JP4432918B2 - インペラ - Google Patents

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Description

本発明は、車両において燃料タンク内の燃料を燃料噴射装置へ圧送するインペラ及びこれを含むタービン式燃料ポンプに関する。
自動車等の車両において、燃料タンク内の燃料を燃料噴射装置に圧送するために、タービン式燃料ポンプが使用されることがある。タービン式燃料ポンプ(「ウエスコポンプ」とも言う)は、通常、円板状でその外周面に複数の羽根部及び羽根溝が形成されたインペラと、羽根溝に連通するC字形状のポンプ流路を持ちインペラを回転可能に収納するポンプハウジングと、インペラを駆動するモータとを含む。
燃料ポンプにおいては、ポンプ効率が良いことが要求される。この要求を満たすためには、(1)燃料がポンプ流路からインペラの羽根溝にスムーズに流入し、羽根溝からポンプ流路にスムーズに流出すること、(2)一側の羽根溝から流出する燃料と他側の羽根溝から流出する燃料との間によどみが生じず、衝突しないこと、(3)羽根溝及び側部溝内をより多量の燃料が旋回すること、(4)側部溝の終端部において燃料に脈動が生じないこと、及び(5)羽根溝の緒元(形状、大きさ)が燃料の昇圧を重視して決定できることが必要である。
ポンプ効率を上昇させるべく、特許文献1に開示された燃料ポンプ(第1従来例)は、羽根溝の回転方向の前方壁面を傾斜させたインペラを含む。図12及び図13に示すように、インペラ300の隔壁302の両側に羽根部304と羽根溝306とが円周方向に交互に形成され、ポンプハウジング310には一対の側部溝311を含むC字形状のポンプ流路312が形成されている。インぺラ300はポンプハウジング310内においてx方向に回転する。
羽根溝306の前方壁面307はインペラ300の側面301と直交する平面Pに対して回転方向xとは反対側(後方側)に傾斜している。これにより、前方壁面307付近での渦流をスムーズに流し、その付近での負圧の発生がなくし、乱流の発生を防止せんとしている。
特許文献1に開示された燃料ポンプ(第2従来例)は、図14に示すように、インペラ320には隔壁323の両側に羽根部321及び羽根溝322が交互に形成されている。隔壁323の外周面323aの外径は羽根部321の外周面321aの外径と等しい。ポンプハウジング325は、左右両側の側部溝326と、両者を連通する連通溝327とから成るC字形状のポンプ流路を有する。
燃料は矢印で示すように、側部溝326から羽根溝322の内周側内に流入する。その後、インペラ320の回転に基づく遠心力により隔壁323の両側面323bに案内されつつ羽根溝322内を半径方向外向きに流れ、昇圧される。昇圧された燃料は、羽根溝322の外周側から連通溝327及び側部溝326に流出し、後方側の羽根溝322内に再度流入する。
図15に示す燃料ポンプ(第3従来例)では、インペラ340の隔壁343の外周面343aの外径は羽根部341の外周面341aの外径よりも小さく、しかも隔壁343の幅は外周面343aにおいて非常に小さくなっている。その結果、左右の羽根溝342は隔壁343の外周側の環状空間344により連通されている。また、ポンプハウジング345のポンプ流路は左右両側の側部溝346と、両側部溝346を連通する連通路347とから成る。
側部溝346から羽根溝342の内周側から流入した燃料は、インペラ340の回転に基づく遠心力により隔壁343の両側面343bに案内されつつ羽根溝342内を半径方向外向きに流れる。それに伴い昇圧された燃料は、羽根溝342の外周側から環状空間344及び連通路347に流出し、後方側の羽根溝342内に再度流入する。
更に、図16に示す燃料ポンプ(第4従来例)では、インペラ360の隔壁363の案内面363b即ち羽根溝362の溝底面の幅が最外周部において漸増し、隔壁363及び羽根部361の外周側に環状部368が形成されている。一方、ポンプハウジング365には左右両側の側部溝366と、両側部溝366を連通する連通路367とを含むC字形状のポンプ流路が形成されている。
特許文献2に開示されたインペラ及びハウジング(第5従来例)では、ポンプハウジングに連通部を形成せず、インペラに連通孔を形成している。即ち、図17及び図18に示すように、インペラ400の吐出側の一側面401及び吸入側の他側面406には複数の羽根溝402及び407が円周方向に隔設されている。これにより隣接する羽根溝402及び407間に羽根部403及び408が形成され、またインペラ400の外周縁には環状部411が形成されている。
一側面401の羽根溝402及び他側面406の羽根溝407はそれぞれ円弧状の溝底面404及び409を有する。双方の溝底面404及び409は軸方向の中間部で交差し、これにより交差部405の半径方向外方に、一側面401から他側面406に軸方向に貫通する連通孔413が形成されている。羽根溝402と407とは連通孔413により互いに連通している。
図17において、ハウジング415は吐出側ハウジング416、吸入側ハウジング421及び外側ハウジング426から成る。吐出側ハウジング416の内側面の外周寄りに形成された一方の側部溝417は、始端部から燃料吐出口に連通された終端部(何れも不図示)までC字形状に延びている。
また、吸入側ハウジング421の内側面の外周部に形成された他方の側部溝422は、燃料吸引口に連通された始端部から終端部(何れも不図示)まで延びている。外側ハウジング426は吐出側ハウジング416及び吸入側ハウジング421の外周面を覆っている。
吸入側ハウジング421の始端部から羽根溝407に燃料が流入し、インペラ400の連通孔413を介して反対側の羽根溝402の始端部及び吐出側ハウジング416の始端部に流れる。回転するインペラ400の羽根部403及び408が羽根溝402及び407内に流入した燃料に円周方向の押出し力を与え、それに伴い発生する遠心力により溝底面404及び409に沿って半径方向外向きに流す。
その後、インペラ400の環状部411に衝突して軸方向外向きに分流し、側部溝417及び422に案内されて羽根溝402及び407に戻る。この羽根溝402及び407と側部溝417及び422との間の循環を繰り返しつつ、燃料はポンプ流路内を始端部から終端部に向かって螺旋状に流れる。吸入側ハウジング421の終端部に至った昇圧された燃料は連通孔413を介して吐出側ハウジング416の終端部に流入し、燃料吐出口から吐出される。
特開平6−272685号公報 特許第2962828号公報
図12及び図13に示した第1従来例の羽根溝306の構成はポンプ効率を向上させる上で十分とは言えない。即ち、燃料は羽根溝306内において、半径方向では図12に矢印yで示すように、羽根溝306の内周側から流入し、隔壁302の側面303に案内されて半径方向外向きに流れ、羽根溝306の外周側から流出する。また、円周方向では、図13に矢印zで示すように、前方壁面307側から羽根溝306内に流入し、後方壁面308側から流出する。
羽根溝306の前方壁面307即ち羽根部304の後方壁面を回転方向xに対して後方側に傾斜させたことにより、羽根溝306への燃料の流入はある程度スムーズになる。しかし、羽根溝306の後方壁面308即ち羽根部304の前方壁面は平面Pと平行であるので羽根溝306からの燃料の流出が十分にスムーズとは言い難い。また、隔壁302の両側からポンプ流路内に流出した燃料の間によどみが生じ、循環する流量が減少し易い。さらに、図13に示すように、羽根溝306の軸方向長さが浅く、多量の燃料が循環するとは言い難い。
図14に示した第2従来例では、羽根溝322内の燃料は隔壁323の案内面323bに案内されて半径方向外向きに流れ、連通溝327の端部に衝突し、流れ方向を幅方向外向きに変えられ、連通溝327の中間部即ち隔壁323の外周縁323aの外方に存在する燃料はよどみ易い。その結果、羽根溝322とポンプ流路326及び327との間を循環する燃料の循環量が減少し易い。
図15に示した第3従来例では、羽根溝342内の燃料は隔壁343の案内面343bに案内されて半径方向外向きに流れ、連通路347の中間部に衝突し、その後流れ方向をほぼ幅方向両外向きに変えられる。その結果、燃料の流速が低下し易い。
第1から第3従来例の不具合は、インペラ300,320及び340が隔壁302、323及び343の外周部に環状部を備えていないことに原因の一つがあると考えられる。
図16に示した第4従来例によれば、隔壁363の幅が最外周に進むにつれて漸増しているが、十分ではない。また、燃料の脈動の防止及び旋回流量の増大のために特別の工夫がなされていない。
第2従来例のインペラ320の羽根溝322、第3従来例のインペラ340の羽根溝341及び第4従来例のインペラ360の羽根溝362も軸方向長さが浅く、多量の燃料が循環するとは言い難い。
図17及び図18に示した第5従来例において、羽根溝402及び407の諸元(形状や大きさ)は、燃料の最適な昇圧を重視して決定されることが望ましい。しかるに、羽根溝402及び407の諸元を選定する際、連通孔413の諸元を考慮に入れる必要がある。例えば、羽根溝402及び407を大きくすることは燃料の昇圧の面では有効であるが、連通孔413が小さくなり吐出側ハウジング416と吸入側ハウジング421との間の燃料の円滑な流通が妨げられる。つまり、連通孔413の存在が羽根溝402及び407の諸元の自由な設計を制約する。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、インペラの隔壁の外周に環状部を形成して一側及び他側の羽根溝を独立させ、その上で、インペラ及び/又はポンプハウジングを改良することにより、優れたポンプ効率を持つインペラ及びタービン式燃料ポンプを提供することを目的とする。
具体的には、本発明は、より高いポンプ効率を実現できる羽根溝の諸元を連通手段の諸元から独立して決定でき、圧力のアンバランスに起因するポンプハウジング内でのインペラの移動が防止できるインペラ及び燃料ポンプの提供を目的とする。
本発明の第1インペラは、請求項1に記載したように、円板状を呈し、該外周部は、その一側面に円周方向に隔設された複数の一側の羽根溝と;その他側面に円周方向に隔設され該一側の羽根溝から隔設された複数の他側の羽根溝と;一側及び他側の該羽根溝から半径方向に内方又は外方に外れ、かつ一側及び他側の該羽根溝の半径方向の延長線から円周方向にずれている部分を該一側面から該他側面に貫通し、燃料を吸入側から吐出側に流通させるための複数の連通孔と;を備える。
このインペラによれば、一側及び他側の羽根溝内には燃料を吸入側から吐出側に流通させるための連通孔は形成されていない。よって、連通孔の形状等の選定から独立して、最適な燃料の昇圧を実現できる一側及び他側の羽根溝の大きさや形状を選定することができる。さらに、連通孔は一側及び他側の該羽根溝の半径方向の延長線から円周方向にずれている部分に形成されるので、円周方向にずらせて(千鳥状に)形成された一側の羽根溝及び他側の羽根溝とが連通孔により連通される。
本発明の第2インペラは、請求項に記載したように、円板状を呈し、該外周部は、一側面に円周方向において交互に形成された複数の該羽根部及び複数の該羽根溝と;他側面において円周方向に交互に形成され該一側の羽根溝から隔設された複数の羽根部及び複数の羽根溝と;一側及び他側の外周側に位置する外側環状部と;該一側及び他側の羽根溝から半径方向内方又は外方に外れた部分に形成され該一側面から該他側面に貫通し、燃料を吸入側から吐出側に流通させるための複数の連通孔と;を備え、さらに、複数の前記連通孔は前記一側の羽根溝及び前記他側の羽根溝の半径方向の延長線から円周方向にずれている
このインペラによれば、一側及び他側の羽根溝を区画する隔壁部等には燃料を吸入側から吐出側に流通させるための連通孔は形成されていない。よって、連通孔の形状等の選定から独立して、最適な燃料の昇圧を実現できる一側及び他側の羽根溝の大きさや形状を選定すべく、外側環状部、一側及び他側の羽根部等の緒元を選定することができる。さらに、連通孔は一側及び他側の該羽根溝の半径方向の延長線から円周方向にずれている部分に形成されるので、円周方向にずらせて(千鳥状に)形成された一側の羽根溝及び他側の羽根溝とを連通孔により連通することができる。
請求項3のインペラによれば、少ない圧力脈動で効率的に昇圧できる。請求項4のインペラによれば、一側及び他側の羽根溝が半径方向外周寄りに形成され回転半径が大きくなるので、燃料の圧力が効果的に昇圧される。
請求項のインペラでは、羽根溝と同数の連通孔は各一側羽根溝と各他側羽根溝とを連通させ、羽根溝の数より少ない数の連通孔が一部の一側の羽根溝と他側の羽根溝とを連通させる。請求項のインペラでは、一側及び他側の羽根溝が始端部の連通部及び終端部の連通部に対向しない場合でも、一側及び他側の浅溝が一側の羽根溝と他側の羽根溝とを連通する。
請求項のインペラでは、一側及び他側の羽根溝を連通孔との間にある程度の肉厚が確保され、この部分が破損等し難い。請求項のインペラでは、一側及び他側の羽根溝が始端部の連通部及び終端部の連通部に対向しない場合でも、一側及び他側突部に形成されたの一側及び他側浅溝が一側の羽根溝と他側の羽根溝とを連通する。
請求項のインペラでは、連通孔と同数の一側及び他側浅溝は各連通孔と各羽根溝とを連通させ、連通孔よりも少ない数の一側及び他側浅溝は一部の連通孔と一部の羽根溝とを連通させる。請求項10のインペラでは、一側及び他側浅溝が連通孔とともに千鳥状に形成された一側の羽根溝と他側の羽根溝とを連通する。
以上述べてきたように、本発明のインペラでは隔壁の外周に環状部を形成して一側の羽根溝と他側の羽根溝とを独立させ、その上で、一側面から他側面に貫通する連通孔は羽根溝から半径方向に外れた部分に形成した。その結果、最適なポンプ効率を得る観点から一側及び他側の羽根溝の諸元を選定することができる効果が奏される。このインペラを含む燃料ポンプでは、ポンプハウジングが一側及び他側の側部溝の始端部と終端部とが、インペラの連通孔の開口に対向する連通通路を有する。よって、吸入側の始端部及び終端部において、燃料がインペラの連通孔を介して吐出側に流れる。その結果、高いポンプ効率が達成されるとともに、燃料の圧力によりインペラに半径方向の力が加わることが防止される。
<インペラ>
インペラは円板部とその外周側の環状の外周部とから成る。円板部はポンプハウジングにより案内される部分であり、外周部はポンプハウジングと共同して燃料を循環させつつ圧力を上昇させる部分である。外周部は、環状部と、隔壁部と、複数の羽根部及び複数の羽根溝と、を含むことができる。
(1)環状部、隔壁部
環状部は半径方向外側に位置し、軸方向に所定の幅を持ち、円周方向に延びている。隔壁部は、インペラの軸方向中間部において軸方向に所定の厚さを有し、円周方向に延びている。その厚さ(軸方向寸法)は半径方向外向きに進むにつれて始め減少し、その後増加することが望ましい。
(2)羽根溝
隔壁部の一側及び他側の複数の羽根溝は燃料が流入及び流出する空間であり、円周方向に所定ピッチで形成される。一側の羽根溝及び他側の羽根溝の個数は例えば30個から70個とでき、列数は1列又は2列とできる。
一側の羽根溝と他側の羽根溝とが軸方向に対向していれば、一側の側部溝内の燃料と他側の側部溝内の燃料とが同様に昇圧され、両者間の圧力バランスが良くなる。これに対して、一側の羽根溝と他側の羽根溝とが円周方向にずれていれば(千鳥状)、一側の側部溝内の圧力変動と他側の側部溝内の圧力変動との位相がずれ、合流部での圧力変動を小さくできる。円周方向のずれ量は、例えば形成ピッチの半分とすることできる。
一側の羽根溝及び他側の羽根溝の前方壁面及び後方壁面はインペラの一側面及び他側面に対して直角を成しても良いし、回転方向において後方に、即ち奥側が入口側よりも回転方向後方となるように傾斜していても良い。一側の羽根溝及び他側の羽根溝の幅(円周方向の長さ)は全長に亘って均一でも良いし、側面から軸方向中間部に進むにつれて漸変しても良い。軸方向(深さ方向)の断面形状は例えば半円形状又はこれに近似する形状を持つことができる。
一側の羽根溝及び他側の羽根溝の軸方向先端部(最奥部)はインペラの軸方向中間部より手前まで延びても、中間部に延びても、中間部を超えて延びても良い。中間部を超えて延びた場合、両方の羽根溝は軸線を含む断面でオーバラップ(重複)する。
(3)羽根部
複数の一側の羽根部及び他側の羽根部は、一側の及び他側の羽根溝内に流入した燃料に円周方向の力を与えるものである。一側及び他側の羽根部の形状は一側及び他側の羽根溝の形状に関連し、隔壁部の一側及び他側にそれぞれ所定ピッチで形成され、内側環状部と外側環状部との間に延び、内側環状部の外周面及び外側環状部の内周面と共に一側及び他側の羽根溝を区画する。
羽根部の前方壁面の外周部の側面からの傾斜角度は50度より大きく、望ましくは60から70度の範囲で選択できる。一方、後方壁面の内周部の側面からの傾斜角度は50度よりも小さく、望ましくは30から40度の範囲で選択できる。また、前方壁面の内周部の側面からの傾斜角度は50から60度の範囲で、後方壁面の外周部の側面からの傾斜角度は35から50度の範囲で、それぞれ選択できる。
(4)連通孔
複数の連通孔は、インペラの一側面から他側面に貫通し、吸入側の第1連通溝から吐出側の第3連通溝への燃料の流入、及び吸入側の第2連通溝から吐出側の第4連通溝への燃料の流入を可能にする。複数の連通孔は、一側及び他側の羽根溝から少し半径方向内方に離れて、又は一側及び他側の羽根溝の内側ぎりぎりに形成できる。前者の場合、各羽根溝と連通孔との間に軸方向に少し突出した突部が形成される。
連通孔の個数は、燃料の吸入及び吐出の際の圧力損失や生産性等考慮して選定され、一側及び他側の羽根溝の個数と同数又はこれより少ない。側面形状(幅、高さ)は燃料の吸入及び吐出の際の圧力損失や生産性等を考慮して選定され、矩形状又は円形状にできる。幅、高さは全長に亘って均一にできる。
(5)突部、浅溝
複数の一側及び他側浅溝は複数の一側及び他側の羽根溝と複数の連通孔とを連通する。例えば、一側及び他側の羽根溝と連通孔との間の突部に形成され、半径方向に延びる。一側及び他側浅溝の個数は連通孔の個数と同じか、又はこれよりも少ない。但し、羽根溝と連通孔を連通させる役割上、連通孔が形成されていない円周方向の部分には浅溝は形成しない。尚、一側及び他側浅溝の個数や幅及び深さは、連通孔との接続部における圧力損失等を考慮して選定される。
<ポンプハウジング>
ポンプハウジングは、一側及び他側の略C字形状の側部溝、燃料吸入口、及び燃料吐出口及び内周面を有する。ポンプハウジングは、インペラの一側(吸入側)の第1ハウジングと、他側(吐出側)の第2ハウジングとから成る。第1ハウジングと第2ハウジングとはほぼ対称の容器形状を持つこともできるし、何れか一方が容器形状で他方が蓋形状を持つこともできる。
一側の側部溝が第1ハウジングに、他側の側部溝が第2ハウジングに形成される。一側の側部溝は一側始端部から一側終端部まで延び、一側の羽根溝の側方に位置し、他側の側部溝は他側始端部から他側終端部まで延び、他側の羽根溝の側方に位置する。他側の側部溝の始端部が燃料吸入口に連通され、一側の側部溝の終端部が燃料吐出口に連通される。他側の側部溝の始端部と他側の側部溝の始端部と、及び一側の側部溝の終端部と他側の側部溝の終端部とはポンプハウジングに形成された連通路又はインペラに形成された連通孔により連通される。
インペラが連通孔を備えていない場合、ポンプハウジングは、始端部及び終端部の外周側に軸方向に形成され一側の側部溝の始端部と他側の側部溝の始端部とを連通する始端側の連通通路と、外周側に軸方向に形成され一側の側部溝の終端部と他側の側部溝の終端部とを連通する終端側の連通通路とを有する。
インペラが連通孔を備えている場合、始端部及び終端部における第1から第4連通部は連通孔に対向して、始端部及び終端部の内周側に形成される。例えば、第1及び第2連通部は一側の始端部及び終端部の半径方向内側に形成され、第3及び第4連通部は、他側の始端部及び終端部の半径方向内側に形成される。
<第1実施例>
以下、本発明の実施例を添付図面を基にして説明する。
(構成)
タービン式燃料ポンプの全体図である図1に示すように、燃料ポンプは筒状ポンプハウジング130と、該筒状ポンプハウジング130内に収容されたモータ部135及びポンプ部140とから成る。
筒状ポンプハウジング130はケーシング131及びホルダ136を含む。ホルダ136には燃料噴射装置に燃料を供給する燃料供給部137が形成されている。ケーシング131の内周面に環状の永久磁石133が取り付けられ、その内側にアーマチュア134が配置されている。アーマチュア134から上方に突出した軸138aがホルダ136により回転可能に支承され、下方に突出した軸138bは次述するポンプハウジング141により回転可能に支承されている。永久磁石133及びアーマチュア134がモータ部135を構成する。
図2から図5を参照しつつポンプ部140について説明する。ポンプ部140はポンプハウジング141とインペラ160とに大別される。ポンプハウジング141は吐出側(上側)のポンプケーシング(第2ハウジング)155と、該ポンプケーシング155に一体化された吸入側(下側)のポンプカバー(第1ハウジング)142とから成る。モータ部135とポンプ部140との間にチャンバ139が形成されている。
図2及び図4に示すように、吸入側のポンプカバー142は容器形状を有し、円形の底壁部143とその周りの周壁部144とから成る。底壁部143の内側面(底面)143aの外周部に所定形状の溝底面を持つ一方の側部溝146が形成されている。図2に示すように、側部溝146は始端部147、終端部148、及び始端部147から終端部148まで延びるC字形溝部149を持ち、始端部147において燃料吸入口(不図示)に連通されている。始端部147及び終端部148はそれぞれ半径方向内側に第1及び第2の連通くぼみ147a及び148aを備えている。
図3及び図4に示すように、吐出側のポンプケーシング155は平板状を呈し、その内側面155aの外周部に所定形状の溝底面を持つ他方の側部溝156が形成され、上記側部溝146と対向している。図3に示すように、側部溝156は、始端部157、終端部158、及び始端部157から終端部158まで延びるC字形溝部159を持ち、始端部157において燃料吐出口に連通されている。始端部157及び終端部158はそれぞれ半径方向内側に第3及び第4の連通くぼみ157a及び158aを備えている。
ポンプカバー142の内側面143aとポンプケーシング155の内側面155aとが一定幅で円形状のインペラ収納空間を形成している。また、ポンプカバー142の側部溝146とポンプケーシング155の側部溝156とが、始端部147及び157から終端部148及び158まで延びるC字形状のポンプ流路を形成している。
図4、図5及び図6から明かのように、合成樹脂から成るインペラ160は円形状の本体部161と、その外周側の環状の外周部165とから成る。本体部161は上記ポンプカバーの本体143の内側面143aに案内される一側面161aと、ポンプケーシング155の内側面155aに案内される他側面161bとを有する。外周部165の一側面165a及び他側面165bには、外周面165cから少し半径方向内側にずれた部分に、多数の羽根溝166及び171が、円周方向に等しいピッチで隔設されている。
図6から明かのように、一方の羽根溝166の開口部の側面形状は概ね半径方向に細長い矩形状である(より正確には外周側の幅(円周方向の寸法)が内周側のそれよりも少し大きい)。図4から明かのように、羽根溝166の深さ方向における断面形状は概ね半円形状で、径方向の長さは側部溝146の径方向の長さとほぼ等しい。羽根溝166の深さはインペラ160の板厚の半分よりも小さい。
図7から明らかなように、羽根溝166と171とはこれらの形成ピッチの1/2に相当する距離だけ円周方向にずれて形成されている。その結果、図7から明らかなように、羽根溝166と171とは千鳥状に配置され、また羽根部168と173とは千鳥状に配置されている。
羽根溝166はインペラ160の回転方向Yに対して奥側が入口(開口)側よりも後方となるように傾斜し、奥側に進むにつれて幅が狭くなっている。より詳しくは、外周部165の一側面165aに対して羽根部の後方壁面(羽根溝166の前方壁面)167aが成す角度θ1の方が、一側面165aに対して羽根部168の前方壁面(羽根溝166の後方壁面)167bが成す角度θ2よりも小さくなっている。上記事情は他方の羽根溝171についても同じである。
図4及び図6に示すように、千鳥状に配置された一側面165a上の羽根溝166と他側面165b上の羽根溝171とは互いに隔絶され、しかも羽根溝166及び171はインペラ160の外周面165cにおいて開口していない。その結果、図5及び図6から明かのように、外周部165の一側面165a上では隣接する羽根溝166間に羽根溝166と同数の羽根部168が形成されている。羽根部168の厚さ及び高さは羽根溝166の幅及び高さと同じである。これと同様に、他側面165bでは隣接する羽根溝171間に羽根溝171と同数の羽根部173が形成されている。
また、外周部165には羽根溝166及び171の外周側には軸方向及び円周方向に延びる外側環状部181が形成されている。更に、一方の羽根溝166と他方の羽根溝171との間で、半径方向及び円周方向に延びる隔壁部183が形成されている。
図5及び図6から明らかなように、羽根溝166及び171から少し半径方向内方に外れ、かつ円周方向(時計方向)にずれた位置に、一側面165aから他側面165bに向かって軸方向に貫通する連通孔176が形成され、一側面165a及び他側面165bにおいてそれぞれ開口している。各連通孔の各羽根溝からのずれ量は、羽根溝の形成ピッチの1/2である。
連通孔176の個数は羽根溝166及び171の個数と等しい。各連通孔176の側面形状は、幅方向寸法よりも高さ方向(半径方向)寸法が少し長い矩形状であり、外周側の幅は羽根溝166及び171の内周側の幅より少し小さく、内周側の幅は該外周側の幅よりも少し狭い。隣接する連通孔176間の距離が上記側部溝146の始端部147及び終端部148の連通くぼみ147a及び148aの円周方向の長さとほぼ等しい。
また、連通孔176の高さは羽根溝166及び171のそれの半分程度であり、上記ポンプカバー142の側部溝146の始端部147及び終端部148の連通くぼみ147a及び148aの半径方向寸法とほぼ等しい。尚、連通孔176の幅及び高さは全長に亘って均一である。
羽根溝166及び171の半径方向内方に一対の突部178及び179が形成されている。一側面161aでは突部178に浅溝186が形成され、他側面161bでは突部179に浅溝187が形成されている。ここで、羽根溝166と、一側面161a側から見たとき該羽根溝166に対して1/2ピッチだけ時計方向にずれている羽根溝171とに注目する。羽根溝166の半径方向内方には該羽根溝166の幅よりも少し小さな幅を持つ浅溝186が1/4ピッチだけ時計方向にずれて形成されている。また、羽根溝171の半径方向内方には該羽根溝171の幅よりも少し小さな幅を持つ浅溝187が1/4ピッチだけ反時計方向にずれて形成されている。
その結果、一側面165aから見た(平面視)とき、浅溝186と187とはそれぞれの円周方向の相当部分において重複している。この重複部分の半径方向内側に連通孔176が形成されている。よって、羽根溝166と羽根溝171とは、浅溝186、連通孔176及び浅溝187によって互いに連通されている。
また、千鳥状に配置された羽根溝166と171とが浅溝186、187及び連通孔176により連通されている。浅溝186の幅は羽根溝166の内周側の幅即ち連通孔176の外周側の幅とほぼ等しく、深さは羽根溝166の深さの数分の一程度である。その結果、浅溝166は一側面161aからその深さ分凹んでいる。この事情は他側面161bの突部179、及びその上に形成された浅溝187についても同様である。
インペラ160は、互いに対向する面に所定形状の凹部を持ち互い接近・離間する方向に移動可能な一対の金型(不図示)により成形された。一方の金型はキャビティの内壁面に、羽根溝166、連通孔176の左半分及び浅溝186を形成するための凸部を持ち、他方の金型は羽根溝171、連通孔176の右半分及び浅溝187を形成するための凸部を持つ。
以上の構成になるインペラ160は、図4から明らかなように、ポンプハウジング141のインペラ収納空間内に回転可能に収納され、その一側面161aをポンプカバー142の内側面143aに、その他側面161bをポンプケーシング155の内側面155aにそれぞれ案内されている。この状態では、軸方向において多数の羽根溝166及び羽根部168が側部溝146に対向し、多数の羽根溝171及び羽根部173が側部溝156に対向している。また、連通孔176の一側面161a側の開口がポンプカバー142の始端部147及び終端部148の連通くぼみ147a及び148aに対応し、他側面161b側の開口がポンプケーシング155の始端部157及び終端部158の連通くぼみ157a及び158aに対応している。
インペラ160の一側面161aとポンプカバー142の内側面143aとの間、及び他側面161bとポンプケーシング155の内側面155aとの間には、浅溝186及び187の空間により隙間(図4参照)が形成されている。この隙間は羽根溝166及び171と連通孔176とをそれぞれ連通している。
(作用)
第1実施例の燃料ポンプにおいて、ポンプカバー142の燃料吸入口154から供給される燃料は、側部溝146の始端部147からインペラ160の羽根溝166に流入する。これと同時に、始端部147内の燃料は連通孔176を介してインペラ160の一側面161a側から他側面161b側に流れ、側部溝156の始端部157及びインペラ160の羽根溝171に流入する。
羽根溝166及び171の内周寄りの部分に流入した燃料は、回転するインペラ160の羽根部168及び173から円周方向の力を受け、それに基づく遠心力により図4において羽根溝166及び171内を半径方向外向きに流れる。その後、羽根溝166及び171の外周寄りの部分に案内されて、燃料は軸方向外向き(左右方向)に分流され、側部溝146及び側部溝156内に流入し、半径方向内向き及び軸方向内向きに案内されて羽根溝166及び171に戻る。これと同時に、燃料は図6において、羽根溝166及び171内に羽根部168及び173の前方壁面167b側から流入し後方壁面167a側から流出する。
こうして、ポンプカバー142側に流入した燃料は、羽根溝166と側部溝146との間で循環を繰り返しつつ、ポンプ流路内を始端部147から終端部148に向かって螺旋状に流れる。また、ポンプケーシング155側に流入した燃料は、羽根溝171と側部溝156との間で循環を繰り返しつつ、ポンプ流路内を始端部157から終端部158に向かって螺旋状に流れる。こうして終端部148及び158に燃料が次々に送り込まれ、その圧力が上昇する。
羽根溝166及び側部溝146で昇圧され終端部148に至った燃料は、終端部148の壁面により流れ方向をほぼ90度変更される。その後、インペラ160の連通孔176を一面面161a側から他側面161b側に流れる。羽根溝171及び側部溝156で昇圧され終端部158に至った燃料は、終端部148の壁面により流れ方向をほぼ90度変更される。こうして吸入側と吐出側とで別個独立に加圧され、その後合流した燃料は燃料吐出口(不図示)から上記チャンバ139を経て燃料供給部137に供給される。
(効果)
第1実施例によれば、第1に、羽根溝166内にも羽根溝171内にも、インペラ160の一側面161aと他側面161bとを連通する連通手段は存在しない。また、インペラ160の最外周には外側環状部181が存在し、羽根溝166も羽根溝171も外周面165cにおいて開口していない。しかも、ポンプカバー142にもポンプケーシング155にもインペラ160の最外周において羽根溝166と171とを連通する連通手段は形成されていない。その結果、一方の羽根溝166及び側部溝146内での燃料の昇圧と、他方の羽根溝171及び側部溝156での燃料の昇圧とは別個独立になされる。
従って、羽根溝166及び171の形状、大きさ及び個数は燃料の昇圧を重視して選定することができる。そこで、羽根溝166及び171を全体的にインペラ160の回転方向前方に傾斜させ、しかも羽根溝166及び171の開口側から奥側に進むにつれて幅が狭くなるように選定している。これにより、燃料は一方の羽根溝166と側部溝146との間、及び他方の羽根溝171と側部溝156との間を螺旋状に循環しその間に圧力が効率よく上昇する。
第2に、連通孔176は羽根溝166及び171から半径方向内方に外れた部分に形成されている。よって、吸入側の始端部147の連通くぼみ147aから吐出側の始端部157の連通くぼみ157aへの燃料の最適な流通、及び吸入側の終端部148の連通くぼみ148aから吐出側の終端部148の連通くぼみ158aへの燃料の最適な流通を重視して連通孔176の形状、大きさ及び個数を決定することができる。
これに関連して、羽根溝166及び側部溝146と羽根溝171及び側部溝156とを連通させる連通孔176をインペラ160自身に形成している。そのため、連通孔176の内壁面に作用する燃料の圧力によってインペラ160が何れかの半径方向に移動することが防止される。
第3に、突部178及び179には羽根溝166又は171と連通孔176とを連通する、羽根溝166又は171と同数の浅溝186及び187が形成されている。これにより、連通孔176の一方の開口が側部溝146の始端部147及び終端部148に対向せず、連通孔176の他方の開口が側部溝156の始端部157及び終端部158に対向しないときでも、羽根溝166及び側部溝146と羽根溝171及び側部溝156とは浅溝186、連通孔176及び187を介して互いに連通されている。従って、何らかの理由により、羽根溝166及び側部溝146内の燃料の圧力と羽根溝171及び側部溝156内の燃料の圧力とがアンバランスになったときは、圧力の高い方から低い方に燃料が流れ、これにより双方の圧力がバランスされ、インペラ160の軸方向における微妙なずれが防止される。
第4に、一対の金型によるインペラ160の成形時に突部178及び179に破損が生じ難い。連通孔176は羽根溝166及び171から半径方向内方に少し離れて形成されており、両者の間に残存する突部178及び179がある程度の厚さ(半径方向長さ)を持つからである。
(インペラの変形例)
第1実施例のインペラ160の第1変形例を図8に示す。このインペラが上記実施例と異なる点は、上記浅溝186,187が形成されていない点である。即ち、羽根溝191及び194と連通孔198との間に突部192及び195が存在するが、その突出端に浅溝は形成されていない。
第1変形例では上記第1実施例における第3の効果は得られない。しかし、上記第1、第2及び第4の効果が享受でき、従来例に比べると種々の面で優れている。
インペラの第2変形例を図9に示す。このインペラが第1実施例と異なる点は、上記突部178、179及び浅溝186、187が形成されていない点である。即ち、連通孔205が羽根溝201及び203の半径方向内側にぎりぎりに形成されており、上記突部178及び179に相当する部分は存在しない。
第2変形例では上記第1実施例における第3及び第4の効果は得られない。しかし、上記第1及び第2効果が享受でき、従来例に比べると種々の面で優れている。
<第4実施例>
(構成)
本発明の第2実施例の要部(インペラ)を図10及び図11に示す。第2実施例は、インペラ220の羽根溝230及び235の半径方向内側に連通孔223が形成され、ポンプハウジング(不図示)には連通部が形成されていない点は、上記第1実施例と共通している。しかし、一側及び他側の羽根溝230及び235の構成(特に軸方向長さ)が異なる。
詳述すると、インペラ220の外周部は、外側環状部252、隔壁部254及び複数の羽根部240、245を含み、複数の羽根部240、245により複数の羽根溝230、235が区画されている。
一側の羽根溝230の開口部の側面形状は概ね半径方向に細長い矩形状で、深さ方向における断面形状は概ね半円形状で、径方向の長さは側部溝261及び262の径方向の長さとほぼ等しい。ここで、一側面221a側の羽根溝230の軸方向長さ即ち深さに注目されたい。深さはインペラ220の軸方向中央部を超えて他側面221b側に延びており、板厚の半分よりも深くなっている。
羽根溝230は、インペラ220の回転方向Xに対して奥側が入口(開口)側よりも後方となるように傾斜し、奥側に進むにつれて幅が狭くなっている。より詳しくは、一側面221aに対して羽根溝230の前方壁面231が成す角度θ1の方が、後方壁面232が成す角度θ2よりも小さくなっている。尚、他側の羽根溝235は一側の羽根溝230と同様の構成を持つ。
図11から明らかなように、羽根溝230と235とはこれらの形成ピッチの1/2に相当する距離だけ円周方向にずれて千鳥状に形成され、羽根部240と245とは千鳥状に配置されている。その結果、図10から明らかなように、インペラ220の軸線を含む平面で切断したとき、一側の羽根溝230の先端部(最奥部)と他側の羽根溝235の先端部(最奥部)とは重なっている。重なり量はインペラ230の厚さの数分の一である。
羽根溝230及び235の半径方向内側には連通孔223が形成され、一対の突部224及び227にはそれぞれ浅溝225及び228が形成されている。その他の点は、上記第1実施例のインペラ160及び燃料ポンプと同じである。
これらに加えて、以下の特有の効果が得られる。燃料は羽根溝230及び235の半径方向において内側から外側に流れ(図10参照)、羽根溝230及び235の円周方向では前方壁面231側から流入して、後方壁面232側から流出する(図11参照)。このとき、羽根溝230及び235は軸方向に深いため、先端部が軸方向の中央部よりも手前又は中央部にあるインペラに比べて、羽根溝230、235と側部溝261,262との間で燃料の運動量を増加させることができる。その結果、燃料ポンプのポンプ効率が上昇する。
本発明の実施例による燃料ポンプを示す縦断面図である。 ポンプカバーの平面図である。 ポンプケーシングの平面図である。 図1のA部の拡大図で、本発明のインペラ及びその周辺を示す。 図1における18−18断面図である。 図5におけるB部拡大図である。 図1におけるC矢視図である。 インペラの第1変形を示す要部断面図である。 インペラの第2変形例を示す要部断面図である。 本発明の第2実施例によるインペラを示す縦断面図である 図10における24−24断面図である 第1従来例の要部縦断面図である。 同じく横断面図である。 第2従来例を示す要部断面図である。 第3従来例を示す要部断面図である。 第4従来例を示す要部断面図である。 第5従来例を示す要部縦断面図である。 インペラの側面図である。
符号の説明
130:筒状ポンプハウジング 146、156:側部溝
140:ポンプ部 168、173:羽根部
160:インペラ 166、171:羽根溝
176:連通孔 181 :外側環状部
178:突部 186、187:浅溝
141:ポンプハウジング
142:第1ハウジング(ポンプカバー)
155:第2ハウジング(ポンプケーシング)

Claims (10)

  1. 円板状を呈し、外周部に円周方向に沿って複数の羽根部と複数の羽根溝を有するタービン式燃料ポンプのインペラにおいて、
    その一側面において円周方向に隔設された複数の一側の該羽根溝と、
    その他側面において円周方向に隔設され該一側の羽根溝から隔設された複数の他側の該羽根溝と、
    一側及び他側の該羽根溝から半径方向に内方又は外方に外れた部分を該一側面から他側面に貫通し、燃料を吸入側から吐出側に流通させるための複数の連通孔と、
    を備え
    複数の前記連通孔は前記一側の羽根溝及び前記他側の羽根溝の半径方向の延長線から円周方向にずれていることを特徴とするインペラ。
  2. 円板状を呈し、外周部に円周方向に沿って複数の羽根部と複数の羽根溝を有するタービン式燃料ポンプのインペラにおいて、
    一側面において円周方向に交互に形成された複数の該羽根部及び複数の該羽根溝と、
    他側面において円周方向に交互に形成され一側の該羽根溝から隔設された複数の該羽根部及び複数の該羽根溝と、
    一側及び他側の該羽根部の外周側に位置する外側環状部と、
    一側及び他側の該羽根溝から半径方向内方又は外方に外れた部分に形成され該一側面から該他側面に貫通し、燃料を吸入側から吐出側に流通させるための複数の連通孔と、
    を備え
    複数の前記連通孔は前記一側の羽根溝及び前記他側の羽根溝の半径方向の延長線から円周方向にずれていることを特徴とするインペラ。
  3. 複数の前記一側の羽根溝と複数の前記他側の羽根溝とは円周方向にずれている請求項1又は2に記載のインペラ。
  4. 複数の前記連通孔は複数の前記一側の羽根溝及び複数の前記他側の羽根溝の半径方向内側に形成されている請求項1に記載のインペラ。
  5. 前記連通孔の個数は前記一側の羽根溝及び前記他側の羽根溝の個数と同じ又はそれ以下である請求項1又は2に記載のインペラ。
  6. 複数の前記一側の羽根溝及び複数の前記他側の羽根溝と複数の前記連通孔とを連通する
    複数の一側浅溝及び複数の他側浅溝が形成されている請求項1に記載のインペラ。
  7. 複数の前記一側の羽根溝及び複数の前記他側の羽根溝と前記連通孔との間に、軸方向に突出した複数の一側突部及び複数の他側突部が形成されている請求項1に記載のインペラ。
  8. 複数の前記一側突部及び複数の前記他側突部に、複数の前記一側の羽根溝及び複数の前記他側の羽根溝と複数の前記連通孔とを連通する複数の一側浅溝及び複数の他側浅溝が形成されている請求項に記載のインペラ。
  9. 前記一側浅溝及び前記他側浅溝の個数は、複数の前記連通孔の個数と同じ又はそれ以下である請求項又はに記載のインペラ。
  10. 複数の前記一側浅溝及び複数の前記他側浅溝は、複数の前記一側の羽根溝及び複数の前記他側の羽根溝の半径方向の延長線、及び前記連通孔の半径方向の延長線に対して円周方向にずれている請求項6又は8に記載のインペラ。
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