JP4432092B2 - コイン選別器、コイン検出装置、及び販売装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、このコイン選別器は、画像を取り込むための装置、及び取り込んだ画像を処理する処理装置を要し、このため装置全体が大がかりで高価となってしまう。また、取り込んだ画像を処理、比較するための、複雑なデータ処理が必要となる。
一方、コインが、その外面に所定の凹凸を有していない第2のコインである場合には、噛合部が第2のコインの外面の凹凸に噛合しないため、駆動手段は、噛合部を駆動して第2のコインを第1のコイン選別通路へ移動させることができない。したがって、第2のコインは、コイン係止部を移動させてコイン係止部と噛合部との間を押し広げることができないので、コイン係止部と噛合部との間を通過できない。この第2のコインは、第2のコイン案内手段によって、第2のコイン選別通路に案内される。
このようにして、コインが種類別に選別される。
また、噛合部が所定の凹凸に噛み合った第1のコインを駆動手段によって移動させ、その第1のコインがコイン係止部を移動させて噛合部とコイン係止部との間を通過するので、より確実な選別動作を行うことができる。すなわち、従来のコイン通路に突起を設けた構造のコイン選別器では、突起が設けられた位置でのコイン通路の寸法を、周面にぎざぎざを有するコインは通過でき、周面にぎざぎざを有しないコインは通過できない寸法に設定しなくてはならない。したがって、コイン通路や突起の寸法等の適切な設定範囲が非常に狭く、コインのぎざぎざの寸法のばらつき等の要因により、安定したコイン選別が難しい。これに対して、本発明に係るコイン選別器では、コイン通路を通過するコインを噛合部とコイン係止部の間で一旦係止させて噛合部に接触させ、コインが、コイン外面の所定の凹凸が噛合部と噛み合う第1のコインであるときは、駆動手段によって噛合部を駆動して第1のコインを移動させる。そして、第1のコインがコイン係止部と噛合部との間隔を押し広げることによって第1のコインを通過させて第1のコイン選別通路に送る。よって、噛合部がより確実にコイン外面の凹凸に噛合することができ、従来のコイン選別器に比べて、コイン選別能力がコインの寸法のばらつき等の要因に左右されにくく、従来より安定してコイン選別を行うことができる。
この実施の形態においては、歯車である噛合部が回転し、コインが外面に所定の凹凸を有する第1のコインである場合には、その凹凸が歯に噛み合い、歯が第1のコインを第1のコイン選別通路に向かって移動させる。
したがって、この実施の形態によれば、噛合部が歯車であるので、回転駆動することによって第1のコインを第1のコイン選別通路方向に移動させることができるから、噛合部の駆動構造が簡単となる。また、噛合部が歯車であるので、この歯車を回転させると、歯が順次コイン外面に接触する。したがって、歯がコイン外面の凹凸に係合する機会が次々と訪れる。これにより、外面に所定の凹凸を有する第1のコインが噛合部に噛み合いやすくなり、コインの選別ミスの発生を抑制することができる。
この他の実施の形態においては、コイン外面の所定の凹凸がコイン周面のぎざぎざであるので、コイン係止部は、噛合部との間に、コインの直径よりも小さな寸法の間隔を形成することとなる。そして、周面にぎざぎざを有する第1のコインが投入されると、噛合部がコイン周面のぎざぎざに係合し、第1のコインを第1のコイン選別通路に向かって移動させる。第1のコインはその周面でコイン係止部を移動させ、噛合部とコイン係止部との間を通過して、第1のコイン選別通路に送られる。
本発明においては、コイン選別器がコインを種類別に選別し、所定種類のコインが所定枚数投入されると、動作制御機構が排出機構を作動させてコインをコイン収納手段に排出する。
本発明によれば、販売装置が前述のコイン選別器を備えているので、前述のコイン選別器と同様の効果が得られ、簡単な構造でコインの選別が可能となる。
[手動式販売装置の全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係る販売装置としての手動式販売装置200を正面側からみた斜視図である。本発明の実施形態に係る手動式販売装置200は、一方を他方の上面の上に積み上げたすなわち上下二段構成になっている。上下の手動式販売装置200は、それぞれ箱型の筐体201を有する。筐体201の上部には、玩具等をカプセル等の容器に包装した物品Aを複数収納する収納ケース202が設けられている。また、手動式販売装置200の収納ケース202の下方には、筐体201の前面開口を覆うカバー体203が、ヒンジにより開閉自在に設けられている。
カバー体203には、コインを投入するためのコイン投入口204と、収納ケース202から取り出された物品Aが排出される物品取出口205と、返却されるコインが排出されるコイン受け皿206と、が設けられている。コイン投入口204からは、コインを受け入れてカバー体203の内部へ送り込むための、上部開口のコイン受入口12が突出している。また、カバー体203には、物品Aを収納ケース202から取り出すために操作する回転ハンドル210がカバー体203に対して回転可能に配置されている。さらに、カバー体203からは、投入したコインを返却させるための返却部材111が突出している。
図2に示すように、手動式販売装置200の上方には、収納ケース202が、中央には、投入されたコインを選別する本発明の実施形態に係るコイン検出装置1が、下方には、コイン検出装置1で選別されたコインを収納するコイン収納手段としてのコイン収納部208が設けられている。
回転ハンドル210の回転軸211は、筐体201の後方まで延び、端部に歯車212を有する。歯車212は、歯車213を介して駆動歯車214に噛み合っている。
回転台207の底面の外縁には、歯が形成されており、この歯が駆動歯車214に噛み合う。このような構成により、回転ハンドル210を回転させると、歯車212,213を介して駆動歯車214が回転し、回転台207が所定角度回動する。
ここで、回転ハンドル210から回転台207までの減速比は、回転ハンドル210が一回転したときに、回転台207が1回転のうち孔の数分の1だけ回転するように設定されている。つまり、例えば回転台207の孔の数が5つであれば、減速比は、回転ハンドル210が一回転すると回転台207が72°(360°の5分の1)回動するように設定される。
コイン検出装置1は、傘歯車85を有し、この傘歯車85は、筐体201に設けられた回転軸215の中央部に固定された傘歯車216に噛み合う。回転軸215の後端部には、歯車217が固定されており、この歯車217は、歯車218を介して回転ハンドル210の歯車212に噛み合う。
コイン検出装置1の構造について、以下に詳細に説明する。
図3は、コイン検出装置1を左側面から見た一部分解斜視図である。図4は、コイン検出装置1の側面図である。これらの図3及び図4に示すように、コイン検出装置1は、全体として、右枠体2Aと左枠体2Bとからなる装置本体2により構成されている。各枠体2A,2Bは、例えば硬質合成樹脂等により形成される。右枠体2Aと左枠体2Bとは、例えばネジにより連結させて固定されている。連結させた右枠体2Aと左枠体2Bとの間には、投入されるコインの厚みに応じた所定厚みの隙間が形成されており、該隙間によってコイン通路3の大部分が形成されている。
コイン検出装置1は、複数種類のコインを選別し、所定種類のコインが所定枚数投入されたときにだけ回転ハンドル210の回転を許すように構成されている。本実施形態では、コインとして、500円硬貨を採用し、500円硬貨が1枚投入されたときに、回転ハンドル210が回転可能となる構成について説明する。
プレート部17は、上部コイン通路3Aの上下方向の寸法とほぼ同じ寸法を有して板状に形成され、上部コイン通路3Aの上面3E及び底面3Dに案内されながら上部コイン通路3Aの上流側または下流側に向かってスライド可能となっている。プレート部17には、左枠体2Bに上部コイン通路3Aに沿って形成されたたスリット18を貫通して延びるばね取付部19が設けられており、左枠体2Bの外面に設けられたばね取付部20との間に、引っ張りばね21が取り付けられている。この引っ張りばね21により、プレート部17は、プレート部17のばね取付部19がスリット18の上流側の端部に接触する位置で位置決めされる。この位置は、プレート部17のスライド範囲のうち最も上流側の位置となり、この位置がプレート部17の初期位置となる。
なお、スライド部材15のスライド範囲は、左枠体2Bのスリット18の他、プレート部17の下部に取り付けられた板状のストッパ22によっても規制される。つまり、ストッパ22は、上流側端面22Aと下流側端面22Bとを有し、左枠体2Bに形成された開口部2B内に配置されている。スライド部材15の初期位置では、上流側端面22Aが開口部2Bの上流側の縁部に接触し、スライド部材15のスライド位置では、下流側端面22Bが開口部2Bの下流側の縁部に接触することにより、スライド部材15のスライド範囲が規制されている。
第2歯車29は、左枠体2Bの外側で、第1歯車28の軸28Aを中心に揺動可能な揺動プレート31に取り付けられ、且つ第1歯車28と噛み合っている。このような構成により、第2歯車29は、軸28Aを中心に第1歯車28の回りを揺動可能に第1歯車28に噛み合っている。はずみ車30は、第2歯車29に噛み合うことにより、第2歯車29を介して第1歯車28の回転速度が均一になるように調整し、かくしてスライド部材15のスライド速度を調整するようになっている。
図6及び図7は、本発明の実施形態によるコイン検出装置1のスライド制御手段16の部分を示す拡大図であり、図6は、スライド部材15が初期位置にあるときの図であり、図7は、スライド部材15がスライド位置にあるときの図である。
スライド制御手段16は、はずみ車30に噛み合い可能なはずみ車保持部32と、コインが投入されたことを検出するコイン検出部33とを備える。
コイン検出部33は、スライド部材15が初期位置にあるとき、図6に示すように側面33Dが中部コイン通路3Bの一部を形成するように位置する。一方、スライド部材15がスライド位置にあるとき、はずみ車保持部32の跳ね上げ部35が揺動することによってコイン検出部33の上部33Bを押し、これによりコイン検出部33の下部33Cは、図7に示すように、軸33Aを中心に揺動して、中部コイン通路3Bに突出する。これにより、中部コイン通路3Bにコインが投入されると、コインがコイン検出部33の下部33Cに当接し、コイン検出部33がコインの投入を検知する。
図8及び図9は、本発明の実施形態によるクレードル式コインセレクタ10の側面図であり、図9は、図8を反対側から見た図である。
図8に示すように、クレードル式コインセレクタ10は、前述の図3にも示すように、装置本体2の中央部に形成された収納凹部2Aに着脱自在に収納されており、装置本体2の上方に設けられたたロック部材8によって収納凹部2Aから外れないように固定されている。
図8乃至図10に示すように、クレードル48は、3つの第1アーム49、第2アーム50、及び第3アーム51を有し、全体として略Y字形に形成されている。クレードル48は、枠体11の外側に配置され、第1、第2及び第3アーム49,50,51の連結部分が枠体11に軸支され、当該部分がクレードル48の揺動中心軸52となっている。
第3アーム51は、第1アーム49が上端ストッパ11Cに当接される状態で、揺動中心軸52から径方向に下方に延び、その先端に重り56が取り付けられている。この重り56は、通常状態では、第1アーム49が上端ストッパ11Cに当接される位置に維持され、クレードル48に500円硬貨または500ウォン硬貨のコインが受け止められたときに、コインの自重によってクレードル48が揺動するような重さに設定されている。
伝達歯車57は、クレードル48が設けられた側とは反対側の枠体11の外面に設けられ、クレードル48の揺動中心軸52に軸支されている。このような構造により、クレードル48が揺動するとき、伝達歯車57は揺動しないが、選別歯車44は、伝達歯車57の軸を中心に、伝達歯車57と噛み合ったままクレードル48と共に揺動することとなる。このため、選別歯車44の揺動を許すように、枠体11には、選別歯車44の揺動軌跡に沿って円弧状の開口部11Hが形成されている。
ここで、選別歯車44の回転方向は、スライド部材15がスライド位置から初期位置に戻るときに、選別歯車44の中部コイン通路3B側の部分、つまりコインに接触する部分が、中部コイン通路3Bの上流側から下流側に移動するように、つまり中部コイン通路3Bの上方から下方に移動するように設定されている。このため、選別歯車44の歯に500ウォン硬貨の周面のぎざぎざが噛み合うと、選別歯車44は、500ウォン硬貨を、中部コイン通路3Bの下方に移動させる。
スライダ60は、第1アーム49の延びる方向に沿って配置された棒状部材で、基端に第1アーム49の取付部54が嵌合するスリット62が形成されている。スライダ60の長手方向略中央には、付勢手段47の一端を取り付けるための取付部63が設けられている。
爪部61は、スライダ60の先端に、スライダ60の延びる方向に略直角に突出し、2枚の枠体11の円弧状の開口部11Eを貫通して枠体11の厚み方向に横切るように延びている。したがって、爪部61は、枠体11間の中部コイン通路3Bを通過するコイン周面に、選別歯車44とは反対側から当接可能となる。爪部61の選別歯車44側の面には、投入されたコイン周面が当接される凸部64が設けられている。爪部61は、第1アーム49のスリット53に嵌合し、これにより、コイン係止部46は、第1アーム49の長手方向に沿って移動可能となる。
図11は、図3に示したコイン検出装置1の排出機構70の部分を拡大して示す斜視図である。下部コイン通路3Cは、図4に示すように、第2中部コイン選別通路3Gに連通する排出通路3Jと、第1中部コイン選別通路3Fに連通する返却通路3Kとを有する。
排出通路3Jには、クレードル式コインセレクタ10によって選別された500円硬貨が通過するようになっている。排出通路3Jの下部、すなわち装置本体2の下面には、右枠体2Aと左枠体2Bとの間の隙間が開放可能に構成されることにより、この隙間によってコイン排出口73が形成されている。コイン排出口73は、コイン収納部208の上方に位置し、コイン収納部208と連通可能となっている。また、排出通路3Jは、手動式販売装置200のコイン受け皿206に連通する通路に開口している。
返却通路3Kには、クレードル式コインセレクタ10によって選別された500円硬貨以外の硬貨が通過するようになっている。返却通路3Kは、返却口72に連通しており、返却口72は、手動式販売装置200のコイン受け皿206に連通する通路に開口している。
通路板74の上流側端部には、通路板74を付勢手段の付勢力に抗して回動させ、コイン排出口73を開放するための押圧部75が形成されている。
コイン落下防止ピン76は、通路板74が付勢手段の弾性により付勢されて装置本体2内に突出している際には、装置本体2内に突出せず、通路板74が付勢手段の弾性に抗して回動し、装置本体2内に突出せずにコイン排出口73を開放するときには、装置本体2内に突出することになる。
なお、本実施形態では、上記の各構成要素の位置関係を理解し易くするために、各構成要素の回転軸線において左枠体2Bから離間する方向(外方に向かう方向、図11に示す矢印Yの方向)を、「レベルが高くなる」と表現し、反対に各構成要素の回転軸線において左枠体2Bに近接する方向(右枠体2Aに向かって内方に向かう方向)を「レベルが低くなる」という表現を用いる。
通路板74の近傍には、係合円板82と同じレベルに、出没部材87が当接可能なストッパ89が設けられている。ここで、係合円板82の径寸法は、回転中心軸線からストッパ89までの距離よりも小さく設定されており、したがって、係合円板82は、回転する際にストッパ89に当接されることがない。一方、係合円板82の回転中心軸線から、係合円板82の外周から突出した状態での出没部材87の端部までの距離は、回転中心軸線からストッパ89までの距離よりも大きく設定されている。つまり、係合円板82が回転すると、出没部材87が係合円板82から突出しているときには、出没部材87がストッパ89に当接し、さらに回転することができなくなる。
また、爪歯車83の表面からは、位置決めピン83Aが突出しており、この位置決めピン83Aは、左枠体2Bに設けられた位置決め片93と係合する。位置決め片93は、左枠体2Bに対して回動可能となるように取り付けられ、且つバネ部材(弾性部材)94により、時計回り方向に付勢される。また、位置決め片93は、ストッパ片95により係止されそれ以上の時計回り方向への回動が規制されている。この位置決め片93および位置決めピン83Aにより、爪歯車83、つまり回転盤81の初期位置が設定される。なお、回転盤81の初期位置は、位置決めピン83Aが位置決め片93に当接した位置となる。
図12に示すように、円筒カム84は、爪歯車83と一体的に形成され、爪歯車83よりも高いレベルに配置されている。円筒カム84には、高いレベル側の端部から低いレベルに向かって凹む略V字状の凹部84Aが形成されている。この凹部84Aの端面には、左枠体2Bの外面に設けられた追随部材96の先端側に形成された追随ピン96Aが当接されている。追随部材96は、円筒カム84の径方向に略沿って配置され、基端側が円筒カム84の径方向と略直交する方向を中心に回動可能に左枠体2Bに支持されている。また、追随部材96は、ばね部材97によってレベルが低くなる方向に付勢されており、これにより、追随ピン96Aが円筒カム84に適切な付勢力で当接され、凹部84Aに追随可能となっている。
追随部材96の基端近傍には、排出通路3J内に規定枚数のコインが溜められた際に返却口72から最も遠い位置に溜められたコインに対応する位置に、排出通路3J内に突出可能な当接ピン98が形成されている。また、追随部材96の先端近傍には、係合円板82よりも外周側で、出没部材87の端部よりも径方向内側に対応する位置に、出没部材87のレベルまで突出可能なストッパピン99が形成されている。
[コイン投入機構及びクレードル式コインセレクタの動作]
手動式販売装置200の初期状態では、スライド部材15が初期位置にあり、コイン受入口12がカバー体203から突出している。この状態では、コイン滞留部24が上部コイン通路3A内に突出している。コイン受入口12の開口部12Eからコインを投入すると、コインがコイン滞留部24によって係止され、下流に移動せずにコイン受入口12に留まる。スライド部材15を押し込むと、スライド部材15が引っ張りばね21の付勢力に抗してスライド位置へ移動する。
このように、コイン検出部33によってコインの投入を検出し、コインの投入が検出されると、スライド部材のスライド動作が開始され、このスライド動作によって、クレードル式コインセレクタ10の選別動作が開始される。
ここで、スライド部材15がスライドを開始すると、押付片69がスライド制止制御片66の動作片68から離間するため、係合部67の突起65への係合が外れ、スライダ60が移動可能となる。一方、当接片55は、スライド部材15のスライド動作中、揺動制止片59に接触しているので、クレードル48の揺動動作は阻止される。
次に、回転制御機構80および排出機構70の動作について説明する。図21および図22は、回転制御機構80および排出機構70の動作を示す斜視図である。
まず、購入者が回転ハンドル210を回すと、傘歯車216が回転し、コイン検出装置1の傘歯車85に回転が伝達される。これにより、回転盤81は、図4の向きから見て時計回りの方向に回転しようとする。
排出通路3J内にコインが溜められていない場合には、押圧片90の当接面90Aがコインに当接されないため、出没部材87が押圧片90に当接すると、図21に示すように、押圧片90が揺動して、出没部材87を押圧しない。よって、出没部材87は、係合円板82内に没入することなく、係合円板82の外周から突出する。
なお、出没部材87は、係合円板82から突出しているので、ストッパ片89に当接する位置にあるから、回転盤81は、これによってもそれ以上の回転が阻止される。
なお、このとき追随部材96の当接ピン98は、500円硬貨に当接されるため、追随ピン96Aは凹部84Aに追随せず、ストッパピン99も装置本体2内に突出しないため、ストッパピン99が回転盤81の回転を阻止することはない。
このとき、通路板74の回動に連動して、コイン落下防止ピン76が第2中部コイン選別通路3G内に突出する。このコイン落下防止ピン76は、第2中部コイン選別通路3Gに載置されたコインと該コインの上に載置された次のコインとの間に突出するので、通路板74が回動してコイン排出口73が開口している間、次のコインがコイン排出口73に落下するのを防止する。
選別手段43が、コインCの周面のぎざぎざに噛み合い可能で駆動手段45によって回転駆動される選別歯車44と、選別歯車44との間でコインCを保持するコイン係止部46と、コイン係止部46をコイン係止位置に付勢する付勢手段47とを備えているので、コインCの周面にぎざぎざを有する500ウォン硬貨は、選別歯車44と噛み合い、凸部64を移動させて、凸部64と選別歯車44との間の間隔を押し広げて通過して第1中部コイン選別通路3Fに選別される。また、コインCの周面に500ウォン硬貨のぎざぎざとは形状が異なるぎざぎざを有する500円硬貨は、選別歯車44と噛み合わず、凸部64と選別歯車44の間に残ったままとなり、クレードル48が揺動することによって、第2中部コイン選別通路3Gに選別される。したがって、コインCの直径、厚み、重さがほぼ同じコインであっても、コインCの周面のぎざぎざ形状の相違によってコインを種類別に選別することができる。これにより、従来の画像処理によるコイン選別器と比較して、画像処理装置等が不要となるので、安価で簡単な構造でコインCを選別することができる。また、本実施形態のコイン検出装置1は、電力を使用せずにコインCの選別を行うことができるので、例えば電力を使用せず屋外等に設置する手動式販売装置に適用する場合等に特に有用である。
さらに、選別手段43が、コインCの周面のぎざぎざの形状の違いを利用してコインCの選別を行うので、選別歯車44が接触するコインCの面が曲面となり、選別歯車44がコインCのぎざぎざに噛み合いやすくなる。また、コインCの周面で凸部64を押すことになるので、凸部64と選別歯車44との間隔がコインCの円形外形に沿って徐々に押し広げられる。これにより、凸部64を滑らかに移動させることができる。
また、スライド部材15のスライド動作が、コイン投入機構5としての動作を兼ねているので、コインCを一つずつコイン検出装置1に投入することができる。したがって、クレードル式コインセレクタ10にコインCを一つずつ投入することができ、コインCの選別を確実に行うことができる。
また、クレードル48の当接片55が揺動制止片59に当接することにより、スライド部材15が初期位置に戻るまでの間、クレードル48の揺動を阻止することができる。したがって、スライド部材15がスライド位置から初期位置に戻るまでの所定時間、選別歯車44がコインCの周面に接触しながら回転してコインC周面のぎざぎざに噛み合うか否かを判別することができ、より確実なコイン選別を行うことができる。
また、選別手段は、前述の実施形態では、コイン周面のぎざぎざ形状の違いによって、つまりコインの厚み方向に対してぎざぎざが斜めに形成されているものと略平行に形成されているものとの違いによって選別するものであったが、これに限らず、例えばコイン周面のぎざぎざが有るものと無いものとを選別してもよい。この場合でも、選別手段は、前述の実施形態のようにぎざぎざの凹凸に噛み合う選別歯車を使用することができる。
コイン外面の凹凸形状は、コイン周面のぎざぎざに限らず、主面の凹凸形状であってもよく、その形状、形成位置等は、コインの種類に応じて任意に選択することができる。
第2のコイン案内手段は、噛合部及びコイン係止部を揺動片に取り付けることにより、噛合部とコイン係止部との間に係止されたコインを第2のコイン選別通路に案内するものであったが、これに限らず、任意の構造を採用することができる。例えば、第2のコイン案内手段は、噛合部とコイン係止部とが、第1のコイン選別通路及び第2のコイン選別通路の上方に移動可能に構成され、噛合部とコイン係止部との間に残ったコインを、第2のコイン選別通路の上方まで移動させ、コイン係止部を強制的に移動させることにより、噛合部とコイン係止部の間隔を広げて、コインを第2のコイン選別通路に送ってもよい。あるいは、このとき、第1のコイン選別通路及び第2のコイン選別通路が噛合部及びコイン係止部に対して移動可能に構成されてもよい。
また、駆動手段は、駆動用ラックと、スライド部材と、スライド部材付勢手段を有する構造のものに限らず、例えば選別歯車を直接回転させるハンドルが設けられているものであってもよい。あるいは、駆動手段は、一部または全部を電動で駆動させる構造であってもよい。
3 コイン通路
3B 中部コイン通路
3F 第1中部コイン選別通路
3G 第2中部コイン選別通路
10 クレードル式コインセレクタ
15 スライド部材
21 引っ張りばね
27 ラック
43 選別手段
44 選別歯車
45 駆動手段
46 コイン係止部
47 付勢手段
48 クレードル
55 当接片
58 駆動用ラック
59 揺動制止片
61 爪部
64 凸部
66 スライド制止制御片
69 押付片
70 排出機構
80 回転制御機構
200 手動式販売装置
Claims (5)
- コイン通路を通る第1のコインと第2のコインとをコイン外面の所定の凹凸形状の相違によって選別し、第1のコインは第1のコイン選別通路へ、また、第2のコインは第2のコイン選別通路に送るコイン選別器であって、
前記コイン通路の経路上でコインを受け止めて、第1のコインと第2のコインとを選別する選別手段を有し、
この選別手段は、前記コイン通路を通る第1のコインの外面の所定の凹凸に噛合可能な歯を有する歯車と、前記歯車から所定間隔寸法を隔てたコイン係止位置に位置するコイン係止部とを有し、前記所定間隔寸法は、前記コイン通路を通る第1のコイン又は第2のコインを前記歯車と前記コイン係止部との間に受け止め、且つ、それらの間を通過しないように第1のコイン及び第2のコインの所定部分の寸法よりも小さく設定されており、
更に、前記コイン係止部を、前記コイン係止位置に向かって付勢する付勢手段と、
前記歯車に噛み合った第1のコインが、前記付勢手段による付勢力に抗して、前記歯車と前記コイン係止部との間を押し広げて通過し、前記第1のコイン選別通路へ送られるように、前記歯車を駆動する駆動手段と、
コイン外面の所定部分の凹凸が前記歯車と噛み合わない第2のコインを前記第2のコイン選別通路に案内する第2のコイン案内手段と、を備え、
前記第2のコイン案内手段は、前記歯車及び前記コイン係止部が取り付けられた揺動片と、前記コイン係止部と前記歯車との間に第1のコイン又は第2のコインが受け止められてから所定時間後に、前記揺動片の揺動を許す揺動制御手段とを有し、
前記揺動片は、前記歯車が第2のコイン外面の所定の凹凸に係合せず、前記歯車及び前記コイン係止部との間に残った第2のコインの重さによって、前記揺動制御手段で揺動が許された前記揺動片が揺動することにより、第2のコインを前記第2のコイン選別通路に案内する、
ことを特徴とするコイン選別器。 - コイン通路を通る第1のコインと第2のコインとをコイン外面の所定の凹凸形状の相違によって選別し、第1のコインは第1のコイン選別通路へ、また、第2のコインは第2のコイン選別通路に送るコイン選別器であって、
前記コイン通路の経路上でコインを受け止めて、第1のコインと第2のコインとを選別する選別手段を有し、
この選別手段は、前記コイン通路を通る第1のコインの外面の所定の凹凸に噛合可能な歯を有する歯車と、前記歯車から所定間隔寸法を隔てたコイン係止位置に位置するコイン係止部とを有し、前記所定間隔寸法は、前記コイン通路を通る第1のコイン又は第2のコインを前記歯車と前記コイン係止部との間に受け止め、且つ、それらの間を通過しないように第1のコイン及び第2のコインの所定部分の寸法よりも小さく設定されており、
更に、前記コイン係止部を、前記コイン係止位置に向かって付勢する付勢手段と、
前記歯車に噛み合った第1のコインが、前記付勢手段による付勢力に抗して、前記歯車と前記コイン係止部との間を押し広げて通過し、前記第1のコイン選別通路へ送られるように、前記歯車を駆動する駆動手段と、
コイン外面の所定部分の凹凸が前記歯車と噛み合わない第2のコインを前記第2のコイン選別通路に案内する第2のコイン案内手段と、を備え、
前記駆動手段は、初期位置とスライド位置との間でスライド可能で、且つスライド方向に沿って駆動用ラックが形成されたスライド部材と、前記スライド部材を前記スライド位置から前記初期位置に向かって付勢するスライド部材付勢手段と、を備え、前記歯車は、直接的または間接的に前記駆動用ラックに噛み合い可能に構成される、
ことを特徴とするコイン選別器。 - コインの外面の所定の凹凸は、コイン周面のぎざぎざである、ことを特徴とする請求項1または2に記載のコイン選別器。
- 所定種類のコインが所定枚数投入されたことを検出して動作するコイン検出装置において、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコイン選別器と、
コインを、該コイン検出装置外部に設けられたコイン収納手段に排出する排出機構と、 所定種類のコインが所定枚数投入されたときに前記排出機構を作動させる動作制御機構とを備えた、ことを特徴とするコイン検出装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコイン選別器を備えたことを特徴とする、所定種類のコインが所定枚数投入されたときに取出口へ販売物品の送出を許す機構を持つ販売装置。
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