ポリペプチドをコードする核酸を調製することができる。または、標的領域をコードするヌクレオチド配列(例えば、所定のアミノ酸をコードするヌクレオチドの取り込みに供するオリゴヌクレオチド)を、標的領域のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列の代わりに、原型ポリペプチドをコードする核酸に個々に挿入することができる。必要に応じて、制限酵素の隣接認識部位を含むように標的領域をコードするヌクレオチド配列を作製することもできるし(例えば、米国特許第4,888,286号を参照のこと)、または天然の制限酵素認識部位を用いることもできる。次に、制限酵素部位を用いてオリゴヌクレオチドの混合物を適切な位置にクローニングすることにより、これを導入することができる。
例えば、それぞれが原型ポリペプチドの野生型標的領域(または原型ポリペプチドの標的領域の一部)をコードするヌクレオチドを含むか、または標的領域内の1つもしくは複数の固有のアミノ酸の代わりに、所定のアミノ酸をコードするコドンを形成する1つもしくは複数のヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドの混合物を調製することができる。オリゴヌクレオチド内の各位置において、原型ポリペプチド中に存在するアミノ酸の合成に必要なヌクレオチド(本明細書では「原型ヌクレオチド」と称する)、または(そのヌクレオチドの代わりに)所定のアミノ酸のコドンに必要な単一の適切なヌクレオチド(「所定のヌクレオチド」)を取り込むことにより、一回の合成でオリゴヌクレオチドの混合物を産生することができる。オリゴヌクレオチドの混合物の合成は、原型ポリペプチドの標的領域をコードするオリゴヌクレオチドばかりでなく、変異体ポリペプチドの標的領域をコードするオリゴヌクレオチドも含むオリゴヌクレオチド混合物を生じるように、原型ヌクレオチドもしくは所定のヌクレオチド、または2つのヌクレオチドの混合物のいずれかを送達するようにプログラムした自動化DNA合成機を用いて行うことができる。
例えば、4個が個々の塩基を含み、残りの6個が4塩基のうちの可能なすべての2塩基混合物を含む全部で10個の試薬容器を使用して、ウォークスルー突然変異誘発過程のためのオリゴヌクレオチドの任意の混合物を合成することができる。例えば、以下の10本のチャンバーを含むようにDNA合成機を設計することができる:
(表1)自動化DNA合成の出発材料
Figure 0004433798
この準備により、任意のヌクレオチドが配列の任意の位置において、2つのヌクレオチドの組み合わせのいずれか一方で置換され得る。または、オリゴヌクレオチド合成機において個々の塩基の混合が可能であるならば、純粋な塩基の2個またはそれ以上の容器から引き出すように合成機をプログラムし、所望の割合のヌクレオチドを生じることも可能である。
ウォークスルー突然変異誘発における「ドーピング」
以前に記載されたウォークスルー突然変異誘発の方法では(米国特許第5,830,650号および第5,798,208号)、2つのヌクレオチド(すなわち、野生型(原型)ヌクレオチドおよび非野生型(所定の)ヌクレオチド)をほぼ同じ濃度で反応に使用し、そのためその位置の配列にどちらか一方が取り込まれる機会は同等であった。野生型と非野生型ヌクレオチドが50/50比であると仮定すれば、野生型コドンを所定のアミノ酸をコードするコドンに変異するのに1つの核酸塩基の変化のみが必要である場合、産生される核酸配列の半分(50%)が所定のアミノ酸をコードするコドンを含み、半分(50%)が野生型アミノ酸をコードするコドンを含むと予想される。同様に、所定のアミノ酸をコードするコドンを生じるのに必要な核酸塩基の変化の数が2つである場合、産生される核酸配列の25%が野生型アミノ酸をコードするコドンを含み;産生される核酸配列の25%が所定のアミノ酸をコードするコドンを含み;かつ50%(2×25%)がヌクレオチド配列の組み合わせによってコードされるさらなるアミノ酸をコードするコドンを含むと予想される。
本発明では、合成過程で利用可能な2つのヌクレオチドの濃度の比を変えて、どちらか一方がオリゴヌクレオチドに取り込まれる可能性を増加させる。比率は1:1を超える。代表的な態様には、1:1を超える比率;4:1以上の比率;7:1以上の比率;および9:1以上の比率が含まれる。「利用可能な」ヌクレオチドとは、オリゴヌクレオチドの合成の際オリゴヌクレオチドに導入され得るように合成過程で存在するヌクレオチドのことである;例えば、オリゴヌクレオチドの合成の際自動化オリゴヌクレオチド合成機の容器から引き出されるヌクレオチドは、「利用可能」である。50%を超え100%未満のヌクレオチドが原型ヌクレオチドであるように、利用可能な原型ヌクレオチドと利用可能な変異体ヌクレオチドの比率を定める。好ましくは原型ヌクレオチドの割合が60%以上、より好ましくは70%以上、さらにより好ましくは80%以上になるように比率を定める。特に好ましい態様では、原型ヌクレオチドの割合が90%以上、95%以上、または99%以上になるように比率を定める。例えば、原型:変異体を9:1の比率(すなわち90%原型)にすることにより、標的領域当たり主に0個、1個、または2個の標的アミノ酸置換を含むライブラリーが得られることになる。1つの態様において、比率は、ドーピングの数学的解析に関して以下に説明するように、標的領域の長さおよび所定のアミノ酸をコードするヌクレオチドの取り込みにおける所望の成功度合いを考慮した二項分布を用いて決まる。
ドーピングの数学的解析
ウォークスルー突然変異誘発を用いて突然変異を誘発する長さNの原型ポリペプチドに関して、確率的観点に基づくと、(標的領域として全ポリペプチドを用いた)ポリペプチドの突然変異誘発は、各アミノ酸の位置についての非依存的突然変異誘発事象Nの一組として見ることができる。各位置において2つの結果が起こり得ると想定される:その位置において所定のアミノ酸が導入されたことを示す「成功」;および野生型アミノ酸が残るか、または所定のアミノ酸でも野生型のアミノ酸でもない代わりの(「望ましくない」)アミノ酸が導入されたことを示す「不成功」。例えば、コドン内に2ないし3塩基の変異が導入され得る場合に、「望ましくない」アミノ酸が生じる。成功を収める確率を概念p(j)(jは配列内の位置である(1≦j≦N))で示す。同じ位置jにおける不成功の結果が得られる確率は、1-p(j)である。(より一般的な下付き文字の代わりに)括弧を使用することにより、この確率の位置jに対する依存性を強調する。実際に、p(j)は位置jの関数であり、所定のアミノ酸を得るために必要な塩基混合物の関数である(1、2、または3ヌクレオチド塩基置換)。
Xを、標本空間が
Figure 0004433798
である、長さNの配列内の変異アミノ酸の総数を表す離散確率変数とする。したがって、以下の集合を定義することができる。
Figure 0004433798
部分集合指数が各集合の濃度を参照することに留意されたい。最も一般的な状況では、この種の分布を表す式は
Figure 0004433798
であり、これは非依存的事象Nのうち成功k(すなわち所定のアミノ酸)を有する確率を表す。
各実験において導入される変種の数もまた、考慮すべきである。標準的なウォークスルー突然変異誘発(WTM)(すなわちドーピングなし)は、50:50の固定した塩基混合比で行った。この状況下では、p(j)には位置jにおける所定のアミノ酸と野生型アミノ酸との距離dに依存して3つの可能な値が想定され得る(距離dは、野生型コドンを所定のコドン(所定のアミノ酸をコードするコドン)に変化させるために必要な塩基変異の数である)。
Figure 0004433798
この仮説では、関心対象の単一ポリペプチドの標準的なWTM(ドーピングなし)により、n=2M(Mは所定のヌクレオチド塩基の総数である)であるn個の変異ポリペプチド(「変種」とも称する)を含むライブラリーが得られることが予測される。各変種を有する確率は、その配列内のアミノ酸変異の種類に関係なく、1/n=一定である。これは、各コドンに導入される所定のヌクレオチドにより、上記のように距離に非依存的に、発生確率が一定(それぞれ50%、25%、12.5%)の2、4、または8アミノ酸という3つの異なる組のみを生じ得るためである。したがって、WTMにより生じる所与のライブラリー中に変異(所定の)アミノ酸Nすべてを有する変異ポリペプチド(変種)を見出す確率は、WTMにより生じる同じライブラリー中に変異(所定の)アミノ酸1つのみを有する別のポリペプチドを見出す確率と全く同じである。これはいくつかの理由で望ましくない。
第一に、進化後にほとんどすべての残基が同じ(所定の)アミノ酸で置換された置換を有する標的配列(仮に短いとしても)を有するポリペプチドを見出すことは現実には(不可能ではないにせよ)非常に起こりにくい。第二に、変種の数は2M型の指数法則で増加し(Mは変異塩基(所定のヌクレオチド)の総数である)、一般にMは配列の長さに伴い増加する。さらに、関心対象のポリペプチド内のいくつかの異なる標的領域(例えば、抗体の6個のCDRすべて)に同時に突然変異を誘発する場合、非常に多数の変種を有するライブラリーが得られるのが一般的である。これらの状況では、産生される変種をある種の所望の変種のみに限定することによって、より少ない数の変種を扱うことが非常に有用である。
ドーピングによって、より少ない数の変異アミノ酸(すなわち、ポリペプチドに導入される所定のアミノ酸の数がより少ない変異体ポリペプチド)を有するライブラリーの産生が可能になる。ドーピングは、異なる塩基混合比を用いて、かつ置換が必要な配列に沿って塩基比を一定に保つことにより、ヌクレオチドレベルで達成される。これは、コドンには所定のアミノ酸をコードする所定のヌクレオチドを取り込むために2塩基混合物が毎回必要であること、所定のアミノ酸の存在を支持する(所定のアミノ酸をコードする所定のヌクレオチドを取り込むことによる)塩基比の代わりに、野生型アミノ酸の存在を支持する(原型ポリペプチド内のアミノ酸をコードする原型ヌクレオチドを取り込むことによる)比率を利用することを意味する。
このアプローチを用いると、位置jにおいて所定のアミノ酸を有する(成功)確率p(j)は、野生型と標的との距離に依存する。したがって、多数の変種を有する配列にフィルターをかけるように値を調整しつつ、3つの異なる状況(d=1、2、または3)を考慮する。例えば、以下の情報では、野生型(WT)と所定のアミノ酸(標的、TGT)の塩基混合比、WT:TGT=9:1を使用すると仮定する。
Figure 0004433798
この状況において、各置換アミノ酸の発生確率は、やはり配列内に導入するのに必要な塩基変異の数に依存する。しかし、ドーピングを用いることにより、ライブラリー中の変種は同じ確率を有さない。
突然変異誘発の過程で一定の塩基混合比を用いることにより、野生型および所定の塩基が発生する確率が一定に保たれる。各アミノ酸置換の発生する確率が、各変種の発生が配列内の置換数にのみ依存するように保たれる場合、各置換に対する各発生の所望の確率を固定することができ、所定のアミノ酸と野生型アミノ酸との距離に依存して異なる塩基混合比を用いるように突然変異誘発を設定することができる。このようにして、各変種の発生は導入する置換の数にのみに依存することになる。
例えば、ここでp(j)=p=一定と仮定すると、上記の式は、標的配列の長さおよび所望の成功確率によって特徴づけられる、標準二項分布と呼ばれる形式をとる。二項分布の標準的な式は以下のとおりである。
Figure 0004433798
式中、パラメータnおよびpはそれぞれ、標的配列の長さおよび事象の一つ一つに対する所望の成功確率である。0からnまでkを変動させると、平均値および分散が
X=np
Ex 2=np(1-p)
である典型的な分布が得られる。これらの分布を図12(p=0.2)および図13(p=0.1)に示す。一度パラメータ値を固定すると、所望のp値を得るために塩基混合比を変えることができる。野生型アミノ酸と所定のアミノ酸との距離に従い、異なる塩基混合比を用いることができる。例えば、以下の通りである。
p=0.25 n=10 X=2.5 Var(X)=1.87
Figure 0004433798
p=0.2 n=10 X=2.0 Var(X)=1.6
Figure 0004433798
p=0.3 n=10 X=3.0 Var(X)=2.1
Figure 0004433798
このようにこれらの式を用いて、ウォークスルー突然変異誘発それぞれに対して変異ポリペプチドの所望のレベルを決定することができ、ウォークスルー突然変異誘発の過程でドーピングするための原型ヌクレオチドと変異体ヌクレオチドの比率をそれに応じて調整することができる。
ライブラリーの調製
次に上記のように、原型および変異体ポリペプチドをコードする核酸を含む核酸ライブラリーをそのようなオリゴヌクレオチドから調製することができ、その後標準的な技法を用いて、原型および変異体ポリペプチド自体を含むポリペプチドライブラリーを核酸から産生することができる。例えば、変異した免疫グロブリンをコードする核酸を、発現用の宿主細胞に導入することができる(例えば、Huse, W.D.ら、Science 246:1275 (1989);Viera, J.ら、Meth. Enzymol. 153:3 (1987)を参照のこと)。例えば大腸菌発現系で核酸を発現させることができる(例えば、Pluckthun, A.およびSkerra, A.、Meth. Enzymol. 178:476-515 (1989);Skerra, A.ら、Biotechnology 9:23-278 (1991)を参照のこと)。核酸は、培地内に分泌しておよび/または細菌の細胞質内に発現され得る(例えば、Better, M.およびHorwitz, A.、Meth. Enzymol. 178:476 (1989)を参照のこと);または、酵母または哺乳動物細胞(例えば、骨髄腫またはハイブリドーマ細胞)等の他の生物で核酸を発現させることもできる。
当業者は、本明細書に記載するライブラリーを産生するために多くの発現法を使用できることを理解されよう。プロモーター、ターミネーター、ならびに転写および翻訳を促進する他の適切な配列等のさらなる遺伝子エレメントに核酸を融合することにより、Pluckthunらに記載されるようにインビトロでの発現(リボソームディスプレイ)を達成することができる(Pluckthun, A.およびSkerra, A.、Meth. Enzymol. 178:476-515 (1989))。同様に、記載されているように、ファージディプレイ、細菌発現、バキュロウイルス感染昆虫細胞、菌類(酵母)、植物、および哺乳動物細胞発現を得ることも可能である(Antibody Engineering. R. Konterman, S. Dubel(編)、Springer Lab Manual. Spriger-Verlag. Berlin, Heidelberg (2001)、S. DubelおよびR.E. Kontermanによる第1章、Recombinant Antibodies、4〜16ページ)。scFvのライブラリーを他の遺伝子に融合し、結合成分(Fv)、および触媒、細胞障害性等といった他の機能を有するキメラタンパク質を産生することも可能である(Antibody Engineering. R. Konterman, S. Dubel(編)、Springer Lab manual. Spriger-Verlag. Berlin, Heidelberg (2001)、U. Brinkmannによる第41章、Stabilization Strategies and Application of recombinant Fvs and Fv Fusion proteins、593〜615ページ)。
本発明の方法により、所定のアミノ酸の全体的存在(ウォークスルー)が変異ポリペプチド当たり一箇所または二箇所に限定され、標的領域内の残りのアミノ酸が元のままであるかまたはできるだけ原型配列に近いまま残っているポリペプチド変異体の産生が可能になる。このようにして、より正確かつ特異的な化学的変化を生じることができる。例えば、2つのタンパク質間または抗体と抗原との結合の改善を達成するため、さらなる疎水性側鎖の存在の系統的効果について、結合領域(「標的」領域として)全域にわたって位置から位置へ探索することができる。同様に、所定のアミノ酸に特定の化学的特性を有するアミノ酸を選択することにより、電荷(+または-)、親油性、親水性等が全体の結合過程に及ぼす効果の問題に取り組むことができる。
免疫グロブリン
1つの特定の態様において、関心対象のポリペプチドは免疫グロブリンである。本明細書で用いる「免疫グロブリン」という用語は、全長免疫グロブリンおよび免疫グロブリンの可変領域を含むその一部(例えばFab断片)を指し得る。関心対象のポリペプチドである免疫グロブリンは、抗体を産生する任意の種、好ましくは哺乳動物、特に好ましくはヒト由来であってよい;または、関心対象の免疫グロブリンは、キメラ抗体、または抗体に関するアミノ酸データバンクから作製される「共通」構造またはカノニカル構造であってもよい(Kabatら((1991) Sequences of proteins of Immunological Interest. 第5版、US Department Of Health and Human Services, Public Service, NIH.))。関心対象の免疫グロブリンは野生型免疫グロブリンであってよい(例えば、哺乳動物、特にヒトの適切な生理的試料(例えば、血液、血清等)に見出され得る免疫グロブリン等の、生物から単離されるまたは単離され得る免疫グロブリン)。または、関心対象の免疫グロブリンは改変したグロブリンであってもよい(例えば、1つもしくは複数の可変領域および/または定常領域に変異を導入した以前は野生型であった免疫グロブリン)。
本発明の1つの態様において、関心対象の免疫グロブリンは触媒抗体である。本明細書に記載する方法で免疫グロブリンの可変領域(Fv領域)の結合部位に適切なアミノ酸を導入することにより、免疫グロブリンを触媒作用性にすることができ、または触媒活性を強化することができる。例えば、抗体のFv領域の超可変部分内にセリンプロテアーゼを模倣した触媒の三連構造(catalytic triad)を作製し、タンパク質分解活性についてスクリーニングすることができる。代表的な触媒抗体には、酸化還元酵素、転移酵素、加水分解酵素、脱離酵素、異性化酵素、および合成酵素が含まれる;これらの分類には、プロテアーゼ、カルボヒドラーゼ、リパーゼ、ジオキシゲナーゼ、およびペルオキシダーゼ、ならびに他の酵素が含まれる。これらおよび他の酵素は、保健医療、化粧品、食品、醸造、洗浄剤、環境(例えば廃水処理)、農業、製革、繊維製品における酵素的変換、ならびに診断および治療応用、脂肪、炭水化物、およびタンパク質の変換、有機汚染物質の分解、および化学製品の合成等の他の化学工程に用いられ得る。例えば、線維素溶解活性、またはウイルスコートタンパク質等の感染性に必要なウイルス構造に対する活性を有する治療的に効果のあるプロテアーゼを設計することができる。そのようなプロテアーゼは、有用な抗血栓薬、またはAIDS、ライノウイルス、インフルエンザ、もしくは肝炎等のウイルスに対する有用な抗ウイルス薬となり得る。または別の例では、芳香環および他の二重結合の酸化に補因子を必要とするクラスの酵素であるオキシゲナーゼ(例えばジオキシゲナーゼ)は、バイオパルピング工程、バイオマスの燃料または他の化学製品への変換、排水汚染物質の変換、石炭のバイオプロセシング、および有害な有機化合物の無害化において産業上の用途を有する。
本発明の方法は、本出願と同時に提出した「Universal Libraries for Immunogloblins」という名称の米国特許出願第60/373,558号、代理人整理番号第1551.2001-000号、および「Universal Libraries for Immunogloblins」という名称の米国特許出願第 / , 号、代理人整理番号第1551.2001-001号(これらの特許出願の全内容は、参照として本明細書に組み入れられる)でより詳細に考察したように、免疫グロブリンの汎用性ライブラリーの作製に特に有用である可能性がある。
ライブラリーの使用
本明細書に記載するライブラリーは、原型ポリペプチドの結合領域、特に特定の所定のアミノ酸が結合領域に及ぼす影響の系統的かつ徹底的解析を可能にするような様式で作製された変異ポリペプチドをコードするかまたは含む。このライブラリーにより、ランダム突然変異誘発に関連する変異の性質の調節または予測に関する問題が回避され;関心対象のポリペプチドの変動する結合領域内のアミノ酸による複数の相互作用を含む、関心対象のポリペプチドの他の薬剤(たとえば、リガンド、受容体、抗原)との相互作用の変化を可能にする非常に特異的な変異に関する具体的情報の創出が可能になる。
特定の特徴を有する免疫グロブリン等の特定のポリペプチドに対する適切な手段により、ライブラリーをスクリーニングすることができる。例えば、基質の変換についての適切なアッセイにより触媒活性を確認することができ、標準的な免疫測定法および/またはアフィニティークロマトグラフィー法により結合活性を評価することができる。これらの活性について、細胞が増殖に所望の活性を必要とするアッセイ法を設計することができる。例えば、毒性化合物を分解する能力等の特定の活性を有する免疫グロブリンのスクリーニングでは、致死レベルの毒性化合物を栄養プレートに組み入れることにより、毒性化合物を分解する活性を発現する細胞のみが増殖可能となる(Wasserfallen, A.、Rekik, M.、およびHarayama, S.、Biotechnology 9:296-298 (1991))。病原体を標的するまたは破壊する能力等の他の活性について、ライブラリーをスクリーニングすることもできる。これらの活性に関して、関心対象の病原体を抗体に曝露し、所望の性質(例えば、病原菌を死滅させる)を示す抗体を選択し得るアッセイ法を設計することができる。
以下の例証は本発明を説明する目的で提供するものであり、本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。引用するすべての参考文献の内容は、本明細書により全体として本明細書に組み入れられる。
例証
A. 材料および方法
ドーピングのウォークスルー突然変異誘発に及ぼす効果を評価するため、モノクローナル抗体MCPC 603の3つの超可変領域または相補性決定領域(CDR)に対してウォークスルー突然変異誘発を実施した。MCPC 603は、ホスホリルコリンに結合するモノクローナル抗体である。この免疫グロブリンは、タンパク質およびその結合領域が構造的によく特徴づけられているため、結合および触媒作用を研究するための優れたモデルとして認識されている。MCPC 603抗体のCDRは同定されている。重鎖では、CDR1はアミノ酸31位〜35位におよび、CDR2はアミノ酸50位〜69位、CDR3はアミノ酸101位〜111位におよぶ。軽鎖では、CDR1のアミノ酸は24位〜40位であり、CDR2はアミノ酸55位〜62位におよび、CDR3はアミノ酸95位〜103位におよぶ。
重鎖(VH)のCDR1、CDR2、およびCDR3が選択したドメインである。MCPC 603 VHおよびVL領域の公表されたアミノ酸配列をDNA配列に変換することができる(Rudikoff, S.およびPotter, M.、Biochemistry 13:4033 (1974));または、MCPC 603の野生型DNA配列を用いることもできる(Pluckthun, A.ら、Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol.、Vol. LII:105-112 (1987))。縮重オリゴヌクレオチドの導入を容易にするため配列に制限酵素部位を導入することが可能であり、または遺伝子アセンブリの段階で縮重配列を導入してもよい。
ウォークスルー突然変異誘発に選択した所定のアミノ酸は、セリンプロテアーゼの触媒の三連構造の3つの残基、Asp、His、およびSerである。VH CDR1にはAspを選択し、VH CDR2にはHisを選択し、VH CDR3にはSerを選択した。
MCPC 603のCDRのウォークスルー突然変異誘発に用いた遺伝子の構造を図1に示す;突然変異を誘発する位置または「ウインドウ(window)」を示す。標的構築物への挿入を容易にするために、合成するオリゴヌクレオチドは示した領域よりも大きくてもよいことが理解される。各野生型(原型)アミノ酸がAspで置換されるように、VH CDR1に相当するオリゴヌクレオチドの混合物を設計する(図3a)。Aspは2つのコドン(GACおよびGAT)によって指定される。CDR1の1番目のコドンは置換を必要としない。2番目のコドン(TTC、Phe)は、Aspのコドンに変換するために1番目(TからG)および2番目(TからA)の位置において置換を必要とする。3番目のコドン(TAC、Tyr)は、1番目の位置(TからG)での1つの置換のみを必要とする。4番目のコドン(ATG、Met)は、1番目がAからG、2番目がTからA、3番目がGからTへの3つの置換を必要とする。5番目のコドン(GAG、Glu)は、3番目の位置(GからT)での1つの置換のみを必要とする。その結果生じるオリゴヌクレオチドの混合物を図2に示す。
遺伝暗号から、各位置で元のアミノ酸に置換するすべてのアミノ酸を推定することが可能である。この場合、1番目のアミノ酸は常にAsp(100%)であり、2番目はPhe (25%)、Asp (25%)、Tyr (25%)、またはVal (25%)であり、3番目のアミノ酸はTyr (50%)またはAsp (50%)である;4番目はMet (12.5%)、Asp (12.5%)、Val (25%)、Glu (12.5%)、Asn (12.5%)、Ile (12.5%)、またはLys(12.5%)である;5番目のコドンはGlu (50%)またはAsp (50%)のいずれかである。全体では、112種類の異なるタンパク質配列を含む128のオリゴヌクレオチドが生じ得る。生じる112種類の異なるアミノ酸配列のなかには、起こり得るすべての順列に野生型(原型)配列(31位にAsp残基を有する)および32〜35位に1〜4個のAsp残基を含む野生型とは異なる配列が存在することになる(図2を参照のこと)。さらに、Asp置換の有無にかかわらずいくつかの配列は、32位、34位、またはその両方において野生型でもAspでもないアミノ酸を含むことになる。これらのアミノ酸は、野生型アミノ酸および所定のアミノ酸をコードするヌクレオチドの順列により導入される。例えば、図2において32位では、野生型フェニルアラニン(Phe)および所定のAsp残基に加えてチロシン(Tyr)およびバリン(Val)が生じる。
MCPC603のVH領域のCDR2は、図3に示すように14アミノ酸(55〜68)を含む。野生型アミノ酸の各アミノ酸がヒスチジン(His)で置換されるオリゴヌクレオチドの混合物を設計する。Hisは2つのコドン(CATおよびCAC)によって指定される。野生型DNA配列全体で必要とされる置換は、全部で25個である。したがって、生じるオリゴヌクレオチド混合物は、3.3×107の異なるペプチド配列を指定するオリゴヌクレオチドを含む(図3を参照のこと)。
MCPC603のVH領域のCDR3は、図4に示すように11アミノ酸からなる。CDR1について上記したように、野生型アミノ酸のセリンではないアミノ酸がセリン(Ser)で置換されるオリゴヌクレオチドの混合物を設計する。Serは6つのコドン(TCXおよびAGC、AGT)によって指定される。野生型DNA配列全体で必要とされる置換は、全部で12個である。結果として、生じるオリゴヌクレオチド混合物は、この場合4096種類のタンパク質配列をコードする4096個の異なるオリゴヌクレオチド配列を含む。これらの配列のうちには、(セリン105に加えて)他の位置(101〜104、106〜111)のいずれか一箇所に単一のセリン残基を含むいくつかの配列、および2つ以上セリンを有する変種が任意の組み合わせ内に存在することになる(図4を参照のこと)。
ウォークスルー突然変異誘発を用いて、原型および変異体を含むいくつかの異なるタンパク質配列を含むFv配列のライブラリーを作製した。これらの配列のかなりの割合が、標的にした超可変領域内の所望の位置においてセリンプロテアーゼに特有のアミノ酸の三連構造His、Ser、Aspをコードすることになる。ヌクレオチドのいずれか1つを反応チャンバーに送達するか、または送達前に同じ比率で混合した2つのヌクレオチドの混合物を反応チャンバーに送達するようにプログラムした自動化DNA合成機でオリゴヌクレオチドの縮重混合物を合成することにより、ウォークスルー突然変異誘発を行った。
MCPC 603可変領域それぞれについて、合成オリゴヌクレオチドの各混合物を遺伝子に挿入した。酵素的技法によりオリゴヌクレオチドを2本鎖に変換し(例えば、Oliphant, A.R.ら、1986、前記を参照のこと)、その後突然変異を誘発するタンパク質をコードする遺伝子を含む制限酵素処理したプラスミドに連結した。制限酵素部位は、天然の部位または操作した制限酵素部位であった。
上記したこれらまたは他の適切な手順により構築した変異体MCPC 603遺伝子を、PluckthunおよびSkerraによって記載される系等の簡便な大腸菌発現形において発現させた(Pluckthun, A.およびSkerra, A.、Meth. Enzymol. 178:476-515 (1989);Skerra, A.ら、Biotechnology 9:273-278 (1991))。
変異体の分布を予測するように設計したコンピュータープログラムを用いて、野生型塩基と変異体塩基の比率および生じるアミノ酸に及ぼす「ドーピング」の効果を評価した。プログラムを用いて、VH-CDR2(Asp)変異体に及ぼすドーピングの効果を評価した。野生型(原型):変異体(非野生型)の比率を1:1として得られた結果を図8に示す;比率を4:1とした結果を図9に示す;さらに、比率を9:1とした結果を図10に示す。比率を変更することにより分布が著しく変化することがわかる。
また上記の方法により、野生型を支持するよう比率を9:1として、MOPC603抗体の一組の変異体を作製した。20個の新たなコロニーを生じたが、その配列データを図11に示す。結果から、ライブラリーは標的領域において主に0個、1個、または2個の標的アミノ酸置換を含むことが確認される。
本発明をその好ましい態様に関して詳細に示し説明したが、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形式および詳細において様々な変更が行われ得ることが、当業者には理解されるであろう。
重(H)鎖のCDR1(所定のアミノ酸Aspを使用)、CDR2(所定のアミノ酸Hisを使用)、およびCDR3(所定のアミノ酸Serを使用)を含む3つのCDR領域にウォークスルー突然変異誘発を実施した、免疫グロブリンMCPC 603のFv領域の模式図である。 CDR1に対する「縮重」オリゴヌクレオチドの設計を図示する。 CDR2に対する「縮重」オリゴヌクレオチドの設計を図示する。 CDR3に対する「縮重」オリゴヌクレオチドの設計を図示する。 CDR1領域のウォークスルー突然変異誘発によりもたらされた標的領域のアミノ酸配列を図示する。 CDR2領域のウォークスルー突然変異誘発によりもたらされた標的領域のアミノ酸配列を図示する。 CDR3領域のウォークスルー突然変異誘発によりもたらされた標的領域のアミノ酸配列を図示する。 ウォークスルー突然変異誘発の際の野生型(原型):変異体(非野生型)核酸の比率を1:1とした場合の、変異体分布のグラフ図である。 ウォークスルー突然変異誘発の際の野生型(原型):変異体(非野生型)核酸の比率を4:1とした場合の、変異体分布のグラフ図である。 ウォークスルー突然変異誘発の際の野生型(原型):変異体(非野生型)核酸の比率を9:1とした場合の、変異体分布のグラフ図である。 ウォークスルー突然変異誘発の際野生型(原型):変異体(非野生型)核酸の比率を9:1とした、ウォークスルー突然変異誘発によって調製した一組のポリペプチドの標的領域(CDR2)のアミノ酸配列を図示する。 成功確率pが0.2である、二項分布のグラフ図である。 成功確率pが0.1である、二項分布のグラフ図である。

Claims (9)

  1. 以下の段階を含む、関心対象の原型ポリペプチドをコードする核酸のウォークスルー突然変異を誘発する方法:
    a) 該核酸にコードされる関心対象の原型ポリペプチドにおいて、原型アミノ酸の1つまたは複数の標的領域を選択する段階;
    b) それぞれの標的領域に対して、原型アミノ酸の代わりに標的領域に取り込む1つのアミノ酸をあらかじめ決定する段階;および
    c) それぞれの標的領域に対するヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドの混合物を合成する段階であって、各オリゴヌクレオチドが標的領域の各配列位置において、ポリペプチドの原型アミノ酸の合成に必要なヌクレオチドまたは所定のアミノ酸の合成に必要な所定のヌクレオチドのいずれかを含み、かつ、合成の際利用可能な原型ヌクレオチドと利用可能な所定のヌクレオチドの比率が4:1以上であり、該比率は二項分布の使用によって決定され、該確率分布は標的領域中のアミノ酸の数(N)と、所定のアミノ酸をコードするヌクレオチドの取り込みが成功する確率(P)とを考慮し、そして、長さNの配列中の変異アミノ酸の総数であるXがN未満である、段階。
  2. オリゴヌクレオチドを含む核酸の発現ライブラリーを作製する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 比率が7:1以上である、請求項1記載の方法。
  4. 比率が9:1以上である、請求項1記載の方法。
  5. 標的領域がポリペプチドの機能ドメインを含む、請求項1記載の方法。
  6. 標的領域が触媒抗体の触媒部位を含む、請求項1記載の方法。
  7. 標的領域が抗体の超可変領域を含む、請求項1記載の方法。
  8. 所定のアミノ酸がSer、Thr、Asn、Gln、Tyr、Cys、His、Glu、Asp、Lys、またはArgである、請求項1記載の方法。
  9. 二項分布が以下の式であらわされる、請求項1記載の方法。
    Figure 0004433798
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