JP4431981B2 - 高圧放電灯 - Google Patents
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Description
すなわち前記特許文献2に記載されているようなグラスファイバや前記特許文献8に記載されているようなセラミックファイバでは発光管破裂時の保護手段として実用的な強度は期待できず、金属メッシュや金属線などを使用する場合でも大きな運動エネルギを持つ破片が衝突することによって金属線が変形してしまうため、網目間隔や線輪間隔を従来の間隔より小さく設定する必要がある。
さらに、前記透光性スリーブの外表面近傍にあって発光管中心を通り発光管軸に垂直な平面付近にのみ透光性外管破損防止に関わる金属線が、前記フレーム部材および前記透光性スリーブに対して押圧力が加わるように接触しながら巻き付けられている。
すなわち前記発光管における発光部中央付近の外径寸法は発光部端部の外径寸法より大きく、かつ発光部の肉厚寸法は発光端部の肉厚寸法以下であり、かつ発光部の最大外径寸法をD、発光部の全長をLとしたときにD/Lが0.4から0.75の範囲でLが45mm以下とする。
さらに、前記金属線を、前記透光性スリーブの外表面近傍に、前記フレーム部材および前記透光性スリーブに対して押圧力が加わるように接触させながら2回だけ巻き付ける。前記金属線は発光管中心を通り発光管軸に垂直な平面を中心として振り分けに配置されるようにする。さらに前記金属線を、前記電極のそれぞれの先端を通り前記発光管の中心軸に垂直な2つの平面に挟まれた領域の外でフレームに接合することによって位置固定する。この場合すべての接触点を接合すれば最も破損防止効果が大きくなる。ただし、少なくとも両端部がフレームに接合されていれば、中間の接触点は前記押圧力によって生じる摩擦力によって金属線がフレームに位置固定されるため、実用上大きな問題は生じない。
この結果透光性スリーブの肉厚をいたずらに厚くする必要が無く、金属線の使用量が従来量より激減するため、発光管放出光の遮光率を大幅に減少させることが可能となる。
これは簡易な構成であるため材料コストおよび製造コストの上昇も抑えられる。
この結果透光性スリーブの肉厚をいたずらに厚くする必要が無く、金属線の使用量が従来量より激減するため、発光管放出光の遮光率を最小にすることが可能となる。
実験によれば、従来技術に従った試作ランプの光束低下率が平均5%であったのに対し、同じ仕様のランプ部材を用いて本発明に従い金属線をまきつけた試作ランプは3%以下の光束低下に留まっていた。
これは簡易な構成であるため材料コストおよび製造コストの上昇も抑えられる。
すなわち製造工程上の追加コストは金属線の材料費と金属線をフレームに巻きつける1工程分の作業コストのみであり、わずかな追加コストで透光性外管の破損を完全に防止することができる。
予備実験に使用したランプもこの中に含まれる。
そして破裂の起点に注目して実験を重ねた結果、発光管の発光部中央付近の外径寸法は発光部端部の外径寸法より大きく、かつ発光部の肉厚寸法は発光端部の肉厚寸法以下で、発光部の最大外径寸法をD、発光部の全長をLとしたときにD/Lが0.4から0.75の範囲になるように設計されている場合、この条件を満たす発光管は破裂するときに必ず発光部の中央部付近を起点とし、発光部の端部は破壊されずに残る事を見出した。
しかし、上記の寸法規定が破裂箇所の限定と関連があることを過去に指摘した資料は見出せなかった。
発光管周囲に透光性スリーブを設けたランプの場合にも、金属線をフレームの外側に巻き付けることによって発光管破裂時の衝撃エネルギの一部をフレームに分担させ、金属線が受ける衝撃エネルギの負担を少なくすることができる。
この場合、フレーム部材は多くの場合金属製であるため、前記金属線をフレームに溶接して固定することができる。
硬質金属線をフレームに接合した状態では、図3および図5において、金属線がフレームおよび透光性スリーブに接触している部分に、フレームのバネ性や金属線が直線に戻ろうとする力により金属線をフレームまたは透光性スリーブに押し付ける力すなわち押圧力がかかっている。両者間では金属線はほぼ直線をなしており金属線に張力が生じている。
従来技術では、金属線に拘束力が働いていないため、透光性スリーブが破壊された瞬間から透光性スリーブ破片は自由に動く事ができた。すなわち透光性スリーブ破片が金属線に接触すると金属線を押し退けて通過してしまうという現象が見られた。
前述のように従来技術では透光性スリーブ破片が接触した時の金属線変形量が大きいため、透光性スリーブ破片が金属線を押し退けて通過してしまう事があるが、本発明の構成によれば金属線がフレームに接触している箇所と透光性スリーブに接触している箇所で固定されているのと同等の状態になっており、金属線に張力が生じているため、外力を受けた時の金属線変形量が小さくなる。
透光性スリーブが破壊された後は透光性スリーブが金属線を押し戻す効果が無くなり、金属線は宙に浮いているのと同様の状態になるはずだが、実験では、金属線をフレームおよび透光性スリーブに対して押圧力が加わるように接触させながら巻き付けたほうが、従来の巻き付け法と比較して明らかに金属線の変形量が小さくなる。
これは金属線がフレーム側にだけでも接続されて位置固定されている効果が現れているとも考えられるが、透光性スリーブが破壊された直後には、発光管から吹き出るガスによって透光性スリーブが金属線を透光性外管内面方向へ押すことになり、一時的に金属線にかかる張力が増大するという現象が起こっているとも考えられる。
タンタル線またはニオブ線を用いた場合、透光性外管内に発生する不純ガスを吸収するという派生効果も得られる。
フレーム部材は図1に示すフレーム3の相似形であり、150Wのランプにおいても発光管の周囲に2本のフレームを設けた形状となっている。
前項表2において、透光性スリーブ肉厚が2.5mmの場合に透光性外管破損率が0%になっているが、これは表1に示すとおり、直交表によって試作条件を減らしたために透光性スリーブ肉厚2.5mmで封入水銀密度6.0mg/cm3の条件が存在しなかったことによる。予備実験では透光性スリーブ肉厚3.0mmのランプでも透光性外管破損が起こったことから、この実験の範囲では透光性スリーブ肉厚との相関関係はないと考えられる。
今回、直径0.25mm以上のモリブデン線を使用した試作では透光性外管の破損は完全に防止された。線径が大きくなるほど安全性は高くなるが、発光管からの光束低下率も大きくなる。本発明の目的を考えると、金属線径は0.5mm以下を選択することが好ましい。
(2) 金属線の巻き付け方法: フレーム部材および透光性スリーブに対して押圧力が加わるように接触しながら巻き付け
(3) 金属線の巻き付け回数: 2.0回(1種)
(4) 金属線材質・線径: モリブデン・直径0.25mm
(5) 金属線接合位置: フレーム上で発光管内のアーク発生部から発光管軸に垂直に延長した空間の外側2〜3mmの位置
(6) 金属線接合方法: 金属線両端部にニッケル片を介してスポット溶接
(7) 透光性スリーブ肉厚: 1.2mm(1種)
(8) 封入水銀密度: 150Wは16.0mg/cm3(1種)、
250W、400Wは6.0mg/cm3(1種)
(9) 実験使用本数: 各10本(合計30本)
図1は第1の実施例として定格電力が400Wのセラミック製発光管を用いたメタルハライドランプであり、図2はランプ中心部の拡大図である。図3は発光管軸方向から見た金属線巻き付け形状を示す。
図6は本発明に係る発光管形状の説明図である。
他方の電極11aは、同様に図示しない他方の発光管封入線を介し、ニッケル線14を経てフレーム3へ電気的に接続し、さらにステム2の別の封入線に接続している。
発光管1はフレーム3に透光性スリーブ固定板5a、5bの支持穴により固定されている。
発光管1の周囲には透光性スリーブ6があり、フレーム3および透光性スリーブ6の外側であって発光管中心を通り発光管軸に垂直な平面(図2において発光管中心面16として示されている)を中心として振り分けに配置されるように金属線12を2回巻き付けてある。この金属線12は線径0.25mmの硬質モリブデン線を使用し、溶接点13a、13bにおいて両端部がフレーム3に溶接され固定されている。前記溶接点は前記電極11a、11bのそれぞれの先端を通り発光管1の中心軸に垂直な2つの平面に挟まれた領域の外に位置している。
ランプへの電力供給は、ランプが図示しないソケットに装着された状態において、口金8からステム2に封止られた導入線を通してなされる。
th1に相当する寸法は1.3mm、th2に相当する寸法は約4.5mmあって請求項1および請求項2に記載された発光管寸法の条件内に入っている。
第2に前記金属線12を金属線12に張力が生じるように引っ張りながらフレーム3および発光管6に巻き付ける。具体的には金属線12にばねばかりを取り付けると張力を制御する事が容易になる。本実施例の条件では約1kgfの力をかけるのが好適である。
第3に金属線12に張力をかけたまま金属線12の他方の端をフレーム3上の溶接点13bにスポット溶接などで接合する。
このようにすれば、金属線12をフレーム3および発光管1に対して押圧力を加えるように接触させながら巻き付けることができる。
この場合、図3に示す構成よりも巻き付け作業性は悪くなる。しかし金属線112をフレーム3に接続する際に、フレーム3および透光性スリーブ6を図8に示す方向に固定した状態で、図8における上下方向から溶接チップ114aおよび114bにて加圧しながら容易にスポット溶接を行なう事ができ、その後、他の接触位置の溶接も同じ方向から直ちに行なう事ができるため、自動装置にて溶接を行なう際に有利となる。
他方の電極61aは、同様に図示しない他方の発光管封入線を介し、ニッケル線64を経てフレーム53へ電気的に接続し、さらにステム52の別の封入線に接続している。
発光管51はフレーム53に透光性スリーブ固定板55a、55bの支持穴により固定されている。
発光管51の周囲には透光性スリーブ56があり、フレーム53および透光性スリーブ56の外側であって発光管中心を通り発光管軸に垂直な平面(図5において発光管中心面66として示されている)を中心として振り分けに配置されるように金属線62を2回巻き付けてある。この金属線62は溶接点63a、63bにおいて両端部がフレーム53に溶接され固定されている。前記溶接点は前記電極61a、61bのそれぞれの先端を通り発光管51の中心軸に垂直な2つの平面に挟まれた領域の外に位置している。
ランプへの電力供給は、ランプが図示しないソケットに装着された状態において、口金58からステム52に封止られた導入線を通してなされる。
th1に相当する寸法は0.8mm、th2に相当する寸法は約1.1mmであって請求項1および請求項2に記載された発光管寸法の条件内に入っている。
2、52 ステム
3、53 フレーム
6、56 透光性スリーブ
7、57 透光性外管
8、58 口金
10、60 口金側リード線
11a、11b 電極
12、62 金属線
13、63 溶接点
14、64 ニッケル線
15、65 口金側ニッケル線
16、66 発光管中心面
101 発光部
102 キャピラリー部
Claims (2)
- 一対の相対する電極を内包するセラミック製の発光管と、その発光管を取り囲む円筒状の透光性スリーブと、これらを含むランプ部材を気密性の透光性外管内の所定位置に保持するためのフレーム部材とを有する高圧放電灯において、前記発光管の発光部中央付近の外径寸法は発光部端部の外径寸法より大きく、かつ発光部の肉厚寸法は発光端部の肉厚寸法以下であり、かつ発光部の最大外径寸法をD、発光部の全長をLとしたときにD/Lが0.4から0.75の範囲であって、前記透光性スリーブの外表面近傍にあって発光管中心を通り発光管軸に垂直な平面付近にのみ透光性外管破損防止に関わる金属線が、前記フレーム部材および前記透光性スリーブに対して押圧力が加わるように接触しながら巻き付けられていることを特徴とする高圧放電灯。
- 一対の相対する電極を内包するセラミック製の発光管と、その発光管を取り囲む円筒状の透光性スリーブと、これらを含むランプ部材を気密性の透光性外管内の所定位置に保持するためのフレーム部材とを有する高圧放電灯において、前記発光管の発光部中央付近の外径寸法は発光部端部の外径寸法より大きく、かつ発光部の肉厚寸法は発光端部の肉厚寸法以下であり、かつ発光部の最大外径寸法をD、発光部の全長をLとしたときにD/Lが0.4から0.75の範囲でLが45mm以下であり、金属線が前記透光性スリーブの外表面近傍にあって前記フレーム部材および前記透光性スリーブに対して押圧力が加わるように接触しながら2回だけ巻き付けられており、前記金属線は発光管中心を通り発光管軸に垂直な平面を中心として振り分けに配置され、前記金属線の少なくとも両端部が前記電極のそれぞれの先端を通り前記発光管の中心軸に垂直な2つの平面に挟まれた領域の外でフレームに接合されて位置固定されていることを特徴とする高圧放電灯。
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