JP4433640B2 - アクチュエータ搭載機器の制御装置およびその調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアクチュエータを有するアクチュエータ搭載機器の作動ばらつきの低減に関する。
【0002】
【従来の技術】
通電により作動するアクチュエータとして、圧電式アクチュエータや磁歪式アクチュエータのように、通電により保持するエネルギーの量に応じて変形して、押圧力等を発生するものがある。かかるアクチュエータを有するアクチュエータ搭載機器として油圧制御弁やインジェクタが提案されている。
【0003】
コモンレール式ディーゼルエンジンの燃料噴射装置に適用されたものでは、アクチュエータは、例えば、燃料噴射と停止とを切り換えるニードルに対する駆動力の発生用として用いられる。また、ニードルの後端面側に形成された背圧室の燃料圧を増減することによりニードルの変位を切り換える構成のインジェクタでは、背圧室からの燃料の排出と禁止とを切り換えて背圧室の高低を切り換える油圧制御弁に用いられる。
【0004】
このものでは、燃料噴射はニードルに対する駆動力や背圧室の燃料圧を切り換えるアクチュエータの作動に対応してなされるから、燃料の噴射時期や噴射量は、アクチュエータの作動の切り換えタイミングにより規定される。アクチュエータの作動の切り換えは、アクチュエータの制御装置としてのECUが司る。
【0005】
一方、油圧制御弁やインジェクタには製造ばらつき等に基因した個体差があるから、同様のタイミングでアクチュエータに通電しても、内燃機関によって燃料の噴射時期や噴射量に差が生じ、近年の排ガス低減要請等に対応し切れないおそれがある。そこで、インジェクタ個々の噴射特性を予め計測しておき、ECU内においてアクチュエータの作動時期および作動時間を規定する制御パラメータを、計測された噴射特性に応じて補正するようにしたものがある。制御パラメータの補正値はECUのメモリ等に書き込まれたものを読みだすことになるが、メモリ等への書き込みは、例えば、噴射特性の計測が完了したインジェクタの表面に補正値に対応したバーコードを形成しておき、これを読み取ってメモリに書き込む(特開平7−332142号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、アクチュエータ単体の作動特性がアクチュエータ搭載機器の作動状態を決めてしまうものでは、アクチュエータ搭載機器の作動状態が大きくばらつくことはないが、前記インジェクタのように、複雑な機構からなり、また、アクチュエータと弁体やニードルとの間に油圧が介在するものにおいては作動状態が個体間でばらつきやすい。例えば、一部のインジェクタにおいて、弁体やニードルが離座するのに必要なアクチュエータの押圧力が相対的に不足し、弁体やニードルの離座が安定しないということが生じ得る。この場合には、アクチュエータへのエネルギーの供給量を余裕をもって十分大きな量に設定し、必要な押圧力を確保することが考えられる。
【0007】
しかしながら、膨大な回数の燃料噴射を行うエンジンのようにアクチュエータの作動頻度の高いものでは、エネルギーの供給量を大きくし過ぎると、その損失が大きい。そして、アクチュエータへの過剰なエネルギー供給が多量の発熱を生んだり、油圧制御弁やインジェクタ各部材の磨耗を加速する。これがインジェクタの噴射特性の経時変化を誘因し、特開平7−332142号公報の技術を採用していても、必ずしも高精度な燃料噴射を実現し得ない。
【0008】
本発明は前記実情に鑑みなされたもので、簡単にアクチュエータの供給エネルギーを過不足のない適正なエネルギーに制御することのできるアクチュエータ搭載機器の制御装置およびその調整方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、通電によって保持するエネルギーの量に応じて変形するアクチュエータを有するアクチュエータ搭載機器の制御装置において、
アクチュエータ搭載機器を所定の作動状態とするのに必要なエネルギーを前記アクチュエータに供給し得る通電内容をアクチュエータ搭載機器個々に特定する個別データを予め記憶する個別データ記憶手段と、
前記個別データに基づいてアクチュエータの通電内容を設定する通電内容設定手段とを具備し、
前記個別データは、基準の作動条件において計測された基準のデータであり、前記作動条件には、少なくとも要求される前記アクチュエータの伸長量を含むとともに、
前記通電内容設定手段を、アクチュエータ搭載機器の実際の作動条件と基準の作動条件との差異に基づいて、前記個別データを実際の作動条件の元でのデータに換算するように設定する。
【0010】
アクチュエータ搭載機器を所定の作動状態とするのに必要なエネルギーを前記アクチュエータに供給し得る通電内容がアクチュエータ搭載機器個々に知られるから、アクチュエータ搭載機器に個体差があっても、作動状態のばらつきを抑制することができる。さらに、エネルギーの損失や、磨耗等に基因した噴射特性の経時変化を防止することができる。
【0012】
作動条件が変わっても、当該作動条件においてアクチュエータ搭載機器を所定の作動状態とするのに必要なエネルギーを供給し得る通電内容となる。また、基準の作動条件の元での個別データを、アクチュエータの実際の作動条件の元でのデータに換算するので、広い範囲の作動条件についてそれぞれ個別データを有している必要がなく、個別データ記憶手段が大規模化しない。
作動条件は、少なくとも要求される前記アクチュエータの伸長量を含み、要求されるアクチュエータの伸長量が変化しても、良好に追随して、適正なエネルギーを供給することができる。
【0013】
請求項2記載の発明では、請求項1の発明の構成において、前記作動条件には、前記アクチュエータの温度を含める。
【0014】
温度変動により、アクチュエータの通電内容とエネルギーとの間の対応関係が変化しても、通電内容がこれに良好に追随して、適正なエネルギーを供給することができる。
【0015】
請求項3記載の発明では、請求項1または2の発明の構成において、前記作動条件には、前記アクチュエータに印加される負荷の大きさを含める。
【0016】
アクチュエータに印加される負荷に基因して、アクチュエータの変形等の作動状態とエネルギーとの間の対応関係が変化しても、通電内容がこれに良好に追随して、適正なエネルギーを供給することができる。
【0019】
請求項4記載の発明では、請求項1ないし3の発明の構成において、前記基準の作動条件を予め定められた共通の作動条件とする。
【0020】
アクチュエータを所定の状態とするのに必要なエネルギーを供給し得る通電内容をアクチュエータ個々に計測したときの作動条件を付随して記憶することなく、作動条件によらずにアクチュエータ間で作動を揃えることができる。
【0021】
請求項5記載の発明では、請求項1ないし4の発明の構成において、前記アクチュエータは圧電式のアクチュエータであり、
前記通電内容が、アクチュエータの充電電圧である。
【0022】
制御対象のアクチュエータ搭載機器について、所定の作動状態とするのに必要なエネルギーを供給し得る通電内容が分かっているから、エネルギー自体をモニタすることなく充電電圧のみに基づく制御でアクチュエータ搭載機器を所定の作動状態とすることができる。
【0023】
請求項6記載の発明では、請求項1ないし5の発明の構成において、前記アクチュエータは磁歪式のアクチュエータであり、
前記通電内容が、アクチュエータの磁場形成電流である。
【0024】
制御対象のアクチュエータ搭載機器について、所定の作動状態とするのに必要なエネルギーを供給し得る通電内容が分かっているから、エネルギー自体をモニタすることなく磁場形成電流のみに基づく制御でアクチュエータ搭載機器を所定の作動状態とすることができる。
【0025】
前記各発明は、請求項7の発明のように、前記アクチュエータ搭載機器が、前記アクチュエータによりニードルのリフト制御用の弁体もしくはニードルが変位するインジェクタである場合に特に好適に適用し得る。
【0026】
請求項8記載の発明では、請求項7の発明の構成において、前記アクチュエータには前記負荷としてコモンレールから供給される燃料圧が作用してなり、
前記通電内容設定手段を、実際の燃料圧と基準の作動条件における燃料圧との差に応じて前記通電内容を補正するように設定する。
【0027】
アクチュエータに作用するコモンレール圧が変動しても適正なエネルギーをアクチュエータに供給することができるから、弁体やニードルのリフト制御を高精度に行うことができる。
【0028】
請求項9記載の発明では、請求項1ないし8の各制御装置の調製方法において、予めアクチュエータ個々に、前記個別データに対応した情報を記憶する情報記憶媒体を設けておき、
アクチュエータ個々の情報記憶媒体の情報を、アクチュエータと組み合わされる前記制御装置の個別データ記憶手段に転送する。
【0029】
個別データに対応した情報が実質的にアクチュエータ搭載機器から制御装置に転送されるので、個別データを記載した帳票等をアクチュエータ搭載機器に付随させることなく簡単に、組み合わされるアクチュエータ搭載機器の個別データが制御装置において知られることになる。
【0030】
請求項10記載の発明では、請求項9の発明の構成において、前記個別データ記憶手段を不揮発性メモリにより構成し、
前記情報記憶媒体を、アクチュエータもしくはアクチュエータが搭載された機器の表面に形成した光学的に読み取り可能なコードパターンにより構成し、
光学スキャナによりコードパターンを読み取って、読み取られたデータに基づいて前記個別データ記憶手段にアクチュエータの個別データを書き込む。
【0031】
情報記憶媒体からの個別データの読み取りにアクチュエータとの電気的な結線等が不要で作業が簡単であり、例えば、アクチュエータ搭載機器を、これを構成部品とする装置に組付ける工程の中で、個別データの読み取りを実施することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1に本発明を適用したディーゼルエンジンのコモンレール式の燃料噴射装置の構成を示す。ディーゼルエンジンの気筒数分のアクチュエータ搭載機器であるインジェクタ1が各気筒に対応して設けられ(図例ではインジェクタ1は1つのみ図示)、供給ライン25を介して連通する共通のコモンレール24から燃料の供給を受け、インジェクタ1から対応する気筒の燃焼室内に略コモンレール24内の燃料圧力(以下、コモンレール圧という)に等しい噴射圧力で燃料を噴射するようになっている。コモンレール24には燃料タンク21の燃料が高圧サプライポンプ23により圧送されて高圧で蓄えられる。
【0033】
また、コモンレール24からインジェクタ1に供給された燃料は、前記燃焼室への噴射用の他、インジェクタ1の制御用の油圧としても用いられ、インジェクタ1からドレーンライン26を経て低圧源である燃料タンク21に還流するようになっている。
【0034】
図2(A)、図2(B)にインジェクタ1が組付けられるエンジン本体の要部の構成を示す。エンジン本体は、シリンダブロック31の上方にシリンダヘッド32が覆着されてなり、シリンダブロック31に形成されたシリンダ301内にピストン41が摺動自在に保持されている。ピストン41とシリンダヘッド32との間に燃焼室302が形成される。シリンダヘッド32には吸気マニホールドと連通する吸気ポート303および排気マニホールドと連通する排気ポート304が形成され、吸気ポート303とシリンダ301との連通と遮断とを切り換える吸気バルブ42、および排気ポート304とシリンダ301との連通と遮断とを切り換える排気バルブ43が設けられている。
【0035】
吸気バルブ42、排気バルブ43は外開式の弁で、傘状のヘッドと軸状のステムとからなり、それぞれのステムが、吸気ポート303、排気ポート304の上壁部を貫通して設けられた筒状のガイド34,35を挿通してシリンダヘッド32上に突出している。
【0036】
吸気バルブ42および排気バルブ43の開閉駆動はシリンダヘッド32の上に設けられた動弁機構44,45によりなされる。動弁機構44,45は、カムシャフト46,47から伝達される動力で作動する。
【0037】
また、シリンダヘッド32にはヘッドカバー33が覆着される。ヘッドカバー33は、前記カムシャフト46,47の軸方向に長い2つのカバー体331,332からなり、一方のカバー体331は吸気バルブ動弁機構およびカムシャフト46を覆い、他方のカバー体332は排気バルブ動弁機構45およびカムシャフト47を覆っている。
【0038】
吸気バルブ動弁機構44と排気バルブ動弁機構45とで挟まれた前記ヘッドカバー33によって覆われないシリンダヘッド32の中央部には、上下方向に貫通孔が形成されてインジェクタ1を取り付ける取り付け孔305としてある。取り付け孔305は下端部が小径の段付き形状となっており、インジェクタ1を取り付け孔305に挿入したとき、取り付け孔305の段部305aにてインジェクタ1を位置決めする。インジェクタ1の小径先端部11のみは燃焼室302内に突出している。また、インジェクタ1を受ける取り付け孔段面305a上にはガスケット37が配設されて燃焼室301の気密を保持している。
【0039】
インジェクタ1は、シリンダヘッド32の上面から突出する突出部12がクランプ36により保持されている。
【0040】
インジェクタ1は、燃料の供給を受けるためのインレット部13および余剰燃料の回収用のリターン部14が側方へ伸びており、最上部にはコネクタ部15が設けてある。コネクタ部15は樹脂モールド等の成形品で、側方に接続口151が突出しており、アクチュエータ駆動回路26から伸びるワイヤの端部に設けられたプラグを受けるようになっている。
【0041】
コネクタ部15の頂面には、コードパターンであるQRコードパターン16が形成してある。QRコードは二次元コードの一つであり、レーザマーカ等を用いて印字される。また、QRコードパターン16は後述するように光学スキャナにより読み取り可能である。
【0042】
図3にインジェクタ1の断面を示す。インジェクタ1は、複数の略円柱状ないし円盤状のハウジング51,52,53,54をその軸方向に重ねてスリーブ状のリテーナ55により一体化され、その内部に、燃料の通路101等を構成する空間や、ニードル61等を収容する空間が形成される。
【0043】
最下端側のハウジング部材51はノズルボデーであり、ハウジング部材51にはその直上のハウジング部材52により上端を閉鎖されたガイド孔501が形成され、その下端はサック部103に連なっている。サック部103は燃料噴射用の噴孔104に通じている。ガイド孔501には下側が小径の丸棒状のニードル61がその大径部にて摺動自在に保持されており、その長さとガイド孔501の長さの差で規定される範囲内で変位可能である。ニードル61は、下端位置にある時には、サック部103の上端部に形成されたノズルシート103aに着座してサック部103を閉鎖する。
【0044】
ニードル61の外周には、高圧通路101に通じる環状の燃料溜まり102が設けてある。高圧通路101にはコモンレール24から加圧された燃料が導入されている。導入された燃料はニードル61の環状段面61aに作用しニードル61に対して常時上向きに付勢するとともに、ニードル61のリフト時にはサック部103を介して噴孔104から噴射される。
【0045】
また、ガイド孔501には、ニードル61の上方にコイルばね71が配設されて、ニードル61を下方に付勢している、また、ガイド孔501はニードル61の上方が背圧室105となっており、高圧通路101からサブオリフィス106を介して常時高圧燃料が導入されている。背圧室105の燃料圧がニードル61の上端面61bに作用してニードル61を下方に付勢する。
【0046】
背圧室105の燃料は油圧制御弁1aにより切り換え自在である。油圧制御弁1aは、背圧室105とメインオリフィス107を介して連通する弁室108と、これに配設された弁体62とからなる。弁室108の円錐状の天井面にはドレーンポート109が開口し、ドレーンポート109はスピル室111およびドレーン通路112を介して燃料タンク21と通じている。また、弁室108の底面には、ドレーンポート109の直下位置に、高圧通路101に通じる高圧ポート110が開口している。
【0047】
弁体62は下側が水平にカットされたボール状のもので、上方への変位によりドレーンポート109の開口外周縁部の環状シート(以下、ドレーンシートという)108aに着座してドレーンポート109を閉鎖し、下方への変位により、高圧ポート110の開口外周縁部の環状シート(以下、高圧シートという)108bに着座して高圧ポート110を閉鎖する。
【0048】
したがって、弁体62がドレーンポート109を閉鎖状態であれば、背圧室105からの燃料の排出が禁止されて、背圧室105はコモンレール圧に略等しい高圧になる。このとき、ニードル61への下向きの付勢力が優勢となるように各部を設定しておけば、ニードル61は着座可能である。一方、弁体62がドレーンポート109を開きかつ高圧ポート110を閉鎖状態であれば、背圧室105の燃料がドレーンポート109を介して燃料タンク21に還流する。これにより、背圧室105の燃料圧は、サブオリフィス106やメインオリフィス107の絞り量に依存した燃料の排出流量で規定される燃料圧に低下する。このとき、ニードル61への下向きの付勢力が劣勢となるように前記絞り量等を設定しておけば、ニードル61はリフト可能である。
【0049】
油圧制御弁1aの駆動手段について説明する。前記スピル室111の上方には、スピル室111に連なる縦穴502,503が形成されており、スピル室111側の小径の縦穴502は、小径のピストン63を摺動自在に保持する小径シリンダ502であり、他方の大径の縦穴503は、大径のピストン64を摺動自在に保持する大径シリンダ503である。小径ピストン63はピン状の下端部がドレーンポート109から弁室108内に進出し弁体62と当接可能である。両ピストン63,64で区画された空間には燃料が充填され、空間により油圧室113が形成される。
【0050】
大径ピストン64は上端部が、ピエゾアクチュエータ67を受けるピストン部材66と結合している。ピストン部材66は、縦穴503の大径ピストン64側とピエゾアクチュエータ67側とを分離するものであり、側面の環状溝に沿って設けられたOリング73により縦穴503側面との間が液密にシールされている。
【0051】
ピエゾアクチュエータ67はピストン部材66の上端面と縦穴503の天井面との間に介設される。ピエゾアクチュエータ67はPZT等の圧電セラミック層と電極層とを、ピストン部材66の可動方向に交互に積層した一般的な構成のもので、アクチュエータ駆動回路28による充電および放電で伸縮変形する。
【0052】
また、縦穴503はピストン部材66よりも下方部分がスプリング室114となっており、ここに配設されたスプリング72は、ピストン部材66とピエゾアクチュエータ67とを当接状態に維持するとともに、ピエゾアクチュエータ67に一定の初期荷重を印加する。
【0053】
スプリング室114は大径ピストン64に形成されたT字通路115と連通するとともにドレーン通路112と連通している。T字通路115の途中には逆止弁65が設けられている。逆止弁65は、T字通路115が通る位置にピンホール116が形成されたフラット弁651とこれを上方に付勢する皿ばね652とからなり、油圧室113側が加圧されると閉じ、油圧室113が閉鎖されるようになっている。
【0054】
ハウジング部材54にはまた、スプリング室114とドレーン通路112とを連通する通路117を形成した時の孔を塞ぐ盲栓56が設けてある。
【0055】
しかして、ピエゾアクチュエータ67が充電されて伸長し、ピストン部材66および大径ピストン64を押し下げると、油圧室113の燃料が加圧されて小径ピストン63が下方変位する。このときの小径ピストン63の変位量は、大径ピストン64の変位量が両ピストン63,64の断面積比に応じて拡大されたものとなる(以下、油圧室113を変位拡大室113という)。しかして、ピエゾアクチュエータ67が充電されると、弁体62がドレーンシート108aからリフトして高圧シート108bに着座してニードル61がリフトし、一方、ピエゾアクチュエータ67が放電されると、弁体62が高圧シート108bからリフトしてドレーンシート108aに着座してニードル61が着座する。すなわち、ピエゾアクチュエータ67の充電と放電のタイミングで燃料の噴射時期および噴射時間(量)が規定されることになる。
【0056】
また、充電によりピエゾアクチュエータ67に保持されるエネルギーを低く設定すれば、大径ピストン64の変位量が小さくなって、弁体62がドレーンシート108aからリフトしても高圧シート108bに着座しないハーフリフトの状態となる。この時の背圧室105からの燃料の排出流量は、弁体62が高圧シート108bに着座した場合よりも少なく、背圧室105の燃料圧の低下幅も小さくなる。このときの背圧室105の燃料圧がニードル61がリフト可能な圧力よりも高くなるように弁体62のリフト量等を制御すればニードル62が着座状態のまま、コモンレール圧が低下する。運転状態の急変により急に燃料の噴射圧の低下が必要になったときに、応答性よくコモンレール24を減圧することができる。
【0057】
アクチュエータ駆動回路28は、図示しないバッテリを給電源とするDC−DCコンバータ等により構成されており、ECU27からの制御信号に基づいてピエゾアクチュエータ67の充電と放電とが切り換えられる。制御信号は例えば「H」と「L」よりなる二値信号であり、アクチュエータ駆動回路28はその立ち上がりでピエゾアクチュエータ67の充電を実行し、立ち下がりで放電する。また、ピエゾアクチュエータ67の充電はその両端間電圧(以下、適宜、ピエゾアクチュエータ電圧という)をモニタしながら行われ、目標電圧になると充電が完了する。また、目標電圧は、ECU27から入力する目標電圧信号により可変である。目標電圧信号は例えば目標電圧の大きさに比例した信号として与えられ、アクチュエータ駆動回路28は、目標電圧信号とモニタ電圧とを比較するコンパレータの二値出力から充電完了を知ることができる。
【0058】
制御装置であるECU27は、マイクロコンピュータ等からなる一般的な構成のもので、CPU271と、その作業領域としてのRAM272、CPU271で実行される制御プログラムや本発明の特徴である基準電圧V0 、基準アクチュエータ温度T0 のデータが格納された不揮発性メモリであるROM273等により構成されている。ECU27で実行される制御プログラムは従来のものと基本的な設定は同じで、クランク角度等の検出信号に基づいて燃料の噴射時期と噴射量を演算し、対応する時期に制御信号を出力する。また、前記のごとく前記目標電圧を設定して目標電圧信号を出力する。
【0059】
図4はECU27のCPU271上で実行される制御手順を示している。これは通電内容設定手段としての手順である。先ず、アクチュエータ温度T、コモンレール圧Pおよび要求されるリフト量Lを読み込む(ステップS11)。
【0060】
ここで、アクチュエータ温度Tはピエゾアクチュエータ67の温度であり、ピエゾアクチュエータ67に直接温度センサを設ける他、インジェクタ1の表面に温度センサを設けてその検出温度から換算することで得られる。また、冷却水温度から換算したり、運転状態から推定するのもよい。また、アクチュエータ温度に応じてピエゾアクチュエータ67の静電容量が変化するから、ピエゾアクチュエータ67に微弱な交流電圧を印加して共振特性から静電容量を計測することで得てもよい。
【0061】
また、コモンレール圧Pは圧力センサ29の検出圧力が読み込まれる。
【0062】
リフト量Lは大径ピストン64の変位量である。Lは、通常の燃料噴射時には、基準リフト量L0 である。また、減速フューエルカット時や、実コモンレール圧が目標圧よりも高く噴射制御の合間に減圧制御を行う場合のように、コモンレール24の減圧を行う場合には、基準リフト量L0 に係数nを乗じてnL0 であり、基準リフト量L0 よりも小さな値が与えられる。
【0063】
次いで、アクチュエータ温度T、コモンレール圧Pおよびリフト量Lから、それぞれの基準値を減算して基準値からの変化量ΔT,ΔP,ΔLを算出する(ステップS12)。ここで、基準値である基準のアクチュエータ温度T0 、基準のコモンレール圧P0 は前記基準リフト量L0 とともに予めROM273に記憶されている。
【0064】
そして、式(1)に基づいて、目標電圧Vを算出し(ステップS13)、この値に比例した目標電圧信号をアクチュエータ駆動回路28に出力する。
【0065】
【数1】
【0066】
式中のV0 、α、β、γも予めROM273に記憶されている。基準電圧V0 は、後述するように、アクチュエータ温度T、コモンレール圧Pおよびリフト量Lが前記基準値T0 ,P0 ,L0 の元での充電電圧であり、ピエゾアクチュエータ67個々に計測された個別データである。読み込まれる基準電圧V0 、基準アクチュエータ温度T0 は噴射気筒に対応するものである。なお、基準値P0 ,L0 はすべてのインジェクタ1に共通である。
【0067】
ここで、基準電圧V0 、基準アクチュエータ温度T0 の計測手順について説明する。インジェクタメーカにおいてインジェクタ1の組付けが完了すると、個々のインジェクタ1を、噴射テスト装置にセットし、予め設定した所定の通電時間、基準コモンレール圧P0 下で次の所定の作動を行わせる。その時の到達した充電電圧V0 を計測する。この作業は例えば前記インジェクタメーカにおける最終工程においてなされる。
【0068】
ここで、充電電圧は、一般的に大きくするほど弁体62のリフト量が増大するが、ここでの所定の作動状態はフルリフト状態とする。そして、基準電圧V0 を次のように設定する。燃料の噴射を繰り返し、噴射量を計測する。その時の噴射量の平均が設計上の公差範囲内に含まれていることを条件として、噴射量のばらつきが所定の安定限界値以下とすることのできた充電電圧のうち、最小の電圧値をV0 とする。
【0069】
一方、この充電電圧V0 に達するまでの間、ピエゾアクチュエータ67への充電電流を計測するとともにこれを積分して、ピエゾアクチュエータ67に供給された電荷量を求める。そして、電荷量を充電電圧V0 で除して、基準のピエゾアクチュエータ温度T0 とする。これは、直接にはピエゾアクチュエータ67の静電容量を算出していることになるが、静電容量は温度に対して比例的に増大することから、アクチュエータ温度の指標となる。
【0070】
リフト量L=nL0 は弁体62のハーフリフトに対応するものであるが、このときの目標電圧は、インジェクタ1の噴射量が0で、インジェクタ1の背圧室105からのドレーン量が最大となる電圧が与えられるように設定される。この電圧と、フルリフトに対応した充電電圧(基準電圧V0 )とはインジェクタ1の個体差によらず一定の比になるので、ハーフリフトのリフト量を規定する係数nはインジェクタ1の個体間で殆どばらつくことはなく、ECU27のROM273に共通の値が記憶されている。
【0071】
計測された基準電圧V0 ,基準アクチュエータ温度T0 のROM273への書き込み手順については後述する。また、α、β、γは変化量ΔT,ΔP,ΔLに応じて目標電圧Vを算出するための係数である。
【0072】
ECU27ではピエゾアクチュエータ67の目標電圧Vを、基準電圧V0 、基準アクチュエータ温度T0 に基づき式(1)にしたがって設定しているので、次の効果を奏する。
【0073】
(アクチュエータ温度の影響について)
ピエゾアクチュエータ67の伸長量はその保持するエネルギーで規定されるところ、前記のごとくピエゾアクチュエータ67の充電はピエゾアクチュエータ電圧が目標電圧Vに達したか否かで充電の完了を判断する。図5は、仕様が同じ複数のインジェクタについて、必要エネルギーE0 が供給される充電電圧を調査したもので、必要エネルギーE0 を与える充電電圧がアクチュエータ温度Tにより変化することが知られる。これは、保持されたエネルギーがピエゾアクチュエータ67の静電容量Cによって異なるためである。
【0074】
ここで、前記のように弁体62を所定の作動状態(フルリフト)とするのに必要なエネルギーをE0 とすれば、アクチュエータ温度Tが基準温度T0 からΔT上昇したときに静電容量Cは温度係数αによりC0 (1+αΔT)となるから、アクチュエータ温度Tだけが基準の作動条件からずれたとすれば、エネルギーをE0 供給するのに必要な充電電圧vは式(2)となる。
【0075】
【数2】
【0076】
したがって、式(1)のように充電の目標電圧Vを設定することで、アクチュエータ温度Tが変動してもピエゾアクチュエータ67にエネルギーが適正に供給される。
【0077】
また、図5より知られるように、必要エネルギーE0 が供給される充電電圧はインジェクタの個体差に依存してばらつくが、基準電圧V0 がインジェクタ個々に計測されているから、インジェクタの個体差が吸収される。また、ピエゾアクチュエータ67の静電容量のばらつきも吸収される。
【0078】
(コモンレール圧の影響について)
コモンレール圧Pが上昇すると、弁体62に対する上向きの付勢力、すなわちピエゾアクチュエータ67が伸長するときの負荷である抗力が増大するから、同じ伸長量であれば必要なエネルギーはE0 から比例的に増大する。図6は、仕様が同じ複数のインジェクタについて、所定のリフト量となる充電電圧を調査したもので、この充電電圧がコモンレール圧により変化することが知られる。このときのエネルギーEは、エネルギーの負荷係数をβとして、E0 (1+βΔP)となるから、コモンレール圧Pだけが基準の作動条件からずれたとすれば、必要な充電電圧vは式(3)となる。
【0079】
【数3】
【0080】
したがって式(1)のように充電の目標電圧Vを設定することで、コモンレール圧Pが変動してもピエゾアクチュエータ67にエネルギーが適正に供給される。
【0081】
また、図6より知られるように、必要エネルギーE0 が供給される充電電圧はインジェクタの個体差に依存してばらつくが、基準電圧V0 がインジェクタ個々に計測されているから、インジェクタの個体差も吸収される。
【0082】
(リフト量の影響について)
要求される大径ピストン64のリフト量すなわちピエゾアクチュエータ67の伸長量が大きくなると必要なエネルギーはE0 から比例的に増大する。図7は、仕様が同じ複数のインジェクタについて、リフト量と充電電圧の対応関係を調査したものである。このときのエネルギーEは、エネルギーのリフト量係数をγとして、E0 (1+γΔL)となるから、リフト量だけが基準の作動条件からずれたとすれば、必要な充電電圧vは式(4)となる。
【0083】
【数4】
【0084】
したがって式(1)のように充電の目標電圧を設定することで、減圧制御に伴ってリフト量Lが変わってもピエゾアクチュエータ67にエネルギーが適正に供給される。
【0085】
また、図7より知られるように、必要エネルギーE0 が供給される充電電圧はインジェクタの個体差に依存してばらつくが、基準電圧V0 がインジェクタ1個々に計測されているから、インジェクタの個体差が吸収される。
【0086】
なお、式(4)においてリフト量Lは基準リフト量L0 に対する比だけが意味を有し、現実のリフト量でなくともよく、例えばL0 =1として式(1)を算出してもよい。あるいは、弁体62は、通常の燃料噴射制御に対応したフルリフトと、コモンレール圧の減圧制御に対応したハーフリフトとの二値しかとらないので、これに対応してV0 に乗じる係数を2種類記憶しておくだけでもよい。
【0087】
このように、インジェクタ1の個体差や作動条件の変化によらず、インジェクタ1を所期の作動状態とすることができるので、弁体62のリフト量の制御が容易である。さらに、エネルギーの損失や、磨耗等に基因した噴射特性の経時変化を防止することができる。
【0088】
なお、アクチュエータ温度Tは変動が緩く急激に変化することはないので、取り込みは、コモンレール圧P等よりも長いスパンで行ってもよい。
【0089】
また、前記基準電圧V0 はインジェクタ1の弁体62を燃料噴射可能なフルリフトとする計測を行うことで得ているが、所定の作動状態である弁体62がハーフリフトとなるように充電する計測により得てもよい。すなわち、噴射量が0である条件でピエゾアクチュエータ67の充電電圧を変え、インジェクタ1からの燃料のドレーン量を計測する。ドレーン量が最大となる時の電圧値をV0 とする。この場合にも、ハーフリフトに対応した充電電圧とフルリフトに対応した充電電圧とは、インジェクタ1の個体差によらず一定の比となるので、減速フューエルカット時等の、弁体62をハーフリフトとする場合の目標電圧Vが、リフト量Lが所定の基準リフト量(前記のごとく1でもよい)であるとして算出され、通常の噴射制御のとき、すなわち、弁体62をフルリフトとする制御のときの目標電圧Vが、前記基準リフト量に対するフルリフト時のリフト量の比に応じて算出されることになる。
【0090】
また、基準電圧を、弁体62をフルリフトともハーフリフトとも異なる別の状態とするときの充電電圧により規定してもよい。例えば、噴射量が0であり、かつ、インジェクタ1からのドレーン量が最小すなわち、インジェクタ1の各部の自然リークのみとなる状態の時の最大電圧(すなわち、ドレーン量が最小で、弁体62のリフト量が最大となる状態(所定の作動状態)の電圧)を基準電圧としてもよい。この場合は、フルリフト状態、ハーフリフト状態における目標電圧Vを、この所定の作動状態における弁体62のリフト量に対するリフト量の比に応じて設定する。
【0091】
次に、基準電圧V0 、基準アクチュエータ温度T0 の書き込みの手順について説明する。
【0092】
インジェクタ1のコネクタ部15の頂面151には、前記のごとくQRコードパターン16が形成されており、これは当該インジェクタ1の前記個別データである基準電圧V0 、基準アクチュエータ温度T0 の情報である。QRコードパターン16のマーキングは、インジェクタメーカにおけるインジェクタ1の製造工程等で前記のごとく基準電圧V0 、基準アクチュエータ温度T0 が計測された後、形成される。
【0093】
前記QRコードパターン16の読み取りはエンジンが組立を完了し最終検査工程に払い出される状態になってから行われ、これを図8により説明する。図中、エンジンEは説明の便宜のためインジェクタ1以外の部分については殆ど省略している。先ず光学スキャナ81によりインジェクタコネクタ部15の頂面に形成したQRコードパターン16を読み取りコード信号に変換して、データ転送制御装置82に送信する。データ転送制御装置82はコンピュータやROMライタ等からなり、例えばCRTに気筒番号を表示して作業者にQRコードパターン16を読み込むべきインジェクタ1を指示する。読み込まれた全気筒のQRコードパターン16の情報は一旦、データ転送制御装置82の記憶装置に記憶される。次いでQRコードパターン16の情報に対応するインジェクタ1の基準電圧V0 がECU27のROM273に書き込まれる。したがってROM273にはEEPROM等が用いられる。
【0094】
図2の構造を有するエンジンEは、シリンダヘッド32に、動弁機構44,45、カムシャフト46,47、インジェクタ1が組付けられ、ヘッドカバー33が覆着された状態でも、QRコードパターン16が形成されたインジェクタコネクタ部15が露出しているから、エンジンEが組立を完了し最終検査工程に払いだされる状態になってから作業性良好にQRコードパターン16を読み取ることができる。また、当該エンジンEを搭載した車両が実走行に供されるようになってからも、エンジンEを分解することなくQRコードパターン16の再読み取りが可能であり、メイテナンス性にも優れる。
【0095】
なお、コードパターンはQRコードに限らず他の二次元コードやバーコード等の一次元コードでもよいし、また別種のシンボルでもよい。
【0096】
また、コードパターンはレーザーマーキングによりインジェクタ1の表面に直接印字するのではなく、コードパターンを印刷したタグを貼付するのでもよい。
【0097】
また、基準電圧等に対応した情報を有する情報記憶媒体として、コードパターンに代えて抵抗器を設け、ECUにて抵抗器の抵抗値を計測し、計測された抵抗値に対応して基準電圧等を知るようにするのもよい。また、情報記憶媒体としてICチップ等を用いるのもよい。
【0098】
また、基準電圧V0 、基準アクチュエータ温度T0 のデータのROM273への転送方法は任意であり、例えば、インジェクタ1を組み合わせるECU27を特定可能であれば、コードパターン等を形成しないで、ピエゾアクチュエータ67の基準電圧V0 等のデータベースからROM273に書き込むのもよい。
【0099】
また、コードパターンに、制御信号の出力時期や長さの補正値を含ませて、噴射特性についてのインジェクタ1の個体差を相殺するようにしてもよいのは勿論である。
【0100】
なお、本実施形態では、基準電圧V0 とともに、アクチュエータ温度T、コモンレール圧Pおよびリフト量Lを作動条件として、これに基づいて目標電圧Vを設定しているが、要求される仕様によってはアクチュエータ温度T、コモンレール圧Pおよびリフト量Lのうち、いずれか、あるいはこのうちの2つに基づいて目標電圧Vを設定するのもよい。また、作動条件は他のパラメータで記述するのもよい。
【0101】
また、インジェクタ1を所定の作動状態とする充電電圧を計測する時にアクチュエータ温度Tを一定値にすることができれば、コード化するインジェクタ1の個別情報は基準電圧だけでよく、基準アクチュエータ温度T0 は、基準コモンレール圧P0 、基準リフト量L0 とともに予めECU27に一律に記憶しておけばよい。
【0102】
また、インジェクタの実際の作動条件と基準の作動条件との差異(ΔT,ΔP,ΔL)に基づいて、単一の基準電圧V0 を実際の作動条件の元でのデータに換算して最終的な目標電圧Vを設定するようにしているが、所定範囲内の複数の作動条件について、インジェクタ1を所定の作動状態とし得る充電電圧を計測してROMに書き込み、内挿補間により目標電圧Vを実際の作動条件に対応せしめるのもよい。
【0103】
また、本実施形態は、弁体62をフルリフトとハーフリフトとで切り替え可能でリフト量制御をするものに適用した例を示したが、ピエゾアクチュエータ67により燃料噴射と停止とを切り替えるだけの、ハーフリフトにしない簡単な制御内容の燃料噴射装置にも適用することができる。
【0104】
また、作動条件に応じて目標電圧を可変とするのではなく、要求される仕様によっては、インジェクタ1のQRコードパターンから読み取った基準電圧のデータをそのまま目標電圧とするのもよい。インジェクタ1の個体差に基因した弁体62のリフトのばらつき、エネルギーの損失や、磨耗等に基因した噴射特性の経時変化を防止することができる。
【0105】
この場合、基準電圧を、予め定めた基準の作動条件の元で計測されたデータとすることで、基準電圧の計測時の作動条件をROMに記憶させなくとも、アクチュエータ間で作動を揃えることができる。
【0106】
なお前記説明では、ピエゾアクチュエータがインジェクタの油圧制御弁を作動せしめるものを示したが、図9のようなピエゾアクチュエータがインジェクタのニードルの駆動力を発生せしめる構成のものにも適用することができる。図中、図3と実質的に同じ作動をする部分には同じ番号を付して相違点を中心に説明する。
【0107】
インジェクタ1Aは、ニードル68を収容するニードルガイドシリンダ504に連なる縦穴505がニードルガイドシリンダ504と同軸でかつニードルガイドシリンダ504よりも大径に形成されており、縦穴505にはニードル68の基端部682が進出している。ニードル68の基端部682は、ニードルガイドシリンダ504との摺接部681よりも大径の制御ピストン682となっている。制御ピストン682は縦穴505に摺動自在に保持されている。
【0108】
縦穴505は制御ピストン682よりも上側が、スプリング74を収容するスプリング室118となっており、制御ピストン682の上端面と縦穴505の天井面との間に介設されたスプリング74が制御ピストン682を常時下方に付勢している。スプリング室118はドレーン通路112と連通している。
【0109】
一方、縦穴505の制御ピストン682よりも下側は、後述する油圧室121と連通路120を介して連通する制御室119となっており、制御室119内の燃料圧が制御ピストン682すなわちニードル68を上方に付勢する。制御室119内の燃料圧の増減によりニードル68のリフトと着座との切り換えを行ったり、また、ニードル68のリフトの可変制御も行う。
【0110】
油圧室121は、ピエゾピストン69を保持する縦穴506の、ピエゾピストン69により区画された空間により形成される。また、ピエゾピストン69を挟んで油圧室121とは反対側にはピエゾアクチュエータ67が格納され、ピエゾピストン69を押圧可能である。また、油圧室121には皿ばね75が配設されて、制御ピストン682とピエゾアクチュエータ67とを当接状態に維持するとともに、ピエゾアクチュエータ67に常時初期荷重を印加している。
【0111】
かかるインジェクタ1Aによれば、ピエゾアクチュエータ67に充電してピエゾピストン69を押下し油圧室121の燃料圧が上昇すると、これが制御室1119に伝達されて、制御ピストン682の下端面に作用し、ニードル68をリフトせしめる。これにより、コモンレール24からの高圧燃料が油溜まり102からサック部103を経て噴孔104から噴射される。ピエゾアクチュエータ67を放電すれば、ピエゾアクチュエータ67が縮小して油圧が低下し、ニードル68は再び着座する。
【0112】
このインジェクタ1Aの場合も、その図示しないコネクタ部の頂面にQRコードを形成してインジェクタ個々の個別データをECUに読み込む。個別データは基準電圧V0 、基準アクチュエータ温度T0 であり、インジェクタ1Aが組付けられた後、インジェクタ1A個々に所定の計測を行い求める。すなわち、所定の充電保持期間において、基準コモンレール圧P0 下で、設計上の最大噴射量が得られる時の最小電圧を計測し、これを基準電圧V0 とする。この、最大噴射量で噴射がなされる作動状態は、ニードル68のフルリフトである。また、第1実施形態のごとく、電流の積分値と基準電圧V0 とから基準アクチュエータ温度T0 を求める。
【0113】
そして、この基準電圧V0 、基準アクチュエータ温度T0 はインジェクタ1AへのレーザマーキングによりQRコード化され、エンジン組付け後にECUのROMへと書き込まれる。
【0114】
ECUでは、取り込まれたアクチュエータ温度T、コモンレール圧Pや運転状態に応じて目標電圧を設定することでニードル68のリフト量を変え、インジェクタ1Aの噴射率を高精度に制御する。すなわち、高速、高負荷時には、L=L0 とするとともに、コモンレール圧Pおよびアクチュエータ温度Tを取り込んで、基準コモンレール圧P0 および基準アクチュエータ温度T0 との差をそれぞれ算出して、目標電圧を前記式(1)と同等の式にしたがって設定する。これにより、ピエゾアクチュエータ67に適正なエネルギー量が投入されて、ニードル68がフルリフトとなる。
【0115】
また、高速、高負荷と判定されない運転状態のときにはL=mL0 とする。このmは、所定の充電保持期間において、基準コモンレール圧P0 下で、前記最大噴射量よりも少ない所定の噴射量が得られる時(ニードル68のハーフリフト)の電圧を与えるものであり、予めECUに記憶される。そして、フルリフト時と同様に、コモンレール圧Pおよびアクチュエータ温度Tを取り込んで、フルリフト時と同様に目標電圧を設定し、ピエゾアクチュエータ67に適正なエネルギー量が投入されて、ニードル68が所定のリフト量でのハーフリフトとなる。
【0116】
なお、本実施形態でも、基準電圧V0 は最大噴射量が得られる作動状態の時の充電電圧とする必要はなく、別の作動状態、例えば、噴射量が0のときの充電電圧とするのもよい。例えば、インジェクタ1A個々の計測は、所定の充電保持期間において、基準コモンレール圧P0 下で、噴射量が0となる最大電圧を計測して、基準電圧とする。この電圧値は、ニードル68がフルリフトとなる場合の前記基準電圧、すなわち基準コモンレール圧P0 下で設計上の最大噴射量が得られる時の最小電圧や、ニードル68がハーフリフトして前記所定の噴射量が得られる電圧とそれぞれ一定の比になっており、フルリフト時やハーフリフト時の目標電圧は、L=m1 L0 、L=m2 L0 とすることで得る。あるいは、所定の充電保持期間において、基準コモンレール圧P0 下で、前記最大噴射量よりも少ない所定の噴射量が得られる時の電圧を基準電圧とし、フルリフト時のリフト量とハーフリフト時のリフト量との比に応じてフルリフト時の目標電圧を設定するのもよい。
【0117】
なお、インジェクタ1においてもインジェクタ1Aにおいても、基準電圧の計測時におけるインジェクタ1がとる所定の作動状態は、実使用状態において弁体62やニードル68がフルリフト状態、ハーフリフト状態と複数の状態をとるにも係わらず、ひとつのみで足りているが、勿論、インジェクタ1,1Aの個体差を考慮して、リフト量が異なる複数の作動状態(フルリフト状態、ハーフリフト状態等)において、それぞれ基準電圧を求めて、複数の基準電圧を各ECUが記憶するようにしたり、nやmをインジェクタごとに付与するようにしてもよい。
【0118】
また、アクチュエータ温度Tやコモンレール圧Pの異なる複数の作動状態について基準電圧を計測しておき、所定の作動状態を、アクチュエータ温度Tやコモンレール圧Pの異なる複数の所定の作動状態とするのもよい。この場合、制御装置は、例えば、内挿補間により、実際の作動条件に対応した目標電圧を設定する。
【0119】
また、nやmをさらに細かく設定して、弁体やニードルをフルリフトと着座の間で、複数段階にリフト量を調整可能として、コモンレールの減圧制御におけるインジェクタ1からのドレーン量やインジェクタ1Aの噴射率を精密に制御するようにしてもよい。
【0120】
また、以上の各説明では、アクチュエータとしてピエゾアクチュエータを用いているが、通電により保持されたエネルギーにより変形するアクチュエータであればよく、例えば、強磁性体が磁化により変形する磁歪を利用した磁歪式のアクチュエータでもよい。
【0121】
この場合、磁歪の大きさすなわちアクチュエータとしての伸長量を規定する保持エネルギーは、磁化せしめるための磁場を形成するソレノイドに流れる電流の大きさに依存し、アクチュエータを制御する制御装置はアクチュエータの通電内容として電流を制御する。ここで、同じ電流を流してもアクチュエータの個体差によって磁界分布が異なるとともに、ソレノイドの実質的なインダクタンスが異なる。このため、伸長量や保持エネルギーが油圧制御弁やインジェクタ間でばらつく。そこで、磁歪式のアクチュエータが、油圧制御弁やインジェクタ個々の個別データとしてアクチュエータが油圧制御弁やインジェクタを所定の作動状態とするのに必要なエネルギーを保持するのに必要な電流を求めておき、これを、制御装置に基準電流として記憶せしめて、基準電流に基づいて目標電流を設定する。この場合、前記のごとくアクチュエータ温度等の実際の作動条件に応じて基準電流を補正し、目標電流を求めるのもよい。作動条件の変化によりエネルギーと電流との対応関係等が変動しても、これに追随して適正なエネルギーが与えられるようにすることができる。
【0122】
また、本発明は油圧制御弁やインジェクタだけではなく、ピエゾアクチュエータや磁歪アクチュエータを搭載した機器であれば適用することができる。特に、複雑な機構からなり、また、アクチュエータと機器の可動部材との間に油圧が介在するものに、好適に適用し得る。
【0123】
この場合、作動条件は、アクチュエータ温度、負荷、リフト量に限られるものではなく、インジェクタの個体差や、アクチュエータの作動特性に影響を与える環境要因等、適用対象個々に適宜設定し得るのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアクチュエータ搭載機器の制御装置を備えた燃料噴射装置の構成図である。
【図2】(A)は前記燃料噴射装置が付設されるエンジンの本体の要部の断面図であり、(B)は前記燃料噴射装置を構成するインジェクタの上面図である。
【図3】前記インジェクタの断面図である。
【図4】前記燃料噴射装置を構成するECUで実行される制御プログラムを示すフローチャートである。
【図5】本発明の効果を説明する第1のグラフである。
【図6】本発明の効果を説明する第2のグラフである。
【図7】本発明の効果を説明する第3のグラフである。
【図8】本発明の調整方法を説明する図である。
【図9】前記インジェクタの変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1,1A インジェクタ(機器)
61,68 ニードル
1a 油圧制御弁
16 QRコードパターン(コードパターン、情報記憶媒体)
24 コモンレール
27 ECU(制御装置)
271 CPU(通電内容設定手段)
273 ROM(個別データ記憶手段)
26 アクチュエータ駆動回路
62 弁体
81 光学スキャナ
Claims (10)
- 通電によって保持するエネルギーの量に応じて変形するアクチュエータを有するアクチュエータ搭載機器の制御装置において、
アクチュエータ搭載機器を所定の作動状態とするのに必要なエネルギーを前記アクチュエータに供給し得る通電内容をアクチュエータ搭載機器個々に特定する個別データを予め記憶する個別データ記憶手段と、
前記個別データに基づいてアクチュエータの通電内容を設定する通電内容設定手段とを具備し、
前記個別データは、基準の作動条件において計測された基準のデータであり、前記作動条件には、少なくとも要求される前記アクチュエータの伸長量を含むとともに、
前記通電内容設定手段を、アクチュエータ搭載機器の実際の作動条件と基準の作動条件との差異に基づいて、前記個別データを実際の作動条件の元でのデータに換算するように設定したことを特徴とするアクチュエータ搭載機器の制御装置。 - 請求項1記載のアクチュエータ搭載機器の制御装置において、前記作動条件には、前記アクチュエータの温度を含むアクチュエータ搭載機器の制御装置。
- 請求項1または2記載のアクチュエータ搭載機器の制御装置において、前記作動条件には、前記アクチュエータに印加される負荷の大きさを含むアクチュエータ搭載機器の制御装置。
- 請求項2または3いずれか記載のアクチュエータ搭載機器の制御装置において、前記基準の作動条件が予め定められた共通の作動条件であるアクチュエータ搭載機器の制御装置。
- 請求項1ないし4いずれか記載のアクチュエータ搭載機器の制御装置において、前記アクチュエータは圧電式のアクチエータであり、
前記通電内容が、アクチュエータの充電電圧であるアクチュエータ搭載機器の制御装置。 - 請求項2ないし5いずれか記載のアクチュエータ搭載機器の制御装置において、前記アクチュエータは磁歪式のアクチュエータであり、
前記通電内容が、アクチュエータの磁場形成電流であるアクチュエータ搭載機器の制御装置。 - 請求項1ないし6いずれか記載のアクチュエータ搭載機器の制御装置において、前記アクチュエータ搭載機器が、前記アクチュエータによりニードルのリフト制御用の弁体もしくはニードルが変位するインジェクタであるアクチュエータ搭載機器の制御装置。
- 請求項7記載のアクチュエータ搭載機器の制御装置において、前記アクチュエータには前記負荷としてコモンレールから供給される燃料圧が作用してなり、
前記通電内容設定手段を、実際の燃料圧と基準の作動条件における燃料圧との差に応じて前記通電内容を補正するように設定したアクチュエータ搭載機器の制御装置。 - 請求項1ないし8いずれか記載のアクチュエータ搭載機器の制御装置の調整方法において、予めアクチュエータ個々に、前記個別データに対応した情報を記憶する情報記憶媒体を設けておき、
アクチュエータ個々の情報記憶媒体の情報を、アクチュエータと組み合わされる前記制御装置の個別データ記憶手段に転送することを特徴とする
アクチュエータ搭載機器の制御装置の調整方法。 - 請求項9記載のアクチュエータ搭載機器の制御装置の調整方法において、前記個別データ記憶手段を不揮発性メモリにより構成し、
前記情報記憶媒体を、アクチュエータもしくはアクチュエータが搭載された機器の表面に形成した光学的に読み取り可能なコードパターンにより構成し、
光学スキャナによりコードパターンを読み取って、読み取られたデータに基づいて前記個別データ記憶手段にアクチュエータの個別データを書き込むアクチュエータ搭載機器の制御装置の調整方法。
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