JP4433134B2 - ヘッダー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッダーに係り、特に、外部から供給された温水、不凍液、流体熱媒または蒸気等の流体(以下、流体という)を分岐して、任意の配管に供給するヘッダーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の金属製ヘッダーは、中に通している流体が凍結時に膨張することによる破損を防止する機能がついていなかった為、流体の凍結による膨張によりヘッダーの管が破裂することがあった。
【0003】
また、金属製のヘッダーは材料費が高くつくという問題点と、重量が重くなるという問題点があった。
【0004】
一部の樹脂製ヘッダーではバネを使用し、流体凍結時にのみ管内部の体積が増え、流体凍結時の体積膨張を吸収するようにしているものがある(特開2002−4349)が、膨張を吸収するストローク量が限定され、必ずしも管の破損を防止できないことや、常時バネの反発力が加わっているため、耐久性に問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のヘッダーの問題点を解決することを課題とするものであり、ヘッダー内部にある流体の凍結膨張時に管が破損することを防ぎ、なおかつ部品の再接続も簡単に短時間で行うことが出来るヘッダーを提供することを、その目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この目的を達成するため次のような構成を採用している。
【0007】
本発明のヘッダーは、熱源機から供給された流体を分岐させる管の中の開閉バルブ部分に内部流体が凍結した時の体積膨張によって、開閉バルブが押されて、開閉バルブの一部がヘッダー管の外側へ脱出する機構を設けたことに特徴がある。
【0008】
本発明のヘッダー1は、熱源機から流体を通す管である流体導入部2を有するヘッダー本体25と開閉バルブ6と開閉バルブ保持具3と、流体を他の管に配る流体の分岐部本体4、分岐口5から成り、該ヘッダーの流体の分岐点にあたる部分に開閉バルブ6とバルブ保持具3を設けてある。該開閉バルブ6は円形の筒状をしているものであり、その外周に一つまたは複数の長溝11を形成している。該長溝のうち、いくつか(好ましくは向かい合った1対の長溝)の両脇に4筒所の切れ込み18を開閉バルブの端から該開閉バルブの半ばまで入れ、可撓性のある爪7が形成されている。この爪7が撓むのは本体素材であるプラスチックの弾性を利用している。この爪7は開閉バルブ6の外周側下方に一部突出した部分(凸部14)を設けてあり、また、バルブ保持具には開閉バルブ保持用凸部8を設け、通常時はこの爪の凸部14が開閉バルブ保持具の凸部8に引っかかった状態で、開閉バルブ保持具3内に開閉バルブ6は保持されている。そして、ヘッダー本体の開閉バルブ保持部50の外周上には均等に4箇所、凸部16が形成されており、開閉バルブ保持具3の内側には螺旋状溝15が均等に4本形成されている。開閉バルブ保持具3のこの螺旋状溝15が、該凸部16と凹凸で噛み合うよう形成してあるので、開閉バルブ保持具3はヘッダー本体の凸部16部分にひっかかった状態で脱落せず保持されている。
【0009】
内部の流体の凍結時に、流体の体積が膨張すると開閉バルブが押され、その押圧力により爪部分がたわみ、バルブ管内側に向かい傾斜する。傾斜がある程度以上になったときに、爪の外周側に突出している凸部分とバルブ保持具の開閉バルブ保持用の凸部分が接していた箇所が外れ、それにより爪の凸部で引っかかってヘッダー内に留まっていた開閉バルブの下端部分がバルブ保持具の外側へと脱出し、開閉バルブが移動した分ヘッダー内部の流体の体積膨張を吸収する。
【0010】
また、上記開閉バルブ6の外周の長溝11には、該溝の終わりに段差が形成されている。この溝終わり12の段差が、開閉バルブ保持具3の開閉バルブ保持用凸部8にひっかかりストッパーとなるので、流体の凍結膨張によって開閉バルブ6が押されて開閉バルブ6の下端部が脱出した際に、開閉バルブ6の脱落防止となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明に係るヘッダーの実施の形態(以下、実施例という)を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1から図2に示したヘッダー1は、例えば、PA、POM、PP、PBT、PPS等の樹脂からできている。このヘッダーは、熱源機から流体を通す管である流体導入部2を有するヘッダー本体25と、本発明の重要部分である開閉バルブ6と、開閉バルブ保持具3と、流体を他の管に配る流体の分岐部本体4、分岐口5から成る。
【0013】
【実施例】
図1は、本発明実施例のヘッダー1を正面から見た図であり、開閉バルブ6は開いた状態になっている。このヘッダーは4つの部品、すなわちヘッダー本体25、開閉バルブ保持具3、流体の分岐部本体4と開閉バルブ6とから成り立っている。開閉バルブ6はヘッダー内にあるためこの図1では見えない(図3参照)。
【0014】
このヘッダー1は流体導入部2から流体の分岐部本体4へ流体を流し、分岐口5から出すことを目的として作られている。
【0015】
図2は、本発明実施例のヘッダーを正面から見た図であり、開閉バルブ6は閉じた状態になっている。
【0016】
図3は、図1の縦方向断面図である。通常時に開閉バルブを開いた場合の、ヘッダー本体25と開閉バルブ6、バルブ保持具3、流体の分岐部本体4の断面図である。
【0017】
通常は開閉バルブ先端部9が垂直下方にスライドしているため、開閉バルブ先端部9と流体導入部2は接触していないので、ヘッダー1の管内は流体の通路ができており、流体は流体導入部2から流体の分岐部本体4を通り分岐口5へ抜ける。以下、この、流体が流体導入部2から分岐口5へ抜ける状態を、「通常の状態」と表現する。(図1、図3に示す状態である)
【0018】
また、開閉バルブの中部Oリング13のサイズは、ヘッダー本体25の管の内部を密閉するサイズに作られている為、ヘッダー本体25の管の内側に中部Oリング13が接触することにより、流体はそれ以上開閉バルブ保持具3側には行かないよう遮断されている。
【0019】
ヘッダー本体25、開閉バルブ6、開閉バルブ保持具3は、図9に示すとおり円筒状の物体である。開閉バルブ6の外径は、開閉バルブ保持具3の内径やヘッダーの開閉バルブ保持部50の内径よりも小さい寸法で形成されているが、流体によって下方に押された際に開閉バルブ6がヘッダー本体25と接触できずに外部へ抜け落ちるのを防ぐため、開閉バルブ6をヘッダー本体25内に保持するよう各部品に以下の機構を設けてある。
【0020】
開閉バルブ保持具3は、図3〜図5に示したように、開閉バルブ保持具3内側の螺旋状溝15とヘッダー本体25の開閉バルブ保持部50外周の凸部16が凹凸で噛みあった状態で移動するように形成しているため、開閉バルブ保持具3はヘッダー本体25の凸部16に引っかかり支えられて脱落しない。
【0021】
そして、開閉バルブ6の爪7の凸部14が開閉バルブ保持用凸部8と接することにより、開閉バルブ6は開閉バルブ保持具3に引っかかり支えられて、開閉バルブ6は開閉バルブ保持具3内にとどまっている。通常の状態での各部品の位置関係は以上のとおりである。
【0022】
開閉バルブ6に、ヘッダー1内にて開閉弁としての役割を果たすため、以下のような機構を設けてある。
【0023】
開閉バルブ保持具3は、ヘッダー本体25、流体の分岐部4へと流体を通したり遮断したりする際の、開閉バルブ6で開栓・閉栓の切り替えをするハンドルの役割も持っている。
【0024】
ヘッダーの開閉バルブ保持部50外周の凸部16は、ヘッダー外周に均等に4箇所設けられている。ヘッダー管を図1の水平断面で見た場合、ヘッダー管の外周の、時計で言えば12時・3時・6時・9時の場所につけられている。
【0025】
開閉バルブ保持具3内側には螺旋状溝15が均等に4本形成されている。この螺旋状溝15は、該溝15内を開閉バルブ保持部50外周の凸部16が凹凸で噛み合った状態にて移動するように形成しているため、該溝15部分がそれぞれ凸部16に引っかかり支えられて開閉バルブ保持具3はヘッダー1から脱落しない。
【0026】
開閉バルブ保持具3を右側に捻り回すと、ヘッダーの開閉バルブ保持部外周の凸部16は該溝15をガイドに移動するため、相対的に開閉バルブ保持具3は螺旋状に回りながら上方へ移動する。
【0027】
開閉バルブ6は、開閉バルブ6の爪7の凸部14が開閉バルブ保持具3の凸部8と接することと、開閉バルブ6の先端部に凹状に形成された周溝28に配されたCリング24が該凸部8の下部と接することにより、上下方向へ動かないよう開閉バルブ保持具3に固定されており、また、開閉バルブ6の外周上に形成されたキー部26の側面(長溝11の側面でもある)部分と該凸部8の側面が接していることにより、左右回転する方向へも動かないよう開閉バルブ保持具3に固定されていて、開閉バルブ6は必ず開閉バルブ保持具3と一緒に動く構成となっている。
【0028】
ヘッダーの開閉作業をする際、開閉バルブ3を左右に捻ると開閉バルブ保持具3が螺旋状に旋回してヘッダー本体25の外周を上下するが、その際開閉バルブ6も同様に動く。開閉バルブ保持具3とともに開閉バルブ6が上方に移動することにより開閉バルブ先端部9は、ヘッダー1の流体導入部2の内部を塞ぎ流体を遮断する。これによりヘッダー1内部の流体は流体導入部2から先に出られず、ヘッダー1内部は閉栓された状態(図4参照)となる。
【0029】
図4の状態から開閉バルブ保持具3を左側に捻り回すと、開閉バルブ保持具3は該保持具内側の螺旋状溝15がヘッダーの開閉バルブ保持部50外周の凸部16に嵌合した状態で、螺旋状に回りながら下方へ移動する。
その際に、開閉バルブ6は、爪7の凸部14と、開閉バルブ6の下端付近の外周に形成された周溝28に装着されたCリングが開閉バルブ保持具3の凸部8に接することにより上下動しないよう固定されており、かつ長溝11の側面が該凸部8の側面に接することにより回転しないよう、開閉バルブ保持具3に固定されているため、開閉バルブ保持具3が螺旋状に旋回して、ヘッダーの開閉バルブ保持部50外周上を上下するのと同期して動く構成になっている。
【0030】
開閉バルブ6が下方に移動することにより開閉バルブ先端部9はヘッダー1の流体導入部2の内側から下方に離れ、流体はヘッダー本体25、流体の分岐部本体4を通り分岐口5へ抜け、通常の状態に戻る(図3の状態)。
【0031】
以上のような機構により、開閉バルブ6は弁としての役割を果たし、開閉バルブ保持具3はヘッダー内流体の連通状態と遮断状態をつくるハンドルとしての役割を果たす。
【0032】
開閉バルブ6を開閉バルブ保持具3に取り付け、両者を一体として連動させるため、以下に記述する機構を設けてある。
【0033】
図9に示すように、開閉バルブ6の下端部に、開閉バルブの管中心から見て外向きに放射状に凸状であるキー部26を設け、かつバルブ保持具3下端近傍の開閉バルブ保持用凸部8には、凹状のキー溝27を形成する。バルブ保持具3のキー溝27の凹部分に開閉バルブ6の各キー部26の凸が入り、凸凹で互いに嵌合し合う形であるが、キー部26とキー溝27は互いがぶつからずに行き違うことができるよう形成している。隣り合うキー溝27とキー溝27の間の部分(つまり凸部8)に開閉バルブ6の爪7の凸部14がひっかかることと、バルブ6の周溝28に装着された固定用Cリングが開閉バルブ保持具3の凸部8に接することにより、開閉バルブ6はバルブ保持具3内に保持された(図8に示した)状態を保つ。
【0034】
図9に示すように、上記開閉バルブ6のキー部26とキー部26の間に長溝11(開閉バルブ側面の長溝11)が、開閉バルブ管中心部から見ると放射状に6本、開閉バルブ6の外周側面に凹状に形成されている。該長溝11は中部Oリング13側に溝終わり12の段差が形成されている(図8参照)。図7や図10に示すように、ヘッダー1内部の流体が凍結膨張した際、流体に押されて開閉バルブ6の下端部分がヘッダー1の外へと脱出するが、そのとき溝終わり12の段差が開閉バルブ保持用凸部8に引っかかるため、開閉バルブ6はその全体がヘッダー1(と開閉バルブ保持具3)の外に落ちてしまうわけではなく、その全長の半分程度がヘッダー1の外に脱出する(図10参照)。これにより該凸部8は開閉バルブ6落下防止のストッパーとなる。また、開閉バルブ側面の長溝11のうち向かい合う2つに可撓性のある、たわむ部分20、つまり爪7を設けている。このたわむ部分20(爪7)が撓むのは本体素材であるプラスチックの弾性を利用している。プラスチックを使用することにより材料費を抑え、重量を軽くすることができる。
【0035】
上記のたわむ部分20(爪7)の自由端側には凸部14が形成されており、該凸部14は開閉バルブ保持用凸部8に引っかかって止まるように形成される。この凸部14が開閉バルブ保持用凸部8に引っかかることと、また、キー部26外周部に周溝28を形成し、キー部26を開閉バルブ保持具3のキー溝27に嵌めた後、図8,図9に示したように取り付け用Cリング24をキー部26の外周部分に形成した周溝28に嵌めて、開閉バルブ6が開閉バルブ保持具3に一体に取り付けられる。開閉バルブ6を開閉バルブ保持具3に取り付け、ヘッダー1にも取り付ける際、取り付け用Cリング24に開閉バルブ保持用凸部8が当接することにより、開閉バルブ6は一定距離以上はヘッダー1の内部に入りこめない構造になっている。
【0036】
図5、図6、図7は、図3の断面図から、開閉バルブ部分が一部脱出して開閉バルブ保持具3にぶらさがる様子を示した断面図である(要部のみ)。
【0037】
図8は、開閉バルブ6を開閉バルブ保持具3に取り付けた状態を示す正面図である。バルブ保持具のみ断面図となっている。
【0038】
図9は、図8の底面図である。図8に記載の切れ込み18は、この図9に示す切れ込み始点19から1対の長溝11(爪7)の両脇に任意の長さで形成される。該切れ込み18が両脇にあることにより、爪7は下端(凸部14がある側)が自由端となり、また、爪7は何らかの力を加えられるとたわむ。
【0039】
図10は開閉バルブ6が脱出した後の状態を示す要部の側面図である。バルブ保持具3と流体導入部2は断面図となっている。図8を90度旋回し、図9のたわむ部分20が正面に来るように図9の矢印の方向から見ていることになる。
【0040】
以下、使用方法について説明する。
【0041】
図4は、図2の縦方向断面図である。開閉バルブ保持具3を右へ捻った場合、該開閉バルブ保持具3内側の螺旋状溝15内をヘッダー1の凸部16が通過するようにして、開閉バルブ保持具3は右回りしながら上方向へと移動するが、その際に開閉バルブ6も開閉バルブ保持具3に固定された状態で開閉バルブ保持具3と同様に上方向へ移動する。そして、開閉バルブ6の先端部9が流体導入部2の中に入り、図4や図2に示す状態となる。流体導入部2の内径と開閉バルブ先端部9はほぼ同サイズであり、開閉バルブ先端部9の下に取り付けられた上部Oリング10により流体導入部2は密閉され、開閉バルブ6がヘッダーの管内部を閉じている状態である。この場合ヘッダー1の流体導入部2の上方から流体を流し入れたとしても、開閉バルブの先端部9と上部Oリング10によってヘッダーの管内部は密閉されているので、流体はそこで止められてしまい、流体の分岐部本体4や分岐口5には流れない。つまり、流体を遮断する弁になるわけである。工事や検査等で流体を止める時は、ヘッダー1はこの密閉状態になる。
【0042】
上記の、ヘッダー1の密閉状態から、図3に示すような、ヘッダー1の管内に流体を流す状態にするには、開閉バルブ保持具3を左に捻ると、開閉バルブ保持具3内側の螺旋状溝15内をヘッダー1の凸部16が通過するようにして、開閉バルブ保持具3は左回りしながら下方向へと移動するが、その際に開閉バルブ6も開閉バルブ保持具3に固定された状態で開閉バルブ3とともに下方向へと移動する。これにより、開閉バルブ6先端部9や上部Oリング10はヘッダー1の流体導入部2の内側部分から下方に離れ、流体導入部2の管内は密閉状態でなくなる。
【0043】
ヘッダー1の通常使用時はこの開放状態になる。
【0044】
ヘッダー1内部の流体が凍結すると、時系列で図5、図6、図7の順で開閉バルブ6が移動し、開閉バルブ6の一部分がヘッダー外部に脱出する。以下詳細に説明する。
【0045】
ヘッダー1内の流体が凍結した時に、流体の凍結膨張による押圧力が開閉バルブ6にかかる。
【0046】
開閉バルブ6は、開閉バルブ保持具3の開閉バルブ保持用凸部8に、開閉バルブ爪7の凸部14が引っかかることによってヘッダー内に保持されているため、流体の凍結膨張による押圧力はこの開閉バルブ6の爪7凸部14に集中する。
【0047】
開閉バルブ6の下部に切れ込み18が4本入っている(切れ込みの形状については図9、図10参照)。切れ込みがあることにより、図10の爪7、つまりたわむ部分20が流体からの押圧力によりたわんで管の内側へ傾く。流体からの凍結膨張による押圧力で爪7がたわみやすくなるように、開閉バルブ6の爪7凸部14には僅かながら角度がつけてあり、たわむ部分20が管の内側に向けてたわむと、ストッパーの役割をしていた開閉バルブ保持用凸部8から開閉バルブ6の爪7凸部14が滑り落ちるようになっている。
【0048】
図6は、ヘッダー1内部の流体凍結時に、流体の凍結膨張による押圧力により開閉バルブ6のたわむ部分20(図10参照)が管の内側にたわみ、それによって開閉バルブ6の爪7凸部14が開閉バルブ保持用凸部8を滑って通り過ぎ、外部に脱出したところの断面図である。
【0049】
開閉バルブ6が押し出されると、図7の状態になる。バルブ側面の長溝11の終わりにつけられている溝終わり12の段差が開閉バルブ保持用凸部8に引っかかり支えられ、ストッパーの役割を果たすことにより、開閉バルブ6がヘッダーからの脱落を免れて開閉バルブ保持具3にぶら下がっているところの断面図である。
【0050】
図7のように外に押し出された開閉バルブ6は手で押し込むことで簡単に再セットできる。開閉バルブ6を底面から押すと、爪7(たわむ部分20)が押された力により撓み、バルブ管内側に向かい傾斜する(図6の状態)。この傾斜がある程度以上になったときに、爪7の凸部14がバルブ保持具3の開閉バルブ保持用凸部8上を滑って通り過ぎ(図5の状態になり)、撓んでいた爪7が弾性復元し、爪7の凸部14がバルブ保持具3のバルブ保持用凸部8に引っかかり、再セットされる(図8の状態になる)。
【0052】
【発明の効果】
本発明は、上記のように構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0053】
請求項1の発明によれば、ヘッダー内部を流れる流体が凍結して膨張した場合、その膨張によって開閉バルブが押されて全長の約半分が脱出し、流体の膨張分の体積を吸収するので、流体の凍結膨張によるヘッダー管の破損を免れることができる。
【0054】
請求項2の発明によれば、開閉バルブにたわむ爪の部分が設けられているので、ヘッダー内部の流体が凍結膨張した際に、通常時は爪の凸部により開閉バルブ保持具に引っかかり、ヘッダー本体内に保持されている開閉バルブが、爪のたわみによりヘッダー外に脱出する。たわむ部分はプラスチックの可撓性を利用しているので他の部品が必要無い。従来技術でのヘッダーにはバネの力を利用したものがあるが、常時バネの反発力という負荷が加わるため、耐久性に問題があったが、これも解決する。また、上述のように他の部品が必要なく、プラスチックを使用することにより材料費を抑え、重量を軽くすることができるので、従来技術に比べ低コストで凍結破損防止機能能が付与できる。
【0055】
請求項2の発明によれば、開閉バルブの外周に長溝を形成し、該長溝の終わり部分の段差がストッパーとなり、内部の流体が凍結膨張した際に一部がヘッダーの外へ脱出した開閉バルブの脱落を防ぐ。もし部品が脱落するのであれば、落ちた部品を探すのに手間がかかり、また脱落の際の衝撃で部品が壊れる可能性があるが、これも解決する。また、流体の凍結膨張により開閉バルブが脱出した際は、道具を使わずに人の手で簡単に再セットすることができ、かつ再セットは専門の業者でなくともできるので、簡単かつ便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の開閉バルブを開いた状態を示す正面図である。
【図2】本発明の実施例の開閉バルブを閉じた状態を示す正面図である。
【図3】本発明の実施例の開閉バルブを開いた状態を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例の開閉バルブを閉じた状態を示す断面図である。
【図5】本発明実施例の開閉バルブが脱出する直前の状態を示す断面図である。
【図6】本発明実施例の開閉バルブが脱出した直後の状態を示す断面図である。
【図7】本発明実施例の開閉バルブが脱出した後の状態を示す断面図である。
【図8】本発明実施例の開閉バルブを開閉バルブ保持具に取り付けた状態を示す正面図である(開閉バルブ保持具のみ断面で示す)。
【図9】図8の底面図である。
【図10】本発明実施例の開閉バルブが脱出した後の状態を示す要部の側面図である(ヘッダー本体と開閉バルブ保持具を断面で示す)。
【符号の説明】
1 ヘッダー
2 流体導入部
3 開閉バルブ保持具
4 流体の分岐部本体
5 分岐口
6 開閉バルブ
7 爪
8 開閉バルブ保持用凸部
9 先端部
10 上部Oリング
11 長溝
12 溝終わり
14 凸部
15 螺旋状溝
20 撓む部分(長溝11であり、爪7)
25 ヘッダー本体
26 キー部
27 キー溝
28 周溝
50 開閉バルブ保持部
Claims (2)
- 熱源機システムから供給される温水、不凍液、流体熱媒または蒸気等の流体を分岐して、任意の配管に供給するヘッダーで、
該ヘッダーは熱源機から流体を通す管である流体導入部を有するヘッダー本体と
開閉バルブと
開閉バルブ保持具と、
流体を他の管に配る流体の分岐部本体、
分岐口から成り、
該ヘッダーの流体の分岐点にあたる部分に開閉バルブと開閉バルブ保持具を設け、
該開閉バルブの外周に一つもしくは複数の長溝を形成し、かつ、
開閉バルブの端から筒の半ばまで切れ込みを形成し長溝に可撓性のある爪を形成し、
さらに該爪には凸部を形成し、かつ、
該開閉バルブの先端部には外周部分に凸状のキー部を形成し、
該キー部の外周部分には凹状の周溝を形成し、
該周溝にはCリングを配し、
開閉バルブ保持具には開閉バルブ保持用の凸部を設け、
該凸部と凸部の間には、開閉バルブのキー部が嵌合する形状のキー溝を形成し、
常時は該爪の凸部とCリングが該開閉バルブ保持具の凸部に接することと、
該開閉バルブのキー部と該開閉バルブ保持具のキー溝が嵌合すること、により、該開閉バルブが該開閉バルブ保持具内に固定された状態で該ヘッダー内に保持されており、
また、ヘッダー内部の流体の凍結膨張による押圧力によりヘッダーから開閉バルブが押されたときは、その押圧力により前記爪部分がたわみ開閉バルブ管内側に向かい傾斜し、爪の外周側に突出している上記凸部とバルブ保持具の開閉バルブ保持用凸部が接していた箇所が外れ、開閉バルブの一部がヘッダーの管外へと脱出する事を特徴としたヘッダー。 - 請求項1に記載のヘッダーで、
前記開閉バルブの外周に一つもしくは複数の長溝を形成し、
該長溝には可撓性のある爪を形成してあり、
該長溝のうちいくつかの両脇に切れ込みを開閉バルブの端から該開閉バルブの半ばまで形成し、また
前記開閉バルブ保持具には開閉バルブ保持用凸部を設けてあり、
前記ヘッダー内部の流体の凍結膨張による押圧力によりヘッダーから開閉バルブが押されたときは、該爪に形成された凸部が開閉バルブ保持用凸部に接していた箇所がから外れ、開閉バルブの一部がヘッダー管の外へと脱出するとともに、
該長溝の溝終わりの部分の段差が開閉バルブ保持用凸部にひっかかりぶら下がるよう形成したことを特徴としたヘッダー。
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