JP4433513B2 - ブロー成形法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ブロー成形法およびその装置に関し、金型の交換時間を短縮でき、少量生産から大量生産まで効率的にブロー成形できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
中空容器などの成形法としてブロー成形が広く用いられており、ダイヘッドから押出されたパリソンを型開きした1対の割金型で受け取り、型閉めを行なってエアを吹き込み、しかるのち、型開きして製品を取り出すようにしている。
【0003】
このようなブロー成形を行うブロー成形装置としては、金型の移動形式で大別すると、環状に金型を移動するロータリ式と直線状に金型を往復移動するシャトル式のものがある。
【0004】
ロータリ式のブロー成形装置では、割金型を環状軌条に多数固定して環状に移動させながら連続的にそれぞれの割金型の開閉を行い、環状軌条を1回転する間に製品の取り出しまでを行なってブロー成形を完了するようになっている。
【0005】
また、シャトル式のブロー成形装置では、直線的に往復移動する割金型を2組設置し、交互に往復移動させてパリソンを受け取りブロー成形を行うようになっている。
【0006】
したがって、1つの中空容器などを大量生産する場合には、ロータリ式のブロー成形装置により環状に固定された多数個、例えば12〜14個の割金型により効率的に成形することができる。
【0007】
一方、2組の割金型を交互に往復移動させてブロー成形を行うシャトル式のブロー成形装置では、割金型の往復移動速度を増大してもその成形能力に限界があり、大量生産には適さず、少量生産に適した装置である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、中空容器などの形状の多様化などに対応するため、多種少量生産が必要な場合に、ロータリ式のブロー成形装置では、12〜14個が一組となっている金型をそれぞれ交換しなければならず、交換に時間が掛かるとともに、金型の製作コストも嵩むという問題がある。
【0009】
一方、多種少量生産だけを行う場合には、シャトル式のブロー成形装置を用いることで、割金型の個数が少なく交換に要する時間も短く、製作コストも掛からないが、大量生産が必要な場合には、その成形能力から限界があるという問題がある。
【0010】
この発明はかかる従来技術の有する課題を解決するためになされたもので、金型の交換時間を短縮でき、少量生産から大量生産まで効率的にブロー成形することができるブロー成形法およびその装置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術が有する課題を解決するためこの発明の請求項1記載のブロー成形法は、割金型をパリソンが供給されるパリソン受取位置に移動してパリソンを受け取り、型閉めしてブロー成形位置でブロー成形した後、製品排出位置で型開きして製品を排出するようにしたブロー成形法において、前記パリソン受取位置を挾む両側で前記パリソン受取位置と対向するよう第1の移動方向に順次往復移動させるとともに、この第1の移動方向と交差する第2の移動方向に前記パリソン受取位置と対向するよう順次往復移動される複数のステージを構成する移動台を設け、各ステージを構成する移動台上に独立して型締め・型開きが可能な割金型をそれぞれ設けて複数個の割金型でなる割金型列を前記交差する2方向に配列して、これら割金型列の各ステージ上の各割金型を前記パリソン受取位置、ブロー成形位置、製品排出位置に順次往復移動させながらブロー成形するようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
このブロー成形法によれば、パリソン受取位置を挾む両側でパリソン受取位置と対向するよう第1の移動方向に順次往復移動させるとともに、この第1の移動方向と交差する第2の移動方向に前記パリソン受取位置と対向するよう順次往復移動される複数のステージを構成する移動台を設け、各ステージを構成する移動台上に独立して型締め・型開きが可能な割金型をそれぞれ設けて複数個の割金型でなる割金型列を前記交差する2方向に配列して、これら割金型列の各ステージ上の各割金型を前記パリソン受取位置、ブロー成形位置、製品排出位置に順次往復移動させながらブロー成形するようにしており、パリソン受取位置の両側で複数個の割金型でなる割金型列を往復移動するのに加えてそれぞれの側の各割金型をパリソン受取位置に往復移動する2つの往復移動の組み合わせでロータリ式の場合に比べ少量の割金型で効率的にブロー成形でき、金型交換も短時間にできるようにしている。
【0013】
また、この発明の請求項2記載のブロー成形法は、請求項1記載の構成に加え、前記割金型列の前記パリソン受取位置と対向する位置への往復移動方向と、前記各割金型を前記パリソン受取位置への往復移動方向を直交するようにしたことを特徴とするものである。
【0014】
このブロー成形法によれば、割金型列のパリソン受取位置と対向する位置への往復移動方向と、各割金型をパリソン受取位置への往復移動方向を直交するようにしており、x−y方向などの2つの直交方向の往復移動により簡単かつ効率的に移動させてブロー成形できるようにしている。
【0015】
さらに、この発明の請求項3記載のブロー成形法は、請求項1または2記載の構成に加え、前記パリソン受取位置で複数個のパリソンを同時に供給するとともに、前記各割金型を複数のパリソンを受け取る割金型としたことを特徴とするものである。
【0016】
このブロー成形法によれば、パリソン受取位置で複数個のパリソンを同時に供給するとともに、前記各割金型を複数のパリソンを受け取る割金型とするようにしており、パリソンの供給のマルチ化と各割金型のマルチ化による複数キャビティによって一層成形能力を高めてブロー成形できるようになる。
【0017】
また、この発明の請求項4記載のブロー成形装置は、割金型をパリソンが供給されるパリソン受取位置に移動してパリソンを受け取り、型閉めしてブロー成形位置でブロー成形した後、製品排出位置で型開きして製品を排出するようにしたブロー成形装置において、前記パリソン受取位置を挾む両側で前記パリソン受取位置と対向するよう第1の移動方向に順次往復移動させる第1の往復移動機構を備えるとともに、この第1の移動方向と交差する第2の移動方向に前記パリソン受取位置と対向するよう順次往復移動させる第2の往復移動機構を備えた複数のステージを構成する移動台を設け、各ステージを構成する移動台上に独立して型締め・型開きが可能な割金型をそれぞれ設けて複数個の割金型でなる割金型列を前記交差する2方向に配列し、これら第1の往復移動機構と第2の往復移動機構を制御して前記各ステージを構成する移動台上の各割金型を順次パリソン受取位置への往復移動と製品排出位置に移動しながらブロー成形する移動制御手段を設けたことを特徴とするものである。
【0018】
このブロー成形装置によれば、パリソン受取位置を挾む両側で前記パリソン受取位置と対向するよう第1の移動方向に順次往復移動させる第1の往復移動機構を備えるとともに、この第1の移動方向と交差する第2の移動方向に前記パリソン受取位置と対向するよう順次往復移動させる第2の往復移動機構を備えた複数のステージを構成する移動台を設け、各ステージを構成する移動台上に独立して型締め・型開きが可能な割金型をそれぞれ設けて複数個の割金型でなる割金型列を前記交差する2方向に配列し、これら第1の往復移動機構と第2の往復移動機構を移動制御手段で制御して前記各ステージを構成する移動台上の各割金型を順次パリソン受取位置への往復移動と製品排出位置に移動しながらブロー成形するようにしており、2つの往復移動機構による2つの往復移動の組み合わせでロータリ式の場合に比べ少量の割金型で効率的にブロー成形でき、金型交換も短時間にできるようにしている。
【0019】
さらに、この発明の請求項5記載のブロー成形装置は、請求項4記載の構成に加え、前記第1の往復移動機構の移動方向と前記第2の往復移動機構の移動方向を直交させて配置したことを特徴とするものである。
【0020】
このブロー成形装置によれば、第1の往復移動機構の移動方向と第2の往復移動機構の移動方向を直交させて配置するようにしており、x−y方向などの2つの直交方向の往復移動機構で構成して、より簡単かつ効率的に移動させてブロー成形できるようにしている。
【0021】
また、この発明の請求項6記載のブロー成形装置は、請求項4または5記載の構成に加え、前記第1および第2の往復移動機構の移動台を溶接箱型構造として軽量化したことを特徴とするものである。
【0022】
このブロー成形装置によれば、第1および第2の往復移動機構の移動台を溶接箱型構造として軽量化するようにしており、往復移動のための負荷を低減して一層効率的にブロー成形できるようにしている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のブロー成形装置の一実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0024】
図1〜図4はこの発明のブロー成形装置の一実施の形態にかかり、図1は概略斜視図、図2は部分平面図、図3は部分側面図、図4は割金型の型開閉機構の部分平面図である。
【0025】
このブロー成形装置10は、ダイヘッドEから押出されるパリソンを、2列の金型列にそれぞれ2つずつの割金型を配置して4ステージA,B,C,Dの割金型を直交する2つの移動方向x,yに移動することを組み合わせながらブロー成形する場合のものである。
【0026】
このブロー成形装置10は、基礎上に設置される架台11を備えており、この架台11上にパリソンを供給するダイヘッドEを挾んで両側にそれぞれLMガイド12,13が2本ずつ平行にy方向に取り付けられ、それぞれのLMガイド12,13に沿ってy方向移動台14,15が往復移動可能に設けてある。
【0027】
これらy方向移動台14,15は、図3に示すように、溶接箱型構造とされ、外形が箱状とされ、内部に補強材などを配置して溶接して構成され、軽量化が図られている。
【0028】
そして、各y方向移動台14,15には、図2,3に示すように、LMガイド12,13の間にそれぞれ配置されたボールネジ16にねじ込まれたボールナット17が底部に固定され、ボールネジ16の端部に取り付けた歯車機構18を介してサーボモータ19でボールネジ16を回転駆動することで、y方向移動台14,15をダイヘッドEと平行に移動できるようになっている。
【0029】
これら2つのy方向移動台14,15上には、それぞれダイヘッドEに対して接近・離反するy方向と直交するx方向に沿う2組のLMガイド20,21,22,23が2本ずつ平行に取り付けられ、各LMガイド20〜23に沿ってx方向移動台24,25,26,27が往復移動可能に設けてあり、1つのy方向移動台に2つずつのx方向移動台が設けられている。
【0030】
これらx方向移動台24〜27も、図3に示すように、溶接箱型構造とされ、外形が箱状とされ、内部に補強材などを配置して溶接して構成され、軽量化が図られている。
【0031】
これら各x方向移動台24〜27には、図2,3に示すように、LMガイド20〜23の間にそれぞれ配置されたボールネジ28にねじ込まれたボールナット29が底部に固定され、ボールネジ28の端部に取り付けた歯車機構30を介してサーボモータ31でボールネジ28を回転駆動することで、各x方向移動台24〜27をダイヘッドEに対して接近・離反するx方向に移動できるようになっている。
【0032】
このようなy方向移動台14,15とx方向移動台24〜27のとの組み合わせで各x方向移動台24〜27はダイヘッドEに対して接近・離反(x方向の往復移動)したり、平行に移動(y方向の往復移動)することができる。
【0033】
各x方向移動台24〜27には、それぞれ同一の機構が搭載されて各ステージA〜Dが構成されており、ここでは、x方向移動台24のAステージを例に説明し、他のステージB〜Dは、同一部分に同一記号を記し、説明を省略する。
【0034】
x方向移動台24上には、y方向に沿って2本のLMガイド32が設けられて一対の金型支持台33が対向して開閉可能に設けられ、これら1対の金型支持台33,33aの対向面に1対の割金型34,34aが取り付けられてキャビティが対向している。そして、この1対の割金型34,34aを開閉して型閉め、型開きを行うため、架台11でのy方向外側に位置する金型支持台33にリンク機構35を構成するリンク36の一端が連結され、このリンク36と連結されたリンク37の他端を支持台38に回転可能に支持するとともに、歯車機構39を介してサーボモータ40で回転駆動することで、一方の割金型34を開閉する。
【0035】
この割金型34と対向する他方の割金型34aは、図4に示すように、割金型34の金型支持台33に開閉方向に沿うラック41を取り付けるとともに、割金型34aの金型支持台33aに連結ロッド42および緩衝ばね43を介して開閉方向に沿うラック41aをラック41と対向して取り付け、x方向移動台24にこれら2つのラック41,41aの間に互いに噛み合うピニオン44を取り付け、サーボーモータ40で駆動される割金型34に従動して割金型34aを接近させたり、離反させることができるようにしてあり、1対の割金型34,34aの開閉が行われる。
【0036】
そして、駆動側の割金型34が閉じられた状態で2本のリンク36,37が一直線状になって割金型34,34aの型閉め位置が定まるようにしてあり、1対の割金型34,34aが、図示しないそれぞれの型閉めアームを係止することで連結状態とされ、割金型34aの背部に設けた圧力シリンダ45で型閉め力を付与して型閉め状態にできる一方、型閉め力の影響が緩衝ばね43によってラック41,41aやピニオン44などに及ばないようにしてある。
【0037】
また、各y方向移動台14,15には、2つのx方向移動台24,26および25,27上の型閉めされた割金型34,34a内のパリソンにエアを吹き込むとともに、膨らんだ中間成形品を内側から冷却するためのブロー機構46が2つずつ設けてあり、L字型のブロー機構支持台47を介して設けてある。
【0038】
このL字型のブロー機構支持台47には、フレーム48がx方向に移動して位置調整可能に設けられ、このフレーム48に沿ってブローピン49が昇降可能に取り付けられ、型閉め状態の割金型34,34a上に位置して連結・開放できるようにしてある。
【0039】
このフレーム48には、図示ない上下方向の2本のLMガイドとボールネジによって昇降されるスライドブロック50が設けてあり、このスライドブロック50にさらに2本のLMガイドとボールネジによって昇降されるブロー台51が設けられてブローピン49が昇降可能に取り付けてあり、割金型34,34aへのブローピン49の連結・開放と、膨らんだ中間成形品内へのブローピン49の挿入・脱出との昇降を2重の昇降機構によって行うことで全高を低くするようにしてある。
【0040】
また、ダイヘッドEのx方向の架台11の外側には、それぞれ製品取り出し装置Tが設けてある。
【0041】
さらに、y方向移動台の移動、x方向移動台の移動が図示しない移動制御手段を構成するコンピュータなどの制御装置で制御されるとともに、割金型の開閉、ブローピンの昇降やエアの供給などもコンピュータなどの制御装置で制御されるようにしてある。
【0042】
次に、このように構成したブロー成形装置10の作用とともに、ブロー成形法について説明する。
【0043】
図5〜図7はこの発明のブロー成形法にかかる工程説明図である。
【0044】
このブロー成形法では、4つのステージA,B,C,DのうちステージAとステージCがy方向に隣接して配置されて一方の金型列とし、これとダイヘッドEを挾んでステージBとステージDが隣接して配置されてもう一方の金型列とし、ステージA,B,C,Dの順にブロー成形が行われる。
【0045】
まず、2つのy方向移動台14,15をLMガイド12,13に沿って移動してステージAとステージBとがパリンソン受取位置と対向する位置(図面の左端位置)であるダイヘッドEと対向する位置に移動する(図5(a)参照)。
【0046】
この後、ステージAの割金型34,34aをサーボモータ40、歯車機構39、リンク機構35およびラック41、ピニオン44、ラック41aにより型開き状態にし、x方向移動台24をLMガイド20に沿ってダイヘッドE直下のパリソン受取位置に移動し、パリソンを受け取り(図5(a)参照)、型開きとは逆にサーボモータ40で型閉めを行う。
【0047】
次に、パリソンを受け取ったステージAの割金型34,34aを、x方向移動台24の移動によってLMガイド20に沿って元のダイヘッドEから離反した位置であるブロー成形位置に戻すとともに、ブロー機構46によりブローピン49をスライドブロック50の下降により割金型34,34aに連結してエアを吹き込んで膨らませた後、ブロー台51を下降しながらブローピン49を膨らんだ中間成形品の内部まで入れてエアを吹き込んでブロー成形と冷却を行う。
【0048】
このステージAのx方向移動台24の後退と同時に、ダイヘッドEを挾んで対向するステージBの割金型34,34aを型開きした状態で、x方向移動台25をLMガイド21に沿ってダイヘッドE直下のパリソン受取位置に移動し、パリソンを受け取り(図5(b)参照)、型開きとは逆にサーボモータ40で型閉めを行う。
【0049】
次に、パリソンを受け取ったステージBの割金型34,34aを、x方向移動台25の移動によってLMガイド21に沿って元のダイヘッドEから離反した位置であるブロー成形位置に戻すとともに、ブロー機構46によりブローピン49をスライドブロック50の下降により割金型34,34aに連結してエアを吹き込んで膨らませた後、ブロー台51を下降しながらブローピン49を膨らんだ中間成形品の内部まで入れてエアを吹き込んでブロー成形と冷却を行う。
【0050】
一方、ステージCをy方向移動台14のy方向の移動でパリソン受取位置と対向する位置(図面の右端位置)であるダイヘッドEと対向する位置(図6(a)参照)にする。このステージCのパリソン受取位置と対向するようy方向に移動するのは、ステージAのx方向移動台24の後退後にステージBの動作と無関係に行われる。
【0051】
そして、ステージBのx方向移動台25の後退と同時に、ダイヘッドEを挾んで対向する位置としてあるステージCの割金型34,34aを型開きした状態で、x方向移動台26をLMガイド22に沿ってダイヘッドE直下のパリソン受取位置に移動し、パリソンを受け取り(図6(b)参照)、型開きとは逆にサーボモータ40で型閉めを行う。
【0052】
次に、パリソンを受け取ったステージCの割金型34,34aを、x方向移動台26の移動によってLMガイド22に沿って元のダイヘッドEから離反した位置であるブロー成形位置に戻すとともに、ブロー機構46によりブローピン49をスライドブロック50の下降により割金型34,34aに連結してエアを吹き込んで膨らませた後、ブロー台51を下降しながらブローピン49を膨らんだ中間成形品の内部まで入れてエアを吹き込んでブロー成形と冷却を行う。
【0053】
一方、ステージDをy方向移動台15のy方向の移動でパリソン受取位置と対向する位置(図面の右端位置)であるダイヘッドEと対向する位置(図6(b)参照)にする。このステージDのパリソン受取位置と対向するようy方向に移動するのは、ステージBのx方向移動台25の後退後にステージCの動作と無関係に行われる。
【0054】
そして、ステージCのx方向移動台26の後退と同時に、ダイヘッドEを挾んで対向する位置としてあるステージDの割金型34,34aを型開きした状態で、x方向移動台27をLMガイド23に沿ってダイヘッドE直下のパリソン受取位置に移動し、パリソンを受け取り(図6(b)参照)、型開きとは逆にサーボモータ40で型閉めを行う。
【0055】
次に、パリソンを受け取ったステージDの割金型34,34aを、x方向移動台27の移動によってLMガイド23に沿って元のダイヘッドEから離反した位置であるブロー成形位置に戻すとともに、ブロー機構46によりブローピン49をスライドブロック50の下降により割金型34,34aに連結してエアを吹き込んで膨らませた後、ブロー台51を下降しながらブローピン49を膨らんだ中間成形品の内部まで入れてエアを吹き込んでブロー成形と冷却を行う。
【0056】
一方、ステージAをy方向移動台14のy方向の移動でパリソン受取位置と対向する位置(図面の左端位置)であるダイヘッドEと対向する位置(図7(a)参照)にする。そして、ダイヘッドEを挾んで対向する位置としてあるステージAの割金型34,34aを型開きし、その後方に設置した製品取り出し装置Tにより、製品を取り出す。このステージAのパリソン受取位置と対向するようy方向に移動し、製品の取り出しを行うのは、ステージCのx方向移動台26の後退後にステージB,Dの動作と無関係に行われる。
【0057】
次いで、ステージDのx方向移動台27の後退と同時に、ダイヘッドEを挾んで対向する位置にあり、製品が取り出されて割金型34,34aが型開きされた状態のステージAを、再びx方向移動台24をLMガイド20に沿ってダイヘッドE直下のパリソン受取位置に移動し、パリソンを受け取り(図7(b)参照)、型開きとは逆にサーボモータ40で型閉めを行う。
【0058】
このステージAのパリソンの受取工程までに、ステージBは、y方向移動台15のy方向の移動でパリソン受取位置と対向する位置(図面の左端位置)であるダイヘッドEと対向する位置(図7(b)参照)に移動された後、ステージBの割金型34,34aを型開きし、その後方に設置した製品取り出し装置Tにより、製品を取り出す。このステージBのパリソン受取位置と対向するようy方向に移動し、製品の取り出しを行うのは、ステージDのx方向移動台27の後退後にステージA,Cの動作と無関係に行われる。
【0059】
これ以降は、y方向の移動でパリソン受取位置と対向する位置に移動した後、製品を排出し、再びパリソンをパリソン受取位置で受け取ることを繰り返して連続的にブロー成形が行われる。
【0060】
このようなブロー成形装置10およびこのブロー成形法によれば、ステージAとステージCとでなる2つの割金型34,34aで構成される一方の金型列およびステージBとステージDとでなる2つの割金型34,34aで構成されるもう一方の金型列のy方向の移動と、各割金型34,34aのx方向の移動とを組み合わせてブロー成形を行うようにしたので、4つの割金型で連続してブロー成形ができ、ロータリ式のブロー成形装置を用いる場合に比べ、金型の数を大巾に削減することができ、金型交換を短時間に行うことができるとともに、金型の製作コストを低減することができ、多種少量生産も効率的に行うことができ、特に少量の生産の場合には、1つのステージだけでブロー成形したり、2つのステージだけでブロー成形することも簡単にできる。
【0061】
また、このブロー成形装置10およびこのブロー成形法によれば、1つのダイヘッドEと4ステージの割金型34,34aでブロー成形することができるので、安定した状態でパリソンを供給できるとともに、従来のシャトル式のブロー成形装置に比べ、成形効率を大巾に向上することができ、大量生産に対応することもできる。
【0062】
一方、パリソンの供給を複数にするマルチパリソン化し、各割金型を対応して複数のキャビティを形成してマルチ金型化すれば、一層成形効率を向上することができ、あるいは各金型列に設けるステージの数を増大して金型を増やすことで成形効率を向上することもでき、これらの組み合わせなど生産量に応じた構成を簡単に作ることができる。
【0063】
さらに、このブロー成形装置10およびこのブロー成形法によれば、各割金型34,34aでパリソンを受け取った後、製品を取り出して次のパリソンを受け取るまでの時間を、ロータリ式ブロー成形装置の場合のように拘束されることがなく、長くすることができ、製品の取り出しを余裕をもって行うことができるとともに、ブロー成形時にラベルの取り付けを行うためのラベルの割金型内への装着なども余裕をもって行うことができる。
【0064】
また、y方向移動台14,15やx方向移動台24〜27を溶接箱型構造としたので、軽量化を図ることができ、移動に要する駆動力を小さくすることができ、小型のサーボモータでの駆動も可能となり、位置決めなどを高精度に行うことができる。
【0065】
なお、上記実施の形態では、割金型の移動方向を直交するx,y方向としたが、これに限らずx方向とこれに交差する方向などとの2方向に移動するようにしても良い。
【0066】
また、パリソンの供給はシングルパリソンとする場合に限らず、マルチパリソンとしても良く、シングルパリソンとする場合には、安定したパリソンを容易に得ることができ、マルチパリソンとする場合には、ブロー成形効率の大幅向上を図ることができる。
【0067】
さらに、割金型の設置個数も4個とする場合に限らず、さらに増加するようにして良く、ブロー成形法では、成形に用いる割金型の個数を減らしてブロー成形することもできる。
【0068】
【発明の効果】
以上、実施の形態とともに具体的に説明したように、この発明の請求項1記載のブロー成形法によれば、パリソン受取位置を挾む両側でパリソン受取位置と対向するよう第1の移動方向に順次往復移動させるとともに、この第1の移動方向と交差する第2の移動方向に前記パリソン受取位置と対向するよう順次往復移動される複数のステージを構成する移動台を設け、各ステージを構成する移動台上に独立して型締め・型開きが可能な割金型をそれぞれ設けて複数個の割金型でなる割金型列を前記交差する2方向に配列して、これら割金型列の各ステージ上の各割金型を前記パリソン受取位置、ブロー成形位置、製品排出位置に順次往復移動させながらブロー成形するようにしたので、パリソン受取位置の両側で複数個の割金型でなる割金型列を往復移動するのに加えてそれぞれの側の各割金型をパリソン受取位置に往復移動する2つの往復移動の組み合わせでロータリ式の場合に比べ少量の割金型で効率的にブロー成形でき、金型交換も短時間に行うことができる。
【0069】
また、この発明の請求項2記載のブロー成形法によれば、割金型列のパリソン受取位置と対向する位置への往復移動方向と、各割金型をパリソン受取位置への往復移動方向を直交するようにしたので、x−y方向などの2つの直交方向の往復移動により簡単かつ効率的に移動させてブロー成形を行うことができる。
【0070】
さらに、この発明の請求項3記載のブロー成形法によれば、パリソン受取位置で複数個のパリソンを同時に供給するとともに、前記各割金型を複数のパリソンを受け取る割金型とするようにしたので、パリソンの供給のマルチ化と各割金型のマルチ化による複数キャビティによって一層成形能力を高めてブロー成形を行うことができる。
【0071】
また、この発明の請求項4記載のブロー成形装置によれば、パリソン受取位置を挾む両側で前記パリソン受取位置と対向するよう第1の移動方向に順次往復移動させる第1の往復移動機構を備えるとともに、この第1の移動方向と交差する第2の移動方向に前記パリソン受取位置と対向するよう順次往復移動させる第2の往復移動機構を備えた複数のステージを構成する移動台を設け、各ステージを構成する移動台上に独立して型締め・型開きが可能な割金型をそれぞれ設けて複数個の割金型でなる割金型列を前記交差する2方向に配列し、これら第1の往復移動機構と第2の往復移動機構を移動制御手段で制御して前記各ステージを構成する移動台上の各割金型を順次パリソン受取位置への往復移動と製品排出位置に移動しながらブロー成形するようにしたので、2つの往復移動機構による2つの往復移動の組み合わせでロータリ式の場合に比べ少量の割金型で効率的にブロー成形を行うことができ、金型交換も短時間にできる。
【0072】
さらに、この発明の請求項5記載のブロー成形装置によれば、第1の往復移動機構の移動方向と第2の往復移動機構の移動方向を直交させて配置するようにしたので、x−y方向などの2つの直交方向の往復移動機構で構成して、より簡単かつ効率的に移動させてブロー成形を行うことができる。
【0073】
また、この発明の請求項6記載のブロー成形装置によれば、第1および第2の往復移動機構の移動台を溶接箱型構造として軽量化するようにしたので、往復移動のための負荷を低減して一層効率的にブロー成形を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のブロー成形装置の一実施の形態にかかる概略斜視図である。
【図2】この発明のブロー成形装置の一実施の形態にかかる部分平面図である。
【図3】この発明のブロー成形装置の一実施の形態にかかる部分側面図である。
【図4】この発明のブロー成形装置の一実施の形態にかかる割金型の型開閉機構の部分平面図である。
【図5】この発明のブロー成形方法の一実施の形態にかかる第1および第2の工程の工程説明図である。
【図6】この発明のブロー成形方法の一実施の形態にかかる第3および第4の工程の工程説明図である。
【図7】この発明のブロー成形方法の一実施の形態にかかる第5および第6の工程の工程説明図である。
【符号の説明】
10 ブロー成形装置
11 架台
12,13 LMガイド
14,15 y方向移動台
16,28 ボールネジ
17,29 ボールナット
18,30 歯車機構
19,31 サーボモータ
20,21,22,23 LMガイド
24,25,26,27 x方向移動台
32 LMガイド
33,33 金型支持台
34,34a 割金型
35 リンク機構
36,37 リンク
38 支持台
39 歯車機構
40 サーボモータ
41,41a ラック
42 連結ロッド
43 緩衝ばね
44 ピニオン
45 圧力シリンダ
46 ブロー機構
47 ブロー機構支持台
48 フレーム
49 ブローピン
50 スライドブロック
51 ブロー台
A,B,C,D ステージ
E ダイヘッド(パリソン受取位置)
T 製品取り出し装置
Claims (6)
- 割金型をパリソンが供給されるパリソン受取位置に移動してパリソンを受け取り、型閉めしてブロー成形位置でブロー成形した後、製品排出位置で型開きして製品を排出するようにしたブロー成形法において、前記パリソン受取位置を挾む両側で前記パリソン受取位置と対向するよう第1の移動方向に順次往復移動させるとともに、この第1の移動方向と交差する第2の移動方向に前記パリソン受取位置と対向するよう順次往復移動される複数のステージを構成する移動台を設け、各ステージを構成する移動台上に独立して型締め・型開きが可能な割金型をそれぞれ設けて複数個の割金型でなる割金型列を前記交差する2方向に配列して、これら割金型列の各ステージ上の各割金型を前記パリソン受取位置、ブロー成形位置、製品排出位置に順次往復移動させながらブロー成形するようにしたことを特徴とするブロー成形法。
- 前記割金型列の前記パリソン受取位置と対向する位置への往復移動方向と、前記各割金型を前記パリソン受取位置への往復移動方向を直交するようにしたことを特徴とする請求項1記載のブロー成形法。
- 前記パリソン受取位置で複数個のパリソンを同時に供給するとともに、前記各割金型を複数のパリソンを受け取る割金型としたことを特徴とする請求項1または2記載のブロー成形法。
- 割金型をパリソンが供給されるパリソン受取位置に移動してパリソンを受け取り、型閉めしてブロー成形位置でブロー成形した後、製品排出位置で型開きして製品を排出するようにしたブロー成形装置において、前記パリソン受取位置を挾む両側で前記パリソン受取位置と対向するよう第1の移動方向に順次往復移動させる第1の往復移動機構を備えるとともに、この第1の移動方向と交差する第2の移動方向に前記パリソン受取位置と対向するよう順次往復移動させる第2の往復移動機構を備えた複数のステージを構成する移動台を設け、各ステージを構成する移動台上に独立して型締め・型開きが可能な割金型をそれぞれ設けて複数個の割金型でなる割金型列を前記交差する2方向に配列し、これら第1の往復移動機構と第2の往復移動機構を制御して前記各ステージを構成する移動台上の各割金型を順次パリソン受取位置への往復移動と製品排出位置に移動しながらブロー成形する移動制御手段を設けたことを特徴とするブロー成形装置。
- 前記第1の往復移動機構の移動方向と前記第2の往復移動機構の移動方向を直交させて配置したことを特徴とする請求項4記載のブロー成形装置。
- 前記第1および第2の往復移動機構の移動台を溶接箱型構造として軽量化したことを特徴とする請求項4または5記載のブロー成形装置。
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